第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 文中の将来に関する事項は、当中間会計期間末現在において判断したものであります。

 当中間会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、重要な変更はありません。

 

(会社の経営に重要な影響を及ぼす重要事象等)

 当社は、直近事業年度におきまして、「A種優先株式に対する配当の見送り」という重要事象又は状況が存在しました。

 

「A種優先株式に対する配当の見送り」

 当社は、平成30年12月にA種優先株式1,000百万円を発行いたしましたが、前事業年度の経営状況を踏まえ、6期連続で普通株式配当の見送りに合わせ、当該A種優先株式に対する優先配当を見送りました。

 

 このように、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。上記事象の内容及び解消・改善するための対応策については、後述する「会社の経営に重要な影響を及ぼす重要事象等に対する分析・検討内容及び解消・改善するための対応策」に記載しております。

 

(会社の経営に重要な影響を及ぼす重要事象等に対する分析・検討内容及び解消・改善するための対応策)

 当社は、上記記載のとおり、直近事業年度におきまして、「A種優先株式に対する配当の見送り」という重要事象等が存在します。

 売上高につきましては、販売会社と共有した具体的な目標の設定、推進をしております。新型コロナウイルス感染症の感染症分類が2類から5類に引き下げになり、観光業や飲食業の賑わいも次第に戻りつつあり、同様に化粧品業界も需要が回復に向かうと考えておりますが、化粧品業界全体を俯瞰しても、需要の回復は、微増か横ばいで推移しております。一方、各種研修やセミナーを開催する環境は整ってきていることから、次第に状況は良くなってきていると判断しております。

 当中間会計期間においては、当社主力製品の一つである「レッドパワー セラム」や、新製品を除くレギュラー製品は堅調に推移したものの、前中間会計期間と比較して新製品の売上高が小さく、売上高が前中間会計期間比7.8%減となりました。販売会社等における流通在庫については、一部の販売会社の特定製品を除いては、適正在庫に収れんしており、継続した販売会社ごとの与信管理等により、販売組織において過剰在庫とならないように防止管理を行ってまいります。

 損益状況につきましても、適正在庫、原価管理の徹底、経費節減に継続して取り組んでおります。当中間会計期の間において、売上高が減収になりましたが、経費は前中間会計期間比で8.3%下げることが出来ております。この経費節減トレンドは、予算に沿って推移しており、通期を通じて効果があります。そのため、当事業年度においては、予算設定損益分岐点が下がっており、利益が出やすい構造となっております。

 財務面においても、令和6年8月発行の第5回新株予約権が、当中間会計期間に一部権利行使が行われ54百万円を調達しております。このように資本の増強も図っております。また、当事業年度は下半期に新製品が多く、売上高は堅調に推移すると考えられること、また、損益分岐点を下げており利益が出やすい構造に変化していること、有利子負債の削減が進んでいることから、当事業年度以降のキャッシュ・フロー計画に重要な懸念が生じる恐れはないと判断しております。今後も財務の健全性を維持してまいります。

 配当については、A種優先株式、普通株式とも配当を見送っております。配当政策については、配当可能利益の確保や将来のビジネス環境の変動にも備えるため、内部留保を優先し、自己資本の維持に努めてまいります。また、当事業年度において、売上回復が鮮明になれば、A種優先株式の配当や、普通配当の復配も可能になると考えております。

 以上の必要な措置を講じることにより、今後も「健全な財務基盤」を回復できると考えておりますので、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間会計期間末現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当中間会計期間における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当中間会計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の流行も落ち着きを見せ、個人消費は堅調に推移しました。一方、食料品等を中心に、生活必需品の価格高騰が続きました。

 観光業や飲食業の賑わいも次第に戻り、同様に化粧品業界も需要が回復に向かうと考えておりましたが、化粧品業界全体を俯瞰しても、需要の回復は、微増か横ばいで推移しております。一方、各種研修やセミナーを開催する環境は整ってきていることから、次第に事業環境は良くなってきていると判断しております。

 このような状況下、当社は「10万人の愛用者づくり」に取り組んでまいりました。当社が大切にしている研修動員数も、SA研修新規動員数+15.2%(対前中間会計期間比)、美容教室新規動員数+107.7%(対前中間会計期間比)と回復してまいりました。増員増設につきましては、IM(アイビーメイツ=会員)新規増員数が△10.4%(対前中間会計期間比)と苦戦しているものの、BM(ビューティマネージャー=販売員)新規増設数は+26.3%(対前中間会計期間比)、営業所新規増設数は+29.8%(対前中間会計期間比)と徐々にではありますが、改善の方向に向かっております。

 当中間会計期間の売上高につきましては、当社主力製品の一つである「レッドパワー セラム」については、目標20,000セットには未達だったものの出荷数量は16,513セット(前年同期累計期間14,766セット)と、前中間会計期間を上回りました。また、新製品以外のレギュラー製品につきましては、好調に推移しました。一方、令和6年6月に新発売しました美容補助商品「ユーグレナ バイタルEX」が、当初の想定どおりの受注状況となったものの、前中間会計期間の新製品の受注額を下回り、売上高全体としては減収となりました。

