第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間における国内外の経済は、米国を中心に景気は持ち直しつつあり、日本においては訪日観光客の増加による消費の回復が見られるなど、経済活動の活性化が進んでおります。しかしながら、世界情勢の緊迫化や中国経済の後退、急激な円相場の変動、原材料やエネルギー価格の高止まりによる物価上昇など、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当社を取り巻く業界におきましては、家電分野では、デジタルカメラカテゴリーにおいて付加価値の高いミラーレスカメラの需要が好調で、当社ではタイでデジタルカメラ部品の受注が増加を続けております。前期に好調だった自動車関連部品では、国の認証試験の不正問題に伴う生産停止などを背景に、得意先からの受注は減少に転じました。プリンター部品におきましては、コロナ需要からの反動により前期に減少していた得意先からの受注が、回復傾向にあります。電子ペン部品では、テレワークを背景とした需要は落ち着きましたが、一定の受注を維持しております。医療機器関連では、高齢化社会を背景とした医療ニーズの高まりに伴い、得意先から安定的に受注を獲得しております。

その結果、当中間連結会計期間における業績は、売上高142億1千6百万円と前年同期と比べ7億8千6百万円(5.9%)の増収営業利益11億3千7百万円と前年同期と比べ6千2百万円(5.9%)の増益、円安の進行に伴い為替差益2億7千9百万円減少したことなどにより、経常利益12億5千8百万円と前年同期と比べ2億円(13.7%)の減益親会社株主に帰属する中間純利益8億6千3百万円と前年同期と比べ2億1千4百万円(19.9%)の減益となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

① プラスチック成形事業

当セグメントにおきましては、自動車関連部品や金型では受注が減少したものの、デジタルカメラ部品やプリンター部品における受注増加に伴い、プラスチック成形事業全体の売上高は増加いたしました。一方、省人化・省力化を図り経費削減に努めましたが、物価上昇に伴い固定費が増加したことにより、減益となりました。その結果、当中間連結会計期間において、売上高はセグメント間の内部売上高を含めて135億3千5百万円と前年同期と比べ6億7千7百万円(5.3%)の増収となりましたが、セグメント利益(営業利益)は10億4千6百万円と前年同期と比べ4千6百万円(4.2%)の減益となりました。

 

② 精密プレス部品事業

当セグメントにおきましては、医療機器部品の売上高は堅調に推移しており、自動車関連部品においても受注が回復傾向にあります。一方、デジタルカメラ部品では、受注が増加に転じつつあるものの、量産開始の遅れにより売上計画に影響が出ております。また、プレス鋼材の値上がりによる付加価値の圧迫が続いており、価格交渉を進めた結果、当中間連結会計期間において、売上高はセグメント間の内部売上高を含めて4億9千8百万円と前年同期と比べ3千4百万円(7.4%)の増収となり、セグメント損失(営業損失)は4百万円(前年同期はセグメント損失(営業損失)2千9百万円)となりました。

③ プリント基板事業

当セグメントにおきましては、設計部門では、減少傾向にあったセラミック基板の得意先からの受注が持ち直し、横ばいとなりました。一方、検査部門におきましては、自動車向けの各種センサーなどのセラミック基板の検査が好調で、検査機を増設し受注拡大に努め、大幅な増収となりました。その結果、当中間連結会計期間において、売上高はセグメント間の内部売上高を含めて2億4千1百万円と前年同期と比べ9千2百万円(62.5%)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は9千6百万円と前年同期と比べ8千4百万円(698.2%)の増益となりました。

 

当中間連結会計期間末の財政状態は、流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ2億3千6百万円減少し、194億3千2百万円となりました。現金及び預金13億7百万円減少し、受取手形及び売掛金7億6千9百万円仕掛品2億5百万円それぞれ増加したことなどが主な要因です。

固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ4億5千8百万円増加し、102億6千7百万円となりました。有形固定資産が4億9千7百万円増加したことなどが主な要因です。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ2億2千1百万円増加し、297億円となりました。

