第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度のわが国経済は、期後半には生産や輸出に弱さがみられましたが、企業収益や雇用情勢の改善がつづくなど、全体としては緩やかな回復基調で推移しました。

当社グループが主に事業を展開する国内一般用消費財業界においては、販売単価に上昇傾向がみられるとともに、一部分野で訪日外国人観光客によるインバウンド需要もあり、市場は堅調に推移しました。

このような環境のもと、当社グループは、収益力の向上を最優先目標とした中期経営計画「V-2計画(Vision(ビジョン)2020 Part-2)」を新たにスタートさせ、4つの戦略テーマ「国内事業の質的成長」、「海外事業の量的成長」、「新しいビジネス価値の開発」、「組織学習能力の向上」にもとづく施策を推進しました。

国内事業では、歯磨、歯刷子、柔軟剤、台所用洗剤等において、高付加価値の新製品を発売し、積極的なマーケティング施策により育成を図りました。また、グループ内の化学品事業を再編し、一体運営による機能強化と経営資源の一層の効率化を図りました。

海外事業では、オーラルケア・ビューティケア等のパーソナルケア分野を中心に、重点ブランドの育成を行い、事業規模の拡大を図りました。なお、サザンライオン有限公司を第3四半期末に連結子会社といたしました。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は3,786億5千9百万円(前年同期比3.1%増、為替変動の影響を除いた実質前年同期比は1.4%増)、営業利益は163億7千4百万円(同32.0%増)、経常利益は180億9千9百万円(同28.7%増)、当期純利益は106億8千万円(同44.9%増)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

① 一般用消費財事業

当事業は、「オーラルケア分野」、「ビューティケア分野」、「ファブリックケア分野」、「リビングケア分野」、「薬品分野」、「その他の分野」に分かれており、全体の売上高は、前年同期比0.3%の減少となりました。セグメント利益は、高付加価値品の育成に注力したことや原材料価格が低下したことなどにより前年同期比18.7%の増加となりました。

 

 

当連結会計年度(百万円)

前連結会計年度(百万円)

増減率

売上高

273,486

274,427

△0.3%

セグメント利益

10,108

8,516

18.7%

 

 

[売上高の分野別状況]

 

当連結会計年度(百万円)

前連結会計年度(百万円)

増減率

オーラルケア分野

59,414

55,344

7.4%

ビューティケア分野

19,885

20,468

△2.9%

ファブリックケア分野

77,985

83,540

△6.6%

リビングケア分野

20,971

20,179

3.9%

薬品分野

38,754

38,156

1.6%

その他の分野

56,475

56,738

△0.5%

 

 

 

(オーラルケア分野)

歯磨は、主力の「クリニカ」シリーズが順調に推移するとともに、知覚過敏症状を防ぐ効果と歯を白くする効果のある歯磨をそれぞれ追加新発売した「システマハグキプラス」シリーズが3倍増となり、全体の売上は前年同期を上回りました。

歯刷子は、「クリニカアドバンテージ ハブラシ」が好調に推移するとともに、「システマ アーチフィット ハブラシ」や「ビトイーン贅沢Care(ケア)」などの新製品がお客様のご好評を得て、全体の売上は前年同期を大幅に上回りました。

 

(ビューティケア分野) 

ハンドソープは、「キレイキレイ薬用泡ハンドソープ」が堅調に推移するとともに、調理で手についた生肉の脂汚れ・生魚のニオイまでしっかり落とす「キレイキレイ薬用キッチン泡ハンドソープ」を新発売し、全体の売上は前年同期を上回りました。

制汗剤は、「Ban(バン)汗ブロックロールオン」が好調に推移するとともに、“ナノイオン殺菌成分”がワキのニオイを長時間ブロックする新製品「Ban(バン)ニオイブロックロールオン」の育成を行いましたが、パウダースプレーが伸びなやみ、全体の売上は前年同期を下回りました。

 

(ファブリックケア分野)

洗濯用洗剤は、超コンパクト液体洗剤「トップ NANOX(ナノックス)」、「トップ HYGIA(ハイジア)」の育成に注力しましたが、粉末洗剤の市場規模縮小の影響もあり、全体の売上は前年同期を下回りました。

柔軟剤は、「香りとデオドラントのソフラン アロマナチュラル」シリーズが順調に推移するとともに、改良発売した「ソフラン アロマリッチ」シリーズが好調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。

 

(リビングケア分野)

台所用洗剤は、ベタつく油汚れを水のようにサラサラ落とす“ナノ洗浄”で食器洗いが手早く片づく新製品「CHARMY(チャーミー) Magica(マジカ)」がお客様のご好評を得て、全体の売上は前年同期を大幅に上回りました。

住居用洗剤は、浴室用カビ防止剤「ルック おふろの防カビくん煙剤」、トイレ用洗剤「ルックまめピカ トイレのふき取りクリーナー」の育成に注力しましたが、全体の売上は前年同期を下回りました。

 

(薬品分野)

