文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針、経営戦略等
当社グループは、「誠魂長才※」を社是とし、「ひとの命を守る。ひとの暮らしを守る。ひとを育む環境を守る。わたしたちは、世界中の人々がいつまでも安心して快適に暮らすことのできる社会づくりに貢献していきます。」という経営理念のもとで、製品のクオリティを高めることはもとより、社会・文化活動、環境問題、資源問題等企業活動のすべてに対して、クオリティのアップを目指しています。
当社グループは、これからも株主の皆様をはじめとして、取引先、地域社会の方々等あらゆるステークホルダーの皆様のご期待に応えるべく、経済的価値の向上とともに、企業の社会的責任を含めて「クオリティ主義」に徹した企業活動を推進してまいります。
※「誠魂長才」=何事に対しても誠心誠意、真心をもって事に当り、常に努力して才能を伸ばし、知識を広め、社会・国家に貢献します。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業の成長性と収益性を重視する観点から、売上高、経常利益及び新製品寄与率を経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として位置付けております。当連結会計年度における連結売上高は527億29百万円となり、2021年5月12日に開示いたしました連結売上高目標493億円に比べ、34億29百万円(7.0%増)の増収となりました。連結経常利益は25億41百万円となり、連結経常利益目標32億50百万円に比べ、7億8百万円(21.8%減)の減益となりました。当社が国内市場において毎期発売する新製品につきましては、初年度新製品売上寄与率15%以上を経営目標の一つとしておりますが、当事業年度につきましては、15.8%となっております。引き続き、当該指標の改善に邁進していく所存です。
また、株主重視の視点から、株主資本利益率(ROE)を重視し、企業価値の向上を目指してまいります。
(3)経営環境
当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症についてオミクロン株の影響により再び感染が急拡大し感染者数は高止まりで推移いたしましたが、ワクチン接種の普及などもあり、景気回復の動きが見られました一方で、原油高による原材料価格の高騰、ウクライナ情勢の終息が見えないこと、中国を始めとした新型コロナウイルス感染症の拡大懸念などもあり先行きが不透明な状況が続いております。
このような状況の中で、当社は主力の殺虫剤事業において、2014年に国内で発生したデング熱を契機に、2015年を感染症対策元年として位置づけ、蚊やマダニが媒介する感染症の脅威や外来種等の危険害虫の問題が深刻化していることへの啓発活動や、今までにない高効力を実現した「効きめプレミアシリーズ」を始めとするワンランク上の製品の開発を進めてまいりました。
また、家庭用品においても、ウイルス・細菌・アレルゲンなど暮らしの周りに潜む見えないリスクへの対策等消費者の生活シーンに安心安全を提供する製品として「アルコール除菌剤」や「ウイルス・細菌・アレルギー対策商品」等の開発を進めてまいりました。
今後、日本において人・モノがますますグローバルに行きかう中で、こうした感染症に対するリスクは年々高まっていくと考えられることから、お客様の虫よけ商品や害虫駆除への意識の変化やコロナ禍への不安を背景として、殺虫剤や虫よけ剤、除菌剤の市場は堅調に推移していくと見ております。
また、海外におきましても、東南アジアを中心に、蚊が媒介する感染症による被害が拡大しており、殺虫剤の需要はますます高まっていくものと予想しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の国内外の景気につきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行が続いており、厳しい経営環境が続くと予想しております。このような状況の中、当社グループは、「ひとの命を守る。ひとの暮らしを守る。ひとを育む環境を守る。わたしたちは、世界中の人々がいつまでも安心して快適に暮らすことのできる社会づくりに貢献していきます。」という経営理念のもと、激変するグローバル環境に対応しながら、国内外市場での継続的な事業の拡大と堅固な収益基盤を確立するために、以下のような経営課題に取り組んでまいります。
(日本のフマキラーグループの課題)
当社グループは、殺虫剤、家庭用品、園芸用品をコア事業と位置づけ、人々の命・暮らし・環境を守る商品を提供しております。これまでに培ってきた技術とノウハウを結集した画期的で魅力的な新商品の開発、高品質で効率的な生産、販売力の強化、流通チャネルの拡大などによって、お客様が必要なときに十分な量をできるだけ早く手に取っていただけるように開発・生産・販売体制を整備し、事業の拡大に取り組んでまいります。
その一環として、研究開発体制及び生産体制の強化を実現するため、当社広島工場内に研究開発棟及び生産設備から構成されるブレーンズ・パーク広島の建設・拡充を進めております。2021年春には新しい研究開発棟が完成し、稼働を開始いたしました。新研究開発棟は中長期的に新たな価値を創り出す拠点としてフマキラーグループの未来を担います。
販売体制については、2021年4月にシンジェンタジャパン株式会社のフラワー事業を、当社が新たに設立した子会社「FSブルーム株式会社」で譲り受け、フマキラーグループにとって新たな事業をスタートいたしました。
また、ウイルス・細菌・アレルゲンなど暮らしの周りに潜む見えないリスクへの対策等消費者の生活シーンに安心安全を提供する製品の提案を推進し、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。
(海外のフマキラーグループの課題)
