第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1)経営方針

当社グループは、社会に対するSERVICE(奉仕)とTRUST(信頼)を信条とし、お客様に最も信頼される製品やサービスを提供することにより、社会に貢献することを経営理念としています。社是「誠実」を実践していくために、昨年には、パーパス「こころに響くアイデアで、ふとした瞬間を、ふふっと笑顔に。」を策定しました。当社はこれまで、日常生活の「不」を解消することを主要な提供価値としてまいりましたが、これからはこれを一歩進め、世界中の人々のこころ安らぐ健やかな、笑顔ある生活の実現に向け、多様な付加価値を提供していける企業を目指してまいります。パーパスに従って、いつもお客様のことを第一に考え、お客様のニーズに迅速かつ丁寧に対応できるスピード経営を実現してまいります。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題

当社グループを取り巻く経営環境は、原材料の価格高騰、急激な為替変動、地政学上のリスクに加え、アメリカ合衆国をはじめとする主要国における関税政策の見直し等、先行き不透明な状態が依然として続いています。この関税措置による事業及び業績への影響は、現時点での生産面における原材料の調達等大きな影響は起きていないものの、それに伴う世界経済への影響、不透明な要素があり、予断を許さない状況が続くものと思われます。また、国内人口の減少と少子高齢化の進行、地球規模の気候変動、経済・社会のグローバル化の進展と変容、そして企業に対するサステナビリティへの要請は、ますます高まりを見せています。このような、予測困難な時代に当社が持続的に成長を遂げていくためには、従前の事業モデルに囚われることなく、成長戦略と経営体質強化を両輪として推進する必要があります。変化に柔軟に対応し、安定的なサプライチェーンの構築、さらには収益構造の見直しを図ることで、企業価値最大化に向けた好循環をつくり、企業経営、地球環境両面で持続可能な成長を実現してまいります。

 

 

(3)戦略

当社グループは、持続可能な社会課題への貢献と事業成長を目指し、パーパス及びサステナビリティ方針に則り、中長期経営戦略『SMILEプラン』を策定し、「日用品メーカーからウェルネス・カンパニーへ」という10年後のありたい姿を掲げ、「かおり×ウェルネス×グローバル」を中長期の成長テーマに定めています。

 

(中期経営計画 初年度進捗概況)

2024年4月からスタートした3ヵ年の中期経営計画「SMILE 2027」(2025年3月期~2027年3月期)では、「既存ビジネスの拡充」「既存ビジネスの進化」「BtoB・海外チャネル強化」「新規ビジネスの創出」の成長マトリックスに基づいた4象限の戦略を軸に、「かおり×ウェルネス」領域でお客様から圧倒的に支持される価値の創出と、既存事業の効率化で将来投資に向けた原資を確保します。また、持続的な成長を支える足腰強化に取り組み、2027年3月期にROE8%以上を目指しています。初年度を終え、全体戦略及び全社数値目標に変更は有りませんが、当初想定していた計画とのギャップを埋めるため、更なるコスト削減や、価格政策、マーケティング費用の見直し・追加施策の実行をしてまいります。また、社内外での部門横断型プロジェクトによる新たな価値を創造する事業開発や商品開発の追加施策も実行してまいります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの最初のステップにおける目標は、グローバル市場で戦える基盤を拡充することに注力します。メリハリのある事業ポートフォリオを再構築することで収益確保し、持続的な成長を支える足腰を強化し、「かおり×ウェルネス」で新しい価値を創造します。中期経営計画「SMILE 2027」における初年度の2025年3月期は目標未達も、追加施策や新規取り組みを実行することで、2027年3月期の目標は据え置きとなります。

2027年3月期(2025年3月期)

・財務目標  売上高      565億円(481億円)

営業利益     40億円(16億円)

営業利益率     7.1%(3.4%)

EBITDA      54億円(31億円)

ROE        8.3%(8.6%)

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

当社グループはサステナビリティ方針として、「環境・社会のサステナビリティは経済活動の基盤であり、それなくしてお客様の快適で豊かな暮らしも、企業の存続もありません。当社グループはそのことをよく認識し、環境との調和、社会に対する公正さに努めるとともに、独自のエアケア中核技術を通して、人々の暮らしに快適さと豊かさを提供します。」と定め、事業活動を通したサステナビリティの実現に取り組んでいます。

(サステナビリティ方針について詳しくはHPをご覧ください。https://www.st-c.co.jp/sustaianbility/policy.html)

 

