記載内容のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
2019年4月1日より、東リグループ・新経営理念を施行しました。
<東リグループ経営理念>
私たちは「信頼」を糧として新たな価値を創造し、世界の人々の心豊かな空間環境づくりに貢献します。
<東リグループバリュー>
1.「確かな品質と技術」を信頼に繋げる。
2.「お客様目線のモノづくり」で共創の精神を貫く。
3.「グローバルな進化」を目指す。
<東リグループ経営理念>は企業グループとしての使命・あるべき姿を掲げています。
<東リグループバリュー>は、事業活動において大切にすべき価値観・ものさし(基準)を示しています。
経営理念のもと、「モノづくり」企業として、常に「品質と技術」に裏付けられた事業活動を実践し、お客様目線とグローバル視点をその中心に据えて、企業価値向上に取り組んでおります。また、法令を遵守することはもちろん、地球環境保全にも配慮するなど社会に対する責任を果たすべく、良識ある健全な企業活動に徹し、世の中から信頼され期待される企業グループを目指しております。
(2) 目標とする経営指標
中期経営計画「SHINKA Plus ONE」において、中期連結経営指標として売上高950億円、営業利益30億円、ROE(自己資本当期純利益率)5.0%以上を掲げております。また、社会的課題の取り組み目標としてリサイクル率85%以上、産業廃棄物排出量40%以上削減(2019年度比)を目指してまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社は、節目の『創業百年』から「百年の先」へと新たなステージを迎え、次のターゲットを「創業110年目(2029年度)」に定め、その長期ビジョン<TOLI VISION 2030>の実現に向けた2021年度からの3ヶ年を第Ⅰフェーズとする新中期経営計画「SHINKA Plus ONE」を策定いたしました。
「SHINKA Plus ONE」は、5つの重点戦略、11の取組みテーマを策定し、その実現に向けた施策を推し進めてまいります。
<重点戦略と取組みテーマ>
A.コア事業の強靭化
1)“モノづくり力”の強化
2)“企画・提案力”の強化
3)“販売力”の強化
B.伸びしろ事業の成長拡大
4)グローバル事業の質的量的拡大
5)BtoB(特販)事業の開拓
6)BtoC事業の開拓
C.第5事業の創造
7)シーズ・協業からの創造
D.グループ横断機能の強化
8)社会的課題の解決と事業活動の一体化
9)デジタルコミュニケーションの推進強化
E.成長を支える経営基盤の構築
10)人と組織の活性化
11)企業価値を高める
詳細はこちらをご覧ください。
(https://www.toli.co.jp/ir/pdf/shinka_plus_one.pdf)
(4) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く経営環境は、建設関連需要が弱含みで推移する中、不安定な原材料コスト事情や物流費の高騰など、依然として厳しい状況が続くと予想されます。また、新型コロナウイルス感染拡大をきっかけとしてデジタル対応やワークスタイル等に関わる取り組みの強化が喫緊の課題となっております。
このような状況の中、当社グループは、長期ビジョン<TOLI VISION 2030>の実現に向けた第Ⅰフェーズ・3ヶ年の中期経営計画「SHINKA Plus ONE」を2021年4月よりスタートいたします。「SHINKA Plus ONE」では、社会的課題の解決に適う事業活動を実践し、「経済的価値」と「社会的価値」の向上を目指します。その実現に向け、当社グループは次の9つの項目を主な対処すべき課題と認識し、「SHINKA Plus ONE」を策定いたしました。
1.技術開発力の強化
競争優位性を高めるための独自技術の開発、製造原価低減はメーカーとしての最重要課題と認識しております。機能性の強化に向けた要素技術研究や、さらなる製造原価低減への設備投資など、コア事業の競争力を高める技術開発力強化への取り組みを継続してまいります。
2.地球環境保全への取り組み
主要原材料に各種化学物質を取り扱うメーカーの責任として、環境・化学物質に関する諸法規・諸規制を遵守するとともに、産業廃棄物削減に向けたリサイクル技術の確立等にも取り組んでおります。引き続き、安心・安全の空間環境づくりと環境負荷低減への取り組みを積極的に推進してまいります。
3.原材料調達環境への対応
原油・ナフサの価格変動や地政学リスク等に伴う原材料調達環境の変化への対応は当社グループの重要課題と認識しております。サプライチェーンにおける川上技術の取り込みや代替原材料の研究など、多面的な視点でリスクマネジメントを推進してまいります。
4.グローバル戦略の推進