世界では害虫が媒介する感染症によって健康が損なわれ多くの命が奪われています。当社グループは持てる経営資源を投入し、一人でも多くの人々を感染症の被害から守っていきます。海外では現在、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、ミャンマー、インド、メキシコの子会社で製造販売または販売を行っています。また、中南米・アフリカ・中近東等の3ヶ国で技術指導による現地生産を行っており、世界約70ヶ国に及ぶ海外ネットワークを構築しております。
当期は、ヨーロッパにおける事業拡大のための投資を行いました。ひとつは欧州市場で日用品事業を展開するために子会社「FUMAKILLA EUROPE S.R.L」を2021年7月、イタリアに設立いたしました。
また、2022年2月には、欧州市場で殺虫剤等の製造販売事業を手掛け、イタリアの園芸小売店での販売力に強みを持つイタリアの会社「Zapi Industrie Chimiche S.p.A.」の株式を取得し、子会社化いたしました。
これらの投資を推進力として当社の欧州市場における事業基盤を強化してまいります。
海外商品の研究開発は、日本以外にインドネシア、マレーシアの開発拠点で行っておりますが、インドネシアで建築を進めていた新研究開発棟(ブレーンズ・パーク インドネシア)が完成し、2021年6月より稼働を開始しています。この新しい施設を活用し、海外での研究開発をさらに強化していきます。
また、「FUMAKILLA EUROPE S.R.L」設立と「Zapi Industrie Chimiche S.p.A.」の株式取得により、ヨーロッパにも開発拠点ができました。
今後は、国内と海外子会社間の連携強化とグループ・シナジー効果を高めて海外事業の拡大と収益力の強化を図り、グローバルな競争力を持つ企業を目指してまいります。
(収益力と財務状況の改善)
当社グループの収益性を改善するために、国内外の開発、生産、営業の各部門において、商品アイテムの見直し、製造原価の低減、在庫の適正化、製品価値に基づいた適正価格での販売、広告宣伝費や販売推進費等のマーケティング費用を含めた販管費の効率的・効果的運用等の課題により一層取り組んでまいります。
(エステー株式会社との協業の推進)
当社はエステー株式会社と資本業務提携しております。営業・開発・生産・海外の各分野でそれぞれ課題を取り上げ、一定の成果を上げつつあります。引き続き業務提携の取り組みを通じて、業容拡大並びに企業価値及び株主共同利益の向上に努めてまいります。
(5)次期(2023年3月期)の業績見通し
2023年3月期の業績見通しにつきましては売上高648億円、経常利益29億30百万円を予定しております。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中においては将来に関する事項が含まれていますが、別段の記載がない限り、当該事項は当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
<主要なリスク>
(1) 新製品、改良品の需要予測
当社グループは継続的な成長を実現するために、既存領域に捉われない市場創造型の新製品開発や商品のリニューアル改良を行っています。しかしながら、これらの新製品や改良品の市場ニーズを正確に予測できるとは限らず、販売が成功しない場合は、将来の成長性と収益性を低下させ、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、消費者調査による新製品の受容性評価や、市場調査会社が発行している消費者の購買活動の分析情報等を市場ニーズの予測に活用しております。また、新製品の発売後の販売状況につきましては、販売システムにより品目別に日々の販売状況を入手できる体制を整えており、開発・営業・生産の各部門の計画に反映させております。
(2) 競争環境の激化
当社グループの主要製品は一般消費者向けの製品で、競合他社や新規参入会社との間で常に厳しい競合状況にあります。
対応策として、市場調査や競合品の分析をもとに、新製品の開発計画及び販売計画を立案し、他社と差別化された新製品の開発や需要喚起のためのマーケティング投資を行っていますが、今後の競合環境次第ではこれらの要因が当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 天候の影響、季節変動
当社グループの業績は、売上構成比率が50%を超えている日本市場において殺虫剤や花粉対策商品、園芸用品など季節商品の売上構成比が高いため、天候によって大きく影響を受けます。また、主力商品である殺虫剤については、国内の需要期である夏季に向けた製造・出荷が年前半に集中するため、第4四半期と第1四半期の売上高が高くなる一方、需要期を過ぎた第3四半期においては返品も発生する等、季節により売上高や営業損益が偏る季節変動要因があります。
対応策として、家庭用品部門の主力であるアルコール除菌剤など年間を通じて販売が見込める商品の開発・販売強化や、花粉・ウイルス対策剤など殺虫剤の需要期と異なる商品の販売に努めております。また、殺虫剤の返品削減につきましては、年間定番品の拡大、インターネット販売企業における売上拡大、需要期終盤の店頭消化策の強化、卸店と協力して流通在庫の調整等の取り組みを行っています。
(4) 商品・製品在庫の評価減
上記(1)~(3)のリスクで挙げました新製品や改良品の需要予測、競合他社との競争、天候の影響や季節変動により計画どおりの販売が実現しない場合、商品・製品が滞留し評価減が必要となる可能性があります。また、次の(5)の①で述べる原材料の高騰などによる価格面の変動によっても商品・製品の評価減が必要となり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) その他
①原材料の高騰
