文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針および経営環境
当社グループでは「我々は、絶えざる創造と革新によって新しいものを求め続け、人と社会に素晴らしい『快』を提供する」という経営理念のもと、「“あったらいいな”をカタチにする」をブランドスローガンに掲げ、お客さまの生活・健康上のお困りごとを解決し、快適な暮らしに貢献することを使命に事業を展開しております。
そのような中、当社グループをとりまく経営環境は、新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な経済活動の減速等が懸念され、日本においても外出自粛や訪日外国人の大幅な減少により消費低迷が続くなど、先行きは依然として不透明な状況が続くと予想されます。
また、当社グループは国内外でカイロを展開しておりますが、市場の競争激化に加え、近年は地球温暖化の進行により暖冬傾向が続いております。世界の平均気温は2030年には2018年比で1.5度上昇すると言われているなど、今後もこの傾向は続くと予想されます。
一方で、人生100年時代において、QOL改善や予防ニーズ、ヘルスケアニーズは今後ますます高まると見られており、ニッチなお困りごとをいち早く見つけ、解決のアイデアを製品として生み出すことを得意とする当社グループにとっては、今後ますます新製品を発売できる機会が増えると考えております。さらに、これらの製品は日本から遅れて高齢化していく海外各国においてもチャンスが広がると考えております。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、将来にわたって持続的に成長していくために、まずは2030年のありたい姿を描き、そこからバックキャストの形で2020-22年に実行すべきことを定めました。そして、「国際事業の成長加速」「新製品の市場への定着」「ESG活動の推進」を当社グループにとっての重要課題と位置付け、「国際ファースト」をテーマにした中期経営計画を2020年1月31日に発表しました。
▶2030年のありたい姿
グローバル経営を推し進め、2030年には、各国で毎年新市場を1つ創造しており、世界でもお困りごとを解決することで人と社会に貢献し、新市場(新習慣)を創造する企業として認知されつつある状態でありたい。
連結売上高2,800億円、うち国際事業900億円
-国内では「あったらいいな」開発と育成を究めている。
-その新製品を各国にスピーディにローカルフィットさせ広げている。
-欧米・中国・アジアの3極でも「あったらいいな」開発の成功例が出ている。
▶2020年-22年 新中期経営計画の概要
テーマ:国際ファースト
<戦略骨子>
1.全社挙げて国際事業の成長に取り組む
2.既存事業のレベルアップ
3.ESG視点で経営を磨く
4.イノベーションや新規事業創出の土台作り
しかしながら、その後の世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により、当社グループの事業においても様々な影響が見られております。
例えば、インバウンド需要が消滅したことで、国内事業の売上に大きな影響が出ております。また、インバウンドで売れたものをすぐに中国本土へ展開し、中国ビジネスの売上拡大を図る、というこれまでの戦略が取れなくなってしまいました。さらに、手洗いやうがいの徹底など、衛生意識の高まりにより新型コロナウイルス以外の感染症に罹患する人数が国内外で減少しており、「熱さまシート」などの関連製品の売上にもマイナス影響が出ております。
一方で、当社グループの事業においてプラス影響も見られております。例えば、レンズの指紋・脂汚れを軽く拭くだけでスッキリ落とせるシート「メガネクリーナふきふき」や流せるティッシュタイプの便座クリーナ「便座除菌クリーナ」など、除菌衛生関連品の需要が高まっております。
また、2020年10月には、北米のOTC事業強化のため、当社グループとしては過去最大規模のM&Aを実施し、Alva-Amco Pharmacal Companies, Inc.(以下、Alva社)の買収を行いました。
こうした状況を踏まえて、中期経営計画の業績目標数値を以下の通り修正することにしました。
<修正業績目標>
|
|
2020年 実績 |
2022年 当初目標 |
2022年 修正目標 |
今後2年間の年平均成長率 |
|
売上高 |
1,505億円 |
1,800億円以上 |
1,620億円以上 |
3.7%以上 |
|
営業利益 |
259億円 |
290億円以上 |
270億円以上 |
2.0%以上 |
|
(率) |
17.2% |
16%以上 |
修正無し |
- |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
23期連続増益 |
25期連続増益 |
- |
|
|
ROE |
10.8% |
11%以上 |
10%以上 |
- |
|
R O I C(※) |
10.1% |
10%以上 |
9%以上 |
- |
|
国内売上高 |
1,193億円 |
1,354億円以上 |
1,223億円以上 |
1%以上 |
|
国際売上高 |
214億円 |
330億円以上 |
295億円以上 |
17%以上 |
|
国際売上高比率 |
14.3% |
18%以上 |
修正無し |
- |
|
通販売上高 |
90億円 |
104億円以上 |
96億円以上 |
2%以上 |
※ ROIC=NOPLAT/投下資本=(営業利益×(1-実効税率))/(純資産+有利子負債)
(実効税率:30.58%、有利子負債=短期借入金+長期借入金)
今後は下記の取り組みを強化することで、上記目標の達成を目指します。
国内事業
新型コロナウイルスの感染拡大による生活習慣の変化(マスク着用の通年化、衛生意識向上、在宅勤務の増加、通院の減少によるOTCシフト等)で今後発生するニッチなお困りごとをいち早く捉えて製品化できるよう、全社あげてアイデア創出を推進していきます。そうして新たな需要喚起を図るとともに、既存製品の育成に努めます。
国際事業
中国本土においては、日本で販売している商品を中国国内ECでテスト広告をし、販売が好調なものに対して重点的に広告を投下していきます。そのために、ライブコマースを活用するなど、Webマーケティングを強化して、eコマースでのトライアル購入獲得の精度を高めていきます。
北米においては、2020年に買収したAlva社での新製品開発と育成に注力することで、OTCビジネスの拡大に努め
ます。
通販事業
コンセプトの伝えやすい機能性表示食品の新製品開発を強化し、店頭と通販の両方で発売し、それぞれで広告・販促をすることで売上の拡大に努めます。
当社グループは、企業が将来生み出す収益に対して影響を与えると考えられる、発生が不確定の事象を「経営リスク」と定めております。この経営リスクのマネジメントに関する全般的事項を「経営リスクマネジメント規程」として2008年4月に制定し、この規程に基づき、様々な経営リスクへの適切な対応と経営リスクが顕在化した場合の影響の極小化を図っております。
