当期の世界経済は、米国においては雇用情勢の改善等により個人消費が底堅く緩やかな回復が続きましたが、欧州は弱含みで推移し、中国や新興国では減速の傾向が見られました。日本経済は、個人消費の停滞などにより足踏み状態が続いています。
当社を取り巻く事業環境においては、半導体・フラットパネルディスプレイ向けの需要が堅調に推移しました。
このような状況のもと、当社はお客様との関係強化に努め、積極的な拡販、新製品の開発、コスト削減に取り組み、円安による効果もあって、当事業年度の売上高は、17,919,212千円(前期比+1,055,997千円 +6.3%)、営業利益は966,067千円(前期比+459,415千円)、経常利益は688,616千円(前期比+11,562千円)、当期純利益は468,044千円(前期比△72,281千円)となりました。
[感光性材料事業]
半導体向け感光性材料は、スマートフォン、自動車、LEDなどのマーケットの拡大、ならびにフラッシュメモリーの3次元化による需要の拡大により販売が拡大しました。ディスプレイ製造向け感光性材料も、スマートフォン、高精細テレビ、車載LCDなどの需要拡大により、販売は好調に推移しました。
以上の結果、同事業の売上高は9,469,554千円(前期比+299,444千円)となりました。
[化成品事業]
香料材料分野は、海外向けが堅調に推移しました。
グリーンケミカル分野は、半導体・フラットパネルディスプレイ向けの需要が好調でした。
ロジスティック部門は、顧客満足度向上に努めた結果、タンク契約率、回転率共に高水準で推移しております。
以上の結果、同事業の売上高は8,449,658千円(前期比+756,553千円)となりました。
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比べ56,564千円減少し、917,651千円となりました。
当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益682,651千円、減価償却費1,634,437千円などにより、2,232,143千円(前期比+579,123千円)の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出543,884千円などにより、577,681千円(前期比△258,535千円)の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増額280,000千円、長期借入金の純減額1,756,536千円などにより、1,679,491千円(前期比+748,210千円)の支出となりました。
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | 前年同期比(%) |
感光性材料事業(千円) | 11,289,204 | 11.8 |
化成品事業(千円) | 8,126,227 | △1.0 |
合計(千円) | 19,415,431 | 6.1 |
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | 前年同期比(%) |
感光性材料事業(千円) | 9,469,554 | 3.3 |
化成品事業(千円) | 8,449,658 | 9.8 |
合計(千円) | 17,919,212 | 6.3 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、市場や市況の変動による影響を最小限に留め安定的に利益を生み出す事業基盤の構築に向けた、全社的なコスト削減に取り組むとともに、原価の変動に見合った適正な販売価格を維持し、収益性の向上に努めてまいります。
事業部門別の課題として、感光性材料事業では、今後も需要の拡大が見込まれるArFエキシマレーザー用リソグラフィー向けポリマーおよび光酸発生剤(PAG)の開発体制の強化と共に、一層の品質向上とその管理維持体制を強化し、競争力のある製品の提供に努めてまいります。また、お客様との関係強化により、次世代のニーズを取り込んだ製品開発および製造を行える仕組みづくりを強化してまいります。
化成品事業では、グリーンケミカル分野で淡路工場を平成25年4月に竣工しましたが、西日本地区の需要を取り込めるよう、工場操業を軌道に乗せることを第一の課題と考えております。また、香料材料分野は、マーケティング分析をより精緻に行い、欧州市場での新規顧客開拓を精力的に進め、販売拡大と製品群の拡充に引き続き努めてまいります。ロジスティック部門は、為替の急激な変動により輸入品タンク契約の需要に影響が生じる場合がありますが、国内メーカー等需要の多様性を開拓し、安定契約取込みに努めてまいります。
会社法施行規則第118条第3号に定める「株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下「会社の支配に関する基本方針」といいます。)の内容は下記のとおりです。
当社は、昭和29年設立以来、独創的な視点を大切にした研究・開発に注力し、現在ではフォトレジスト向けの感光性材料ならびに、電解液・イオン液体等の製造・販売を中心とした「感光性材料事業」、香料材料の製造・販売及び電子材料向け溶剤を中心とする高付加価値品の販売及びリサイクル、ならびに液体化学品の保管業務を行う「化成品事業」を営んでおります。