当社グループの成長において、グローバル事業の質的量的拡大は重要なキーポイントとなります。グローバル販売網の拡充はもとより、東璃(上海)貿易有限公司の事業拡大や江蘇長隆装飾材料科技有限公司(中国)でのビニル床タイル合弁事業の推進などにより、「JAPAN TOLI」ブランドの存在感を高めてまいります。
5.事業領域の拡大
持続的成長の実現に向けて、既存事業のさらなる強化とともに、次代を支える新たな事業領域への挑戦は欠かすことができません。ユーザー視点でのニーズの深掘りや産学官連携による研究開発を推進することで、新たな成長のタネを数多く創出し、事業ポートフォリオの最適化に努めてまいります。
6.デジタル戦略の推進
デジタル技術の活用は建設業界においても急速に進んでおり、当社グループもデジタル化への対応は重要な課題であると認識しております。デジタル技術の有効活用によって経営効率を高めるとともに、新たな価値・新たなコミュニケーションの創造を目指してまいります。
7.ダイバーシティへの対応
ダイバーシティへの対応は当社グループの持続可能性を高める重要な経営課題と認識しております。多様化するライフスタイルや働き方に柔軟に対応し、個人の能力を最大限に高め、「TOLIワークスタイル」の実現に向けた当社グループにふさわしい制度設計を進めてまいります。
8.物流体制の再構築
人手不足による物流コストの上昇やeコマース市場の拡大によるデリバリー体制の多様化など、物流効率の改善は喫緊の課題となっております。原材料調達からお客様への配送に至る物流体制の最適化を目指し、サプライチェーンマネジメントの再構築を推進してまいります。
9.コーポレート・ガバナンスの強化
持続的な企業価値の向上を目指すためには、適正なコーポレート・ガバナンスの確保が重要と認識しております。より一層のガバナンス強化を図ることで経営の透明性、客観性の向上に努めてまいります。また、BCP(事業継続計画)視点に基づくリスクマネジメント強化にも取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、記載内容のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の下期偏重
当社グループの経営成績は、年度末竣工物件での受注等により下半期に偏る傾向があります。最近2連結会計年度の上半期及び下半期の経営成績の推移は以下のとおりとなっております。
|
(連結) |
(単位:百万円) |
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
||||
|
|
上半期 |
下半期 |
通期 |
上半期 |
下半期 |
通期 |
|
売上高 |
43,972 |
50,729 |
94,701 |
38,379 |
47,552 |
85,931 |
|
(構成比) |
46.4% |
53.6% |
100.0% |
44.7% |
55.3% |
100.0% |
|
売上総利益 |
12,072 |
14,283 |
26,356 |
10,755 |
13,733 |
24,488 |
|
(構成比) |
45.8% |
54.2% |
100.0% |
43.9% |
56.1% |
100.0% |
|
営業利益 |
353 |
2,029 |
2,382 |
△474 |
2,069 |
1,595 |
|
(構成比) |
14.8% |
85.2% |
100.0% |
△29.8% |
129.8% |
100.0% |
(2) 原材料の仕入価格の変動
当社グループで生産する製品の原材料は、その多くが石油化学製品であり、仕入価格は原油市況や為替動向と深く関係しております。需給バランスの変化や地政学リスク等に起因した原油価格の高騰、為替変動等により、原材料価格が上昇した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。原材料価格の変動については、取締役会・経営会議等において定期的な報告及び確認を行い、適宜利益改善策を検討しております。
(3) 販売価格の動向
当社グループで販売する製品の多くは、他社製品との熾烈な競合状態にあります。従って、市場価格の動向により当社グループ製品の販売価格が下落したり、販売量が減少する場合、売上高・利益が減少する等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。販売価格動向については、取締役会・経営会議等において競合状況、並びに需要と実勢価格のバランスについて精査しております。また、販売価格の階層別管理等を徹底し、売上・利益目標の管理を徹底しております。
(4) 貸倒れリスク
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、貸倒引当金を計上しております。しかしながら、重要な取引先が破綻した場合、貸倒引当金を大幅に超える貸倒損失が発生する等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、与信管理制度のもと取引先別に取引限度額を設定する等、与信リスクを軽減させるための対応策をとっております。
