(1)業績
当連結会計年度における日本経済は、企業収益や雇用情勢の改善等を背景に、緩やかながらも景気回復の基調が続きましたが、期の後半には個人消費の一部に弱さが見られるなど、先行きに不透明感も残りました。化粧品業界におきましては、平成27年度の経済産業省化粧品出荷統計(暦年)によりますと、販売個数・販売金額ともに前年を上回りました。
このような市場環境の中、当社グループは、当連結会計年度より新たな中期経営計画「グローバルブランド育成期」をスタートさせ、「世界に通用するブランドの育成」と「経営資産の継続的なパフォーマンス向上」の2つの基本戦略のもと、世界で存在感のある企業への進化を目指し、一段と成長のスピードを加速させてまいりました。
当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、平成20年4月より進めてきた「守り」と「攻め」の改革の成果により、着実に地力をつけた既存事業が業績を牽引したことに加え、国内でのインバウンド需要の取り込みや前連結会計年度に買収した米国タルト社が計画以上の業績で推移した結果、売上高が全ての事業セグメントで前連結会計年度を上回り、前年同期比17.1%増の243,390百万円(為替の影響を除くと15.4%増)となり、3期連続で過去最高を更新いたしました。なお、連結売上高に占める海外売上高の割合は17.7%となりました。
利益につきましては、積極的な販売費の投入による増収効果及び一般管理費の効率的な運用により、営業利益は34,634百万円(前年同期比52.9%増)、経常利益は為替差損の影響もあり34,566百万円(同37.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は18,655百万円(同54.7%増)となり、いずれも過去最高となりました。
①化粧品事業
化粧品事業につきましては、国内では、高級化粧品を扱う㈱アルビオンが牽引したことに加え、重点グローバルブランドとして育成を強化した「コスメデコルテ」や「ジルスチュアート」等のハイプレステージブランドも好調に推移いたしました。また、プレステージブランドにおきましても、30周年を迎えたスキンケアブランド「雪肌精」をはじめ、新ラインの投入により顧客層を拡大したメイクアップブランド「エスプリーク」などが伸長いたしました。
海外においては、中国事業が構造改革の過程にありますが、台湾や韓国などが順調だったほか、米国タルト社が計画以上の業績で推移するなど、海外全体の売上高が増加いたしました。
これらの結果、当事業の売上高は180,168百万円(前年同期比17.9%増)、営業利益は32,246百万円(同53.2%増)となりました。
②コスメタリー事業
コスメタリー事業につきましては、シートマスクの「クリアターン」や日やけ止めの「サンカット®」など、重点カテゴリーブランドが好調だったコーセーコスメポート㈱が牽引したほか、セルフメイクブランドの「ファシオ」と「ヴィセ」、総合エイジングケアブランドにリニューアルした「エルシア」、コンビニエンスストア向けブランド「雪肌粋」なども好調に推移したため、売上高は60,987百万円(前年同期比14.6%増)、営業利益は5,332百万円(同13.6%増)となりました。
③その他
その他の事業につきましては、アメニティ製品の販売やOEM生産の受注が増加した結果、売上高は2,234百万円(前年同期比24.1%増)、営業利益は1,318百万円(同74.1%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より2,242百万円増加し52,997百万円(前年同期比4.4%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、26,410百万円の収入(同73.6%増)となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益33,862百万円、非資金費用である減価償却費5,744百万円、減損損失539百万円、有価証券償還益566百万円、退職給付に係る負債の減少2,070百万円、たな卸資産の増加6,244百万円、売上債権の増加1,604百万円、その他の資産の増加797百万円、仕入債務の増加1,872百万円、その他負債の増加4,643百万円及び法人税等の支払い10,133百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、19,948百万円の支出(同31.5%増)となりました。主な要因は定期預金の増加による純支出16,603百万円、有価証券の売買及び償還による純収入4,364百万円、有形固定資産の取得による支出7,075百万円、無形固定資産の取得による支出474百万円、投資有価証券の売買及び償還による純支出1,564百万円、その他投資等の減少による収入1,396百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、4,057百万円の支出(同16.1%減)となりました。主な要因は短期借入による収入436百万円、配当金の支払い4,297百万円等であります。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
|
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金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
化粧品事業 |
171,420 |
119.5 |
|
コスメタリー事業 |
46,769 |
119.9 |
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その他 |
1,942 |
112.1 |
|
合計 |
220,132 |
119.5 |