当社事業の特徴として、①顧客企業と研究開発段階からの技術的な摺り合せによる参入障壁の構築、②長年にわたり蓄積された高い生産技術力、③事業環境の変化への対応力を高める成長事業と基盤事業を組み合わせた事業ポートフォリオの構築、④各事業が密接に結び付くことによる大きなシナジー効果等により、国内のみならず、世界各国のお客様より高い評価をいただいております。
当社は、当社の財務及び事業方針の決定を支配する者の在り方について、当社の経営理念や企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。
上場会社である当社の株式は、株式市場を通じて多数の株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株式に対する大規模な買付行為や買付提案があった場合においても、当該大規模な買付等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものであれば一概に否定するものではなく、これに応ずるか否かは最終的に株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えております。
しかしながら、このような大規模な買付等の中には、専ら買付者自らの利潤のみを追求しようとするもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社は、上記の例を含め、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模な買付等を行う者を、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
当社は、中長期的な経営戦略及びコーポレート・ガバナンスの強化の両面より、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保、向上に努めております。以下の施策を、会社の支配に関する基本方針の実現に資するものと考えております。
当社は、経営方針として「①安全操業を最優先し、従業員、協力会社社員、地域住民など関係者の安心できる操業環境を確保する。②世界最高のマイクロストラクチャー構造材料を国際社会に提供する。③常に新製品、新プロセス、新サービスを開発する。④生産技術の高度化を推進し、新プロセスを開発、安定品質で市場競争を勝ち抜く。⑤国内外隔たりなく企業活動を展開し、日本を代表するグローバル企業となる。⑥全社をあげて、常に能力開発に努め、個人の能力の向上を通じて創造性を発揮し、社会に貢献する。」を掲げております。当社は、この経営方針に基づき、積極的な事業展開を進め、業容の拡大と業績の向上に邁進し、高品質かつ高機能の材料を可能な限り安価に供給することにより、産業全体の発展と高度化に役立つことを目指しております。
また、創業以来、「技術開発力こそすべての出発点」を企業理念に、研究開発力の増強と生産技術の向上に努め、蓄積された技術やノウハウを活用して市場ニーズに迅速かつ的確に対応し、有機合成から、分離精製、プラントエンジニアリング、化成品物流等に至るまで、事業分野及び事業規模を着実に拡大させることにより化学産業界で独自の地位を築き、当社の永続的発展を通じてお客様、株主の皆様、従業員等の利害関係者に貢献することを目指しております。
当社は、感光性材料事業及び化成品事業の2事業を営んでおります。感光性材料事業の関連業界は、IoT時代の到来により、半導体、電子部品需要のさらなる拡大が予測され、今後も成長が期待できると考えられますが、新興国の技術水準の向上と、それに伴うエレクトロニクス産業の新興国への生産拠点シフトによる低価格化の進行、ならびに技術革新による新技術や新製品の開発競争も激しさを増しております。これらの要因から、価格競争の激化のみならず、景気全体の影響やエレクトロニクス製品の市場でのヒットなどの影響を受けやすく、業績の大きな変動も避けられないものと考えます。これら需要変動の影響を最小限に留めるため、化成品事業の競争力をより向上させ、当社全体として安定した業績を維持できる体質を構築することが必要と考えております。
<感光性材料事業>
デジタル家電の普及とともに、「表示装置は大型・小型とも高精細」「半導体等のデバイスは小型で高機能な製品」を求める動きはより一層活発になるものと予想されます。これに伴い、当社の供給する感光性材料に関しましても、より微細で高機能を実現できる材料の開発が求められております。具体的には、ArFエキシマレーザー用レジスト向け感光材、及び光酸発生剤(PAG)の新製品開発と生産設備の増強に取り組むとともに、表示装置用途向け液晶用感光材の拡販を着実に進めております。
今後も、研究開発及び生産技術、製品品質の更なる向上に努めるとともに、お客様との関係強化を通じて幅広いニーズに応える事業展開を目指しております。
また、電解液及びイオン液体は、感光材で培った合成、精製及び分析技術を応用することにより、高純度製品を製造し、需要開拓に努めております。
<化成品事業>
石油化学の誘導品は、低価格の海外製品との競争が激化し、事業環境は激しさを増しております。こうした状況に対応するため、香料材料部門・グリーンケミカル部門とも高付加価値製品の開発に取り組み、特に香料材料部門は製品群拡充を進め、主に欧米向けを中心として、市場開拓に努めております。
