第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析】

「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。この結果、前第1四半期連結累計期間と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において増減額および前年同期比(%)を記載せずに説明しております。

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態および経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間における経済環境は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を引き続き受け、本年4月の緊急事態宣言の発出により経済活動も抑制され、先行き不透明な状況でありました。そのようななか、国内外ともに地域差はあるものの、ワクチン接種は徐々に進み、一部の経済活動に持ち直しの動きが見られましたが、感染力の強い変異株の感染拡大もあり、依然として新型コロナウイルス感染症収束の見通しは立っておりません。

このような状況のなか、当社グループは世の中の変化を柔軟にとらえ、サステナブル社会に対応した経営環境、経営課題に積極的に取り組むため、中期経営計画「ISHIZUE 2023 ~SHINKA・変革~」における重点テーマ「イノベーション創出」「グローバル展開・拡大」「事業推進体制の見直しと収益改革」「AI・IoT積極活用」「持続的成長を担う人財育成」を実行し、「NICHIBAN GROUP 2030 VISION」実現に向けて取り組んでまいりました。

 

①中長期成長エンジンの確立、イノベーション創出

・イノベーティブな研究開発、製品設計の確立に向けた研究開発組織の再編

・スタートアップ企業との協業プログラム推進

②グローバル市場へのスピーディな展開・拡大

・日本本社、タイ・ドイツ販社の3拠点体制による重点地域(東アジア・アセアン・欧州)の新規市場開拓・育成

・重点地域における戦略的パートナー探索・選別(業務提携・M&A)

③事業推進体制の見直しと収益改革

・顧客機軸をベースとした事業推進に向けた販売・マーケティング組織の再編

・サステナブル(持続可能)な社会への貢献に向けたSDGsの取り組み推進

④事業戦略推進に向けたAI・IoTの積極活用

・戦略的データ活用と社内業務生産性向上に向けた、新基幹システムの導入、活用

⑤将来の持続的成長を担う人財育成

・社員エンゲージメント向上・組織マネジメント力強化の取り組み推進

・中期人財育成体系の再整備

 

 

以上の取り組みを実施いたしました結果、

売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるインバウンド需要が消失した中での国内需要拡大に向けた取り組みや、消毒による手荒れ・あかぎれの増加等、コロナ禍で一部の製品の需要が増加したこと等により、101億5千8百万円(前年同期は91億9千5百万円)となりました。

営業利益は、新基幹システムの稼働に伴う減価償却費の増加や、セロテープSDGs戦略による広告宣伝費の増加等により、販売費及び一般管理費は増加いたしましたが、売上高の増加に伴い、主にメディカル事業にかかる生産工場の稼働が大きく回復したことによる原価の改善により、6億3百万円(前年同期は4億1千9百万円)となりました。

経常利益は、営業利益の増加により、6億6千4百万円(前年同期は4億7千3百万円)となりました。

親会社株主に帰属する四半期純利益は、これらの影響に加え、前年同期は、当社の旧大阪工場(藤井寺市)における建物の解体工事にかかる費用が特別損失として計上されていたこともあり、4億3千4百万円(前年同期は1億8千5百万円)となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用により、当第1四半期連結累計期間の売上高は1億4千5百万円減少し、営業利益および経常利益はそれぞれ5百万円増加しております。

 

当社グループのセグメントの概要は次のとおりです。

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。

当社は、顧客機軸をベースとした事業活動を強化するために、当連結会計年度より、テープ事業本部およびメディカル事業本部を廃止し、営業担当管掌を「国内事業本部」、「海外事業本部」とし、国内事業本部の傘下に、販路別に以下の営業統括部を設置しております。

・顧客を機軸とした新たな営業推進体制の強化とブランド戦略の再構築のために、「コンシューマー営業本部」を設置し、傘下に「ヘルスケア営業統括部」、「オフィスホーム営業統括部」を置くとともに、越境EC含め積極的にEC営業の拡大を図るため、EC特販営業部から独立した「EC営業統括部」を「コンシューマー営業本部」の傘下に置いております。