当社グループが主に使用する原材料は、溶剤、噴射剤、化学薬品、樹脂、鋼材(缶)等です。これらの原材料の調達に関しては、国内外のサプライヤーから購入していますが、為替変動や国際情勢による影響等で原材料価格が変動した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、複数のサプライヤーからの購買により安定仕入を図るとともに、VA/VE活動も行うことで価格変動のリスクを軽減し、製造原価を悪化させることがないように取り組んでおります。
②為替変動の影響
当社グループの当連結会計年度における海外売上高は239億78百万円、海外売上構成比率は45.5%となっております。為替変動が当社グループの連結業績に与える影響につきましては、現状、海外からの仕入高への影響を勘案しますと利益面に及ぼす影響は限定的でありますが、海外売上高の円換算後数値の変動等が当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
③買収・提携による影響
当社グループは、将来の事業拡大のために事業戦略の一環としてM&Aや業務提携等を行うことがありますが、事後的に発生した想定外の事象や環境変化が生じた場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
④資金調達の影響
当社グループは、銀行借入等により運転資金及び事業投資資金の資金調達を実施しております。借入環境の悪化や当社グループの信用力低下等が起きた場合には、資金調達が制約されることにより、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、これら銀行借入等による資金調達においては、金利変動の影響を受けます。
対応策として、2022年3月31日現在における当社グループの借入金のうち90%を超える借入主体となっている当社において、複数の銀行と充分な借入枠を設定しており、日常の取引に支障がない体制を構築しております。
⑤有価証券の価値の変動
当社グループは投資有価証券を保有しており、証券市場の悪化等により評価損が発生し、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、保有株式について定期的に個別銘柄の取引状況を検証し、継続保有や新規保有の判断を行っております。
⑥法的規制
当社グループは、日本国内に加えて、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、ミャンマー、インド、メキシコ、イタリアの子会社で製造販売または販売を行っており、その他当社グループが事業を行う地域(ヨーロッパ・中南米・アフリカ・中近東等)も含めて、様々な法令による規制を受けています。
これらの規制は、当社グループの商品の製造、表示、広告宣伝並びに販売等の事業活動に適用され、社会情勢の変化等に応じて今後も適宜、改正や解釈の変更等が行われる可能性があります。
当社グループに適用される法規制に違反した場合、当社グループの信用が失われるとともに、罰則又は多額の損害を伴う規制上の処分又は私法上の訴訟提起が行われ、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、関係法令の改正情報等を早期に入手し、その影響を検討して対策をとるとともに、関係法令に関する社員教育を実施して、法令遵守の徹底を図っております
⑦情報管理のリスク
当社グループは、個人情報や機密情報等多くの重要情報を保有しておりますが、万一情報漏洩等の不測の事態が発生した場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
この対応策として、当社では個人情報、顧客情報の管理は「個人情報保護ポリシー」にて方針を定め、社内規程や行動規範に沿って運用しております。加えて、漏洩防止のためにハード及びソフト面でのセキュリティー対策を行うことにより、情報資産の保護の継続的な徹底に努めております。
⑧知的財産権の侵害
当社グループの保有する特許権や商標等の知的財産権は、当社の開発部門が他社の知的財産権に関する公表情報を逐次入手し、専門家を交えて侵害の有無を協議の上で、当社の知的財産権に対する第三者からの侵害リスク及び当社グループが第三者の知的財産権を侵害することによる訴訟リスクを排除する体制を構築しております。
もっとも、万一第三者による当社グループの知的財産権の侵害が生じた場合には、期待される収益が損なわれるリスクがあります。また、当社グループが認識の範囲外で第三者の知的財産権を侵害し、トラブルに発展する可能性もあります。このような場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑨品質のリスク
当社製品の中には、医薬品、医薬部外品、農薬等があり、高い品質水準を確保することが求められるところ、万一品質不良等により消費者に被害を与えるようなことが発生した場合には、被害の状況によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、関係法令に基づき製造に関する社内基準を設けることにより、イレギュラーな作業や製造環境が発生し得ない仕組みと教育体制を整えております。また、品質を高める為 「ISO9001-2015」を取得し、製品の設計・検証から、資材の受入検査に始まり、製造・出荷迄、徹底したモノづくりを実施しております。
⑩訴訟のリスク
将来重大な訴訟が発生し、当社グループに不利な判断をされた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社の各部門の業務状況及び海外子会社の経営状況については毎月開催される経営会議にて逐次報告され、経営上の重要な問題について審議しております。また、複数の専門家と顧問契約を締結しており、法的な対応について確認できる体制を構築しております。
⑪海外での事業活動リスク
