第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社の経営理念は、「人々の健康で快適な暮らしに役立つ製品やサービスを提供し、新しい価値を創り出す」ことで「当社にかかわるすべての人々の幸せを実現する」ことであります。
 当社は、創業以来、粘着技術をベースに絆創膏や「セロテープ」をはじめ人々の健康や快適な暮らし、産業の合理化・省人化に貢献する価値ある製品を幅広く供給してまいりました。
 今後も、高い技術力と確かな品質を軸に地球環境に配慮した独創的な製品の提供を通じて、お客様にご満足いただき、信頼される企業を目指してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、今後の企業価値および株主価値を高めるため、収益性重視の観点から売上高営業利益率10%以上を中期的な目標とし、また経営に託された資本の将来における成果の観点から、自己資本当期純利益率(ROE)10%を目指してまいります。

 

(3) 経営環境および対処すべき課題

 今後の当社グループを取り巻く経営環境については、個人消費は堅調な雇用環境を受け、底堅く推移しておりますが、2019年10月に予定されている消費税増税や、米中における通商問題の影響など、先行きは依然として不透明な状況であります。
このような状況のなか、当社グループは、2019年より新たな「ニチバングループの理念」を策定するとともに、新中期経営計画「ISHIZUE 2023 ~SHINKA・変革~」をスタートし、「NICHIBAN GROUP 2030 VISION」実現に向けて取り組んでまいります。

 

① メディカル事業における取り組み課題

鎮痛消炎剤、医療用貼付剤の需要拡大のため、2018年1月に竣工いたしましたメディカル安城工場における生産を拡充し、より確かな品質の製品をお届けしてまいります。
 ヘルスケアフィールドにおきましては、高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズと鎮痛消炎剤“ロイヒつぼ膏TM”シリーズについては、テレビCM放映などの販売促進活動を推進し、更なるシェア拡大・認知度向上を目指してまいります。また、テーピングテープ製品“バトルウィンTM”シリーズのブランド強化のために、国内のプロサッカーおよびプロバスケットボールチームならびに公益財団法人日本スポーツ協会など各協会との連携を進め、新機能を付加したテーピングテープ「バトルウィンTMWグリップTM」の販売にも取り組んでまいります。また、現在、パートナーシップ契約を継続中のスペインサッカーリーグ名門チーム「FCバルセロナ」を起用した販売促進キャンペーンも展開し、消費者とのコミュニケーションを積極的に図り、各種製品ブランドの強化と販売拡大を進めてまいります。
 医療材フィールドにおきましては、医療現場の各種ニーズに呼応しつつ、極低刺激性サージカルテープ“スキナゲートTM”シリーズとカテーテルの固定・創傷保護製品のフィルムドレッシング材“カテリープラスTM”シリーズおよび“インジェクションパッド”シリーズに代表される止血材ブランド“セサブリックTM”シリーズを医療従事者へのコミュニケーションを強化して、販売を進めてまいります。あわせて、ニチバンの術後ケア“アスカブリックTM”シリーズとして展開しております、手術後早期の創管理に使用する「サージフィットTM」、皮膚接合用テープ「ファスナートTM」、手術後の傷あとケアテープ「アトファインTM」の3シリーズを術後ケアのトータルサポートとして医療機関向けに提案してまいります。
 

 

② テープ事業における取り組み課題

「セロテープ」について、収益改善活動を進めるとともに、天然素材をキーワードにブランド向上に努めてまいります。
オフィスホームフィールドにおきましては、新製品「セロテープ小巻カッターつきまっすぐ切れるタイプ」の販売を推進し、「セロテープ」の拡大に努めてまいります。また、パーソナル需要向けのキッチン雑貨“Dear KitchenTM(ディアキチ)”シリーズでは製品ブランドサイトを設け、使用シーンの提案活動やキャンペーン活動を展開し、消費者とのコミュニケーション強化を図るとともに、量販店やWeb通販業者への営業活動に加えて、キッチン用品雑貨売り場への導入拡大を進めてまいります。
 工業品フィールドにおきましては、「セロテープ」が主に天然素材の原料から作られている「環境に配慮した製品」である事の更なる周知や「製品品質」の確立・向上を図ります。包装用テープ製品では収益改善を図りつつ、注力しているフードパックテープの食品スーパーや惣菜工場への更なる販売拡大を進めてまいります。また、既存の販売先以外の新規取り組みとして、農産分野へは、果樹の枝固定用途の“とめたつTM”シリーズを、建築土木分野に向けては、建築用和紙マスキングテープの販売およびコンクリート補修工期短縮を実現する「せこたんTM」の提案を進めてまいります。
 

