第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

  当社グループは、「愛されるプラスチックメーカー」を目指して、良い考え[合理化の追求]・良い商品[信頼性の重視]・良い職場[人間性の尊重]を社是として掲げ、「人・物・金は企業にとって限度がある。限度あるものを最高に活かすのが事業である。」との基本理念をもとに、創業以来、企業活動を行っております。
 その基本理念のもと、社会のニーズに合った製品を造り出すための研究活動に注力し、技術力を高め、効率のよい生産システムを確立し、お客様及び市場からの評価を高め、収益力の向上と経営基盤の強化を図ってまいります。

 

(2)目標とする経営指標

  当社は、当社グループの売上目標を毎年10%以上の増収を目指して事業活動を行っております。当期は新型コロナウイルス感染拡大に伴う部品供給不足により受注は減少しましたが、為替の影響があり、前期比3.0%増の107億20百万円の売上となりました。
 また、具体的な数値目標としましては、売上高総利益率20%を安定的に維持することを掲げておりますが、当期は、売上高総利益率は12.2%となりました。

 

(3)経営戦略及び経営環境等

  当社グループは、その販売を特定の得意先(電動工具業界及び自動車業界)に依存しております。2022年8月期におきましては、電動工具部品及び自動車部品の売上高の総売上高に占める割合は、91.4%となります。この特定の得意先の動向が当社グループの業績に大きく影響を及ぼします。そのため、自社ブランドのアンカープラグの製品改良や新製品の研究開発に力を注ぎ、その特定の得意先以外への販売の増加を図ってまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 新型コロナウイルスの蔓延に始まり、ウクライナ危機や原油高による資材の高騰、そして電子部品の不足による自動車の減産など当社にとって厳しい環境であることは間違いありません。

 このような状況下でも利益を出せる骨太な企業にするために、今後も継続的に社員への教育や効率的な生産をし、少人数であっても稼働率を下げないための取り組みに力をいれてまいります。

 そして昨今重要視されております環境問題に関してもプラスチック製品を扱う当社も慎重に対応していかなければなりません。

 当社のようなプラスチック製造業は生産の過程で必ず廃棄しなければいけないプラスチックが発生します。これは現在多種多様な樹脂材料を使い製品化する中で材料色や種類を変更する時に出る中間色材や、異材交じりの材料は製品として使用できないからです。こういったプラスチック材も自社商品という形で活用できないか検討し、廃棄されるプラスチックを減らせるよう努力してまいります。一部ではすでに始めておりますリサイクル材で生産した商品はお客様からはご好評を得ておりますので、更にその次の製品開発に取り組んでまいります。

 また、2022年で創業から60周年を迎えることができました。これも今まで頑張ってきてくれた従業員や株主様のおかげと厚く感謝いたします。今後益々社会に貢献できるように旭化学工業は成長してまいります。今後ともご支援をよろしくお願いします。

 

(5)その他、会社の経営上重要な事項

  該当事項はありません。

2【事業等のリスク】

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1)特定の顧客への依存

 当社グループは、プラスチック製品の成形及び加工を行っておりますが、その販売は特定の顧客に依存しております。この特定の顧客とは、継続的かつ安定した取引関係にありますが、その顧客の生産及び販売の状況によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)海外市場での活動において

 当社グループは、中華人民共和国及びタイ王国において事業活動を行っており、海外売上比率は65.6%です。海外では為替リスクに加え、政情不安、経済動向の不確実性、文化の相違、さらには海外送金及び輸出入などの規制変更や税制変更等様々な障害を伴う可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)為替変動について

 為替変動は、当社グループの外貨建取引から発生する資産及び負債の日本円換算額に影響を与える可能性があります。また、外貨建で取引されている製品の価格にも影響を与える可能性があります。これらは、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(4)人材の雇用及び育成

 当社グループは人材を重要な財産と捉えております。規模拡大及び存続のため優秀な人材を採用し経営理念に共感する人材育成に注力しています。従って優秀な人材を確保できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす

可能性があります。

(5)自然災害等

 近年、地震、台風をはじめとする自然災害や感染症が各地で多発しております。地震等による自然災害や火災などの事故や感染症の拡大で壊滅的な被害を受け、操業に重大な影響が発生した場合には、原材料の確保、生産、製品供給等に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)情報セキュリティ