当社グループは、アジア地域や欧州地域、中南米地域をはじめとして、海外事業を積極的に展開しています。海外拠点ごとに責任者を定め、現地の最新情報の入手に努めるなどの対応を図っておりますが、これら地域において、予期せぬテロ、内乱、人権問題等の経済的・政治的・社会的な突発事象が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑫自然災害等の影響
当社グループは国内及び海外で生産活動を行っておりますが、今後予期せぬ自然災害や事故等が発生し、生産設備への影響が生じた場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社製品の多くは関連法令の許認可に基づいて製造していますので法律の制約はありますが、自然災害等への対策として、生産拠点の確保の為に国内外を問わず、複数の生産拠点で生産が行えるよう分散化を順次進めております。
⑬新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるリスク
世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、当社グループにおいても、事業を取り巻く環境について先行き不透明な状況が生じております。
対応策として、従業員やお客様、そして地域の安心・安全を第一に、本報告書提出日現在、次のような対応策により感染予防に取り組んでおります。
・安全衛生の徹底(マスク着用、検温、手指のアルコール消毒)
・在宅勤務、時差出勤の推進
・WEB会議等の活用
今後も動向を注意しながら適宜対応策を講じてまいりますが、さらなる感染拡大等、想定を超えるような事態が発生する場合には、当社グループの財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。
そのため、経営成績に関する説明の当連結会計年度の各数値は、当該会計基準等を適用した後の数値となっていることから、前連結会計年度と比較した増減額及び対前年同期増減率は記載しておりません。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症についてオミクロン株の影響により再び感染が急拡大し感染者数は高止まりで推移いたしましたが、ワクチン接種の普及などもあり、景気回復の動きが見られました一方で、原油高による原材料価格の高騰、ウクライナ情勢の終息が見えないこと、中国を始めとした新型コロナウイルス感染症の拡大懸念などもあり先行きが不透明な状況が続いております。
このような状況の中で、当社グループは「ひとの命を守る。ひとの暮らしを守る。ひとを育む環境を守る。わたしたちは、世界中の人々がいつまでも安心して快適に暮らすことのできる社会づくりに貢献していきます。」という経営理念のもとで、コア事業の殺虫剤、家庭用品、園芸用品の成長カテゴリーに新価値創造型新製品を積極的に投入し、既存事業の強化・育成を図るとともに、コストダウンや経費の効率的な運用等による利益構造の改革及び海外事業の強化拡大等の課題に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における総資産額は、80億49百万円増加し542億22百万円となりました。主な要因は棚卸資産が26億89百万円、建物及び構築物(純額)が27億45百万円、のれんが17億60百万円増加した一方で、建設仮勘定が24億39百万円減少したこと等によるものであります。
負債につきましては、68億44百万円増加し331億93百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金が4億76百万円、長期借入金が5億48百万円、返金負債が21億73百万円、短期借入金が62億70百万円増加した一方で、電子記録債務が7億39百万円、未払金が4億73百万円、未払法人税等が6億18百万円、返品調整引当金が6億54百万円減少したこと等によるものであります。
純資産につきましては、12億5百万円増加し210億28百万円となりました。主な要因は、利益剰余金が7億24百万円、為替換算調整勘定が5億32百万円、非支配株主持分が5億54百万円増加した一方で、その他有価証券評価差額金が7億28百万円減少したこと等によるものであります。
以上から、自己資本比率は、前連結会計年度末から4.7ポイント減少し35.5%となりました。
なお、返金負債の増加、売上割戻引当金、返品調整引当金の減少につきましては、主に収益認識会計基準等の適用によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は527億29百万円となりました。
利益面では、営業利益21億83百万円、経常利益25億41百万円、親会社株主に帰属する当期純利益13億91百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
なお、セグメント別の売上高は連結相殺後の数値を、セグメント利益又は損失は、連結相殺消去前の数値を記載しております。
(1)日本
売上高は、殺虫剤部門が、国内の殺虫剤市場が8月・9月に全国的な長雨や台風などの影響で縮小し返品が増加しましたが、7月までの天候の条件が良かったことに加えて、コロナ禍による在宅時間の増加や換気が推奨される環境が続いたこともあり市場全体が好調に推移しました。加えて2月・3月の殺虫剤の早期展開が進んだことにより増収となりました。
家庭用品部門においては、新型コロナウイルス感染症の対策として前連結会計年度において、大幅に伸長したアルコール除菌剤の需要が、供給の充足に伴い低下しました。加えて、花粉関連商材の市場がコロナ禍で縮小したことにより返品が増加した結果、減収となりました。その結果、外部顧客に対する売上高は297億8百万円(前年同期は292億82百万円)、セグメント利益は19百万円(前年同期は14億47百万円)となりました。
(2)東南アジア
