第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当中間期の連結業績は、売上高1,994億5千9百万円(前年同期比0.4%増、為替変動の影響を除いた実質前年同期比0.3%増)、事業利益126億3千9百万円(前年同期比32.3%増)、営業利益133億7千9百万円(同0.2%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益96億9百万円(同3.2%減)となりました。

当社グループは、本年より3ヵ年の新中期経営計画「Vision(ビジョン)2030 2nd(セカンド) STAGE(ステージ)」をスタートさせ、「収益力の強靭化」をテーマに、3つの基本方針である「事業ポートフォリオマネジメントの強化」、「経営基盤の強化」、「ダイナミズムの創出」にもとづく施策を推進しています。

海外においては、主要国を中心に最重点分野であるオーラルヘルスケアの事業拡大に努めました。加えて、さらなる成長に向け、ベトナムの持分法適用関連会社の全株式を取得し100%子会社とすることを決定しました。国内においては、主力ブランドの重点育成に取り組むとともに、新しい習慣を提案する新製品を発売しました。併せて、調理関連品ブランドの譲渡を決定するなど、収益構造改革施策も推進しました。

 

[経営成績の概況]

 

当中間期(百万円)

前中間期(百万円)

増減率

売上高

199,459

198,634

0.4

事業利益

12,639

9,554

32.3

営業利益

13,379

13,357

0.2

親会社の所有者に帰属する中間利益

9,609

9,931

△3.2

 

(注)事業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る当社の利益指標です。

 

[セグメントごとの経営成績]

 

売上高

事業利益

 

当中間期

(百万円)

前中間期

(百万円)

増減率

当中間期

(百万円)

前中間期

(百万円)

増減率

一般用消費財事業

121,739

122,262

△0.4

9,136

5,994

52.4

産業用品事業

28,698

26,470

8.4

1,462

1,495

△2.2

海外事業

84,237

84,615

△0.4

3,176

2,970

6.9

その他

5,261

7,779

△32.4

△33

294

 

小計

239,936

241,127

△0.5

13,742

10,755

27.8

調整額

△40,476

△42,493

 

△1,102

△1,200

 

合計

199,459

198,634

0.4

12,639

9,554

32.3

 

(注)海外事業の重要性の高まりを踏まえ、報告セグメントごとの業績をより適切に反映させるために、当社グループ内の業績管

  理区分を見直した結果、当中間連結会計期間より、従来、「一般用消費財事業」に含まれていた国内の海外支援部門の関連

  取引を「海外事業」に含めて表示しております。

  なお、前中間連結会計期間のセグメント情報についても、当該変更を反映したものに組み替えて開示しております。

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、セグメントごとの経営成績については、セグメント内およびセグメント間の内部売上高を含んでおります。

 

① 一般用消費財事業

当事業は、「オーラルヘルスケア分野」、「ビューティケア分野」、「ファブリックケア分野」、「リビングケア分野」、「薬品分野」、「その他の分野」で構成されています。全体の売上高は、前年同期比0.4%の減少となりました。事業利益は、収益構造改革施策の推進により、前年同期比52.4%の増加となりました。

 

 

当中間期(百万円)

前中間期(百万円)

増減率

売上高

121,739

122,262

△0.4

事業利益

9,136

5,994

52.4

 

 

[売上高の分野別状況]

 

当中間期(百万円)

前中間期(百万円)

増減率

オーラルヘルスケア分野

36,862

35,900

2.7

ビューティケア分野

12,133

11,842

2.5

ファブリックケア分野

26,636

27,647

△3.7

リビングケア分野

10,263

10,187

0.8

薬品分野

10,918

12,059

△9.5

その他の分野

24,924

24,625

1.2

 

 

(オーラルヘルスケア分野)

当分野は、「ハミガキ」、「ハブラシ」、「デンタルリンス」等で構成されています。

ハミガキは、昨年4月に発売したOCH-TUNE(オクチューン) ハミガキ」が前年同期を下回りましたが、「システマハグキプラス ハミガキ」や「クリニカPRO(プロ) ハミガキ」が好調に推移したことにより、全体の売上は前年同期を上回りました。

ハブラシは、「クリニカPRO(プロ) ハブラシ」が好調に推移しましたが、「OCH-TUNE(オクチューン) ハブラシ」の反動減により、全体の売上は前年同期を下回りました。

デンタルリンスは、「NONIO(ノニオ)プラスホワイトニング デンタルリンス」が好調に推移しましたが、「OCH-TUNE(オクチューン) マウスウォッシュ」の反動減により、全体の売上は前年同期を下回りました。