(1)ガバナンス

当社グループは、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視・管理するためのガバナンス体制として、代表執行役社長を議長とし、執行役で構成される「サステナビリティ会議」を設置しています。「サステナビリティ会議」の傘下には、各リスク及び機会を評価・管理する下部委員会として、「リスク管理委員会」、「人権コンプライアンス委員会」、「環境委員会」、「責任ある調達委員会」、「PL委員会」及び「全社労働安全衛生委員会」を設置しています。「サステナビリティ会議」は、四半期に1回開催され、各委員会での決定事項や審議事項は「サステナビリティ会議」へ報告され、「サステナビリティ会議」から「取締役会」へ報告されます。

ガバナンス体制図は、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要 2.企業統治の体制」をご参照ください。

 

(2)戦略

当社グループは、中期経営計画「SMILE 2027」を策定し、成長に向け、特にグローバル市場で戦える基盤を拡充することに注力しています。当社グループでは、「SMILE 2027」を達成するべき経営重要課題「マテリアリティ」をその特定プロセスに従い、特定しています。特定した「マテリアリティ」に基づき立案された施策の実施に取り組み、「SMILE 2027」の達成を目指します。その中で、持続可能な成長を支える基盤強化として、特に人的資本や環境などサステナビリティリスクに関わるリスクとして重視し、取り組んでいます。2023年にサステナビリティ方針を策定し、審議、決定の場としてサステナビリティ会議を設置、基盤づくりを進めてきました。引き続き、サステナビリティ基盤を強化し、とサステナビリティ関連のリスク及び機会への対応を推進していきます。

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(3)リスク管理

サステナビリティに関するリスク・機会について審議する機関である「サステナビリティ会議」を設置しています。「サステナビリティ会議」の下部には、各リスクを評価・管理する委員会として、「リスク管理委員会」、「人権コンプライアンス委員会」、「環境委員会」、「責任ある調達委員会」、「PL委員会」及び「全社労働安全衛生委員会」を設置しています。

・「リスク管理委員会」では、全社ERMとして社内からリスク抽出・評価しています。評価の結果、特に重要なリスクについて責任者設定、施策を決定し、対処に取り組んでいます。

・2024年は国内自社工場を対象に、国際基準を用いた第三者によるCSR監査を実施しました。抽出されたリスクについて是正に取り組んでいます。

・全社ERMやCSR監査、その他抽出したリスクに対して、下記を特に重要な課題として対策を実施しています。

① 環境マネジメント整備・強化

② 人財戦略の整備・強化

 

(4)指標及び目標

環境(気候変動)、人財に関するリスクを重要な課題として、「SMILE 2027」において3ヵ年目標を設定しています。

① 環境(気候変動)

気候変動について、Scope1+2排出量について、再エネ由来電力の調達に注力した結果、電力調達における再エネ由来電力の調達が進んだ結果、GHG排出量削減につながりました。「Scope3開示」にむけては、まず国内グループ会社を対象に、ホットスポット特定を目的としたGHG排出量の概算を実施しました。Cat1(購入した製品・サービス)とCat12(販売した製品の廃棄)がホットスポットであるため、引き続き、Scope3の実績算定の精度向上と削減施策として「商品設計における環境負荷(GHG排出)低減」を検討していきます。

 

② 人的資本(人財)

人的資本(人財)の取り組みとして、「イノベーションを起こせる人財の確保・配置」や「DE&Iを推進する人財の育成」、「従業員エンゲージメントの向上」、「労働生産性の向上」を目指し、人財の獲得や育成に取り組んでいます。多様なイノベーション人財の育成として、若手育成プログラム「NEXT」を第3期まで実施し、従業員の主体性や自主性を促進する研修へシフト、戦略遂行に必要な専門性の高いキャリア人財採用を促進しました。引き続き、イノベーション創出に必要なインプットと体験として、次世代リーダー候補の実践機会の創出やイノベーションに必要な知識・スキルの習得機会の拡充をしていきます。

 

 

第77期

(2024年3月期)

第78期

(2025年3月期)

第80期目標

(2027年3月期)

気候変動/CO2(GHG)排出削減

S1+S2

1,497t-CO2

S1+S2

999t-CO2 ※

Scope3開示

資源循環/プラスチック削減

Scope3概算算定した結果、Cat1(購入した製品・サービス)とCat12(販売した製品の廃棄)がホットスポットであるため、商品設計として「環境負荷(GHG排出)低減」を検討

働くことにやりがいを感じる

71.3%

79.8

80

ワークライフバランスの満足度

73.3%

73.8

80

パフォーマンス発揮度

81.6%

86.3

85%以上

女性管理職比率(単体)

22.1%

(2024年4月1日時点)

22.3

(2025年4月1日時点)

30

(2027年4月1日時点)

