文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは「自然の恵みをくらしに活かす」を基本理念として、植物資源「松」から得られる有効物質を化学製品にしてお届けし、人々の生活や産業界に深く関わりながら、豊かな社会の創造を追求してきました。今後もこの理念のもと、株主の皆様からこれまで以上に期待され、ステークホルダーから信頼される企業となるため、2019年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画『NEW HARIMA2021』を策定して、企業価値の一層の向上をめざします。
当社は、中期経営計画 NEW HARIMA 2021(対象期間:2019年度~2021年度)を策定し、以下を基本方針としております。
①目標計数
2021年度に売上高1,000億円、営業利益70億円、ROE(自己資本当期純利益率)10.0%の達成をめざします。
②目標達成に向けた基本方針
・基盤事業の更なる体質強化と未参入市場の開拓をめざします。
・成長領域への研究開発先行投資を増強し、新たなビジネスモデルや新製品の早期実績化をめざします。
・安全操業を最優先し、リスク管理の徹底と継続的な改善活動に取り組むとともに、
環境負荷の少ないものづくりをめざします。
・本社部門の事業支援機能高度化と業務の効率化に取り組みます。
・従業員の個性を尊重し、明るく活力のある企業風土を実現します。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済状況
当社グループの全世界における製品の需要は当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。従いまして、日本、北米、南米、アジア、欧州等の主要市場における景気後退、およびそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの事業は、競合他社が製造を行う地域の経済状況から間接的に影響を受ける場合があります。
競合他社が低廉な人件費の労働力を雇用した場合、当社グループと同種の製品を低価格で提供できることになり、その結果、当社グループの売上が悪影響を受ける可能性があります。また、原材料を製造する地域の現地通貨が下落した場合、当社グループのみならず他のメーカーでも、製造原価が下がる可能性があります。このような傾向により、輸出競争や価格競争が熾烈化し、いずれも当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 原材料価格の上昇
当社グループは、石油化学関連原料及びロジン等の諸原材料を購入して製品を製造・販売しております。
そのため国際市況及び国内市況による原材料購入価格の変動リスクがあり、その変動により製品価格への修正が遅れることなどで、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 為替レートの変動
当社グループの事業には、海外における製品の生産と販売が含まれております。各国における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のため円換算されております。換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。円安は当社グループにおいて輸入原料の調達コストを押し上げる可能性があり、製品価格の修正が遅れると業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 新製品開発力
当社グループの収入の増加は新規商品が大半を占めております。今後の成長には主に新製品の開発と販売に依存すると予想しております。当社グループは継続して斬新で魅力ある新製品を開発できると考えておりますが、新製品の開発と販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクが含まれます。
①新製品や新技術への投資に必要な資金と資源を、今後十分充当できる保証はありません。
②長期的な投資と大量の資源投入が、成功する新製品または新技術の創造へつながる保証はありません。当社グループは需要予測に対応するため、生産拠点など重要な資源を投下し事業を拡大しておりますが、この実需が需要予測と乖離する可能性があります。
③当社グループが市場からの支持を獲得できる新製品または新技術を正確に予想できるとは限らず、また、これらの製品の販売が成功する保証はありません。
④新たに開発した製品または技術が、独自の知的財産権として保護される保証はありません。
⑤技術の急速な進歩とニーズの変化により、当社グループ製品が陳腐化する可能性があります。
⑥現在開発中の新技術の商品化遅れにより、市場の需要について行けなくなる可能性がありますので、この製品の市場における大きなシェアの確保ができないおそれがあります。
上記のリスクをはじめとして、当社グループが業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 国際的活動および海外進出に潜在するリスク
