第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、『愛の精神の実践』を創業からの想いとして受け継ぎ、パーパス(存在意義)「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign(リ デザイン))」を経営の起点とし、人々の健康で快適、清潔・衛生的な暮らしに役立つ優良製品・サービスを提供することにより、サステナブルな社会に貢献していくことが使命であると認識しております。

人々の価値観の変化や企業に求められる社会的な役割を的確に捉え、お客様満足を最優先とする製品開発、サービスの提供に取り組むとともに、環境保全活動の推進やコーポレート・ガバナンス体制の充実を図り、株主、お客様、お取引先、地域・社会、従業員等のすべてのステークホルダーからの期待に応えられる信頼性の高い企業として、企業価値の一層の向上に努めてまいります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、2030年のありたい姿として経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を掲げています。

ビジョン実現に向けては、パーパス(存在意義)を起点とした経営を一層強化し、サステナブルな社会への貢献と事業の成長を目指すべく中長期経営戦略フレーム「Vision(ビジョン)2030」を策定しており、2022年からは3ヵ年の中期経営計画「Vision(ビジョン)2030 1st(ファースト) STAGE(ステージ)」をスタートさせました。

 

<中長期経営戦略フレーム「Vision2030」の概要>

 

◇経営ビジョン

「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」

 

◇3つの成長戦略の推進

事業成長を加速させるため、3つの成長戦略を推進します。

① 「4つの提供価値領域における成長加速」

② 「成長に向けた事業基盤への変革」

③ 「変革を実現するダイナミズムの創出」

 

◇サステナビリティ重要課題への取組み強化

「健康な生活習慣づくり」「サステナブルな地球環境への取組み推進」を最重要課題として、成長戦略と相乗的に推進してまいります。

 


 


 

 

<2030年の目指す業績イメージ>

・連結売上高                 6,000億円水準(海外事業の構成比50%水準)

・事業利益 ※1               500億円水準

・EBITDA ※2           800億円水準

・ROIC                   8~12%

・ROE                     10~14%

※1 売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る当社の利益指標です。

※2 当社の恒常的な事業の業績を測る利益指標である事業利益(売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもの)に減価償却費(使用権資産の減価償却費を除く)を合算したものであり、キャッシュベースの収益力を測る指標です。

 

(3) 会社の対処すべき課題

経営ビジョン実現に向け、2022年からスタートさせた3ヵ年の中期経営計画「Vision2030 1st STAGE」に掲げる戦略をスピーディに推進し、着実な成果につなげることが当社グループの課題であると認識しております。

 

◇経営ビジョン実現に向けた経営戦略

<3つの成長戦略の推進>

①4つの提供価値領域における成長加速

4つの提供価値領域に重点をおき、既存事業の強化および新価値創造による収益機会の獲得に取り組み、国内外のより一層の成長加速を目指します。

 

②成長に向けた事業基盤への変革

将来の成長に必要な戦略的投資(M&A、SCM・生産インフラ、デジタル、サステナビリティ等)の強化により、成長を促進する事業基盤への変革に取り組みます。

 

③変革を実現するダイナミズムの創出

働きがい改革やダイバーシティ&インクルージョンの推進等により、従業員エンゲージメントの向上を図り、持続的に成長する企業への変革を実現するダイナミズムを生み出します。

 

<サステナビリティ重要課題への取組み強化>

脱炭素社会と資源循環型社会の実現に貢献すべく、生活者と共につくる「エコの習慣化」に取り組みます。環境対応技術の深耕とその技術を適用した製品・サービスの開発を進めます。加えて、家庭での環境負荷を低減する「節水・節電習慣」と「詰め替え習慣・捨てない習慣※3」を、業界・他社と連携して日本を含むアジアに展開してまいります。

 ※3 先進的なリサイクルの取組み(インフラづくり・リサイクル技術等)による資源循環を実現する習慣づくり

 

国内外において、健康寿命の延伸やQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上などヘルスケアに対する社会課題が顕在化する中、毎日の暮らしに身近な存在である当社グループの役割は今後益々大きくなると考えております。

当社グループでは、上記の戦略を強力に推進することで、事業を通じて社会との共通価値を創出し、サステナブルな社会への幅広い貢献を通じて、企業価値の向上を目指してまいります。

 

 

(4) セグメント別の課題と戦略

①一般用消費財事業

一般用消費財事業は、主要分野において、付加価値の高い新製品や環境に配慮した新製品の導入と育成を図るとともに、4つの提供価値領域における新たな価値創造に向けた取組みを加速させます。

 

②産業用品事業

産業用品事業は、モビリティ、エレクトロニクス等の主要分野で重点施策を着実に推進し、事業基盤の強化と製品の販売を通じたサステナビリティへの貢献に努めてまいります。また、業務用洗浄剤分野では、重点顧客への取組みを強化するとともに、衛生関連事業の拡大にも注力します。

 

③海外事業

海外事業は、ホームケア分野の収益性向上に取り組むとともに、オーラルケア、ビューティケアなどパーソナルケア分野を中心にマーケティング施策を展開し、特に成長が続く中国を重点国として、事業規模の拡大に努めます。併せて、新規参入したバングラデシュ、ベトナムにおいて、成長に向けた事業基盤の構築を進めるとともに、更なる新規国、新規エリアへの参入の検討も進めてまいります。

 

(5) 中期経営計画の進捗状況

当社グループは、中長期経営戦略フレーム「Vision2030」にもとづき、2022年度から、中期経営計画「Vision2030 1st STAGE」を推進しております。

 

<中期経営計画「Vision2030 1st STAGE」>

中長期経営戦略フレーム「Vision2030」の実現に向け、2030年まで3年毎の中期経営計画を3回設定し、経営環境の変化に対応した戦略推進を図ります。

「1st STAGE」では、「成長加速へのギアチェンジ」をテーマとして、「成長戦略の実行」と「経営基盤の変革」を推進し、成長しながら変革を加速させます。また、ROICマネジメントの活用によるマネジメントコントロールの強化を図ります。

 

◇成長戦略の推進

(1)4つの提供価値領域における成長加速

・4つの提供価値領域における既存ビジネスの進化と新たなビジネスモデルの創出により収益機会を獲得しま

 す。

・中国事業の高成長を維持し2か国以上の新規国・エリアへの参入を目指します。

・エコ習慣づくりにより社会貢献を拡大します。

 

(2)成長に向けた事業基盤への変革

・ビジネス基盤・システム基盤を強化し、業務効率化のためにDX推進を加速します。

・経営マネジメントの高度化を図ります。

・サステナブルなSCM基盤を構築するとともに、サステナビリティ戦略の推進を加速します。

 

(3)変革を実現するダイナミズムの創出

・ライオン流働きがい改革の推進等により従業員エンゲージメントの向上を図ります。

・人材育成・人的資本への投資を拡大します。

 

◇サステナビリティ重要課題への取組み

(1)健康な生活習慣づくり

インクルーシブ・オーラルケアなどを通じて、人々の健康で快適、清潔・衛生的な暮らしの実現と健康寿命の延伸に貢献します。

 

