第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重大な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

また、新型コロナウイルス感染症の拡大が、当第3四半期累計期間における当社の生産体制、物流体制、営業活動等の事業活動および業績に与えた影響は軽微であったと判断しております。

しかしながら、当四半期報告書提出時点におきましても新型コロナウイルス感染症は終息しておらず、今後の感染の拡大により当社の生産体制、物流体制、営業活動等の事業活動の継続に支障が生じた場合には、当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社としましては、引き続き全社の総力をあげ、安全を最優先するとともに、様々な施策を講じ、当社の事業活動および業績への影響を最小限に留めてまいります。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第3四半期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大が続き感染者数の増加が続いたものの、経済活動の再開や輸出の増加など景気には持ち直しの動きが見られました。世界経済においては、米国や欧州では雇用や消費の回復に停滞感が見られたものの、中国では景気回復の動きが見られました。

また、電子材料業界においては、感染症の拡大防止対策に伴うテレワーク増加による通信・データセンターおよびPC向け需要拡大に加え、5G対応スマートフォンの本格始動やゲーム機向けの巣ごもり需要などで、先端領域製品を中心に好調に推移しました。

このような状況のもと当社は引き続き在宅勤務や時差出勤の推進、不要不急の外出や社内外への出張を抑制すると共に、オンライン会議等を積極的に活用し、事業活動を継続してまいりました。

しかしながら、世界規模で感染症の拡大が続き、わが国でも緊急事態宣言が発出されるなど経済活動が再び停滞する懸念に加えて、米中対立、各国・地域における地政学的リスク、原油相場、為替相場の先行きなど、注視が必要なリスクが継続しております。

これらの不透明な状況が続く中、当第3四半期累計期間における売上高は、従来からのお客様との関係強化、積極的な拡販への取り組みに加え、在宅需要拡大による半導体・電子材料の旺盛な需要を背景に19,823,763千円(前年同期比+1,787,047千円、+9.9%)となりました。

さらに利益面につきましても、売上高の増加に加え、先端分野の高付加価値製品の増加等により、営業利益は2,139,816千円(前年同期比+634,188千円、+42.1%)、経常利益は2,086,313千円(前年同期比+679,807千円、+48.3%)、四半期純利益は1,412,202千円(前年同期比+504,081千円、+55.5%)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

 (感光性材料事業)

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛・制限は全世界的に未だ収束が見られない中、引き続き半導体、ディスプレイの高い需要が継続しております。この結果、先端半導体の生産増加が続き、感光材、ポリマー共に先端領域の製品売上が好調に推移しました。

この結果、同事業の売上高は11,467,760千円(前年同期比+1,038,988千円、+10.0%)、営業利益は1,367,472千円(前年同期比+270,754千円、+24.7%)となりました。

 

 (化成品事業)

電子材料関連は、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策に伴う在宅勤務の拡大による通信・データセンターおよびPC向け需要拡大に加え、5G対応スマートフォンの本格始動やゲーム機向けの巣ごもり需要などにより売上は増加しました。

香料材料関連は、当社の販売先である香料メーカーにおいても新型コロナウイルス感染症の影響はあったものの、トイレタリー製品向けの合成香料は堅調に推移しました。また、品質の安定化および安定供給に努めたことに加え、海外の香料メーカーを中心に販路を拡充したことにより、売上は増加しました。

ロジスティック関連は、新型コロナウイルス感染症の影響で、国内の化学品需要が鈍化し荷動き量に落ち込みが見られたものの、顧客満足度向上に努めた結果、タンク契約率は引き続き高水準で推移しました。

この結果、同事業の売上高は8,356,003千円(前年同期比+748,058千円、+9.8%)、営業利益は772,344千円(前年同期比+363,434千円、+88.9%)となりました。

 

財政状態は、前事業年度末対比で次のとおりであります。

当第3四半期会計期間における総資産は43,376,066千円となり、前事業年度末比4,245,548千円の増加となりました。

流動資産は16,909,323千円で、前事業年度末比1,406,216千円の増加となりました。これは主に受取手形及び売掛金313,765千円の増加、原材料及び貯蔵品532,432千円の増加によるものであります。    

固定資産は26,466,742千円で、前事業年度末比2,839,332千円の増加となりました。これは主に取得による増加4,816,729千円、減価償却による減少1,653,451千円によるものであります。

流動負債は16,838,654千円で、前事業年度末比251,776千円の減少となりました。これは主に設備関係未払金229,125千円の減少、賞与引当金269,937千円の減少によるものであります。      

固定負債は14,699,807千円で、前事業年度末比3,229,012千円の増加となりました。これは主に長期借入金3,086,246千円の増加によるものであります。

純資産合計は11,837,605千円で、前事業年度末比1,268,313千円の増加となりました。これは主に四半期純利益1,412,202千円によるものであります。

