(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業業績を背景に雇用情勢の改善が進んだ一方、新興国経済の減速等により弱含む状況がみられました。インテリア業界では、オフィスや店舗の新築・リニューアル需要は底堅さがみられましたが、医療・福祉施設向け需要は建築着工量減少の影響により前期を下回る水準で推移しました。
こうしたなか、当社グループは独自性のある製品開発や提案営業を通じて新たな需要の創出に注力し、当連結会計年度における売上高は91,840百万円(前期比1.1%増)となりました。利益面では、原材料コストが低減したほか、高付加価値製品の拡販や生産効率の向上に努めた結果、営業利益は3,825百万円(前期比21.3%増)、経常利益は3,907百万円(前期比19.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,420百万円(前期比22.3%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、セグメント間の取引を含めて表示しております。
<プロダクト事業>
塩ビ床材では、木目・石目をリアルに表現したビニル床タイル「ロイヤルウッド」「ロイヤルストーン」が堅調に推移しました。また、デザイン性が高く多用途で使えるビニル床シート「マチュア」を長期間ワックスメンテナンス不要の「NW シリーズ」として新たにラインアップし、高い評価をいただいております。カーペットでは、中・高級グレードのタイルカーペット「GX シリーズ」や住宅向けのタイルカーペット「ファブリックフロア」が好調に推移しました。壁装材では、汎用グレードのビニル壁紙シリーズ「VS」が売上を伸ばし、昨年10月発売の「パワー1000」「不燃認定壁紙1000」が好評で前年実績を上回りましたが、カーテンは住宅市場での需要回復が鈍く、売上が前年実績を下回りました。これらの結果、プロダクト事業の売上高は56,664百万円(前期比0.9%増)、セグメント利益は2,859百万円(前期比23.7%増)となりました。
<インテリア卸及び工事事業>
インテリア卸事業では、住宅着工量が増加に転じたことなどからブラインド等のインテリア金物や建材・設備関連の仕入売上が下期以降回復基調となりました。工事事業では、非住宅市場での受注が堅調に推移しました。これらの結果、インテリア卸及び工事事業の売上高は59,361百万円(前期比0.8%増)、セグメント利益は1,148百万円(前期比5.5%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前期末に比べ679百万円増加し、8,955百万円(前期末 8,276百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、4,426百万円の収入(前期 3,324百万円の収入)となりました。たな卸資産の減少及び売上債権の減少等により、前期に比べ収入が増加しております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,571百万円の支出(前期 1,671百万円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出の増加等により、前期に比べ支出が増加しております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,145百万円の支出(前期 1,207百万円の支出)となりました。長期借入金の返済による支出と長期借入れによる収入の差額が前期に比べ減少したこと等により、支出が減少しております。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前期増減率(%) |
|
プロダクト事業 |
44,546 |
0.8 |
|
インテリア卸及び工事事業 |
- |
- |
|
合計 |
44,546 |
0.8 |
(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前期増減率(%) |
|
プロダクト事業 |
7,366 |
△9.2 |
|
インテリア卸及び工事事業 |
51,772 |
0.6 |
|
内部取引消去 |
△24,104 |
△0.3 |
|
合計 |
35,034 |
△1.0 |
(注)1 金額は仕入価格によっております。
2 セグメント間の取引を含めて表示しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 受注状況
各事業は概ね見込生産を行っているため、該当事項はありません。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前期増減率(%) |
|
プロダクト事業 |
56,664 |
0.9 |
|
インテリア卸及び工事事業 |
59,361 |
0.8 |
|
内部取引消去 |
△24,186 |
△0.4 |
|
合計 |
91,840 |
1.1 |
(注)1 セグメント間の取引を含めて表示しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
今後のインテリア業界につきましては、高齢化社会の進展に伴う住生活環境の変化や、ストック住宅活用のためのリフォーム増加など、インテリア商材へのニーズは時代とともに変化していくものと思われます。また、2020年に向けては、東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、首都圏を中心に関連施設・ホテル等の建築着工増が期待されます。
こうしたなか、当社グループは、フレキシビリティと強靭さを兼ね備えた事業構造への変革を実現すべく、中期経営計画「SHINKA-100」(2015-17年度:フェーズⅠ、2018-20年度:フェーズⅡ)を推進しております。