売上高は、東南アジア各国のいずれにおいても現地通貨ベースで好調に推移し、また円安が進んだことによる影響を受けたこともあり、外部顧客に対する売上高は220億84百万円(前年同期は182億10百万円)となりました。また、セグメント利益は18億51百万円(前年同期は17億3百万円)となりました。
(3)その他
インドとメキシコを中心に販売し、外部顧客に対する売上高は9億36百万円(前年同期は10億39百万円)となりました。また、セグメント損失は57百万円(前年同期は68百万円のセグメント利益)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ30百万円増加し、60億7百万円となりました。
営業活動によって使用した資金は11億83百万円(前年同期は62億90百万円の獲得)となりました。これは税金等調整前当期純利益が26億65百万円、減価償却費が12億24百万円、仕入債務の減少額が11億92百万円、棚卸資産の増加額が17億63百万円、未払金の減少額が9億42百万円、法人税等の支払額が16億85百万円あったこと等によるものであります。
投資活動によって使用した資金は、45億28百万円(前年同期は29億3百万円の使用)となりました。これは有形固定資産の取得による支出が13億45百万円、子会社株式取得による支出が26億67百万円あったこと等によるものであります。
財務活動によって獲得した資金は55億47百万円(前年同期は30億98百万円の使用)となりました。これは短期借入金の純増減額の増加が61億45百万円、配当金の支払が3億95百万円あったこと等によるものです。なお、当連結会計年度末における借入金残高は、前期末に比べ69億96百万円増加して、142億61百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
36,013 |
94.5 |
|
東南アジア(百万円) |
16,882 |
126.1 |
|
報告セグメント計(百万円) |
52,896 |
102.7 |
|
その他(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
52,896 |
102.7 |
(注) 1.生産実績には、外注先に委託した生産分を含んでおります。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
3.上記金額は卸売価格によっております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
7,813 |
115.6 |
|
東南アジア(百万円) |
254 |
103.6 |
|
報告セグメント計(百万円) |
8,067 |
115.2 |
|
その他(百万円) |
28 |
134.2 |
|
合計(百万円) |
8,096 |
115.2 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記金額は仕入金額によっております。
c.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)の生産は、ほとんど見込生産であり受注によるものは例外であり、受注残高は僅少であります。また、期中の受注高と販売実績がほぼ対応するため、記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(百万円) |
29,708 |
- |
|
東南アジア(百万円) |
22,084 |
- |
|
報告セグメント計(百万円) |
51,793 |
- |
|
その他(百万円) |
936 |
- |
|
合計(百万円) |
52,729 |
- |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
㈱PALTAC |
6,904 |
14.2 |
5,724 |
10.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。
そのため、経営成績に関する説明の当連結会計年度の各数値は、当該会計基準等を適用した後の数値となっていることから、前連結会計年度と比較した増減額及び対前年同期増減率は記載しておりません。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行う必要があります。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は348億81百万円となり、前連結会計年度末より50億15百万円増加しました。商品及び製品の増加(57億38百万円から75億31百万円へ17億93百万円増加)、売掛金の増加(119億66百万円から132億18百万円へ12億51百万円の増加)、原材料及び貯蔵品の増加(26億92百万円から36億17百万円へ9億24百万円増加)、返品資産の増加(-百万円から7億3百万円へ7億3百万円増加)が主な要因であります。
なお、返品資産の増加につきましては、主として収益認識会計基準等の適用によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は193億40百万円となり、前連結会計年度末より30億34百万円増加しました。建物及び構築物の増加(22億49百万円から49億94百万円へ27億45百万円増加)、のれんの増加(6億54百万円から24億14百万円へ17億60百万円増加)、建設仮勘定の減少(27億57百万円から3億17百万円へ24億39百万円減少)が主な要因であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は304億75百万円となり、前連結会計年度末より63億63百万円増加しました。短期借入金の増加(72億64百万円から135億35百万円へ62億70百万円増加)、返金負債の増加(51百万円から22億25百万円へ21億73百万円増加)、支払手形及び買掛金の増加(60億10百万円から64億86百万円へ4億76百万円増加)、電子記録債務の減少(35億61百万円から28億22百万円へ7億39百万円減少)、返品調整引当金の減少(6億54百万円から-百万円へ6億54百万円減少)が主な要因であります。
