第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

 当企業グループは各種合成表皮材の単一セグメントで事業活動を展開しております。

 

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、年度を通じ雇用や所得環境が改善するなか、期前半では中国を始めとする新興国経済の減速や円高基調で推移したことにより足踏み状態が続きました。しかしながら、期後半に入り海外景気の持ち直しや米国大統領選挙後の円安進行により企業業績が改善するなど、緩やかな回復基調となりました。

 このような状況のもと、当企業グループは、住宅・住設用の売上減少などにより、連結売上高は467億7千3百万円と前期(479億2千9百万円)に比べ2.4%の減少となりました。

 売上高を用途別にみますと、車両用につきましては、360億2千7百万円と前期(358億6千1百万円)に比べ0.5%の増加となりました。住宅・住設用につきましては、64億7千2百万円と前期(77億6千7百万円)に比べ16.7%の減少となり、ファッション・生活資材用につきましては、42億7千3百万円と前期(42億9千9百万円)に比べ0.6%の減少となりました。

 利益面につきましては、連結経常利益は38億3百万円(前期連結経常利益 36億9千1百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は25億5千7百万円(前期親会社株主に帰属する当期純利益 21億5千3百万円)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ14億9千4百万円増加し、70億5千万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、23億8千1百万円の増加となりました。

 これは主に税金等調整前当期純利益37億6千5百万円、減価償却費16億5千5百万円などによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、8百万円の減少となりました。

 これは主に有形固定資産の取得による支出33億7千9百万円、有価証券の減少額31億円などによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、8億4千5百万円の減少となりました。

 これは主に配当金の支払額8億3千1百万円などによります。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当企業グループは各種合成表皮材の単一セグメントで事業活動を展開しております。

 

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績を用途別に示すと、次のとおりであります。

用途別

当連結会計年度

生産高(百万円)

前年同期比(%)

車両用

37,206

6.7

住宅・住設用

7,275

△12.9

ファッション・生活資材用

4,236

△2.1

48,718

2.5

(注)1 金額は販売価格によります。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注実績

 当連結会計年度の受注高および受注残高を用途別に示すと、次のとおりであります。

用途別

当連結会計年度

受注高

受注残高

金額(百万円)

前年同期比(%)

金額(百万円)

前年同期比(%)

車両用

36,488

2.2

3,165

17.0

住宅・住設用

6,475

△18.1

886

0.3

ファッション・生活資材用

4,290

0.2

424

4.0

47,254

△1.3

4,477

12.0

(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績を用途別に示すと、次のとおりであります。

用途別

当連結会計年度

販売高(百万円)

前年同期比(%)

車両用

36,027

0.5

住宅・住設用

6,472

△16.7

ファッション・生活資材用

4,273

△0.6

46,773

△2.4

(注)1 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

林テレンプ㈱

13,078

27.3

11,252

24.1

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当企業グループは次に掲げる「経営理念」のもとに、経営・業務を変革し、お客様第一に徹した企業を目指しております。

 

① 高い倫理性を持ったオープンでフェアな企業活動を通じて、社会から信頼される良き企業市民を目指す。

② 時代を先取りした研究開発に努め、将来にわたりお客様の期待に応え、新たな価値を創造する。

③ 安全・環境・品質・リードタイム・コスト全ての面でトップを目指したオリジナルな製品・生産プロセスを実現する。

④ 労使相互信頼を基本に、一人ひとりが個性と能力を発揮し誇りを持って働くことができ、自らの成長を実現・実感できる企業風土を作る。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

 当企業グループは、将来の持続的成長を念頭に置き平成27年7月、中期経営計画「2020年ビジョン」を策定いたしました。その概要は、当企業グループの強み、弱み及びグループ間の役割分担をふまえた重点戦略(販売面、技術開発面、生産面)の実行と2020年度の収益目標、売上高600億円、営業利益55億円の実現です。

 

(3)会社の対処すべき課題

 今後の見通しにつきましては、生産や輸出が底堅く推移することが期待されますが、海外情勢の不安定要素により不透明さが増しております。

 このような状況の中、当企業グループといたしましては、中期経営計画「2020年ビジョン」の取り組みを実行してまいります。計画の実現に向け、

・新たな成長の柱となる商品づくりのための材料技術、生産技術の強化

・北米・中国市場での販売・供給体制整備による3極体制の構築

・連結経営強化に向けたグループ各社との活動の一元化

を実施してまいります。また事業環境の変化に対して、取り組みを柔軟かつ迅速に見直してまいります。あわせて、確かな品質でお客様満足の向上に努め、社業の一層の発展を図ってまいる所存です。

 

 

4【事業等のリスク】

 当企業グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

 なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

 

