(1)業績
1.事業環境
当連結会計年度(平成29年1月1日~平成29年12月31日)におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善により緩やかな回復基調にあるものの、世界情勢は緊張の続く北朝鮮問題など先行き不透明な状態で推移しました。
当社業績に大きく影響する原油相場は、米国WTI原油の年初は50ドル/バレル台前半で推移、一時米国シェールオイルの増産等もあって40ドル/バレル台前半まで下落する場面もありましたが、11月末にOPEC加盟国による減産合意が延長されたこと等もあり、12月末には60ドル/バレル台まで高まりました。当社重油販売価格に影響のある東南アジア産原油も同様に40ドル/バレル台前半から始まり、最終的に60ドル/バレル台をつけるに至りました。また、円・ドル相場は昨年末円安に進み117円/ドル台をつけましたが年初から一転し徐々に円高が進行し110円/ドル台前半で推移しました。
2.事業の経過および当期の経営方針等に基づく諸策の実施状況
このような状況の中で、当社は下記の当期経営方針およびISO9001の年度品質方針ならびに中期経営計画NS2017(平成27年度~平成29年度)に基づき、具体的諸施策を推進し、企業価値および企業品質の一層の向上に取組んできました。その進捗状況と結果は下記のとおりです。
(経営方針)
1) スピーディーな経営判断と効率的な組織運営による全社的な機動力アップ、課題に対する方向性の明確化、確実な一歩
2) 2大事業(Nippon Seiro(Thailand)Co., Ltd.および分子蒸留設備運用)の早期採算化への能動的なアクション
3) 予算(目標数値)に対し、各部隊、収益・効率化の具体的な貢献目標の設定およびコミットメント
4) 信頼される企業であり続ける
CSR(社会的責任)、安全操業、環境保全、コンプライアンス遵守、人・設備・製品に優しく)
経営方針に基づく各部門の状況は以下のとおりです。
製造部門
製造部門では、基幹工場である徳山工場、高機能製品の受託製造を主とするつくば事業所(テクノワックス㈱)、アジア市場開拓拠点としてのNippon Seiro(Thailand)Co., Ltd.のタイ工場の3生産拠点体制を軸に、各お取引先のニーズにきめ細かくお応えできる体制の強化に注力してきました。
とりわけ、経営方針に掲げる2大事業であるNippon Seiro(Thailand)Co., Ltd.および分子蒸留設備運用に取組んでおりますが、分子蒸留設備増設につきましては、平成29年9月に徳山工場内に予定どおり完工し、当社ならではの製品、ワックスの有する機能を充分に発揮できる高機能製品群のラインナップ拡充・供給能力の増大を図る体制が整いました。
Nippon Seiro(Thailand)Co., Ltd.につきましては、販売量の増加に伴い稼働率がアップしております。
販売部門
販売体制では、平成29年4月からの新経営体制発足に合わせ、国内販売・輸出販売部門を統合し、新たに営業部を発足させ、スピーディーな判断、実行、機動力をアップさせました。そして、喫緊の課題でありますタイでのゴム老防用ワックス事業においてはアジア中心に新規取引先開拓に傾注し、来年度の採算化に向けグループの総力を挙げて取組みました。
タイでのゴム老防用ワックス事業につきましては既存取引先および新規取引先での製品評価の認証を頂き、本格的納入が開始されはじめました。
ワックスの国内販売におきましては、競合他社の供給問題を背景とした、臨時的な代替需要により販売数量の増加が見られました。
ワックスの輸出販売におきましては、国際市況の需給軟化により苦戦を強いられる局面もありましたものの、一方では製品品質のみならず供給体制も含めた当社の総合品質をご評価頂き、キャンドル用途におきましては欧州向けにおいて業界大手の新規顧客との取引開始等の成果もあり、販売数量目標を達成することができました。
調達部門
ワックス生産量の増加ならびに採算性の乏しい重油の生産量を削減するべく、ワックス留分の多い原料の調達を目指し、原料ソースの多様化に継続して注力してまいりました。
(ISO9001の年度品質方針)
日本精蠟はワックスのスペシャリストとして、お客様に満足いただける製品を一貫して提供し続けるため、以下の取組みを実施いたします。
1) テクノワックス㈱を含む全組織において、品質マネジメントシステム(2015年版)への移行と同システムの継続的改善に努めます。
2) お客様の要求事項に対応した製品を開発・提供します。
3) 品質向上、安全操業および従業員の力量アップに向けた取組みを推進します。
4) 製品含有化学物質管理をはじめ全ての関連法令・規制要求事項に沿って事業を継続します。
以上のISO9001の年度品質方針の取組みについては、その具体的行動指針および各部門の品質目標実施計画に基づき、四半期毎の活動状況の品質監査を実施する等継続的なマネジメントレビューを推進し、目標は概ね計画どおり進捗しました。
3.当期事業概況と成果