解熱鎮痛薬は、「バファリン プレミアム」が順調に推移しましたが、「バファリンA」が伸びなやみ、全体の売上は前年同期を下回りました。

点眼剤は、「スマイル40 プレミアム」や「スマイル40 EX(イーエックス) ゴールドマイルド」が好調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。

 

(その他の分野)

通信販売商品は、“内臓脂肪を減らすのを助け、高めのBMI(ビーエムアイ)の改善に役立つ”機能性表示食品として6月末に改良発売した「ナイスリムエッセンス ラクトフェリン」が発売後好調に推移しましたが、全体の売上は前年同期を下回りました。

ペット用品は、オーラルケア用品が好調に推移しましたが、猫用トイレの砂「ニオイをとる砂」が伸びなやみ、全体の売上は前年同期比横ばいとなりました。

 

② 産業用品事業

当事業は、導電性カーボン、界面活性剤、業務用洗浄剤等で構成されており、全体の売上高は前年同期比6.2%の減少となりました。セグメント利益は、前年同期比8.4%の減少となりました。

 

 

当連結会計年度(百万円)

前連結会計年度(百万円)

増減率

売上高

56,104

59,793

△6.2%

セグメント利益

1,612

1,759

△8.4%

 

 

導電性カーボンは、リチウムイオン電池などの2次電池向け「ケッチェンブラック」が堅調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。

界面活性剤は、洗剤向けの原料等が伸びなやみ、全体の売上は前年同期を下回りました。

業務用洗浄剤は、厨房向け消毒用アルコールが好調に推移するとともに、ハンドソープが順調に推移し、全体の売上は前年同期を大幅に上回りました。

 

③ 海外事業

海外は、タイ、マレーシア等の東南アジア、韓国、中国等の北東アジアにおいて主に消費財事業を展開しており、全体の売上高は、前年同期比18.4%の増加(為替変動の影響を除いた実質前年同期比10.9%の増加)となりました。セグメント利益は、パーソナルケア商品が伸長したことなどにより前年同期比159.9%の増加となりました。

 

 

当連結会計年度(百万円)

前連結会計年度(百万円)

増減率

売上高

102,077

86,202

18.4%

セグメント利益

2,983

1,147

159.9%

 

 

タイにおいては、「KODOMO(コドモ)」ブランドのオーラルケアシリーズや「植物物語」ボディソープが好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前年同期を大幅に上回りました。

韓国では、「システマ」歯磨が順調に推移するとともに、「キレイキレイ」ハンドソープが好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。

また、中国においては、「システマ」歯刷子が順調に推移するとともに、日本からの輸入販売が増加し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。

香港では、台所用洗剤「Magica(マジカ)」を新発売しました。

 

④その他

その他では、建設請負事業の受注の増加により、全体の売上高は、291億6千6百万円(前年同期比1.7%増)となりました。セグメント利益は、9億5千6百万円(前年同期比60.0%増)となりました。

 

 

当連結会計年度(百万円)

前連結会計年度(百万円)

増減率

売上高

29,166

28,682

1.7%

セグメント利益

956

597

60.0%

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、当連結会計年度期首に比べ231億2千8百万円の資金の増加(前連結会計年度は107億9千1百万円の資金の減少)となり、当連結会計年度末残高は612億7千8百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益等により、355億3千9百万円の資金の増加(前連結会計年度は117億3千8百万円の資金の増加)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、69億7千4百万円の資金の減少(前連結会計年度は168億3千8百万円の資金の減少)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当の支払いによる支出等により、50億6千2百万円の資金の減少(前連結会計年度は65億2千万円の資金の減少)となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年1月1日

至 平成27年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

一般用消費財事業

186,713

△5.3

産業用品事業

25,186

8.0

海外事業

83,841

13.8

その他

295,741

0.5

 

(注) 金額は生産者販売価格で算出しており、消費税等は含んでおりません。

 

(2) 受注状況

受注生産は行っておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年1月1日

至 平成27年12月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

一般用消費財事業

247,978

△0.5

産業用品事業

30,805

△2.1

海外事業

93,903

14.8

その他

5,972

23.0

378,659

3.1

 

(注) 1 セグメント間の内部取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

㈱Paltac

69,041

18.8

75,297

19.9

㈱あらた

62,799

17.1

55,670

14.7

 

3 金額は消費税等を含んでおりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

(1) 当社グループの対処すべき課題

「Vision2020」の実現に向け、「V-2計画」では4つの基本戦略をさらに強力に推し進めることに加え、構造改革や効率化のための施策をスピーディに実行することで、確実に収益力の向上につなげていくことが当社グループの課題であると認識しております。

 

① 国内事業の質的成長

一般用消費財事業では、主力のヘルス&ホームケア事業において、重点ブランドの育成強化と高付加価値分野の開発に注力するとともに、生産・供給体制の見直し等による経営資源の効率化に取り組み、収益力を強化してまいります。