(2)サステナブルな地球環境への取組み推進

・生活者と共につくる「エコの習慣化」により、脱炭素社会と資源循環型社会の実現に貢献します。

・家庭での環境負荷を低減する「節水・節電習慣」と「詰め替え習慣・捨てない習慣」を、業界・他社と連携し

 て日本を含むアジアに展開します。

 

◇キャッシュアロケーション

3ヵ年で1,200億円超のキャッシュ獲得を想定し、その内の800億円超を将来に向けた戦略投資に投下するとともに、配当および自己株式取得による300億円超の株主還元を行うことを想定しています。

 

◇連結業績目標

・連結売上高                 4,200億円

・事業利益                   320億円

・EBITDA               520億円

・営業利益                   320億円

・ROIC                   7.5%水準

・ROE                     9.0%水準

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績および財政状態は、今後事業を行っていく上で起こりうる様々なリスクによって影響を受ける可能性があり、特に投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項について、以下に記載しております。
 なお、将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において入手しうる情報に基づいて判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
 

<リスクマネジメントの基本方針>
・当社の役員および従業員は、「内部統制システムの基本方針」に基づき、平時から、当社グループの事業運営を
 阻害するリスクの未然防止に努める。
・万が一、リスクが顕在化した場合には、従業員、株主、顧客、地域社会等各ステークホルダーの損失の最小化に
 努める。
・顕在化したリスクはいち早く経営トップに報告し、事実確認、経緯把握、原因究明、改善策立案等を速やかに実
 施したうえで、再発防止に努める。
 
<当社のリスクマネジメント体制>
 当社グループは、事業活動に関わるあらゆるリスクの発生頻度や経営への影響を低減していくために、全社的な視点でリスクマネジメントを統括する「リスク統括管理担当役員」を選任するとともに、経営企画部を事務局として具体的な施策の推進を図っております。
 具体的には、以下に記載の13のリスクを経営成績および財政状態に重大な影響を及ぼすリスクとして管理しておりますが、当社グループに共通し、かつ経営への影響が大きいリスクについては、「全社リスク」と位置付け、事務局を中心に全社対応を進めております。それ以外のリスクは、各部所での業務推進上の「個別リスク」と位置付け、職制を中心に対応を進めることとし、各部所のリスク対応状況の評価は、業務監査を通じて監査室が行うこととしております。
 各部所は、「リスクマネジメントシート」を活用し、「全社リスク」と「個別リスク」を識別・評価し、対応策を検討し年間を通じて実践します。その推進状況の評価については、年2回(7月:中間、翌1月:総括)、各部所で実施し、その結果を経営企画部が取りまとめ、執行役員会および取締役会に報告しております。

 2022年度のリスクマネジメントの推進に当たっては、「コンプライアンス」「ハラスメント」「情報漏洩」「大規模地震」「新型コロナウイルス感染症」を「全社リスク」と定め、重点的に取組みました。なかでも、「新型コロナウイルス感染症」への対応について、感染の拡大に伴い国内外の事業活動に影響が生じましたが、従業員の感染リスクや製品供給に関わるリスク、市場変化に関わるリスク等に対して、迅速かつ適切に対応しました。その結果、経営成績および財政状態に重大な影響を及ぼすようなことはありませんでした。

 

<事業等のリスク>
①市場や消費者の変化に関わるリスク 
 当社グループは、日々の暮らしに役立つ優良な製品・サービスを提供し、「より良い生活習慣づくり」を通じて、お客様の満足と信頼を獲得することが使命であるという認識のもと、事業を行っております。しかしながら、事業を取り巻く環境は大きく変化しております。国内景気の動向や人口の減少が長期的な消費の低迷や市場縮小に繋がる可能性があるとともに、ECの台頭等による販売チャネルの変化や、業態のボーダレス化が進むことにより販売競争の更なる激化に繋がる可能性があります。また、IOTやデジタル化の進展とともに、生活者のライフスタイルが大きく変化している中で、こうした変化への対応が遅れることで、お客様満足と信頼が低下し、競合との競争に劣後し、市場シェアや売上高を保てなくなる可能性があります。この場合、売上に関わる割戻金等の増加や顧客提供価値の毀損、事業用資産の減損処理が必要になることとなり、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 そこで、当社グループは、市場や生活者のライフスタイルなどの変化を継続的に分析し、そのステージごとに新しい生活習慣を提供する製品の開発を推進しております。また、中長期的には、戦略的に全社横断でイノベーションを起こし、「オーラルヘルス」「インフェクションコントロール」「スマートハウスワーク」「ウェルビーイング」という4つの提供価値領域で、新しい生活者価値の創造に取り組み、事業成長を加速してまいります。

 

 

②製品品質に関わるリスク
 当社グループは、お客様の満足と信頼を獲得するために、たゆまぬ品質保証活動を実践しております。しかしながら、製造工程に起因する想定外の製品不良やお客様の誤使用による想定外の製品事故等の製品トラブルが発生する可能性もあり、場合によっては、製品回収や損害賠償請求等により、当社グループのブランドイメージや社会的信用の低下につながり、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 そこで、当社グループは、JISQ9000ファミリー規格に基づき、企画・開発・生産・販売に関わる製品開発プロセス、およびそれぞれのプロセスが果たすべき要求事項を規定した「製品マネジメントシステム」により適切な品質管理を行うとともに、医薬品、医療機器等の品質、有効性および安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)(以下、薬機法という)や不当景品類および不当表示防止法等の関連法規を遵守し、お客様に安心、安全、便利な製品の提供に努めております。「製品マネジメントシステム」に従い、製品トラブルの未然防止に努めるとともに、万が一、トラブルが発生した場合には、健康被害等を最小限に食い止めるべく、迅速かつ適切な対応がとれるよう、品質保証体制を整備しております。また、製品の発売後には、お客様相談窓口に寄せられたお客様の声を活かし、製品や容器・包装、表示等の改善に努めております。加えて、品質保証体制をさらに強化するために、2021年に品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001認証を取得(2022年2月登録)し、品質に関わる組織マネジメント体制の強化を図っております。今後、国内外のグループ各社におけるISO9001のマルチサイト認証の取得を目指して、さらなる品質保証体制の強化を推進します。

 

③原材料調達に関わるリスク
 当社グループは、原材料および製品の一部を、国内だけではなく、複数の国から購入しております。しかしながら、気候変動や国際的な需要拡大等の需給動向の変化に伴い、調達競争が激化し、購入価格が高騰する可能性があります。また、地政学的リスクや購入先の事故等によりサプライチェーンが寸断され、商品供給責任を果たせなくなる可能性があります。そうした場合には、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 そこで当社グループでは、調達が滞る事態に備え、発生時の影響を最小限に抑えるため、日頃から原材料の互換化、複数購買、グローバル調達等を進めることにより、安定した原材料調達を行っております。また、「調達基本方針」を定め、責任ある調達活動を推進しております。毎年、「ライオングループサプライヤーCSRガイドライン」に基づくセルフチェックを、原材料メーカーや生産委託先等のお取引先様で実施し、サプライチェーンにおける、人権・労働、環境、公正な事業慣行、消費者課題等に関するリスクの回避に努めております。
 

④海外事業に関わるリスク  
 当社グループは、アジアの国や地域においても事業を展開しております。Vision2030では海外事業を戦略的に拡大していくことを目指しており、今後海外事業が経営成績および財政状態に与える影響が相対的に高まる可能性があります。加えて、事業展開を行う国や地域における政治経済の動向や法規制の強化・変更は、対応のための追加費用の発生や事業活動が制約され、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

そこで当社グループは、国や地域、事業のポートフォリオを多様化しリスク分散を図るとともに、各国・地域の政治・経済情勢や法規制の動向等には常に十分な注意を払い、継続的に情報を収集し、環境変化に対応できるよう努めております。また、M&Aを行う場合には、対象企業のビジネス、財務内容および法務等について詳細なデューデリジェンスを行い、リスクの低減を図っております。

 

⑤人材に関わるリスク 
 当社グループが今後持続的に発展していくためには、多様な価値観や専門性を持ち、自立した人材が必要不可欠です。しかしながら、少子高齢化による労働人口の減少や雇用情勢の変化等により、事業活動に必要な専門性を持った人材やグループ経営を推進する人材、グループ各社の特性・成長ステージに応じた人材を、計画通りに確保・育成し、定着が進まなかった場合には、中長期的な成長を達成することができなくなる可能性があります。また、価値観の多様性を尊重し、組織での関係性が向上する風土が醸成できない場合には、イノベーション創出力の毀損、事業における機会損失だけでなく、人材の流出が起こり、事業活動が停滞する可能性があります。
 そこで、当社グループでは、多様な人材活用によるダイナミズムの創出に取り組んでおり、グローバル競争に勝ち抜く企業力を醸成するために、従業員一人ひとりが多彩な能力を最大限に発揮できる企業を目指しております。多様な価値観の融合によるイノベーションの促進を狙いとし、通年採用を実施するとともに、デジタル分野等を中心とする専門人材等の拡充を積極的に進めております。また、従業員一人ひとりが自律意識を醸成し、能力を最大発揮できるワークマネジメント施策や、多様な生活スタイルや自身のキャリアデザイン(副業含む)に合った新しい働き方を選択できるワークスタイル施策を推進し、「ライオン流働きがい改革」を実施しております。
 

 

⑥情報管理に関するリスク   
 当社グループは、開発・生産・物流・販売等に関する営業秘密や、販売促進キャンペーンや通信販売等を通じお客様の個人情報を保持しており、これらの取扱いに関しては、紛失や改ざん等を防止するため、適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、ソフトウエアや機器の欠陥、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス、その他不測の出来事によって、情報漏洩や重要データの喪失・改ざん、システム停止等のインシデントが発生した場合は、社会的信用が低下する可能性があるとともに、事業活動が滞る可能性があります。
 そこで、「情報取扱に関する基本方針」や「個人情報保護方針」等の方針のもと、営業秘密や個人情報の保管や取扱い等の手続きを明確にしたマニュアルを整備しております。情報セキュリティに関しては、情報セキュリティ規程」で、ウイルス感染やサイバー攻撃等によるシステム障害に対する対策を規定し、随時更新を図っております。また、ハード面だけではなく、従業員の情報リテラシーを高めるために、情報セキュリティやソーシャルメディアのリスクに関する研修を、役員を含む全従業員が毎年受講し、ITガバナンスの強化を推進しております。

 

⑦コンプライアンスに関するリスク
 当社グループは、事業活動を推進するにあたり、薬機法や食品衛生法等製品の品質や安全性に関わる法令や規制のほか、労働基準法や労働安全衛生法等の労務管理・労働安全関連、税務・会計関連、取引や情報関連等、国内外問わず、様々な法規制の適用を受けております。行政や司法・規制当局等による予期せぬ法令の制定・改廃が行われる可能性や、社会・経済環境の著しい変化等に伴う各種規制の大幅な変更の可能性があるため、コンプライアンスに関するリスクを完全に回避することはできません。当社グループならびに業務委託先等が重大な法令違反を起こした場合には、当社グループのブランドイメージや社会的信用の低下につながり、訴訟や損害賠償金が発生した場合等には、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 そこで、当社グループでは、法令遵守は重要な企業の責務であり、企業活動の前提であると認識し、2003年に行動規範である「ライオン企業行動憲章」および「行動指針」を制定し、役員・社員に対して定期的な教育・啓発を実施しております。コンプライアンスに関わる具体的な施策の策定や推進は、企業倫理担当役員を委員長とする「企業倫理委員会」を中心に実施しており、社内外通報システムとして、「AL(オールライオン)心のホットライン」を整備し、運用しております。また、2019年には、世界各国での贈収賄・腐敗行為に対する法規制強化の流れに鑑み、「ライオン贈収賄防止基本指針」を定め、事業を展開する国および地域の法令等を遵守した事業活動を徹底しております。

 

⑧風評に関わるリスク
 スマートフォンの保有率の高まりやソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下、SNSという)を活用する人の増大により、いつでも、どこでも、誰もが、情報を受発信できる状態にあります。近年では、高速大容量の移動通信システムの進化により、動画等大容量の情報のやり取りが高速で行われております。不適切な発言や書込み等があった場合には、即座に拡散・炎上した例も少なくありません。当社グループでも、広告等での不適切な表現や、従業員の不適切な書き込み等がSNSを通じて拡散した場合、また、当社製品やブランド、事業活動等について誤った投稿が拡散した場合、当社グループのブランドイメージや社会的信用の低下につながり、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、役員・従業員をはじめとする就業者が守るべきルール「ソーシャルメディアポリシー」を定め、SNSに関わるリスク等についての研修を全社員が年1回受講する等の教育施策を、継続的に実施しております。また、SNSへの書き込み等を継続的にモニタリングすることで不適切な情報の早期発見に努めるとともに、不適切な書き込み等が発見された場合には、拡散の初期段階で迅速、慎重かつ適切に対応するための「ソーシャルメディアリスク対応マニュアル」を策定し、定期的に見直しを図るとともに、訓練を実施しております。

 

 

⑨為替変動に関わるリスク
 当社グループは、アジアの国や地域でも事業を展開しております。海外の関係会社において現地通貨にて作成された財務諸表は、連結財務諸表作成時に円換算を行うことから、為替の変動は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、原材料や商品の一部については、輸出入の取引を行っておりますが、為替変動の影響を受ける可能性があります。
 そのため、当社グループは、主要通貨の為替動向を注視するとともに、ヘッジ等を通じて、為替変動によるリスクの低減に努めております。

 

⑩重要な訴訟に関わるリスク
 当社グループは、アジアの国や地域でも事業を展開しておりますが、それぞれの法制度の下、訴訟を提起される可能性があります。当連結会計年度において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりませんが、将来、重大な訴訟が提起され、当社グループに不利益な判断がされた場合には、ブランドイメージや社会的信用の低下につながり、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 そこで、当社グループは、製品や事業に関わる各種法令の遵守を徹底するとともに、契約に際しての条件の明示や相手方との協議の実施、知的財産権の適切な取得や使用等により、訴訟等の発生を未然に防ぐよう努めております。また、事業を展開する国や地域の現地法人の法務部門と連携し、各国の実情を把握するとともに、必要に応じて、弁護士やコンサルタント等の専門機関と協力し、訴訟などに迅速かつ適切に対応する体制を構築しております。

 