以上により、分野全体の売上は、前年同期比2.7%の増加となりました。

 

(ビューティケア分野)

当分野は、「ハンドソープ」、「ボディソープ」、「制汗剤」等で構成されています。

ハンドソープは、「キレイキレイ薬用ハンドコンディショニングソープ」が前年同期を大幅に上回り、全体の売上も前年同期を上回りました。

ボディソープは、「hadakara(ハダカラ)ボディソープ 泡で出てくるタイプ」が堅調に推移したものの、液体タイプが前年同期を下回り、全体の売上は前年同期を下回りました。

また、トリートメントの前にヘアセラムを塗布するという新たな習慣を提案するヘアケアの新ブランド「MEGAMIS(メガミス)」を一部の販売店およびECサイトにて発売し、お客様のご好評をいただきました。

以上により、分野全体の売上は、前年同期比2.5%の増加となりました。

 

(ファブリックケア分野)

当分野は、「柔軟剤」、「洗濯用洗剤」等で構成されています。

柔軟剤は、「ソフラン プレミアム消臭」が前年同期を下回り、全体の売上も前年同期を下回りました。

洗濯用洗剤は、出荷価格の見直しを行った粉末洗剤が前年同期を下回り、全体の売上も前年同期を下回りました。

以上により、分野全体の売上は、前年同期比3.7%の減少となりました。

 

(リビングケア分野)

当分野は、「住居用洗剤」、「台所用洗剤」等で構成されています。

住居用洗剤は、銀イオンの煙で除菌し新たなニオイの発生を防ぐという、新しいトイレ掃除の習慣を提案する新製品「ルックプラス トイレのまるごと除菌消臭くん煙剤」がお客様のご好評をいただきました。併せて、浴室用洗剤「ルックプラス バスタブクレンジング」が堅調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。

台所用洗剤は、「CHARMY(チャーミー) Magica(マジカ)」が前年同期を下回り、全体の売上も前年同期を下回りました。

以上により、分野全体の売上は、前年同期比0.8%の増加となりました。

 

(薬品分野)

当分野は、「解熱鎮痛薬」、「点眼剤」、「足用冷却シート」等で構成されています。

解熱鎮痛薬は、「バファリン プレミアムDⅩ(ディーエックス)」が前年同期を大幅に上回りましたが、「バファリンA」が前年同期を下回り、全体の売上は前年同期を下回りました。

点眼剤は、「スマイル40 プレミアム ザ・ワン」が前年同期を下回り、全体の売上も前年同期を下回りました。

足用冷却シートは「休足時間 足すっきりシート」が、ニキビ薬は「ペアアクネクリームW」が好調に推移し、全体の売上はそれぞれ前年同期を大幅に上回りました。

分野全体の売上は、昨年一部ブランドを譲渡した影響もあり、前年同期比9.5%の減少なりましたが、当該影響を除くと前年同期を上回りました。

 

(その他の分野)

当分野は、ペット用品等で構成されています。

ペット用品は、オーラルケア用品「PETKISS(ペットキッス)」が前年同期を大幅に上回るとともに、猫用トイレの砂「ニオイをとる砂」が順調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。

以上により、前年同期比1.2%の増加となりました。

 

② 産業用品事業

事業は、タイヤ用ゴムの防着剤等の「モビリティ分野」、二次電池用導電性カーボン等の「エレクトロニクス分野」、油脂活性剤等の「ライフケミカル分野」、施設・厨房向け洗浄剤等の「業務用洗浄剤分野」等で構成されており、全体の売上高は、前年同期比8.4%の増加となりました。事業利益は、原材料価格の上昇や売上構成変化の影響により、前年同期比2.2%の減少となりました。

 

 

当中間期(百万円)

前中間期(百万円)

増減率

売上高

28,698

26,470

8.4

事業利益

1,462

1,495

△2.2

 

 

モビリティ分野では、塗料用の導電性カーボンが前年同期を下回りましたが、タイヤ用ゴムの防着剤が前年同期を上回り、全体の売上は前年同期を上回りました。

エレクトロニクス分野では、二次電池用導電性カーボンが前年同期を下回り、全体の売上も前年同期を下回りました。

ライフケミカル分野では、界面活性剤などの窒素化合物が前年同期を大幅に上回り、全体の売上も前年同期を上回りました。

業務用洗浄剤分野では、衣料用洗剤が前年同期を大幅に上回るとともに、業務用ハンドソープが順調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。

 

 