また、グリーンケミカル部門は、長年培ってきた精密蒸留分離技術の強みを活かし、環境問題や省資源に対する関心を背景に拡大が見込まれるリサイクル市場の開拓に取り組むとともに、高付加価値製品を中心に電子材料業界向け溶剤の販売及びリサイクル需要を獲得してまいります。
ロジスティック部門は、石油化学関連業界での競争激化により、物流経費の削減及び物流基地の統廃合が進んでおり、事業を取り巻く環境は引き続き厳しいものと予想されます。しかしながら、遠隔地に立地する石油コンビナート生産工場で生産された液体化学品や海外メーカー生産の液体化学品は、大都市消費地へ輸送し販売を行う場合、タンカーから沿岸タンクに受け入れて一時保管し、車両によるユーザーへの陸上輸送を行います。この物流形態は、今後も引き続き必要不可欠であります。また、当社は、ローリー単位での輸送からドラム単位の取扱に至るまで、お客様のニーズに柔軟な対応を可能とする液体化学品総合物流基地としての機能を構築しております。高浜油槽所の立地条件の良さと安全操業、化学品の生産活動で蓄積した高度な取扱・保管技術を最大限に活かし、今後も液体化学品総合物流基地としてお客様の信頼を獲得してまいります。
当社は、企業価値・株主共同の利益の向上を実現するためには、株主価値を高めることが課題であると認識しており、経営の効率化・健全化を積極的に進めるとともに、経営の透明性を高めるためコーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおります。
具体的には、取締役の責任明確化と経営環境の変化に柔軟に対応するため、取締役の任期を1年としております。また、経営管理機能の強化と取締役業務執行状況の監督強化を目指し、社外取締役1名、社外監査役3名の体制としております。さらに、平成19年6月より執行役員制度を導入し、意思決定の迅速化と業務執行体制の強化を図っております。
平成27年6月から適用となりましたコーポレートガバナンスコードを適切に実践できるよう順次取り組んでまいります。
当社は、上記会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるための取組みとして、平成26年5月9日開催の当社取締役会において「当社株式の大規模買付行為に関する対応策」(以下「本プラン」といいます。)の継続を決議し、平成26年6月27日開催の当社第64回定時株主総会において、本プランについて株主の皆様にご承認をいただき継続しております。
本プランの対象となる当社株式の大規模買付行為とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為をいい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。
本プランにおける大規模買付時における情報提供と検討時間の確保等に関しては、次のとおり一定のルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を設けており、大規模買付ルールによって、①事前に大規模買付者が当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、②必要情報の提供完了後、対価を現金のみとする公開買付による当社全株式の買付けの場合は最長60日間、またはその他の大規模買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価・検討等の取締役会評価期間として設定し、取締役会評価期間、または株主検討期間を設ける場合には取締役会評価期間及び株主検討期間が経過した後に大規模買付行為を開始するというものです。
本プランにおいては、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。ただし、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合、遵守しても当該大規模買付行為が、結果として当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断する場合には、必要かつ相当な範囲で新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律及び当社定款が認める検討可能な対抗措置をとることがあります。
このような対抗措置をとる場合、その判断の客観性及び合理性を担保するために、取締役会は対抗措置の発動に先立ち、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外取締役、社外監査役または社外有識者から選任された委員で構成する独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は対抗措置の発動の是非について、取締役会評価期間内に対抗措置発動の是非または対抗措置の発動について株主総会に付議することの要否を、取締役会に対し勧告するものとします。当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。
