文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「お客様の想いをかなえる価値創造に加え、未来社会が抱える課題からのアプローチによって新たなマーケットの扉を開く」というビジョンのもと、急速に変化する市場・顧客ニーズを先取りした高付加価値製品・サービスを提供していくとともに、社会環境の変化の中で生じる課題を解決するために、これまで培ってきた独自技術やノウハウに加えて外部リソースを活用し、より高度なソリューションの創出に挑戦し、環境変化に強い事業構造への変革を進めることで、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、収益性を高めながら成長投資を積極拡大することで、将来に向けた成長軌道の確立を目指しており、総資産経常利益率(ROA)8%以上、自己資本当期純利益率(ROE)9%以上を目標としております。
(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
当社グループの事業環境は、ケミカルズ製品が多く使用されております液晶ディスプレイ関連部材の生産拠点が日本・韓国・台湾から近年では中国へとシフトが進んでおり、今後も中国での需要は一層伸びていくものと想定しております。中国国内に生産拠点を有していることや早期に進出し構築したローカル企業への販売網は当社グループの強みとして活かせると考えております。また、幅広い産業でニーズが高まっている環境配慮型製品の開発や技術革新が進む自動車分野などでの製品の高性能化に対して、当社が保有する技術開発力を活かしてニーズに対応し、次世代の柱となる事業領域を創出してまいります。
このような状況のなか、当社グループは「既存事業の収益基盤強化」と「次世代の柱となる新たな事業領域の創出」の実現に向けて、以下の基本戦略を掲げております。
① 次世代の柱となる事業領域の創出
自動車、エネルギー、医療・ヘルスケアなど成長分野において、既存の事業や技術の枠を超えたグループ横断的な戦略推進体制を構築し、次世代の柱となる事業基盤を確立する。
② 継続的な新規事業の創出体制の構築
将来の社会環境の変化や技術革新の中にビジネスチャンスを見出し、既存の技術やノウハウに捉われず、外部リソースを積極活用し、継続的な新規事業の開発体制を構築する。
③ 持続的な成長を支える経営基盤の強化
次世代を担うグローバル人材の育成・確保、グループの多様な人的リソースの有効活用に向けた人事インフラを整備・構築するとともに、新たな成長戦略を支えるグループ経営管理体制の高度化、機能強化を推進する。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
次期の事業環境は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界的な景気減速が懸念されるなど先行き予断を許さない状況にあります。また、感染拡大が収束に向かう中で、市場構造や顧客ニーズの変化が予想されます。
このような状況のもと、当社グループは、変化に迅速かつ柔軟に対応し、既存事業のより強固な収益基盤を築くとともに、変化を先取りし、次世代の柱となる新たな事業領域を創出して行くことを基本方針として、以下の課題に取り組んでまいります。
① 既存事業の収益力を強化するために、中国事業拠点における研究開発機能の拡充や生産能力増強投資を推進し、液晶ディスプレイ関連分野を始めとする需要拡大が期待される分野でのニーズ対応力を高め、シェア拡大を図るとともに、国内での新規案件等への柔軟な対応を可能とする高効率な生産体制の構築に注力する。
② 環境変化に強い事業構造への転換を図るために、自動車、エネルギー、医療・ヘルスケア等の成長分野における事業間シナジーを追求したグループ横断的な戦略推進体制を構築し、事業分野・製品用途の拡大に注力するとともに、海外での販売体制を整備・強化し、新たな事業地域の開拓を積極的に推進する。
③ 将来の社会環境の変化や技術革新を見据えた新たな事業を創出するために、既存の事業や保有技術にとらわれることなく、外部のリソースを積極活用し、継続的な新規事業の開発体制の構築を推進する。
当社グループを取り巻く事業環境は今後も大きく変化していくことが予測されますが、市場の変化や多様なニーズに適応した高品質かつ高付加価値な製品・サービスの提供を通じて、社会の持続的発展に貢献するとともに、コンプライアンスやリスク管理体制の高度化、コーポレート・ガバナンス体制の拡充を図り、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。
当社グループの経営成績、財務状態及びキャッシュ・フロー等の業績に影響を及ぼす可能性のあるリスクは以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。
当社グループにおいては、これらのリスクの発生を防止、分散あるいはヘッジすることにより軽減を図っておりますが、予測を超える事態が生じた場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、記載した事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではありません。
① 経済動向及び市場動向
当社グループのケミカルズ製品は、電子・情報分野をはじめとし、自動車・家電・建材、その他日用品等と幅広い分野で使用されており、装置システムの販売対象も、合成樹脂、塗料・インキ等のメーカーなど多岐にわたっております。このため、当社グループの経営成績は、景気動向及び設備投資動向全般の影響を受けております。特に、液晶ディスプレイ関連用途における需要動向・競合状況・価格情勢により、当社グループの業績は大きな影響を受ける可能性があります。
② 原材料市況
当社グループでは、原材料の調達に関しては国内外に複数の調達先を確保し、安定した原材料調達と原材料コストの低減を図っております。しかしながら、ケミカルズ製品の主要原材料であるアクリル酸エステル類や酢酸エチルなどの価格は、原油・ナフサ価格の市況の影響を受けており、上昇したコストを販売価格に転嫁できない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 法的規制・コンプライアンス