特に、2017年11月より、代表取締役社長と主要執行役員を構成員として「リスク管理委員会」を設置し、経営リスクのマネジメントシステムの構築、及び維持を目的とした活動を行っております。このリスク管理委員会では、小林製薬グループ全社で発生する経営リスクを網羅的に把握、評価し、対応の優先順位を検討しております。また、対応が必要と考えられたリスクについては、経営の関与の必要性を明確にし、対応の責任を負う担当部門を決め、責任部門における対策案の立案と実行を監督しております。リスク管理委員会における検討結果は取締役会にも報告され、取締役会において必要に応じその検証を行っております。以上のようなプロセスに基づき当社グループが経営に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスク、及びその対応策の実施状況は、次頁以降記載のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
|
主要なリスクの内容 |
主な対応策の実施状況 |
|
(1)事業環境のリスク 当社グループの主要製品は、一般消費者向けの製品であります。当社グループは、消費者ニーズを満たす製品の提供を当社グループの使命と考え、消費者ニーズの変化に合わせて新製品を開発し、また既存発売品の更新を行うことにより価値を創出し、他社との差別化を目指しております。 しかしながら、当社グループの想定を超える消費者ニーズの急激な変化が起こった場合、当社グループの製品への需要が大幅に縮小する可能性があります。 また当社グループの事業領域は、競合他社の新製品発売、得意先の統合による価格交渉力低下等の競争環境の変化にさらされております。そのため状況に応じて、新製品・既存発売品の需要喚起のための広告宣伝、販売促進費用や、開発費用を増加させる必要が生じる可能性があります。 さらに当社グループは、EC購買の増加や消費者の利用媒体の変化などの消費者の購買行動の変化に対応し、広告宣伝手法の更新等、消費者との最適な関係構築を追求しておりますが、当社グループが想定していない購買行動の変化が起こった場合、事業効率が低下する可能性があります。 これらの要因が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 |
当社グループは、消費者ニーズを見出し、製品のアイデアを検討する「アイデア創出」を起点としたバリューチェーンを構築しております。創出された製品アイデアについて、製品開発に向けた検討段階に進めるべきか判断する「アイデア会議」を月に1回の頻度で開催しており、消費者ニーズをタイムリーに反映した新製品の開発を持続的に行うことを目指しております。 一方、主要な既存発売品については、消費者ニーズの変化を捉えた訴求・表現等の見直しや、競合環境に対抗する施策などの市場戦略のレビューと更新を半年に1回の頻度で行うことで、環境変化を精緻に捉えた戦略策定を実現するよう努めております。 これらの活動に加え、多種多様な製品をラインナップすることで、消費者ニーズが変化した際の影響を小さくするリスクヘッジを機能させ、持続的に収益を確保することを目指すことのできる体制を構築しております。 また、当社グループはプロブレム解決型の製品を多く提供しているため、テレビ広告を中心とする広告投下によって、製品の特徴を消費者にわかりやすく伝えていくことが新製品の売上を確保するうえで重要であると認識しております。しかし、ターゲットとする消費者によってはWEB広告の投下を柔軟に検討し、常に広告投下と店頭消化との相関を把握することで、消費者の利用媒体の変化に関わらず広告効率が高く保たれるよう、広告施策を検討しております。 |
|
(2)積極的に新製品を投入するビジネスモデルのリスク 当社グループでは成長戦略の中核的な柱として積極的な新製品の開発と市場への投入を進めており、毎年の春と秋に多くの新製品を発売しております。しかし、新製品アイデアの創出が難航し新製品の開発に着手できる品目の数が不足する場合や、開発中の製品について消費者ニーズの変化等により開発が中止となる場合、新製品発売時に競合他社からの類似製品の発売等によって市場環境が想定より厳しいものとなっている場合には、当社グループの新製品の売上が事前の想定を下回り、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
上述のとおり、当社グループは、消費者ニーズを見出し、製品のアイデアを検討する「アイデア創出」を起点としたバリューチェーンを構築しております。 新製品アイデアの継続的な創出のため、当社グループではその風土醸成を重視し、アイデア創出を基幹業務として位置づけ、十分な人的・物的なリソースの投入を継続するよう努力するとともに、全社員からアイデア提案を受け付ける制度の活用推奨、全社員アイデア大会の開催などの意識向上施策に取り組んでおります。 開発段階に進んだ新製品アイデアについては、発売予定品目をまとめた「新製品ポートフォリオ」を作成して将来の発売予定時期ごとに分類し、毎月の経営会議で進捗状況を把握しております。この新製品ポートフォリオを活用し、開発中止となる品目の発生をあらかじめ想定した余裕のある開発品目数の確保と、発売スケジュールの調整を行い、常に十分な売上となる発売予定品目が確保できるよう努めております。 |
|
主要なリスクの内容 |
主な対応策の実施状況 |
|
(3)天候不順、気候変動による需要変動のリスク 当社グループの製品は、カイロ、感冒対策製品、暑さ対策製品、花粉症対策製品等、その製品需要が気温・天候により変動するものを多く含んでおります。そのため、各事業年度の気温・天候の変動により製品売上が影響を受ける可能性があります。 また、中長期的な気候変動が起こった場合、これらの製品への需要が縮小する可能性があります。当社グループはこれらのリスクに対して、気候変動に呼応した新製品開発、既存発売品の更新による新規需要獲得で対応する予定でありますが、急激なあるいは大きな気候変動が起こった場合、新規需要獲得が追いつかず、製品売上が減少する可能性があります。 一方、中長期的な気候変動の影響を低減させる方向での議論が進む、世界的な温室効果ガス削減の動きによって、当社グループの製品に関しても、将来的な炭素税の課税負荷、及び環境負担が高いと見なされた製品に関する商流からの排除、さらには消費者のエシカル意識の高まりによる排除等の影響がある可能性があります。 これらの要因が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、多種多様な消費者ニーズに応え、多岐にわたる製品ラインナップを確保しており、一部製品の売上は、短期的な気温・天候による需要変動の影響を受けるものの、全体からみれば一定の規模に収まるという想定のもとで気候変動リスクを受容しております。特に冬期の気温の動向により大きな影響を受け、一定の売上規模を持つカイロ事業については、気温に左右されにくいヘルスケア領域(温熱医療)の製品開発を進めるとともに、カイロ売上構成比の大きい米国については他のカテゴリー製品の構成比を高める戦略を進めております。また、カイロ製品に限らず季節ごとに売上が変動する製品の返品を最小限に抑えるため、各種データを活用した漸次的な出荷調整等の活動により、リスクの最小化を図っております。 一方、中長期的な気候変動による製品需要の変化については、気候関連財務情報開示(TCFD)に関するガイダンスに基づいて、これを網羅的に予測し、リスク・機会の状況を検討しております。また、対応が必要なリスクについては、環境マネジメント体制を強化し、グループ全体として中長期的なあるべき姿や環境課題の見直しなどを検討すべく、グループ環境委員会を2018年に設立し、対策を検討し実施しております。 また、社会的な温室効果ガス削減の推進による当社グループの事業への影響についても検討しており、2019年よりScope3視点での温室効果ガス排出状況の算定を開始し、その事業影響の把握にも着手しております。 |