③ 海外市場における取り組み課題

海外市場におきましては、ドイツのデュッセルドルフ駐在員事務所にて、欧州地域での販売事業の拡大および成長戦略を推し進めていくため、情報収集と市場調査を実施するとともに、タイ・バンコクの販売子会社NICHIBAN(THAILAND) CO.,LTD.にて、現地取引先企業との商流を確立し、更に大きな需要が見込めるアジア圏にて高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズの販売拡大を目指してまいります。また、関連会社UNION THAI-NICHIBAN CO., LTD.にて製造しております「PanfixTMセルローステープ」の既存取引先への営業活動の継続と新規取引先開拓により、アジア圏にて販売拡大を進めてまいります。
 

④ 研究活動における取り組み課題

前・中期経営計画「NB100」の総括から、新たな経皮吸収貼付剤製品の開発企画を推進する「TDS推進ユニット」、テープ事業の新たな新製品開発・育成を推進する「TRD推進ユニット」を経営トップ直轄組織として新設し、新中期経営計画「ISHIZUE 2023 ~SHINKA・変革~」目標達成に向けた開発体制の強化を進めてまいります。研究活動におきましては、先端応用研究所を基点として、新たな付加価値を有する粘着剤の研究、環境負荷低減を目的とした技術開発などを中心に基礎研究体制を充実させてまいります。今後も、新たな素材や技術の創出を図り、成長に向けた高い付加価値を持つ製品を生み出す取り組みを積極的に推進いたします。

 

⑤ 品質保証における取り組み課題

品質保証におきましては、お客様視点に立ったより高い品質を追求し、製造品質の監視体制を強化するとともに、開発企画や設計段階における更なる品質向上に注力してまいります。また、国内外での薬事分野における品質に関する検証機能を強化するとともに、海外における各国医療機器製品登録の対応を推進してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、当該リスク情報については、当連結会計年度末日現在の判断によるものであり、また、当社グループの事業上のリスク全てを網羅するものではありません。

 

(1) 原材料価格の変動

当社グループの製品はプラスチックフィルム等石油を原料とするもの、天然ゴム等市況の影響を受ける原材料が多いため、商品相場の高騰による仕入価格の増加分を製品価格へ適正に転嫁できなかった場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 価格競争

当社グループの製品は流行に左右されず製品寿命の長いものが主流ですが、一般的に消耗品として使用されることが多く、経済情勢の悪化や市場における企業間競争の激化による価格下落等により当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 製品の品質

当社グループは、企業理念に基づく「品質方針」を策定し、品質マネジメントシステムへの取り組みを中心とした管理のもと、医薬品、産業資材、文具・事務用品業界向けの製品の企画、製造・仕入、販売を行っておりますが、予期せぬ事態により重大な品質上の問題が発生し、当該製品や当社グループの製品全体に対する評価が低下した場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 環境問題

当社グループは、企業理念に基づく「環境方針」を策定し、環境マネジメントシステムへの取り組みを中心とした環境保全活動を積極的に推進しておりますが、今後新たな環境規制の強化や変更が行われた場合、対応コストが増加し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 事故災害の発生

当社グループは、本社・工場等の事業所において事故災害等に対する各種保全活動を行っておりますが、突発的な火災爆発による事故、地震、洪水等の天災により製造設備等が大きな損害を受けた場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 退職給付債務

当社グループの退職給付費用および債務は、市場金利の低下および運用環境の悪化による年金資産運用利回りの悪化により、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 情報管理に関するリスク

当社グループは、個人情報の他、多くの重要情報を保有しております。これらの情報の取り扱いについては、従業員に対し、情報管理の重要性を継続的に教育するとともに、システム上のセキュリティ対策を行っておりますが、システム障害や災害等により、情報の漏洩等が発生し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) その他

為替変動、知的財産に係る紛争、会計制度・税制の改正等による影響が発生した場合は、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善が継続し、緩やかな回復基調が持続いたしましたが、相次ぐ自然災害の影響が生じるとともに、米中の通商問題や英国のEU離脱問題などの影響を受け、株価や為替相場の乱高下も発生し、依然として先行き不透明な状況が続いております。
 このような先行き不透明な経済情勢のなか、当社グループにおいては、中長期経営計画「NB100」の最終年度にあたり、「確かな成長軌道のもと 重点施策をスピーディーに遂行し 結実させ「NB100」を達成する」ことを基本施策とし、次の3つの施策を推進いたしました。