なお、返金負債の増加、返品調整引当金の減少につきましては、主として収益認識会計基準等の適用によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は27億17百万円となり、前連結会計年度末より4億81百万円増加しました。長期借入金の増加(-百万円から5億48百万円へ5億48百万円増加)、退職給付に係る負債の増加(6億58百万円から7億81百万円へ1億23百万円増加)、繰延税金負債の減少(8億25百万円から4億61百万円へ3億64百万円減少)が主な要因であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は210億28百万円となり、前連結会計年度末と比較して12億5百万円増加しました。その要因の主なものは、利益剰余金の増加(84億24百万円から91億49百万円へ7億24百万円増加)、為替換算調整勘定の増加(△6億6百万円から△74百万円へ5億32百万円増加)、非支配株主持分の増加(12億50百万円から18億5百万円へ5億54百万円増加)、その他有価証券評価差額金の減少(23億56百万円から16億27百万円へ7億28百万円減少)が主な要因であります。
2)経営成績
当期の経営成績
(単位:百万円)
|
指標等 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率(%) |
|
売上高 |
48,532 |
52,729 |
- |
- |
|
売上原価 |
32,958 |
37,065 |
- |
- |
|
差引売上総利益 |
15,556 |
15,664 |
- |
- |
|
販売費及び一般管理費 |
11,995 |
13,481 |
- |
- |
|
営業利益 |
3,560 |
2,183 |
- |
- |
|
営業外損益 |
292 |
358 |
- |
- |
|
経常利益 |
3,852 |
2,541 |
- |
- |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
2,321 |
1,391 |
- |
- |
|
1株当たり当期純利益 |
140円86銭 |
84円42銭 |
|
|
当期の国内・海外売上成績
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減額 |
増減率(%) |
|
国内 |
27,982 |
28,751 |
- |
- |
|
海外 |
20,549 |
23,978 |
- |
- |
|
合計 |
48,532 |
52,729 |
- |
- |
|
海外売上構成比 |
42.3% |
45.5% |
|
|
当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)の売上高は527億29百万円となりました。
国内売上は、家庭用品の売上が前連結会計年度において、コロナ禍の影響からアルコール除菌剤を中心に伸長した反動により減少しましたが、殺虫剤、園芸用品、防疫剤、その他の各ジャンルが伸長した結果、国内合計の売上は287億51百万円となりました。また、海外売上は、東南アジア各国において現地通貨ベースで好調に推移し、さらに円貨ベースでは円安の影響を受けました結果、239億78百万円となりました。
売上原価は370億65百万円、売上原価率は70.3%となり、売上総利益は156億64百万円となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、人件費、運送費、研究費などが増加したことから、134億81百万円となりました。
これらの結果、営業利益は21億83百万円となりました。
営業外損益につきましては、受取配当金や技術指導料の営業外収益が4億49百万円、支払利息や為替差損等の営業外費用が91百万円となり、差し引き3億58百万円の利益(純額)となりました。
これらの結果、経常利益は25億41百万円となりました。
特別損益につきましては、投資有価証券売却益1億46百万円、投資有価証券評価損25百万円を計上いたしました。
以上から税金等調整前当期純利益は26億65百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、税金費用や非支配株主に帰属する当期純利益を控除した結果、13億91百万円となりました。
(単位:百万円)
|
|
上半期 |
下半期 |
合計 |
|||
|
売上高 |
構成比(%) |
売上高 |
構成比(%) |
売上高 |
構成比(%) |
|
|
国内 |
17,279 |
60.1 |
11,472 |
39.9 |
28,751 |
100.0 |
|
海外 |
10,874 |
45.4 |
13,103 |
54.6 |
23,978 |
100.0 |
|
合計 |
28,153 |
53.4 |
24,576 |
46.6 |
52,729 |
100.0 |
当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)の売上高の期間推移につきましては、国内海外合計では、ほぼ平均した売上となっております。
国内につきましては、殺虫剤や花粉対策商品などの季節商品の売上構成比が高いため、殺虫剤の売上構成が高い上期の売上構成比がやや高くなっております。
(部門別売上高)
(単位:百万円)
|
|
上半期 |
下半期 |
合計 |
|||
|
金額 |
構成比 (%) |
金額 |
構成比 (%) |
金額 |
構成比 (%) |
|
|