⑪新型インフルエンザ等の感染症に関わるリスク
 当社グループは、国内の事業拠点に加え、アジアの国や地域でも事業を展開しております。国の内外を問わず、新型インフルエンザウイルス等による感染症が拡大、長期化し、都市封鎖等が行われた場合には、人やモノの移動が制限されることが想定されます。これにより物流機能の低下や原材料調達不足等で、事業活動の停滞・中断することとなった場合、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 そこで、当社グループは、平時の感染予防対策ならびに感染拡大時の対応を「新型インフルエンザ等感染症対策マニュアル」で定め、迅速かつ適切な行動がとれる体制を整えております。また、当社グループの製品の中には、感染予防に役立つアルコール製剤や除菌剤があるため、その生産設備の増強やサプライチェーンの強靭化を進め、製品の安定供給を継続できるよう努めております。

 

⑫大規模地震、台風等の自然災害に関わるリスク
 当社グループは、国内の事業拠点に加え、アジアの国や地域でも事業を展開しております。国の内外を問わず、大規模な地震や超大型台風等の自然災害が発生した場合には、従業員の死傷等の人的被害、製造設備や倉庫の被災等の物的被害のほか、原材料調達や配送ルートの寸断、電力・通信をはじめとする社会インフラの機能低下等により、事業活動が停滞・中断するおそれがあり、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 当社では、阪神淡路大震災や東日本大震災での経験を活かし、こうした大規模地震などの自然災害が発生した際、事業への影響を最小化するための行動指針となる「地震等災害対策マニュアル」を定め、組織的に対応できる体制を整えております。特に、昨今のテレワークの浸透やICTの進展によって、「地震等災害対策本部」をリモートで立ち上げ、迅速に対応できる体制を構築し、定期的な訓練を行っています。併せて緊急連絡網を整備し、震度5強以上の地震発生で自動的に発動する「安否確認システム」を導入しております。また、事業継続・早期復旧のため、生産、購買、物流までのサプライチェーンの「事業継続計画(BCP)要綱」を定め、災害時に備えた製品在庫の確保、生産工場の複数拠点化、代替輸送による供給ルート確保等の施策を実施しております。

 

 

⑬気候変動等の地球環境変化に関わるリスク
 当社グループでは、「ライオン企業行動憲章」の精神に基づいて環境方針を定め、地球環境への影響を可能な限り減少させるよう行動しております。しかしながら、気候変動による地球規模での気温上昇の影響を抑えるために、各国政府における温暖化ガス排出量取引の本格的な導入や炭素税が適用された場合には、工場の操業コスト、輸送、調達等のオペレーションコストが増加する可能性があります。また、規制強化やバイオ燃料需要により需給バランスや品質に影響を及ぼし、原材料価格が高騰する可能性があります。加えて、プラスチック等の包材・製品への規制が各国で導入された場合には、代替原材料への転換に伴うコストが発生し、支出が増加する可能性があります。さらには、海洋プラスチックごみ問題、原材料調達に関する環境の問題等、社会課題への取組みが不十分とみなされた場合には、当社グループの社会的信用が低下するとともに、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

そこで、当社グループでは、持続可能な社会の実現に向け、2050年に向けた新環境目標「LION Eco Challenge 2050」を策定し、脱炭素社会、資源循環型社会の実現にチャレンジしております。環境に配慮した設計にもとづく商品やサービスの提供により、原材料の調達から生産、輸送、使用、廃棄に至るまで、ステークホルダーと連携しながら製品ライフサイクルのあらゆる段階で環境負荷の削減を推進しております。調達ではバイオマスプラスチックや植物由来原料の使用、生産では再生可能エネルギー活用と廃棄物ゼロエミッション、使用においては、節水等の環境配慮型製品の提供とエコの習慣化に取り組んでおります。さらに容器包装においては、プラスチック使用量の削減などの3R活動を進めながら、使用済みハブラシの回収等、ステークホルダーと連携した資源循環への取組みを開始しております。当社グループは、このような気候変動等に伴うリスクと機会についてTCFDのフレームワークに基づくシナリオ分析を実施し、財務的な影響や経営戦略への反映状況について、当社ウェブサイトで情報開示を行っております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績・財政状態に関する概況

 ① 経営成績の状況

a. 当期(2022年1月1日~2022年12月31日)の経営成績

<全体概況>

当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限等が緩和される中、個人消費や企業収益の改善が続くなど、全体としては緩やかな回復基調で推移しました。

当社グループが主に事業を展開する国内一般用消費財業界では、資源価格の高騰や為替変動の影響を大きく受けましたが、市場全体は堅調に推移しました。

このような環境の中、当社グループは3ヵ年の中期経営計画「Vision2030 1st STAGE」をスタートし、3つの成長戦略である「4つの提供価値領域における成長加速」、「成長に向けた事業基盤への変革」、「変革を実現するダイナミズムの創出」にもとづく施策を推進しました。

国内事業では、ハミガキ、ハブラシ、住居用洗剤、解熱鎮痛薬等において高付加価値品の育成に重点的に取り組むとともに、海外事業では、オーラルケア、ビューティケア等のパーソナルケア分野の拡大、洗濯用洗剤等のホームケア分野の競争力強化に注力しました。併せて、国内外において販売促進の効率化やコストダウンの一層の推進など収益性の確保に努めました。

以上の結果、当期の連結業績は、売上高3,898億6千9百万円(前期比6.5%増、為替変動の影響を除いた実質前期比3.4%増)、事業利益235億5千9百万円(前期比23.8%減)、営業利益288億4千3百万円(同7.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益219億3千9百万円(同7.7%減)となりました。

 

<連結業績の概況>                                 (単位:百万円)

 

当  期

売上比

前  期

売上比

増減額

増減率

売上高

389,869

 

366,234

 

23,635

6.5%

事業利益

23,559

6.0%

30,923

8.4%

△7,364

△23.8%

営業利益

28,843

7.4%

31,178

8.5%

△2,334

△7.5%

親会社の所有者に帰属する当期利益

21,939

5.6%

23,759

6.5%

△1,820

△7.7%

 

(注)事業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る当社の利益指標です。

 (注)営業利益には、連結子会社が所有していた土地の譲渡益が含まれています。(2022年1月31日付譲渡)

 

<セグメント別の業績>                                                          (単位:百万円)

 

売上高

セグメント利益(事業利益)

 

当 期

前 期

増減額

増減率

当 期

前 期

増減額

増減率

一般用消費財事業

265,555

257,932

7,623

3.0%

11,454

18,974

△7,519

△39.6%

産業用品事業

58,076

50,407

7,668

15.2%

3,132

2,716

416

15.3%

海外事業

129,342

109,253

20,089

18.4%

5,116

6,005

△889

△14.8%

その他

15,394

27,881

△12,487

△44.8%

1,202

2,145

△943

△44.0%

小計

468,368

445,474

22,894

5.1%

20,904

29,841

△8,937

△29.9%

調整額

△78,499

△79,240

741

2,654

1,081

1,573

合計

389,869

366,234

23,635

6.5%

23,559

30,923

△7,364

△23.8%

 

 (注)連結子会社であるライオンケミカル㈱の事業構成の変化を踏まえ、第1四半期連結会計期間より、従来「産業用

      品事業」に集約していた同社の事業を「産業用品事業」と「一般用消費財事業」に分離しています。

  なお、前連結会計年度のセグメント情報についても、この変更を反映したものに組み替えて表示しています。

 


 


 

(注)売上高構成比は、各部門の売上高から部門間の内部売上高・振替高を控除した外部顧客への売上高にもとづき算出しております。

 

<セグメント別概況>

1) 一般用消費財事業

当事業は、「オーラルケア分野」、「ビューティケア分野」、「ファブリックケア分野」、「リビングケア分野」、「薬品分野」、「その他の分野」で構成されています。全体の売上高は、前期比3.0%の増加となりました。セグメント利益は、前期比39.6%の減少となりました。

 

当期(百万円)

前期(百万円)

増減率

売上高

265,555

257,932

3.0%

セグメント利益

11,454

18,974

△39.6%

 

 


 


 

(注)以降、グラフの単位は億円

 

[売上高の分野別状況]

 

当期(百万円)

前期(百万円)

増減率

オーラルケア分野

72,299

69,418

4.2%

ビューティケア分野

26,482

24,729

7.1%

ファブリックケア分野

60,120

60,660

△0.9%

リビングケア分野

23,630

25,158

△6.1%

薬品分野

25,144

25,381

△0.9%

その他の分野

57,877

52,584

10.1%

 

 


 


 

 

(オーラルケア分野)

ハミガキは、「クリニカアドバンテージ ハミガキ」が好調に推移するとともに、新製品「システマハグキプラス プレミアムハミガキ よくばりな美白」や「クリニカPRO(プロ) ハミガキ」がお客様のご好評をいただき、全体の売上は前期を上回りました。

ハブラシは、「クリニカアドバンテージ ハブラシ」や「NONIO(ノニオ) ハブラシ」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。

デンタルリンスは、「NONIO(ノニオ)プラスホワイトニング デンタルリンス」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。

 


 

(ビューティケア分野)

ハンドソープは、「キレイキレイ薬用泡ハンドソープ」が好調に推移し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。

ボディソープは、「hadakara(ハダカラ) ボディソープ」が堅調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。

 


 

(ファブリックケア分野)

柔軟剤は、「ソフラン プレミアム消臭」が前期を下回りましたが、「ソフラン アロマリッチ」が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。

洗濯用洗剤は、液体高濃度洗剤「トップ スーパーNANOX(ナノックス) ニオイ専用」が前期を上回りましたが、液体洗剤「香りつづくトップ」や「トップ クリアリキッド」が前期を下回り、全体の売上は前期比微減となりました。

 


 

(リビングケア分野)

台所用洗剤は、「CHARMY(チャーミー) Magica(マジカ)」が前期を下回り、全体の売上も前期を下回りました。

住居用洗剤は、浴室用洗剤「ルックプラス バスタブクレンジング」や「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」が前期を上回りましたが、トイレ用洗剤が前期を下回り、全体の売上は前期比微減となりました。

 


 

(薬品分野)

解熱鎮痛薬は、市場が好調に推移する中、「バファリン プレミアムDX(ディーエックス)」が好調に推移するとともに「バファリンA」が前期を上回り、全体の売上も前期を上回りました。

点眼剤は、新製品が加わった「スマイル40ゴールド」シリーズが前期を上回り、全体の売上も前期を上回りました。

ニキビ薬は、「ペアアクネクリームW」が前期を下回り、全体の売上も前期を下回りました。

 


 

(その他の分野)

ペット用品は、猫用トイレの砂「ニオイをとる砂」が順調に推移するとともに、オーラルケア用品が好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。

通信販売商品は、「腸まで届けるナイスリムエッセンス ラクトフェリン」が前期を下回り、全体の売上も前期を下回りました。

上記の他、製造子会社のグループ内部売上高が大幅に増加しました。

 


 

2) 産業用品事業

当事業は、タイヤの防着剤等を取り扱う「モビリティ分野」、二次電池用導電性カーボン等の「エレクトロニクス分野」、施設・厨房向け洗浄剤等の「業務用洗浄剤分野」等で構成されており、全体の売上高は、前期比15.2%の増加となりました。セグメント利益は、前期比15.3%の増加となりました。

 

 

当期(百万円)

前期(百万円)

増減率

売上高

58,076

50,407

15.2%

セグメント利益

3,132

2,716

15.3%

 

 


 


 

 

モビリティ分野では、タイヤの防着剤が好調に推移し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。

エレクトロニクス分野では、二次電池用導電性カーボンが好調に推移し、全体の売上は前期を大幅に上回りました。

業務用洗浄剤分野では、ハンドソープが前期を下回りましたが、厨房向け消毒用アルコールが好調に推移し、全体の売上は前期を上回りました。

 

 

3) 海外事業

海外は、タイ、マレーシア等の東南アジア、韓国、中国等の北東アジアにおいて事業を展開しております。全体の売上高は、前期比18.4%の増加(為替変動の影響を除いた実質前期比は7.1%の増加)となりました。セグメント利益は、東南アジアで原材料価格上昇の影響を大きく受けたこともあり、前期比14.8%の減少となりました。

 

 

当期(百万円)

前期(百万円)

増減率

売上高

129,342

109,253

18.4%

セグメント利益

5,116

6,005

△14.8%

 

 


 


 

 

 

   [地域別売上状況]

 

当期(百万円)

前期(百万円)

増減率

東南アジア 売上高

81,249

68,795

18.1%

      セグメント利益

2,378

3,777

  △37.0%

北東アジア 売上高

48,093

40,458

18.9%

      セグメント利益

2,737

2,228

22.8%

 

 


 


 


 

 

 

(地域別の状況)

東南アジア全体の売上高は、前期比18.1%の増加(為替変動の影響を除いた実質前期比は7.0%の増加)、セグメント利益は37.0%の減少となりました。

タイでは、洗濯用洗剤が前期を下回りましたが、ボディソープが好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。

また、マレーシアでは洗濯用洗剤「トップ」が好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。

北東アジア全体の売上高は、前期比18.9%の増加(為替変動の影響を除いた実質前期比は7.2%の増加)、セグメント利益は22.8%の増加となりました

韓国では、洗濯用洗剤が好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。

また、中国では、ハミガキ「ホワイト&ホワイト」が好調に推移するとともに、ハブラシ「システマ」が堅調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前期を大幅に上回りました。

 

4) その他

その他では、全体の売上高は、153億9千4百万円(前期比44.8%減)となりました。セグメント利益は、12億2百万円(前期比44.0%減)となりました。

 

 

当期(百万円)

前期(百万円)

増減率

売上高

15,394

27,881

△44.8%

セグメント利益

1,202

2,145

△44.0%

 

 


 


 

 

 

b. 次期(2023年1月1日~2023年12月31日)の業績見通し

<連結>

 

次期予想

当期

増減額

増減率

売上高(百万円)

410,000

389,869

20,130

5.2%

事業利益(百万円)(注)

25,000

23,559

1,440

6.1%

営業利益(百万円)

25,000

28,843

△3,843

△13.3%

親会社の所有者に帰属する

当期利益(百万円)

17,500

21,939

△4,439

△20.2%

基本的1株当たり当期利益(円)

61.45

77.04

△15.59

△20.2%

 