|
(4)海外事業のリスク 当社グループの海外売上の構成比は、海外の消費者ニーズに応えた事業展開によって上昇傾向にあります。また、海外事業の将来成長を期待して、海外の現地工場や子会社の設立等の投資を行っております。そのため、事業を展開している各国の経済成長の鈍化、現地政府による規制の変更等によって、海外事業の業績が変動し、投資回収効率が低下する可能性があります。また、現地政府による資本流出規制によって、資本の流動性が低下する可能性があります。 さらに、在外連結子会社の売上、費用、資産及び負債を含む現地通貨建ての財務数値は、連結財務諸表の作成の際に円換算します。そのため、換算時の為替レートが大幅に変動した場合、円換算後の数値が大幅に変動する可能性があります。 これらの要因が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 |
海外事業に対する投資に限らず、大型投資については、可能な限り段階的かつ合理的な予算で行うことを原則に、当社グループは投資判断を行っております。また、消費者ニーズ等の環境変化をタイムリーに反映させ、常に最新の投資計画を確認するように努めることで、投資回収リスクを低減するリスクヘッジを行っております。 換算時の為替レートについては、主要通貨の変動と事業への影響をモニタリングし、適時社内での情報共有を行っております。また、必要に応じて、関係部門は為替変動の事業への影響を軽減する対策を検討しております。 |
|
主要なリスクの内容 |
主な対応策の実施状況 |
|
(5)事業買収・提携のリスク 当社グループは、国内外の当社グループ製品の市場の獲得と強化を目指し、製品ラインナップの強化、販売・製造拠点の確保(薬事規制対象製品に関する所要の認可等の確保を含みます)、販売力・事業遂行ノウハウの獲得を目的に、積極的なM&Aや事業提携を図っております。ただし、これらM&Aや業務提携については、事前に十分に把握しあるいは予想できない不確実な要素が存在する場合があるため、事後的に判明しあるいは発生した想定外の事象や環境変化によって、当初意図した成果が得られない可能性や、事業戦略の変更を行わざるを得なくなる可能性があります。 企業買収に際しては、多くの場合のれんや無形資産を相当額計上しておりますが、こうした資産が期待されるキャッシュ・フローを生み出せない場合には減損損失が生じるリスクがあります。 これらの要因が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
M&A、事業提携の実施にあたっては、過去の経験からノウハウを蓄積し、抜け漏れのないデュー・デリジェンス(買収監査)を実施して精緻な情報収集を行うよう努めております。 当社グループの実施するM&Aの多くのケースは、水平統合による事業拡大の性質を持つことから、買収事業の製品は、既存の多種多様な製品のラインナップの一部に加わっております。また、実際に投資を行う際の投資金額も当社グループの事業規模を勘案し、適切な予算の設定を行っております。したがって、想定外の業績変動が発生するリスクによる影響は、当社全体の業績からみれば限定的な範囲に収まるものと想定しております。一方で獲得した成長機会が目論見どおり実現された場合の業績へのプラスの影響は大きいものとなるケースが多く、この成長機会と残存リスクのバランスを十分に議論したうえで、最終的な実施の判断を行い、リスクのマネジメントを実施しております。 |
|
(6)人的資本確保・活用のリスク 当社グループは、新製品を継続的に発売するビジネスモデルを成立させるため、人的資本の確保・活用を重要視しております。特に海外事業の成長に対する人的投資のため、グローバル・マインドとスキルを持った人財の獲得・育成に努めております。しかしながら、性別・国籍等を問わない多様な人財の活躍推進の停滞や、労働市場の競争激化への対応の遅れ、従業員の企業貢献意識を向上させる施策が適切に実施できない等の事態が生じた場合、必要な人的資本を確保・活用できなくなり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、「さん付け呼称」など役職に囚われず、フラットに発言できる企業風土を作り上げております。 また、「社員一人ひとりの成長が、会社の成長につながる」を行動規範に掲げ、従業員個々人の能力、成長意欲を引き出し、活躍させることを重視した活動を行っております。 具体的には、全ての従業員が成長を実感できるよう2018年より「成長対話」の活動を開始し、上司が部下個々人の特性に合った成長意欲を引き出し、成長を加速させる活動を、国内の全部署で行っております。また、女性活躍推進については、2022年女性管理職比率16%の目標値を掲げ、キャリア志向を醸成するポジティブアクションを含めた具体的活動を推進しております。 |
|
(7)製品安全性のリスク 当社グループの製品は、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等を含みます。これら製品の品質管理には万全を期しておりますが、万一、設計不良、品質不良、あるいは副作用報告に応じた初期対応の誤りによって、消費者の健康及び資産に多大な被害等が発生した場合、その補償や、信用失墜によって当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループの製品品質については、監査の役割を負った専門部門(信頼性保証本部)を責任部門として、品質管理上の不具合・脆弱点を洗い出して、その発生可能性を仕組みづくりによって低減する活動を繰り返す連続的なPDCAによってこれを保存するための取り組みを行っております。このPDCAの対象は、製造プロセスだけでなく、製品設計プロセス、製品の裏面表示(消費者の読む注意書き)等、製品の品質保全に関わる広範な領域にわたります。また、この日々の品質改善活動の結果を年に1回の頻度でとりまとめ、PDCAの実施状況について確認するよう努めております。 なお、万一重篤な設計不良・品質不良が疑われた場合は、週に1回の頻度で実施されるグループ執行審議会でタイムリーに対応を判断しております。 |
|
主要なリスクの内容 |
主な対応策の実施状況 |
|