殺虫剤部門 |
20,778 |
52.6 |
18,737 |
47.4 |
39,516 |
100.0 |
|
家庭用品部門 |
1,115 |
48.3 |
1,192 |
51.7 |
2,308 |
100.0 |
|
園芸用品部門 |
2,687 |
65.0 |
1,447 |
35.0 |
4,134 |
100.0 |
|
防疫剤部門 |
992 |
61.9 |
610 |
38.1 |
1,602 |
100.0 |
|
その他の部門 |
2,579 |
49.9 |
2,588 |
50.1 |
5,168 |
100.0 |
|
合計 |
28,153 |
53.4 |
24,576 |
46.6 |
52,729 |
100.0 |
次に、部門別の概況は以下のとおりです。
殺虫剤部門
殺虫剤部門は、国内の殺虫剤市場が8月・9月に全国的な長雨や台風などの影響で縮小し返品が増加しましたが、7月までの天候の条件が良かったことに加えて、コロナ禍による在宅時間の増加や換気が推奨される環境が続いたこともあり市場全体が好調に推移しました。加えて2月・3月の殺虫剤の早期展開が進んだ結果、156億16百万円となりました。
一方、海外におきましては、東南アジア各国のいずれにおいても現地通貨ベースで前期を上回り、また円安が進んだことによる影響を受けたこともあり、最終的な円貨ベースでは239億円となりました。
これらにより、国内及び海外の殺虫剤合計の売上高は395億16百万円となりました。
家庭用品部門
家庭用品部門は、国内は新型コロナウイルス感染症の対策として前期大幅に伸長したアルコール除菌剤の需要が、供給の充足に伴い低下しました。加えて、花粉関連商材の市場がコロナ禍で縮小したことにより返品が増加した結果、家庭用品の売上高は22億70百万円となりました。
また、インドネシアにてノンアルコール除菌剤「VAPE SANITEC」の販売を開始しております。
これらにより、国内及び海外の家庭用品合計の売上高は23億8百万円となりました。
園芸用品部門
園芸用品部門は、主力商品の除草剤が年間を通じて好調に推移した結果、園芸用品合計の売上高は、41億34百万円となりました。
防疫剤、その他の部門
防疫剤部門の売上高は、16億2百万円となりました。
その他の部門の売上高は、子会社のフマキラー・トータルシステム㈱のシロアリ施工工事が好調で、51億68百万円となりました。
3)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすと思われる事項については、次の事項が挙げられます。
1)競争環境の激化
当社グループの主要製品は一般消費者向けの製品で、競合他社や新規参入会社との間で常に厳しい競合状況にあります。今後の競合環境次第ではこれらの要因が当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループといたしましては、他社と差別化された新製品の開発や需要喚起のためのマーケティング投資を行い、ブランドの強化と売上拡大につなげていきたいと考えております。
2)天候の影響、季節変動
当社グループの業績は、殺虫剤や花粉対策商品、園芸用品など季節商品の売上構成比が高いため、天候によって大きく影響を受けます。主力商品である殺虫剤については、国内の需要期である夏季に向けた製造・出荷が年前半に集中するため、第4四半期から第1四半期の売上高が高くなる一方、需要期を過ぎた第3四半期においては返品が発生する等、季節により売上高や営業損益が偏る季節変動要因があります。
当社グループといたしましては、ウイルス・細菌・アレルゲンなど暮らしの周りに潜む見えないリスクへの対策等消費者の生活シーンに安心安全を提供する製品の推進や海外子会社の売上拡大等により天候に左右されない強固な事業基盤の構築に取り組んでいきたいと考えております。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
1)資金需要の内容
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、納税資金と設備投資・出資等の投資資金等であります。
運転資金の主な内容は、当社グループ製品の製造のための原材料の購入のほか、商品仕入、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。製造費の内訳は、人件費、外注費、動力費等であります。販売費及び一般管理費の内訳は、人件費、広告宣伝費、販売促進費、研究開発費、運送費等であります。設備投資の主な内容は、生産設備関連等の有形固定資産であります。
2)資金調達の方針
資金調達につきましては、運転資金及び納税資金は営業キャッシュ・フロー、内部留保資金での充当を基本とし、必要に応じて金融機関からの短期借入による資金調達を実施しております。
設備投資・出資等につきましては、自己資金、金融機関からの長期借入等、金利コスト等を勘案し調達方法を検討し対応しております。
重要な設備の新設の予定及び資金調達につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。
当社は2021年12月22日開催の取締役会において、欧州市場で殺虫剤等の製造販売事業を手掛けるZapi Industrie Chimiche S.p.A.、並びにTrezeta Immobiliare S.r.L.(以下「Trezeta」)の株式(Trezetaについては持分)を取得し、両社を子会社化することを決議し、同日に株式譲渡契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当社グループ(当社及び連結子会社)における研究開発活動は、当社及びPT. FUMAKILLA INDONESIA、Fumakilla Malaysia Bhd.、フマキラー・トータルシステム株式会社、FSブルーム株式会社が行っております。