 (注)事業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る当社の利益指標です。

次期のわが国経済は、緩やかな景気回復が続くと想定されるものの、物価上昇や金融政策による影響が懸念されるなど、先行き不透明な状況で推移するものと予想されます。

当社グループが主に事業を展開する国内一般用消費財業界は、堅調に推移するものと見込まれますが、物価上昇による消費者の買い控えなどがリスクとして想定されます。

このような中、当社グループは中長期経営戦略フレームにもとづく中期経営計画「Vision2030 1st STAGE」を推進し、サステナブルな社会への貢献と事業成長の加速を目指してまいります。

次期の連結業績見通しは、売上高4,100億円(前期比5.2%増)、事業利益250億円(同6.1%増)、営業利益250億円(同13.3%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益175億円(同20.2%減)を予想しております。

 

② 財政状態に関する概況

 a.財政の状況

(連結財政状態)

 

当期

前期

増減額

資産合計(百万円)

469,278

428,025

41,253

資本合計(百万円)

279,168

265,014

14,153

親会社所有者帰属持分比率(%)(注1)

56.3

58.8

△2.5

1株当たり親会社所有者帰属持分(円)(注2)

929.72

865.31

64.41

 

  (注1) 親会社所有者帰属持分比率は、(資本合計-非支配持分)/資産合計で計算しております。

  (注2) 1株当たり親会社所有者帰属持分は、非支配持分を含まずに計算しております。

 資産合計は、使用権資産の増加等により、前期末と比較して412億5千3百万円増加し、4,692億7千8百万円となりました。資本合計は、141億5千3百万円増加し、2,791億6千8百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は56.3%となりました

 

  b.当期のキャッシュ・フローの状況

(連結キャッシュ・フロー)                                                             (単位:百万円)

 

当期

前期

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

41,962

19,296

22,665

投資活動によるキャッシュ・フロー

△19,535

△34,177

14,641

財務活動によるキャッシュ・フロー

△19,821

△10,225

△9,595

換算差額等

1,222

822

400

増減

3,827

△24,283

28,111

現金及び現金同等物の期末残高

101,078

97,250

3,827

 

 

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期利益等により、419億6千2百万円の資金の増加となりました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、195億3千5百万円の資金の減少となりました。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出等により、198億2千1百万円の資金の減少となりました。

  以上の結果、当期の現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べ38億2千7百万円増加し、1,010億7千8百万円となりました。

 

(キャッシュ・フロー関連指標の推移)

 

2018年

12月期

2019年

12月期

2020年

12月期

2021年

12月期

2022年

12月期

親会社所有者帰属持分比率(%)

53.8

54.7

53.2

58.8

56.3

時価ベースの親会社所有者帰属持分比率(%)

185.7

162.3

166.8

104.4

91.7

債務償還年数(年)

0.2

0.3

0.3

0.6

0.8

インタレスト・カバレッジ・レシオ

259.3

431.9

719.4

564.8

1,021.4

 

  (注) 親会社所有者帰属持分比率 :親会社の所有者に帰属する持分/資産合計  

      時価ベースの親会社所有者帰属持分比率 : 株式時価総額/資産合計

      債務償還年数 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー

      インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い

     ※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

     ※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

c. 次期のキャッシュ・フローの見通し

営業活動によるキャッシュ・フローのうち、税引前当期利益は260億円程度と予想しております。減価償却費及び償却費は200億円程度となる見込みです。

投資活動によるキャッシュ・フローでは、設備投資による支出は220億円程度を予定しております。

財務活動によるキャッシュ・フローでは、配当の支払いなどにより、130億円程度の資金の減少を予想しております。

以上により、次期の現金及び現金同等物の期末残高は、当期末に比べて110億円程度の増加と予想しております。

 

d. 利益配分に関する基本方針

「第4 提出会社の状況 3配当政策」に記載のとおりであります。

 

 e.生産、受注、販売の実績

 [生産実績]

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

一般用消費財事業

206,155

△3.9

産業用品事業

24,654

21.4

海外事業

117,420

10.9

その他

348,230

2.2

 

  (注) 金額は生産者販売価格で算出しております。

 

 [受注状況]

受注生産は行っておりません。

 

 [販売実績]

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

金額(百万円)

前期比(%)

一般用消費財事業

230,520

0.4

産業用品事業

37,849

8.8

海外事業

118,042

19.6

その他

3,475

8.8

389,887

6.4

 

  (注) 1 セグメント間の内部取引については、相殺消去しております。

  2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

㈱PALTAC

96,837

26.4

101,628

26.1

㈱あらた

45,254

12.4

43,363

11.1

 

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析

 ① 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号。以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定により、国際財務報告基準(以下「IFRS」という。)に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たり採用した会計方針およびその適用方法ならびに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しているため省略しております。

 

 ② 経営方針、経営戦略等または目標とする経営指標に照らした分析、検討内容

当社グループの経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。経営成績等の状況に関する認識・分析は以下のとおりです。

 

a. 売上の状況

当連結会計年度の売上高は、3,898億6千9百万円(前期比6.5%増、為替変動の影響を除いた実質前期比3.4%増)となりました。売上高は、一般用消費財はオーラルケア、ビューティケアが増収、海外ではマレーシアや韓国が成長を牽引、産業用品では二次電池向けカーボンや衛生関連品の好調によりそれぞれ増収となりました。

 

b. 損益の状況

当連結会計年度の損益は、事業利益235億5千9百万円(前期比23.8%減)、営業利益288億4千3百万円(同7.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益219億3千9百万円(同7.7%減)となりました。事業利益は、値上げ対応やトータルコストダウンを推進するも、原材料価格上昇の影響や減価償却費の増加等により減益となりました。営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益は、主に事業利益の減少により減益となりました。

 


 

以上の結果、当連結会計年度のROEは8.5%となりました。

 

 

 ③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

a. 基本的な考え方

当社グループは、「より良い習慣づくりで、人々の毎日に貢献する(ReDesign)」というパーパスを起点とし、2030年に向けた経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」を掲げ、その実現への企業活動を進めております。

資金については、中長期的な成長を継続させるための投資資金の確実な確保と、財務健全性の維持を基本方針とし、成長投資や運転資金の需要に合わせて、機動的に対応することとしています。また、投資や事業成長から創出した資金を、更なる成長に向けて再投資するとともに、マルチステークホルダーへの還元を強化することで、企業価値拡大スパイラルの実現を目指します。

 

b. 資金の需要

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品および製品製造のための原材料の購入、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは販売促進費、広告宣伝費および人件費等です。また、当社グループの投資資金需要のうち主なものは、主力の製造拠点である国内工場の設備維持更新に加え、生産能力増強および生産効率向上のための設備投資です。将来の成長に向けた戦略的な資金需要に対しては、財務基盤の安定と資本効率の向上を図りながら対応してまいります。
 剰余金の配当等の決定に関する方針は、継続的かつ安定的な利益還元を行うことを経営の最重要課題と考え、配当は連結配当性向30%を目安として継続的かつ安定的に実施し、自己株式の取得は中長期的な成長のための内部留保を総合的に判断して実施を検討してまいります。内部留保は、企業成長力の強化、永続的な事業基盤の整備を行うことを目的として、研究開発、生産設備等への投資や外部資源獲得に充当してまいります。
 

c. 資金調達

当社グループの運転資金および設備投資資金は、主として営業活動で得られた資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入や社債等による資金調達を行う方針であります。当社は国内格付機関である格付投資情報センター(R&I)から格付を取得しており、本報告書提出日時点における長期発行体格付はA(安定的)となっております。また、当社は複数の銀行との間で借入枠を有しており、緊急時の流動性を確保しております。これらにより、当社グループの事業運営に必要な運転資金や将来の成長に向けた投資資金は適切に調達することが可能であると考えております。
 なお、当社グループでは、国内連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、グループ資金を当社に集中するとともに、各社の必要資金を当社が貸し付けることで、資金効率の向上と支払利息の低減を図っております。
 