(5) 研究開発
当社グループは、将来にわたる競争力強化のため、新素材、新加工技術等の基礎研究を行っております。しかしながら、研究開発活動はその性格から、成果が不確実なものであるため、十分に競争力のある新製品を開発できない可能性があります。そのような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。重要な研究開発案件については、取締役会・経営会議等において投資の審議を行うとともに、開発状況の進捗報告を定期的に実施し、事業等へのリスク軽減に努めております。
(6) 環境規制
当社グループは、原材料として各種の化学物質を取り扱っており、国内外の環境規制等を遵守して、事業活動を行っております。しかしながら、これらの規制強化等により、多額の対応コストの発生や事業活動が制限される等の事態が生じる可能性があります。そのような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは環境規制に関する法令を遵守するとともに、情報の早期把握に努め、リスクを最小限にする取り組みを進めております。
(7) 株価の大幅な下落
当社グループは、市場性のある株式を保有しております。株価が大幅に下落した場合、保有する株式に評価損が発生する等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。保有する株式については、取締役会・経営会議等において保有意義や株価等の点検を定期的に実施しております。
(8) 退職給付債務及び退職給付費用
当社グループは、従業員の退職給付債務及び費用について、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて計算を行っております。このため、実際の金利水準の変動や年金資産の運用利回りが悪化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、年金資産については、その運用状況を定期的にモニタリングすることを通じ、積立金の適切な運用環境の整備に努めております。
(9) 自然災害
当社グループは、国内に多くの事業拠点を保有しております。大規模な自然災害の発生により、生産・物流設備や情報システム等が多大な被害を受けた場合、生産活動の停止や多額の復旧費用の発生等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは災害リスクに対する事業継続計画を立案し、全方位的な点検を継続的に実施しております。事業継続計画に則り、現在、生産・物流施設を中心とした災害リスク対策を進行しております。
(10) 疫病の発生・蔓延
当社グループは疫病の発生・蔓延により需要が変化し、売上高が減少する可能性があります。また、長期化した場合は生産及びサプライチェーンへの影響が懸念されます。疫病拡大が懸念される場面では、訪問による営業活動の自粛や在宅勤務等により拡大防止に努める一方、事業継続計画に則り業務品質やお客様への対応を維持するための方策を推進してまいります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により経済活動が低迷するなど厳しい状況となりました。また、足元では経済環境の段階的な持ち直しが期待されるものの、感染再拡大により先行き不透明な状況が続いております。
当社グループの事業と関連性の深い建設業界では、住宅・非住宅共に新設着工量の減少傾向が続いており、内装材需要が総じて弱含みの中、人手不足に起因する物流コストの上昇が影響し、収益環境は引き続き厳しいものとなりました。また海外市場においても、主要輸出国でのロックダウン(都市封鎖)等により現地ビジネスが一時的に凍結するなど、需要が大幅に縮小しました。
このような状況の中、当社グループは6ヵ年の中期経営計画「SHINKA-100」(フェーズⅠ:2015~17年度/フェーズⅡ:2018~20年度)を推進してまいりました。3つのSHINKA (進化・深化・真価)を重点戦略として掲げ、フェーズⅡ最終年度となる当連結会計年度では、技術研究及び製品開発への注力、次世代中核商品の販売強化、中国合弁事業プロジェクトの推進などに取り組みました。そして、「SHINKA-100」での具体的施策を継承しつつ重要課題にスピーディーに取り組むための強化策を織り込み、新中期経営計画「SHINKA Plus ONE」を2022年3月期よりスタートすることといたしました。
これらの結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高85,931百万円(前期比9.3%減)、営業利益1,595百万円(前期比33.1%減)、経常利益2,026百万円(前期比23.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,386百万円(前期比32.7%減)となりました。