 

① 500億企業品質の確立

*環境・CSR・ガバナンス体制整備によるブランド向上
 *予防視点での安全安定と品質向上の追求
 *「100周年事業プロジェクト」のP・D・C・A
 

② 研修室・絆未来ラウンジを活用した人財育成

*基礎マネジメント力および専門スキルの向上
 *世界に通用するグローバル人財の育成
 *ポスト「NB100」を見据えた後継者の育成
 

③ 『創造開発型企業』の実現

*短中期開発課題の上市実現と財務成果の創出

*中長期開発課題の的確な推進

*ポスト「NB100」に向けた成長戦略の布石構築

 

以上の取り組みを実施いたしました結果、

売上高は、メディカル事業の拡大により、前年同期比2.6%増の474億1千7百万円となりました。
 営業利益は、売上高の増加はあったものの、新工場の立ち上げ等による減価償却費増および原材料価格、エネルギーコスト上昇により売上原価が増加したことや、販売費及び一般管理費が一時的に増加したことで、前年同期比16.6%減の36億8千4百万円となりました。
 経常利益は、営業利益減の影響により、前年同期比16.6%減の38億6千万円となりました。
 親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益減の影響はあったものの、医薬品生産工場および研究施設の建設に係る補助金収入等があったことにより、前年同期比2.0%増の31億9千3百万円となりました。

自己資本当期純利益率は前年同期比0.6ポイント低下の9.2%となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

メディカル事業

(ヘルスケアフィールド)

ドラッグストアを中心とした大衆薬市場におきましては、大手ドラッグチェーンの業務提携化や一部医薬品、商品の小売価格競争の影響に加えて、自然災害の影響や、インバウンド需要の回復遅れにより市況は停滞傾向でありました。鎮痛消炎剤“ロイヒつぼ膏TM”シリーズについては、業界初の鎮痛消炎クリーム剤のロールオンタイプ「ロイヒTMクリーム フェルビ」を発売し、新テレビCMを展開し認知度向上に努めましたが、売上は前年並みとなりました。高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズは、キャンペーンやテレビCMを中心とした販売促進活動を展開し、“ケアリーヴTM治す力TM”シリーズの伸張と合わせ、売上は好調に推移いたしました。

 

(医療材フィールド)

医療機関向け医療材料市場におきましては、医療費削減の傾向により、衛生材消耗品に対するコスト要求は依然として強く、厳しい販売環境でありました。医療現場のニーズを取り入れて製品化いたしました極低刺激性サージカルテープ「スキナゲートTM」、フィルムドレッシング材「カテリープラスTM」および注射や点滴治療時の保護・止血製品“セサブリックTM”シリーズの販売は堅調に推移し、手術後の傷あとケアテープ「アトファインTM」等の手術後トータルケア製品“アスカブリックTM”シリーズは順次採用件数を増やし、売上は順調に推移いたしました。

 

以上の結果、ヘルスケアフィールドと医療材フィールドを合わせましたメディカル事業全体(海外事業を含む)の売上高は213億9千4百万円(前年同期比4.2%増)、営業利益は56億7千5百万円(前年同期比4.4%減)となりました。

 

テープ事業

(オフィスホームフィールド)

文具事務用品市場におきましては、官公庁やオフィスでの需要回復は見られず、学校学童向けの需要減少も続いているため、依然として厳しい販売環境となりました。当フィールドの主力製品であり、発売70周年を迎えました「セロテープ」については、パッケージデザインを10年ぶりにリニューアルし、販売促進キャンペーンを展開して営業を進め、売上は前年を若干上回りました。また、パーソナル需要向けのキッチン雑貨“Dear KitchenTM(ディアキチ)”シリーズでは、キッチン用品売り場にて積極的に販売を進めました結果、売上は好調に推移いたしましたが、フィールド全体での売上は前年並みに留まりました。

(工業品フィールド)

産業用テープ市場におきましては、米中貿易摩擦の激化や中国をはじめとする世界経済の減速懸念の強まりを背景に落ち込みが懸念されましたが、自動車産業向け塗装マスキングテープ製品や電子部品の製造工程で使用される電気用テープ類の売上は堅調に推移いたしました。「セロテープ」や包装用テープ製品については価格改定を実施し、収益改善に寄与いたしましたが、売上は前年並みに留まりました。注力しているフードパックテープについては食品スーパーなどへの採用を進めた結果、フィールド全体での売上は前年を若干上回りました。