③ 海外事業

海外は、タイ、マレーシア等の東南・南アジア、中国、韓国等の北東アジアにおいて事業を展開しております。全体の売上高は、前年同期比0.4%の減少(為替変動の影響を除いた実質前年同期比は0.6%の減少)となりました。事業利益は、前年同期比6.9%の増加となりました。

 

 

当中間期(百万円)

前中間期(百万円)

増減率

売上高

84,237

84,615

△0.4

事業利益

3,176

2,970

6.9

 

 

   [地域別の状況]

 

 

当中間期(百万円)

前中間期(百万円)

増減率

東南・南アジア

売上高

51,540

48,920

5.4

 

事業利益

2,754

2,184

26.1

北東アジア

売上高

32,697

35,694

△8.4

 

事業利益

422

785

△46.3

 

 

東南・南アジア全体の売上高は、前年同期比5.4%の増加(為替変動の影響を除いた実質前年同期比は1.4%の増加)、事業利益は26.1%の増加となりました。

北東アジア全体の売上高は、前年同期比8.4%の減少(為替変動の影響を除いた実質前年同期比は3.5%の減少)、事業利益は46.3%の減少となりました。

 

   [主要国の売上高]

 

当中間期(百万円)

前中間期(百万円)

増減率

タイ

33,367

31,388

6.3

マレーシア

12,109

11,496

5.3

中国

14,661

14,890

△1.5

韓国

9,831

11,998

△18.1

 

 

(タイ)

洗濯用洗剤は、主力ブランドの「Pao(パオ)」で液体洗剤が好調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。

ボディソープは、店頭での積極的なプロモーションにより「植物物語」が好調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。

以上により、タイ全体の売上は、前年同期比6.3%の増加(為替変動の影響を除いた実質前年同期比は1.7%の増加)となりました。

 

(マレーシア)

洗濯用洗剤は、液体洗剤「トップ」が好調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。

ハミガキは、重点育成に努めている「Fresh(フレッシュ) &(アンド) White(ホワイト)」が好調に推移し、全体の売上は前年同期を大幅に上回りました。

以上により、マレーシア全体の売上は、前年同期比5.3%の増加(為替変動の影響を除いた実質前年同期比は0.9%の増加)となりました。

 

(中国)

ミガキは、昨年現地生産品を発売した「クリニカ」が好調に推移し、また主力の「ホワイト&ホワイト」で、第2四半期に高付加価値の新製品を発売しましたが、同ブランドで収益性確保に向けた価格安定化施策を進めたこともあり、全体の売上は前年同期を下回りました。

ハブラシは、「システマ」が好調に推移し、全体の売上も前年同期を上回りました。

上により、現地通貨ベースでは前年同期を上回りましたが、為替変動の影響を受け中国全体の売上は、前年同期比1.5%の減少(為替変動の影響を除いた実質前年同期比は2.9%の増加)となりました。

 

(韓国)

洗濯用洗剤は、主力ブランド「BEAT(ビート)」でカプセル洗剤が好調に推移しましたが、粉末洗剤が前年同期を下回り、全体の売上は前年同期を下回りました。

ハンドソープは、「Ai(アイ)! Kekute(ケクテ)」が順調に推移し、全体の売上も前年同期を上回りました。

韓国全体の売上は、日本向けの粉末洗剤の輸出が減少するなどグループ内の売上が大幅に減少したことから、前年同期比18.1%の減少(為替変動の影響を除いた実質前年同期比は10.5%の減少)となりました。

 

④ その他

建設請負事業等を含むその他では、全体の売上高は、前年同期比32.4%の減少となりました。

 

 

当中間期(百万円)

前中間期(百万円)

増減率

売上高

5,261

7,779

△32.4

事業利益

△33

294

 

 

 

 

(2) 財政状態の状況

資産合計は、現金及び現金同等物の減少等により、前連結会計年度末と比較して283億5千8百万円減少し、4,688億8百万円となりました。資本合計は、15億8千8百万円増加し、3,172億8千2百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は63.1%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前中間利益等により、18億4千8百万円の資金の増加となりました。(前年同期は90億円の資金の増加

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、151億7百万円の資金の減少となりました。(前年同期は50億2千7百万円の資金の減少

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額等により、63億7千4百万円の資金の減少となりました。(前年同期は163億9千6百万円の資金の減少

以上の結果、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ214億6千3百万円減少し、807億7千7百万円となりました。また、前中間連結会計期間末に比べて58億8百万円増加しました。

 

(4) 事業上および財務上の対処すべき課題

当中間連結会計期間において、事業上および財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は56億7千9百万円であります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。