ワックス販売は国内販売では堅調に推移し、販売数量では前年同期に比較し1,745トン増の35,985トン、販売高で293百万円増の11,452百万円の実績、輸出販売では米国向け液状輸出の増販で販売数量では前年同期に比較して8,836トン増の44,396トン、販売高で1,663百万円増の7,613百万円の実績となりました。重油販売は需要が漸減する中、ワックス留分の多い原料によるワックス取得率アップにより、販売数量で14,032キロリットル減の174,821キロリットルとなりました。しかし、販売高では原油価格が前年同期に比較して20ドル/バレル以上上昇し、販売単価を押し上げたため1,400百万円増の7,431百万円の実績となりました。その結果、売上高はその他商品を含めて3,331百万円増の26,649百万円となりました。
これにより当連結会計年度は前連結会計年度に比較して、営業利益では521百万円増の1,367百万円、経常利益は571百万円増の1,152百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は430百万円増の673百万円となりました。
4.中期経営計画NS2017(Next Step 2017)の概要
1) 中期経営計画策定の概要(平成26年12月22日公表)
本計画は平成27年度から平成29年度の3年間を「原料多様化に対応する最適製販体制の確立、高機能開発製品の更なる拡充、グローバル市場への販路拡大を通じて、持続的発展を可能とするワックススペシャリストとしての事業基盤を強化する時期」と位置付け、次の9点を基本方針といたしました。
(基本方針)
[1] 原料の多様化とそれに伴う製造技術力(品質の安定とコストダウン)のアップ
[2] 自社開発・高機能製品による成長分野向け製品群の更なる充実(開発・製造・分野)
[3] タイ工場の早期本格稼働と採算化およびアジア市場におけるゴム老防用ワックスシェアーの大幅アップ(数量倍増)
[4] 総合ワックスメーカーの強みと責任、徹底した採算販売を意識した国内(製品・商品)販売の拡充、将来的な需給変動に対応できるフレキシブルな輸出販売の継続、国内外での「日本精蠟」評価の維持、発展
[5] 重油製造量のミニマイズ化、原料購入を絡めたスキーム化等による安定販路の確保
[6] 借入金圧縮、固定費削減による財務体質強化
[7] 迅速な経営判断のための組織のスリム化、組織・要員再編による効率運営
[8] コンプライアンス、リスク管理の徹底、ISO推進を通じた内部統制システムの強化
[9] 品質・環境マネジメントシステムを通じた環境負荷低減、環境保全の推進
2) 中期経営計画NS2017
業績目標(連結)
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平成27年度 |
平成28年度 |
平成29年度 |
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|
売上高 |
(百万円) |
(目標) |
28,500 |
30,500 |
31,600 |
|
|
|
(実績) |
29,250 |
23,318 |
26,649 |
|
経常利益 |
(百万円) |
(目標) |
330 |
850 |
1,000 |
|
|
|
(実績) |
△729 |
580 |
1,152 |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
(百万円) |
(目標) (実績) |
210 △559 |
600 243 |
700 673 |
|
配 当(円/1株) |
(目標) |
10 |
10 |
10 |
|
|
|
(実績) |
10 |
10 |
10 |
|
3) 中期経営計画の成果
当期をもって中期経営計画NS2017(Next Step 2017)の期間を満了いたしました。
業績目標につきましては、売上高においては主として原油価格の動向ならびに重油ミニマイズ化等の要因により目標値を下回ることとなりましたものの、ワックス売上高におきましては一定の目標を達成できたものと考えております。
経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、タイ工場製品のお客様による認証手続き、新規販路の開拓に想定以上の期間を要したことによる採算化の遅れが影響を及ぼしました。当社初の海外生産工場の立ち上げであり、スピーディーな業務運営を志向してまいりましたが、当初計画どおりの実績を上げるには至りませんでした。
しかし、ワックス取得率改善、重油削減等により平成28年度に2期ぶりに業績の回復を図ることができ、また、本中期経営計画の最終年度におきましては漸く当初計画の業績目標を達成することができました。
事業基盤の強化時期という計画につきましては、Nippon Seiro(Thailand)Co., Ltd.のタイ工場新設、徳山工場での分子蒸留設備増設を完工させ、併せて徳山工場におけるワックス精製工程における原料油種の多様化への対応に一定の目処をつけることができ、当社の目指すところであります、ワックススペシャリストとして、国内のみならず世界に必要とされる存在感のあるグローバルニッチトップ企業へのスタートをきることができました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比較して443百万円増加し1,826百万円となりました。