なお、本プランの有効期限は平成29年6月30日までに開催される当社第67回定時株主総会の終結の時までとします。本プランは、当社第64回定時株主総会において継続が承認され発効した後であっても、①当社株主総会において本プランを廃止する旨の株主の一定割合の意思表示が行われた場合、②当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議等が行われた場合には、その時点で廃止されるものとします。継続後の本プランの詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイトに掲載しております。
(当社ウェブサイト http://www.toyogosei.co.jp)
本プランは、a 買収防衛策に関する指針の要件を充足していること、b 株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること、c 株主総会での承認により発効しており、株主意思を反映するものであること、d 独立性の高い社外者のみから構成される独立委員会の判断を重視するものであること、e デッドハンド型及びスローハンド型の買収防衛策ではないこと等、会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
<感光性材料事業>
感光性材料事業の主力製品である感光性材料は、お客様であるフォトレジストメーカーによりフォトレジストの原料として使用され、半導体・液晶の製造工程で使用されます。当事業製品の供給先は、日本、北米、韓国、台湾でありますが、半導体および液晶の需要はエレクトロニクス製品の世界需要によるところが大きく、世界景気の影響や、携帯電話、タブレット等の新製品の売れ行きにより、業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、ファインケミカルメーカー、半導体・液晶業界再編等により、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
<化成品事業>
香料材料分野の主力商品であるエステル類の原料には天産品由来のものも多く、天候や市況によりその価格に大きな変動を及ぼす可能性があります。グリーンケミカル分野の溶剤リサイクル分野は、溶剤の市場価格の変動やお客様の製造工程の変更等により、溶剤の仕様変更等のリスクがあります。ロジスティック部門は、顧客層の多様化により為替変動の影響は軽微でありますが、景気変動による荷役量低下は、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社で使用する主要な原材料並びに重油等の原料は、市況により価格が変動します。これら原材料の価格が高騰した場合には製造原価の上昇につながり、この上昇をコストダウンで吸収しきれない場合、また市場の状況によって販売価格への転嫁が困難な場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度の海外直接売上高割合は38.4%でありますが、経済のグローバル化が一層進展する中で、感光性材料事業・化成品事業(主に香料材料分野)ともに、海外市場での営業展開は、事業の更なる発展にとって必要不可欠な課題と位置づけております。こうした観点から、今後も輸出比率は上昇する可能性があります。当社は、為替レート変動への対処策として、為替予約等によるリスクヘッジや、海外から輸入する原材料の外貨建て決済化など、為替変動の直接的な影響の回避を図っておりますが、為替相場の急激な変動により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
感光性材料製品は、各お客様の使用に合致した極めて高品質な製品供給が求められております。このため新規供給製品だけでなく継続供給製品においても、品質検査を受け、検査の合格を待って出荷する制度を採用しております。この検査期間の間、製品を在庫として保有することになります。また、各製品の安定供給のために、お客様による検査合格済製品を一定水準で在庫として保有することを要請されております。こうした要因により、当社の在庫水準は他業種に比較して高水準となる傾向があり、運転資金が増加する可能性があります。
当社は設備投資資金、および運転資金を銀行からの借入によって賄ってきたため、有利子負債の比率が高い水準となっております。当社は借入金比率の削減を図り、財務体質の強化に努める方針でありますが、急激な金利変動が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、企業活動と自然環境の保護・保全の調和を常に意識しながら、環境保全活動に積極的に取り組んでおります。しかしながら、米国のTRI(Toxic Release Inventory)が1986年に発足してから、環境に関する取り組みは規制型から監視型へ転換し、各企業の自主性を求め、それを公表するように促しております。データを公表することにより、近隣住民、NGO団体等からの厳しいチェックを受け、日常の企業活動に予期せぬ制約を受ける可能性があります。また、現行法上、特に規制を受けていない既存物質においても、新たに規制対象物質に組み込まれた場合、生産工程を始めとした企業活動に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、製造設備の停止による事業活動への影響を最小限に抑えるため、定期的な設備の点検および保守を行なっております。