<プロダクト事業>
新型コロナ禍に伴う市場の冷え込みにより、いずれの製品分野も売上高は前年を下回りましたが、営業活動が制限される中、オンラインによる様々なプロモーション施策にも注力し、新製品を中心とする拡販に努めました。
塩ビ床材では、巣ごもり需要により住宅向けクッションフロア「CFシート-H」及び、簡易施工リフォーム床材「LAYフローリング」などが好調に推移しました。また、トイレ用高耐久ビニル床シート「消臭NSトワレNW」が教育施設等の改修市場において伸長しました。
カーペットでは、前年度好調であったコントラクト向けタイルカーペットが総じて低調に推移した一方、住宅向けタイルカーペットが、ホームセンターやネット販売チャネルを中心に好調に推移しました。
壁装材及びカーテンでは、機能性アイテムを拡充した汎用価格帯壁紙「VS」が好調に推移し、カーテン総合見本帳「フフル」及び、「コントラクトカーテン」が前年実績を上回りました。
これらの結果、プロダクト事業の売上高は51,258百万円(前期比9.4%減)となりました。利益面では、生産計画の精度向上や製造原価の低減、販売促進費等の縮減に努めましたが、売上高の減少や工場稼働率の低下、物流コストの上昇等があり、セグメント利益は1,353百万円(前期比18.0%減)となりました。
<インテリア卸及び工事事業>
インテリア卸及び工事事業では、新型コロナ禍における新たな需要を積極的に取り込んだことで、第3四半期以降の売上高はやや持ち直したものの、大型現場の減少等により前年実績を下回りました。また、中国市場での販売を担う東璃(上海)貿易有限公司は、急激な市況悪化からの回復途上にあり、減収となりました。
これらの結果、インテリア卸及び工事事業の売上高は57,442百万円(前期比7.2%減)、セグメント利益は862百万円(前期比23.3%減)となりました。
(注)セグメントの業績は、セグメント間の取引を含めて表示しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前期末に比べ112百万円増加し、10,268百万円(前期末 10,155百万円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、4,161百万円の収入(前期 5,095百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,106百万円の支出(前期 1,190百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出及び合弁会社『江蘇長隆装飾材料科技有限公司』への出資金の払込による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、987百万円の支出(前期 1,486百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払い及び長期未払金の返済による支出によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前期増減率(%) |
|
プロダクト事業 |
38,850 |
△11.4 |
|
インテリア卸及び工事事業 |
- |
- |
|
合計 |
38,850 |
△11.4 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前期増減率(%) |
|
プロダクト事業 |
5,586 |
△30.0 |
|
インテリア卸及び工事事業 |
49,903 |
△7.5 |
|
内部取引消去 |
△22,692 |
△3.8 |
|
合計 |
32,797 |
△14.4 |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.セグメント間の取引を含めて表示しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
各事業は概ね見込生産を行っているため、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前期増減率(%) |
|
プロダクト事業 |
51,258 |
△9.4 |
|
インテリア卸及び工事事業 |
57,442 |
△7.2 |
|
内部取引消去 |
△22,769 |
△4.0 |
|
合計 |
85,931 |
△9.3 |
(注)1.セグメント間の取引を含めて表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
<資 産>
