当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
当中間連結会計期間(2025年1月1日~2025年6月30日)は、わが国においては、雇用・所得環境の改善の動きが続く中、緩やかな回復基調で推移しました。一方、米国の通商政策における不確実性や中東地域をめぐる地政学リスク等、先行きは不透明な状況にあります。
エレクトロニクス業界は、データセンターにおいては生成AI関連がけん引し堅調さが持続し、汎用サーバーは緩やかな回復基調で推移しました。パソコンやスマートフォン、自動運転への技術転換が進む車載関連は概ね堅調に推移しました。また、中長期視点では、通信革命によるデジタル技術進展のメガトレンドは不変であり、それらに向けた投資は継続されると見込まれております。
当社グループの関係市場である電子基板・部品業界は、全般的にエレクトロニクス業界の影響を受け概ね堅調に推移しました。
このような環境のもと、当社グループは、2030年ビジョンの実現に向けた第二期である「Phase2 中期経営計画(2025年度~2027年度)」を達成するため、「創造と変革」を指針に事業活動に取り組みました。特に、デジタル化やグリーン化に向け社会が変化・変革期にある中、高密度電子基板向け製品の開発、販売に注力いたしました。
その結果、当中間連結会計期間の当社グループの経営成績は次のとおりとなりました。
また、売上高の内訳は、次のとおりとなりました。
海外売上高比率は66.4%となり、前年同期の61.4%に比べ5.0ポイント増加しました。なお、日本国内代理店経 由で販売した海外顧客への売上を海外売上高比率に含めた場合は、80.8%となり前年同期の76.3%に比べ4.5ポイント増加しました。
売上高については、薬品は主に生成AI関連など先端半導体パッケージ基板向けに製品の需要が堅調に推移したことにより増加しました。販売費及び一般管理費は、主に人件費等の増加がありましたが、営業利益は増加しました。経常利益は為替の影響等を受け前年同期比で減少したものの、特別利益に経済産業省による「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」の収入が計上されたこと等により、親会社株主に帰属する中間純利益については、前年同期に比べ増加しました。
前年同期と比較した主要製品の売上動向としましては、半導体を搭載する半導体パッケージ基板向けに高いシェアを持つ超粗化系密着向上剤「CZシリーズ」は、主に生成AI関連やパソコン、スマートフォン等に係る需要により好調な結果となりました。多層基板向け密着向上剤「V-Bondシリーズ」は前年同期と概ね同水準となり、前年同期には最終製品需要が堅調であったディスプレイ向け「EXEシリーズ」、「SFシリーズ」は、関連する製品の生産動向を受け減少しました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
なお、当中間連結会計期間より、連結子会社 MEC(HONG KONG)LTD.は清算中であることから、従来「香港 (香港、珠海)」としていた報告セグメントの名称を「珠海(中国)」に、また従来「中国(蘇州)」としていた報告セグメントの名称を「蘇州(中国)」に変更しております。 報告セグメント名称変更のみのため、清算中であるMEC(HONG KONG)LTD.の財務諸表は「珠海(中国)」に含めております。
売上高
セグメント利益
日本では、生成AI関連など先端半導体パッケージ基板向け製品の需要は拡大基調で推移した一方で、機械売上が減少しました。日本代理店経由で販売している韓国向けにおいては、メモリー向け半導体パッケージ基板は回復基調で推移しました。その結果、売上は前年同期比で減少しました。
台湾では、先端半導体パッケージ基板向け需要の増加により、売上は前年同期比で増加しました。
珠海(中国)では、スマートフォンやパソコンに関連する製品需要が好調に推移し、売上は前年同期比で増加しました。
蘇州(中国)では、スマートフォンやディスプレイ向け薬品が堅調で、スマートフォン向けにおいては一時的な需要もあり、売上は前年同期比で増加しました。
欧州では、顧客により需要動向に濃淡が見られるものの、在庫調整の局面から脱したこと、資材の一時的な需要により売上は前年同期比で増加しました。
タイでは、電子基板メーカーの東南アジアにおける設備投資が活発化する中、車載向け製品は低調であったものの、衛星通信に関連する製品が堅調に推移したことや半導体パッケージ基板用途において当社顧客における製品の需要により、売上は前年同期比で増加しました。
資産は、現金及び預金の減少等により、前連結会計年度に比べて1億63百万円減少し、328億75百万円となりました。
負債は、電子記録債務の減少等により、前連結会計年度に比べて6億59百万円減少し、54億82百万円となりました。
