文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、お客様に心から満足していただける優れた品質の化粧品とサービスを提供したい、という信念のもとに経営に取り組んでまいりました。この想いは、画期的なファンデーションや業界初の美容液などの創造的な化粧品を生み出す研究開発力や生産技術力、生活者ニーズに合ったブランドを様々な販売チャネルを通じてお客様に提供する「独自のブランドマーケティング」の展開などに具現化され、発展の原動力にもなっております。
当社グループは、今後もこれら3つの強みを最大限に発揮し、「世界で存在感のある企業への進化」を目指し、事業運営を行ってまいります。
コーセーグループの将来像「世界で存在感のある企業への進化」
目指す姿「究極の高ロイヤルティ企業」~魅力に溢れるブランドで埋め尽くされたポートフォリオ~
(1)憧れの存在 ・・・ 誰もが知っていて、誰もが憧れ、誰からも一目置かれる存在
(2)唯一無二の存在 ・・・ オリジナリティが高く、他社のどことも似ていない“孤高”の存在
(3)かけがえのない存在 ・・・ リピート率や顧客固定化率が高く、顧客にとって「なくてはならない」存在
また同時に、法令等遵守の徹底やサステナビリティへの取り組みに一層注力することで、社会的責任を果たしてまいる所存です。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、売上高営業利益率及び総資産事業利益率(ROA)、自己資本当期純利益率(ROE)の向上を重要な経営指標としております。
注)総資産事業利益率=(営業利益+受取利息・配当金)/総資産(期首期末平均)×100
自己資本当期純利益率=親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本(期首期末平均)×100
(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループは、創業80周年に向けて更なる成長ステージを目指した中長期ビジョン「VISION 2026」を推進しております。
「VISION 2026」では、売上高500,000百万円、売上高営業利益率16%以上を経営目標とし、その実現に向けたロードマップとして、「グローバルブランド拡充と顧客接点の強化(PhaseⅠ)」、「世界での存在感拡大と更なる顧客体験の追求(PhaseⅡ)」、「世界のひとりひとりに存在感のある顧客感動企業への進化(PhaseⅢ)」の3つのフェーズを経て、世界で存在感のある企業への進化を目指してまいります。
2018年4月に掲げた以下基本戦略のもと、引き続き「グローバルブランド拡充と顧客接点の強化(PhaseⅠ)」に取り組んでまいります。
「VISION 2026」 3つのフェーズ
・PhaseⅠ:「グローバルブランド拡充と顧客接点の強化」(2018年4月~2021年3月)
・PhaseⅡ:「世界での存在感拡大と更なる顧客体験の追求」(2021年4月~2024年3月)
・PhaseⅢ:「世界のひとりひとりに存在感のある顧客感動企業への進化」(2024年4月~2027年3月)
「VISION 2026」 基本戦略
① 3つの成長戦略
1)ブランドのグローバル展開加速
2)独自性のある商品の積極的開発
3)新たな成長領域へのチャレンジ
② 2つの価値追求
1)デジタルを活用したパーソナルな顧客体験の追及
2)外部リソースや技術と連携した独自の価値追求
③ 3つの基盤
1)企業の成長を支える経営基盤の構築
2)ダイバーシティ&インクルージョン経営の実践
3)バリューチェーン全体にわたるサステナビリティ戦略の推進
(4)新型コロナウイルス感染症への対応
新型コロナウイルス感染症への対応については、「第2 事業の状況2.事業等のリスク」に記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響が及ぶ可能性のあるリスク並びに投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあると考えております。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が主要なリスクと判断したものでありますが、ここに掲げられているものに限定されるものではありません。
当社では、将来にわたる事業の継続性と安定的発展の確保のため、全社横断的な組織として、「リスクマネジメント推進委員会」を設置し、リスクを網羅的に洗い出し、定性的な分析・評価を行うとともに、甚大な影響を及ぼす可能性のあるリスクに対し、必要な対策を講じております。具体的には、毎年、関係会社及び各部門の責任者へのアンケートを通じて、リスク項目を抽出するとともに、「リスクが顕在化した場合の経営成績等の状況に与える影響」「リスクが顕在化する可能性の程度」の2つの評価軸で優先付けを行っております。
リスクアセスメントで抽出したリスクは、リスクカテゴリーごとに集約し、「戦略リスク」「事業・財務リスク」「政治・経済リスク」「事故・災害リスク」「人事・労務リスク」「法令違反・賠償リスク」に分類し、
定期的にそれぞれのリスク対応の現状と進捗状況をモニタリングする仕組みを構築・運用しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、日本をはじめ世界全体で、厳しい経済状態が続くと想定されます。各国でのロックダウン、外出自粛要請、渡航規制などのウイルス封じ込め策により、消費者の行動範囲・機会が縮小し、事業活動が制約されることで、需要、供給両面での経済活動が大きく抑制されております。その結果、消費マインドや、雇用・所得環境の悪化により、経済低迷の長期化も懸念され、今後の経過によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症対策本部を設置のうえ、テレワークのさらなる拡大のための業務の見直しや、Webによる会議環境の増強のための追加IT投資など、あらゆる手段を講じて対策を強化しており、今後も、感染拡大の防止と、お客様、取引先様、従業員の安全確保を最優先に対応してまいります。