(注)1.金額は製造会社販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
重要な受注生産を行っておりませんので記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
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|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
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化粧品事業 |
180,168 |
117.9 |
|
コスメタリー事業 |
60,987 |
114.6 |
|
その他 |
2,234 |
124.1 |
|
合計 |
243,390 |
117.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、お客様に心から満足していただける優れた品質の化粧品とサービスを提供したい、という信念のもとに経営に取り組んでまいりました。この想いは、画期的なファンデーションや業界初の美容液などの創造的な化粧品を生み出す研究開発力や生産技術力、生活者ニーズに合ったブランドを様々な販売チャネルを通じてお客様に提供する「独自のブランドマーケティング」の展開などに具現化され、発展の原動力にもなっております。
当社グループは、今後もこれらの財産を有効に活用するとともに、3つの活動理念を指針として事業運営を行ってまいります。
①お客様志向や店頭発信に基づいた、独自の価値“美”の提案 … 良い商品を
②ブランドや商品の価値を共有できる、お取引先との共存共栄 … 良いお店で
③付加価値の高いサービスの提供による、お客様満足の追求 … きちんと売る
また同時に、法令等遵守の徹底や環境保全への取り組みに一層注力することで、社会的責任を果たしてまいる所存です。
(2)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループは、平成33年3月期(2020年度)までの成長イメージを描いた「VISION2020」を策定し、その実現に向けたロードマップとして、「V字回復期」、「グローバルブランド育成期」、「高収益グローバル企業化」の3つのフェーズを経て、世界で存在感のある企業への進化を目指しています。
PhaseⅠにあたる「V字回復期」では、ムダを省き経営効率を向上させながら変化に強い企業体質に変えた「守りの改革」、既存ブランドが持つ強みを磨き直し既存事業の売上と収益性を拡大させた「攻めの改革」に取り組み、最終年度の2014年度(平成27年3月期)には、過去最高の業績で締めくくることができました。
PhaseⅡにあたる「グローバルブランド育成期」では、新たに掲げた2つの基本戦略のもと、これまでの改革の成果を土台として、引き続き成長を維持してまいります。
なお、「VISION2020」の経営目標数値につきましては、「グローバルブランド育成期」の初年度にあたる平成28年3月期の業績を踏まえて、連結売上高3,000億円、営業利益率15.0%以上、に上方修正しております。
「VISION2020」 3つのフェーズ
・PhaseⅠ:「V字回復期」(平成24年4月~平成27年3月)
・PhaseⅡ:「グローバルブランド育成期」(平成27年4月~平成30年3月)
・PhaseⅢ:「高収益グローバル企業化」(平成30年4月~平成33年3月)
「グローバルブランド育成期」 2つの基本戦略
① 世界に通用するブランドの育成
1)重点グローバルブランドの育成
2)市場開拓のスピード化
3)事業戦略の遂行
② 経営資産の継続的なパフォーマンス向上
1)市場創造力・市場競争力のあるプロダクト・サービスの開発
2)人材のパフォーマンス向上
3)事業基盤の効率化
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのような事項に該当しない要因や、当社でコントロールできない外部要因等についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる項目については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。ただし、リスクはここに掲げられているものに限定されるものではありません。
これらの要因により、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響が及ぶ可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)戦略的投資活動
当社グループでは、戦略的視点から各種の投資決定をしております。この意思決定プロセスは、十分な情報を収集したうえで行っておりますが、予期し得ない事業環境の変化等により、当初の計画のとおりの成果が得られない場合には、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)化粧品市場
①国内市場
成熟市場である国内化粧品市場では、近年、異業種からの新規参入もあり、競争環境は一層厳しくなっております。さらには、化粧品専門店における後継者不足、組織小売業の提携・再編、インターネットを主力とする通信販売市場の拡大等により、小売・流通チャネルに大きな変化が生じております。当社グループもこれらの変化に適切に対応すべく、諸施策を立案・実施しておりますが、これらの対応が的確ではなかった場合には、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
②海外市場