 

以上の結果、オフィスホームフィールドと工業品フィールドを合わせましたテープ事業全体(海外事業を含む)の売上高は260億2千3百万円(前年同期比1.3%増)、営業利益は13億9千5百万円(前年同期比23.4%減)となりました。

 

また、海外事業におきましては、欧州地域での販売事業の拡大および成長戦略を推し進めていくため、2019年1月にドイツのデュッセルドルフに駐在員事務所を開設し、情報収集ならびに市場調査を実施しております。また、タイ・バンコクの販売子会社NICHIBAN(THAILAND) CO.,LTD.による販売拡大とあわせ、高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”や止血製品“セサブリックTM”シリーズなどのメディカル事業製品と、塗装用和紙マスキングテープや関連会社UNION THAI-NICHIBAN CO., LTD.にて製造しております「PanfixTMセルローステープ」などのテープ事業製品の海外販売を進めております。

 

 

生産、受注および販売の実績は、次のとおりであります。

 

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

メディカル事業

22,130

+0.2

テープ事業

22,125

△1.2

合計

44,256

△0.5

 

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

当社グループは需要見込による生産方式をとっております。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

メディカル事業

21,394

+4.2

テープ事業

26,023

+1.3

合計

47,417

+2.6

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

 2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

ピップ株式会社

5,192

11.2

4,807

10.1

 

 3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前年同期と比べ4億2千6百万円減少し、603億2千9百万円となりました。流動資産は1億2千6百万円の減少、固定資産は2億9千9百万円の減少となりました。

流動資産の減少は、前連結会計年度に医薬品生産工場および研究施設への投資を行ったことによる消費税の還付に伴い、未収入金が減少したこと等によるものです。また、固定資産の減少は、土地の増加等があったものの、機械及び装置の取得が少なかったことや、退職金制度の改訂に伴い、過去勤務費用(退職給付債務の減額)が発生したことにより、繰延税金資産が減少していること等によるものです。

 

セグメントごとの資産は、次のとおりであります。

 

メディカル事業

当連結会計年度末のメディカル事業の資産は、前年同期と比べ1千4百万円増加し、279億6千5百万円となりました。

 

テープ事業

当連結会計年度末のテープ事業の資産は、前年同期と比べ5億6千1百万円増加し、235億9千2百万円となりました。これは、土地が増加していること等によるものです。

 

当連結会計年度末の負債は、前年同期と比べ35億8千9百万円減少し、238億4千8百万円となりました。流動負債は、13億6千5百万円の減少、固定負債は、22億2千3百万円の減少となりました。流動負債の減少は、長期借入金の返済が1年内になったことによる、1年内返済予定の長期借入金の増加等があったものの、前連結会計年度末に計上していた医薬品生産工場および研究施設の建設に係る営業外電子記録債務を当連結会計年度に支払ったこと等によるものです。固定負債の減少は、長期借入金の返済が1年内になったことによる、長期借入金の減少等によるものです。

当連結会計年度末の純資産は前年同期と比べ31億6千3百万円増加し、364億8千万円となりました。これは利益剰余金が増加したことおよび退職金制度の改訂に伴い、過去勤務費用(退職給付債務の減額)が発生したことにより、退職給付に係る調整累計額が増加したこと等によるものです。

 

(3) 当期のキャッシュ・フローの概況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1億4千万円(1.8%)減少し、78億2千2百万円となりました。これは主に医薬品生産工場および研究施設の建設にかかる支出によるものです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ23億5千6百万円(73.0%)増加し、55億8千4百万円となりました。これは主に売上債権の増加およびたな卸資産の増加が前連結会計年度に比べ、減少したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ2億9千6百万円(5.9%)減少し、47億4千3百万円となりました。これは主に有形固定資産の除却による支出が減少したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ4千5百万円(4.9%)増加し、9億7千9百万円となりました。これは主に配当金の支払が増加したことによるものです。

 

当社グループの運転資金の需要のうち主なものは、原材料・商品の仕入のほか製造経費・販売経費等の営業費用によるものです。また設備資金の需要のうち主なものは、埼玉工場、テープ安城工場、メディカル安城工場および製造子会社における絆創膏・粘着テープ等の製造設備の新設または更新によるものです。

