文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
<事業環境>
当社を取り巻く事業環境は、昨年の相次ぐ自然災害や消費税増税等の影響により、景気の後退感が強まってきたことに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大による世界的な経済活動の減速が懸念されるなど、先行きを予測することはますます難しくなっております。今後、スマートフォンをはじめとする通信デバイスの販売減少や自動車市場の減速などが見込まれ、不透明な状況が続くと思われます。当社としましては、全社の総力をあげ、従業員及びステークホルダーの皆様の安全を最優先するとともに、様々な施策を講じ、事業への影響を最小限に留めてまいります。
<既存事業の競争力強化>
このような事業環境のなか、当社は優先的に対処すべき課題である人材・設備・資金の生産性向上により、競争力を一層強化してまいります。今後、持続的な事業成長のためには、人材の技術力向上が欠かせない事から、人材教育により従業員の育成と現場力・技術力の向上を図ってまいります。また、製造技術開発、ICTを活用した設備生産性の向上を行なうとともに、設備投資効果の最大化、運転資金の効率化に取り組んでまいります。
<感光性材料事業、化成品事業(高純度溶剤)>
感光性材料、高純度溶剤の対面市場である半導体業界は、世界的なIoTへの進化により、産業面だけでなく、日常生活に不可欠なコンシューマ向けエレクトロニクス製品や車の自動運転等、使用用途の一層の拡大が見込まれております。また、これらを実現するための技術として、半導体設計サイズの微細化、三次元化のためのリソグラフィ技術は進化し、素材も高度な研究開発、品質管理、安定供給の責任が求められております。この状況に対応するため、新規材料の研究開発、製造技術開発、品質管理の高度化に取組むとともに、世界的な需要の拡大に対応した生産能力の増強をより一層進めることにより、事業の拡大と収益性の向上を図ってまいります。
<化成品事業(香料材料、ロジスティック)>
香料市場は、アジア地域を中心とした所得拡大により、世界的に緩やかな拡大が続くと予測されております。当社は、最先端半導体分野で培った高度な製造技術・分析技術による高品質な製品の積極的な拡販と生産性向上に取り組んでまいります。
国内の化学品物流市場は、石油化学関連企業の統合等により、物流経費の削減及び物流基地の統廃合が進んでおり、事業を取り巻く環境は引き続き厳しいものと予想されます。しかしながら、液体化学品を大都市消費地へ輸送する物流形態は、今後も引き続き必要不可欠であります。当社は、お客様のニーズに柔軟な対応が可能な液体化学品総合物流基地として、安全操業と化学品の生産活動で蓄積した高度な取扱・保管技術を最大限に活かし、今後もお客様の信頼を獲得してまいります。
当社は、このような施策により、中期経営計画「TGC300」の実現に向け、取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
<感光性材料事業>
感光性材料事業の主力製品である感光性材料は、フォトレジストの原料として使用され、半導体、FPD(フラットパネルディスプレイ)の製造工程で使用されます。当事業製品は、グローバルに供給されており、世界的な経済事情とともに、半導体、FPD需要はエレクトロニクス製品の世界需要によるところが大きく、新たな通信技術、電子制御、および電子データを使用するマーケットの創出により、市場の需要が変化し、業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、ファインケミカルメーカー、半導体・FPD業界の再編等により、当事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
<化成品事業>
当社の溶剤製品は、電子材料分野の需要動向、お客様の製造工程変更等による品種や仕様の変更があった場合、業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。
香料材料の主力商品の原料には天産品由来のものもあり、天候や市況によりその価格に大きな変動を及ぼす可能性があります。
ロジスティック部門は、顧客サプライチェーンの多様化により為替変動の影響は軽微でありますが、景気変動により荷役量が減少した場合、当事業の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社で使用する主要な原材料並びに重油等の原料は、市況により価格が変動します。これら原材料の価格が高騰した場合には製造原価の上昇につながり、この上昇をコストダウンで吸収しきれない場合、また市場の状況によって販売価格への転嫁が困難な場合には、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度の海外直接売上高割合は35.2%でありますが、経済のグローバル化が一層進展する中で、感光性材料事業・化成品事業(主に香料材料分野)ともに、海外市場での営業展開は、事業の更なる発展にとって必要不可欠な課題と位置づけております。こうした観点から、今後も輸出比率は上昇する可能性があります。当社は、為替レート変動への対処策として、為替予約等によるリスクヘッジや海外から輸入する原材料の外貨建て決済化など、為替変動の直接的な影響の回避を図っておりますが、為替相場の急激な変動により、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、事業継続計画(BCP)に基づき一定の水準で製品在庫を保有しており、他業種に比較して、当社の在庫水準は高くなる傾向にあります。急激な販売増加により運転資金が増加する可能性や末端市場での急激な需要落ち込み等により余剰在庫が滞留することによる運転資金の増加の可能性があります。
