第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「お客様の想いをかなえる新たな価値創造に挑戦し、アジアで、なくてはならない企業となる」というビジョンのもと、お客様のニーズを先取りした、より高度なソリューションを提供し続けるために、これまで培ってきた独自の技術やノウハウと外部の技術との組み合わせによる新たな製品やサービスの創出に挑み、環境変化に強い事業構造への変革を進めることで、持続的な企業価値向上を目指してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、収益性を高めながら成長投資を積極拡大することで、将来に向けた成長軌道の確立を目指しており、連結中期経営計画「New Value 2019」(2017年度~2019年度)では、総資産経常利益率(ROA)8%以上、自己資本当期純利益率(ROE)9%以上を目標としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、連結中期経営計画「New Value 2019」(2017年度~2019年度)において、「中国・東南アジア地域での事業拡大と収益性向上」と「新たな製品・サービスの創出、成長投資の積極拡大」の実現に向けて、以下の基本戦略を掲げております。

① 既存事業の事業領域拡大と収益性向上

市場環境・顧客ニーズの変化に適応した販売・開発・生産体制を構築するとともに、グループ全体最適を指向した生産性の改善によりコスト競争力を強化する。

② 将来に向けた新たな製品・サービスの創出

技術革新が進む分野をターゲットとした新規材料・技術の開発・導入を促進するための研究開発体制を構築し、新製品・サービスの開発・事業化を加速する。

③ 持続的成長を支える経営基盤の強化

資産・資本効率を高めながら成長分野への積極投資を推進するとともに、環境変化に迅速かつ柔軟に対応する  ためのリスク管理体制を強化する。

④ 環境変化に適応する多様な人材の確保・育成

海外事業の成長を支えるマネジメント人材と、新たな価値創造を実現する多様な人材を確保・育成し、活躍できる環境を整備する。

 

(4) 会社の対処すべき課題

次期の事業環境は、国内・海外ともに、景気回復基調の継続が見込まれますが、保護主義的な政策の拡大や地政学リスクの高まり、不安定な為替相場や原油価格の変動などによる影響が懸念され、先行きは予断を許さない状況が続くとみております。

このような状況のもと、当社グループは、アジア地域における存在感を高め、持続的な成長路線の確立を目指す連結中期経営計画「New Value 2019」(2017年度~2019年度)で掲げた中国を中心とするアジア地域での事業規模の拡大と収益性の向上、革新的な材料・技術開発による事業領域の拡大を果たすために、以下の課題にグループの総力を結集して取り組んでまいります。

① アジア地域での事業規模拡大を図るために、中国市場での液晶ディスプレイ関連分野を軸とした販売・生産体制強化によるシェア拡大に注力するとともに、東南アジア・南アジア地域での新たな市場の開拓による事業領域の拡大を推進する。

② 既存事業の収益性向上を図るために、グループ生産供給体制の最適化によるコスト競争力の強化に注力するとともに、市場・顧客ニーズに適応した高付加価値製品の開発・展開を加速する。

③ 新規事業の成長を促進するために、ナノインプリント事業を加工製品事業に統合し、新規事業の新たな成長モデルを探索・構築する。また、将来に向けた新たな製品・サービスの創出を加速するために、技術革新が進む自動車・ヘルスケア分野等での新たな研究開発体制を構築する。

当社グループは、これらの課題に取り組むことで、環境変化に適応し、将来にわたる持続的な成長を遂げるための強固な事業基盤を構築するとともに、安全確保や環境保全などの社会的責任を果たし、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状態及びキャッシュ・フロー等の業績に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。
  当社グループにおいては、これらのリスクの発生を防止、分散あるいはヘッジすることにより軽減を図っておりますが、予測を超える事態が生じた場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
  なお、記載した事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。

 

    ① 経済動向及び製品・原材料市況

当社グループのケミカルズ製品は、電子・情報分野をはじめとし、自動車・家電・建材、その他日用品等と幅広い分野で使用されており、装置システムの販売対象も、合成樹脂、塗料・インキ等のメーカーなど多岐にわたっております。このため、当社グループの経営成績は、景気動向及び設備投資動向全般の影響を受けております。特に、液晶表示装置関連用途における需要動向・競合状況・価格情勢により、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性があります。
  また、ケミカルズ製品の主要原材料であるアクリル酸エステル類や酢酸エチルなどの価格は、原油・ナフサ価格の市況の影響を受け、製造原価の変動による業績への影響が考えられます。

 

    ② 法的規制

当社グループの主力製品である粘着剤をはじめとした製品群の多くは、原材料及び製品とも消防法上の危険物であります。当社グループは、安全管理の徹底や事業所内における自衛消防隊の設置等により事故発生の防止と被害の極小化に努めておりますが、万が一不測の重大事故が発生した場合には、製品の製造停止や復旧及び損害賠償等の費用発生等により、当社グループの財政状態や経営成績が影響を受ける可能性があります。