(8)製品原材料調達のリスク 当社グループの製品事業は、原材料調達コストの変動リスクにさらされております。原材料の一部については国境を越えた調達を行っており、為替相場の変動によって調達コストが増大する可能性があります。 また、当社グループは継続的なコストダウン活動により製品原価の低減を図っておりますが、原油価格の急騰等により原材料価格の急な上昇があった場合、製品原価が上昇し利益が圧迫される可能性があります。 また、災害・パンデミックの発生等には、原材料の生産・流通が停滞することで、市場への製品供給が阻害され機会損失が起こる可能性があります。 また、当社グループの販売する製品の原材料は、その品目数の多さに応じて多岐にわたっております。サプライチェーンの生物多様性保全等の環境側面、あるいは労働環境、人権等の社会側面において、社会的責任ある調達への取り組みが不十分であった場合、当社グループの原材料の持続的調達が困難となるとともに、その指摘によって当社グループのブランドイメージ、信用が低下する可能性があります。 これらの要因が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループの販売する製品の原材料は、その品目数の多さに応じて多岐にわたっているため、原材料の価格高騰等が限定的なものであれば、全社の業績に与える影響も軽微なものとなることが想定されます。 一方、災害・パンデミック等によって多岐にわたる原材料の供給不安に対しては、あらかじめ「製品BCPシステム」を構築することで、想定される災害・パンデミック等のケースに応じて、どの製品のどの原材料の供給に懸念があるか等を早期に判断できる仕組みを整え、速やかな原材料の確保ができるよう努めております。 また、当社グループは「小林製薬グループの調達基本方針」を示し、これに則った原材料の調達を行っております。2019年には、「小林製薬グループの調達基本方針」に、人権尊重の強化、及び企業の社会的責任を果たしていく方針を追記したうえで、年に1回の頻度で、調達先に対して実施する「調達方針説明会」においてこの方針を共有するとともに、主要原材料取引先40社を対象とした、人権侵害のリスクを把握するためのアンケートを実施しております。今後、対応を進めるとともに、監査強化、環境保護視点の追加等を検討し、包括的なCSR調達の達成・維持を図ってまいります。 |
|
(9)法的規制等のリスク 当社グループの製品は、医薬品、医薬部外品、化粧品等を含みます。そのため、医薬品医療機器等法等に関する法規の変更があった場合、製品の開発中止、販売中止等の影響を受ける可能性があります。 また、当社グループ売上の一部は、海外の得意先・消費者の製品輸入により成立しているため、輸出入の規制変更等によって、この売上が変動する可能性があります。 これらの要因が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
国内、国外における、医薬品医療機器等法等の法令規制の変更については、法務知財部が中心となって随時の情報収集に努めるとともに、先行した対応を心がけて事業影響を最小化するよう努めております。特に中国における法規の変化はスピードが激しいため、情報収集を実施する役割を明確に負った部署を現地に設置し、行政との関係性強化、及び法規変更情報の中国生産拠点への水平化についても義務づけることで、対応に遅れが出ないことを目指した仕組みを構築しております。 |
|
(10)情報セキュリティ関連のリスク 当社グループは、通販事業を中心に、消費者の個人情報を主とする多くの情報を保有しております。万一情報漏洩が発生した場合には、その補償や、信用失墜によって当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、当社グループは、開発中の新製品の情報、過去の製品販売実績に基づく各種ノウハウ等の情報資産を、デジタルデータとして保有しております。サイバー攻撃等により、このデータの外部流出、あるいは喪失が発生した場合には、事業活動の一時的な中断、蓄積されたノウハウの一部喪失等により当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
情報セキュリティの確保については、社内管理体制を整備し、社内教育を徹底して、情報管理の充実には万全を期すよう努めております。 また、年に1回の頻度で当社グループにおける情報セキュリティの対応レベルについて第三者からの評価を受け、他社の対応レベルと照らし合わせて、常に適切なセキュリティ能力が確保されていることを確認するよう努めております。 なお、当社の重要なデジタルデータは、数日に1回の頻度でバックアップを更新し、遠隔地のサーバに保存しております。デジタルデータの改ざんの被害を受けた場合・喪失した場合には、このバックアップデータをもとに復旧する仕組みとすることで、リスクヘッジを行っております。 |
|
主要なリスクの内容 |
主な対応策の実施状況 |
|
(11)コンプライアンス関連のリスク 当社グループは事業活動を行ううえで、製品の品質・安全性の確保、健全な営業活動の実施、取引先との健全な関係構築、会計基準や税法の的確な運用等の観点で、様々な法令等の適用を受けております。 また当社グループにおいて、風通しの良い労働環境の確保と、多様性を認める価値観の醸成は、新製品のアイデア創出と人財育成を重視する事業を運営する観点でも重要な活動であります。 したがって、当社グループは法令違反、ハラスメントの発生等のコンプライアンス上の問題が発生することを未然に防ぐためのコンプライアンスに関する教育・遵守に注力しておりますが、万一、当社グループ、もしくはその従業員が重大なコンプライアンス上の問題を起こした場合は、当社グループの信用、経営成績や財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは2012年より「グローバルコンプライアンスポリシー」を制定し、これに基づくコンプライアンスの推進を実施しております。 従業員及び社外取引先担当者を対象としたコンプライアンスアンケートを年に1回の頻度で実施し、スコアの推移を監視するとともに、向上に向けた研修施策等を計画・実行し、PDCAを回しております。 また、従業員からのコンプライアンス上の疑問・悩み・相談を受け付ける専用窓口として「従業員相談室」を設け、相談のしやすい環境整備を行っております。2013年からは、海外の全ての関係会社を対象とした内部通報窓口も設置し、グローバルな情報収集体制を運用しております。 |
|