 その結果、当中間会計期間の売上高は、前中間会計期間比7.8%減となり、減収で推移しました。

 利益面におきましては、売上原価率は前中間会計期間比で0.2ポイント増加しました。これは、工場における原価低減の取組みを行っているものの、製品・資材在庫の一部評価減を行ったこと等の影響によるものです。また、当事業年度は、前事業年度よりさらに経費使用方針に基づく予実管理を徹底しております。当中間会計期間においては、販売費及び一般管理費は前中間会計期間比で73百万円減少しました。この経費節減効果は年間を通じて効果があると考えております。また、令和6年7月には、京都推進部、大阪推進部、営業部直轄 関西の事務所を、大阪府茨木市に移転統合致しました。

 これらの取組みにより売上総利益は前中間会計期間比8.1%減となり、経費削減効果があったものの、営業利益、経常利益ともに減益となりました。

 以上の結果、当中間会計期間の業績は、売上高1,381,322千円(前中間会計期間比7.8%減)、営業利益189,936千円(前中間会計期間比7.2%減)、経常利益185,849千円(前中間会計期間比7.9%減)、特別損失を478,948千円、税金費用の戻しを106,715千円計上した結果、中間純損失186,383千円(前中間会計期間中間純利益191,480千円)となりました。

 SDGsへの取組みについては、当社が取り組める範囲内で地に足がついた形で、環境に配慮した製品づくりに努めております。当中間会計期間においては、ISOの仕組みを活用し、SDGsに関わる品質目標を掲げ、引き続き環境に配慮した資材の採用を検討するとともに、事業活動に伴うエネルギーの削減、資源の有効活用による廃棄ロスの低減などへの取組みを行いました。

 

②財政状態の状況

(流動資産)

 当中間会計期間末における流動資産の残高は2,107,068千円(前事業年度末は2,019,024千円)となり、前事業年度末に比べ88,044千円増加しました。これは主に、現金及び預金が142,319千円、原材料及び貯蔵品が40,427千円

減少したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が227,590千円、商品及び製品が17,182千円増加したことによるものです。

(固定資産)

 当中間会計期間末における固定資産の残高は1,104,450千円(同1,549,690千円)となり、前事業年度末に比べ445,240千円減少しました。これは主に、退職給付制度の終了により前払年金費用が448,291千円減少したことによるものであります。

(流動負債)

 当中間会計期間末における流動負債の残高は914,167千円(同937,721千円)となり、前事業年度末に比べ23,553千円減少しました。これは主に、短期借入金が43,769千円、未払法人税等が23,530千円増加したものの、支払手形及び買掛金が36,888千円、電子記録債務が22,344千円、1年内返済予定の社債が36,000千円減少したことによるものであります。

(固定負債)

 当中間会計期間末における固定負債の残高は186,927千円(同389,077千円)となり、前事業年度末に比べ202,149千円減少しました。これは主に、定時返済などで長期借入金が64,068千円、繰延税金負債が137,177千円減少したことによるものであります。

(純資産)

 当中間会計期間末における純資産の残高は2,110,424千円(同2,241,916千円)となり、前事業年度末に比べ131,492千円減少しました。これは主に当中間会計期間において第5回新株予約権の行使により資本金、資本剰余金がそれぞれ27,066千円増加したものの、中間純損失を186,383千円計上したことによるものであります。この結果、自己資本比率は、65.5%(同62.6%)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前払年金費用の減少、株式の発行による収入、短期借入金の純増等があるものの、税引前中間純損失、売上債権の増加、長期借入金の返済による支出等があったことにより、当事業年度期首残高に比べ142,319千円減少し、当中間会計期間末には66,413千円となりました。

 また当中間会計期間における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間において営業活動の結果使用した資金は122,254千円(前年同中間期は118,330千円の獲得)となりました。

 これは主に前払年金費用の減少額448,291千円、返金負債の増加額31,133千円、棚卸資産の減少額22,937千円等があるものの、税引前中間純損失293,098千円、売上債権の増加額227,574千円、仕入債務の減少額59,232千円、未払消費税等の減少額39,744千円等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間において投資活動の結果使用した資金は16,365千円(前年同中間期は30,676千円の獲得)となりました。

 これは貸付金の回収による収入1,798千円、差入保証金の回収による収入242千円があるものの、有形固定資産の取得による支出11,284千円、差入保証金の差入による支出5,921千円、無形固定資産の取得による支出1,200千円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間において財務活動の結果使用した資金は3,645千円(前年同中間期比152,497千円減)となりました。

 これは主に株式の発行による収入54,000千円、短期借入金の純増額43,769千円等があるものの、長期借入金の返済による支出65,542千円、社債の償還による支出36,000千円等があったことによるものであります。

 

④経営方針・経営戦略等

当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

⑤優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間会計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

⑥研究開発活動

当中間会計期間における当社の研究開発活動の金額は、68,719千円であります。

なお、当中間会計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当中間会計期間末現在において判断したものであります。

 

①当中間会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当中間会計期間の経営成績等は、上記記載のとおりですが、経営者が判断している重要な指標等につきまして、補足いたします。

 

a.上代売上(小売価格ベース)と下代売上(会計上の売上)の関連性について

当社は、売上に対する利益のレバレッジが高いという特徴を持っているため、目標売上高の達成を最重要視しております。当社は、販売会社と小売価格ベースである上代売上で目標を共有しております。通常、上代売上に対する商品売上(下代売上)の平均掛率は36~40%です。この掛率は、販売契約で定めておりますので、大きく変動することは少ないですが、総じて上代売上高の好調な時は低く、上代売上高が不調な時は高くなる傾向があります。会計上の売上は、商品売上(下代売上)から売上割戻額を引いて算出いたします。

 

当中間会計期間における上代売上高は、3,837,970千円(前年同期累計期間は4,212,480千円)でした。当社としては、上代売上目標を販売組織とともに達成することを最重要視しております。

 

b.経営重要指標(KPI;Key Performance Indicator)について

経営重要指標(KPI)として、棚卸資産回転期間、自己資本比率、売上高経常利益率を経営状況のバランスを測る指標としております。

棚卸資産回転期間については、当社は四半期ごとの売上高や原価の変動性が高いため、通期で正常な水準値に近づけることを目的に、構成要素ごとに管理を行っております。当中間会計期間においては、その要素の一つである棚卸資産額が747,270千円(前事業年度末770,207千円)となり、前事業年度末に比べて3.0%減となっております。その結果、棚卸資産回転期間は、12.2ケ月となりました。引き続き正常な水準(目標6.0ケ月)に戻せるように取り組んでまいります。

 

自己資本比率につきましては、当中間会計期間末において65.5%(前事業年度末62.6%)となりました。これは中間純損失を186,383千円計上したものの、前事業年度末より総資産額が357,195千円減少したことと、当中間会計期間において第5回新株予約権の行使が54,000千円あったことによるものです。当社が、正常な水準(目標60.0%)と考えている数値になってきたため、引き続き自己資本比率が下がらないよう取り組んでまいります。

 

売上高経常利益率につきましても、13.5%(前中間会計期間13.4%)となりました。引き続き収益を維持し、正常な水準(目標15.0%)に戻せるように取り組んでまいります。

 

c.研修動員数

当社の経営成績に重要な影響を与える要因の一つとして、販売組織における研修動員数が重要であると考えております。当中間会計期間におきましては、研修動員をしやすい環境になってきたと考えております。理念研修としての「SA研修」の新規動員数416名(前年同期累計期間は361名)、美容研修としての「美容教室」の新規動員数1,169名(前年同期累計期間は869名)となり、前中間会計期間を上回って推移しました。下半期におきましても、引き続き研修動員を強化してまいります。

 

d.流通在庫

当社の経営成績に重要な影響を与えるもう一つの要因としては、販売会社の経営状態であると考えております。販売組織における流通在庫は、ヒアリングにより大まかな把握を行っております。当中間会計期間末におきましては、前事業年度末よりも流通在庫は減少していると推定しており、ほとんどの販売会社の在庫は適正水準に収れんしたと考えております。一方、販売会社から収集している最新の決算報告書を分析すると、販売組織の実売状況は、3年間続いたコロナ禍は明けたものの、販社実売はまだ回復しておりません。一方、その実売金額は、当社からの仕入(当社売上)を上回って推移しており、売上回復に向けた一定水準の顧客は維持していると考えております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社が判断しているキャッシュ・フローの状況につきまして、補足いたします。

 

a.キャッシュ・フロー分析

当中間会計期間末において、現預金残高は66,413千円(前事業年度末比142,319千円減)となりました。販管費は、前中間会計期間比で73,902千円減少し、経費節減管理は、引き続き順調に進捗しております。今後については、売上高をあげるとともに仕入及び経費支出を抑え、手元資金の確保を優先してまいります。当社といたしましては、引き続き財務内容の改善に全力で取り組んでまいります。

 

b.資本の財源について

当社の資本の財源については、資本金、資本剰余金及び利益剰余金等によって構成されております。当中間会計期間におきまして第5回新株予約権の行使が54,000千円ありましたが、当中間会計期間におきまして中間純損失を186,383千円計上した結果、当中間会計期間末の純資産は2,110,424千円となりました。配当政策については、収益の状況を勘案しながら、利益還元を行う方針です。

 

c.資金の流動性について

当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入(社債含む)により資金調達することとしております。当社の運転資金は季節変動が大きく、3月頃及び9月頃に手元流動性が低くなる傾向があります。この時期に必要な現預金を運転資金として保持できるように努めてまいります。また、当中間会計期間末においてまだ在庫が多い状態と認識して、仕入を抑制することにより手元資金を生み出し、内部留保した利益と合わせて、負債の削減を行う予定です。また、新株予約権の行使にともなう入金も含め、手元の運転資金の確保を確実に行ってまいります。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

   当中間会計期間において、当社の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、重要な変更はあり

  ません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。