 

    ③ 海外での事業展開

当社グループは、アジア地域、特に中華人民共和国におけるケミカルズ製品の市場の将来性に注目し、子会社4社・関連会社1社を通じ積極的事業展開を行っておりますが、現地における法令の改変や商慣習等に起因する予期せぬ事態が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

    ④ 環境問題

当社グループは、原材料として各種化学物質を取り扱うため、環境に関連する法規を遵守するとともに、地球温暖化防止に向けた省エネルギーや環境負荷物質の排出抑制にも努めております。しかしながら、環境保全に関する規制が予測以上に厳しくなり、使用する化学物質が制限されるほか、対応するための大型設備投資等が必要になる場合には、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

    ⑤ 災害事故

当社グループは、化学物質、特に危険物を取り扱うため、火災爆発事故や環境汚染事故により、重大な損失を招くリスクがあります。このため、製造設備の点検・保守、安全のための設備投資、定期的な防災訓練の実施など、予防管理に努めております。しかしながら、突発的に発生する災害により製造設備が損害を受けた場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

    ⑥ 新製品開発

当社グループは、常に市場ニーズに合った独創的な商品・技術を開発し、スピーディーに事業内容を進化させ、企業体質を強化していく必要があると考え、新製品・新技術の基礎研究及び応用研究の両面から積極的に研究開発を行っております。しかしながら、当社グループの研究開発は、基礎研究を含んでいるため研究開発期間が長期間に亘る場合があり、またすべての研究開発テーマが実用化され、当社グループの業績に寄与する保証はありません。

 

  ⑦ 製造物責任

当社グループは、製品の品質に細心の注意を払い生産を行っております。当社の事業の中心は生産材の製造であり、最終消費者に対して賠償や回収を行う可能性は低いと考えますが、当社製品の品質により、製造物賠償責任等が発生した場合、当社及び当社製品に対する信頼性を損なうものであり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ⑧ 知的財産権

当社グループは、知的財産権が事業活動・製品競争力に重要な役割を果たしていることを認識し、知的財産権の取得による自社権利の保護に努める一方で、他社の知的財産権を調査し、問題の発生防止を図っております。しかしながら、他社との間で知的財産権を巡る紛争が生じたり、他社から知的財産権を侵害された場合には、事業活動に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績

当連結会計年度における経済情勢は、国内では企業収益や雇用環境の改善などを背景に景気の緩やかな回復基調が続きましたが、個人消費は依然力強さを欠き、海外では中国やアジア新興国の景気持ち直しの動きが見られたものの、世界的な地政学リスクの高まりによる景気への影響が懸念されるなど、引き続き先行き不透明な状況にありました。

このような事業環境のもと当社グループは、主力事業分野である液晶ディスプレイ関連の産業集積が進む中国市場でのニーズ対応力・生産供給体制の強化、需要が高まる環境配慮型製品の開発・展開によるシェア拡大、ナノインプリント関連製品をはじめとする新規事業の販売拡大、将来に向けた新製品・サービス創出のための研究開発体制の強化に取り組んでまいりました。

当連結会計年度の業績につきましては、粘着剤関連製品をはじめとするケミカルズの販売が中国市場を中心に増加したことや、堅調な国内設備投資を背景に装置システムの工事完成高が増加したことにより、売上高は300億50百万円(前連結会計年度比15.0%増)となりました。利益面では、原料価格上昇の影響を受けたものの、増産効果や継続的なコストダウンへの取り組みにくわえて、為替差損が減少したことなどにより、経常利益は26億円(前連結会計年度比36.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は19億64百万円(前連結会計年度比46.3%増)となりました。

セグメントの状況は、以下のとおりです。

<ケミカルズ>

ケミカルズについては、売上高は266億46百万円(前連結会計年度比13.9%増)となりました。製品別の状況は、以下のとおりです。

粘着剤関連製品は、中国市場を中心に液晶ディスプレイ関連用途向けの販売数量が増加し、建材・自動車分野など一般用途向けの販売も堅調に推移したことにより、売上高は149億68百万円(前連結会計年度比17.4%増)となりました。

微粉体製品は、電子部品関連用途や中国市場における光拡散フィルム用途向けの販売数量が増加したことなどにより、売上高は27億85百万円(前連結会計年度比5.7%増)となりました。

特殊機能材製品は、中国市場における電子材料用途向けの販売数量が増加し、売上高は36億46百万円(前連結会計年度比13.2%増)となりました。

加工製品は、中国市場における電子情報機器用途向けの機能性粘着テープの販売数量が増加し、売上高は52億44百万円(前連結会計年度比9.6%増)となりました。

<装置システム>

装置システムについては、熱媒体油の販売が減少したものの、化学業界における設備投資の回復を背景に、設備関連・メンテナンスの工事完成高が増加し、売上高は34億4百万円(前連結会計年度比23.7%増)となりました。