また、労働災害を予防するため、リスクアセスメントの結果に基づき対策を講じ、実施状況について監査を行うとともに、BCPを構築し、防災訓練などの緊急時対応訓練も定期的に行なっております。平成24年9月には事業継続の認証であるBS-25999を取得(翌25年9月、国際規格ISO022301へ移行)しており、高いレベルでのリスクマネジメントにも取り組んでおります。しかしながら、天変地異や不測の事故等により重大な損害を被った場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の製品は、納入先との契約に従った品質検査だけではなく当社の厳格な品質管理基準を設けるなど、厳格な品質管理を実施しております。感光性材料製品につきましては、当社で品質検査を実施し、さらにお客様における品質検査の合格をもって出荷する制度を採用しております。また、化成品事業での製品につきましても、当社の品質検査を実施しており、香料材料製品などにつきましては、お客様における品質検査を受けております。しかしながら、当社製品を原因とする問題が生じた場合、損害賠償等により、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社が現在展開している製造事業は、長年にわたって当社が蓄積してきた他社製品との差別化技術とノウハウとに基づき運営しております。当社は、それら技術に関して、特許権等産業財産権による保護が適当であると判断した技術については産業財産権を取得するよう努めております。しかしながら、当社保有の産業財産権の権利範囲外であっても、当社の製品と類似の機能を有するものが第三者から販売される可能性が有り、さらに当社の製造方法等の権利侵害の立証の困難な技術に関する産業財産権については、第三者による当社産業財産権の侵害を効果的に防止できない可能性もあります。そのような事態が発生した場合、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社が現在、開発・製造販売を展開している製品及び今後、開発・製造する新製品についても、企画開発段階から新製品に係る第三者の産業財産権の系統的な調査を行い、第三者の権利侵害を未然に防ぐよう努めております。しかしながら、当社が調査でも把握できなかった第三者の産業財産権を侵害した場合又はその疑いが生じた場合には、その権利保有者から当社の権利侵害を主張され、当社が損害賠償若しくは侵害被疑製品の製造販売の差し止めを請求され又はロイヤルティ等の支払いを要求される可能性があります。そのような事態が発生した場合、当社の事業戦略や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、現時点において経営に重大な影響を与える当社が侵害被疑者となっている産業財産権関連の訴訟はありません。
該当事項はありません。
当社は、感光性材料事業においては、感光材研究所で半導体及びディスプレイに用いられる感光性材料の研究開発を行っております。千葉工場プロセス開発部門では、感光材研究所で開発された光・電子材料に関連する感光性材料の工業化プロセスの研究開発を行い、タイムリーな工業製品の供給を推進しております。
化成品事業においては、感光材研究所内の合成研究部門と市川工場プロセス開発部門において香料、機能性材料に用いられる新製品と新技術、コストダウンのための研究開発を行っております。
新規事業分野においてはナノテクノロジー材料、電解液・イオン液体、 バイオ材料などの研究開発を行っております。
各営業グループ、各工場のプロセス開発グループ及び感光材研究所が一体となり、お客様ニーズに合致した製品を開発するため、お客様との共同研究、共同開発を精力的に推進しております。また、大学及び公的研究機関等との共同研究、共同開発も積極的に推進しております。
平成28年3月期の研究開発費の総額は886,495千円で、主な研究開発活動は次の通りであります。
感光性材料部門においては、高集積半導体デバイス加工、液晶ディスプレイ等に使用されるレジストの原材料となる感光材の開発ならびに工業化を推進しております。近年、先端LSIの領域では、厳しい品質管理が求められ、特に製品に含まれる不純物メタルを低減することが求められており、このための材料開発、製造プロセスについても継続的な開発を続けております。また、これらのコストダウンのための新しいプロセスの工業化にも取組みました。
当社のコアテクノロジーである化学増幅型レジスト用材料の分野では、これからの半導体製造プロセスで期待されているEUV用レジスト用材料などの先進材料の研究開発を行っております。上記のレジスト用材料の開発で培った技術を表示素子の分野にも展開し、表示素子を高機能化する材料の開発を推進しております。
ネガ型感光性樹脂の分野では、水溶性光硬化性樹脂の材料開発を行っております。優れたプロセス特性を有する樹脂の研究開発を行っており、お客様の新規高機能デバイスの開発に貢献しています。
香料材料分野では、高品質かつ安定した品質の合成香料及び材料の製造方法を中心に研究開発を行い、世界の大手香料会社から高い評価を得ております。競争力のある製品作りを主眼に既存製品の工程や原料の見直しを積極的に進め、また新たな製造方法の導入、装置化も進めております。