当社グループの生産および販売活動は適地生産のグローバル化により、北米、南米、アジア及び欧州等の日本国外でも行われております。これらの海外市場への事業進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しております。これらの事象は、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
①予期しない法律または規制の変更
②不利な政治または経済要因
③人材の採用と確保の難しさ
④未整備の技術インフラが、製造等の当社グループの活動に悪影響を及ぼす、または当社グループの製品やサービスに対する顧客の支持を低下させる可能性
⑤潜在的に不利な税の影響
⑥テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱
(6) 特定のグループへの供給依存
当社グループは一部重要原料の供給を特定のグループに依存しております。当社グループは供給元と通常、更新可能な中期契約を結んでおります。当社グループは必要に応じてその他の措置で供給を確保しておりますが、不足が生じないという保証はありません。もし、当社グループが供給元と契約を変更しなければならなくなった場合、重要原料の供給状況の悪化あるいは当社グループの原価上昇という結果をもたらす可能性があります。また、当社グループが必要とする製品を予定通りに生産できない可能性があります。重要原料が不足すると、価格高騰、供給不足、品質管理などの問題が発生し、当社グループの業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 製品の欠陥
当社グループは各国の工場で各種の製品を製造しております。製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。さらに、引き続き当社グループがこのような保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。大規模なクレ―ムや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、当社グループの業績と財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
(8) 他社との提携等の成否
当社グループは技術開発の一環として、経営資源を最適化し、技術の集約による相乗効果を利用するために、コラボレーション、技術提携や合弁の形で多くの他社と共同での活動を行っております。当社グループは引き続きこのような機会を前向きに活用する予定であります。しかし、経営、財務またはその他の理由により当事者間で不一致が生じた場合、効果的な開発による結果を享受できず、当社グループの業績と財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
(9) 公的規制
当社グループは、事業展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、消費者、租税、為替管制、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けております。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性があります。また、規制を遵守できなかった場合は、コストの増加につながる可能性があります。従いまして、これらの規制は当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)災害や停電等による影響
当社グループは製造停止による潜在的なマイナス影響を最小化するために、全ての設備における定期的な災害防止検査と設備点検を行っております。しかし、生産施設で発生する災害、停電またはその他の中断事象による影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。従いまして、当社グル―プが展開している地域で大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生した場合、生産能力が著しく低下することで、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)資金調達
当社グループの事業に係る事業買収資金、設備投資資金等は、主として個別案件毎に金融機関からの借入金によって調達しているため、総資産に占める有利子負債の比率が常に一定程度あることから、将来において、金利が上昇した場合には、資金調達コストが増加することにより当社グループの経営成績、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)固定資産の減損会計適用による影響
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。この基準の適用に伴い、今後の土地等の時価や事業環境の大幅な変動によって、当社グループの経営成績および財政状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)需要業界の動向