(注)1.「気候変動/CO2(GHG)排出削減」の第78期の数値は、第三者保証前の数値を記載しています。

2.「気候変動/CO2(GHG)排出削減」及び「資源循環/プラスチック削減」は、単体及び国内連結子会社を対象としています。

3.「働くことにやりがいを感じる」、「ワークライフバランスの満足度」及び「パフォーマンス発揮度」は、単体及び国内連結子会社の一部を対象としています。

4.当社エンゲージメント調査結果(従業員が病気やケガがない普通の状態のときの仕事のパフォーマンスを100%としたときに。過去4週間の自身の仕事のパフォーマンス評価)を記載しています。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

<リスクマネジメントの基本方針>

当社グループは、業務から生じるリスクを一定の範囲内にとどめるリスク管理活動が極めて重要との認識のもと、リスクを適切に把握・管理する体制を整備し、管理していくことを、リスク管理の基本的な考え方としています。当社が認識するリスクとして、経営リスク、気候変動リスク、災害・事故リスク、その他当社の事業目的を阻害する要因を定義し、適切に対応することにより、未然防止及び発生時の影響の極小化と再発防止を図ります。

 

<リスクマネジメント体制>

当社グループは、リスク管理活動を適切に実施するために、グループ横断的な体制としてサステナビリティ会議を設置し、当社グループ共通のサステナビリティ会議規程を定め、各社に責任者を置くこととしています。

執行役は、当社グループにおいて顕在化しているリスクに関する重要な事項及びリスク管理全般に関する重要な事項を発見した場合、リスク管理委員会及び監査委員会に対して報告することとしています。サステナビリティ会議で審議され議長から指摘及び提言を受けた担当執行役は、かかる指摘及び提言に関して執った、又は執ろうとしている対応策を遅滞なく議長及び内部監査部門の監査室室長に報告することとしています。サステナビリティ会議の議長は、サステナビリティ会議において審議、決定された事項を取締役会、執行役会及び関連部署に報告、通知し、その活動状況を監査委員会に定期的に報告することとしています。

 

(1)競争環境の激化のリスク

当社グループの属する日用雑貨業界は、競合他社や新規参入者との間で常に厳しい競争が行われています。このような状況下において、当社グループが競争環境に的確に対応ができない場合は、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これに対応するため、当社グループは、市場や消費者のライフスタイルの変化によるニーズの分析などを実施し、高付加価値商品の提供、商品ラインナップ、訴求方法の見直しなど、競合環境への対策を行うとともに、WEB、CMと連動した店頭展開などにより、生活者の価値の創造に取り組み、事業成長につなげてまいります。そして、資本コストを意識した経営を実現するため、事業ポートフォリオの不断の見直しを行っていくとともに、資本政策についても常時検討を行ってまいります。

 

(2)新規事業・資本業務提携の影響

当社グループは、利益を伴った永続的成長のためには、リスクを管理しつつ、新しい事業に取り組んでいく必要があると考えており、事業戦略の一環として、戦略的提携や企業買収を行うことがありますが、事後に予期せぬ障害や状況の変化が生じる可能性があり、これにより当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これに対応するため、資本業務提携や、M&Aの実施にあたっては、事前のデューデリジェンスなどによる企業分析、情報分析を実施することで投資後のリスク低減を図り、事業シナジー創出に向けた各分野での社内分科会等を実施しています。

 

(3)海外事業リスク

当社グループは国内4拠点の他、タイ、台湾を中心とした海外に生産拠点を有しています。事業を継続・拡大していくうえで、予期せぬテロ、内乱、自然災害、感染症の流行、人権問題等の経済的・政治的・社会的な突発事象が発生した場合には事業活動が制約され、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これに対応するため、各国、地域における政治・経済の情勢や法規制等の動向について各方面からの情報収集を行い、環境変化に対応できるように努めています。

 

(4)サプライチェーンのリスク(製品・原材料調達・販売等)

当社グループの製品はプラスチック容器、フィルム等のプラスチック樹脂加工品などの石油製品及びエアゾール缶等の鉄鋼製品の占める比率が高く、これらの原材料の調達にあたっては国内外のサプライヤーから購入しています。しかしながら、気候変動や国際的な需要拡大による需要変化や、原油価格の高騰や円安の進行により、これら素材価格の高止まりが長期化した場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、取引先は、上流の原材料仕入から下流の小売・流通チャネルまで多岐にわたり、社会情勢の影響で大きく変化し、この変化に的確に対応ができない場合は、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これに対応するため、複数購買、グローバル購買などによる原材料調達価格の安定化を進めるほか、代替品の検討を進めることで、物流の寸断等による長期欠品、廃番リスクの低減を図っています。このほか、原材料価格の高騰部分の販売価格への転嫁などを行うとともに、為替変動については、一定の基準による為替予約などにより、影響を最小限に抑えるようにしています。