香料材料は食品や飲料に使用される機会が多いため、研究開発にあたっては原料や製造法について安全性に細心の注意を払いながら取組んでおります。
グリーンケミカル分野では、先端デバイスの加工時に使用される高品質溶剤の製造方法・リサイクル方法を中心に研究開発を行っております。
半導体向けでは集積回路の微細化に資するため、純度を高めた製品開発を顧客企業とともに進めております。
また、リサイクルにより限りある資源の有効活用および地球環境の保全に貢献しております。
ナノテクノロジー分野は、各種ディスプレイパネルなどをはじめ、これから多くの市場を創造し、その成長性が期待されている分野です。当社は、光ナノインプリント樹脂およびモールド樹脂の研究開発の成果を通して、お客様のこれらの製品の性能・機能の向上に貢献しております。
ライフサイエンス分野は21世紀の成長市場と期待されていますが、当社では、当社が保有する生体適合ポリマー技術、3D細胞培養技術を駆使して、培養容器向け材料や、化学物質の毒性検査、薬理スクリーニングや再生医療技術に有効な均質なスフェロイドのより効率的な形成が可能な細胞培養プレートの開発と事業開拓を鋭意進めております。
エネルギー分野では、電解液・イオン液体は、「高純度」を強みとしております。電解液では、高純度合成技術を活用し、品質の安定した電解液を多品種にわたり、製造する技術開発を行いました。イオン液体では、リチウムイオン二次電池などの既存エネルギー材料に加え、反応溶媒、抽出溶媒などの多方面への新たな用途展開を図り、お客様の仕様に合わせたイオン液体を開発し、実用化への進展が見られております。
以上のように、当社は、化学による「ものづくり」の技術革新を通して、21世紀前半に花開くと期待されている様々な製品分野の開発に貢献しており、今後もお客様と共に、最先端で最高の機能・性能を追求してまいります。
当事業年度末における総資産は28,232,999千円となり、前期比415,934千円の減少となりました。
流動資産は11,111,733千円で、前期比356,804千円の増加となりました。これは主に商品及び製品の増加によるものであります。
固定資産は17,121,266千円で、前期比772,739千円の減少となりました。これは主に減価償却によるものであります。
流動負債は12,399,902千円で、前期比777,411千円の増加となりました。これは主に短期借入金の増加によるものであります。
固定負債は9,027,082千円で、前期比1,473,246千円の減少となりました。これは主に長期借入金の減少によるものであります。
純資産合計は6,806,014千円で、前期比279,900千円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。
なお、キャッシュ・フローの分析につきましては、1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローに記載しております。
当期の世界経済は、米国においては雇用情勢の改善等により個人消費が底堅く緩やかな回復が続きましたが、欧州は弱含みで推移し、中国や新興国では減速の傾向が見られました。日本経済は、消費税率引き上げによる影響があったものの、年度後半からは緩やかな回復基調となりました。
当社を取り巻く事業環境においては、半導体・フラットパネルディスプレイ向けの需要が堅調に推移しました。
感光性材料事業においては、半導体向け感光性材料は、スマートフォン、自動車、LEDなどの需要が好調でした。液晶用途向け感光性材料も、スマートフォン、高精細テレビ、車載LCDなどの需要が堅調でした。
化成品事業においては、香料材料部門は、海外向けが堅調に推移しました。また、グリーンケミカル部門は、半導体・フラットパネルディスプレイ向けの需要が好調でした。ロジスティック部門は、顧客満足度向上、東京外郭環状道路開通による物流効率化、物流コスト削減を訴えた結果、タンク契約率、回転率共に高水準で推移しております。
以上により当事業年度の売上高は17,919,212千円(前期比+1,055,997千円 +6.3%)となりました。
売上総利益は需要の増加及び経費削減や原価低減活動等のコスト対策を継続させたことにより3,586,907千円(前期比+696,288千円)、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除した営業利益は966,067千円(前期比+459,415千円)となりました。
営業外収益から営業外費用を差引いた純額は、277,451千円の費用計上となりました。内訳としては、支払利息226,978千円によるものであります。この結果、当期の経常利益は688,616千円(前期比+11,562千円)となりました。
特別損失は、6,274千円の計上となりました。内訳としては、固定資産除却損によるものであります。
以上の結果、税引前当期純利益は682,651千円となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額を差引いた当期純利益は468,044千円(前期比△72,281千円)となりました。
なお、セグメント別の売上高の概況につきましては、1 業績等の概要 (1) 業績に記載しております。