 

 

  製品の種類別売上高は、下表のとおりであります。

 

セグメントの名称

前連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

(百万円)

ケミカルズ

 

 

粘着剤

12,747

14,968

微粉体

2,635

2,785

特殊機能材

3,220

3,646

加工製品

4,784

5,244

小計

23,387

26,646

装置システム

 

 

装置システム

2,751

3,404

小計

2,751

3,404

合計

26,139

30,050

 

 

② 財政状態

当連結会計年度末(以下「当期末」という。)の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べて43億66百万円増加し、369億96百万円となりました。

流動資産は、受取手形及び売掛金、たな卸資産、有価証券が増加したことなどにより、前期末に比べ44億79百万円増加し、217億41百万円となりました。

固定資産は、投資有価証券が増加したものの、有形固定資産が減少したことなどにより、前期末に比べ1億13百万円減少し、152億55百万円となりました。

一方、負債については支払手形及び買掛金が増加したことなどにより、前期末に比べ22億77百万円増加し、146億1百万円となりました。

当期末における純資産は、利益剰余金、為替換算調整勘定の増加などにより、前期末に比べ20億88百万円増加し、223億94百万円となりました。

この結果、自己資本比率は前期末62.2%から1.7ポイント減少し60.5%となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ15億51百万円増加し、65億93百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

  (営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果増加した資金は、28億87百万円(前年同期は31億74百万円の増加)となりました。

これは、主に税金等調整前当期純利益25億90百万円、減価償却費14億円、仕入債務の増加19億13百万円などによる増加と、売上債権の増加20億24百万円、法人税等の支払額7億96百万円などに伴う減少によるものであります。

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果減少した資金は、8億20百万円(前年同期は14億41百万円の減少)となりました。

  これは、主に有形固定資産の取得7億61百万円などによるものであります。

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果減少した資金は、5億24百万円(前年同期は9億7百万円の減少)となりました。

これは、主に長期借入金の借入れ10億円による増加と、長期借入金の返済12億40百万円、配当金の支払額3億73百万円などに伴う減少によるものであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

ケミカルズ

26,462,084

122.0

装置システム

3,361,852

125.4

合計

29,823,937

122.3

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ケミカルズ

26,576,205

113.7

490,474

87.5

装置システム

3,486,740

101.8

1,761,491

104.9

合計

30,062,945

112.2

2,251,966

100.5

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

ケミカルズ

26,646,033

113.9

装置システム

3,404,827

123.7

合計

30,050,861

115.0

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積もり

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積もりが必要となります。経営者はこれらの見積もりについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果については、見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積もりと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] [注記事項] (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度(以下「前期」という)に比べて15.0%増の300億50百万円となりました。セグメント別の概況につきましては「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績」に記載のとおりであります。

売上原価は、前期に比べ18.6%増の201億81百万円となりました。原材料価格の上昇等により、売上総利益率は前期に比べ2.1ポイント減の32.8%となりました。

販売費及び一般管理費は、物流関連費用の増加などにより、前期に比べ5.6%増の72億18百万円となり、売上高比率は前期に比べ2.1ポイント減の24.0%となりました。

これらにより、営業利益は前期に比べ15.9%増の26億51百万円となり、売上高営業利益率は前期と同水準の8.8%となりました。

営業外損益が為替差損や持分法投資損失の減少などにより、前期から3億29百万円増加し、経常利益は、前期に比べ36.4%増の26億円となり、売上高経常利益率は1.4ポイント増の8.7%となりました。

特別損益では、特別損失として固定資産除売却損9百万円を計上しました。

これらの結果、税金等調整前当期純利益は、前期に比べ35.2%増の25億90百万円となり、法人税等を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に比べ46.3%増加の19億64百万円となりました。

なお、当連結会計年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「New Value 2019」では、中国・東南アジア地域での事業規模の拡大と収益性の向上を果たすとともに、新たな製品・サービスの創出などによる事業領域の拡大に向けた成長投資を積極的に拡大することを基本方針として掲げ、収益基盤の強化と持続的な成長路線の確立を目指しております。

当連結会計年度は、ケミカルズについては液晶ディスプレイ関連分野でのシェア拡大を果たし、装置システムについては国内設備投資の回復を背景に受注が伸び、売上高・利益ともに当初の計画を大幅に上回る結果となりました。今後につきましても中国を中心に液晶ディスプレイ関連分野での需要拡大が見込まれることや、事業領域拡大に向けた成長戦略の進捗状況などを踏まえて、中期経営計画の最終年度となる2019年度の売上高目標を310億円から340億円に修正しております。利益目標につきましては、原料価格上昇による減益影響もありますが、生産設備の増強に伴う減価償却費や新規事業の調査・開発費用など、将来に向けた戦略的費用の増加を見込み、当初の営業利益目標30億円を据え置いております。