産業用品事業では、昨年度グループの技術集積とシナジー発揮を目指して当社および子会社の化学品事業を統合再編したライオン・スペシャリティ・ケミカルズ㈱において、自動車、電気・電子等の重点分野への経営資源の集中を図り、事業基盤の強化を図ってまいります。また、業務用洗浄剤事業においては、衛生管理サービスの充実を図り、新規顧客の開拓による一層の事業拡大を目指してまいります。

② 海外事業の量的成長

成長市場であるアジアを中心に、グローバルブランドの育成強化やパーソナルケア分野の拡充を進めるとともに、グループ内における生産設備の効率的な活用および新規参入エリアの探索を進め、利益ある成長を目指してまいります。

③ 新しいビジネス価値の開発

通信販売事業のさらなる成長を目指し、主力の「ナイスリムエッセンス ラクトフェリン」に次ぐ、第2・第3の柱となる商品の開発・育成を加速します。また、当社保有資源を活用した新たな事業展開等、新規事業機会の探索も積極的に進めてまいります。

④ 組織学習能力の向上

企業スローガン「今日を愛する。」のもと、多様な人材が活躍できる環境づくりと人材育成施策を行い、チャレンジを促す組織文化への変革を進めます。また、当社の環境対応活動である「ECO LION(エコ ライオン)」活動や、生活情報の双方向型コミュニケーション活動にも一層注力いたします。

 

当社グループでは、これら4つの戦略を強力に推進し、収益性の向上と事業基盤の強化を図るとともに、持続可能な循環型社会の実現に向け幅広く貢献し、企業価値の向上を目指してまいります。

 

(2) 株式会社の支配に関する基本方針

① 基本方針の内容

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念及び企業価値の源泉並びに当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆さまの共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者であることが必要と考えております。

当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思にもとづいて行われるべきものと考えております。また当社は、当社株式等について大規模買付行為がなされる場合、当社の企業価値の向上や株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するべきではないと考えております。

しかしながら、株式等の大規模買付行為の中には、係る行為の目的等が当社の企業価値・株主共同の利益を明白に侵害するおそれのあるもの、株主に株式等の売却を事実上強要するおそれのあるもの、当社の取締役会や株主に対して当該行為に係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を与えないものなど当社の企業価値・株主共同の利益を毀損するおそれのあるものも想定されます。

 

当社は、このような企業価値・株主共同の利益に資さない大規模買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大規模買付行為に対しては、必要かつ相当な措置をとることにより、当社の企業価値ひいては株主の皆さまの共同の利益を確保する必要があると考えております。

 

② 基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、明治24年の創業以来、長きにわたり人々の健康と清潔で快適な暮らしに役立つ優良製品の提供を通じ、社会に貢献することを目指してまいりました。また、『「愛の精神の実践」を経営の基本とし、人々の幸福と生活の向上に寄与する』との社是のもと、口腔衛生啓発活動等の社会貢献活動にも積極的に取り組んでおります。このような一貫した「企業理念にもとづく事業活動」の継続により、現在の当社事業は、歯磨、歯刷子、洗濯用洗剤、ハンドソープなどの日用品、解熱鎮痛薬、アイケア剤などの一般用医薬品等、生活に欠かすことのできない製品分野にわたり、多くのお客様からご愛顧をいただいております。

企業経営を取り巻く環境が絶えず変化する中、今後とも一貫した経営理念にもとづいて、よりお客様に満足いただける製品・サービスを創出し、生活者の良きパートナーであることが当社の中長期的な企業価値の向上につながるものと考えております。

創業120周年を機に当社の目指す姿を定めた「Vision2020」の実現に向け、「V-2計画」の戦略を着実に実行に移し、企業価値の向上を目指してまいります。

また、当社は、取締役の任期を1年として社外取締役2名を置き、経営の監督機能の強化を図るとともに社会通念上の視点から経営の評価を行うため社外有識者で構成される「経営評価委員会」を設置し、コーポレート・ガバナンスの充実に努めております。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって支配されることを防止するための取組み(買収防衛策)

当社は、平成27年3月27日開催の第154期定時株主総会において「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下、「本プラン」といいます。)の継続についてご承認いただいております。本プランは、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者(以下、「買付者等」といいます。)が遵守すべき手続きを明確にし、株主及び投資家の皆さまが適切な判断をするために必要かつ十分な情報及び時間並びに買付者等との交渉の機会を確保することを可能とするものであり、買付者等が本プランに定める手続きを遵守しない場合や、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうものと認められる場合には対抗措置の発動を警告するものであります。

本プランの対象となる大規模買付行為とは、以下の(ⅰ)または(ⅱ)に該当する当社株式等の買付けまたはこれに類似する行為であります。
 (ⅰ) 当社が発行者である株式等について、保有者の株式等保有割合が20%超となる買付け
 (ⅱ) 当社が発行者である株式等について、公開買付けに係る株式等の株式等所有割合及び
    その特別関係者の株式等所有割合の合計が20%超となる公開買付け

本プランに従った対抗措置の発動等については、当社取締役会の恣意的判断を排するために、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外取締役及び社外監査役で構成される企業統治委員会の勧告を最大限尊重するとともに、株主及び投資家の皆さまに適時に情報開示し透明性を確保するものとしております。