純資産は、利益剰余金が増加したものの自己株式の取得による減少等により、前連結会計年度に比べて4億95百万円増加し、273億92百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は83.3%となりました。
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は前連結会計年度末と比べて24億63百万円減少し、77億91百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は11億20百万円(前年同期比8億69百万円減)となりました。これは主に税金等調整前中間純利益が28億92百万円、減価償却費が3億93百万円、仕入債務の減少が5億85百万円および法人税等の支払額が9億82百万円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は22億34百万円(前年同期比21億54百万円増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が22億32百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は13億38百万円(前年同期比8億55百万円増)となりました。これは主に自己株式の取得による支出が8億51百万円、配当金の支払額が4億71百万円あったこと等によるものであります。
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する目的を持って当社株式を大量に取得するための株式買付けが行われる場合は、これに対する諾否は、基本的には個々の株主の判断に基づいて行われるべきものと考えております。従って、経営支配権の移動による企業活動の活性化の意義または効果につきましても、何ら否定する立場にはありません。
しかしながら、もっぱら高値での売り抜け等不当な目的を持った買収者により会社買収が行われるような場合には、株主を始めとする各ステークホルダーの利益を守るため、企業価値の毀損の防止を図ることが当社取締役会の責務であると認識しております。このため、株式の大量取得を目的とする買付けまたは買収提案に際しては、買付者の事業計画の内容のほか、過去の投資行動等も考慮のうえ、その買付けまたは買収提案が当社の企業価値および株主共同の利益に与える影響を十分検討し、取締役会としての判断結果を株主に開示する必要があるものと考えております。
また、当社は当社株式の大量買付け等による具体的な脅威に備えての取組み(いわゆる「買収防衛策」)を予め定めることは行っておりません。ただし、株主から負託を受けた取締役会の責務において、当社株式の売買取引や株主異動の状況を注視し、株式の大量取得を企図する者が現れた場合には、社外専門家を交えて当該買収者の買収提案および事業計画等の評価を行い、その買収提案または買付行為が当社の企業価値ならびに株主共同の利益に反すると判断したときは、対抗措置の要否ならびにその具体的な内容を決定し、これを実施することがあります。
当社では、上記基本方針の実現ならびに株主共同の利益に資するために次のような取組みを行っております。
(イ)中期経営計画の推進による企業価値の向上
a 世界主要市場における販売力の強化
b 最先端基板から汎用基板用途までの製品ラインナップの充実・強化
c 環境負荷低減によるビジネスチャンスの拡大
d 金属と樹脂の接合技術の磨き上げによる新事業分野の開拓等
e 連結ROEは、10%をベースに持続的改善を図る
(ロ)株主への積極的な利益還元、持続的成長のための中長期投資
a 連結配当性向30%を中期的目標として利益を積極的に株主還元
b 売上高の10%以上を研究開発費に先行投資
c 世界各市場の需要に即応し、世界同一品質を実現する生産設備投資等
当社は、株式の大量取得を企図する者に対しては、大量取得行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を求め、併せて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。
前号の各取組みにつきましては、当社の企業価値および株主共同の利益を持続的に向上させるために実施しているものでありますので、当社取締役会として、いずれも次の各要件に該当するものと判断しております。
ⅰ 第1号の基本方針に沿うものであること
ⅱ 株主共同の利益を損なうものではないこと
ⅲ 当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動は日本で行っており、その金額は、6億38百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において当社の研究開発活動に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。