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リスクカテゴリー |
主要リスクの内容 |
主な取り組み |
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戦略リスク |
価格競争 ブランド価値の毀損 市場シェアの低下 |
マーケットニーズ・顧客志向の変化を考慮した商品開発・マーケティング・販売活動を行うとともに、機能的・情緒的な付加価値での差別化により、競合優位性を維持・向上させるべく取り組んでおります。 |
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競合の新規参入 異業種からの参入や競合他社の新たなチャネル進出による市場シェアの低下 |
お取引先や営業・販売現場からの情報を随時把握するとともに、定期的な消費者調査により、市場の情報をタイムリーに把握することに取り組んでおります。また、積極的に異業種と協業し、外部リソースや技術と連携することで、独自の価値追求にも戦略的に取り組んでおります。 |
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研究開発の遅れ ブランドの市場競争力の低下 イノベーションの減退 |
先端技術研究所においては、データサイエンスを用いた基礎的・応用的な研究を行うとともに、フランスのリヨンに分室も開設し、最先端の皮膚科学研究に取り組んでおります。また、外部リソースを活用したオープンイノベーションにも積極的に取り組んでおります。 |
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消費者嗜好の変化 消費者ニーズとの乖離によるブランド価値の低下 |
消費者の情報を適切に入手するための市場調査の定期的な実施と、日本国内の消費者調査に加え、海外進出国における調査も強化しております。またデジタルの積極的な活用による新たな顧客体験を追求しております。 |
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リスクカテゴリー |
主要リスクの内容 |
主な取り組み |
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事業・財務リスク |
原材料の価格高騰 原料高騰による利益率の低下 |
市場リスクを最小限にするために、海外を含めたグローバル調達を推進しております。また、サプライヤー様と良好な関係を保ちながら、必要な原材料や外注生産品を適切な価格でタイムリーに調達できるよう努めております。さらに、「原価在庫低減推進委員会」の設置により、適切な原価の維持や在庫を確保するための取り組みも行っております。 |
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原材料の供給途絶 製品の安定的な供給への支障 売上高・利益率への影響 当社の信用の低下
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政治・経済リスク |
法的規制の改変・対応 需要変動のリスク 商品の輸出への影響 |
事業に関連する法規制の情報を日々収集するとともに、製品開発においては、法規制変更に伴う原料規格内容の見直し、代替原料の確保に向け、国内外の情報ネットワ-クを有効活用し、対応を進めております。 |
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海外進出国エリアの政治情勢の急変 需要変動による売上への影響 従業員の安全リスク |
海外現地法人・取引先様との連携を高め、各国、各エリアの経済・政治・社会的状況についてタイムリーな情報収集を通じて、必要な対策を講じております。 |
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事故・災害リスク |
自然災害(地震・噴火・津波など) 生産・物流機能の停止による事業活動の停滞や中断 |
災害発生や感染症が蔓延した場合、速やかに対策本部を設置し、対応策を協議の上、実行いたします。また、災害時に備え、危機管理マニュアルを作成し、職場安全性の確認及び不具合箇所の是正、代替手段の確保にも努めております。 |
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強毒性の感染症の蔓延 生産・供給・販売など事業活動の停滞や中断 |
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人事・労務リスク |
優秀な人材の確保 企業競争力の低下 |
多様な人材が活躍できる環境づくりの取り組みを進めるとともに、採用活動においては、職種別採用の実施による専門人材の獲得や、ビューティーコンサルタント職の処遇制度の改定による優秀な人材の獲得を進めております。 |
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法令違反・賠償リスク |
製品事故に関わる問題 重篤な製品事故発生による、お客様からの信用損失と企業 ブランド価値の低下 |
お客様に安全・安心な商品をお届けすることを第一に考え、商品づくりに取り組んでおります。当社グループの品質に対する考えを「品質方針」として表現し、それを象徴する品質方針メッセージと5つの活動宣言を定め、日々活動しております。 |
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機密漏洩・個人情報の漏洩 情報の漏洩による信用損失・損害賠償 |
「コンプライアンス推進委員会」によるコンプライアンスの啓蒙に加え、個人情報については法律や経済産業省のガイドラインに基づき「個人情報管理委員会」を設置するとともに、情報セキュリティの強化により、万全な管理体制の構築に取り組んでおります。また、社内研修を定期的に実施し、リスクの共有、防止を徹底しております。 |