当社グループの製品は中間原材料であり、デジタル化の進展による出版物の減少等、最終製品の市場の変化により当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
一方、日本経済は、雇用、企業収益が改善し、設備投資も増加しました。
このような中、当社グループは中期経営計画『NEW HARIMA 2018』の最終年に当たり、更なる事業の成長に取り組んでまいりました。
当社グループの海外事業は、欧州、中国を中心に販売数量の増加があり、売上高は前期に比べ増加しました。利益面でも、前期に比べ増加しました。国内事業は、売上高、利益面とも前期に比べ増加しました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の連結業績は、売上高は785億8千9百万円となり、前期に比べ52億7千8百万円(7.2%)の増収となりました。
利益面では、営業利益は46億6千7百万円となり、前期に比べ6億5千6百万円(16.4%)の増益となりました。経常利益は48億1千8百万円となり、前期に比べ8億1千万円(20.2%)の増益となりました。
また、連結子会社の繰延税金資産の追加計上に伴い、法人税等調整額(△は益)を△12億3千9百万円計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は41億3千1百万円となり、前期に比べ14億5百万円(51.6%)の増益となりました。
当社グループの部門別経営成績の概況は次の通りであります。
国内の印刷インキおよび塗料業界の生産量は、前期に比べ減少しました。
当部門では、印刷インキ用樹脂、塗料用樹脂の中で、改良品の販売が順調に推移したことから、前期に比べ売上高は増加しました。
その結果、当部門の売上高は、203億9百万円となり、前期に比べ12億2千2百万円(6.4%)の増収となりました。営業利益は13億7千5百万円と前期に比べ1億9千9百万円(17.0%)の増益となりました。
b.製紙用薬品
国内の製紙業界は、板紙の需要は増加したものの、印刷情報用紙の需要が低迷し、紙・板紙の生産量は、前期に比べ減少しました。中国および米国の紙・板紙生産量も減少しました。
当部門の売上高は、中国は引き続き好調で、国内および米国が堅調に推移したため、前期に比べ増加しました。
その結果、当部門の売上高は、199億4千9百万円となり、前期に比べ26億1千5百万円(15.1%)の増収となりました。営業利益は、18億8千1百万円と前期に比べ1億3千2百万円(7.6%)の増益となりました。
c.電子材料
当部門が主に関連する自動車業界の生産台数は、前期に比べ国内と北米は微増となりましたが、米中貿易摩擦と景気減速による需要減から中国と欧州は減少しました。
当部門の売上高は、自動車熱交換器用のろう付け材料および、ソルダペースト、半導体用樹脂などの販売が順調に推移したことから、前期に比べ増加しました。
その結果、当部門の売上高は、57億3千7百万円となり、前期に比べ1億3百万円(1.8%)の増収となりました。営業利益は4億2千1百万円と前期に比べ1千6百万円(4.2%)の増益となりました。
d.ローター
出版印刷インキ用樹脂は、情報のデジタル化を背景に需要が低迷しているものの、欧州での競合品からの置き換えが伸展したことから販売数量は前期に比べ増加しました。
粘接着剤用樹脂は、インターネット通販の世界的な拡大により、ラベルシールの需要が増加し、主に北米での販売が堅調に推移したことから販売数量は前期に比べ増加しました。
また、商品構成の変化および製造原価の低下を主要因として営業利益は増加しました。
その結果、当部門の売上高は309億7千9百万円で、前期に比べ12億7千9百万円(4.3%)の増収となりました。営業利益は15億2百万円と前期に比べ、2億3千万円(18.1%)の増益となりました。
当連結会計年度末の総資産は前期末に比べ32億3千3百万円の増加となりました。自己資本比率は48.5%となりました。増減の主なものは、流動資産では現金及び預金が3億5千8百万円減少し、売上高の増加に伴い、受取手形及び売掛金が12億7千万円増加しました。投資その他の資産では、子会社であるローター社でサンパイン社株式を追加取得したこと等により投資有価証券が18億7千5百万円増加しました。負債では短期借入金が26億7百万円増加し、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)は返済及び為替の影響により10億6千1百万円減少しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、主に営業活動によるキャッシュ・フローの収入が41億7千9百万円あったものの、投資活動によるキャッシュ・フローの支出が50億3千5百万円あったことにより、前連結会計年度に比べ3億7千万円(△10.13%)の減少となりました。