本プランは、買付者等が本プランに定める手続きに従うことなく大規模買付け等を行う場合に企業統治委員会が対抗措置の発動を勧告する場合及び企業統治委員会が対抗措置の不発動を勧告する場合を除き、対抗措置の発動の是非に関し株主の皆さまの意思を確認するために、当社取締役会は、実務上可能な限り速やかに株主総会を開催し、対抗措置の発動の是非に関する議案を付議するものとしております。

 

④ 本プランの合理性

当社取締役会は、以下の理由から、本プランが基本方針に沿うものであること、株主の共同の利益を損なうものではないこと、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

 

(ⅰ) 買収防衛策に関する指針の要件をすべて充足していること

本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しており、また、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえた内容となっております。

(ⅱ) 当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること

本プランは、当社株式等に対する大規模買付け等がなされようとする際に、当該大規模買付け等に応じるべきか否かを株主の皆さまがご判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、株主の皆さまのために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものであります。

(ⅲ) 株主意思を重視するものであること

本プランは、買付者等が本プランに定める手続きに従うことなく大規模買付け等を行う場合に企業統治委員会が対抗措置の発動を勧告する場合及び企業統治委員会が対抗措置の不発動を勧告する場合を除き、買付者等による大規模買付け等に対する対抗措置発動の是非について株主の皆さまの意思を直接確認するものであります。

また、本プランの有効期間は、平成30年3月開催予定の当社定時株主総会終結の時まででありますが、係る有効期間の満了前であっても、当社株主総会において本プランの変更または廃止の決議がなされた場合には、本プランも当該決議に従い変更または廃止されることになります。従いまして、本プランの導入及び廃止には、株主の皆さまの意思が十分反映される仕組みとなっております。

(ⅳ) 独立性の高い委員会の判断の重視と情報開示

当社は、本プランの導入に当たり、大規模買付け等への対抗措置の発動等に関する取締役会の恣意的判断を排し、取締役会の判断及び対応の客観性及び合理性を確保することを目的として企業統治委員会を設置しております。

企業統治委員会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している、当社社外取締役、当社社外監査役の中から当社取締役会により選任された者により構成されております。

また、当社は、必要に応じ企業統治委員会の判断の概要について株主及び投資家の皆さまに情報開示を行うこととし、当社の企業価値・株主共同の利益に資するよう本プランの透明な運営が行われる仕組みを確保しております。

(ⅴ) 合理的かつ客観的発動要件の設定

本プランは、合理的かつ客観的な発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しております。

(ⅵ) デッドハンド型もしくはスローハンド型買収防衛策ではないこと

本プランは、当社株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により、いつでも廃止することができるものとしております。従って、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。

 

また、当社は取締役の任期が現在1年のため、本プランはスローハンド型(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。

 

なお、詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイトに掲載しておりますのでご参照ください。
(http://www.lion.co.jp/ja/company/press/2015/pdf/2015018.pdf)

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態は、今後事業を行っていく上で起こりうる様々なリスクによって影響を受ける可能性があり、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、特に投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項について、以下に記載しております。

なお、将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1) 製品の品質評価

当社グループは、お客様に安心、安全、便利で環境に配慮した製品をお届けするため、医薬品医療機器等法等の関連法規の遵守並びに品質の国際基準に基づいた管理のもと、製品の企画、開発、生産、販売を行っております。さらに、発売後はお客様相談窓口に寄せられたお客様の声を活かし、製品や包装容器、表示等の改善に努めております。

しかしながら、不測の重大な製品トラブルが発生し、当該製品や当社グループ製品全体の評価が低下した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原材料価格の変動

当社グループの製品は、石油化学製品や植物油脂等を原材料として使用しております。これらの原材料は、国際市況の影響を受けやすいため、常にコストダウンをはかり、また使用原材料を多様化する等の施策を講じておりますが、原材料価格の高騰が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 為替レートの変動

当社グループは、海外子会社の財務諸表を連結財務諸表作成のため円貨換算しております。現地通貨建ての項目は、換算時の為替レートにより円貨換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、当社グループは、為替変動に対するヘッジ等を通じて、原材料費が増大するリスク等を最小限にとどめる措置を講じておりますが、短期及び中長期的な為替変動が、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 重大な訴訟等

当連結会計年度において、当社グループに重要な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりません。しかしながら、将来、重大な訴訟等により当社グループに対して多額の損害賠償責任等が確定した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 地震等自然災害

当社グループの製品を製造する工場において、地震等の自然災害についての安全対策を講じておりますが、万一大きな災害が発生した場合には、生産設備の損壊、原材料調達や物流の停滞などによる事業活動の中断により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、平成27年2月10日開催の取締役会に基づき、当社の化学品事業を分割し、連結子会社である一方社油脂工業株式会社(以下「一方社」という。)に承継するとともに、当社の連結子会社であるライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社(以下「LSC」という。)を一方社が吸収合併いたしました。