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、相次ぐ自然災害の影響などで弱さがみられる中、雇用・所得環境の改善等を背景に緩やかな回復基調で推移いたしましたが、足元では新型コロナウイルス感染症の影響により、大変厳しい状況にあります。化粧品業界におきましては、2019年度の経済産業省化粧品出荷統計(暦年)によりますと、販売個数・販売金額ともに前年と比べ増加いたしました。また、海外において当社グループが主に事業展開しているアジア・米国経済につきましては、アジアでは一部で景気減速もみられましたが、米国では景気回復の動きが続きました。このような市場環境の中、当社グループは、創業80周年に向けて更なる成長ステージを目指した中長期ビジョン「VISION 2026」を掲げ、企業の成長を支える強い経営基盤をベースとしながら、そのリソースを最大限に活用し、独自の価値創造を絶えず行っていくことにより、グローバルかつボーダレスな成長を目指してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ8,443百万円増加し、308,606百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ6,917百万円減少し、68,403百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ15,361百万円増加し、240,202百万円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、アジアの販売は引き続き好調に推移いたしましたが、日本においてインバウンド売上の減少や消費増税に伴う駆け込み需要の反動減に加え、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などにより、売上高は前年同期比1.6%減の327,724百万円(為替の影響を除くと0.5%減)となりました。なお、連結売上高に占める海外売上高の割合は32.1%となりました。利益につきましては、売上高の減少と販売費及び一般管理費は増加いたしましたが、厳しい環境下でも利益を確保できるよう努めた結果、営業利益は40,231百万円(前年同期比23.2%減)となりました。また、為替差損が発生した一方で、受取利息、還付消費税等の発生により、経常利益は40,932百万円(同24.2%減))、親会社株主に帰属する当期純利益は26,682百万円(同27.9%減)となりました。
1)化粧品事業
化粧品事業につきましては、ハイプレステージ領域において、「コスメデコルテ」「インフィニティ」「雪肌精みやび」等はプラス成長となりましたが、㈱アルビオン及び米国タルト社がマイナス成長となりました。また、プレステージ領域におきましては、メイクブランドの「エスプリーク」はプラス成長となりましたが、「雪肌精」等がマイナス成長となりました。これらの結果、当事業の売上高は251,894百万円(前年同期比1.2%減)、営業利益は44,663百万円(同13.1%減)となりました。
2)コスメタリー事業
コスメタリー事業につきましては、「スティーブンノル ニューヨーク」及びコーセーコスメポート㈱が展開するヘアケアブランド「ビオリス」やエイジングケアブランド「グレイスワン」等は好調に推移いたしましたが、「クリアターン」のインバウンド売上が減少、「リンメル」の販売ライセンス終了による影響や、「ヴィセ」等のメイクブランドがマイナス成長となった結果、売上高は71,912百万円(前年同期比3.6%減)、営業利益は売上原価及び販売費が増加したことにより211百万円(同95.8%減)なりました。
3)その他
その他の事業につきましては、アメニティ製品の販売やOEM生産の受注が増加した結果、売上高は3,916百万円(前年同期比15.3%増)、営業利益は1,283百万円(同16.5%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より6,019百万円増加し70,284百万円(前年同期比9.4%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、37,090百万円の収入(同12.4%増)となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益40,365百万円、非資金費用である減価償却費8,838百万円、たな卸資産の増加822百万円、売上債権の減少6,252百万円、その他の資産の減少1,389百万円、仕入債務の減少6,121百万円、その他負債の増加3,037百万円及び法人税等の支払い17,150百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、19,006百万円の支出(同8.0%減)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出17,980百万円、定期預金の減少による純収入2,805百万円、無形固定資産の取得による支出1,894百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、11,448百万円の支出(同9.8%増)となりました。主な要因は配当金の支払い11,322百万円等であります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
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金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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化粧品事業 |
228,998 |
90.1 |
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コスメタリー事業 |