また、不安定な事業環境の変化に対応するため、日用品メーカーが物流や商品供給に関する社会問題に取り組む目的で設立された業界団体である「日用品サプライチェーン協議会」へ当社も参加し、業界の物流効率化に向けた活動を共同で行うことに加え、当社グループ内の調達・生産・出荷・配送を含むサプライチェーンの再編に着手しています。

「調達方針」・「エステーグループ責任ある調達ガイドライン」に基づき、責任ある調達活動を推進しています。サプライチェーンにおける人権・労働、環境等のCSRリスク回避として、サプライヤーへ自己評価アンケート(SAQ)を実施しています。

 

(5)気候変動等(天候不順)による販売のリスク

当社グループが販売している商品には、防虫剤や除湿剤、カイロなど、売上高が天候に大きく左右される品目が存在します。天候不順によって、これらの品目の業績が予想より低迷する可能性があります。

これに対応するため、事業活動において、過去からの気候変動データを活用した分析・予測を行い、リスク低減を図っています。また、特に気候変動の影響を大きく受ける冬期商材であるカイロについては、天候に左右されにくいヘルスケア分野など、温熱技術を活かした通年商品の開発を通して、新たな価値の提案を進めています。

 

(6)公正な事業慣行(環境規制、理念・行動規範の浸透・インターナル等)

当社グループでは法令や諸規則、倫理・社会規範のほか、理念・行動規範の浸透を徹底していますが、諸規則の変更対応や浸透の徹底が不十分である場合は、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これに対応するため、倫理基準、行動規範を定め、人権コンプライアンス委員会において、グループ各社への周知を図るとともに、コンプライアンス知識の醸成と徹底するための教育や、海外子会社を含めたコンプライアンス意識調査などを実施し、公正な事業慣行の推進に取り組んでいます。特に原材料の購入先企業各社との間の公正取引の実現に向けて、年に一度パートナーズミーティングを開催してコミュニケーションを図るとともに、人権コンプライアンス委員会を通じて下請法等関係法令の趣旨の徹底と法令遵守体制の整備拡充を図っています。

 

(7)お客様対応(品質・消費者課題)

当社グループは、お客様への安心・安全な製品・サービスの提供を心がけていますが、製品の設計、品質不良や、お客様の誤使用による想定外の製品事故等が発生した場合は、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これに対応するため、製品品質については、関連法令を遵守するとともに、品質管理基準を設けることにより、製品の開発、設計、資材の受け入れ、製造段階における品質確認体制を構築しています。また、製品の発売後においては、お客様相談室に寄せられたお客様の声を活かし、製品開発やサービスの改善に取り組んでいます。

当社グループは新しい商品・サービスを通じてより多様で高い付加価値を実現するために、当社ならではの独自技術を獲得、増強していくために、会社の様々な機能の中でも研究開発・製造機能の強化に優先的に取り組んでまいります。

 

(8)情報管理・システムのリスク

当社グループは、機密情報等の情報資産について、社内の管理体制を整備していますが、万一情報漏洩等の不測の事態が生じた場合は、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これに対応するため、リスク管理委員会において経営機密情報や研究開発、製造、マーケティング、販売等に関する機密情報、個人情報の取り扱いについて、情報取扱基準や個人情報保護基本規程等を策定し、厳重な管理と情報漏洩防止に努めるとともに、社内教育を徹底しています。また、ITセキュリティにつきましては、外部専門家による助言をもとにしたITセキュリティ規程を策定し、対策を実施しています。今後、生成AIの積極的な活用を図っていくにあたっては、セキュリティ面の対応についても遺漏なく取り組んでまいります。

 

(9)重要な訴訟のリスク

現在、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されていませんが、将来、重大な訴訟が発生し、当社グループに不利な判断をされた場合は、事業活動における制限や、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらに対応するため、製品や事業に関わる各種法令の遵守、契約の締結、知的財産権の調査等を実施し、訴訟等の発生を未然に防ぐよう努めています。なお、訴訟等の事案が発生した場合に、適切かつ迅速に対応できるよう、弁護士等の外部機関に相談できる体制を構築しています。

 

 

(10)災害・事故・感染症等に関するリスク

各地域で大地震や大規模自然災害、火災、事故等が発生した場合には、人的・物的被害の他、市場への製品供給に大きな影響が生じる場合があり、事業活動が停滞・中断する恐れがあります。また設備への被害が生じた場合には、その修復、再構築等に多額の費用を要し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらに対応するため、地震等の災害や事故発生に備えて、BCM基本方針書及び事業継続計画(首都圏直下型地震BCP・感染症BCP)を策定するとともに、生産拠点の分散化により、製造への影響を最小化し、事業が継続できるよう組織的に対応できる体制を構築しています。先の能登半島地震を見ても、災害予防に万全ということはなく、むしろ「備災」の観点からBCP体制の不断の見直しを行ってまいります。