(1) 吸収分割(簡易分割)・吸収合併の目的

当社グループの中で化学品事業を行っている、当社、一方社、LSCの3社について、今般グループ内の再編を行い、一体運営による機能強化と、経営資源の集約による一層の効率化を目指すことといたしました。

(2) 吸収分割(簡易分割)について

① 分割の方式

当社を分割会社とし、一方社を承継会社とする簡易吸収分割であります。

② 分割日

平成27年7月1日

③ 分割に係る割当の内容

一方社は、当社の完全子会社であることから、本会社分割に際して、株式の割当て、その他対価の交付は行いません。

④ 分割する部門の平成26年12月期の経営成績

売上高:13,707 百万円(一方社に対する売上高を含む)

⑤ 分割する資産、負債の項目および金額(平成27年7月1日時点)

資産

負債

流動資産

2,602 百万円

流動負債

2,324 百万円

固定資産

75 百万円

固定負債

353 百万円

合計

2,678 百万円

合計

2,678 百万円

 

⑥ 一方社の概要

代表者の役職・氏名

代表取締役社長 阿部 清孝

資本金

200百万円

事業内容

工業用薬品、家庭用薬品および
食品添加物の製造ならびに販売

 

(3) 吸収合併について

① 合併の方式

一方社を吸収合併存続会社、LSCを吸収合併消滅会社とする吸収合併方式で、LSCは解散いたしました。なお、本合併に際し、一方社からLSCの株主に対して普通株式(合計1百万株)を割当て、一方社の資本金は200百万円から400百万円に増加いたしました。

② 合併に係る割当の内容

合併対価については、同一の完全親会社に支配される兄弟会社間における合併であるため、下記の協議に基づく合併比率とし、一方社は、合併新株として普通株式を発行し、この合併の効力発生日前日最終のLSCの株主名簿に記載された株主に、交付いたしました。
(ⅰ) LSCの発行済普通株式1株に対して、一方社の普通株式10株
(ⅱ) LSCの発行済優先株式1株に対して、一方社の普通株式40株

③ 合併および商号変更日

平成27年7月1日

④ 引継資産・負債の状況

一方社はLSCの資産、負債及びこれらに付随する一切の権利義務を引継ぐものとします。

(4) 吸収分割承継・吸収合併存続会社の状況

商号

ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社
(平成27年7月1日付で「一方社油脂工業株式会社」から商号変更)

代表者の氏名

千葉 弘之

資本金

400百万円

発行済株式総数

5,000,000株

事業内容

化学薬品、工業用薬品、家庭用薬品、農業用薬剤および食品添加物の製造販売
合成洗剤、界面活性剤、その他石油系・油脂系合成品の製造販売
脂肪酸、硬化油、その他油脂工業品の製造販売
合成樹脂系製品、その他高分子化合物の製造販売
各種化学機械・装置および器具の製造販売

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、「健康」「快適」「環境」をキーワードに、お客様に新しい価値を提供し、顧客満足を最優先した研究開発に取り組んでおります。技術革新こそが社会にとっての新しい価値創造につながるという考えのもと、人々の健康の維持・増進や清潔で快適な生活を支え、確かなエビデンスに基づき効果を実感いただける製品と技術の開発に注力しております。また、環境保全、省資源、安全志向など人と地球に配慮した技術の開発にも努めております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、98億8百万円であります。

各セグメントの研究開発活動は下記のとおりです。

 

(1) 一般用消費財事業

[日本国内]

一般用消費財事業では、オーラルケア、ビューティケア、ファブリックケア、リビングケア、薬品、その他の6つの事業分野に分け、研究開発を行っています。

 

① オーラルケア事業分野では、口腔科学を中心とする研究成果を活かして、歯磨、歯刷子、口中剤などの開発を行っています。

当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。

予防歯科ブランド「クリニカ」からは、独自処方のジェルで歯をくまなくコーティングするので、お休み前の使用により翌朝までフッ素が口の中にとどまり、就寝中に歯を強くしてムシ歯を防ぐ「クリニカアドバンテージデンタルジェル」、磨き残し部位にピンポイントで毛先が届き歯垢を除去する「クリニカアドバンテージデンタルタフト」を開発、導入しました。歯周病予防ブランド「システマ」からは、歯周病予防機能に加え、薬用成分・硝酸カリウムのイオンバリア効果で知覚過敏症状も防ぐ「システマハグキプラスS」、マイルドクレンジング処方で歯の着色汚れを浮かせて落とす「システマハグキプラスW」、更に歯周ポケットケア機能に加え、歯のすみずみの汚れまで落とす「システマアーチフィットハブラシ」を開発、導入しました。
 また、「ビトイーン贅沢ケアハブラシ」は、幅広ヘッドとたっぷり毛束で歯を包み込みながら効率よく歯垢が除去できる設計となっています。
 歯科医院向け製品では、う蝕になりやすい根面が露出した口腔内におすすめのう蝕予防ハミガキ剤「Check-Up rootcare(チェックアップ ルートケア)」を開発、導入いたしました。新配合のPCA(ピロリドンカルボン酸:コーディング成分)が露出した根面をコーティングし、さらにフッ素を長く留めます。