当社グループは、中国をはじめとする海外市場において事業活動を行っております。しかしながら海外での事業活動においては、景気減速をはじめ、政情不安、伝染病の流行、労働問題、インフラ障害、テロ等による社会的混乱や予期しない法的規制の変更、異常気象・天候不順等による自然災害により、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
③市場ニーズへの適合
当社グループにおいては、消費者ニーズの変化に対応した新ブランドの開発や既存ブランドの強化・育成、それらに呼応したマーケティングが業績に大きな影響をもたらします。しかしながら、この事業活動においてはさまざまな要因の不確実性が伴うため、当初の計画のとおりに成果が得られない場合、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)市場リスク
①原材料等調達
当社グループでは、市場リスクを最小限にするために、海外を含めたグローバル調達を推進しております。また、供給会社と良好な関係を保ちながら、必要な原材料や外注生産品を適切な価格でタイムリーに調達できるよう努めております。しかしながら、国際情勢の変化、投機資金流入などにより需給バランスが一時的に不均衡となり、購入価格に影響がでる場合があります。さらに、供給会社での事業継続不能(倒産・営業停止等)、不測の災害や事故、業界内での急激な需要増があった場合には、必要な原材料等の調達に支障をきたし、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
②為替
当社グループには外国通貨建取引があり、取引決済に際し為替レートの変動リスクを負っております。この影響を軽減させるため、現地生産体制を築き輸出入取引を抑えることで、グループ内取引で発生するリスクを一部軽減させてはおりますが、リスクが完全に回避されるわけではありません。また、連結財務諸表作成にあたっては、在外連結子会社の現地通貨建ての報告数値を円貨に換算するため、為替レートの大幅な変動によって、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
③有価証券
当社グループでは時価のある有価証券を保有しており、大幅な時価の変動によっては評価損を計上するリスクがあります。
また、有価証券の時価の変動は当社グループの企業年金基金の保有する年金資産にも影響を与え、この影響が年金費用を増加減少させることで、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制等
当社グループは、事業活動を行う上で、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律をはじめとする法規制、品質、安全、環境に関する基準、会社法や税法、労務関連、取引関連の法令など、国内外のさまざまな法規制の適用を受けております。当社グループでは、これら法規制にかかわるコンプライアンス違反がおきないよう万全を期しておりますが、今後、これら法規制等が変更された場合、また、特に海外など、予測できない法規制等が新たに設けられた場合には、当社グループの事業活動が一時的に制限され、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)知的財産権及び重要な訴訟等
当社グループでは、競合他社への優位性を保つため、特許権、商標権、意匠権等の知的財産権の権利を確保し、自社権益を保護する措置を講じております。しかしながら、これら措置にかかわらず、権利を無視した模倣品の流通などにより市場が侵食され、事業に影響が及ぶ可能性があります。また、当社グループは第三者の知的財産権を侵害しないよう留意し、十分な調査を行った上で事業活動を行ってはおりますが、万一、当社グループが、第三者より知的財産権侵害の訴えを受けた場合、損害賠償や対価の支払いの発生、また、生産、販売の制約等により、結果によっては、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)情報管理
当社グループが保有する個人情報や機密情報などの情報資産については、社内ルールの制定や内部監査の実施により管理の徹底を図っております。例えば、個人情報については法律や経済産業省のガイドラインに基づき個人情報管理委員会を設置するなど、万全な管理体制の構築に取り組んでおります。しかしながら、予期し得ない不正アクセスにより情報漏洩が発生した場合には、当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があり、結果として当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)災害等
当社グループでは、災害等による事業活動の中断によって生じる悪影響を最小限に抑えるため、安全対策を講じております。しかしながら、想定を超える大地震・津波、停電等が発生した場合には、生産活動の停止、物流体制の停滞、情報システム障害等により、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)お客様対応
当社グループは、お客様に安心で安全な商品をお届けすることを第一に考え、商品づくりに取り組んでおります。当社グループの品質に対する考えを「品質方針」として表現し、それを象徴する品質方針メッセージと5つの活動宣言を定め、日々活動しております。しかしながら、お客様の満足や信頼を損なう不測の事態が生じた場合、当社グループの経営成績や財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、お客様のニーズに合った化粧品を市場に提供するために、以下の体制で研究開発活動に取り組んでおります。
コーセー研究所‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥製品研究、開発研究、海外市場研究
コーセー研究所 技術情報センター‥‥製品管理、特許管理、研究管理