 ④ 経営成績等に重要な影響を与える要因

「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、経営ビジョン『次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ』の実現に向け、「健康」、「快適」、「清潔・衛生」を通じた新たな顧客体験価値を創造し、お客様一人ひとりの「心と身体のヘルスケア」を実現する製品の開発や、未来の生活を提案する研究開発に取り組んでいます。健やかで自立した人生や、清潔で快適な生活の実現、さらに、未来にわたり安心して暮らせる社会を目指し、確かな科学的根拠に基づく研究を進めています。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、11,077百万円であります。

各セグメントの研究開発活動は下記のとおりです。

 

(1) 一般用消費財事業

一般用消費財事業では、オーラルケア、ビューティケア、ファブリックケア、リビングケア、薬品、その他の6つの事業分野に分け、研究開発を行っています。

 

① オーラルケア事業分野では、口腔科学を中心とする研究成果を活かして、ハミガキ、ハブラシ、デンタルリンスなどの開発を行っています。

光発想の美白ハミガキ「Lightee」ブランドから、歯の表面にできるミクロなキズに残った汚れまで徹底除去し、さらにコーヒーや紅茶などの着色成分をつきにくくして、光の反射をアップし、本来の明るく白い歯に導く『Lightee ハミガキ PREMIUM』を新発売しました。歯周病セルフケアをリードする「システマ」ブランドからは、大人のための美白ケアハミガキ『システマ ハグキプラス プレミアムハミガキ よくばりな美白』 を新発売しました。予防歯科から生まれた「クリニカ」ブランドからは、小・中学生向け「クリニカJr.」シリーズ として「フッ素」+「酵素」配合の子ども向けハミガキ『クリニカJr. ハミガキ』と、長時間「殺菌+抗菌コート」してムシ歯・口臭・歯肉炎を予防する子ども向け薬用デンタルリンス『クリニカJr. デンタルリンス』を新発売しました。 また、お口全体の健康を保つ新高額ライン「クリニカPRO」シリーズとして、日本で唯一の歯垢を分解・除去する有効成分「酵素」を配合し、 生涯7大リスクをケアする『クリニカPRO ハミガキ オールインワン』、歯の根元の蓄積黄ばみまで浮かせる『クリニカPRO ハミガキ ホワイトニング』、知覚過敏による、歯のしみる痛みを防ぐ『クリニカPRO ハミガキ 知覚過敏ケア』を新発売しました。 口臭科学から生まれた「NONIO」ブランドからは、環境に配慮した『NONIO マウスウォッシュ つめかえ用 eco PACK』と、『NONIO プラスホワイトニング デンタルリンス つめかえ用 eco PACK』を新発売しました。

歯科医院向け製品では、新成分配合によりフッ素の滞留性が大幅にアップした歯磨剤『Check-Up standard』を改良新発売しました。またSystemaブランドでは、歯の土台を守る力を引き出す歯磨剤『SystemaハグキプラスPRO』を改良新発売すると共に、歯ブラシの刷掃力強化タイプ『Systema AX 44H』を発売しました。

 

② ビューティケア事業分野では、皮膚科学、界面科学を中心とする研究成果を活かして、ハンドソープ、ボディソープ、制汗デオドラントなどの開発を行っています。
 「キレイキレイ」ブランドからは、新しい時代の清潔習慣の普及・定着のために青のキレイキレイシリーズより、ノンアルコール処方で細菌・ウイルスに効く『キレイキレイ 薬用手指の消毒ジェルプラス』を新発売しました。加えて、吸着保湿処方で肌にうるおいを与えるボディソープ「hadakara(ハダカラ)」ブランドからは、肌荒れを防いで肌にうるおいを与え、小さい子どもも忙しいママも一緒にケアできる『hadakara ボディソープ 泡で出てくる薬用ピュアマイルドタイプ』を新発売しました。また、うるおうのにサラすべ肌である『hadakara ボディソープ 泡で出てくるサラサラfeelタイプ』を、タオル洗いでも濃密泡がもこもこ増え続けるよう改良新発売いたしました。さらに、「Ban(バン)」ブランドからは、肌にやさしいふき心地と汗のべたつきやニオイなどをふき取れる機能を両立したボディ用汗ふきシート『Ban さっぱり感PREMIUMシート』を新発売しました。

 

 

③ ファブリックケア事業分野では、界面科学を中心とする研究成果を活かして、衣料用洗剤、柔軟仕上げ剤などの製品開発を行っています。
 洗濯用洗剤ブランド「トップ」から、当社史上初となる自動投入洗濯機ならではの利便性と機能を両立した専用洗剤『トップ スーパーNANOX 自動投入洗濯機専用』を新発売しました。また、抗菌成分を新配合し、「洗浄」「消臭」「防臭」「抗菌」4つの機能を1本でトータルケアできる衣料用液体高濃度洗剤『トップ スーパーNANOX』を改良新発売しました。柔軟剤ブランド「ソフラン」から、さわやかな香りの新香調『ソフラン アロマリッチ エリー』、華やかで可憐な香りの新香調『ソフラン アロマリッチ キャサリン』を新発売しました。
 

④ リビングケア事業分野は、界面科学を中心とする研究成果を活かして、住居用洗剤、台所用洗剤などの製品開発を行っています。
 住居用洗剤分野では「ルックプラス」ブランドから、浴槽全体にスプレーして、こすらず60秒後に流すだけで除菌もピンク汚れ予防もでき、ほのかな香りがすすいだ後スッと消える『ルックプラス バスタブクレンジング銀イオンプラス 香りが残らないタイプ』を新発売しました。また、密着泡でトイレのフチ裏をこすらず洗える『ルックプラス 泡ピタトイレ洗浄スプレー』の本体ボトルは、公益社団法人 日本包装技術協会主催 2022年日本パッケージングコンテストで最高賞であるジャパンスター賞を受賞し、性能だけでなくパッケージデザインやボトルの形でも高い評価を受けました。
 

⑤ 薬品事業分野では、製剤技術や薬効・薬理技術を中心とする研究成果を活かして、人々のセルフメディケーション意識を支える一般用医薬品などの開発を行っています。

下痢止め薬ブランド「ストッパ」では、飲酒翌日などの飲みすぎ・食べすぎによる下痢に対処するため、ロペラミド塩酸塩とウコンエキスの当社独自処方によるチュアブル錠タイプの一般用医薬品『ストッパNOM』を新発売しました。目薬ブランド「スマイル」からは、乾きだけでなく疲れにも悩む中高齢コンタクトレンズユーザーに向けた、コンタクトレンズをしたままでも使えるビタミンA配合の一般用医薬品『スマイル40 ゴールドコンタクトマイルド』『スマイル40 ゴールドコンタクトクール』を新発売しました。