 

② ビューティケア事業分野では、皮膚科学、毛髪科学、界面科学を中心とする研究成果を活かして、ハンドソープ、ボディソープ、制汗剤などのスキンケア製品及びシャンプー、コンディショナー、育毛剤などのヘアケア製品の開発を行っています。

当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。

「キレイキレイ」ブランドから、石鹸成分に洗浄助剤を配合し、生肉などの脂汚れや生魚の臭いも落とす「キレイキレイ薬用キッチン泡ハンドソープ」を開発、導入しました。
 「PRO TEC」ヘアケアシリーズを改良し、うるおい成分により頭皮を柔軟化する「頭皮ストレッチシャンプー、コンディショナー」、マッサージ効果が高い3種の形状のエラストマー樹脂と皮脂洗浄力に優れる超極細毛による「PRO TEC頭皮ストレッチブラシ」を開発、導入しました。

 

 

③ ファブリックケア事業分野では、界面科学を中心とする研究成果を活かして、衣料用洗剤、柔軟仕上げ剤などの製品開発を行っています。

当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。

柔軟剤ブランド「ソフラン」からは、カプセル香料を新たに配合した「香りとデオドラントのソフラン アロマナチュラル プレミアム消臭」を開発、導入しました。また、「ソフラン アロマリッチ」では、新香調「ダイアナ」を導入するとともに、全香調にカプセル香料を採用し、残香性を強化しました。

衣類用漂白剤「ブライトW」は、新複合成分TIC(トリプルイオンコンプレックス)を配合した新組成により、がんこな汚れをしっかり落とし、さらに繊維をコーティングして後の汚れを落としやすくすることで、衣類の白さを長続きさせます。

 

④ リビングケア事業分野では、界面科学を中心とする研究成果を活かして、台所用洗剤、住居用洗剤及び調理用品などの製品開発を行っています。

当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。

台所用洗剤ブランド「CHARMY(チャーミー)」からは、当社独自のナノ洗浄技術を活用し、油汚れをサラサラ落とす「CHARMY Magica(チャーミーマジカ)」を開発、導入しました。また、住居用洗剤ブランド「ルック」からは、有効成分「銀ゼオライト」の効果により、浴室の黒カビ原因菌を丸ごと除菌してカビを防ぐだけではく、気になるカビのニオイも消臭、抑制する「ルックおふろの防カビくん煙剤 消臭ミントの香り」を開発、追加導入しました。

 

⑤ 薬品事業分野では、製剤技術や薬効・薬理技術を中心とする研究成果を活かして、人々のセルフメディケーション意識を支える一般用医薬品、ヘルスケア製品、殺虫剤などの開発を行なっています。

当連結会計年度の主な成果は次のとおりです。

鎮痛成分ロキソプロフェンナトリウム水和物を配合し、腰痛、肩こり痛に、1回1錠飲んで早く効く鎮痛薬「エキセドリンLOX」を開発、導入しました。

 

 

⑥ 通信販売事業では、生命科学や製剤技術を中心とする研究成果を活かし、健康寿命の延伸及びQOLの維持・向上に向けた製品開発を行っています。
 「ナイスリムエッセンス ラクトフェリン」については、当社独自のコーティング技術を開発するとともに、本年4月に新たに施行された機能性表示食品制度のおいて、「内臓脂肪と高めのBMIを低減する」機能性データ等、当社のラクトフェリン研究における科学的データの蓄積に基づき、届出を実施し、機能性を表示した「機能性表示食品」として導入しました。また、スムーズな歩みをサポートすることを目指し、HMBカルシウム、発酵グルコサミン、ビタミンDに加え、オルニチンを配合した粉末清涼飲料「歩むチカラ」を開発、導入しました。更に、特定保健用食品(トクホ)の「トマト酢生活 トマト酢飲料」について、ガラス瓶容器から紙パック容器への変更を行っています。

  ペット事業では、オールライオンの技術の強みを生かした新製品の開発・導入に努めております。当連結会計年度の主要な成果としては、5品目14アイテムの新製品・改良製品を発売、事業の強化に寄与しました。

ペットのオーラルケア分野では、犬用の商品強化に加え、あらたに猫用のオーラルケア商品を追加販売いたしました。犬同様、3歳以上の猫の80%が歯周病予備軍と言われています。しかし、このことを知っている猫オーナーはわずか17%に過ぎず、これまで猫のオーラルケアはほとんど取り組まれていませんでした。そこで、猫でも手軽にオーラルケアに取り組めるよう、猫が大好きなおやつの素材を生かして噛むだけで歯の汚れや歯垢を落とす「PETKISS FOR CAT(ペットキスフォアキャット)オーラルケアトリーツ」を発売し、猫に対するオーラルケア行動の習慣化を提案することで、猫用オーラルケアトリーツ市場の創出に挑戦いたしました。また、犬用オーラルケアガムでは大容量のエコノミータイプを追加発売し、リピートの拡充を図りました。同時に、「ペットのオーラルケアの重要性の告知」と「オーラルケアの効能の伝播」を目的とした「ライオン ペットオーラルケア相談室」を全国で継続開催し、ペットオーナー様にオーラルケアの基礎知識や用品の使い方・慣れさせ方などをお伝えすることで、オーラルケア意識の啓発・向上に寄与いたしました。