 

(2)経営方針・経営戦略等

当第3四半期累計期間において、経営方針・経営戦略等に重要な変更はありません。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。新型コロナウイルス感染症の拡大による世界的な経済活動の減速が懸念されるなど、先行きを予測することはますます難しくなっておりますが、当社としましては、全社の総力をあげ、前事業年度の有価証券報告書の「対処すべき課題」に記載した施策を講じ、中期経営計画「TGC300」の実現に向け取り組んでまいります。

なお、会社法施行規則第118条第3号に定める「株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下「会社の支配に関する基本方針」といいます。)の内容は下記のとおりです。

イ  会社の支配に関する基本方針の内容

当社は、1954年の設立以来、独創的な視点を大切にした研究・開発に注力し、現在ではフォトレジスト向けの感光性材料等の製造・販売を中心とした「感光性材料事業」、香料材料の製造・販売及び電子材料向け溶剤を中心とする高付加価値品の製造・販売及びリサイクル、ならびに液体化学品の保管業務を行う「化成品事業」を営んでおります。

当社事業の特徴として、①顧客企業と研究開発段階からの技術的な摺り合せによる顧客との強力な協業関係の構築、②長年にわたり蓄積された高い生産技術力、③事業環境の変化への対応力を高める成長事業と基盤事業を組み合わせた事業ポートフォリオの構築、④各事業が密接に結び付くことによる大きなシナジー効果等により、国内のみならず、世界各国のお客様より高い評価をいただいております。

当社は、当社の財務及び事業方針の決定を支配する者の在り方について、当社の経営理念や企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。

上場会社である当社の株式は、株式市場を通じて多数の株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株式に対する大規模な買付行為や買付提案があった場合においても、当該大規模な買付等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものであれば一概に否定するものではなく、これに応じるか否かは最終的に株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えております。

しかしながら、このような大規模な買付等の中には、専ら買付者自らの利潤のみを追求しようとするもの、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

当社は、上記の例を含め、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模な買付等を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。

 

ロ  会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組み

当社では、中長期的な経営戦略及びコーポレート・ガバナンスの強化の両面より、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保、向上に努めており、次の施策が会社の支配に関する基本方針の実現に資するものと考えております。

a  経営の基本方針

 当社は、経営方針として「①安全操業を最優先し、従業員、協力会社社員、地域住民など関係者の安心できる操業環境を確保する。②法令や社内ルールを遵守するとともに、誠実かつ公正な企業活動を行う。③世界最高のマイクロストラクチャー構造材料を国際社会に提供する。④常に新製品、新プロセス、新サービスを開発する。⑤生産技術の高度化を推進し、新プロセスを開発、安定品質で市場競争を勝ち抜く。⑥国内外隔たりなく企業活動を展開し、日本を代表するグローバル企業となる。⑦全社をあげて、常に能力開発に努め、個人の能力の向上を通じて創造性を発揮し、社会に貢献する。」を掲げております。当社は、この経営方針に基づき、積極的な事業展開を進め、業容の拡大と業績の向上に邁進し、高品質かつ高機能な材料を可能な限り安価に供給することにより、産業全体の発展と高度化に役立つことを目指しております。

 また、創業以来、「当社の生命線は研究開発にある」を理念に、独創的な視点を大切にした研究開発力の強化と生産技術の向上に努め、蓄積された技術やノウハウを活用して市場ニーズに迅速かつ的確に対応し、有機合成から分離精製、プラントエンジニアリング、化成品物流等に至るまで、事業分野及び事業規模を着実に拡大させることにより化学産業界で独自の地位を築いてまいりました。当社は永続的発展を通じてお客様、株主の皆様、従業員等の利害関係者に貢献することを目指しております。

 

b  中長期的な経営戦略

 当社は、当社の企業価値および株主共同の利益の向上のため、5ヵ年の中期経営計画「TGC300」を策定し、2019年3月期からスタートさせています。

 本中期経営計画では、「当社が蓄積してきた高純度合成力、精製技術により磨きをかけ、顧客品質を満たす安定供給体制を構築し、世界の技術革新に資する人・組織・事業の成長の三立を実現する」というコンセプトの下、「顧客課題、技術課題一つ一つを真摯に独創的な視点で解決し、超高品質と生産性を両立し、世界No.1ダントツ企業となる」というビジョンを掲げ、5年後の数値目標である売上高300億円以上、経常利益30億円以上、経常利益率10%以上の実現に向けて取り組んでまいります。

なお本中期経営計画の全社戦略、事業戦略は次の通りです。

 