また、経営指標といたしましては、総資産経常利益率(ROA)8%以上、自己資本当期純利益率(ROE)9%以上を目標としており、当連結会計年度におけるROAは7.5%、ROEは9.2%となりました。引き続き資本効率の維持・向上に取り組んでまいります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性について

当社グループの主な資金需要は、事業活動に要する運転資金、生産及び研究開発に要する設備投資などであり、自己資金、金融機関からの短期・長期借入金等により必要資金を調達しております。

また、海外子会社を含めたグループ内資金を有効活用するために、グループ資金管理体制の整備・強化、資金効率の向上に努めております。

なお、不測の事態に備えて取引銀行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しており、安定的な資金調達手段を確保することにより資金の流動性を補完しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

契約会社名

契約相手先

国名

契約内容

契約期間

綜研化学
株式会社

遼河石油
勘探局

中華人民
共和国

熱媒体油の製造・販売に関する合弁契約

平成7年12月19日から
平成32年12月18日まで

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、国際競争に打ち勝ち、高収益を上げ続けるため、「研究開発力」と「生産技術力」に重点を置き、既存事業での顧客・市場ニーズへの迅速かつ的確な対応と新規事業の創出、育成に取り組んでおります。

研究開発体制は、既存事業の製品開発につきましては、より効率的かつ顧客視点で進められるよう各事業部門が担当しており、新規事業につきましては、市場調査、顧客開拓から製品・技術開発まで一貫した体制をとり、早期事業化を目指すとともに、既存・新規の材料・技術の組合せによる新たな製品・サービスの創出に向けて取り組んでおります。既存製品及び新製品開発の基盤技術強化、新たな機能性材料の開発、生産プロセスの技術開発につきましては、研究開発センターが担っております。なお、中国市場におけるニーズ探索・顧客対応力強化を図るため、中国子会社(蘇州)に研究開発統括部門を設置しております。

研究投資につきましては、中長期的な成長を目指し、新規材料、新規事業開発にウェイトを置いております。

当連結会計年度末における子会社を含む研究開発部門の従業員数は151名であり、当連結会計年度における研究開発費は15億99百万円であります。

研究開発活動において注力するのは電子・情報材料分野及び環境・エネルギー分野としておりますが、自動車・ライフサイエンス分野などの新規分野開拓にも積極的に取り組んでおります。

セグメント別の状況は以下のとおりであります。

(ケミカルズ)

粘着剤につきましては、フラットパネル・ディスプレイ(FPD)分野でのシェア拡大と用途拡大に向け、継続した製品開発、改良に注力しております。液晶ディスプレイ(LCD)の偏光板用途では、市場要求に応じた光学特性と耐久性の向上に取り組み、FPD周辺部材分野では、保護フィルム用途などでの機能性向上に取り組んでおります。また、需要の拡大が見込まれる有機溶剤による環境負荷を抑制した環境配慮型製品の開発にも注力しております。

微粉体につきましては、LCD分野における光拡散シート用途での更なるシェア拡大を図るために、市場ニーズの変化に対応した光学特性の向上と低コスト化に向けた製品開発を継続し、着実に成果を上げております。また、他の微粉体製品でも、用途拡大に向けた性能改良や新機能付加などの研究開発に注力しております。

特殊機能材につきましては、顧客ニーズに応じた電子材料用樹脂の開発に注力するとともに、用途拡大に向けた新たな機能性樹脂の開発に注力しております。

加工製品につきましては、環境対応製品である無溶剤型厚物両面テープや低VOC型両面テープの開発に注力するとともに、スマートフォンなどの電子情報機器分野での市場ニーズの変化に対応した高機能テープ・フィルム製品の品揃え拡充や改良に取り組み、着実に成果を上げております。また、用途拡大と価格競争力の強化を図るために、性能向上と低コスト化に向けた製品開発に注力しております。

新規事業につきましては、ナノインプリント技術による撥水フィルムの製品化に注力するとともに、量産化技術の確立に取り組んでおります。また、新たな機能性材料の開発を進めるとともに、既存の樹脂合成技術、加工技術、プロセス技術の組合せや新たな技術の導入による新製品・サービスの創出にも取り組んでおります。

(装置システム)

装置システムにつきましては、有機溶剤回収装置等の技術開発に取り組んでおります。なお、装置システムの研究開発費につきましては、研究開発活動の大半がケミカルズの設備技術開発を兼ねており、金額も軽微であることから、記載を省略しております。