粘着剤をはじめとしたケミカルズ製品の多くは、製造工程において有機溶剤を使用しております。有機溶剤の取り扱いにあたり、労働安全衛生法、毒物及び劇物取締法や消防法等の法規制を受けております。当社グループは、企業倫理委員会等での定期的な法令順守状況のチェックにより関連する法規制の遵守を徹底するとともに、環境汚染の防止、安全衛生の推進に努めておりますが、これらの関連法規制が強化された場合や新たな法規制が設けられ制約を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループでは役員・従業員等に対して定期的な教育等によりコンプライアンスの徹底に努めておりますが、コンプライアンス上の問題が発生した場合にも、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 海外での事業展開
当社グループは、アジア地域、特に中国におけるケミカルズ製品の市場の将来性に注目し、子会社4社を通じ積極的に事業展開を行っておりますが、現地における法令の改変、商慣習、政治・経済情勢の混乱、自然災害、伝染病等に起因する予期せぬ事態が発生することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 環境問題
当社グループは、原材料として有機溶剤等の各種化学物質を取り扱うため、労働安全衛生法、毒物及び劇物取締法や消防法等の規制を受けております。これらの法規制を遵守するとともに、地球温暖化防止に向けた省エネルギーや環境負荷物質の排出抑制にも努めております。しかしながら、環境保全に関する規制は年々強化されており、使用する化学物質が制限されるほか、対応するための大型設備投資等が必要になる場合には、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 災害事故
当社グループは、化学物質、特に危険物を取り扱うため、自然災害や火災爆発事故等により、重大な損失を招くリスクがあります。このため、製造設備の点検・保守、安全のための設備投資、定期的な防災訓練の実施など、予防管理に努めております。しかしながら、大規模自然災害の発生や不慮の事故等により、建屋・生産設備等が損害を被った場合や電気・ガスなどのインフラ被害、広範囲にわたるサプライチェーンの断絶等により、生産活動等に大きな影響が生じた場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 新製品開発
当社グループは、常に市場・顧客ニーズに適合した高付加価値な製品・技術を開発していく必要があると考え、新製品・新技術の基礎研究及び応用研究の両面から積極的に研究開発を行っております。しかしながら、市場・顧客ニーズの変化に適切に対応できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 特定製品分野への依存
当社グループのケミカルズ製品は、液晶ディスプレイ等に組み込まれる光学フィルムの貼り合わせやそれら部材の製造等に使用されております。当社グループは、今後も市場・顧客ニーズに応えるべく新製品の開発を進めてまいりますが、技術革新に伴い光学フィルムが不要になった場合もしくは競合製品・代替製品がより低価格で導入され価格競争が激化した場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 新規事業
当社グループは、事業拡大のために新規事業への展開を中長期的な経営戦略として積極的に推進しております。新規事業開発は慎重な検討を重ねたうえで取り組んでおりますが、安定して収益を生み出すまでには長期間を要することもあり、製品需要や技術進化の変化等により、当初の計画どおりの成果が得られない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 製造物責任
当社グループは、高品質な製品・サービスを安定して供給していくために、国際的な品質マネジメントシステム(ISO9001)の認証に基づいた厳格な品質管理体制を構築しております。当社の事業の中心は生産材の製造であり、最終消費者に対して賠償や回収を行う可能性は低いと考えますが、当社製品の品質により、製造物賠償責任等が発生した場合、当社及び当社製品に対する信頼性を損なうものであり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 知的財産権
当社グループは、知的財産権が事業活動・製品競争力に重要な役割を果たしていることを認識し、知的財産権の取得による自社権利の保護に努める一方で、他社の知的財産権を調査し、問題の発生防止を図っております。しかしながら、他社との間で知的財産権を巡る紛争が生じたり、他社から知的財産権を侵害された場合には、事業活動に支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 情報セキュリティ
当社グループにとって、情報システムは事業運営上重要な役割を担っており、技術情報等の重要な機密情報や、顧客その他関係者の個人情報をシステムで管理しております。これらの情報の外部への流出を防止するため、関連規程の整備や社員教育の徹底、セキュリティシステムの強化等さまざまな対策を講じておりますが、災害、サイバー攻撃、不正アクセスその他不測の事態により、情報システムに重大な障害が発生した場合、重要な業務の中断や機密データの漏洩等が発生し、当社グループの社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担や企業イメージ低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 人材確保・育成
当社グループの持続的な成長を実現するためには、グローバル市場で活躍ができる人材や新たな事業を創出していく人材を確保する必要があります。当社グループでは今後も事業の拡大に伴い積極的に人材を採用していく方針でありますが、人材を十分に確保・育成できない場合や現在在籍している人材が流出した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑭ 減損