コーセー基礎研究所‥‥‥‥‥‥‥‥‥基盤技術研究、品質保証研究
当連結会計年度におきましては、技術開発力と品質保証体制の強化、更なるグローバル化への対応を進め、研究開発活動のより一層の向上に努めました。
当連結会計年度における研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
製品研究分野の研究成果として、当連結会計年度において開発いたしました主な製品は以下のとおりであります。
スキンケア製品
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製品名称等 |
特徴 |
セグメントの名称 |
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コスメデコルテ リポソーム トリートメントリキッド |
生体類似成分であるリン脂質を用いた多重層構造のリポソームを化粧水剤型として実現した、潤い・ハリ・透明感に導く化粧水。 |
化粧品事業 |
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コスメデコルテ フィトチューン シリーズ |
アンバランス肌に悩む女性に向けたスキンケアライン。フムスエキスの肌への効果に着目し当社初配合。 |
化粧品事業 |
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Spawake (スキンケアブランド) |
インド化粧品市場への新規参入に向け、現地市場に合わせ新開発。ニーズの高い保湿、美白の2ライン。 |
化粧品事業 |
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スポーツビューティ UV ウェア(スーパーハード) |
「プロテクトウェア処方」を採用し、スポーツ等の激しい体の動きにも肌にフィットして紫外線から肌を守る日やけ止め料。 |
コスメタリー事業 |
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黒糖精(スキンケアブランド) |
厳選した黒糖発酵エキスを高濃度配合。肌の奥からうるおう新スキンケアシリーズ。 |
コスメタリー事業 |
メイクアップ製品・ヘアケア製品
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製品名称等 |
特徴 |
セグメントの名称 |
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コスメデコルテ AQMW アール デ フルール |
新成型技術“フローズンモールディング製法”を採用。ふっくらとしたハリ感とボリュームのある唇に導くトリートメントルー ジュ。 |
化粧品事業 |
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エスプリーク エクラ 明るさ持続 パクト UV |
45才以上の女性ニーズに対応。新開発“明るさ持続処方”により厚塗り感のないキメ細やかな澄んだ肌が持続するファンデーション。 |
化粧品事業 |
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エスプリーク オイル美容液下地 |
オイル美容液のような保湿力で、ふっくらやわらかな肌へ整え、ファンデーションののりを高める化粧下地。 |
化粧品事業 |
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ファシオ パーフェクトウィンク アイズ |
目元特有の分泌物や皮脂の特性に着目。まぶた密着成分を配合した新処方を採用し、まばたきに強く崩れないアイカラーを実現。 |
コスメタリー事業 |
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スティーブンノル ニューヨーク プレミアムスリーク シリーズ |
高浸透インナーリペアカプセル配合。洗って乾かすだけで毛先までまとまるヘアケア新インバスシリーズ3ライン。 |
コスメタリー事業 |
基礎研究分野では、化粧品の有効性と安全性をより一層高めるため、iPS細胞を用いた当社独自の老化研究や皮膚のバリア機能に関する皮膚生理研究など、先端的な研究を進めております。今後、これらの基礎研究から得られる成果を新製品の開発に随時応用していく予定です。
以上の結果、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は4,848百万円であり、セグメントごとの内訳は、化粧品事業3,627百万円、コスメタリー事業837百万円、その他の事業64百万円であります。また、各事業部門に配分できない基礎研究費用は318百万円であります。
当社グループに関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容は下記のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。なお、本表作成に際しては経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告に影響を与える見積りが必要ですが、この判断及び見積りには過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した基準を設定した上で実施しております。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。