また、昨年7月にイタリアに「FUMAKILLA EUROPE S.R.L」を設立、本年2月には、欧州市場で殺虫剤等の製造販売事業を手掛け、イタリアの園芸小売店での販売力に強みを持つイタリアの会社「Zapi Industrie Chimiche S.p.A.」の株式を取得し、子会社化いたしましたことにより、ヨーロッパにも開発拠点ができました。
当社は、ひとの命、ひとの暮らし、ひとを育む環境を守る。という経営理念のもと、企画・設計の段階から製造・販売に至るまで、レスポンシブル・ケアの精神に則り、環境負荷を低減した、クオリティの高い商品を社会に提供し、明るく健康で快適な生活環境づくりに貢献します。また、消費者視点に立った新価値創造型商品を開発・上市することで、世界に感動を与え、世界中のお客様から愛される企業になることが我々の企業使命です。この目標に向かい、絶え間なく研究開発を行っております。
日本における研究開発活動
害虫が媒介する感染症の患者数増加や外来生物の日本上陸、そして昨今、猛威を振るうウイルスや細菌による「見えないリスク」に対応する研究開発を国内外の研究拠点と連携し、重点的に実施しています。
くわえて、殺虫用医薬品・医薬部外品をはじめ、農薬・肥料、ウイルス対策剤・除菌剤やアレルギー対策商品に代表される家庭用品及びしろあり駆除・木材保存剤等の研究分野でも、国内外の研究開発機関との共同研究を始め、生物的、化学的、物理的に最新の技術と長年に亘る基礎科学研究と応用開発研究によって、独自の商品開発を行っております。また、世界戦略に基づく知的財産権の権利化を積極的に行っております。
現在の日本における研究開発体制は、開発本部の下に、開発研究部、開発企画部、海外開発研究部及び開発管理室の4部門で構成されており、当連結会計年度における研究開発費用は
事業部門別の研究開発活動は、次のとおりであります。
(1)殺虫剤部門
各種の疾病原因となる害虫の被害から人々を守り、健康で快適な生活環境を確保するため、蚊・ゴキブリ・ハエ等の衛生害虫を駆除する医薬品・医薬部外品殺虫剤、忌避剤をはじめとし、アリ・ハチ・アブ・ムカデ等の不快害虫駆除剤、忌避剤等、安心で使いやすい製剤の研究開発を行っております。殺虫剤開発部門は当社の研究開発の中心でもあり、日々、最新の研究開発に取り組んでおります。
(2)家庭用品部門
キッチン・トイレ・浴槽等の水回り場所、玄関、下駄箱、押入れ・ロフト等、床下から屋根裏までの生活・居住空間と人の身の回りのアメニティを追求し、それらを向上する商品を提供するため、ウイルス対策剤・除菌剤、洗浄・清潔剤、除臭剤、除湿剤、花粉等のアレルギー対策商品等の研究開発を行っております。特に除菌剤と花粉対策商品については、市場を牽引するリーダーとして、お客様のニーズに対応した商品のラインナップに努めております。
(3)園芸用品部門
植物を害虫・病気・冷夏や酷暑といった様々な要因や鳥獣の害から守り、植物の生活環境を人のそれと同様、健康で快適にする商品を提供するため、農薬・肥料等をはじめとし、各種の害虫やナメクジ駆除剤、犬猫忌避剤等の研究開発を行っております。特に園芸用品部門においては、お客様の望まれる、安心安全、脱ケミカル、天然志向などに配慮した商品開発に注力した研究開発を行っております。
また、FSブルーム株式会社では、成田シードセンター(千葉)にて、花の各品種における日本の気候下でのパフォーマンスを調査するとともに、カダンブランドの花苗と薬剤の効力実験などを共同で行なっています。
(4)防疫剤、その他売上部門
健康で快適な生活環境を確保するため、業務(PCO,TCO,公共団体)用の蚊・ゴキブリ・ハエ等の衛生害虫を駆除する医薬品・医薬部外品殺虫剤をはじめ、(社)日本しろあり対策協会認定のしろあり駆除・木材保存剤、チョウバエ、ユスリカに代表される不快害虫駆除剤、床下用調湿剤・機材、その他生活環境保全に関する研究開発も行っております。
家庭用殺虫剤分野で培った製剤技術を応用し、工場、鉄道・航空運輸、店舗等向けの製剤や機器の開発にも注力しております。
東南アジアにおける研究開発活動
東南アジアでは、年中、蚊やハエが生活環境に存在します。熱帯で蚊に刺されることは、重大な疾病感染のリスクにさらされたことを意味します。それはマラリア、デング熱、ジカウイルス感染症、チクングニア熱、日本脳炎など人命に関わる重篤な症状を引き起こす疾病を、蚊が媒介しているからです。従って、何よりも、まず、人命を守る上で、大切な殺虫剤分野に注力して、研究開発を行っています。誰もが使いやすく、本当に効果のある商品を、低価格で、社会の隅々まで、お届けするのが、我々の使命です。
なお、東南アジアにおける当連結会計年度の研究開発費用は
(1)殺虫剤部門
東南アジアの蚊は、日本の蚊と比べると数倍の薬剤抵抗性があります。日本から単純に同じ商品を持っていっても、期待した効果を発揮することはできません。現地の蚊に合わせて効果を発揮する配合処方の開発をする必要があります。実際の生活の場面で、効果をしっかりと発揮する商品を目指して、処方開発、商品形態などの研究開発を行っています。
(2)家庭用品部門
キッチン・トイレの生活・居住空間や車、ロッカー・押入れ・下駄箱等の小空間用として芳香・消臭・脱臭剤等、また、ウイルス対策剤・除菌剤の研究開発も行っております。
その他の研究開発活動
FUMAKILLA INDIA PRIVATE LIMITED及びFUMAKILLA AMERICA,S.A.DE C.V.は、独自の研究開発組織を持たないため、日本のフマキラーの研究開発組織が必要な開発業務をサポートしております。
また、昨年7月にイタリアに「FUMAKILLA EUROPE S.R.L」を設立、本年2月には、欧州市場で殺虫剤等の製造販売事業を手掛け、イタリアの園芸小売店での販売力に強みを持つイタリアの会社「Zapi Industrie Chimiche S.p.A.」の株式を取得し、子会社化いたしましたことにより、ヨーロッパにも開発拠点ができました。