感染症、台風などによる洪水被害、原材料価格の高騰、急速な為替変動、地政学上のリスクなどによる事業活動及び業績への影響は、生産面において原材料の調達等大きな影響は起きておらず、販売面の影響は家庭内消費財が多いため限定的です。但し、さらなる事態が長期にわたり継続することや深刻化した場合、原材料等の調達や生産活動の遅延や停止、販売活動の低下なども想定されることから、事業活動及び業績に影響を及ぼす可能性があります。個別の対策にとどまることなく、事業構造の大胆な見直しについても例外とせず視野にいれて、事業環境の変化に対応してまいります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善、インバウンド需要の復調などを背景に緩やかな回復基調が続いたものの、物価高による実質賃金が低迷し、個人消費が伸び悩みました。一方海外においては、ウクライナ、中東情勢を巡る地政学的リスクや中国経済の減速に加え、関税をはじめとする米国外交・通商政策の不確実性など、依然として先行きに対する不透明感は継続しています。

こうした状況の中、当社グループは、パーパスを軸とした全員経営の下、持続的成長を可能にするために、「成長けん引事業に注力」「主力事業の回復」「原価高騰対策の取組み」「ESG時代を生き抜くための基盤作り」に注力しました。

当連結会計年度の経営成績は以下のとおりです。

<売上高>

売上高は481億14百万円(前期比8.2%増)となりました。これは2024年6月3日に花王株式会社より「ニャンとも清潔トイレ」事業を譲り受け、事業拡大したペットケアが大きく貢献した他、主要カテゴリーであるエアケアが伸長したことによるものです。

<売上総利益>

売上総利益は179億28百万円(同9.2%増)となりました。これは原材料の値上げや円安による仕入コストの上昇により売上原価が増加したことや、売上控除のリベートが増加したものの、主要品目を値上げした他、高付加価値が伸長したことで売上構成が改善し、増益となりました。

<販売費及び一般管理費、営業利益>

販売費及び一般管理費は162億69百万円(同7.9%増)となりました。これは新規事業投資による一時費用や減価償却費が増加した他、人件費等が増加したためです。その結果、営業利益は16億58百万円(同23.6%増)となりました。なお、売上高営業利益率は前期から0.4ポイントプラスの3.4%となりました。

<営業外収益、営業外費用、経常利益>

営業外収益は前期に比べ為替差益が増加したものの、受取保険金が減少し5億22百万円(同19.1%減)となり、営業外費用は前期に比べ支払利息が増加し97百万円(同70.4%増)となりました。この結果、経常利益は20億84百万円(同8.0%増)となりました。

<税金等調整前当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益>

特別利益に近畿支店の売却による固定資産売却益や、株式会社シャルダンの吸収合併による負ののれん発生益を計上した結果、税金等調整前当期純利益は37億63百万円(同94.6%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は28億34百万円(同122.4%増)となりました。

 

当社グループの事業セグメントは、「生活日用品事業」の単一セグメントですが、カテゴリー別の業績は以下のとおりです。

<カテゴリー別売上高>

 

 

(単位:百万円)

カテゴリー

金   額

構 成 比

増 減 率

エアケア(消臭芳香剤)

21,109

43.9%

4.2%

ペットケア(猫用トイレ用品)

3,596

7.5%

-

衣類ケア(防虫剤)

6,834

14.2%

△4.3%

ホームケア(フードケア・クリーナー他)

4,330

9.0%

4.3%

湿気ケア(除湿剤)

2,763

5.7%

△4.1%

サーモケア(カイロ)

4,095

8.5%

△3.0%

ハンドケア(手袋)

5,384

11.2%

△4.8%

合計

48,114

100.0%

8.2%

(注)対前期増減率はペットケア(猫用トイレ用品)組替後の数値と比較しています。ペットケア(猫用トイレ用品)の対前期増減率は1,000%を超えるため「-」と表記しています。

 

<エアケア>

エアケア(消臭芳香剤)は、高付加価値品の強化に向けた取り組みを進めました。「消臭力 Premium Aroma」シリーズが伸長した他、前期発売した心地よい空間づくりをサポートする寝室用フレグランス「消臭力 Premium Aroma For Sleep 寝室用」や「消臭力 コンパクト」の貢献や、化学的消臭によって悪臭をしっかりと消臭する無香タイプの「消臭力クリアビーズ イオン消臭プラス」が好調に推移し、売上高は211億9百万円(前期比4.2%増)となりました。