また、流動負債につきましては、前連結会計年度末に比べ4億3千8百万円増加し、79億2千1百万円となりました。支払手形及び買掛金4億8千5百万円増加したことなどが主な要因です。

固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ9百万円増加し、30億9千1百万円となりました。長期借入金2千3百万円繰延税金負債3千5百万円それぞれ増加し、役員退職慰労引当金5百万円退職給付に係る負債4千万円それぞれ減少したことなどが主な要因です。

この結果、負債の部は、前連結会計年度末に比べ4億4千7百万円増加し、110億1千2百万円となりました。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ2億2千6百万円減少し、186億8千7百万円となりました。為替換算調整勘定3億9千6百万円減少し、利益剰余金2億3千9百万円増加したことなどが主な要因です。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、74億円となり、前年同期と比べ16億9千8百万円(18.7%)減少いたしました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前中間純利益12億5千万円、非資金費用である減価償却費6億5千5百万円仕入債務の増加額6億8百万円及び売上債権の増加額8億7千2百万円未払金の減少額2億6千8百万円などにより、営業活動全体として9億9千5百万円の収入となり、前年同期と比べ収入が12億2千5百万円(55.2%)の減少となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、定期預金の預入による支出5億7千2百万円有形固定資産の取得による支出11億9千5百万円及び定期預金の払戻による収入9億6千5百万円などにより、投資活動全体として8億2千6百万円の支出となり、前年同期と比べ支出が4億7千6百万円(36.6%)の減少となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、長期借入金の返済による支出6億1千2百万円配当金の支払額6億2千5百万円及び長期借入れによる収入5億円などにより、財務活動全体として8億4千万円の支出となり、前年同期と比べ支出が3億8千6百万円(85.2%)の増加となりました。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

なお、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、特に定めておりません。

 

(4) 研究開発活動

当社グループにおけるセグメント別の研究開発活動は、プラスチック成形事業における当社が所有する金型の設計・加工、プラスチックの成形・組立・加飾の技術開発であります。

当社グループにおきましては、案件ごとに個別プロジェクトを発足し、各部署が連携して技術開発を進めております。プロジェクトの体系では、独立した組織ではなく、費用区分が困難なため、研究開発費としての算出をしておりません。

 

(5) 生産、受注及び販売の実績

当社の売上高は国内外における経済活動の活性化を背景とした受注の回復及び増加に伴い、当中間連結会計期間における売上高は前年同期比5.9%の増収となりました。

 

(6) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

当社グループの取り扱い品目は、デジタルカメラ、ビデオカメラ、カーナビゲーション部品等、個人消費の動向をはじめ全般的な景気動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループ内の取引は、基本的に米ドルによる取引であるため為替の動向次第では当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループでは、各部署からの最新の情報等を入手し、今後の事業展開の判断材料となるよう毎週取締役及び各部署長による会議を開催しております。また、経営環境の変化に速やかに対応できるよう、主要な部署に取締役を配置しております。

今後におきましても、取引先の要求に対して、高技術化、スピード化で対応できるよう、当社グループ全体で機敏な営業展開に努めるとともに、積極的に新規分野への進出を視野に入れ事業活動を展開してまいります。特に、主力のデジタル家電機器関連、自動車関連部品を中心とした受注及び収益力の拡大を図り、更なる新事業を開拓するため、設備投資等による新技術の開発や業務の効率化を図ります。また、製造のグローバル化に対応するため海外企業間の直接取引を拡大し、連結業績の向上に努めてまいります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

(子会社株式の譲渡)

当社は、2024年10月29日付で、当社の連結子会社であるタチバナ精機株式会社の発行済株式のうち、当社が保有する全ての株式を向陽技研株式会社に譲渡することを取締役会において決議のうえ、株式譲渡契約を締結し、譲渡を完了しました。

詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりです。