第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、連結ベースにおける事業経営を念頭におき、「Growing together with U」の理念を掲げ、お客様とともに一体となった成長を目指してまいります。そのために、当社グループの総合力を最大限に活用し、お客様のニーズに迅速かつ効率的な対応ができる体制を構築するとともに、先端技術分野に向けた表面処理技術の開発に専念し、ハード、ソフトを一体としたトータルソリューションを提供してまいります。さらに、透明性ある経営を通じて社会に貢献するとともに、株主に対する利益還元を重要な基本方針と考えております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループといたしましては、グローバルな生産・販売・開発体制を構築し、市場のニーズに合致した製品の開発提供に一層注力し、国際的に認知される企業集団としてのウエムラ・グループを目指してまいります。また、表面処理業界のリーディングカンパニーとして、経営成績の向上、環境問題への取り組みを強化し、経営資源を効率的・集中的に配分することにより、業容の一層の発展に努めてまいります。具体的には、株主資本利益率(ROE)8.5%を目標とし、中長期的には10%を目指します。また、株主への利益還元として、連結総還元性向50%を目標にしてまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、表面処理業界のリーディングカンパニーとして、二十一世紀に成長発展を続ける企業を目指しております。基本方針といたしましては、「選択と集中とスピード」をキーワードに、積極的な新製品の開発、中国市場を中心とした新市場への展開を図ります。

当社グループの強みは、めっき薬品の開発だけでなく、めっき機械設備の開発、そして薬液の管理を行うめっき管理装置の開発を自社グループ内で手掛けていることにあり、また、グループ内でめっき加工事業も行うことで、めっきに関するあらゆるノウハウを蓄積し、これらの総合技術力で顧客のニーズに最大限に応えることにあります。当社グループは、他社との競合優位性を保つため、更に薬品・機械・管理装置・めっき加工部門・事業の海外展開の総合力を高めることに注力してまいります。

また、当社グループでは、売上や利益の追求にとどまらず、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを経営の重要課題と位置付け、「社会発展、環境改善へとつながる製品の開発」、「事業活動に伴う環境負荷の低減」、「いきいきと働ける職場環境の整備」、「社会貢献活動への取り組み」などの施策を実施することで、ステークホルダーの皆様へ高い価値を提供してまいります。特に、当社グループの事業や開発製品を通じ、企業価値を向上させるとともに、持続可能な社会に貢献できる企業グループを目指してまいります。

これらの基本方針に従って、連結子会社を含めグループ一体となって、事業の方向性を明確にし、それぞれの課題の解決に取り組んでおります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後の国内経済の見通しは、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に変更され、感染対策が大幅に緩和されたことにより、個人消費の持ち直しが見込まれる一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による資源・エネルギーコストの高騰や為替相場の変動等により、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。

当社グループの主要市場であるエレクトロニクス市場では、次期も半導体の一部で調整局面が続く見込みであるものの、自動車の電動化、自動化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展に伴い、中長期的に半導体や電子部品の需要は拡大することが予想されます。

エレクトロニクス市場では技術が絶え間なく進化しており、その要求に応えるためには、クオリティの高い製品・技術を市場が要求するタイミングで提供することが不可欠となります。当社グループではこの日々変化するお客様の要求に対しまして、他社に真似のできない技術やノウハウを有した高付加価値製品を提供し続けていかなければなりません。

先端技術分野、エレクトロニクス産業・自動車産業などのサポーティング・インダストリー分野においてめっき技術の重要性はますます高まっております。今後も当社グループはその一翼を担う企業集団として、めっき技術に関わるハード、ソフトを一体とした質の高いトータルソリューションを提供し、かつグローバルに事業展開する必要があります。

 

我々は、この経営課題に対して、現在次のような経営方針の下で取り組んでおります。

① SDGs(持続可能な開発目標)・ESG(環境・社会・ガバナンス)・安全強化の推進

② コンプライアンスの徹底

③ 研究開発の環境整備と迅速化の推進

④ 今後10年、20年を見据えた取り組み

⑤ トータルソリューションを提供できるビジネスの確立

⑥ グループ会社間・部門間のシナジー効果向上の推進

⑦ 将来を見据えた海外の新製造拠点・新販売拠点の探索と検討

⑧ ビジネス環境変化への迅速な対応の徹底

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティに関する考え方

 当社グループは、持続可能な社会への貢献を果たし、企業価値の向上を果たす上で、ESG(環境・社会・ガバナンス)・SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを経営の重要課題と位置付けております。また、気候変動の緩和及び適応は今、対応する必要がある課題と認識し、当社は全社を挙げてエネルギー使用の効率化・省力化等に取り組む等、CO2排出削減に向け取り組んでおります。人的資本への投資についても、人材のダイバーシティ(多様性)を確保し、一人ひとりの個性や能力を最大限活かすことにより、経営環境の変化に対応しながら、持続的な成長、発展を実現することを目指す取り組みを行っております。

 当社は「気候変動」を重要な経営課題の一つとして認識し、2023年5月、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しました。当社では、提言で示された内容に沿って、気候変動関連の情報開示に努めてまいります。

 

(2)ガバナンス・リスク管理

 当社では経営者が全てのリスク管理の責任を負い、「コンプライアンス(CSR)推進室」を設け、当該リスク管理における経営者評価を除く全ての実施権限をCSR推進室長へ委譲しています。「CSR推進室」はリスク管理規程及びリスクアセスメント実施要領に基づき、気候変動関連リスクを含む全社リスク・財務リスクのリスク管理を行い、経営者がこれの評価を行います。

 また、「CSR推進室」の分科会として「ESG、SDGs、TCFD対策委員会」を設け、「CSR推進室事務局」と協力してリスク管理規定及びリスクアセスメント実施要領に基づき、気候変動関連リスクを含む環境・社会リスクを識別・評価し統合的に管理しております。

 なお、「CSR推進室」で討議された内容やESG、SDGs、TCFDの達成率・進捗度合いを、半年に1回(年2回)、取締役会で報告しております。そして、この年2回の報告の中で、取締役会が気候変動関連リスクの進捗を管理しており、取締役会が継続して識別したリスクへの対応状況をモニタリングしております。

 当社のリスク管理評価体制図は次のとおりであります。

 

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(3)戦略

① 気候変動

 TCFD提言では、気候変動関連リスクを移行リスク・物理リスクの2つのカテゴリに分類しており、提言に基づいてリスク項目の検討を行いました。その中で、当社事業との関係性が高いと想定される主要なリスク項目を洗い出し、リスクアセスメント実施要領に基づき、その影響を評価し対応方針を下記のように整理いたしました。気候変動関連リスクと機会を評価する手法として、国際社会の動向やステークホルダーからの期待等を考慮し、当社及びステークホルダーにとっての重要度を相対的に検討し、短期(1年~2年)・中期(3年~5年)・長期(6年以上)といった時間軸を考慮するとともに、発生頻度や金額的影響度の面から優先順位付けの評価を行い「大」「中」「小」の3段階での重要度評価を行っています。

タイプ

リスク項目

リスクの内容

重要度評価

発生時期

対応方針

移行リスク

政策

/規制

炭素税・炭素価格

・石油石炭税や炭素税の導入、排出権取引制度の拡大が進む。

中期

・太陽光発電の設置、省エネ機器の導入などによるGHG排出量の削減

・エコカーの導入による化石燃料の消費抑制

各国の炭素排出目標/政策

・GHG排出に対する総量規制が強化・導入される。

中期

製品に対する規制強化

・パッケージや輸送用コンテナへの再生材の使用が義務化される。

・容器リサイクルに関する法令が強化される。

・サステナブル製品のトレーサビリティの監視が強化され、インシデント発生時のブランドイメージ低下や不適切な情報の拡散が早まる。

中期

・薬液の長寿命化

・無電解Ni回収システムの導入、貴金属回収&リサイクルの推進など原材料使用の効率化

・薬液のリンク容器の採用、環境フレンドリー製品・梱包材・機器の使用などリサイクルへの取り組み強化

水使用に

関する規制

・水ストレスの高い地域の生産拠点において取水制限を受け、操業が停止する。

短期

・社内の排水管理、循環水システムの導入、液体原料の採用、自動洗浄機の導入など水使用の効率化

電力供給

制限

・電力供給が制限されることにより、生産量が減少する。

短期

・太陽光発電の設置、自家発電設備の導入、新電力導入など電力の多様化

・太陽光発電の設置、省エネ機器の導入による外部電力使用の効率化

業界

/市場

エネルギー価格の変化

・原油価格や再エネ賦課金の高騰、エネルギーミックス政策の失敗、GHG排出規制により、エネルギーコストが変動する。

・生産及び物流プロセスの効率化が進まず、競合他社との競争が不利になる。

・エネルギー効率化が進まず、エネルギー価格の上昇による影響を受ける。

中期

・太陽光発電の設置、省エネ機器の導入など外部電力使用の効率化

・エコカーの導入による化石燃料の消費抑制

原材料価格の高騰

・天候・自然災害・需給バランス等によって主要な原材料価格が上昇する。

・気候変動に適応した原材料への転換が間に合わず、必要量の原料確保が困難になる。

長期

・仕入先の複数化

・需給バランス、調達コストを考慮した在庫の適正化

・代替原材料の検討

顧客行動の変化

・気候変動に伴う消費者嗜好が急激に変化し、商品開発及び広報戦略の対応が後手に回り、競争劣位につながる。

・気候変動に伴う気温の変化により、製品需要が変動する。

・環境に配慮する機運が高まり、GHG排出削減に貢献しない製品の需要が減少する。

中期

・顧客志向の早期把握

・顧客志向を反映した製品開発の促進

タイプ

リスク項目

リスクの内容

重要度評価

発生時期

対応方針

移行リスク

技術

新規技術投資による低炭素製品への移行

・気候変動に伴う製品需要の増加に対応した技術開発に失敗し、顧客が代替品を選択して当社の顧客が流出する。

・ライフサイクルマネジメントが重視され、環境負荷の高い製品の容器やパッケージの使用が困難になる。

中期

・低炭素社会のニーズに対応した製品拡販、新製品の開発

エネルギー源の低炭素化

・系統電力の排出係数減少によりGHG排出量が削減される一方で、再エネ賦課金により電力調達コストが増加する。

・再生可能エネルギーへの移行が社会的に進み、求められる再エネ比率の水準が高まる。

中期

・太陽光発電の設置、省エネ機器の導入など外部電力使用の効率化

評判

顧客からの評判

・気候変動問題への取り組み姿勢・実績が、顧客からの企業評価に影響しやすくなる。

・気候変動に関する適切な情報開示がなされず、レピュテーション低下につながる。

中期

・顧客動向の早期把握

・顧客志向を反映した製品開発の促進

・積極的な情報開示

・ステークホルダーとの対話の促進

投資家からの評判

・気候変動に関する非財務情報の開示状況がより重視されるようになり、投資家・金融機関からの評価が変動する。

・気候変動対策に紐づけたグリーンボンド(節水設備の導入等)の発行ができず、資金調達が困難になる。

中期

・積極的な情報開示

・ステークホルダーとの対話の促進

物理リスク

慢性

平均気温の上昇

・気候変動に対応した生産地変更や生産工程の変更、代替原材料の検討が必要となる。

中期

・仕入先の複数化

・太陽光発電の設置、省エネ機器の導入など外部電力使用の効率化

水需給の

変化

・海外の生産工場周辺における干ばつが深刻化し、上水・地下水価格の上昇による影響を受ける。

・サプライチェーン上の水不足によって操業コストが増加する。

短期

・社内の排水管理、循環水システムの導入、液体原料の採用、自動洗浄機の導入など水使用の効率化

海面の上昇

・沿岸に立地する生産・物流拠点において高潮被害が発生する。

長期

・仕入先の複数化

・防水提の設置などBCPの取り組み推進

物理リスク

急性

異常気象の激甚化

・深刻な風水害、土砂災害による工場操業・物流の停止、物損(所有施設、設備等)や商品の廃棄による損失が発生する。

・風水害リスクへの対策が遅れ、豪雨や台風によるサプライチェーンの脆弱性が競合劣位につながる。

長期

・非常用電源の確保、防水提の設置などBCPの取り組み推進

 

 

また当社の機会についても当社事業との関係性が高い項目についてその影響を下記のように整理いたしました。

機会項目

機会の内容

重要度評価

発生時期

資源の効率性

より効率的な輸送方法の使用

・鉄道・船舶・空港等の輸送方法の省エネ化

長期

効率性のよい建造物

・スマートファクトリー、エコビル等の導入による資源の効率化、生産性の向上

長期

水の使用と消費の削減

・製造工程の水使用量削減による資源の効率化、生産性の向上

・浄水場でエネルギーを使用して浄化されるが、そのエネルギー量を間接的に減少貢献するなど

長期

エネルギー源

GHG排出量の少ないエネルギー源の使用

・自社施設の再生可能エネルギーの導入(太陽光発電の設置など)、省エネ強化

中期

製品およびサービス

GHG排出量の少ない商品およびサービスの開発および/または拡張

・省エネ、再エネ、創エネに寄与する製品の開発が進む、もしくは需要が増加する

長期

R&D及び技術革新を通じた新製品やサービスの開発

・脱炭素に寄与する新製品やサービスを研究開発する

・新燃料(水素など)に対応するシステム等の技術開発

長期

顧客(消費者)の嗜好の移り変わり

・顧客が脱炭素に寄与する製品やサービスを好むようになり、ニーズが拡大する

中・長期

弾力性

再生可能エネルギープログラムへの参加および省エネ対策の適応

・気候変動に対応することで、研究開発力を強化し気候対策となる新製品開発、事業拡大、独自の資源循環モデルの構築などの機会

中期

 

② 人的資本

 当社は、グローバル化への対応の中、単に利益追求だけでなく、人材のダイバーシティ(多様性)を確保し、社員一人ひとりの個性や能力を最大限活かすことにより、経営環境の変化に対応しながら、持続的な成長・発展を実現することを目指しております。さらに、社員の誰もが、育児と仕事の両立等、多様なライフスタイルに応じ活き活きと働き続けられるような職場環境の整備にも取り組んでおります。

 また、採用、配置、昇進において、ダイバーシティ(多様性)の観点から性別や国籍等の区別なく、能力や成果を公正に評価し、優秀な人材を積極的に登用する人事制度を実施しております。

 

(4)指標と目標

<CO2排出量削減>

 当社グループでは、気候変動対策を重要課題と認識し、省エネルギー(太陽光発電の設置、省エネ機器の導入)をはじめとする様々なCO2排出量の削減に取り組んでおります。

 当社グループでは、環境目標の中で「CO2排出量の削減」を目標として設定し、CO2排出量の削減に取り組んでいます。2030年までに当社グループのCO2排出量日本国内40%、海外25%削減を目指します。(2017年比)

 また、持続可能な社会の実現に向け2050年カーボンニュートラル(実質排出ゼロ)にチャレンジします。

 

<中核人材の登用等における多様性の確保>

 当社の女性管理職は、2023年3月末時点で4名、その割合は全管理職の約8%であります。当社は、女性の活躍促進に積極的に取り組み、働き方や処遇面で女性が不利な扱いを受ける事がないよう、職場環境の整備に取り組んでおります。管理職への登用は、優秀な人材であれば、性別に関わらず登用していく方針であります。
 外国出身社員は、2023年3月末時点で2名在職しており、うち1名は管理職へ登用しております。今後についても、グローバル展開を意識し、外国人材の採用を積極的に促進してまいります。
 中途採用者の管理職は、2023年3月末時点で14名、その割合は全管理職の約29%であります。当社の事業展開を意識して積極的に中途採用を行っており、管理職への登用も積極的に取り組んでまいります。

 当社では、例年の新卒採用内定者は理系学生が多くなっております。一方、女性の応募者に占める理系学生の割合が少ないため、結果として採用内定者に占める女性の割合が少なくなっております。新卒内定者に占める女性の割合を一定以上とすることで、女性も含めた多様な人材が活躍する環境を維持してまいります。

 

・新卒内定者に占める女性の割合

内定時期

2023年3月期

 

内定時期

2024年3月期

実績

25%

目標

30%

 

<人材育成方針>

 当社は、人事理念として「自律型人材の育成」を掲げています。「自律型人材」とは、「チャレンジ心」をもち「能力」を発揮させ「行動力」で実行する、責任意識の強い、役割認識の高い人材をいい、経営環境の変化に対応しながら持続的な成長・発展を実現するため、「自律型人材」の育成を方針としています。

 

・研修

 新入社員研修や考課者研修、昇格者研修、新任管理職研修、海外グループ会社管理職研修をはじめとした階層別教育、製造・技術・営業など各部門で行われる部門別・テーマ別研修のほか各種選抜型研修といった研修プログラムを整備しています。各種研修を通じて社員一人ひとりの自主性を尊重し、専門知識や創造力を育み、果敢に挑戦する力を持った人材育成に努めています。来期以降においても引き続き各研修を実施し人材育成に努めてまいります。

 

2023年3月期実績

2024年3月期目標

<集合研修>

1人当たり平均研修時間

5時間39分(正社員対象)

研修費用合計

3,337万円

3,640万円

受講時間

延べ1749時間12分

<通信教育>

受講期間

3~6ヶ月

受講者数

28名(新入社員、昇格者)

教材費用合計

87万円

 

・e-ラーニング

 通常の複数人で行う研修のほか、個別での学習・教育ツールとしてe-ラーニングシステムを導入しています。当システムにおいてハラスメント防止教育のほか、ビジネスマナー、情報セキュリティといったテーマに沿ったコンテンツを設け、各自での受講を促し、一人一人の知識・スキルの向上に努めています。来期においては当期実施したものに加えて、当社の行動指針であります「クレド」もテーマに加え、引き続き全従業員を対象として実施してまいります。

 

2023年3月期実績

受講時間

延べ862時間30分

実施回数

延べ23回

受講者数

375名/回(全従業員対象)

 

<社内環境整備方針>

・ハラスメントのない職場づくりの推進

 社員一人ひとりがいきいきと働くことのできる職場環境を構築・維持することにより、社員の自主性の尊重、専門知識や創造力を持った自律型人材の育成を推進するため、ハラスメント研修(管理職向け)およびe-ラーニングによる教育(全社員向け)を行い、各種ハラスメントを許さない環境維持に努めています。来期においても引き続き全従業員に対する教育を実施してまいります。

 

2023年3月期実績

受講時間

延べ1862時間

<管理職向け研修>(集合研修)

実施時間

1時間

受講者数

62名

<e-ラーニング>

実施回数

48回(1週間に1回)

受講者数

375名/回(全従業員対象)

 

・安全衛生

 毎月1回、大阪本社・枚方工場に産業医を招き、安全衛生に関する指導、意見交換の場を設けています。枚方工場においては産業医と安全衛生委員が職場を巡回し、安全衛生上懸念される箇所がないか確認し、従業員が安全・衛生面で安心して仕事に取り組む環境維持に努めています。またEAP事業者と契約し、24時間受付可能な相談窓口を設け、各種相談を受け付ける体制を取っています。

また、枚方工場では、お客様に信頼される製品を提供すること、地球環境と調和した事業を展開すること、働く人に安全で健康的な労働環境を提供することを方針として、ISO9001、ISO14001及びISO45001を統合した品質・環境・労働安全衛生マネジメントシステムを構築しています。来期においても引き続き全従業員に対する教育を実施してまいります。

 

・ISO関連(労働安全衛生)

・内部監査の実施

 定期的に品質・環境・労働安全衛生マネジメントシステムの内部監査を実施し、その際には内部監査員として若手を中心とした実務職を積極的に起用し、内部監査を教育の場として取り組んでいます。

 

2023年3月期実績

実施期間

10日間/年

 

・リスク低減への取組み

 定期的に(3月頃)、枚方工場の管理職等の職場のリーダーを対象とした危険源の特定及び労働安全衛生リスクの評価に関する勉強会を開催し、労働災害や疾病に関するリスクの低減に取り組んでいます。

 

2023年3月期実績

実施期間

1時間

参加者数

28名(枚方工場在籍の管理職対象)

 

・労働環境向上

 従業員に対する賃金、社会保険料、退職給付費(DB、DC、企業年金基金)、RS(譲渡制限付株式)取得費用持株会奨励金を、人的資本への投資として定義し、人材の確保・インセンティブ向上の指標としています。

労働環境向上の面においては、有給休暇の一斉取得による長期連休の実現、ノー残業デーの実施、在宅勤務制度の運用、カフェテリアプランの運用をしております。来期においても当期同様の実施を目標といたします。

 

・平均勤続年数

 労働環境向上の結果を表す指標の一つである平均勤続年数は、男女ともに安定して推移しております。

正社員

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

男性

14.3年

14.6年

14.5年

女性

16.2年

15.1年

14.6年

合計

14.6年

14.7年

14.5年

 

・有給休暇の一斉取得

 ゴールデンウィーク・夏期休暇・年末年始休暇の前後をつなげて長期連休となるよう有給休暇の一斉取得日を設定し、仕事を離れリフレッシュできる環境を整備しております。

 

2023年3月期実績

2024年3月期目標

一斉有給休暇を含む連休

5月:7連休、8月:9連休、

12月:7連休

5月:9連休、8月:8連休、

12月:7連休

 

・ノー残業デー

 毎週水曜日と金曜日をノー残業デーとし、管理職と労働組合員とで各職場の見回りを行い、緊急の案件などがない限り定時での退勤を呼び掛けています。

 

・在宅勤務制度

 一定以上の勤続年数・職能等級の従業員が、業務内容に応じて利用可能な在宅勤務制度を運用しております。

業務の生産性、効率化の向上が見込まれるほか、感染症の流行や災害が発生した場合であっても、通常業務への影響を最小限に抑えることが可能な体制を取っています。

 

・カフェテリアプラン

 福利厚生の一環としてカフェテリアプラン制度を運用しております。1人当たり7万円相当のポイントが1年に1回付与され、自己啓発や医療、教育、レジャー関係の費用に対してポイントを利用することができる制度となっています。

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの事業展開について影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

(1)技術革新の影響

 当社グループの製品は需要業界の技術革新の影響を常に受けます。社会や市場での新技術の開発、新方式の採用、新製品の出現等で表面処理のウェイトが減少し、当社グループの製品の需要が減少する可能性があります。

 その結果、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

(2)稀少原料の安定確保の影響

 当社グループの製品には、競合会社製品に対して優位性を持つために稀少原料を使用している製品があります。稀少原料が原料メーカーの戦略や法規制、あるいはロシアによるウクライナ侵攻などの地政学的リスクの高まりによって生産中止になり、かつ適正な代替原料がない場合、当社グループの製品の競争力に影響します。

 その結果、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(3)使用原料規制の影響

 環境対応に関する法規制あるいは企業の自主規制で当社グループの製品の原料及び当社グループの製品を用いためっき皮膜等が対象となる可能性があります。その場合該当製品の売上に影響します。

 その結果、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

(4)材料費高騰の影響

 中国の経済成長が一つの要因となって、総じて諸材料、諸原料は値上がり傾向にあります。また、ロシアによるウクライナ侵攻を背景とした供給不安から、めっき薬品の原材料である金やパラジウム、ニッケルなどの非鉄金属の市場価格が上昇しております。当社グループの主力製品の主原料が高騰(もしくは長期間高価格)し、なおかつ販売価格がそれに見合って上げられない状況になる可能性があります。その場合、当該製品の収益性に影響します。

 その結果、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(5)機械設備の据付工事における追加原価の影響

 機械設備の据付工事において、顧客との請負契約締結後に資材価格や労務単価等が上昇し、これを請負金額に反映できない場合や契約時に想定した工期に遅れが生じた場合には、追加原価が発生し、不採算工事となる可能性があります。

 その結果、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6)為替レートの変動による影響

 当社グループの取引及び資産・負債には外貨建てのものが含まれており、為替レートの変動によって、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの為替レートの変動によるリスクを軽減するために、為替予約取引等の手段により、可能な限りリスクを軽減し、回避するよう努めておりますが、為替レートの変動によるリスクの全てを排除することは不可能であります。

 その結果、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する感染対策と経済活動の両立が進む一方で、ウクライナ情勢の長期化による資源価格及び原材料価格の高騰や為替相場の急速な変動等により、日本の景気の先行きは不透明な状況が続きました。

当社グループの主要市場であるエレクトロニクス市場におきましては、自動車向けは生産台数の回復や電気自動車(EV)の普及を受けて堅調に推移しましたが、スマートフォンやパソコン、データセンター向けでは半導体や電子部品の需要が減速しました。

このような状況の下、当社グループは、収益力の更なる向上を目指して、高付加価値製品の開発と提案並びに拡販活動に注力してまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は857億49百万円(前連結会計年度比18.6%増)、営業利益は150億46百万円(同7.9%増)、経常利益は158億32百万円(同8.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は105億45百万円(同8.9%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 表面処理用資材事業

主力のパッケージ基板向けのめっき薬品は、パソコンやデータセンター向けで使用されるパッケージ基板の在庫調整による影響を受けましたが、カーエレクトロニクス向けの堅調な需要に加え、為替相場の円安による効果も寄与し、前連結会計年度を上回りました。

この結果、当連結会計年度の売上高は704億94百万円(前連結会計年度比17.6%増)、セグメント利益は138億87百万円(同9.2%増)となりました。

 

 表面処理用機械事業

日本市場、台湾市場及び中国華東地区を中心に半導体や電子部品向けの表面処理用機械の需要が好調に推移し、前連結会計年度を上回りました。

この結果、当連結会計年度の売上高は94億60百万円(前連結会計年度比34.9%増)、セグメント利益は9億41百万円(同38.3%増)となりました。

 

 めっき加工事業

台湾で行っているパッケージ基板向けのめっき加工は順調に推移しました。一方、タイやインドネシアの自動車産業向けめっき加工の売上は、前期の新型コロナウイルス感染症の影響による大幅な落ち込みは脱したものの、利益面では非鉄金属等の原材料価格の高騰による影響を受け、厳しい事業環境が継続しました

この結果、当連結会計年度の売上高は49億46百万円(前連結会計年度比9.5%増)、セグメント損失は3億16百万円(前連結会計年度はセグメント利益29百万円)となりました。

 

 不動産賃貸事業

新大阪の賃貸用オフィスビルをはじめ、当社保有物件の入居率は堅調に推移しました。

この結果、当連結会計年度の売上高は8億44百万円(前連結会計年度比1.2%増)、セグメント利益は5億14百万円(同2.1%増)となりました。

 

なお、上記のセグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億57百万円増加し、265億37百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって獲得した資金は134億62百万円(前連結会計年度は74億17百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、法人税等の支払額50億99百万円、仕入債務の減少額5億11百万円の資金の使用がありましたが、税金等調整前当期純利益155億55百万円、減価償却費20億25百万円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動において使用された資金は67億12百万円(前連結会計年度は46億93百万円の資金の使用)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入28億4百万円、固定資産の売却による収入11億15百万円の資金の獲得がありましたが、固定資産の取得による支出60億90百万円、定期預金の預入による支出37億72百万円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動において使用された資金は75億49百万円(前連結会計年度は37億85百万円の資金の使用)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出49億99百万円、配当金の支払額22億40百万円があったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

表面処理用資材事業 (千円)

24,196,561

16.0

表面処理用機械事業 (千円)

4,003,013

0.3

めっき加工事業 (千円)

4,479,054

19.6

不動産賃貸事業 (千円)

報告セグメント計 (千円)

32,678,630

14.3

その他事業 (千円)

合計 (千円)

32,678,630

14.3

 (注)金額は製造原価によっております。

 

b. 受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 なお、表面処理用機械事業を除く製品について見込み生産を行っております。

区分

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

表面処理用機械事業

20,115,349

131.5

19,220,642

124.7

 

c. 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

表面処理用資材事業 (千円)

70,489,185

17.6

表面処理用機械事業 (千円)

9,448,112

34.7

めっき加工事業 (千円)

4,946,606

9.5

不動産賃貸事業 (千円)

844,768

1.2

報告セグメント計 (千円)

85,728,673

18.6

その他事業 (千円)

20,742

15.1

合計 (千円)

85,749,416

18.6

 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ60億78百万円増加し、1,072億67百万円となりました。主な増加は、土地の増加35億94百万円、現金及び預金の増加15億70百万円、契約資産の増加9億97百万円、建設仮勘定の増加6億6百万円、投資有価証券の増加4億24百万円、原材料及び貯蔵品の増加4億17百万円であり、主な減少は、売掛金の減少16億4百万円、仕掛品の減少3億4百万円であります。

 

(負債の部)

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ4億26百万円増加し、229億3百万円となりました。主な増加は、契約負債の増加6億14百万円、電子記録債務の増加1億79百万円、繰延税金負債の増加1億64百万円であり、主な減少は、支払手形及び買掛金の減少3億48百万円、未払法人税等の減少2億18百万円であります。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ56億51百万円増加し、843億64百万円となりました。主な増加は、利益剰余金の増加83億5百万円、為替換算調整勘定の増加26億6百万円であり、主な減少は、自己株式の増加49億81百万円であります。

 

b. 経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、表面処理用資材事業において、5G(第5世代移動通信システム)対応基地局向けによる、電子部品向けめっき薬品が好調に推移し、売上高、利益ともに前連結会計年度を大きく上回り、当社グループ全体の業績を牽引いたしました。

当社グループの主要市場であるエレクトロニクス市場では、半導体の一部で供給不足の状態が続くものの、自動車の電動化、自動化やDX(デジタルトランスフォーメーション)の進展に伴い、半導体や電子部品の需要は引き続き堅調に推移することが予想されております。当社グループは、その要求に応えるため、めっきに関する技術の継続的な創出を行い、市場が要求するタイミングに合う製品を顧客に提供できるように取り組んでおります。

セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

表面処理用資材事業

表面処理用資材事業は、売上高、セグメント利益ともに前連結会計年度を上回りました。主な要因としましては、主力のパッケージ基板向けのめっき薬品の売上高が、5G関連向けの需要増加やテレワークの普及に伴うデータセンター向けで好調に推移したことによります。

自動車に搭載されるセンサーやカメラモジュールは、自動運転の技術開発が進む中、増加傾向にあり、これら車載用電子部品の表面処理に対応するめっき薬品の開発、拡販に取り組んでおります。また、次世代の通信規格の導入により、スマートフォンなどに用いられるパッケージ基板の更なる微細化、高性能化が進んでいることから、これらの最先端技術に対応するためのめっき薬品の開発、拡販にも取り組んでおります。

 

表面処理用機械事業

表面処理用機械事業は、半導体やパッケージ関連の表面処理用機械の需要は増加傾向にありますが、汎用的な表面処理用機械の販売が減少したため、売上高、セグメント利益ともに前連結会計年度を下回りました。今後も半導体への表面処理の需要が増えていることから、これらのめっき技術に対応した機械の設計や製造に取り組んでおります。また、競合他社との価格競争に対応するため、コスト削減を目的とした機械製造の最適化を進めております。

なお、コロナ禍で電子部品、配管材料及び電動モーターなど表面処理用機械の製造に使用される材料の入手が困難な状態でありますので、入手ルートの見直しや早期発注などにより、材料の確保に努めております。

 

めっき加工事業

めっき加工事業は、タイやインドネシアにおける自動車産業は、新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響による低迷が継続したことから、厳しい事業環境が継続しましたが、台湾では、需要が好調なパッケージ関連の表面処理加工に特化していることから好調に推移し、めっき加工事業全体としては、売上高、セグメント利益ともに前連結会計年度を上回りました。

原価率の改善を目的として、グループ内のめっき加工の生産拠点間で問題点の共有化を行い、品質向上のための施策や生産プロセスの改善に取り組んでおります。

また、タイやインドネシアにおけるめっき加工事業では、自動車産業からの需要の依存度が高く、新型コロナウィルス感染症の拡大による自動車メーカー各社の新車需要の低迷に伴い、当社グループのめっき加工の生産拠点では、一部生産調整を行っており、めっき加工事業の売上高や利益に影響を及ぼしております。

 

不動産賃貸事業

不動産賃貸事業は、新大阪の賃貸用オフィスビルにおいて、オフィスビルの賃料が改定したことから、売上高、セグメント利益ともに前連結会計年度を上回りました。賃貸用オフィスビルでは、定期的なメンテナンスや修繕工事を行い、顧客に対して快適な入居環境を提供し、安定的な入居率の確保に努めております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a. キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

 

b. 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品の製造に係る原材料の仕入、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、当社グループは、長期的に成長が期待できる分野において、製造設備や研究開発設備に積極的に投資を行ってまいります。これら運転資金及び設備資金につきましては、自己資金及び銀行借入により資金調達を行うことを方針としております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っておりますが、これらの見積り、予測は、不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

めっき薬品・機械設備・浴管理装置の三位一体の開発を継続しながら、難易度の高いテーマに積極的に取り組み、最先端技術を追求するとともに、将来技術の探索や環境対応技術の取り組みを行っております。また、台湾・マレーシア・中国・タイ等にある海外開発・技術拠点との連携も一層深めております。

当連結会計年度におけるセグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は2,320百万円であります。

(1)表面処理用資材事業

① プリント配線板(PWB)/半導体パッケージ(PKG)対応技術の強化

PWB/PKG関連の表面処理は当社の最も得意とする分野であり、高密度化する実装技術や次世代通信、カーエレクトロニクス、半導体向けめっきプロセス等に対応した製品開発に注力しております。

イ. 最終表面処理関連

当社の強みである無電解ニッケル/パラジウム/金プロセスを中心として顧客ニーズの多様化に合わせた製品開発を継続するとともに、ファインパターン基板、高周波デバイス向け基板等へ対応できる独自性のある新たなめっき浴やプロセス開発を行っております。半導体向けめっきプロセスについては、主にパワーデバイスやロジックデバイス向けに、主に無電解めっき浴の開発を行っております。

ロ. 無電解銅めっき関連

次世代通信向け基板、フレキシブル基板、部品内蔵基板等に対応するため、さらなる細線化や平滑な表面材料に配線形成が可能な前処理プロセスや無電解銅めっき浴の開発を行っております。

ハ.電気めっき関連

プリント基板や半導体の微細配線や3D実装に適応できる技術として、スルーホールフィリング、ビアフィリング、再配線やポスト用の電解銅めっき浴並びに、半導体の3D実装に適したバンプめっきプロセスや、電子部品の電解めっき浴の開発を行っております。

② 汎用無電解ニッケル・一般装飾めっき関連

 カーエレクトロニクスに適合した無電解ニッケルや機械要素部品へのめっきプロセス並びにアルミニウム基板のハードディスク用めっき液の開発を行っております。また、装飾品や機能部品等、ニッケルめっき以外にも幅広く製品開発を行っております。

③ SDGs(持続可能な開発目標)を見据えた環境・資源問題への配慮

有害重金属フリーの無電解ニッケル浴、PFOAフリーのPTFE複合めっき浴、シアンフリーの無電解金めっき浴、シアンフリーの電解金及び電解銀めっき浴、ホルマリンフリーの無電解銅めっき浴等、SDGsを見据えた環境・資源問題に配慮した製品開発に注力しており、エコフレンドリーな製品の品揃えに努めるとともに、めっき廃液の処理システムの検討も行っております。

④ 海外開発拠点との技術協力推進

現在、海外の研究開発拠点は台湾桃園市、マレーシアジョホール州、中国深圳市、タイ パトウムタニ県等にあり、各地域に適合した製品開発を行っております。これからも、日本の中央研究所を核としながら、海外拠点を活用して地域に密着したグローバルな研究開発体制を推進してまいります。

⑤ 基礎研究分野における産官学の連携

国内外の大学や公的研究機関並びに大手民間企業との共同研究において理論的解析等を行い、製品開発方向を定める一助とするとともに、国家プロジェクトへの参画による将来技術の探索を行っております。また、国内外での学会発表も行い、業界トップの技術力を維持強化してまいります。

⑥ プロパテント政策

当連結会計年度において当社が保有及び出願中の特許は633件(国内173件、海外460件)、実用新案は1件(国内1件、海外0件)で、申請中の商標は349件(国内94件、海外255件)です。当社は知的財産権の取得も開発戦略に含めており、特許・商標の海外での権利化を重視しております。

表面処理用資材事業に係る研究開発費は2,175百万円であります。

 

(2)表面処理用機械事業

 装置及び浴管理装置の開発

 当社独自の技術であるSAP対応縦型連続搬送装置(U-VCPおよびU-VCPS)の開発を継続し、実機ベースの装置と薬液を使用しためっきつけが可能となっております。浴管理装置についても、半導体向けだけでなくプリント基板用等、幅広い浴に対応した管理装置を開発・提供しております。

表面処理用機械事業に係る研究開発費は145百万円であります。

 

 今後も、投資対効果を常に意識し、無駄のないメリハリの利いた重要テーマへの積極的投資を続けてまいります。