<ペットケア>

ペットケア(猫用トイレ用品)は、「ニャンとも清潔トイレ」事業を譲り受けたことにより全体に占めるペット事業の重要性が増したため、前期ペット事業が含まれていたホームケア(フードケア・クリーナー他)のカテゴリーから独立して表示しています。「ニャンとも清潔トイレ」ブランドを活用したペットケア事業の更なる強化に取り組んだ結果、売上高は35億96百万円(前期の売上高は1億65百万円)となりました。

<衣類ケア>

衣類ケア(防虫剤)は、停滞気味の市場を活性化する取り組みを進めました。“清潔感”と“シンプル”がテーマの「ムシューダ NOTE」に新たに「引き出し・衣装ケース用」を追加、「ムシューダ Premium Aroma」シリーズでは上質で可憐な金木犀の香りを新たに発売し、市場活性化に努めたものの、店頭露出低下により「ムシューダ クローゼット用」「ムシューダ ウォークインクローゼット専用」といった既存の主力品が低迷し、売上高は68億34百万円(前期比4.3%減)となりました。

<ホームケア>

ホームケア(フードケア・クリーナー他)は、フードケア商品やクリーナーを中心に新規顧客拡大への取り組みを進めました。米価格高騰から備蓄に対する関心が増え、虫からお米を守る「米唐番」が堅調に推移した他、気になる汚れを簡単・きれいに“泡”でふき取り、手軽に使えるスニーカー専用洗剤「洗浄力 水のいらない スニーカークリーナー」が貢献し、売上高は43億30百万円(同4.3%増)となりました。

<湿気ケア>

湿気ケア(除湿剤)は、収納形態の変化に対応した取り組みを進めました。ムシューダとの売場同時展開で衣類の収納ケア対策を提案し、つめかえできる省ゴミタイプの「ドライペットコンパクト」が伸長した一方、原材料価格の上昇に応じた販売価格の見直しにより除湿剤の需要が抑えられた他、前期から継続して高付加価値品へシフトを進めたことにより使い捨てのタンクタイプが減少し、売上高は27億63百万円(同4.1%減)となりました。

<サーモケア>

サーモケア(カイロ)は、今冬の気温の影響によりシーズン後半にかけて市場が回復したものの、前シーズンの返品が見込みより多かった影響や、他社との差別化ができず既存の使い捨てカイロがメインになり、需要の掘り起こしができなかった結果、売上高は40億95百万円(同3.0%減)となりました。

<ハンドケア>

ハンドケア(手袋)は、他社と差別化を図ったデザイン性や環境対応への提案で市場を活性化する取り組みを進めました。衛生意識の高まりによる需要が落ち着いたこともあり、海外向けの手袋が落ち込み売上高は53億84百万円(同4.8%減)となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して10億82百万円増加し、458億43百万円となりました。主な要因は、売掛金の増加7億29百万円、流動資産のその他の増加3億71百万円、のれんの増加12億29百万円、商標権の増加20億47百万円、現金及び預金の減少36億67百万円等です。

負債は、前連結会計年度末と比較して16億46百万円増加し、126億6百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加2億74百万円、電子記録債務の増加5億14百万円、未払法人税等の増加2億88百万円等です。

純資産は、前連結会計年度末と比較して5億63百万円減少し、332億36百万円となりました。主な要因は、資本剰余金の増加64億74百万円、利益剰余金の減少47億28百万円、自己株式の増加22億91百万円等です。

以上の結果、自己資本は325億67百万円、自己資本比率は前連結会計年度末と比較して3.1ポイント減少し、71.0%となりました。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資産の流動性

① キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して36億91百万円減少し、98億85百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは32億95百万円の収入(前年同期は16億44百万円の収入)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益37億63百万円、減価償却費13億45百万円、仕入債務の増加額7億38百万円であり、支出の主な内訳は、負ののれん発生益11億1百万円、売上債権の増加額7億14百万円です。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは47億85百万円の支出(前年同期は9億81百万円の支出)となりました。主な収入の主な内訳は、有形固定資産の売却による収入8億84百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出6億98百万円、無形固定資産の取得による支出3億28百万円、事業譲受による支出46億83百万円です。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは24億19百万円の支出(前年同期は11億64百万円の支出)となりました。主な支出としては長期借入金の返済による支出12億89百万円、配当金の支払9億36百万円です。

 

② 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、主に営業活動から得られる自己資金及び金融機関からの借入を資金の源泉としています。設備投資並びにM&A等の事業投資の長期資金需要につきましては、資金需要が発生した時点で、自己資金はもとより、金融機関からの長期借入等、金利コストの最小化を図れるような調達方法を検討し対応しています。また、短期の運転資金需要につきましては、営業活動から得られる自己資金により賄っています。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は6億96百万円となっており、借入金については当社連結子会社における運転資金及び製造設備改修のための資金で、全て金融機関からの借入となっています。当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は98億85百万円です。