a.営業活動によるキャッシュ・フローでは、41億7千9百万円の収入(前連結会計年度は27憶7千7百万円の収入)となりました。これは主として、売上債権の増加額が16億5百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が44億8千3百万円、減価償却費20億3千1百万円等、資金の収入が支出を上回ったことによるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フローでは、50億3千5百万円の支出(前連結会計年度は15億2千7百万円の支出)となりました。これは主として、投資有価証券の売却による収入が1億円あったものの、有形固定資産の取得による支出が25億2千8百万円、投資有価証券の取得による支出25億9千5百万円等により、資金の支出が収入を上回ったことによるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フローでは、5億8千万円の収入(前連結会計年度は15億5千1百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出26億8千2百万円、配当金の支払額7億5千4百万円があったものの、長期借入金による収入が17憶6百万円、短期借入金による収入29憶4千1百万円等により、資金の収入が支出を上回ったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. 金額は、販売価格によっております。
2. 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは見込生産を行っており、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。
2. 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に従って作成されております。特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する債権の貸倒による損失見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化しその支払能力が低下した場合、追加計上が必要になる可能性があります。
b.投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係維持のために、特定の顧客及び金融機関の株式を保有しております。これらの株式には、公開会社株式と非公開会社の株式が含まれます。当社グループは、投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、投資に対する減損額を計上しております。公開会社株式への投資の場合、通常決算期末時点で株価が取得価額に対して50%以上下落した場合に減損額を計上しております。また、取得価額に対して30%以上50%未満の範囲で下落した場合には、過去における時価の推移等を勘案し、回復可能性がないと判断した銘柄については、減損額を計上しております。非公開会社株式への投資の場合、その会社の純資産額が、投資額に対して50%以下に下落した場合に減損額を計上しております。将来、市況悪化または投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要になる可能性があります。
c.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、実現可能性が高いと考えられる金額を計上しております。繰延税金資産を評価するにあたっては、将来の課税所得及び過去の業績等を基準に検討しております。しかし、繰延税金資産の全部または一部を将来実現できないと判断した場合、及び計上された繰延税金資産を上回る金額を今後実現できると判断した場合、当該判断を行った各々の期間に繰延税金資産の調整額を費用および収益として計上させることになります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は728億7千万円となり、前連結会計年度末に比べ32億3千3百万円増加しております。これは主として、売上高の増加に伴い、受取手形及び売掛金が12億7千万円増加し、投資その他の資産では、子会社であるローター社でサンパイン社株式を追加取得したこと等により投資有価証券が18億7千5百万円増加したためであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は350億5千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億1千9百万円増加しております。これは主として、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が返済及び為替の影響により10億6千1百万円減少したものの、短期借入金が26億7百万円増加したためであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は378億1千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億1千3百万円増加しております。これは主として、利益剰余金が33億7千6百万円増加したためであります。