当事業年度末における区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,516百万円(前年同期比1,886百万円収入減)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益1,128百万円、減価償却費879百万円、売上債権の増加額335百万円、たな卸資産の減少額343百万円、仕入債務の減少額314百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,557百万円(前年同期比609百万円の支出増)となりました。これは有形及び無形固定資産の取得による支出1,419百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、477百万円(前年同期比3,021百万円の収入増)となりました。これは主として短期借入金の純増額2,839百万円、長期借入金の返済による支出2,239百万円等によるものです。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績については、事業部門ごとに表示することに合理性がないため、主な製品ごとに表示しております。
|
区分 |
数量 |
前年同期比(%) |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
ワックス (パラフィン・マイクロクリスタリン) |
76,842t |
10.6 |
18,148 |
7.0 |
|
重油 |
182,579kl |
12.9 |
7,761 |
50.3 |
|
合計 |
|
- |
25,910 |
17.1 |
(注)1 金額は、販売価格をもって算出しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当社グループの生産においては、そのほとんどを見込生産で行っておりますので、受注実績は記載しておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績については、事業部門ごとに表示することに合理性がないため、主な製品ごとに表示しております。
|
区分 |
数量 |
前年同期比(%) |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
ワックス (パラフィン・マイクロクリスタリン) |
80,381t |
15.2 |
19,065 |
11.4 |
|
重油 |
174,821kl |
△7.4 |
7,431 |
23.2 |
|
その他仕入商品 |
|
|
152 |
△14.4 |
|
合計 |
|
- |
26,649 |
14.3 |
(注)1 ワックスには輸入ワックスの仕入販売を含んでおります。
2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
三菱商事エネルギー株式会社 |
2,910 |
12.5 |
2,873 |
10.8 |
|
安藤パラケミー株式会社 |
2,545 |
10.9 |
2,702 |
10.1 |
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社は国内唯一のワックス専業メーカーとして独自の技術により多種多様かつ高品質のワックス製品およびワックスを原料とする各種変性品並びにローサルファー重油を製造しております。また、永年にわたり蓄積された技術を基に需要家に対するきめ細かなサービスの提供はもとよりあらゆるご要望にもお応えできるよう基礎研究から製品の改良、新用途の開拓、新製品の開発まで幅広い販売開発活動に取り組んでおります。近年、加速する技術革新、環境問題、省エネルギーの観点から、情報化社会に求められている素材、環境問題に対応する素材、快適生活に役立つ素材の提供等、時代の要求にも応じられる新製品を数多く創出・提供することを目指し、社会・文化の発展に貢献することを基本方針としております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは経営財務指標として収益力向上および財務体質改善のための指標として売上高経常利益率、ROA(総資産利益率)およびフリー・キャッシュ・フローを重視し、更なる企業価値の向上と企業基盤の強化に取組んでまいります。
(3) 経営戦略等
今後の見通しにつきましては、原油価格の動向や為替相場の先行き等引続き不透明な状況が続くものと予想されます。このような環境の中で、平成30年度の経営方針、品質方針に基づき、伊藤忠商事株式会社との資本・業務提携による既存ビジネスの拡充と新規ビジネス創出の推進をはじめ、最適原料の安定確保と更なる効率生産の追求、タイ工場の早期本格稼働、平成29年秋に竣工いたしました分子蒸留設備の早期採算化等を柱とする経営諸課題に引続き取組むとともに、事業基盤の強化と更なる業績改善に全力を傾注してゆく所存です。
このような状況を踏まえ、平成30年度の経営方針、品質方針を以下のとおり定め、企業価値、企業品質の一層の向上に全力を傾注してまいります。
(平成30年度経営方針)
1) Nippon Seiro(Thailand)Co., Ltd.の黒字化、ゴム老防分野での販売強化
2) 分子蒸留事業再計画、Action plan、販売促進
3) 徳山工場におけるワックス取得率アップへのこだわり(=重油減継続)
4) 古い建屋、設備の効率的な運用への方向付け
5) 経常利益、ワックス売上高の10%目標構想へのアプローチプラン策定
(ISO9001の平成30年度品質方針)