 

⑥ 通信販売事業では、生命科学や製剤技術を中心とする研究成果を活かし、健康寿命の延伸およびQOL(生活の質)の維持・向上を通じた生活者のウェルビーイングに向けた製品やサービスなどの開発を行っています。
 当社機能性表示食品の主力であり内臓脂肪を減らすのを助けるラクトフェリンについて、その機能を遺伝子検査によって予測する技術開発を推進しました。その研究成果を第10回日本ラクトフェリン学会および第22回国際栄養学会議にて発表し、それぞれ冨田賞、Young investigator excellent abstract awardを受賞しました。

ペット事業においては、当社獣医師、社外獣医師との協働により動物行動学、口腔科学の研究とライオングループ内の技術を活かしてペットサニタリー用品、オーラルケア用品、ボディケア用品などの開発を行っています。

サニタリー分野においては、猫用排泄物専用処理袋「ニオイをとる砂ウンチもオシッコも臭わない袋」2品を発売しました。

オーラルケア分野では、遊びながら歯みがきができる「PETKISSワンちゃんの歯みがきおもちゃ」、犬用歯みがきおやつ「PETKISSワンちゃんの歯みがきおやつソフトクッキー」2品、猫用歯みがきおやつ「PETKISSネコちゃんの歯みがきおやつやわらか」2品を発売しました。

ボディケア分野では、手のひら感覚でよれずに拭ける「ペットキレイミトンでらくらくシャンプータオル」2品を発売しました。

 

一般用消費財事業に関わる研究開発費は、9,264百万円であります。

 

 

(2) 産業用品事業

 

① ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ㈱は、界面科学、合成技術を中心とする固有技術を生かし、導電性材料、ゴム用添加剤、機能性ポリマー、繊維加工薬剤、脂肪酸窒素誘導体、土木建築用途を含むインフラ薬剤などについて、お客様に密着した開発を行っています。当連結会計年度の主な研究成果は次のとおりです。

導電性材料では、主力商品である「ケッチェンブラック(カーボンブラック)」の応用研究、新規導電性炭素材料およびこれらの複合材料の開発を行っています。特に、電気自動車用二次電池向けカーボンの開発に注力し、その普及を通じてCO2排出削減への貢献を進めております。

ゴム用添加剤では、タイヤへの機能性付与やタイヤ製造現場における作業環境向上に貢献する防着剤の開発を行っています。なかでもSDGsに繋がるエコタイヤの製造に必要な内部添加剤につきましては、国内外のお客様からご好評を頂いております。

機能性ポリマーでは、スマートフォン用の保護フィルムやポップラベル用の粘着剤、また繊維用の耐久帯電防止剤、耐久撥水剤の開発を行っています。同分野におきましても、非フッ素化、バイオマス原料の採用など環境対応型製品の開発に注力しております。

インフラ薬剤では、地盤改良薬剤を中心に工事現場の施工性向上や廃棄物低減に貢献する薬剤を開発し、市場展開を進めています。

 

② 飲食店や集団給食などの外食産業、医療・介護施設、クリーニングや食品工場など、業務用の様々な場面で使用される洗浄剤等の製品開発と製造販売、並びにこれらのお客様の食の安全・安心をサポートする衛生診断をはじめとする総合衛生ビジネスをライオンハイジーン㈱が行っております。

当連結会計年度の主な成果といたしましては、食品工場分野では、野菜洗浄剤の「野菜キレイNEXT」と「野菜キレイNX4」の基本性能を高めた改良品を発売いたしました。また、次世代のカット野菜殺菌システム「野菜キレイSaOシステム」を展示会(FOOMA JAPAN2022)で発表いたしました。カット野菜の洗浄・殺菌ソリューションを常に進化させることで、食品工場における衛生的で高品位なカット野菜製造に貢献しております。

衣料用の柔軟剤の分野では、咲きたてアロマ製法で香りが持続するだけでなく、防臭・抗菌効果で嫌なニオイを抑える「ソフランアロマリッチ ジュリエット4L」を新発売いたしました。サービス業などの場面で、心地よく香る快適な衣料の提供にお役立ていただいております。

クリーニング分野では、リネンの白度を維持するランドリー用の濃縮液体助剤「ビルダーコンクM」を新発売いたしました。「ビルダーコンクM」は、濃縮液体洗剤シリーズと組合わせて使用することで、白くて衛生的なリネンの提供にお役立ていただいております。

今後ともお客様のニーズや社会的要請に対応したソリューションを提供し、ビジネスユースを通じて、衛生的な環境作りと食の安全に貢献して参ります。

 

産業用品事業に関わる研究開発費は、1,121百万円であります。

 

 

(3) 海外事業

海外製品開発では、世界的な原材料費高騰の中で徐々に再拡大の兆しを見せるアジアの消費材市場に対して、製品原価上昇の抑制努力を続けながら、お客様のライフスタイル変化に対応した付加価値型製品の発売や、環境に配慮した包装容器をいち早く採用した製品を投入しました。

事業分野別の新製品・改良品は以下の通りです。

オーラルケア分野では、各エリアに於ける「NONIO」や「システマ」等、主力製品の海外展開を進めました。他にも「コドモ」や「クリニカKid’s」による子ども用製品の拡充、中国での「ホワイト&ホワイト」などの日本ブランドの製品ライン拡大、インドネシアで現地ニーズを捉えたローカルブランド新製品などを通じて、継続的な成長を実現しました。日本で好評の「NONIO」ブランドの展開では、若年層の強い支持により洗口剤市場No.2シェアを堅持する香港や中国、シンガポールの展開に加え、台湾でも洗口剤の導入を果たし、グローバルブランドとしての地位を着実に確立しています。またハブラシでは、日本でご好評を頂いている「薄型ヘッド」技術を、海外各国・地域で展開するシステマブランドに採用し、新たな競争優位を築いて市場地位を高めるとともに、お客様の健康なよりよい生活習慣づくりに寄与しています。

ビューティケア分野では、韓国No.1ハンドソープブランド「キレイキレイ」シリーズから、ボトルと詰替えパウチに再生プラスチック素材を使用した製品を発売しました。手洗いの「良い習慣づくり」を広めるブランドとして、環境にも配慮することで、お客様からより強い支持を頂いています。この他にも「キレイキレイ」ブランドはタイと中国でボディソープもラインアップに加えました。これからもキレイキレイはお客様の衛生ニーズに応え、アジアを代表する衛生ブランドを目指します。

ホームケア分野では、タイ市場に衣料用洗剤の新ブランド「液体トップ」を新発売しました。同国で最初となる「アンチウイルス」訴求が可能な液体衣料用洗剤として、コロナにより高まった衛生意識に応えます。また韓国では液体カプセル型の衣料用洗剤「7. Lab(セブンラボ)」を新発売しました。簡単便利にお洗濯を済ませたい若年層を中心に普及を目指しています。

海外事業では、今後も海外のお客様のニーズに敏感に反応した製品を拡大して参ります。

 

海外事業に関わる研究開発費は、691百万円であります。

なお、海外事業に関連する日本国内での研究開発費は、一般用消費財事業に含まれております。