第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当中間連結会計期間(2024年4月1日から2024年9月30日まで)におけるわが国の経済は、個人消費の回復や外出機会の増加などで緩やかな回復基調にある一方、緊迫化する国際情勢や為替動向などは依然として先行き不透明な状況が続いております。

 このような状況の中で、当社グループは「ひとの命を守る。ひとの暮らしを守る。ひとを育む環境を守る。わたしたちは、世界中の人々がいつまでも安心して快適に暮らすことのできる社会づくりに貢献していきます。」という経営理念のもとで、それぞれの国に最適な高効力・高品質の商品を提供し、世界中のより多くの人々に安心を届けることを目指しています。

 特に、この数年でグループ全体の事業領域と欧州展開をはじめとする地理的な拡大が進んだため、それらの経営基盤強化と事業展開のスピードアップを積極的に進めてまいりました。

 その結果、連結売上高は、前年同期比9.3%増の405億50百万円(為替変動の影響を除くと5.6%増)となりました。

 国内売上は、殺虫剤市場の拡大もあり国内向け殺虫剤の売上が伸長した一方で、越境ECの売上が減少したことから、前年同期比2.9%減の154億43百万円となりました。一方、海外売上は、主力のインドネシアやイタリアが現地通貨ベースで前期を上回り、さらに円貨ベースでは円安の影響を受けた結果、前年同期比18.5%増の251億7百万円(為替変動の影響を除くと12.0%増)となりました。

 売上原価は、前年同期比22億32百万円増加し287億52百万円となりました。国内では原材料価格の高止まりによる影響が残っている一方で、海外では原材料価格の高騰がひと段落し価格転嫁も進んできており、売上原価率は0.6ポイント減の70.9%となりました。売上総利益は117億98百万円(前年同期比11.6%増)となりました。

 販管費につきましては、海外での積極的な広告投資や人件費の増加等により、前年同期比11.3%増の101億73百万円となりました。

 これらの結果、営業利益は16億24百万円(前年同期比13.8%増)、経常利益は15億65百万円(前年同期比11.2%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は7億42百万円(前年同期比17.3%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりです。

①日本

 殺虫剤部門では、国内向けの売上が市場の拡大もあり伸長した一方で、越境ECの売上が減少したことから、79億27百万円(前年同期比7億12百万円減、8.2%減)の売上となりました。

 家庭用品部門は、主力のアルコール除菌剤の売上は微増となった一方で、除湿剤の売上が前期を下回ったことなどにより、家庭用品合計の売上高はほぼ前期並みの8億54百万円(前年同期比45百万円減、5.1%減)となりました。

 園芸用品部門は、カメムシ関連商材など園芸用不快害虫商品の売上が前期を上回った結果、園芸用品合計の売上高は、26億21百万円(前年同期比1億72百万円増、7.1%増)となりました。

 防疫剤部門の売上高は、8億86百万円(前年同期比97百万円減、9.9%減)となりました。

 その他の部門の売上高は子会社のフマキラー・トータルシステム㈱のシロアリ施工工事が好調で、33億14百万円(前年同期比2億46百万円増、8.0%増)となりました。

 なお、外部顧客に対する売上高は、156億4百万円(前年同期比4億36百万円減、2.7%減)で、セグメント損失は9億21百万円(前年同期は4億77百万円のセグメント損失)となりました。

 

②東南アジア

 インドネシアやベトナムなどでの売上が現地通貨ベースで前期を上回り、さらに円安の影響を受けた結果、外部顧客に対する売上高は162億98百万円(前年同期比20億73百万円増、14.6%増)となりました。また、セグメント利益は12億89百万円(前年同期比1億27百万円増、11.0%増)となりました。

 

③欧州

 欧州においては、外部顧客に対する売上高は74億98百万円(前年同期比15億64百万円増、26.4%増)となりました。また、セグメント利益は8億34百万円(前年同期比4億11百万円増、97.1%増)となりました。

 

④その他

 インドとメキシコを中心に販売し、外部顧客に対する売上高は11億48百万円(前年同期比2億57百万円増、28.9%増)となりました。また、セグメント利益は1億30百万円(前年同期比67百万円増、107.1%増)となりました。

 

 当社グループの業績は、殺虫剤や花粉対策商品、園芸用品など季節商品の売上構成比が高いため、天候によって大きく影響を受けます。主力商品である殺虫剤については、国内の需要期である夏季に向けた製造・出荷が年前半に集中するため、春先から初秋までの売上高が高くなる一方、需要期を過ぎた10月から1月においては返品が発生する等、季節により売上高や営業損益が偏る季節変動要因があります。

 

(2)資産、負債及び純資産の状況

 当中間連結会計期間末における総資産額は、前連結会計年度末に比べて24億86百万円減少し、598億79百万円となりました。返品資産が5億41百万円、受取手形が2億96百万円、建設仮勘定が2億7百万円増加した一方で、商品及び製品が25億87百万円、売掛金が12億91百万円、現金及び預金が5億49百万円減少したこと等によるものであります。

 負債につきましては、前連結会計年度末と比べて41億37百万円減少し、326億26百万円となりました。主な要因は未払金が15億2百万円、返金負債が13億52百万円、未払法人税等が3億6百万円、長期借入金が2億29百万円増加した一方で、短期借入金が63億70百万円、電子記録債務が8億88百万円減少したこと等によるものであります。

 純資産につきましては、前連結会計年度末と比べて16億51百万円増加し、272億53百万円となりました。主な要因は、為替換算調整勘定が13億67百万円、利益剰余金が3億79百万円増加した一方で、資本剰余金が1億38百万円減少したこと等によるものであります。

 自己資本比率は4.4ポイント増加し41.6%となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5億38百万円減少し、76億33百万円となりました。

 

①営業活動によるキャッシュ・フローの状況

 営業活動によって獲得した資金は68億55百万円(前年同期は88億24百万円の獲得)となりました。これは税金等調整前中間純利益が15億65百万円、減価償却費が8億90百万円、売上債権の減少額が16億81百万円、棚卸資産の減少額が29億51百万円、返金負債の増加額が13億34百万円、仕入債務の減少額が12億26百万円あったこと等によるものであります。

 

②投資活動によるキャッシュ・フローの状況

 投資活動によって使用した資金は6億64百万円(前年同期は4億75百万円の使用)となりました。これは有形固定資産の取得による支出が5億99百万円あったこと等によるものであります。

 

③財務活動によるキャッシュ・フローの状況

 財務活動によって使用した資金は72億69百万円(前年同期は85億71百万円の使用)となりました。これは短期借入金の純増減額の減少が64億24百万円、配当金の支払額が3億62百万円あったこと等によるものであります。

 なお、当中間連結会計期間末における借入金残高は、前連結会計年度末に比べ61億19百万円減少して、88億64百万円となりました。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、4億74百万円であります。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。