(12)知的財産、及び訴訟関連のリスク 当社グループは、幅広い製品を日本を含む諸外国で製造・販売しているため、管理すべき知的財産権も広範にわたります。したがって、この知的財産権を効率良く管理する仕組みの導入が遅れれば、管理コストが過大となります。 当社グループの製品ブランド及び関連する商標権等の知的財産権に関して第三者による侵害が生じた場合、当社グループは適切な対抗措置をもって対応しますが、これが認められなかった場合、損害を被る可能性があります。 一方、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合、その補償が必要となり、また、信用失墜が起こる可能性があります。 当連結会計年度においては、当社グループに重要な影響を及ぼす訴訟等は提起されていませんが、当社グループはグローバルで多岐にわたる事業展開をしており、様々な訴訟等を受ける可能性があります。 これらの要因が当社グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループの事業遂行における知的財産権の侵害、非侵害のチェックは慎重に行い万全を期すように努めております。 また、デジタル技術を活用することで多くの品目数の知的財産権侵害を効率良くチェックする仕組みも導入し、知財管理コストの増大を抑える取り組みを行っております。 一方、製品の開発段階における積極的な知的財産権の創出と戦略的出願を実施し、事業領域での参入障壁の構築、模倣品の排除等の活動を継続的に行っております。 |
|
(13)自然災害によるリスク 当社グループは日本をはじめ、欧米・中国・アジア等に事業拠点を持っております。これら事業拠点の所在地で地震、大雨・洪水、大規模な台風等の自然災害が発生した場合、当社グループの業務停止・遅延、資産喪失、人的被害等が発生し、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、各災害の発生を事業活動上いずれは顕在化するであろうリスクとして織り込み、顕在化した際も事業が継続できるよう事業継続計画(BCP)を策定するとともに、有事にはスムーズに危機管理体制を構築し、グローバルな情報収集、タイムリーな経営判断などの対応が可能となるよう体制を整えております。 |
|
主要なリスクの内容 |
主な対応策の実施状況 |
|
(14)深刻な感染症流行によるリスク 当社グループは、日本をはじめ、欧米・中国・アジア等に事業拠点を持っております。これら事業拠点の所在地で大規模かつ深刻な感染症が流行した場合、現地行政による外出規制によって消費者の外出機会が減り、一部の製品の売上が減少する可能性があります。また当社グループ売上の一部は、訪日観光客のインバウンド消費により成立しているため、渡航規制によってこの売上が減少する可能性があります。 実際に、2020年新型コロナウイルスの感染拡大により、海外渡航が規制され、訪日観光客が減少することによってインバウンド消費による売上が大幅に減少しております。今後、新型コロナウイルスの影響が解消せず、訪日観光客数が戻らない場合には、インバウンド消費による売上が回復しない可能性があります。 さらに感染症拡大の長期化・常態化した場合、消費者の経済状況の悪化、生活様式の新常態への変化が製品需要を変動させる可能性があります。想定を超える急激な需要変動が起こった場合、新規需要獲得が追いつかず、製品売上が縮小する可能性があります。 また、当社グループでは事業所内のクラスター感染の発生に対し、三密回避を基本とする万全の予防体制を敷いておりますが、万一、事業所内で感染者が発生した場合には、一時的に事業所における製品生産等の事業活動が停止する可能性があります。 これらの要因が当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。 |
感染症の流行によるインバウンド消費の喪失については、日本における製品需要が海外現地に移行したものと捉え、渡航規制等の影響を受けない海外現地での売上拡大に努めることで売上への影響の最小化に努めてまいります。 また、当社グループは、消費者ニーズを見出し、製品のアイデアを検討する「アイデア創出」を起点としたバリューチェーンを構築しております。したがって、感染症拡大による新常態の定着によって消費者ニーズに変動があった場合でも、これを素早く察知し、新常態のもとで発生する新たな「お困りごと」を解決する製品を送り出すことで、市場獲得の機会として、需要変動による製品売上消失のリスクを補填することを目指してまいります。 クラスター感染発生による事業所の停止については、感染可能性のある候補者の情報を随時確実に危機管理本部が把握し、スムーズな事業所消毒の実施に備えることによって、操業停止リスクを最小限に抑えた運営をしております。一方、感染状況を受けた在宅勤務の推奨、必要部署における二交代制の出勤の設定等により、感染拡大の可能性の低減と感染時の影響の低減を図っております。 また、当社グループは、各災害の発生を事業活動上いずれ顕在化するリスクとして織り込み、顕在時でも事業が継続できるよう、事業継続計画(BCP)を策定しております。2020年に顕在化した新型コロナウイルスの影響を経験として、パンデミック発生時の事業継続計画については更新し、新型コロナウイルスの流行拡大、別種のパンデミック発生時への備えを強化しております。 |
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2018年3月30日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針30号 2018年3月30日)を適用しております。また、収益認識に関する会計基準等の適用については、収益認識に関する会計基準第84項に定める原則的な取扱いに従って、当該会計方針を過去の期間すべてに遡及適用しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大による会計上の見積り及び仮定への影響は軽微であります。同感染症の影響は不確定な要素が多いため、当社グループの経営成績及び財政状態に及ぼす影響は、一定期間続く可能性があると考えておりますが、翌連結会計年度以降における会計上の見積り及び仮定への影響につきましても軽微と想定しております。
①退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連
する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しておりま
す。数理計算上の仮定には、割引率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等の様々な計算基
礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌
連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響
を与える可能性があります。
②繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、課税主体ごとに将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税金負担額を軽減
する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の
十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分
性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌
連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与