当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]の[注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、以下に掲げる会計方針は連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えますので、特に記述いたします。
①収益の認識基準
当社グループでは、化粧品等は製商品の出荷時点、役務の提供については当該役務を提供した時点で収益を認識しております。
②返品調整引当金の計上基準
返品調整引当金は、取引先との間の商慣習により生じる返品について翌期以降に発生する損失見込額を引当計上しております。
③たな卸資産の評価基準等及び廃棄判断の基準
たな卸資産の評価基準及び評価方法は主として総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。また、たな卸資産は滞留期間・将来の出荷可能性等を勘案し、一定の基準に基づき廃棄判断をしております。
④退職給付費用の計上基準
親会社及び国内連結子会社は、平成15年4月1日よりキャッシュ・バランス型の企業年金制度に移行いたしました。平成13年3月期の退職給付会計適用以後は、退職給付債務の現在価値を毎期見積り、将来給付予想額を支払可能とする勤務費用・利息費用から年金資産の期待運用収益を減じた金額を費用計上しております。また、年金資産の運用利差損益及び給付債務予測額の差異等により発生した未認識数理計算上の差異等は、税効果を調整の上、純資産の部におけるその他の包括利益累計額の退職給付に係る調整累計額に計上しております。
(2)経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績で述べたとおりであります。
この結果、当社グループが重要な経営指標としている売上高営業利益率は前年同期より3.3ポイント増加し14.2%となりました。また、総資産事業利益率も前年同期より4.3ポイント増加し16.0%となりました。
(注) 総資産事業利益率=(営業利益+受取利息・配当金)/総資産(期首期末平均)×100
以下では、当連結会計年度の経営成績に重要な影響を与えた要因について分析いたします。
①売上高の分析
当連結会計年度の売上高は、243,390百万円(前年同期比17.1%増、35,569百万円増)であり、第3四半期に上方修正いたしました通期計画を上回り、過去最高となりました。
これをセグメントごとに分析すると、当社グループの主力事業である化粧品事業及びコスメタリー事業の売上高がそれぞれ180,168百万円(同17.9%増、27,362百万円増)、60,987百万円(同14.6%増、7,773百万円増)となりました。その他の事業の売上高は2,234百万円(同24.1%増、433百万円増)となりました。
②営業費用の分析
当連結会計年度の売上原価は、売上高の大幅な増加にともない59,469百万円(前年同期比17.2%増、8,706百万円増)となりました。
販売費及び一般管理費は、149,286百万円(同11.1%増、14,876百万円増)となりました。一般管理費の増加を抑える内部努力により捻出した原資を、広告宣伝費及び販売促進費に投下した結果、売上高の拡大につながり売上高比率は3.4ポイント低減いたしました。
③営業外損益の分析
当連結会計年度の営業外損益は、為替差損の計上により、差引き68百万円の損失(前年は2,458百万円の利益)となりました。
④特別損益の分析
当連結会計年度の特別損益は、703百万円の損失(前年同期比50.2%減、708百万円減)となりました。減損損失を特別損失に計上しております。
(3)資金の状況及び資金の見通し
①資金の状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より2,242百万円増加し52,997百万円(前年同期比4.4%増)となりました。当連結会計年度末の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては第2[事業の状況]1[業績等の概要](2)キャッシュ・フローに記載のとおりであります。
当連結会計年度末の流動比率は279.3%、当座比率は207.4%であり、前連結会計年度末に比べそれぞれ18.2ポイントの減少、15.4ポイントの減少となりました。主な理由は下記のとおりであります。
資産は、前連結会計年度末に比べ28,268百万円の増加となりました。現金及び預金の増加21,335百万円、受取手形及び売掛金の増加1,367百万円、有価証券の増加5,417百万円、金銭の信託の減少9,000百万円等により当座資産は19,120百万円増加し、たな卸資産の増加6,102百万円等によりその他の流動資産が7,754百万円増加いたしました。有形固定資産の増加4,701百万円、無形固定資産の減少1,759百万円、投資その他の資産の減少1,549百万円により固定資産が1,393百万円増加いたしました。
負債は、前連結会計年度末に比べ19,363百万円の増加となりました。支払手形及び買掛金の増加1,188百万円、電子記録債務の増加1,596百万円、短期借入金の増加416百万円、未払金の増加5,794百万円、未払法人税等の増加3,017百万円等により流動負債が12,558百万円増加いたしました。固定負債は、退職給付に係る負債の増加6,841百万円等により6,804百万円の増加となりました。
なお、有利子負債残高は1,704百万円、デット・エクイティ・レシオは0.01倍となりました。
②資金の見通し
当社グループの資金調達の状況につきましては、事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。
今後の資金使途につきましては、内部留保により財務体質の強化を図る一方、設備投資やM&Aに取り組むことで将来のキャッシュ・フローの創出につなげ、資本効率の向上を図ってまいります。また、一時的な余剰資金の運用につきましても、安全性を第一に考慮し運用商品の選定を行っております。