当社は設備投資資金、および運転資金を銀行からの借入によって賄ってきたため、有利子負債の比率が高い水準となっております。当社は借入金比率の低減を図り、財務体質の強化に努める方針でありますが、急激な金利変動が生じた場合には、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、企業活動と自然環境の保護・保全の調和を常に意識しながら、環境保全活動に積極的に取り組んでおります。しかしながら、米国のTRI(Toxic Release Inventory)が1986年に発足してから、環境に関する取り組みは規制型から監視型へ転換し、各企業の自主性を求め、それを公表するように促しております。データを公表することにより、近隣住民、NGO団体等からの厳しいチェックを受け、日常の企業活動に予期せぬ制約を受ける可能性があります。また、現行法上、特に規制を受けていない既存物質においても、新たに規制対象物質に組み込まれた場合、生産を始めとした企業活動に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、製造設備の停止による事業活動への影響を最小限に抑えるため、定期的な設備の点検および保守を行なっております。また、労働災害を予防するため、リスクアセスメントの結果に基づき対策を講じ、実施状況について監査を行うとともに、BCPを構築し、防災訓練などの緊急時対応訓練も定期的に行なっております。2012年9月には事業継続の認証であるBS-25999を取得(翌2013年9月、国際規格ISO022301へ移行)しており、高いレベルでのリスクマネジメントにも取り組んでおります。しかしながら、天変地異や不測の事故等により重大な損害を被った場合には、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス等による感染症の拡大により、当社の生産体制、物流体制、営業活動等の事業活動の継続に支障が生じた場合には、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社の製品は、納入先との契約に従った品質検査だけではなく、当社においてより厳格な品質管理基準を設けるなど、厳格な品質管理を実施しております。また、感光性材料事業の製品、化成品事業の電子材料用途の製品、ならびに香料材料製品につきましては、上記の当社における品質検査のほか、お客様における受入品質検査を受けております。しかしながら、当社製品を原因とする問題が生じた場合、損害賠償等により、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社が現在展開している製造事業は、長年にわたって当社が蓄積してきた他社製品との差別化技術とノウハウとに基づき運営しております。当社は、それら技術に関して、特許権等産業財産権による保護が適当であると判断した技術については産業財産権を取得するよう努めております。しかしながら、当社保有の産業財産権の権利範囲外であっても、当社の製品と類似の機能を有するものが第三者から販売される可能性が有り、さらに当社の製造方法等の権利侵害の立証の困難な技術に関する産業財産権については、第三者による当社産業財産権の侵害を効果的に防止できない可能性もあります。そのような事態が発生した場合、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社が現在、開発・製造販売を展開している製品及び今後、開発・製造する新製品についても、企画開発段階から新製品に係る第三者の産業財産権の系統的な調査を行い、第三者の権利侵害を未然に防ぐよう努めております。しかしながら、当社が調査でも把握できなかった第三者の産業財産権を侵害した場合又はその疑いが生じた場合には、その権利保有者から当社の権利侵害を主張され、当社が損害賠償若しくは侵害被疑製品の製造販売の差し止めを請求され、またはロイヤルティ等の支払いを要求される可能性があります。そのような事態が発生した場合、当社の事業戦略や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。なお、現時点において経営に重大な影響を与える当社が侵害被疑者となっている産業財産権関連の訴訟はありません。
当事業年度におけるわが国経済は、緩やかな回復基調で推移しましたが、年度終盤には、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛などにより、個人消費が弱い動きとなるとともに、その影響が企業の生産活動や雇用情勢にも及ぶなどを背景に、景気の後退局面が見られました。
一方、世界情勢では、米中貿易摩擦に伴う関税の引き上げ、東アジアや中東における地政学的リスクの高まりなどから、国際貿易や製造業の活動が悪化しています。
さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済活動の停滞が世界規模で進行しており、今後の、原油相場、英国のEU離脱決定後の不透明な状況、為替相場の先行きなど各国・地域における動向など、注視が必要な状況が続いています。
このような状況のもと、当社は2018年8月10日発表の中期経営計画「TGC300」に基づき、お客様との関係強化、積極的な拡販、先端分野の高付加価値な新製品の開発、コスト削減に取り組み、当事業年度の売上高は24,455,632千円(前期比+1,480,612千円、+6.4%)、営業利益は2,184,385千円(前期比+624,685千円、+40.1%)、経常利益は2,061,864千円(前期比+494,003千円、+31.5%)、当期純利益は1,852,797千円(前期比+681,770千円、+58.2%)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
[感光性材料事業]
新型コロナウイルス感染症の拡大による減速懸念はあったものの、半導体およびディスプレイの生産は世界的に継続され、市況の減速は見られず、当社製品の販売も堅調に推移いたしました。特にロジック向け製品は、新規EUV露光を使用するデバイスの生産が本格化したことで、EUV向けを含む先端向け製品の需要が大きく拡大いたしました。その他新規ポリマー製品の順調な増加、また、新型コロナウイルス感染症の拡大でのリスク対策として、各サプライチェーンでの在庫の確保のためと思われる動きも3月以降活発化し、販売増加に寄与して感光性材料全体の売上は大きく増加しました。
