第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の異常な変動等又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況

a. 事業全体の状況

当中間連結会計期間(2025年1月1日から2025年6月30日まで)において、国内における物価高に伴う実質賃金の伸び悩み等により個人消費は停滞感が強い状況が続きました。また、国外においては、ロシア、ウクライナ情勢の長期化に加え、米国トランプ政権による通商政策に対する警戒感の高まりが継続するなど、国内外の経済状況は不透明な状況が続いています。

こうした状況の中、当社グループは「グループの総力、アースの明日へ」をスローガンに掲げ、2026年度までの中期経営計画「Act For SMILE COMPASS 2026」に沿って経営を進めています。本計画では、利益、キャッシュの創出(収益力の向上)を最優先課題として国内の構造改革及び日用品のブランド力向上により収益力の強化を図るとともに、現地法人を通じたアジア市場での展開及び中東などへの輸出事業を成長ドライバーと捉え、海外売上高の拡大を目指してまいります。

当中間連結会計期間における当社グループの業績について、虫ケア用品の出荷が好調に推移したことに加え、契約件数や契約金額の増加に伴い、総合環境衛生事業が伸長しました。また、本年2月に株式の追加取得を行った株式会社プロトリーフを連結子会社化したことにより、売上高は1,026億69百万円(前年同期比5.7%増)となりました。利益面では、販売費及び一般管理費は増加しましたが、増収に伴う売上総利益の増加により、営業利益135億54百万円(前年同期比26.0%増)、経常利益136億58百万円(前年同期比20.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益93億76百万円(前年同期比22.7%増)となりました。

 

b. セグメント情報に記載された区分ごとの状況 ※セグメント利益は中間連結損益計算書の営業利益ベース

 

(家庭用品事業)

家庭用品事業においては、中期経営計画に基づいた収益構造改革を行うべく、収益性と将来性を軸にしたブランド・SKUの選択と集中など、ブランド強化と市場拡大を目指した取り組みを進めています。また、海外においては、ASEAN・中国での積極展開と輸出事業の拡大等に取り組んでいます。加えて、原材料価格高騰に対応すべく販売価格の改定などにも努めています。

当中間連結会計期間における当事業の業績については、虫ケア用品が5月中旬以降の気温上昇に伴い出荷が拡大したほか、口腔衛生用品や入浴剤は厳しい競争環境の中、出荷が堅調に進みました。また、タイやマレーシアを中心に、海外売上が拡大したことなどが寄与し、売上高は923億5百万円(前年同期比4.0%増)となりました。利益面では、虫ケア用品における価格改定効果の顕在化や、売上構成の変化などによる売上原価率の改善などがあり、セグメント利益(営業利益)は124億80百万円(前年同期比26.1%増)となりました。

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前中間連結会計期間

当中間連結会計期間

増減額

増減率

虫ケア用品部門

45,994

47,397

1,402

3.1%

日用品部門

33,735

33,405

△330

△1.0%

口腔衛生用品

3,919

4,025

105

2.7%

入浴剤

11,266

11,272

5

0.1%

その他日用品

18,548

18,106

△441

△2.4%

園芸用品部

2,804

5,269

2,464

87.9%

ペット用品・その他部門

6,196

6,233

37

0.6%

売 上 高 合 計

88,730

92,305

3,575

4.0%

セグメント利益(営業利益)

9,897

12,480

2,583

26.1%

 

(注)1.売上高にはセグメント間及びセグメント内の内部売上高又は振替高が含まれており、金額は前中間連結会計期間では7,448百万円、当中間連結会計期間では6,420百万円です。

(注)2.当中間連結会計期間より販売区分の表示方法について、「虫ケア用品部門」に含めておりました「園芸用品部門」の売上を区分して表記しております。なお、「虫ケア用品部門」の前中間連結会計期間の売上高は「園芸用品部門」を区分した数値に遡及して表示しています。

 

 

部門別の主な売上高の状況は次のとおりであります。なお、園芸用品部門を区分表記しており、以下に記載している前年同期比は、遡及後の前年の数値を用いて算出しています。

 

虫ケア用品部門

国内においては、シーズン序盤の天候不順の影響から市場は前年を下回る推移でしたが、5月中旬以降の気温上昇を受けて復調しました。これに伴い、消費者の虫ケア用品に対する購買マインドも回復し、今春発売の新製品『はだまも』をはじめ、虫よけ剤、ゴキブリ用、不快害虫用等の出荷が順調に推移しました。また、今期実施している価格改定について順調に成果として表れており、売上が伸長しました。

海外においては、タイにおける市場シェアの拡大やマレーシアでの好調な出荷が売上成長に寄与しました。

以上の結果、当部門の売上高は473億97百万円(前年同期比3.1%増)となりました。

 

日用品部門

口腔衛生用品分野においては、厳しい競争環境の中、『モンダミン』シリーズや歯科医専売品の順調な出荷により、売上高は40億25百万円(前年同期比2.7%増)となりました。

入浴剤分野においては、市場が前年を上回る中、『きき湯』や『温泡』、『いい湯旅立ち』、また高付加価値商品群の中性重炭酸入浴剤『BARTH』の売上が堅調に推移し売上高は112億72百万円(前年同期比0.1%増)となりました。

その他日用品分野においては、猛暑対策を目的としたシャツミストやネッククーラー等の冷却剤等の売上が伸長した一方、消臭芳香剤や衣類用防虫剤の出荷が前年を下回り、売上高は181億6百万円(前年同期比2.4%減)となりました。

以上の結果、当部門の売上高は334億5百万円(前年同期比1.0%減)となりました。

 

園芸用品部門

園芸用虫ケア用品や除草剤、ガーデニング用の培養土を中心に売上が好調に推移しました。また、当中間連結会計期間より連結した株式会社プロトリーフの売上が寄与しました。

   以上の結果、当部門の売上高は52億69百万円(前年同期比87.9%増)となりました。

 

ペット用品・その他部門

ペット用品分野においては、飼い主のペットに対する健康意識の高まりやペットの住環境の充実等を受け、一頭あたりにかける費用は増加傾向にあり、ペット関連市場は好調さを維持しています。こうした状況下、ペット用虫ケア用品の売上は前年を下回りましたが、ケア用品や機能性フードの売上が伸長しました。

その他分野において、MA-Tや清涼飲料水『アースコロイダルシリカ』などの売上が好調に推移しました。

以上の結果、売上高は62億33百万円(前年同期比0.6%増)となりました。

 

 

(総合環境衛生事業)

総合環境衛生事業においては、食品や医薬品、医療についての安全基準に対する国際調和の流れや、国内における法改正、異物混入事故の発生などを背景に、食品関連工場や医薬品関連工場、包材関連工場における当社グループの専門的な知識や技術、ノウハウをもって提供する高品質な衛生管理サービスへのニーズは依然として高い状況にあります。外部環境では、製造業における設備投資の増大が追い風となった一方、世界情勢の悪化により人件費の上昇や資機材の価格高騰が加速しています。

こうした中、差別化された衛生管理サービスを提供するために、専門性や技術開発力の強化に向けた投資を積極化し、契約の維持・拡大と適正な利益の確保に努めました。特に、食品工場における製造ラインの清掃業務においては、安全に十分に配慮しながらも適正な利益確保を図りました。また、JFS規格適合証明では監査件数が増大、新規格JFS-B Plusにおける初の監査会社に登録されました。研究開発分野においては、分析センター東日本ラボを千葉県千葉市に移転・集約し、ライフサイエンス分野向けの検査設備を拡充しています。

当中間連結会計期間における当事業の業績については、年間契約件数の増加により売上が伸長した結果、売上高は168億89百万円(前年同期比6.4%増)となりました。利益面では、原価率の上昇や人財への積極投資に伴う人件費の増加などがあり、セグメント利益(営業利益)は8億87百万円(前年同期比12.7%減)となりました。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前中間連結会計期間

当中間連結会計期間

増減額

増減率

売 上 高

15,880

16,889

1,009

6.4%

セグメント利益(営業利益)

1,016

887

△129

△12.7%

 

(注)  売上高にはセグメント間及びセグメント内の内部売上高又は振替高が含まれており、金額は前中間連結会計期間では65百万円、当中間連結会計期間では104百万円です。

 

(2) 財政状態の状況

(流動資産)

当中間連結会計期間末における流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べて198億89百万円増加し、949億63百万円となりました。これは主に、現金及び預金が11億95百万円、季節要因により売上債権が173億2百万円、棚卸資産が13億94百万円増加したことによるものです。

 

(固定資産)

当中間連結会計期間末における固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べて9億18百万円減少し、596億44百万円となりました。これは主に、のれんが2億70百万円、投資有価証券が7億10百万円、退職給付に係る資産が2億62百万円増加した一方、建物及び構築物が9億93百万円、土地が11億4百万円減少したことによるものです。

 

(流動負債)

当中間連結会計期間末における流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べて125億85百万円増加し、704億63百万円となりました。これは主に、未払金が18億19百万円減少した一方、仕入債務が39億59百万円、短期借入金が24億20百万円、未払法人税等が34億11百万円、返金負債が7億34百万円その他流動負債が19億43百万円増加したことによるものです。

 

(固定負債)

当中間連結会計期間末における固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べて1億96百万円減少し、29億9百万円となりました。これは主に、長期借入金が2億25百万円増加した一方、繰延税金負債が3億99百万円減少したことによるものです。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べて65億81百万円増加し、812億34百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益の計上などにより利益剰余金が67億63百万円増加したことによるものです。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

① 現金及び現金同等物

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して8億50百万円増加し、176億26百万円となりました。

 

② 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果、増加した資金は32億72百万円(前年同期は151億99百万円の増加)となりました。この主な内容は、税金等調整前中間純利益137億40百万円(同 113億58百万円)、減価償却費21億83百万円(同 21億82百万円)、売上債権の増加167億20百万円(同 136億38百万円の増加)、仕入債務の増加35億55百万円(同 111億97百万円の増加)、法人税等の支払額12億71百万円(同 13億64百万円)であります。

 

③ 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果、減少した資金は9億74百万円(前年同期は27億10百万円の減少)となりました。この主な内容は、有形固定資産の取得による支出14億91百万円(同 22億74百万円)、有形固定資産の売却による収入17億14百万円(同 2億73百万円)、無形固定資産の取得による支出5億78百万円(同 4億35百万円)、定期預金の預入れによる支出3億55百万円(前年同期はゼロ)であります。

 

④ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果、減少した資金は8億82百万円(前年同期は69億67百万円の減少)となりました。この主な内容は、短期借入金の純増額20億30百万円(同 30億円の減少)、非支配株主への配当金の支払額1億73百万円(同 1億74百万円)、配当金の支払額26億13百万円(同 26億10百万円)であります。

 

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループの対処すべき課題に重要な変更はありません。

 

(7) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費は16億18百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(8) 主要な設備

当中間連結会計期間において、次の主要な設備を売却しており、その内容は次のとおりであります。

事業所名
(所在地)

セグメント
の名称

設備の内容

期末帳簿価額
(百万円)

売却年月

掛川工場

(静岡県掛川市)

家庭用品
事業

土地・建物

1,077

2025年3月

 

 

 

(9) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、営業活動から得られる自己資金、金融機関からの借入などを資金の源泉としております。また、当社及び国内連結子会社間でキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しており、各社の余剰資金を当社へ集中して一元管理を行うことで、資金の流動性の確保と資金効率の最適化に努めております。

設備投資やM&Aなどに伴う長期的な資金需要については、資金需要が見込まれる時点で、内部留保に加え、金融機関からの長期借入及びエクイティ・ファイナンスなどを活用して対応しております。また、運転資金など短期の資金需要については、自己資金及び短期借入を充当しております。

今後に向けては、構造改革を断行する資金を投じつつ、中長期に持続的な成長を図るための投資として、IT・DX投資を含む設備投資を積極的に推進するとともに、国内外を問わず事業規模・領域の拡大、適切な収益の確保及びキャッシュ・フローの創出に貢献するM&Aの実施を検討します。これら投資の際には、資本コストや投資採算性を十分に考慮するものといたします。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。