当社グループの中核である床材・カーペット事業において、商品力および技術力・開発力の強化に努めるとともに、グループ全体で営業力の強化と販売効率の向上を図ってまいります。そして、アジア・中東・オセアニアや米国をはじめとする海外での事業拡大に向けて、販売網の整備・構築を進めるほか、海外市場にマッチした製品の開発に注力いたします。また、人材の育成や財務体質の強化への取り組みを進めてまいります。
当社グループは、環境共生社会へのさらなる貢献に向けて、「東リ エコスピリット2015-2017」を推進しております。リサイクルの拡大やゼロエミッションの推進など、環境負荷の低減に向けた取り組みを進めてまいります。
また、当社グループは、適正なコーポレートガバナンスを確保することも重要な経営課題と認識しております。健全で透明性の高い企業経営に努め、継続的な企業価値向上を図ってまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
なお、記載内容のうち、将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 業績の下期偏重
当社グループの業績は、年度末竣工物件での受注等により下半期に偏る傾向があります。最近2事業年度の上半期及び下半期の業績推移は以下のとおりとなっております。
|
(連結) |
(単位:百万円) |
|
|
平成27年3月期 |
平成28年3月期 |
||||
|
|
上半期 |
下半期 |
通期 |
上半期 |
下半期 |
通期 |
|
売上高 |
41,917 |
48,888 |
90,806 |
42,473 |
49,366 |
91,840 |
|
(構成比) |
46.2% |
53.8% |
100.0% |
46.2% |
53.8% |
100.0% |
|
売上総利益 |
11,316 |
13,424 |
24,741 |
11,717 |
14,087 |
25,804 |
|
(構成比) |
45.7% |
54.3% |
100.0% |
45.4% |
54.6% |
100.0% |
|
営業利益 |
548 |
2,604 |
3,152 |
983 |
2,842 |
3,825 |
|
(構成比) |
17.4% |
82.6% |
100.0% |
25.7% |
74.3% |
100.0% |
(2) 原材料の仕入価格の変動
当社グループで製造する製品の主な原材料(塩化ビニル樹脂・可塑剤及びナイロン原糸など)の多くが石油化学製品であり、その仕入価格は原油市況や為替動向と深く関係しております。世界的な需要増大や地政学リスク等に起因した原油価格の高騰、円安の進行、需給バランスの変化等により、原材料価格が上昇した場合、利益が減少する等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 販売価格の動向
当社グループで販売する製品の多くは、他社製品との熾烈な競合状態にあります。従って、市場価格の動向により当社グループ製品の販売価格が下落したり、販売量が減少する場合、売上高・利益が減少する等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 貸倒れリスク
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、過去の貸倒実績率等に基づき、貸倒引当金を計上しております。また、与信管理制度のもと、取引先別に取引限度額を設定する等、与信リスクを軽減させるための対応策をとっております。しかしながら、重要な取引先が破綻した場合、貸倒引当金を大幅に超える貸倒損失が発生する等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 研究開発
当社グループは、将来にわたる競争力強化のため、新素材、新加工技術等の基礎研究を行っております。しかしながら、研究開発活動はその性格から、成果が不確実なものであるため、十分に競争力のある新製品を開発できない可能性があります。そのような場合、将来の成長と収益性を低下させる等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 株価の大幅な下落
当社グループは、市場性のある株式を保有しており、株価が大幅に下落した場合、その他有価証券評価差額金の減少や、売却時に損失が発生する等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、年金資産にも市場性のある株式が含まれているため、株価が大幅に下落した場合、年金資産の減少及び退職給付費用(数理計算上の差異の費用処理額)の増加が生じる等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 自然災害
当社グループは、国内に多くの事業拠点を保有しております。大規模な自然災害の発生により、生産・物流設備や情報システム等が多大な被害を受けた場合、生産活動の停止や多額の復旧費用の発生等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、市場ニーズに対応した新製品の開発、生産技術の開発、新素材・新加工技術の基礎研究などをテーマに当社の研究開発部門が主体となり行っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は611百万円であり、すべてプロダクト事業に関わるものであります。
各製品群に関わる研究開発活動の状況は以下のとおりであります。