この結果、同事業の売上高は14,217,325千円(前期比+1,605,937千円、+12.7%)、営業利益は1,565,885千円(前期比+507,015千円)となりました。
[化成品事業]
電子材料関連は、先端半導体プロセス向け高付加価値・高純度溶剤製品は堅調に推移しました。また、スマートフォン・データセンター向けの半導体メモリの需要は徐々に回復の兆しが見えたものの売上は減少しました。
香料材料製品は、品質の安定化および安定供給に努めたことに加え、新規顧客の開拓により海外の香料メーカーを中心に売上は順調に増加しました。
ロジスティック部門は、顧客満足度向上に努めた結果、タンク契約率、回転率共に高水準で推移しております。
この結果、同事業の売上高は10,238,307千円(前期比△125,325千円、△1.2%)、営業利益は618,500千円(前期比+117,670千円)となりました。
当事業年度における総資産は39,130,517千円となり、前事業年度末比2,264,569千円の増加となりました。
流動資産は15,503,106千円で、前事業年度末比1,725,777千円の減少となりました。これは主に固定資産の取得等に伴う現金及び預金1,829,719千円の減少、商品及び製品529,676千円の増加、原材料及び貯蔵品368,084千円の減少によるものであります。
固定資産は23,627,410千円で、前事業年度末比3,990,347千円の増加となりました。これは主に取得による増加5,725,676千円、減価償却による減少2,172,284千円によるものであります。
流動負債は17,090,431千円で、前事業年度末比325,273千円の増加となりました。これは主に、設備関係債務402,080千円の増加によるものであります。
固定負債は11,470,794千円で、前事業年度末比211,240千円の増加となりました。これは主に、長期借入金109,029千円の増加、退職給付引当金111,554千円の増加によるものであります。
純資産合計は10,569,291千円で、前事業年度末比1,728,055千円の増加となりました。これは主に当期純利益1,852,797千円によるものであります。
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比べ1,829,719千円減少し、3,170,663千円となりました。
当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益2,013,423千円、減価償却費2,172,284千円などにより、3,463,392千円(前期比+1,365,728千円)の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出5,087,183千円などにより、5,179,083千円の支出(前期は2,499,423千円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増減額400,000千円、長期借入金の純増減額△196,237千円、配当金の支払額118,572千円などにより、80,493千円の支出(前期は3,268,486千円の収入)となりました。
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、原則として見込み生産を行っております。
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2. 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
当事業年度におけるMerck Performance Materials Co., Ltd.に対する販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載しておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りにあたり過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。
また、当社が採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表」の「重要な会計方針」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産の回収可能性の評価)
繰延税金資産の計上については、将来の課税所得を中期経営計画「TGC300」とその進捗を加味して合理的に見積り、回収可能性を十分に検討した上で、回収見込額を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、主に将来の課税所得の見積りによるところが大きく、課税所得の予測は将来の市場動向や当社の事業活動の状況及びその他の要因により変化します。
将来の課税所得の見積り額が減少した場合には、繰延税金資産を取り崩すことにより、当該会計期間において税金費用が発生する可能性があり、一方、将来の課税所得の見積り額が増加した場合には、繰延税金資産を認識することにより、当該会計期間の当期純利益を増加させる可能性があります。
・経営成績の分析
当事業年度の売上高は24,455,632千円(前期比+1,480,612千円、+6.4%)、営業利益は2,184,385千円(前期比+624,685千円、+40.1%)、経常利益は2,061,864千円(前期比+494,003千円、+31.5%)、当期純利益は1,852,797千円(前期比+681,770千円、+58.2%)となりました。
売上高および営業利益については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおり、売上高・利益ともに前期比増加となりました。