える可能性があります。
③企業結合により取得した資産及び引き受けた負債の公正価値の見積り
当社グループは、企業結合により取得した識別可能な資産及び引き受けた負債を、取得日の公正価値で測定
しております。当該公正価値は、無形固定資産については見積将来キャッシュ・フローや割引率等の仮定に基
づいた超過収益法により算定しております。
公正価値の算定は、経営者による最善の見積りにより行っておりますが、将来の不確実な経済条件の変動に
よって影響を受ける可能性があります。これによって、無形固定資産及びのれんの評価額に重要な影響を与え
る可能性があります。
(2)経営成績
当連結会計年度における当社グループをとりまく経営環境は、新型コロナウイルス感染症の拡大による世界的な経済活動の減速等が懸念され、日本においても外出自粛や訪日外国人の大幅な減少による消費低迷など、不透明な状況が続きました。
そうした状況のなか、当社グループは「“あったらいいな”をカタチにする」をブランドスローガンに、お客様のニーズを満たす新製品の発売や既存製品の育成、今後の成長事業への投資に努めてまいりました。
その結果、売上高は150,514百万円(前連結会計年度比4.9%減)、営業利益は25,943百万円(同1.1%増)、経常利益は27,726百万円(同0.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は19,205百万円(同0.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績の概要は次のとおりです。
国内事業
当事業では、低気圧による頭痛やだるさ、めまい、むくみなどの様々な不調を感じる方のための漢方薬「テイラック」、自然を感じるナチュラルな香りと北欧風インテリアにマッチするシンプルなデザインのスティック芳香剤「Sawaday香るStick北欧」、繰り返す耳まわりなどの肌トラブルに効く耳まわり治療薬「ミーミエイド」など春に9品、秋に14品の新製品を発売し、売上に貢献しました。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大によって様々な生活習慣の変化が起こっており、その中から生まれた新たなお困りごとを解決すべく、新製品開発に取り組んでまいりました。その結果、マスク着用によるムレ感を解消できるマスク専用スプレー「のどぬ~るマスク ムレ感対策」、消毒と保湿が1本で同時にできる「うるるテクト 消毒できるハンドミルク」など、9品目を発売し、売上に貢献しました。
そして、1月中旬頃から感染予防対策としてマスクをはじめとする除菌・衛生関連用品の需要が急増し、既存品においては、痛いのどのウイルスや菌を殺菌する「のどぬ~るスプレー」、レンズの指紋や脂汚れを軽く拭くだけでスッキリ落とせる「メガネクリーナふきふき」、痛くない鼻うがいが簡単にできる「ハナノア」、ニキビ・肌あれ予防の薬用ローション「オードムーゲ」などが好調に推移しました。
一方、訪日外国人の減少に伴ってインバウンド需要が大きく減少しました。
さらに、外出自粛や飲み会の減少により、ニオイのもとから息をリフレッシュする口中清涼剤「ブレスケア」や衣類に貼って汗ジミと黄ばみを防ぐ汗吸収シート「あせワキパット」などが減収となりました。
その結果、売上高は125,161百万円(前連結会計年度比3.4%減)、セグメント利益(経常利益)は24,752百万円(同5.3%増)となりました。営業利益は24,177百万円(同6.0%増)となりました。
売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおり、その金額は前連結会計年度では6,497百万円当連結会計年度では5,819百万円となっております。
(外部顧客への売上高の内訳)
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2019年12月期) |
当連結会計年度 (2020年12月期) |
増減 |
|||
|
金額 |
増減率(%) |
|||||
|
ヘルスケア |
58,232 |
54,275 |
△3,956 |
△6.8 |
||
|
日用品 |
52,981 |
52,285 |
△696 |
△1.3 |
||
|
スキンケア |
7,268 |
7,366 |
97 |
1.3 |
||
|
カイロ |
4,605 |
5,414 |
809 |
17.6 |
||
|
合計 |
123,087 |
119,342 |
△3,745 |
△3.0 |
||
国際事業
当事業では、米国・中国・東南アジアを中心に、カイロや額用冷却シート「熱さまシート」、外用消炎鎮痛剤「アンメルツ」などを販売しており、広告や販売促進など積極的に投資することで、売上拡大に努めました。
また、新型コロナウイルスの感染拡大により、各国で熱さまシートやメガネクリーナなどの除菌・衛生関連用品の需要が高まりました。
一方で、ロックダウンや外出自粛の影響により、多くの国で売上が低迷し、さらに、世界的な暖冬により米国や中国、英国などでカイロが減収となりました。
その結果、売上高は22,712百万円(前連結会計年度比10.4%減)、セグメント利益(経常利益)は813百万円(同57.3%減)となりました。営業利益は700百万円(同59.4%減)となりました。
売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおり、その金額は前連結会計年度では938百万円、当連結会計年度では1,245百万円となっております。
(外部顧客への売上高の内訳)
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2019年12月期) |
当連結会計年度 (2020年12月期) |
増減 |
|||
|
金額 |
増減率(%) |
|||||
|
米国 |
9,381 |
8,138 |
△1,243 |
△13.3 |
||
|
中国 |
8,453 |
7,648 |
△805 |
△9.5 |
||
|
東南アジア |
4,057 |
3,169 |
△887 |
△21.9 |
||
|
その他 |
2,530 |
2,510 |
△19 |
△0.8 |
||
|
合計 |
24,423 |
21,467 |
△2,956 |
△12.1 |
||
通販事業
当事業では、栄養補助食品、スキンケア製品等の通信販売を行っており、広告やダイレクトメールを中心とした販売促進による、新規顧客の開拓と既存顧客への購入促進に努めましたが、売上に大きく貢献する魅力的な新製品が発売出来ず、苦戦しました。
その結果、売上高は9,066百万円(前連結会計年度比7.2%減)、セグメント利益(経常利益)は285百万円(同19.0%増)となりました。営業利益は283百万円(同19.7%増)となりました。
売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおりません。
その他
その他には、運送業、合成樹脂容器の製造販売、不動産管理、広告企画制作等が含まれ、各社は独立採算で経営し、資材やサービス提供についてその納入価格の見直しを適宜行いました。