当社グループは、生産設備や研究設備等様々な固定資産を保有しております。これらの資産は、資産の時価が著しく下落した場合、又は事業資産の収益性が悪化し回復の可能性が見込めないなど減損処理が必要となる場合があり、減損損失が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑮ 新型コロナウイルス感染症
新型コロナウイルス感染症拡大の収束時期が見通せないなか、経済活動の停滞の長期化や当社を取り巻く事業環境が変化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、在宅勤務の導入や国内外への出張自粛など感染防止策を徹底しておりますが、罹患者が発生した場合、生産活動の停止、営業活動の自粛等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度における経済情勢は、米中貿易摩擦の影響による中国の景気減速や、中東情勢の緊迫化に伴う地政学リスクの高まりなどから、世界経済の減速傾向が顕著となり、国内においても輸出や生産活動が低迷し、個人消費が伸び悩むなど先行き不透明かつ厳しい状況にありました。また、年明け以降、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界的な経済活動の停滞が深刻化しており、先行き予断を許さない状況にあります。
このような状況のもと、当社グループは、アジア地域での事業規模拡大と収益性向上、革新的な材料・技術開発による事業領域の拡大を果たすために、中国市場での大型液晶ディスプレイ関連分野の需要拡大に応じた生産能力増強や市場・顧客ニーズを先取りした製品開発・提案力の強化による既存事業の収益基盤の強化、高付加価値製品領域へのリソースシフトやグループ全体での販売・開発・生産体制の最適化等による事業構造改革の推進、技術革新が進む自動車・ヘルスケア分野等での他社協業など自前主義からの脱却による新たな事業領域の創出に取り組んでまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、中国の景気減速や液晶ディスプレイ関連の需要低迷の影響を受けてケミカルズの販売が減少したことや、装置システムの工事完成高が減少したことにより、売上高は286億99百万円(前連結会計年度比8.3%減)となりました。利益面では、原料価格の低減に努めたものの、販売数量の減少による減益影響や、人民元安に伴う為替差損の計上などにより、経常利益は18億55百万円(前連結会計年度比8.9%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、中国持分法適用関連会社である盤錦遼河綜研化学有限公司の出資持分を譲渡したことに伴う法人税等の減少や黒字基調に転じた中国子会社での繰越欠損金に係る繰延税金資産の計上などにより、16億35百万円(前連結会計年度比11.8%増)となりました。
セグメントの状況は、以下のとおりです。
<ケミカルズ>
ケミカルズについては、売上高258億80百万円(前連結会計年度比5.8%減)となりました。製品別の状況は、以下のとおりです。
粘着剤関連製品は、中国市場での大型液晶ディスプレイ関連用途向けの販売は堅調に推移したものの、スマートフォン関連用途向けの需要低迷などの影響を受けて販売数量が減少したことなどにより、売上高は160億3百万円(前連結会計年度比3.7%減)となりました。
微粉体製品は、中国市場での光拡散フィルム用途向けは堅調に推移したものの、電子部品関連用途向けの販売数量が減少したことなどにより、売上高は26億39百万円(前連結会計年度比11.5%減)となりました。
特殊機能材製品は、中国市場における電子材料用途向けの販売数量が減少し、売上高は26億76万円(前連結会計年度比13.4%減)となりました。
加工製品は、中国市場における機能性粘着テープの販売が電子情報機器用途の一部で回復したものの、総じて販売数量が減少したことにくわえ、人民元安の影響を受けて売上高は45億60百万円(前連結会計年度比4.6%減)となりました。
<装置システム>
装置システムについては、国内設備投資に慎重姿勢が強まるなか、設備関連の工事完成高が前年同期を下回り、 売上高は28億19百万円(前連結会計年度比26.2%減)となりました。
製品の種類別売上高は、下表のとおりであります。
当連結会計年度末(以下「当期末」という。)の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べて12億77百万円減少し、353億31百万円となりました。
流動資産は、現金及び預金が増加したものの、受取手形及び売掛金、有価証券、たな卸資産が減少したことなどにより、前期末に比べ21億74百万円減少し、193億68百万円となりました。
固定資産は、投資その他の資産が減少したものの、有形固定資産が増加したことなどにより、前期末に比べ8億97百万円増加し、159億62百万円となりました。
一方、負債については支払手形及び買掛金、借入金が減少したことなどにより、前期末に比べ19億72百万円減少し、120億86百万円となりました。
当期末における純資産は、自己株式の取得、為替換算調整勘定の変動などにより減少したものの、利益剰余金が増加したことなどにより、前期末に比べ6億94百万円増加し、232億44百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前期末61.6%から4.2ポイント増加し65.8%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億34百万円増加し、67億45百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、38億19百万円(前年同期は18億94百万円の増加)となりました。