日本精蠟はワックスのスペシャリストとして、会社の歴史を誇りとし、基礎製品から高機能製品を以て、幅広い分野において豊かな未来に貢献します。
1) 多様化、変化するお客様のニーズ、期待に応える製品を開発・提供します。
2) 人・設備・製品・サービスの品質向上、技術力の向上に継続的に取組み、Only One企業を目指します。
3) コンプライアンスを順守し、社会に信頼される企業であり続けます。
(4) 経営環境及び対処すべき課題等
平成30年12月期の連結業績につきましては、売上高28,500百万円、営業利益850百万円、経常利益650百万円、親会社株主に帰属する当期純利益450百万円を見込み、株主配当は年間配当で1株につき10円(中間配当で5円、期末配当で5円)を予定しております。業績想定の根拠数値は作成時点で入手可能な情報と過去の実績、傾向を参考に算出しておりますことをあらかじめご了承賜りますようお願いいたします。
上述の業績想定は、平成29年12月期の連結業績を下回る想定としておりますのは、先行き不透明な経営環境、原料コスト等のアップ要因に加え、中期経営計画NS2017(Next Step 2017)を通じ、より鮮明となりました当社の直面する重油ミニマイズへの構造的課題への取組みを加味したものでございます。
その課題等先送りせず、真摯に取組み、且つ確実に一歩一歩クリアーしていくことが、当社の持続的な発展に不可欠なものと考えております。
従いまして、平成30-31年を構造改革、基盤強化の2年と位置づけ、実行計画「チャレンジ90」を以下の内容にて掲げ、社員一丸となって取組んでまいります。
チャレンジ90
(位置づけ)
2019年が創業90年にあたり、2018-2019年の2年間は、次の10年、2029年の創業100年に向けての構造改革、基盤強化と位置付けております。
(目的)
重油市況変動の影響を最小限化し、ワックス専業メーカーとして、技術力・現場力を強化し、規模ではなく、質の充実を図ることを目的といたします。
(実行計画)
1.タイヤ用途向けワックスにおけるトップメーカーとなるために、技術力、開発力を強化し、日本、タイからの供給体制、及び誇れる製品設計、品質の確立を行います。
2.徳山工場、つくば事業所2拠点での分子蒸留設備の効率的な運用による当社ならではの製品供給の実現をいたします。加えて、グローバル化を視野に入れた更なる拡大を計画します。
3.徳山工場の設備等のReview, Scrap&Buildによる効率的なワックス製造設備への転換を進めます。
4.個人力、現場力強化に向けた教育機会の付与。教育ができる管理職とするための強化を行います。
事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 原材料の調達
当社グループの原料油は良質なワックスの含有量が多い東南アジア産の原油にその多くを依存しております。原料の安定的な調達は、産出国の政策や国情により影響を受ける可能性があります。
(2) 原油価格変動
当社グループの製品コストの大半を占める原料油価格は、原油価格の動向に左右されるため、その変動が当社のコストに大きな影響を与えます。
(3) 需要及び市況変動等
当社グループの主製品のワックス販売は、国内・海外市場の多方面で産業用素材として使われておりますので、各国経済および各業界の需要動向の影響を受けます。また、中国をはじめとする競合先の動向に影響を受けます。重油販売は内外の市況に大きく影響されます。
(4) 金利および為替の変動
有利子負債が多いため、金利の上昇は借入コストの増加につながり、また、為替の変動は輸入原料のコストや輸出製品の販売に影響を与えます。
(5) 災害や事故
当社グループは人為的操業事故や災害を未然に防止するため、定期的な設備点検等安全対策の徹底を図っておりますが、地震や台風などの自然災害等が発生した場合は操業を停止する等の緊急措置をとるため、生産および販売活動に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 退職給付債務
当社グループの従業員退職給付費用および債務は、年金資産の運用収益率や割引率などの数理計算上の前提に基づいて計算されています。年金資産の運用環境の悪化により前提と実績に乖離が生じた場合などは、将来の退職給付費用が増加し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 資産価値の変動
当社グループが保有するたな卸資産、固定資産や有価証券等について、経済状況等の影響から資産価値が低下した場合は、評価損が発生するなど、当社グループの経営成績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 情報の管理
社内情報システムのセキュリティーの強化のためにウイルス対策等の対応に務めておりますが、地震や台風などの自然災害等に起因して情報システムに障害が発生する可能性があります。この場合業務が停止する等生産および販売活動に支障をきたす恐れがあります。
(9) 海外での事業活動について
当社グループはタイ王国において事業活動を行っております。そのため、予期しない政治状況の激変や法制度の変更、さらに地政学的なリスクが内在しております。