 当社グループは、事業を展開する上で、顧客及び取引先の機密情報や個人情報、また、当社グループの機密情報や個人情報を有しています。これらの情報は、外部流出や改ざん等が無いように、グループ全体で管理体制を構築し、徹底した管理とITセキュリティ、施設セキュリティの強化、従業員教育等の施策を実行しております。しかしながら、外部からの攻撃や過失や盗難等によりこれらの情報が流出もしくは改ざんされる可能性があります。もし、このような事態が生じた場合には、信用低下や被害を受けた方への損害賠償等の多額の費用が発生し、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(7)新型コロナウイルス感染症について

新型コロナウイルスの感染拡大により社会活動が制限されるなどした場合、営業活動が困難となる可能性があ

ります。また、部品の調達困難に伴う当社製品の生産遅延などが想定されます。当社グループの経営成績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)物価上昇について

ロシア、ウクライナ情勢により原油や天然ガスといった燃料価格が大幅に上昇し、物価が上昇しております。当

社グループが使用する電気料金などの価格も上昇を続けており、今後もこの状況が続く場合は収益性が悪化する可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以

下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大、ウクライナ情勢による資源価格や原油価格の高騰などにより、依然として先行き不透明な状態が続いております。

 このような状況の中、主な販売先であります電動工具業界、自動車業界からの受注は、新型コロナウイルス感染拡大等に伴う部品供給不足による生産計画の見直しにより共に減少しました。

 この結果、当連結会計年度の売上高は受注が減少しましたが、為替の影響があり107億20百万円(前期比3.0%増)となりました。為替の影響が大きく前期レートより18.9%円安元高となり、円換算した中国の売上高の為替の影響額は前期比11億5百万円増加しました。営業利益はエネルギー価格の高騰による経費の増加や、中国工場の上海ロックダウンによる工場非稼働の影響により5億27百万円(同34.6%減)、経常利益は6億62百万円(同14.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億89百万円(同29.5%減)となりました。

 

  セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

イ.日本

 国内は、電動工具向け、自動車向けの受注が新型コロナウイルス感染拡大等に伴う部品供給不足による生産計画の見直しにより共に減少し、売上高は36億87百万円(前期比17.7%減)、営業損失は44百万円(前期は営業利益1億54百万円)となりました。

ロ.中国

 中国は、上海ロックダウンの影響により2022年4月に工場が非稼働となり受注が減少しましたが為替の影響により、売上高は63億87百万円(前期比12.8%増)、営業利益は工場非稼働時の固定費が利益を圧迫したため6億11百万円(同11.4%減)となりました。

ハ.タイ

 タイは、受注が増加し、売上高は7億94百万円(同39.5%増)、営業損失は25百万円(前期は営業損失43百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前期比90百万円減の12億55百万円となりました。また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。


イ.営業活動によるキャッシュ・フロー
 営業活動の結果得られた資金は2億53百万円となりました。これは主に仕入債務の減少額が3億23百万円、棚卸資産の増加額48百万円、その他の流動資産の増加額48百万円、法人税等の支払額2億53百万円それぞれ計上されましたが、税金等調整前当期純利益が6億55百万円、減価償却費が2億52百万円、売上債権の減少額が1億71百万円それぞれ計上されたことによるものであります。


ロ.投資活動によるキャッシュ・フロー
 投資活動の結果使用した資金は、3億23百万円となりました。支出の主な要因は、定期預金の純収入が1億1百万円、有形固定資産の取得による支出4億29百万円それぞれ計上されたことによるものであります。

 

ハ.財務活動によるキャッシュ・フロー
 財務活動により使用した資金は1億84百万円となりました。支出の主な要因は、配当金の支払額1億12百万円によるものです。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年9月1日

至 2022年8月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

3,732,768

△16.6

中国(千円)

6,251,265

15.3

タイ(千円)

792,631

35.9

合計(千円)