(自己資本比率)
自己資本比率は前連結会計年度末の48.4%から48.5%へと0.1ポイントの増加となりました。連結会計年度末の発行済株式総数に基づく1株当たり純資産額は前連結会計年度末1,295.79円から1,378.35円と82.56円の増加となりました。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は785億8千9百万円となり、前連結会計年度に比べ52億7千8百万円の増収となりました。これは主として、国内事業及び海外子会社の出荷量の増加に伴うもの等によるものであります。
(売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の売上原価は594億6千1百万円となり、製造原価の低下や商品構成の変化等により売上原価率が0.4ポイント減少し75.7%となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費の合計は144億6千万円となり、運搬費等の増加により9億3千万円増加しております。売上高比率は前連結会計年度に比べ0.1ポイント減少の18.4%となりました。
この結果、当連結会計年度の営業利益は46億6千7百万円となり、前連結会計年度に比べ6億5千6百万円の増益となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は7億8百万円、営業外費用は5億5千7百万円で、営業外利益は1億5千1百万円となり、前連結会計年度に比べ1億5千3百万円の増加となりました。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、48億1千8百万円となり前連結会計年度に比べ8億1千万円の増益となりました。
(特別利益、特別損失)
当連結会計年度の特別損失は3億3千4百万円となり、減損損失として2億7千万円計上しております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は41億3千1百万円となり、前連結会計年度に比べ14億5百万円の増益となりました。
セグメント毎ごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当部門の売上高は、203億9百万円となり、前連結会計年度に比べ12億2千2百万円(6.4%)の増収となりました。当部門の営業利益は13億7千5百万円と前連結会計年度に比べ1億9千9百万円(17.0%)の増益となりました。
b.製紙用薬品
当部門の売上高は、199億4千9百万円となり、前連結会計年度に比べ26億1千5百万円(15.1%)の増収となりました。また、当部門の営業利益は、18億8千1百万円と前連結会計年度に比べ1億3千2百万円(7.6%)の増益となりました。
c.電子材料
当部門の売上高は、57億3千7百万円となり、前連結会計年度に比べ1億3百万円(1.8%)の増収となりました。当部門の営業利益は4億2千1百万円と前連結会計年度に比べ1千6百万円(4.2%)の増益となりました。
d.ローター
当部門の売上高は309億7千9百万円となり、前連結会計年度に比べ12億7千9百万円(4.3%)の増収となりました。商品構成の変化および製造原価の低下などにより、当部門の営業利益は15億2百万円と前連結会計年度に比べ2億3千万円(18.1%)の増益となりました。
該当事項はありません。
当社グループは松から得られる植物資源であるトールロジンとガムロジンの2種類のロジンを、日本国内をはじめブラジル、アルゼンチン、ニュージーランド等においてグローバルに生産する唯一のメーカーとして、原料基盤を強化する中で再生可能なバイオマス原料の機能を追求し、さらに創業以来培ってきた高分子合成・評価、乳化・分散などの界面制御、接着・接合などコア技術の融合により先進的な研究開発を進めています。
主力のパインケミカル関連事業は既存製品の国内市場が縮小傾向の中、技術の深耕を行う事で当社独自技術、製品の開発に注力しました。その基本コンセプトは「表面、界面、乳化をコントロールする」です。
その結果、樹脂、製紙薬品、電子材料及び新規事業分野においても大きな足掛かりを得ることができました。引き続いて同コンセプトに基づいた商品開発に注力するとともに、開発した商品の市場導入を強力に進めていきます。また、グローバル展開という観点では、ローターをはじめとした海外グループ会社との一層の緊密化を図り、国内開発品の海外への導入や新規開発テーマでの連携が進展しました。
新規分野については、物質の表面・界面状態の制御や混合物の分散といった既存事業分野で培った基幹技術をもとに、それらの機能を活かした技術により新たな価値を創造することを目標に開発を推進しています。そのような高機能化技術の適用先としては、例えば、今後も益々、社会生活の中でその重要度が高まる電子部品や電池製品の各種構成部材を対象のひとつとしています。また、環境負荷軽減の観点から関心が高まっているプラスチック使用量削減という動向に着目し、その動きを加速するプラスチック表面の機能化材料の開発も進めています。さらに、松由来の天然資源の生成メカニズム探索、および資源の有効活用法も視野に入れた研究も大学や外部機関と連携しながら取り組んでいます。