その結果、売上高6,384百万円(前連結会計年度比4.7%減)、セグメント利益(経常利益)は2,349百万円(同10.6%減)となりました。営業利益は732百万円(同2.2%増)となりました。
売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおり、その金額は前連結会計年度では5,635百万円、当連結会計年度では5,746百万円となっております。
(3)経営上の目標の達成状況について
当社グループは、2020年1月に発表しました中期経営計画の業績目標を掲げ、その達成に向けて取り組んでまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大による世界的な経済活動の減速により、2020年度の国内事業は訪日外国人の減少に伴うインバウンド需要の大幅低下が見られ、国際事業においては各国でのロックダウンや外出自粛により売上が低迷するなど、当初計画を下回る進捗となりました。当面は特に国内事業の伸びが当初計画を下回る見通しであることから、2022年度の数値目標を下記のとおり修正いたしました。
中期的には、今後新たに発生するお困りごとに対してスピーディに新製品開発を進めることで業績を伸ばしてまいります。
<修正業績目標>
|
|
2020年 実績 |
2022年 当初目標 |
2022年 修正目標 |
今後2年間の年平均成長率 |
|
売上高 |
1,505億円 |
1,800億円以上 |
1,620億円以上 |
3.7%以上 |
|
営業利益 |
259億円 |
290億円以上 |
270億円以上 |
2.0%以上 |
|
(率) |
17.2% |
16%以上 |
修正無し |
- |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
23期連続増益 |
25期連続増益 |
- |
|
|
ROE |
10.8% |
11%以上 |
10%以上 |
- |
|
R O I C(※) |
10.1% |
10%以上 |
9%以上 |
- |
|
国内売上高 |
1,193億円 |
1,354億円以上 |
1,223億円以上 |
1%以上 |
|
国際売上高 |
214億円 |
330億円以上 |
295億円以上 |
17%以上 |
|
国際売上高比率 |
14.3% |
18%以上 |
修正無し |
- |
|
通販売上高 |
90億円 |
104億円以上 |
96億円以上 |
2%以上 |
※ ROIC=NOPLAT/投下資本=(営業利益×(1-実効税率))/(純資産+有利子負債)
(実効税率:30.58%、有利子負債=短期借入金+長期借入金)
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内事業 |
125,689 |
93.9 |
|
国際事業 |
21,197 |
88.3 |
|
通販事業 |
9,125 |
90.7 |
|
報告セグメント計 |
156,011 |
92.9 |
|
その他 |
48 |
33.1 |
|
合計 |
156,060 |
92.9 |
(注)1. 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当社及び連結子会社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内事業 |
125,161 |
96.6 |
|
国際事業 |
22,712 |
89.6 |
|
通販事業 |
9,066 |
92.8 |
|
報告セグメント計 |
156,941 |
95.3 |
|
その他 |
6,384 |
95.3 |
|
セグメント間の内部売上高又は振替高 |
△12,811 |
98.0 |
|
合計 |
150,514 |
95.1 |
(注)1.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は
次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
株式会社PALTAC |
74,770 |
47.2 |
71,960 |
47.8 |
|
株式会社あらた |
15,936 |
10.1 |
16,993 |
11.3 |
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)資本の財源及び資金の流動性
①財政状態
当連結会計年度の財政状態は以下のとおりです。
総資産は、前連結会計年度末に比べ4,634百万円増加し、238,366百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加(2,673百万円)、受取手形及び売掛金の減少(1,300百万円)、有価証券の増加(1,107百万円)、商品及び製品の減少(1,136百万円)、のれんの増加(5,701百万円)、商標権の増加(3,937百万円)、投資有価証券の減少(5,059百万円)等によるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ5,291百万円減少し、55,783百万円となりました。主な要因は、未払金の減少(3,192百万円)、繰延税金負債の減少(1,422百万円)等によるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ9,925百万円増加し、182,583百万円となり、自己資本比率は76.6%となりました。主な要因は、利益剰余金の増加(13,421百万円)等によるものです。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (2019年12月期) |
当連結会計年度 (2020年12月期) |
増減 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
20,089 |
23,986 |
3,896 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△5,072 |
△12,656 |
△7,584 |
|
フリー・キャッシュ・フロー |
15,017 |
11,329 |
△3,687 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△14,581 |
△6,019 |
8,561 |
|
現金及び現金同等物期末残高 |
56,272 |
61,157 |