 

(3)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における財政状態及び経営成績の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

(4)当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因

経営成績等に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

(5)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、2024年4月からスタートさせた3ヵ年の中期経営計画「SMILE 2027」で掲げている2027年3月期における財務目標を指標としています。中期経営計画の初年度の当連結会計年度(第78期)の財務事項の取組みについては、以下のとおりに進捗しています。

財務目標

第77期

(2024年3月期)

第78期

(2025年3月期)

第79期目標

(2026年3月期)

第80期目標

(2027年3月期)

第78期⇒第80期

増減

売上高(億円)

444

481

527

565

+83

営業利益(億円)

13

16

25

40

+23

営業利益率(%)

3.0

3.4

4.7

7.1

+3.6

EBITDA(億円)

26

31

43

54

+22

ROE(%)

3.9

8.6

4.8

8.3

△0.4

 

高収益な企業を目指してブランド価値経営を推進することで、経営環境の変化に左右されない強い事業基盤を構築し、企業と社会の相乗発展を実現してまいります。

 

 

(6)生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当社グループは「生活日用品事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前期比(%)

生活日用品事業(百万円)

31,833

103.3

 (注)1.金額は主として製販価格により表示しています。

2.当社は生産の一部を外注しています。

 

② 商品仕入実績

当社グループは「生活日用品事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の商品仕入実績は、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前期比(%)

生活日用品事業(百万円)

1,064

97.2

 (注)金額は主として実際商品仕入金額により表示しています。

 

③ 製品仕入実績

当社グループは「生活日用品事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の製品仕入実績は、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前期比(%)

生活日用品事業(百万円)

12,525

132.5

 (注)1.金額は主として実際製品仕入金額により表示しています。

2.当連結会計年度において、2024年6月3日付で花王株式会社より猫用システムトイレ「ニャンとも清潔トイレ」に関する事業を譲り受けたことに伴い、当該製品の仕入が増加しています。

 

④ 受注実績

当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

 

⑤ 販売実績

当社グループは「生活日用品事業」の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

前期比(%)

生活日用品事業(百万円)

48,114

108.2

 (注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱PALTAC

16,138

36.3

16,793

34.9

㈱あらた

11,093

24.9

11,755

24.4

 

 

(7)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、資産・負債及び収益・費用の報告数値及び開示に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。これらの見積り及び判断を過去の実績や状況に応じ合理的に行っていますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

個々の項目については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えています。

① 有価証券

当社グループでは、その他有価証券のうち、取得原価に比べ時価又は実質価額が著しく下落したものについては、回復可能性があると判断される場合を除き、減損処理を行っています。市場価格のない株式等以外のものについては、決算日現在の時価が取得原価に比べて30%以上下落した場合には回復可能性はないものと判断し、減損処理を行っています。市場価格のない株式等については、発行会社の財政状態の悪化により、実質価額が取得原価に比べて50%以上下落した場合には、回復可能性があると判断できる場合を除き、減損処理を行っています。経営者は、回復可能性の判断が適切なものであると判断していますが、回復可能性ありと判断している有価証券についても、将来、時価の下落又は投資先の財政状態及び経営成績の悪化により、減損損失が発生する可能性があります。

 

② 有形固定資産及び無形固定資産

当社グループでは、有形固定資産及び無形固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の有無を判定しています。この判定は、事業用資産については管理会計上の区分を考慮して資産グループを決定し、本社等の共用資産については、事業全体をグルーピングの単位として将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて行っています。また、事業の用に直接供していない遊休資産及び売却予定資産については、個別物件ごとにグルーピングを行っており、個別に比較可能な市場価格に基づいて行っています。経営者は将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えていますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。

 

5【重要な契約等】

当社は、2024年5月20日開催の取締役会において決議し、2024年6月18日開催の定時株主総会において株式交付計画承認の件が承認可決されたことにより、当社を株式交付親会社とし、株式会社シャルダンを株式交付子会社とする株式交付を2024年7月1日付で実施しました。

また、2024年7月29日付の取締役会(会社法第370条及び当社定款第25条の規定に基づく取締役会の書面決議)において、2024年9月27日を効力発生日として、当社の完全子会社である株式会社シャルダンを吸収合併することを決議し、同日に合併契約を締結しています。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりです。

 

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動の大部分は当社によるものであり、「こころに響くアイディアで、ふとした瞬間を、ふふっと笑顔に。」というパーパスのもと、新製品の開発と既存製品の改良、さらには商品競争優位性の源泉となりえるコア技術研究の強化に注力しています。商品設計においては、原料や素材、それらの組み合わせからなる処方、空間への拡散方式の3つの要素を融合させることで、お客様のニーズを満たす機能実現や情緒価値提案を行っています。