(1)新製品開発力

 当企業グループにおける売上のかなりの部分は車両用内装表皮材の販売に依っております。従来は塩化ビニル系製品が主でありましたが、オレフィン系およびウレタン系製品への市場ニーズも高まっており、当面の製品開発は非塩化ビニル系の製品群に注力していくと予想されます。一方、塩化ビニル系製品も価格・性能面から見直しもあり、全般的な取組みが必要となっています。市場ニーズの変化に対し、製品開発をタイムリーに実施できずに置き換え製品等で受注が減少した場合、当企業グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)公的規制

 当企業グループは国内での事業展開にあたって諸般の公的規制を受けております。中でも、環境関連法規制については、平成18年4月1日に施行された大気汚染防止法の揮発性有機化合物(VOC)排出規制により既存設備について平成22年3月末に法規制対策は完了済みでありますが、今後の法規制見直し如何によっては、規制遵守のためのコスト増加につながる可能性があります。

 

 

(3)災害等による影響

 当企業グループは製造ラインの中断による潜在的なマイナス影響を最小化するために設備における定期的な災害発生防止検査と点検を行っておりますが、生産設備で発生する災害、またはその他の中断事象による影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。従って、大規模な地震やその他の事象によって操業を中断する場合、各製品の生産能力が大きく低下する可能性があります。

 

(4)特定の取引先への依存

 当企業グループは、車両用内装材を主にトヨタグループ向けに販売しており、当連結会計年度の売上高に占める同グループへの割合は40%超となっております。そのため、同グループの自動車生産および販売動向によっては、当企業グループの経営成績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当連結会計年度末現在のトヨタ自動車株式会社による当社の議決権の所有割合は、直接所有割合34.1%、間接所有割合0.1%であります。

 

(5)原材料の仕入れ

 当企業グループの主原材料が、石油関連であるため、原油/ナフサ価格の変動や需給の状況が当企業グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当企業グループの生産は、原材料を複数の供給元に依存しております。当企業グループは、供給元と基本取引契約を結び、原材料の安定的な取引を安定的な生産の前提としておりますが、供給逼迫による世界的品不足や供給元の不慮の事故などにより、原材料の不足が生じないという保証はありません。その場合、生産の遅れを招き、また、原価を上昇させる可能性があります。

 

(6)為替レートの変動

 当企業グループの事業には、海外における製品の生産・販売が含まれております。一般的に現地通貨に対する円高は当企業グループの事業に悪影響を及ぼし、円安は好影響をもたらします。為替レートの大幅な変動は、当企業グループの経営成績および財務状況に影響を与える可能性があります。

 

(7)国際活動および海外進出

 当企業グループは、様々な国で事業活動を行っております。その国々における予期しない政治的要因、テロ・戦争などの社会的混乱、経済状況の変化などは当企業グループの経営成績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当企業グループでは、お客様の真のニーズを探り、快適な空間造りに向け創造的かつ高度な技術力で積極的な研究開発を進めております。その主な活動は、高品位で機能性を有する魅力的な製品の開発と生産技術開発、コスト競争力の強化などであります。

主要な開発課題は次のとおりであります。

(1)車両用内装材

高品位・高質感要求に対応する新しい合成表皮材開発

軽量化、リサイクル、低コスト化、環境保全、快適性向上に対する材料、製品開発

(2)車両用外装材

高意匠、機能性、加工性の向上、環境保全を追及した外装用フィルムの開発

(3)住設用高級フィルム

高意匠、高機能性多層フィルムの開発

(4)ファッション・生活資材用表皮材

ファッション性や機能性に主眼を置いた合成皮革等の開発

 

 なお、当連結会計年度の研究開発費は688百万円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要といたします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(2)経営成績の分析

① 概要

 「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」参照。

 

② 売上高

 売上高は、前連結会計年度に比べ11億5千5百万円減少(△2.4%)し、467億7千3百万円となりました。これは主に住宅・住設用の売上減少などによるものであります。

 

③ 売上原価、販売費及び一般管理費

 売上原価は、前連結会計年度に比べ16億4千2百万円減少(△4.2%)し、370億1千2百万円となりました。これは主に売上高の減少によるものであります。また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ3億5千3百万円増加(6.3%)し、59億9千万円となりました。

 

④ 営業外損益

 営業外損益は、前連結会計年度に比べ2千1百万円減少し、3千2百万円となりました。これは主に固定資産除却損が増加したことによるものであります。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フローの状況

 「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」参照。

 

② 資金需要

 資金需要の主なものは、設備投資等の長期資金需要と製品の製造のための原材料等購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。

 

③ 財務政策

 設備投資等の長期資金需要および運転資金需要に対しては主に内部留保により対応しております。