4,884 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は23,986百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が26,635百万円、減価償却費が3,837百万円、売上債権の増加額が1,588百万円、たな卸資産の増加額が1,309百万円、仕入債務の減少額が984百万円、未払金の減少額が3,194百万円、利息及び配当金の受取額が813百万円、法人税等の支払額が7,972百万円あったためです。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は12,656百万円となりました。これは主に、定期預金の預入による支出が51,271百万円、定期預金の払戻による収入が53,401百万円、有価証券の売却及び償還による収入が6,623百万円、有形固定資産の取得による支出が3,795百万円、投資有価証券の取得による支出が6,620百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が11,355百万円あったためです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は6,019百万円となりました。これは主に、配当金の支払額が5,784百万円あったためです。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度より4,884百万円増加し61,157百万円となりました。
(注)フリー・キャッシュ・フローは、以下の計算式を使っております。
フリー・キャッシュ・フロー = 営業活動によるキャッシュ・フロー + 投資活動によるキャッシュ・フロー
③資金需要
当社グループにおきましては、原材料等の仕入れ、研究開発費及び販売費などの運転資金のほか、競争力強化と事業の拡充・発展を目的とした研究開発投資、設備投資、製品導入等に主たる資金需要が生じます。これらの資金需要に対しましては、営業活動によるキャッシュ・フローの創出による調達を基本としております。
手許の運転資金は、国内連結子会社の余剰資金を当社へ集中し、グループ管理を行うことで資金効率の向上を図っており、成長投資を進めながらも財務規律の維持に努めております。また、緊急時における資金需要は、金融機関との当座貸越契約で対応することとしております。
株主還元の方針としましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標
|
|
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
2020年12月期 |
|
自己資本比率(%) |
71.2 |
70.3 |
72.7 |
73.9 |
76.6 |
|
時価ベースの 自己資本比率(%) |
195.8 |
264.1 |
255.7 |
310.0 |
413.5 |
|
キャッシュ・フロー 対有利子負債比率(年) |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
0.0 |
|
インタレスト・ カバレッジ・レシオ(倍) |
738.6 |
801.7 |
753.8 |
1,631.3 |
1,593.8 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式数を除く)により算出しております。
※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(1)合弁契約の合意解消と今後の見通し
2015年9月30日付でバードインターナショナル インクとの合弁解消の契約を締結し、2015年11月2日付で同社との合弁関係を友好的に解消するとともに同日付で当社が保有する株式会社メディコン株式(発行済株式総数の50%)全てを株式会社メディコンに譲渡いたしました。
なお、合弁解消後に関する合意事項を遵守する対価として、2021年12月期以降に以下の金額を受領し、営業外収益に計上する予定です。
2021年12月期 600百万円
2022年12月期 400百万円
2023年12月期 400百万円
2024年12月期 300百万円
2025年12月期 300百万円
(2)株式取得による子会社化
当社は、2020年9月30日付で、北米における一般用医薬品ビジネスの展開・拡大を目的として、Alva-Amco Pharmacal Companies, Inc.(アルバアムコファーマカルカンパニーズインク、以下、「Alva社」)を、当社連結子会社であるKobayashi Healthcare International, Inc.を通じて子会社化することについて合意し、契約を締結いたしました。これに基づき、2020年10月16日付でAlva社の全株式を取得し、連結子会社化いたしました。
詳細につきましては、注記事項「(企業結合等関係)(取得による企業結合)」をご参照下さい。
当社グループは「“あったらいいな”をカタチにする」をブランドスローガンに、お客様の潜在的ニーズを掘り起こし、今までにない付加価値のある新製品を提供することで、お客様の生活を豊かにしていくことが使命と考えております。
当連結会計年度のグループ全体の研究開発費は
国内事業
当事業では、お客様が健康で快適な生活を送るために役立つ製品を提供すべく、ヘルスケア、日用品、スキンケア、カイロの4つのカテゴリーを研究開発対象として積極的な研究開発活動を行っております。
そして当社では、新製品4年寄与率(過去4年間に発売した新製品の当連結会計年度における売上高を、全売上高で割ったもの)を20%以上とすることを目標としております。当連結会計年度は、新型コロナウイルスの感染拡大による様々な生活習慣の変化から生じたニーズに対応する新製品9品目を含む32品目の新製品を発売し、新製品4年寄与率は12.1%となりました。
主なカテゴリーの研究開発活動の成果は次のとおりであります。
ヘルスケア
低気圧による頭痛やだるさ、めまい、むくみなどの様々な不調を感じる方のための漢方薬「テイラック」、繰り返す耳まわりなどの肌トラブルに効く耳まわり治療薬「ミーミエイド」、飲酒翌日のだるさ、やる気が出ない、集中できないといった酒残りを改善する漢方薬「アルピタンγ」、消毒と保湿が1本で同時にできる「うるるテクト 消毒できるハンドミルク」などの16品目を開発いたしました。
日用品
自然を感じるナチュラルな香りと北欧風インテリアにマッチするシンプルなデザインのスティック芳香剤「Sawaday 香るStick 北欧」、きらめく花びら入りで、生花のようなみずみずしい香りがトイレ空間を華やかに演出するタンククリーナー「液体ブルーレット はなリウム」、マスク着用によるムレ感を解消できるマスク専用スプレー「のどぬ~るマスク ムレ感対策」など14品目を開発いたしました。
スキンケア
繰り返すニキビ・肌あれを予防し、メイクの上からでもケアできるミストタイプの化粧水「オードムーゲ 薬用ローション ミスト化粧水」を開発いたしました。
カイロ
寒さに負けない発熱力で、足元を温めてくれる足もと専用カイロ「桐灰カイロ マグマくつ下に貼る」を開発いたしました。
結果、当事業に係る研究開発費は
国際事業
当事業では、海外のお客様が健康で快適な生活を送るために役立つ製品を提供すべく研究開発活動を行っており、当事業に係る研究開発費は
通販事業
当事業では、栄養補助食品、スキンケア製品を主な研究対象として、積極的な研究開発活動を行っており、当事業に係る研究開発費は
その他
研究開発活動は行っておりません。