(1) 当社は、SHELL MDS(MALAYSIA) SENDIRIAN BERHAD社と同社が天然ガスより製造する合成ワックスを、当社が輸入し日本国内で独占的に販売する契約を締結しております。契約期間は平成5年より3年間を契約期間とし、期間満了の3ヶ月前までに書面による通告で解除されない限り1年間契約期間を延長します。
(2) 当社は、機動的な資金調達手段を確保することにより、手元流動性を圧縮し、資金効率を高めることを目的として、取引銀行5行(株式会社三菱東京UFJ銀行、株式会社広島銀行、株式会社みずほ銀行、株式会社山口銀行、株式会社西京銀行)と総額60億円の特定融資枠契約(貸出コミットメントライン契約)を締結しております。
わが国唯一のワックス専業メーカーとして、ワックスの有する撥水・防湿・ガスバリア・熱応答・潤滑性等々の多彩な特性を生かした多岐に亘る用途にて、高機能・高付加価値商品の開発に取組んでおります。
当社の研究開発体制は、素材開発およびその素材を使った応用研究・工程研究を担当するグループ、水分散物の開発に特化したグループ、ゴム老化防止用ワックスの開発に特化したグループの3グループで構成されており、「自社開発・高機能製品による成長分野向け製品群の更なる充実」を中期経営計画の方針に据え、顧客密着型の研究開発活動を推進しております。
また、複数の大学への委託研究、お客様と共同研究及び技術交流等、次世代の成長・育成に努めると共に、研究開発活動の活性化・高度化も図りました。
(1) 高度精製品
蒸留や溶剤処理等のワックス製造工程を組み合わせることにより、顧客の高い要求を満足する高性能・高機能化ワックスの開発に努めております。特に、分子蒸留装置の増設により、成長分野であるトナーやインクジェット・熱転写といったイメージング材料分野、二次電池部品やホットメルト接着剤・エンジニアリングプラスチックといった樹脂添加剤分野、サーモキネティック分野に注力し、石油ワックスや合成ワックスのみならず、天然油脂類の分留・精製にも取り組んでおります。
(2) 化成品
アルコール化やエステル化、ウレタン化等の反応を組み合わせることで、本来は無極性であるワックスに極性を付与し、各種樹脂との相溶性改善や分散剤としての機能性付与、他素材との反応性向上等に取り組んでおります。特に、無水マレイン酸変性ワックスであるMAWシリーズは、カーボンブラック等の分散効果に優れ、インキ・塗料分野への展開を図っております。
(3) 水性化ワックス
VOC排出規制を背景としたインキ・塗料分野における水性化ニーズに応えるべく、各種ワックスを乳化・可溶・分散した水性化ワックスの開発に取り組んでおります。また、脱フッ素を背景としたワックス系撥水剤、水の沸点以上の融点を持つワックスの乳化(加圧乳化)、ワックス系消泡剤、ウレタンボード離型剤、農薬展着剤等々、多岐に亘る用途への展開も図っております。
(4) 配合品
ゴム老化防止用ワックスでは、アジアを中心とした新興タイヤメーカーに向けての継続的な取り組みと併行し、次世代製品の開発に注力しました。その結果、植物蝋の高度な加工により、タイヤの外観を大幅に向上させる手法などを見出しつつあります。その一方で希少な天然蝋代替品の開発にも取り組み、キャンデリラワックスの代替品として製品化に至っております。
当連結会計年度における研究開発費は149百万円であります。
(1)重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度における経営成績は、売上高では26,649百万円(前年比3,331百万円増)となり製品別売上高では、ワックス販売が19,065百万円(前年比1,956百万円増)、重油販売が7,431百万円(前年比1,400百万円増)、その他仕入商品販売152百万円(前年比25百万円減)となりました。収益面では、営業利益で1,367百万円(前年比521百万円増)、経常利益で1,152百万円(前年比571百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益では673百万円(前年比430百万円増)を計上することができました。
(3)当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末における資産合計は前連結会計年度末に比べて1,642百万円増加の30,725百万円となりました。これは主として現金及び預金の増加額443百万円、受取手形及び売掛金の増加額342百万円、建物及び構築物の増加額217百万円、機械装置及び運搬具の増加額1,077百万円、投資有価証券の増加額215百万円、たな卸資産の減少額296百万円、建設仮勘定の減少額446百万円等によるものです。
これに対して負債合計は、前連結会計年度末に比較して1,096百万円増加の19,743百万円となりました。これは主として短期借入金の増加額2,882百万円、未払法人税等の増加額204百万円、支払手形及び買掛金の減少額283百万円、長期借入金の減少額1,779百万円等によるものです。
また純資産合計は、前連結会計年度末に比較して545百万円増加の10,982百万円となりました。これは主として利益剰余金の増加額494百万円等によるものです。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載しております。
(5)戦略的現状と見通し
「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。