営業外収益から営業外費用を差引いた純額は、122,521千円の費用計上となりました。内訳としては、受取保険金21,910千円、補助金収入13,038千円等があったものの、支払利息119,674千円、為替差損56,329千円等があったことによるものであります。この結果、当期の経常利益は2,061,864千円(前期比+494,003千円)となりました。
特別損失は、48,440千円の計上となりました。内訳としては、固定資産除却損20,385千円、投資有価証券評価損28,055千円の計上によるものであります。
以上の結果、税引前当期純利益は2,013,423千円となり、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額を差引いた当期純利益は1,852,797千円(前期比+681,770千円)となりました。
・財政状態の分析
当事業年度の財政状態の分析につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
・キャッシュ・フローの分析
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しているとおりですが、市場環境の変動等、さまざまなリスク要因が当社の成長や経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は、常に新技術の動向や市場動向に留意しつつ、お客様ニーズに合致した製品を開発し提供していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因の低減を図ってまいります。
当社の運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入等の製造費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、生産設備の購入等によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金、長期運転資金および設備投資は、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は18,714,173千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は3,170,663千円となっております。
該当事項はありません。
感光性材料事業においては、感光材研究所にて半導体及びFPDに用いられる感光性材料の研究開発を行い、千葉工場研究開発部門では、感光性材料の工業化プロセスの研究開発だけでなく、工場に隣接した環境で研究開発から製品化までを一貫して短い期間で行う機能も備え、タイムリーな工業製品の供給を行っております。
化成品事業においては、感光材研究所と協働して、高純度溶剤、香料材料に用いられる新製品の開発、及び新技術、コストダウンのための研究開発を行っております。
新規事業分野においては、感光材研究所にてナノテクノロジー材料、ライフサイエンス関連材料、新規機能性材料などの研究開発を行っております。
各営業グループ、各工場、各事業部のプロセス開発グループ及び感光材研究所が一体となり、お客様ニーズに合致した製品を開発するため、お客様との共同研究、共同開発を精力的に推進しております。また、大学及び公的研究機関等との共同研究、共同開発も積極的に推進しております。
2020年3月期の研究開発費の総額は823,328千円で、主な研究開発活動は次のとおりであります。
感光性材料部門においては、高集積半導体デバイス加工、FPD等に使用されるフォトレジストの原材料となる感光材の開発ならびに工業化を推進しております。近年、先端LSIの領域では、厳しい品質管理が求められ、不純物メタルを低減することのみならず、製造工程の細部にわたる製造管理が求められており、このための材料開発、製造プロセスについても継続的な開発を続けております。
当社のコアテクノロジーである化学増幅型レジスト用材料の分野では、半導体製造プロセスで本格的量産が開始されたEUV用レジスト用材料などの先進材料の研究開発を行っております。上記のレジスト用材料の開発で培った高品質な精密合成技術を半導体、FPDの周辺材料分野にも展開し、新たな半導体、FPDを高機能化する材料の開発を推進しております。
溶剤関係では、電子材料分野に使用される高品質溶剤の製造方法・リサイクル方法を中心に研究開発を行っております。また、集積回路の微細化に資するため、純度を高めた製品開発を顧客企業とともに進めております。
香料材料関係では、高品質かつ安定した品質の合成香料及び材料の製造方法を中心に研究開発を行い、世界の大手香料会社から高い評価を得ております。競争力のある製品作りを主眼に既存製品の工程や原料の見直しを積極的に進め、また新たな製造方法の導入、装置化も進めております。
ナノテクノロジー分野は、各種FPDなどをはじめ、これから多くの市場を創造し、その成長性が期待されている分野です。当社は、光ナノインプリント樹脂の研究開発の成果を通して、お客様のこれらの製品の性能・機能の向上に貢献しております。
ライフサイエンス分野は21世紀の成長市場と期待されていますが、当社では、当社が保有する生体適合性ポリマー技術、3D細胞培養技術を駆使して、培養容器向け材料や化学物質の毒性検査、薬理スクリーニングや再生医療技術に有効な均質なスフェロイドのより効率的な形成が可能な細胞培養プレートおよびお客様がご購入後すぐに使用できるスフェロイド形成済のプレートの開発と事業開拓を鋭意進めております。
新規機能性材料では、今後、需要拡大と技術の高度化が見込まれる半導体チップ実装用封止・接着剤などに使用される硬化剤、硬化促進剤などの技術開発と事業開拓を鋭意進めております。
以上のように、当社は、化学による「ものづくり」の技術革新を通して、21世紀前半に花開くと期待されている様々な製品分野の開発に貢献しており、今後もお客様と共に、最先端で最高の機能・性能を追求してまいります。