50,518 |
82.7 |
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その他 |
3,173 |
151.4 |
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合計 |
282,690 |
89.0 |
(注)1.金額は製造会社販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
重要な受注生産を行っておりませんので記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
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金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
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化粧品事業 |
251,894 |
98.8 |
|
コスメタリー事業 |
71,912 |
96.4 |
|
その他 |
3,916 |
115.3 |
|
合計 |
327,724 |
98.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は下記のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。なお、本表作成に際しては経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告に影響を与える見積りが必要ですが、この判断及び見積りには過去の実績を勘案するなど、可能な限り合理的な根拠を有した基準を設定した上で実施しております。しかしながら、事前に予測不能な事象の発生等により実際の結果が現時点の見積りと異なる場合も考えられます。
当社グループの連結財務諸表で採用した重要な会計方針は、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]の[注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しておりますが、以下に掲げる会計方針は連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えますので、特に記述いたします。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する一定の仮定及び連結財務諸表への影響については、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表]の[注記事項] (追加情報)」に記載しております。
a. 収益の認識基準
当社グループでは、化粧品等は製商品の出荷時点、役務の提供については当該役務を提供した時点で収益を認識しております。
b. 返品調整引当金の計上基準
返品調整引当金は、取引先との間の商慣習により生じる返品について翌期以降に発生する損失見込額を引当計上しております。
c. たな卸資産の評価基準等及び廃棄判断の基準
たな卸資産の評価基準及び評価方法は主として総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。また、たな卸資産は滞留期間・将来の出荷可能性等を勘案し、一定の基準に基づき廃棄判断をしております。
d. 退職給付費用の計上基準
親会社及び国内連結子会社は、2003年4月1日よりキャッシュ・バランス型の企業年金制度に移行いたしました。2001年3月期の退職給付会計適用以後は、退職給付債務の現在価値を毎期見積り、将来給付予想額を支払可能とする勤務費用・利息費用から年金資産の期待運用収益を減じた金額を費用計上しております。また、年金資産の運用利差損益及び給付債務予測額の差異等により発生した未認識数理計算上の差異等は、税効果を調整の上、純資産の部におけるその他の包括利益累計額の退職給付に係る調整累計額に計上しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の流動比率は342.6%、当座比率は227.8%であり、前連結会計年度末に比べそれぞれ32.1ポイントの増加、17.3ポイントの増加となりました。主な理由は下記のとおりであります。
資産は、前連結会計年度末に比べ8,443百万円の増加となりました。現金及び預金の増加3,171百万円、受取手形及び売掛金の減少6,401百万円等により当座資産は3,230百万円減少し、流動資産は802百万円減少いたしました。有形固定資産の増加9,125百万円、無形固定資産の減少895百万円、投資その他の資産の増加1,015百万円により固定資産が9,246百万円増加いたしました。
負債は、前連結会計年度末に比べ6,917百万円の減少となりました。支払手形及び買掛金の減少3,567百万円、電子記録債務の減少3,572百万円、未払費用の増加1,580百万円、未払法人税等の減少3,429百万円等により流動負債が6,430百万円減少いたしました。固定負債は、リース債務の減少124百万円等により486百万円の減少となりました。
なお、有利子負債残高は1,654百万円、デット・エクイティ・レシオは0.01倍となりました。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、327,724百万円(前年同期比1.6%減、5,271百万円減)となりました。
これをセグメントごとに分析すると、当社グループの主力事業である化粧品事業及びコスメタリー事業の売上高がそれぞれ251,894百万円(同1.2%減、3,071百万円減)、71,912百万円(同3.6%減、2,719百万円減)となりました。その他の事業の売上高は3,916百万円(同15.3%増、518百万円増)となりました。
(営業費用)