2019年3月31日現在、当社グループの借入金の残高は20億円で、その全額を円建ての固定金利にて国内銀行より調達しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

経営方針として定めた「事業フィールド」戦略に基づいた研究開発活動を行っております。

なお、当社の子会社および関連会社は、主として当社販売品の製造を担当し、企業集団としての研究開発活動は主として当社にて行っており、当連結会計年度の研究開発費の金額は1,184百万円であります。

 

セグメント関連の研究開発活動は次のとおりであります。

(メディカル事業)

当事業の研究開発の目的は、薬局・薬店向けおよび医療機関向けの医薬品・医療機器および衛生材料の製品開発、ならびにその開発に必要な新機能、新技術の研究開発であり、当連結会計年度の主要な研究開発成果は次のとおりであります。

① へそ圧迫材パック

 

(圧迫材、固定テープ、補強テープをセットにした乳児用の臍ヘルニア圧迫療法補助製品)

発売

② ロイヒTMクリーム フェルビ

 

(3つ玉のロールオンチューブに入った塗るタイプの温感鎮痛消炎剤)

発売

③ ロイヒ膏TMフェルビ コンパクト

 

(無臭タイプ、片手でサッと貼れる小型温感プラスター(鎮痛消炎剤))

発売

④ サージフィットTM

 

(貼ったまま開孔部から創部が観察できる吸収性の高い術後縫合創用ドレッシング)

発売

⑤ ケアリーヴTM治す力TM防水タイプスポット用

 

(小さな傷を対象とした目立ちにくい防水タイプのハイドロコロイドパッド救急絆創膏)

発売

⑥ ケアリーヴTM治す力TM防水タイプジャンボサイズ

 

(パッドサイズ45mm×60mm、防水タイプのハイドロコロイドパッド救急絆創膏)

発売

 

 

なお、当事業の研究開発は研究本部とメディカル事業本部メディカル開発部を中心に先端応用研究所、製品開発センターおよび工場との連携による新製品開発活動を展開しております。

当事業に関連する当連結会計年度の研究開発費の金額は702百万円であります。

 

 

(テープ事業)

当事業の研究開発の目的は、オフィス・ホーム向けおよび業務向けテープ関連製品の開発、ならびにその開発に必要な新機能、環境対応技術の研究開発であり、当連結会計年度の主要な研究開発成果は次のとおりであります。

① ディアキチTMワザアリTMマーカー

 

(ワザアリTMテープへの筆記性が良い、ワザアリTMテープ用の油性マーカー)

発売

② ディアキチTMワザアリTMテープ ミルキーカラー

 

(テープの切れ味が軽く、文字が見やすいミルキーカラーのワザアリTMテープの色追加)

発売

③ ディアキチTMワザアリTMテープ 細幅タイプ

 

(ワザアリTMテープに15mmの細幅タイプを品揃え、プラスチック製のテープホルダー付き)

発売

④ ディアキチTMワザアリTMテープ 柄入りタイプ

 

(ワザアリTMテープにデザイン柄の入ったタイプを品揃え、プラスチック製のテープホルダー付き)

発売

⑤ セロテープ 小巻カッターつき <まっすぐ切れるタイプ>

 

(新カッター刃の採用で、テープをまっすぐきれいに切ることのできる小巻カッタータイプ)

発売

⑥ セロテープねこカッター/パンダカッター

 

(セロテープ動物シリーズ第4弾で、ねことパンダをモチーフにしたテープカッター)

発売

⑦ マスキングテープ ディズニー キャラクター

 

(人気のディズニーキャラクターをプリントしたマグネットホルダー付きのマスキングテープ)

発売

⑧ マイタックTM目かくしラベル 業務用

 

(個人情報、機密情報を目立たなく隠すラベルの業務用タイプ)

発売

⑨ 紙粘着テープ NO.210

 

(手切れ性、再剥離性に優れ、幅広い用途に使用いただける紙粘着テープ)

発売

⑩ フードパックテープ FPW-15

 

(弁当・惣菜の簡易包装に便利な「フ―ドパックテープ」に白色を追加)

発売

 

 

なお、当事業の研究開発は研究本部とテープ事業本部テープ開発部を中心に、先端応用研究所および工場との連携による新製品開発活動を展開しております。

当事業に関連する当連結会計年度の研究開発費の金額は482百万円であります。