10,776,665

2.8

 (注)上記金額については、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)受注実績

  当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

日本

167,852

167.0

137,496

121.8

中国

987,573

30.4

960,624

87.3

タイ

78,892

△22.4

26,867

11.9

合計

1,234,318

33.9

1,124,989

87.8

 (注)1.上記金額については、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記金額は、樹脂成形用金型の受注高及び受注残高であります。プラスチック製品の成形加工については、取引先からの生産計画の内示を受け生産予想をたてますが、実際の納入は得意先の生産に合わせた提示により確定します。従って内示と実際とは異なる場合もあり、確定受注から納期までは極めて短い期間であります。このような理由により、受注高および受注残高を算出することが困難でありますので、その記載を省略しております。

 

(3)販売実績

  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年9月1日

至 2022年8月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

3,687,683

△17.7

中国(千円)

6,238,860

16.4

タイ(千円)

794,397

39.5

合計(千円)

10,720,941

3.0

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2020年9月1日

至 2021年8月31日)

当連結会計年度

(自 2021年9月1日

至 2022年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

牧田(中国)有限公司

2,910,880

28.0

3,730,445

34.8

㈱イノアックコーポレーション

2,446,817

23.5

1,848,132

17.2

牧田(昆山)有限公司

2,431,425

23.4

2,483,095

23.2

㈱マキタ

1,358,738

13.1

1,132,183

10.6

合計

9,147,861

87.9

9,193,857

85.8

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま

す。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成され

ております。この連結財務諸表を作成するにあたり、経営者によって一定の会計基準の範囲内で見積りを行い、その結果を資産・負債や収益・費用の数値に反映しておりますが、実際の結果はこの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しているものの他は、以下のとおりであります。

イ 固定資産の減損処理

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについては、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

② 当連結会計年度の財政状態の分析

イ 流動資産

現金及び預金が1億95百万円、棚卸資産が1億19百万円、その他流動資産が1億13百万円それぞれ増加したことにより、前連結会計年度末比3億89百万円(11.4%)増加し、38億11百万円となりました。

ロ 固定資産

有形固定資産が3億円増加、投資有価証券が59百万円、長期預金が2億10百万円それぞれ減少したことにより、前連結会計年度末比20百万円(0.7%)増加し、30億34百万円となりました。

ハ 流動負債

買掛金が1億61百万円、その他流動負債が42百万円それぞれ減少したことにより、前連結会計年度末比2億37百万円(14.9%)減少し、13億59百万円となりました。

ニ 固定負債

繰延税金負債が11百万円増加したことにより、前連結会計年度末比10百万円(5.0%)増加し、2億28百万円となりました。

 

ホ 純資産

利益剰余金が2億76百万円及び為替換算調整勘定が4億77百万円それぞれ増加したことにより、前連結会計年度末比6億37百万円(13.8%)増加し、52億59百万円となりました。この結果、総資産残高は、前連結会計年度末比4億10百万円(6.4%)増加し、68億46百万円となりました。

 

③ 当連結会計年度の経営成績の分析

イ 売上高

財政状態及び経営成績に記載のとおり、受注は減少しましたが、為替の影響で売上高は増加したことから、前連結会計年度比3.0%増の107億20百万円となりました。

ロ 売上原価

売上高の増加に加えて、エネルギー価格の高騰などの影響により、前連結会計年度比5.8%増の94億13百万円となりました。

ハ 販売費及び一般管理費

エネルギー価格の高騰などにより、前連結会計年度比10.0%増の7億80百万円となりました。

ニ 営業利益

上記の結果、営業利益は前連結会計年度比34.6%減の5億27百万円となりました。

ホ 親会社株主に帰属する当期純利益

法人税等の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は29.5%減の3億89百万円となりました。

④ 資本の財源及び資金の流動性の分析

イ キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

ロ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金及び設備投資資金ともに自己資金により充当することを基本としております。当連結会計年度において実施しました設備投資はすべて自己資金にて行いました。

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 当社グループは、自社製品であります建築用資材(樹脂製アンカープラグ)の当社グループ全体の販売比率を高めるために、市場調査や得意先からの情報をすばやく捉えて、新製品の開発や既存製品の改良に取り組んでおります。

 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は4,771千円であり、研究開発活動は日本において行っております。