当連結会計年度の研究開発費は、
(1)樹脂化成品
当事業においては、塗料用樹脂、印刷インキ用樹脂、粘接着剤用樹脂、機能性樹脂、合成ゴム乳化剤及び脂肪酸誘導体の研究開発を行っています。関連市場の生産量は、合成ゴム140万トン、塗料165万トン、印刷インキ35万トン、粘接着剤92万トンで、何れも成熟産業であり市場は低調に推移しています。このような状況下、当社は、お客様や社会、環境に貢献できる新製品開発を進めており、今年度は次のような成果が出ています。
塗料用樹脂においては、建築外壁用に環境に配慮した弱溶剤型樹脂の開発を進め、耐久性に優れた新製品の販売を開始しました。また、塗料の水系化が進む中で当社が得意とする建築外装塗料用樹脂の水系化に取り組み、完成間近になっています。
印刷インキ用樹脂においては、縮小傾向が続く平版インキ市場へ当社独自の原料であるトール油製品を適用した樹脂の新製品を投入しました。また、市場が拡大しているUV硬化型インキ向けにロジンを使用した新製品を開発しました。
粘接着剤用樹脂に関しては、より高温などの使用環境下への適用も可能とする耐熱性を高めた新規タッキファイヤーを開発中です。また、ゴム用の添加剤についても各種ゴムの要求特性に適した様々な新規ロジンの開発を顧客評価も通じて推進しています。
機能性樹脂分野では、光学フィルム用の屈折率調整ハードコート剤の新製品を販売開始しました。また、自動車の塗装を保護する目的で貼られるペイントプロテクションフィルムと呼ばれるフィルムに、傷・汚れ防止機能を付与するコート剤の販売を開始しました。
合成ゴム用乳化剤については、当社のトール油製品がゴムの合成時にどのように機能しているかを検証しながら、より性能を高めるために開発を進めています。
当セグメントに係る研究開発費の金額は
(2)製紙用薬品
当事業においては、水性樹脂の合成をコア技術として、段ボール等に使用される板紙の強度を高める紙力増強剤、紙や板紙の吸水性を制御して水性インクのにじみ防止や耐水性を付与するサイズ剤、紙や板紙の表面に塗ることで印刷適性や撥水性を付与する塗工剤といった、製紙工程で使用される機能性薬剤に関する開発を行っています。
2018年の日本国内における紙・板紙の内需量は、昨年比2.0%減の2,605万トンとなる見込みで、2011年以降、マイナス成長が続いています。しかし、段ボールに使用される板紙はプラス成長で推移しており、2018年も前年を上回りました。デジタル化等の影響によって印刷用途は減少が続いていますが、パッケージング用途は段ボールや飲料・食品包装向けを中心に伸びています。国内の製紙会社では、工場の統廃合、紙・板紙の価格修正により収益改善を進めると同時に、海外事業に加えて、エネルギー事業、ケミカル事業、ヘルスケア事業やパッケージ事業といった成長分野への事業展開を進めています。
当社では、このような製紙業界の動向を踏まえ、パッケージング用途で使用される板紙の中性抄紙化や軽量化に対応できる製品の開発を進めています。紙力増強剤は紙力効果と共に中性サイズ剤の機能向上が期待できる新製品、ロジン系サイズ剤では併用するAlumの使用量削減に繋がる使用法(Co-mingle®法)と本使用法に適する新製品を開発し、販売を開始しました。また、これらの機能性薬剤に加えて、製紙工程における操業性や生産性を改善するために開発した工程薬剤についても実績が出てきております。さらに、食品包装用途の紙・板紙を中心とする国際的な物流環境に対応するため、間接食品添加物として海外の安全規制要件を満たした製品開発にも取り組んでいます。米国のFDAから間接食品添加物としての認証を取得したアニオン性ロジンエマルションサイズ剤のNeuRoz®シリーズやポリアクリルアミド系乾燥紙力増強剤のハーマイドKSシリーズは、北米や東南アジア地域で実績が出ています。また包装用紙向けを中心として、日本の顧客からも問い合わせが増えつつあります。
海外における事業展開では、北南米、中国、東南アジア地域における製紙用薬品の市場拡大に力を入れています。紙・板紙の生産量が世界第一位(1億1,577万トン/2017年)の中国では杭州杭化哈利瑪化工有限公司(浙江省)において、また世界第二位(7,228万トン/2017年)の米国ではプラズミン・テクノロジー,Inc.において、日本との連携による研究開発活動を行っています。また、東南アジアやオセアニア地域への事業展開では、日本からの技術支援による事業展開に取り組んでいます。これら諸外国の顧客では、それぞれの地域において薬剤に要求される項目が異なっており、適合する技術開発や法規制への対応を進めています。今後も、海外展開に対応できる製品開発と、個別顧客の要求に対応できる技術開発により、グローバル展開を進めていきます。
当セグメントに係る研究開発費の金額は
(3)電子材料