<全社戦略>

■人材育成

 ・生産性向上に向けた人材育成の強化

 ・文化的多様性を許容できる次世代ビジネスリーダーの育成

■技術戦略の強化

 ・顧客品質と生産性を両立する製造技術開発強化

 ・蓄積された世界随一の高純度製造ノウハウとIoT技術の融合による生産性の向上

 ・技術シーズを事業化する体制を強化し、次世代のビジネスポートフォリオの構築を図る

■経営基盤の強化

 ・機能性材料サプライチェーンを支える安全技術力を高める

 ・企業価値向上を目的としたガバナンス体制を構築する

 

<セグメント戦略>

■感光性材料事業の生産能力拡大

 ・顧客品質の継続的実現により、電子材料の技術革新に貢献する

 ・先端半導体を支える超高純度合成と生産性向上の両立

■化成品事業の事業強化

 ・先端半導体向け超高純度溶剤の品質・開発・安定供給体制の強化

 ・化学専業タンクターミナルとしての自動化促進と更なる高付加価値化

 

当社では、このような取組みを積極的に行い、企業価値の持続的な向上を実現してまいります。

 

c  コーポレート・ガバナンスの強化への取組み

当社は、企業価値・株主共同の利益の向上を実現するためには、株主価値を高めることが課題であると認識しており、経営の効率化、健全化を積極的に進めるとともに、経営の透明性を高めるため、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組んでおります。

当社は、監査役会設置会社及び執行役員制度を採用し、取締役会による「意思決定・監督」と管掌取締役及び執行役員による「業務執行」、監査役及び会計監査人による「監査」により、経営監督・監査と執行の機能を分担して運営しております。

取締役の任期は、責任の明確化と事業環境の変化に柔軟に対応するため、1年としております。また、社外取締役及び社外監査役を選任しており、㈱東京証券取引所が定める独立性の基準に従い独立役員として届け出ております。これらの社外役員と代表取締役社長による連絡会を四半期に一度開催し、経営や企業統治に関する様々な助言を得ることができる機会を設け、コミュニケーションの強化を図っております。

これらの取組みにより株主の皆様をはじめとする様々なステークホルダーとの信頼関係をより一層強固なものにし、企業価値の継続的な向上をめざしてコーポレート・ガバナンスの強化に努めてまいります。

 

ハ  会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

  当社は、2008年5月26日開催の取締役会において、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(以下、「本プラン」といいます。)」の導入を決議し、2008年6月20日開催の当社第58回定時株主総会において、株主の皆様のご承認をいただいております。また、2020年6月25日開催の当社第70回定時株主総会において、本プランの継続について株主の皆様にご承認をいただいております。

  本プランの概要は、以下に記載のとおりですが、本プランの詳細につきましては、2020年5月12日付の当社プレスリリース「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続について」をご参照ください。(当社ホームページ https://www.toyogosei.co.jp/)

a.本プランの対象となる当社株券等の買付

本プランの対象となる当社株券等の買付とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為をいい、かかる買付行為を行う者を大規模買付者といいます。

b.大規模買付ルールの概要

大規模買付ルールとは、事前に大規模買付者が取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、取締役会による一定の評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始するというものです。

c.大規模買付行為がなされた場合の対応

大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示することにより、株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。

ただし、大規模買付ルールを遵守しない場合や、遵守されている場合であっても当該大規模買付行為が会社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと取締役会が判断した場合には、対抗措置をとることがあります。

また対抗措置をとる場合、その判断について株主総会を開催し、株主の皆様のご意志を確認させていただく場合がございます。

d.独立委員会の設置

対抗措置を講じるか否かについては、取締役会が最終的な判断を行いますが、本プランを適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止するとともに、その判断の客観性・合理性を担保するため、独立委員会を設置いたします。

対抗措置をとる場合、その判断の客観性・合理性を担保するために、取締役会は対抗措置の発動に先立ち、独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問します。

独立委員会は対抗措置の発動の是非または、対抗措置の発動について株主総会へ付議することの要否を取締役会に対し勧告するものとします。

e.本プランの有効期間等

本プランの有効期間は、2023年6月30日までに開催予定の当社第73回定時株主総会の終結の時までの3年間とし、以降、本プランの継続(一部修正したうえでの継続を含む)については3年ごとに定時株主総会の承認を得ることとします。

ただし、有効期間中であっても、株主総会または取締役会の決議により本プランは廃止されるものとします。

 

ニ  本プランが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて

  本プランは、a 買収防衛策に関する指針の要件を充足していること、b 株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること、c 株主総会での承認により発効しており、株主意思を反映するものであること、d 独立性の高い社外者のみから構成される独立委員会の判断を重視するものであること、e デッドハンド型及びスローハンド型の買収防衛策ではないこと等、会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期累計期間の研究開発費の総額は667,836千円であります。

 なお、当第3四半期累計期間において当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5)主要な設備

前事業年度末において計画中であった感光性材料事業の重要な設備の新設につきましては、当第3四半期累計期間に完成し、稼働を開始しております。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。