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ3,811百万円減少し、45,794百万円となりました。これは主に、売上高の減少に伴う受取手形及び売掛金の減少、在庫効率の改善に伴う商品及び製品の減少によるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ2,260百万円増加し、31,022百万円となりました。これは主に、製造子会社の設備投資に伴う建設仮勘定の増加及び中国(江蘇省)におけるビニル床タイル製造・販売に関する合弁会社『江蘇長隆装飾材料科技有限公司』への出資による投資その他の資産の増加によるものです。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,551百万円減少し、76,817百万円となりました。
<負 債>
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,955百万円減少し、27,570百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の減少によるものです。固定負債は、前連結会計年度末に比べ319百万円減少し、11,159百万円となりました。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,275百万円減少し、38,730百万円となりました。
<純資産>
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,723百万円増加し、38,087百万円となりました。これは主に、利益剰余金及びその他有価証券評価差額金の増加によるものです。
b.経営成績の分析
<売上高>
当連結会計年度における売上高は、国内外ともに需要が大きく変動したことにより、大幅な減収となりました。
当連結会計年度の前半では、春先より緊急事態宣言が発令される中、オフィスや教育施設、宿泊施設向けの商品が低調に推移した一方で、巣ごもり需要の拡大による売上高の下支えがありました。第3四半期にかけて国内経済活動の回復により売上高は回復基調となりましたが、緊急事態宣言が再発令され再び経営環境は厳しい状況が続き、売上高は前年を大きく下回りました。そのような状況の中、9月に発売したタイルカーペット「GA100-シリーズ」等のPRや非対面営業の強化に取り組むなど、売上確保に注力いたしました。
<利 益>
利益面につきましては、研究開発投資効果及び需要動向に応じた機動的な生産計画等により利益改善を図りましたが、年度後半からの原材料価格の高騰により、収益環境は厳しい状況が続いております。販管費では、営業活動の制限を受け、新製品展示会関連費用を中心とする販売促進費や営業活動費は減少しました。一方で、ネット販売の増加による物流効率の低下や新型コロナウイルス対策費など増加もありました。そのような中、年度を通じて販管費の縮減に努めましたが、売上高の減少により、大幅な減益となりました。
なお、セグメント別の売上高及びセグメント利益の概況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
<今後の見通し>
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症対策としてワクチン普及への期待感が高まっているものの、依然としてその収束は不透明であり、厳しい経済環境が続くものと予想されます。当社グループの事業と関連性の深い建設業界におきましては建築着工動向が低迷し、加えて、人手不足に起因する物流コストの上昇や、主要原材料価格の高騰によって、収益環境は更に厳しい状況が続くものと認識しております。
このような状況の中、当社グループは、抗ウイルス製品の開発や新常態の需要に応じた販売促進に注力すると共に、非対面形式にも対応した営業体制を推進してまいります。収益面では、主要原材料価格の高騰が続くと見込まれる中、販売価格の改定やさらなる原価低減に取り組み、費用対効果を見据えた経費縮減を図ることで、営業利益の改善に努めてまいります。
そして、2022年3月期より新中期経営計画「SHINKA Plus ONE」が始動し、次代に向けた成長戦略を推進いたします。A.コア事業の強靭化、B.伸びしろ事業の成長拡大、C.第5事業の創造、D.グループ横断機能の強化、E.成長を支える経営基盤の構築という5つの重点戦略を掲げ、当社グループの経済的価値と社会的価値を共に向上すべく、さらなる発展性を追求してまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標は次のとおりであります。
|
|
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
2021年3月期 |
|
自己資本比率 (%) |
45.9 |
46.1 |
46.1 |
49.2 |
|
時価ベースの自己資本比率 (%) |
30.9 |
21.1 |
20.3 |
19.9 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 (年) |
3.3 |
3.8 |