また、獣医師や動物看護師といった専門家を対象とした獣医歯科セミナーや動物病院内セミナーの開催等を通じ専門家へのアプローチを強化し、動物病院向けオーラルケアブランド「VET'S DOCTOR SPEC」(ベッツ ドクター スペック)の育成に努め、動物病院でのお取扱いの大幅な増加を実現いたしました。

ボディケア分野では、室内飼育率の高まりでヒトとペットとの距離がより縮まっているゆえに気になる抗菌・除菌・アレルゲン付着防止などの清潔ニーズを捉えた洗たく用品「ペット用品の抗菌仕上剤」を業界で初めて発売いたしました。また、昨年発売したペット特有のニオイを落とすペット衣料専用の洗たく洗剤「ペット用品の洗剤」の洗浄力を向上させた改良製品を発売すると同時に、ペット用品の正しいお洗濯の方法を「ペット用品のお洗濯教室」を通じて啓発することで、ペットのタオルや敷物等を清潔にするランドリーケア市場の更なる市場拡大を図りました。また、拭き取り性能を高めた「ペットキレイ 除菌できるウェットティッシュ」を改良し、ペットオーナーの清潔ニーズに対応いたしました。

猫サニタリー分野では、7歳以上のシニア猫のオシッコのニオイの質的変化に着目し、この"オシッコ加齢臭"に対する新たな消臭技術を開発した「7歳からのニオイをとる砂(鉱物タイプ、紙タイプ)」を発売し、これまでのペットオーナーのライフスタイルを背景とした素材別の切り口に加え、あらたにペットの高齢化ニーズに対応したライフステージ発想による品揃えを図りました。また、「ニオイをとるおから砂」は固化力を向上させた改良製品を、「ニオイをとる紙の猫砂」は容量増(5ℓ→7ℓ)の改良製品を発売し、ペットオーナーの使い勝手への考慮と市場のトレンドに対応いたしました。

 

当事業に関わる研究開発費は、85億4千万円であります。

 

 

(2) 産業用品事業
 

[日本国内]

① ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ㈱は、統合前の3社が保有していた技術を継承し、界面科学と合成技術を基盤とする導電性材料、ゴム薬剤、機能性ポリマー、繊維加工薬剤、脂肪酸窒素誘導体、土木建築用薬剤などの研究開発を行っています。当連結会計年度の主な研究成果は次の通りです。

導電性材料では、主力商品であるケッチェンブラックに加えて昨年開発した「ライオナイトEC200L」の育成に向けた応用開発を、自動車分野、電気電子分野にて進めております。

ゴム薬剤では、主力製品である防着剤の海外タイヤメーカー向けの開発を進めるとともに防着剤以外のゴム製造工程薬剤の実績化を推進し、自動車分野での実績拡大を図って参りました。機能性ポリマーは、電気電子分野の顧客に対してタッチパネルの加工性に着眼したアクリル粘着剤を開発中です。また、当社ウレタン粘着剤が持つ機能を更に磨き、プロテクトフィルム用粘着剤の開発を推進しております。

公共インフラ分野では、震災復興・オリンピック整備事業への貢献を目指した土木関連薬剤開発や油脂誘導体の応用研究も継続しています。なお、パーム油脂を原料とした変圧器用絶縁油「パステルNEO」の研究実績が評価され、(社)日本化学工業協会 第47回技術賞 環境技術賞を受賞しました。

 

② レストラン・居酒屋・集団給食などの外食・中食産業、食品工場、病院・介護施設、クリーニング向けの業務用洗浄剤などの製品開発と製造、販売、並びにこれらのお客様の食の安心・安全をサポートする衛生診断や衛生講演をはじめとする総合衛生管理ビジネスをライオンハイジーン㈱が行っております。

当連結会計年度の主な成果といたしましては、食器洗浄機分野では、スポットクリア成分の働きで、リンス剤を使わなくても食器をキレイに素早く仕上げる「マイスターシャインリキッドNR」4kgの洗浄性能をさらに向上、コンパクトなボトルに改良し、お客様のランニングコストの削減に貢献しております。

サニテーション分野では、スプレーすると次亜塩素酸ナトリウムの泡が出てくる医療施設用環境除菌洗浄剤「メディプロ ジアフォームクリーナー1000」を新発売いたしました。病院や介護施設の汚染された手すりやドアノブなどの環境表面の細菌とウイルスを除去し、施設内環境の衛生管理に寄与しております。