当連結会計年度の売上原価は、88,703百万円(前年同期比0.1%増、95百万円増)となりました。
販売費及び一般管理費は、198,789百万円(同3.5%増、6,810百万円増)となりました。厳しい環境下でも利益を確保できるように努めた結果、販売費及び一般管理費の売上高比率は3.0ポイント増加いたしました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外損益は、700百万円の利益(前年同期比55.3%減、867百万円減)となりました。前連結会計年度は為替差益を計上いたしましたが、当連結会計年度は為替差損を計上しております。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は、566百万円の損失(前期973百万円の利益)となりました。固定資産処分損419百万円、投資有価証券評価損147百万円を特別損失に計上しております。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より6,019百万円増加し70,284百万円(前年同期比9.4%増)となりました。当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。
当社グループは「VISION 2026」実現に向け、生産設備の新設及び更新、新規市場進出のための投資、デジタルトランスフォーメーション推進への投資などを実施してまいります。それぞれの投資のタイミングにつきましては、資金残高及び資金調達のバランスを検証し、優先順位をつけて実施してまいります。
実質的な無借金経営を実現しており、自己資金による事業運営、設備投資、株式投資、配当などを行っておりますが、金融機関とは7,000百万円のコミットメントラインを締結しており、事業運営上必要な投資などへの資金につきましては、外部調達も可能となっております。
当社グループの財務状況、安定した業績については、金融機関及び金融市場からの評価は高く、自己資金が不足した場合においても外部調達は可能と判断しております。また、今般の新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響による資金需要に備え、金融機関とはコミットメントラインの増額を検討しております。
利益配分につきましては安定配当を基本としておりますが、今後の事業拡大のための内部資金の確保に配慮しつつ、財政状態、業績、配当性向などを勘案し、配当金額を決定しております。
b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
化粧品市場においては、国内外におけるEコマース売上規模の拡大、交通インフラの発展や、経済成長に伴う所得水準の上昇による、国境を跨いだ活発な人の移動により、各国でのトラベルリテール事業の売上も増加しました。
今後につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、消費マインドや、雇用・所得環境の悪化により、経済低迷の長期化も懸念されているため、市場変化に対するタイムリーな対応の成否が、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすことが想定されます。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金調達の状況につきましては、事業継続に必要と考える資金は確保していると認識しております。
今後の資金使途につきましては、内部留保により財務体質の強化を図る一方、設備投資やM&Aに取り組むことで将来のキャッシュ・フローの創出につなげ、資本効率の向上を図ってまいります。また、一時的な余剰資金の運用につきましても、安全性を第一に考慮し運用商品の選定を行ってまいります。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高営業利益率、総資産事業利益率(ROA)及び自己資本当期純利益率(ROE)の向上を重要な経営指標としております。総資産事業利益率(ROA)及び自己資本当期純利益率(ROE)の前連結会計年度、当連結会計年度推移と「VISION 2026」でのそれぞれの目標に対する進捗については、以下のとおりです。
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
「VISION 2026」 |
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総資産事業利益率(ROA) |
18.6% |
13.4% |
18%以上 |
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自己資本当期純利益率(ROE) |
18.8% |
12.3% |
15%以上 |
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売上高営業利益率 |
15.7% |
12.3% |
16%以上 |
当連結会計年度の数値は、全て前連結会計年度を下回りました。その要因は、経営成績が前連結会計年度を下回ったことによります。当連結会計年度における各重要な経営指標につきましては、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況で述べたとおりであります。
(注) 総資産事業利益率=(営業利益+受取利息・配当金)/総資産(期首期末平均)×100
自己資本当期純利益率=親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本(期首期末平均)×100
e. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態
(化粧品事業)
セグメント資産は、現金及び預金の増加1,179百万円、売掛金及び受取手形の減少4,264百万円、たな卸資産の増加765百万円、有形固定資産の増加9,463百万円、無形固定資産の減少1,111百万円等により、前連結会計年度末に比べ5,830百万円増加の204,326百万円となりました。