1.7 |
2.1 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ (倍) |
32.0 |
30.6 |
68.4 |
66.2 |
(注) 自己資本比率 : 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー/利払い
1. 各指標は、何れも連結ベースの財務数値により計算しております。
2. 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3. 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主要な資金需要は、運転資金及び設備投資資金等であり、これらの資金調達は、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入により行っております。また、当社と一部の関係会社は、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を通じて当社グループ企業相互間で余剰・不足資金を融通し、資金の効率化を図っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた、会計上の見積りの仮定及び当該仮定の不確実性の内容等については「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (追加情報)」にそれぞれ記載しております。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、市場ニーズに対応した新製品の開発、生産技術の開発、新素材・新加工技術の基礎研究などをテーマに当社の研究開発部門が主体となり行っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
各製品群に関わる研究開発活動の状況は以下のとおりであります。
ビニル床シートでは、防滑性ビニル床シート「NSリアルデザイン」を屋外対応・ノンワックス化しました。意匠面でもリアルな色柄と目地に同調する『シンクロエンボス』を組み合わせ、ワンランク上の意匠表現を実現しております。浴室用ビニル床シート「バスナ」シリーズは全面刷新し、独自表面処理技術『バスナハイドロコート』によって水はけや清掃性が向上し、さらに高意匠の「バスナリアルデザイン」のアイテム数を大幅に増強しました。また『バスナテープ(両面テープ)工法』を新たに追加し、DIYへのニーズや剥し貼替の際の負担軽減に対応しました。
ビニル床タイルでは新しいコンセプトに挑んだ、自然の風景のような質感を持ったビニル床タイル「ダイナミックストーン」を発売しました。またロングセラー商品であるビニル床タイル「マチコV」を、発売当時の色調を生かした新色に刷新しました。ご好評頂いている置敷ビニル床タイル「LLフリー50NW-EX」では、新たに大判の1000mm角をアイテムに加えました。
カーペット関連では、汎用タイルカーペット「GA-100シリーズ」に光沢のある石を思わせる無方向柄の「GA-100T シャインマーブル」、材質間のあるヘリンボーン柄の「GA-100W ランダムヘリング」、シルクのような光沢糸を使用した高級感のあるモダンストライプの「GA-100W シルキーラインⅡ」、光沢糸と黒糸の対比で上質な深みを表現した「GA-100W サンドⅡ」を追加しました。住宅向けタイルカーペット「ファブリックフロア」では、同色糸使いのすっきりとしたプレーン柄とざっくりとしたラフ柄の2柄で、デザイン貼りやゾーニングなどのアレンジが気軽に楽しめる「アタック1000 デュオツイル」、道路柄を自由に並べ替えて楽しむこともできる「キッズロード パネルカーペット」を新しく発売しました。
カーテン関連では、2021年6月改廃の住宅向けオーダーカーテンの見本帳「fuful(フフル) 2021-2023」の新柄・新色を開発しました。前作に引き続き、ユーザーにインテリアファブリックを選ぶ楽しさをお届けする、バリエーション豊かなラインアップとなります。また、ニーズの高い遮光機能品や防炎機能品も充実しております。
壁装材関連では、新築からリフォームまでお薦めできる、厳選したビニル壁紙100点を収録した「住まいの壁紙100選」と汎用価格帯壁紙「VS」を発売しました。「住まいの壁紙100選」では、『抗ウイルス壁紙』など生活をサポートする機能性壁紙の充実を図ったほか、部位別コーディネート例やQRコードによりスマートフォンなどから収録商品全点の仕上がりイメージがすぐに確認できる等、壁紙選びをサポートする情報も数多く収録しております。汎用タイプのビニル壁紙「VS」では、天井施工時や運搬、搬入時の負担を軽減する『軽量タイプ』のほか、下地追随性に優れた『ストレッチタイプ』、傷が付きにくい『表面しっかり壁紙』、汚れが取れやすい『撥水コート壁紙』などの機能性アイテムが更に充実しております。