またコア技術領域における今期の主な取り組みは、嗅覚のメカニズムを利用したネコの尿臭を感じにくくする香料の研究、月経前症候群(PMS)の精神症状へのトドマツ精油の香りによる緩和効果の確認、空間におけるニオイ・香り成分の拡がり方の検証などを行い、ヒトウェルネス領域におけるかおりの機能価値提案を進めました。さらに継続的な取り組みとして、悪臭の分析、新規消臭成分ライブラリーの充実化、製品の環境負荷軽減処方検討は、大学などの研究機関や他企業とのオープンイノベーションを活用して進めており、「聞いてわかる、見てわかる、使ってわかる」製品づくりを実現し、高付加価値化を図っています。今後もこれらの研究開発活動を継続し、社会環境の変化に柔軟に対応しながらお客様のニーズにタイムリーに応えることができるユニークなモノづくりを実践してまいります。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、895百万円となっています。その主なものは人件費であり、490百万円となっています。

 

また、当社グループは「生活日用品事業」の単一セグメントですが、カテゴリー別の主な研究開発活動の概要は次のとおりです。

当社の売上主要カテゴリーであるエアケア(消臭芳香剤)において、主力ブランド「消臭力」を中心に若年層をターゲットとした新規なかおり価値提案と環境に配慮した製品仕様改良を通じて、エアケア全体の市場を活性化するだけでなく、初めての当該市場シェアNo.1に導く商品施策を行いました。

① 「消臭力 トイレ用 携帯タイプ」を外出先でのにおい悩みを気軽に解消でき、更に気持ちの切り替えに繋がる商品として「においも気分もこそっとリセット!」というコンセプトにリニューアルしました。商品愛称を「トイレのフレグランスミスト・COSOTTO・」にし、デザインにサンリオキャラクターの「クロミ」と「マイメロディ」を起用したことで、お気に入りのコスメのような存在で、見ているだけで元気をもらえる商品にしました。パッケージ素材をプラスチックから紙へと変更し、エステー独自の環境配慮基準をクリアし「みんなでエコ」を表示し、プラスチック削減をアピールしました。

② 「消臭力 Premium Aroma」に新シリーズとして「サボン」をラインナップしました。忙しい日々の中でも自分を労わる時間を大切にしている生活者に、日常のあらゆる瞬間を特別に演出する香りを提案しました。もともと日本人に親しみがあり、近年では等身大の自分を大切にする若年層に好まれる「せっけん系」として新規顧客の獲得を図りました。

③ 「脱臭炭」ブランドからは、ゴミ箱のフタ裏に貼るだけで活性炭と脱臭パウダーのW効果で、香りを使わずに生ごみ臭を強力脱臭する「脱臭炭ゴミ箱用」を発売し、新用途への拡張を行いながら脱臭炭ブランド全体の拡大を目指す取り組みを行いました。

④ 業務用で発売した「消臭力業務用 For Powder Room リキッドタイプ・スプレータイプ」には、事業者のイメージアップ意識の高まりに合わせ、シンプルで洗練されたデザインとトレンドの香りを取り入れました。また、大容量ニーズに合わせて「消臭力 業務用ビーズタイプ 特大 本体 1.8kg」を発売し、品揃え強化により幅広い顧客ニーズ取り込みを実施しました。

衣類ケア(防虫剤)では、売上げNo.1のカテゴリーリーダーとして、お客様が求める理想の収納空間を実現するための新価値提供に取り組み、カテゴリー全体の活性化施策を行いました。特に、若年層の衣類ケアニーズに応えるため、清潔感のある理想の収納空間を提案する「ムシューダ NOTE」ブランドに「ムシューダ NOTE 引き出し・衣装ケース用」を新たにラインナップに加えました。また、若年層を中心に人気な香りとして浸透しつつある金木犀の香りに着目し、上質でトレンド感があり、より本物の金木犀の香りにこだわった「ムシューダ Premium Aroma」〈金木犀〉を新たに投入しました。さらにダニよけカテゴリーでは、生活者の未充足ニーズである安心感と効果感の両立に応えるべく、殺虫成分を使用せずに気になる場所に置くだけでダニを捕獲する大判サイズのダニ捕りシート「ムシューダ ダニさん集まれ! ダニ捕獲シート」を新たに発売し、市場の活性化を図りました。

ホームケア(フードケア・クリーナー他)では、“泡”でふき取るだけのスニーカー専用洗剤「洗浄力 水のいらない スニーカークリーナー」の洗浄力UP処方改良を行い、さらに店頭導入を促進させるフック穴付き仕様変更と合わせてさらなる使用者拡大に向けた取り組みを実施しました。

 

グローバル展開におきましては、各国に対応した商品開発体制を強化しています。