インバス分野では、浴場施設に設置されている循環式浴槽の配管内を化学洗浄できるセルフメンテナンスキット「レオシャイン化学洗浄キット」を新発売いたしました。ライオンの独自技術である活性化触媒技術を活用し、レジオネラ属菌の温床となる配管内のバイオフィルムを強力に分解、高い洗浄力と簡便性を両立し、循環式浴槽の配管内を衛生的に保ち、お客様からの好評を博しております。

 

当事業に関わる研究開発費は、8億7千5百万円であります。

 

 

(3) 海外事業

海外事業では、高付加価値製品の開発に注力し、海外関係会社で積極的な新製品投入を進めてまいりました。

事業分野別の新製品・改良品は以下の通りです。

オーラルケア事業分野では、「システマシリーズ」で歯周病予防歯磨の育成とともに、複数の高機能型ハブラシ新製品を各国で発売しました。超薄型ヘッドを採用したハブラシを、タイ、中国、台湾で発売しました。またマレーシア、シンガポールでは、4種類の先端極細毛を用いて、お口の中のあらゆる部分への清掃力を高めた3Dハブラシを新発売しました。さらに韓国では、ハブラシの中央に、これまでより柔らかい「フェザー毛」を用いた「センシティブケアハブラシ」を発売しました。これらの新アイテムにより、各国のニーズにきめ細かく対応すると同時に、アジアで好調な「システマハブラシ」のラインアップが更に充実しました。

ビューティケア分野では、中国で「キレイキレイ」泡ハンドソープを発売しました。キレイキレイ泡ハンドソープは、既にタイ、韓国、シンガポール、香港で発売され好調に推移しています。また、インドネシアでは、ボディスプレー剤市場に「Posh(ポッシュ)」ブランドで新規参入しました。若い女性をターゲットとし、体臭を抑えて、香りが長続きする製品特長がご好評を頂いております。

ハウスホールド分野では、香港にて、日本で導入している衣料用柔軟剤ソフランアロマリッチ、台所用洗剤「Magica」を発売しました。既に販売している洗濯用洗剤「NANOX」と共に、ホームケア分野でも高付加価値型の製品育成を進めております。

 

当事業に関わる研究開発費は、3億9千3百万円であります。

なお、当事業に関連する日本国内での研究開発費は、一般用消費財事業に含まれております。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結会社)が判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているため省略しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は、3,786億5千9百万円(前年同期比3.1%増)となりました。主力の国内一般用消費財事業では、歯磨、歯刷子、柔軟剤、台所用洗剤等において、高付加価値の新製品を発売し、積極的なマーケティング施策により育成を図りました。また、グループ内の化学品事業を再編し、一体運営による機能強化と経営資源の一層の効率化を図りました。

海外事業では、オーラルケア・ビューティケア等のパーソナルケア分野を中心に、重点ブランドの育成を行い、事業規模の拡大を図りました。なお、サザンライオン有限公司を第3四半期末に連結子会社といたしました。

売上原価(返品調整引当金戻入額及び繰入額含む)は、売上高が増加したこと等から、1,624億3千5百万円(同1.1%増)となり、売上高に対する比率は42.9%となりました。製造原価低減等のトータルコストダウンにグループ全体で取り組んだことで前年同期に比べ0.8ポイント改善しました。

販売費及び一般管理費は、売上増加に伴う競争費用の増加や海外事業での市場地位向上に向けた積極的なマーケティング投資等により、1,998億4千8百万円(同2.8%増)となりました。

以上の結果、営業利益は163億7千4百万円(同32.0%増)となりました。

経常利益は、営業利益が増加したこと等から、180億9千9百万円(同28.7%増)となりました。

当期純利益は、退職給付信託設定益等による特別利益79億2千3百万円、減損損失および固定資産処分損等による特別損失66億3千5百万円の計上等の結果、106億8千万円(同44.9%増)となりました。

 

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(4) 戦略的現状と見通し

当社グループを取り巻く事業環境は、国内一般用消費財業界においては、高付加価値品の拡大等が見込まれるものの、激しい競争が続くものと想定されます。このような事業環境の中、当社グループは中期経営計画「V-2計画(Vision2020 Part-2)」を着実に進めるとともに、一層の事業構造の改革に取り組み、企業価値の向上を目指してまいります。

一般用消費財事業は、歯磨、洗濯用洗剤等の主要分野において付加価値の高い新製品を発売し、市場地位の向上と収益性の強化に努めます。また、通信販売商品では、機能性食品を中心に独自性のある商品開発の強化と積極的なマーケティング活動の展開により、事業規模の拡大を図ります。

産業用品事業は、自動車、電気・電子等の重点分野への経営資源の集中を図り、事業基盤の強化に努めます。また、業務用洗浄剤事業は、新規顧客開拓に継続的に注力します。

海外事業は、引き続きパーソナルケア分野を中心に積極的にマーケティング活動を展開し、事業規模の拡大を図ります。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループでは、グループキャッシュマネジメントシステムを国内連結子会社に導入しており、グループ資金を当社に集中するとともに、各社の必要資金は当社が貸し付けることで、資金効率の向上と支払利息の低減を図っております。

なお、資金の流動性については、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。