当事業においては、主として自動車業界と電子機器・情報産業向けのはんだ付け材料、及び自動車用熱交換器等の組み立てに用いるろう付け材料の事業を展開し、お客様に安心してご使用いただけるように地球環境への配慮と信頼性を重視した製品の開発に注力しております。
昨今の自動車産業の動向について、世界的にはその販売台数は伸びており今後も新興国市場を中心に堅調な成長が予測されています。また、技術面に目を向けると、環境に配慮した低燃費の次世代型自動車の普及に加えて、先進安全・自動運転機能の実現に向けて、自動車関連分野だけでなく情報技術関連企業の積極的な進出も大きな動きとなっています。
こうした環境の中、当事業では自動車用新規材料として大手自動車部品メーカーと共同で開発したファインピッチ部品接合用の鉛フリーソルダペーストの販売が順調に増加しており、ソルダペースト全体の販売増加に寄与しております。今後もグローバル拠点への展開と新製品への採用活動の推進による販売量増加の計画を立てています。
また、多くの自動車制御装置メーカーでは、低燃費化、高機能化の実現に向けて新型の電子制御装置の開発が必要となっています。これら装置においては、はんだ付け箇所に大きなストレスがかかることから高い耐久性を有するはんだを使用する方向性が示されています。当社もこのような市場要求に応えるため高耐久性鉛フリーソルダペースト開発に注力し、早期の実績化を目指しています。
もう一つの主力製品である自動車用熱交換器に使用されるろう付け材料の売上も堅調に推移しています。自動車の低燃費化や電気自動車を想定した場合の自動車重量の軽量化への要望が高く、熱交換器も小型化、高機能化が求められています。
接合点の微細化、形状の多様化にも適用可能な塗布性とエネルギー使用量を削減する熱分解性に優れたろう付け材料の製品群を拡充しています。さらに環境負荷物質である有機溶剤成分を含まない無溶剤型ろう付け材料の開発を強く推進し、地球にも優しいろう付け材料の開発を推進しています。今後もこれらのろう付け材料を適用する熱交換器は自動車用用途にかかわらず拡大すると予想しています。
また、銅の粉末を特殊な樹脂に分散させた当社の銅ペーストはプリント配線板の表裏をつなぐスルーホールと呼ばれる穴に塗布し硬化させることで電気的に接合できる製品であり、既存の工法である銅めっきに比べ大幅にコストを下げられる技術として、現在、世界トップシェアの販売量となっております。現在はスルーホールの小径化に対応した製品を開発するとともに、この技術を活かした電子部品の電極用材料の開発にも注力しています。
金属のナノ粒子を溶媒に分散した“ナノペースト”は低温で加熱する事により金属粒子どうしが融着し、極めて低い電気抵抗で、かつ熱を伝えやすい硬化物になります。この特性を活かし、スマートフォンやタブレット端末の高輝度LEDなどの接合材に加え、金型の補修材の様な新規用途にも採用されています。
また、今後増えていくパワー半導体の接合材料として、金属粒子をペースト状に分散した焼結材料の開発を進めています。
当セグメントに係る研究開発費の金額は
(4)ローター
当事業においては、印刷インキ用樹脂、粘接着剤用樹脂、道路標識塗料用樹脂、合成ゴム用乳化剤及びアロマケミカルの研究開発を行っています。
出版インキ市場は、デジタル化の進展により世界的に市場規模が縮小していますが、欧州においては、当社が出資するスウェーデンのサンパイン社で製造されたトールロジンを活用し、安定した品質で価格面でも優位性を持たせた樹脂の開発を推進しています。枚葉インキ用途は、特に食品包装関連の法規制が年々厳しくなってきており、製品の品質だけでなく、製造工程や、原材料の選別、保管管理に関しても対応できる生産体制が必要になってきております。当分野においては、食品にインキ成分が紙を通じて移行せず、食品の安全性や味覚に影響を与えないような低マイグレーション、低臭気ワニスの開発を進めております。
フレキソ、グラビアインキ市場は、主に新興国の食品包装材料需要と電子商取引の伸張により、今後も成長が期待されています。特に、水系フレキソインキでは、持続可能な社会の創造を標榜する末端顧客からは、包装容器に使用されるインキ、コーティング剤にも天然由来成分を原料とした製品を使用したいとの要望が高くなってきています。このような顧客からの要求に応えるべく、当社では、独自のロジン変性技術と水分散技術によって、高性能でかつ環境にやさしい包装インキ用樹脂の開発を進めています。
粘接着剤用樹脂の分野では、水系粘着付与剤樹脂の高いグローバルシェアを維持しつつ、得意とする汎用紙ラベル用途だけでなく、産業用テープ向け粘着付与剤樹脂市場への拡大を目指しています。特に、自動車などの部品に供される当分野の製品については、顧客からのBCP(事業継続計画)策定を強く求められるようになっており、ハリマ化成の日本国内拠点とローターのグローバル拠点において、共通の製品づくりができる体制へ向けた研究開発を推進しています。
さらに、イノベーション部門の開発チームでは、既存の印刷インキ用樹脂、粘接着剤用樹脂中心の製品から、ロジンや脂肪酸などバイオマス原料の機能を追求し、今後市場伸長が見込める事業の新規開発を推し進めており、研究開発カンパニーと連携の上、戦略的な技術開発、マーケティングを進めております。
当セグメントに係る研究開発費の金額は