・より顧客に密着した営業活動を推進し、新規開発案件探索、顧客拡大のために、「工業品営業統括部」、「医療材営業統括部」は独立した営業統括部としております。

 

また、当社グループは、以上の営業担当管掌に、各子会社を加えた事業フィールドとして、「ヘルスケアフィールド」、「ECフィールド」、「オフィスホームフィールド」、「工業品フィールド」、「医療材フィールド」および「海外フィールド」を設定しております。

経営資源の配分の決定および業績の評価については、取り扱う製品、商品の性質や、市場、製造方法の類似性に基づき、「メディカル事業」、「テープ事業」の単位で行っていることから、当社グループの事業セグメントとしては、「メディカル事業」、「テープ事業」と認識し、これを報告セグメントとしております(報告セグメントは前連結会計年度から変更はございません)。

 

「メディカル事業」、「テープ事業」セグメントと各事業フィールドとの関係は以下のとおりです。

 

事業フィールド

メディカル

事業

テープ

事業

国内

コンシューマー

営業本部

ヘルスケアフィールド

 

ECフィールド

 

オフィスホームフィールド

 

医療材フィールド

 

工業品フィールド

 

海外

海外フィールド

 

 

 

事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。

メディカル事業

(ヘルスケアフィールド)

ドラッグストアを中心とした大衆薬市場におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言により、一部のドラッグストアが休業を余儀なくされるなど厳しい販売環境が続きましたが、宣言解除後は繁華街を中心に人の流れも増加し、消費マインドの回復が見られるようになりました。

このような状況のなか、鎮痛消炎剤“ロイヒ”シリーズについては、国内需要拡大に向けて、認知度向上のためのPR活動に注力いたしました。また、高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズの売上は、コロナ禍の消毒による手荒れ・あかぎれの増加により前年同期を上回り、フィールド全体としての売上も前年同期を上回りました。

 

(医療材フィールド)

医療機関向け医療材料市場におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による来院患者数および手術件数の減少により、引き続き病院経営面では厳しい環境が続いておりますが、新型コロナワクチン接種回数は本年6月に入り一気に拡大し、感染患者の病床使用率の減少に伴い、医療逼迫は緩和されつつあります。

このような状況のなか、止血製品シリーズ“セサブリックTM”の売上は、ワクチン接種需要拡大に伴いチューシャバン品群を中心に配荷が進み、前年同期を上回り、フィールド全体としての売上も前年同期を上回りました。

 

((メディカル事業にかかる)海外フィールド)

海外市場におきましては、国・地域ごとの新型コロナウイルス感染状況や経済対策の違いにより、経済の回復にばらつきが大きくなっております。

このような状況のなか、重点地域であるアジアおよび欧州にて、高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズのラインアップ拡大や認知度向上、止血製品“セサブリックTM”シリーズの感染対策訴求など、現地に密着した営業活動の展開を実施し、メディカル事業にかかる海外フィールドとしての売上は前年同期を上回りました。

 

以上の結果、メディカル事業全体の売上高は、44億4千6百万円(前年同期は37億7千8百万円)となりました。また、新基幹システムの稼働に伴う減価償却費の増加等により、販売費及び一般管理費は増加いたしましたが、売上高の増加に伴い、メディカル事業にかかる生産工場の稼働が大きく回復したことによる原価の改善により、営業利益は、11億2百万円(前年同期は7億9千9百万円)となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用により、当第1四半期連結累計期間の売上高は1億3百万円減少し、営業利益および経常利益はそれぞれ0百万円増加しております。

 

テープ事業

(オフィスホームフィールド)

文具事務用品市場におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言により、宣言対象地域におけるチェーンストアでの商談・ラウンドが制限され、依然として厳しい販売環境でありました。

このような状況のなか、キッチン雑貨ブランド“ディアキチTMワザアリTMテープ”シリーズは、食品ロス削減の提案を実施するとともに、「ワザアリTMテープを使った美人冷蔵庫収納術キャンペーン!」を実施し販売促進活動を進めましたが、売上は前年同期を下回りました。しかし、フィールド全体としての売上は前年同期並みを維持いたしました。