(コスメタリー事業)
セグメント資産は、現金及び預金の減少822百万円、売掛金及び受取手形の減少1,658百万円、有形固定資産の減少691百万円等により、前連結会計年度末に比べ2,933百万円減少の48,703百万円となりました。
(その他)
セグメント資産は、現金及び預金の増加1,243百万円等により、前連結会計年度末に比べ668百万円増加の5,335百万円となりました。
2)経営成績
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績につきましては、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b. 経営成績で述べたとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは、お客様のニーズに合った化粧品を市場に提供するために、主に、以下の国内二拠点を中心として研究開発活動に取り組んでおります。
コーセー製品開発研究所‥‥‥‥‥‥‥製品開発研究、海外市場研究、製品管理、研究管理、薬事戦略
コーセー先端技術研究所‥‥‥‥‥‥‥先端技術研究、基盤技術研究、品質保証研究、研究戦略
当連結会計年度におきましては、さらなる顧客価値創出のための技術開発力と品質保証体制の強化、グローバル化への対応を進め、研究開発活動のより一層の向上に努めました。
当連結会計年度における研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
製品研究分野の研究成果として、当連結会計年度において開発いたしました主な製品は以下のとおりであります。
スキンケア製品
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製品名称等 |
特徴 |
セグメントの名称 |
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ONE BY KOSÉ バランシング チューナー |
医薬部外品の新規効能「皮脂分泌の抑制」効果が認められた唯一の有効成分ライスパワー®No.6を配合した薬用皮脂分泌抑制化粧水。 |
化粧品事業 |
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雪肌精 エッセンシャル スフレ |
メレンゲのような滑らかなタッチで、浸透性に優れた処方を採用。うるおいながらべたつかず、さらりとしたスフレ状乳液。 |
化粧品事業 |
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コスメデコルテ AQ ミリオリティ インテンシブ クリーム |
生体類似成分リン脂質とオレイン酸からなるカプセル「高純度ハイオレインディレイソーム」を採用。まろやかな使用感で、肌との親和性が高く潤いが持続する高機能クリーム。 |
化粧品事業 |
|
ルシェリ リンクルペア ローション &エマルジョン |
有効成分「リンクルナイアシン」配合で、シワのケアをしながらもハリ・ツヤあふれる肌へ導く、業界初のシワ改善薬用化粧水と乳液。 |
化粧品事業 |
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アレルテクト スプレー |
スーパーブロック膜技術で花粉ブロックに加え、あらたにウイルスもブロックするエアゾール型のスプレー製剤。 |
コスメタリー事業 |
メイクアップ製品・ヘアケア製品
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製品名称等 |
特徴 |
セグメントの名称 |
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Tarte メイクアップシリーズ |
コンセプトストア「Maison KOSÉ」での日本初導入に際し、国内の法規制や品質保証基準に準じた技術検討を実施。 |
化粧品事業 |
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メイク キープ ミスト |
自社の独自性の高い製剤技術を応用し、メイクキープミスト市場のシェアを伸長させた化粧くずれがしにくくなる、ミストタイプの仕上げ用ローション。 |
化粧品事業 |
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アディクション 新メイクアップシリーズ |
新クリエイティブディレクターKANAKOの目指す品質達成のために、色鮮やかなメイクアップ製品等に、色沈みを防ぐ表面処理粉体を採用。 |
化粧品事業 |
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コスメデコルテ フェイスパウダー |
負担感のない軽くなめらかなつけ心地で肌にフィットし、透明感あふれる肌に仕上げるおしろい。 |
化粧品事業 |
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スティーブンノル ディファイニング バーム |
使用量の調整によりナチュラルからウェットまで幅広い質感に仕上げるヘアスタイリング剤。スキンケア成分配合でハンドクリームとしても使える。 |
コスメタリー事業 |
基礎研究分野では、化粧品の有効性と安全性をより一層高めるため、iPS細胞を用いた抗老化研究、シミ・しわなどの発生メカニズム解明、といった皮膚生理機能研究、高度な分析機器を用いた生体成分分析、デジタルトランスフォーメーションと連動した化粧品開発における新たな価値創出研究、データサイエンス技術を応用した新しいカウンセリングデジタルコンテンツの開発など、先端的な研究を進めております。今後、これらの基礎研究から得られる成果を新製品の開発に随時応用していく予定です。
以上の結果、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は