ビニル床シートでは、デザイン性に優れ汎用性の高い「マチュア」の施工性向上及び製品の軽量化を実現し、さらに長期間ワックスメンテナンス不要の「NW シリーズ」として新たにラインアップいたしました。そのほか「ホスピリュームNW」は医療福祉のトレンドに沿った新柄新色を追加し、「ノンワックスリュームNW」では上質感を感じさせる「マーブルチップ柄」を開発いたしました。クッションフロア「CFシート-H」「CFシート-P」では、市場ニーズを反映した新柄新色を投入しコーディネートの幅を広げました。
ビニル床タイルでは、次期改廃に向け、更なるアイテムの充実を目指し製品化研究を行いました。
カーペット関連では、意匠性に優れたグラフィックタイルカーペット「GX シリーズ」を一新いたしました。日本人の繊細な感性と自社の技術力を礎に、大胆で挑戦的な新意匠や市場トレンドを反映した無方向柄を多数取り揃えました。また、プリントタイルカーペット「エクスクローム シリーズ」ではプリントならではの新意匠を追加したほか、新しいイージーオーダーシステム「SCALE UP4」を開発いたしました。柄面積を4倍にスケールアップさせる事が可能になり、柄の繰り返しを感じさせにくい、スケール感の大きいフロアデザインを提案いたしました。
カーテン関連では、「コントラクトカーテン Vol.14」を発売いたしました。医療や教育など、各種施設の多様化するニーズにお応えできる商品を取り揃えたうえ、カテゴリーや縫製仕様の見直しも行い、これまで以上に「快適で安らぎある空間づくり」に貢献できる充実のラインアップとなりました。
壁装材関連では、ビニル壁紙を収録した「パワー1000」を刷新し、様々なインテリアシーンに対応したデザインを大柄から小柄まで豊富に取り揃え、同時にカラーバリエーションの強化も行いました。機能性の面では汚れ防止や消臭等の機能性壁紙を増強したほか、新しく「抗ウイルス壁紙」「抗アレル物質壁紙」を収録いたしました。また「不燃認定壁紙1000」を刷新し、医療・福祉施設や商業施設など不燃仕上げが求められる空間でのプランニングをしやすくするため、機能性商品のカラーバリエーションを拡充いたしました。
技術開発関連では、当社「NW シリーズ」ビニル床シートの専用工法として「東リ ジョイントシールド」の開発を行い、平成28年4月に発売いたしました。従来の一般的な工法である熱風溶接工法に対して、継ぎ目が目立ちにくく美しい仕上がりを実現する画期的な新工法です。その他、リサイクル技術の調査研究、接着剤の性能向上、新規素材の研究開発、塩ビ加工技術の研究を行い、新製品開発へ活用する取り組みを行いました。
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前期比873百万円(1.2%)増加の72,923百万円となりました。
流動資産は前期比99百万円(0.2%)増加の46,797百万円、固定資産は前期比774百万円(3.1%)増加の26,126百万円となりました。流動資産が増加した主な要因は、現金及び預金が増加したことによるものであります。固定資産が増加した主な要因は、有形固定資産の建物及び構築物、機械装置及び運搬具が増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前期比767百万円(1.8%)減少の42,600百万円となりました。
流動負債は前期比570百万円(1.8%)減少の30,601百万円、固定負債は前期比197百万円(1.6%)減少の11,999百万円となりました。これらの主な要因は、支払手形及び買掛金の減少と、長期借入金の減少によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は1,641百万円(5.7%)増加の30,323百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は41.4%(前期末 39.6%)となりました。また、1株当たり純資産額は488円92銭(前期末 462円90銭)となりました。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度は、独自性のある製品開発や提案営業を通じて新たな需要の創出に注力したことから、売上高は前期比1,034百万円増加の91,840百万円となりました。
売上総利益については、価格の底上げ等による売上高の増加及び原材料価格下落等による原価低減により、前期比1,062百万円増加の25,804百万円となりました。販売費及び一般管理費については、研究開発費、給与及び賞与の増加等により、前期比390百万円増加の21,978百万円となり、営業利益は前期比672百万円増加の3,825百万円となりました。
営業外収益については、為替差益の減少等により、前期比16百万円減少の431百万円となりました。営業外費用については、為替差損の増加等により、前期比29百万円増加の349百万円となり、経常利益は前期比626百万円増加の3,907百万円となりました。
特別損失で主なものとしては、固定資産除却損及び投資有価証券評価損を計上しており、税金等調整前当期純利益は前期比414百万円増加の3,677百万円となりました。
法人税、住民税及び事業税は前期比161百万円増加の1,237百万円、法人税等調整額は前期比216百万円減少の△22百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比441百万円増加の2,420百万円となりました。
この結果、1株当たり当期純利益金額は39円23銭(前期32円07銭)となりました。また、自己資本当期純利益率は8.2%(前期 7.3%)となりました。
なお、セグメント別の売上高及びセグメント利益の概況については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」に記載しております。
(3) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度に係るキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。