 

(工業品フィールド)

産業用テープ市場におきましては、世界各国で新型コロナワクチン接種が進み、自動車業界の新車販売は回復傾向にあり、工業塗装用マスキングテープの売上も回復傾向でありましたが、半導体不足は依然として深刻な状況であり、先行き不透明な販売環境が続いております。

このような状況のなか、「セロテープ」については、天然素材を使用した環境配慮製品であることを特設ホームページや広告等を通じて啓蒙し、SDGsへの取り組みとして多くの自治体や企業にご賛同をいただきました。また、食品スーパー向けの売上はコロナ禍の外出自粛要請により、中食・内食化需要が高まり、お弁当・お惣菜の蓋固定に使用する「セロテープフードパックテープTM」は好調に推移し、フィールド全体としての売上も前年同期を上回りました。

 

(ECフィールド)

EC市場におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言により、オンライン購買の増加によるEコマース向けの販売は好調に推移いたしました。

このような状況のなか、カタログ通販におけるオフィスの消耗品需要も、前年と比べ人の流れが増加しており、堅調に推移し、「セロテープ」の売上については前年同期を上回りました。また、フィールド全体としての売上も前年同期を上回りました。

 

((テープ事業にかかる)海外フィールド)

海外市場におきましては、本年3月に発生したスエズ運河での座礁事故の影響もあり、コンテナ不足に伴う船便遅延、輸送費高騰が継続し、先行き不透明な状況が続いております。

このような状況のなか、重点地域であるアジアおよび欧州にて、「PanfixTMセルローステープ」や塗装用和紙マスキングテープの用途拡大や市場開拓など、販売チャネルの構築と製品育成に注力した営業活動を実施し、テープ事業にかかる海外フィールドとしての売上は前年同期を上回りました。

 

以上の結果、テープ事業全体の売上高は57億1千1百万円(前年同期は54億1千6百万円)となりました。また、売上高の増加に伴い、テープ事業にかかる生産工場の稼働は増加しているものの、ナフサ価格の上昇等による原材料単価の上昇等により、原価は上昇しており、さらに、新基幹システムの稼働に伴う減価償却費の増加や、セロテープSDGs戦略による広告宣伝費の増加等に伴い販売費及び一般管理費が増加したことにより、営業利益は、5億円(前年同期は5億4千4百万円)となりました。

なお、収益認識会計基準等の適用により、当第1四半期連結累計期間の売上高は4千1百万円減少し、営業利益および経常利益はそれぞれ4百万円増加しております。

 

当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べ5億8百万円増加し、617億2千3百万円となりました。流動資産は2千2百万円の減少、固定資産は5億3千1百万円の増加となりました。

流動資産の減少は、受取手形及び売掛金の減少等によるものです。また、固定資産の増加は、ニチバンメディカル(株)における医療機器製造設備等への投資による建設仮勘定の増加等によるものです。

負債は、前連結会計年度末と比べ7億3千2百万円増加し、238億6千8百万円となりました。流動負債は、3億2千5百万円の増加、固定負債は、4億6百万円の増加となりました。

流動負債の増加は、電子記録債務の増加等によるものです。また、固定負債の増加は、資産除去債務の追加に伴う増加等によるものです。

純資産は前連結会計年度末と比べ2億2千3百万円減少し、378億5千4百万円となりました。これは配当金の支払いにより利益剰余金が減少していること等によるものです。

 

(2) 会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更を行っております。

詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項」の(会計上の見積りの変更)をご参照ください。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項」(追加情報)に記載のとおりであります。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更および新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2億9千2百万円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5) 生産、受注および販売の実績

当第1四半期連結累計期間において、前年同期比で、メディカル事業セグメントにおける生産の実績に著しい増加がありました。その内容については、「(1)財政状態および経営成績の状況」に記載しております。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。