これは、主に税金等調整前当期純利益18億64百万円、減価償却費13億87百万円、売上債権の減少13億41百万円、たな卸資産の減少9億20百万円などによる増加と、仕入債務の減少13億96百万円などに伴う減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、25億98百万円(前年同期は9億74百万円の減少)となりました。
これは、主に有形固定資産の取得25億22百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、9億79百万円(前年同期は9億32百万円の減少)となりました。
これは、主に長期借入金の返済2億40百万円、配当金の支払額4億55百万円などに伴う減少によるものであります。
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度(以下「当期」という。)の売上高は、前連結会計年度(以下「前期」という。)に比べて8.3%減の286億99百万円となりました。セグメント別の概況につきましては「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績」に記載のとおりであります。
売上原価は、前期に比べ11.8%減の196億4百万円となりました。売上総利益は、原料価格の下落や原価低減努力により、前期と同レベルの90億95百万円となり、売上高総利益率は2.7ポイント増の31.7%となりました。
販売費及び一般管理費は、環境安全対策費用の増加などにより、前期に比べ1.3%増の70億60百万円となり、売上高比率は前期に比べ2.3ポイント増の24.6%となりました。
これらにより、営業利益は前期に比べ3.8%減の20億34百万円となり、売上高営業利益率は0.3ポイント増の7.1%となりました。
営業外損益が人民元安に伴う為替差損などにより、前期から1億2百万円減少し、経常利益は、前期に比べ8.9%減の18億55百万円となり、売上高経常利益率は同水準の6.5%となりました。
特別損益では、政策保有株式の売却損益66百万円や浜岡事業所における設備投資に伴う旧設備の固定資産除却損47百万円を計上し、税金等調整前当期純利益は、前期に比べ3.0%減の18億64百万円となりました。
法人税等は、業績が低迷していた中国の持分法適用関連会社の出資持分譲渡や黒字基調に転じた中国子会社の繰越欠損金に係る繰延税金資産の計上により前期から2億30百万円減少しました。この結果、親会社に帰属する当期純利益は、前期に比べ11.8%増の16億35百万円となりました。
当社グループは当期を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画「New Value 2019」において、「アジア地域での事業規模拡大と収益性向上」と「新たな製品・サービスの創出による事業領域拡大」を基本方針とし、中国での大型ディスプレイ関連分野のシェア拡大と今後の需要拡大が期待される分野での新規案件の獲得を目指し、当期の数値目標として売上高325億円、営業利益27億円、経営指標として総資産経常利益率(ROA)8%以上、自己資本当期純利益率(ROE)9%以上を掲げておりました。2017年度、2018年度と、過去最高の売上高を更新しましたが、当期は想定していた経営環境が大きく変化し、中国の景気減速や液晶ディスプレイ関連の生産調整の影響を受けてケミカルズの販売が減少し、国内の設備投資に慎重姿勢が強まるなかで装置システムの工事完成高が減少したことにより、売上高は286億99百万円、営業利益20億34百万円、総資産経常利益率(ROA)5.2%、自己資本当期純利益率(ROE)7.1%となりました。引き続き企業価値の向上に取り組んでまいります。
当社グループの主な資金需要は、事業活動に要する運転資金、生産及び研究開発に要する設備投資や配当金支払等であります。これらの資金の源泉は、手元資金と営業キャッシュ・フローであり、必要に応じて金融機関からの短期・長期借入金等により必要資金を調達しております。なお、「第2 [事業の状況] 1 [経営方針、経営環境及び対処すべき課題等](4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の中国事業拠点における生産能力増強や研究開発機能の拡充、新規事業開発などの成長投資資金については、手元資金に加えて金融機関からの借入により調達する予定であります。
また、海外子会社を含めたグループ内資金を有効活用するために、グループ資金管理体制の整備・強化、資金効率の向上に努めております。
なお、不測の事態に備えて取引銀行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しており、安定的な資金調達手段を確保することにより資金の流動性を補完しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果については、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。新型コロナウイルスの感染拡大の影響については、「第5 [経理の状況] 1 [連結財務諸表等] (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたって用いた見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a. 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。しかし、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積り額が減少した場合は繰延税金資産を取り崩して法人税調整額を計上する可能性があります。
b. 固定資産の減損
固定資産の減損会計の適用に際し、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングを行い、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき、固定資産の回収可能価額を算出しております。なお、当初見込んでいた収益や将来キャッシュ・フロー等の前提条件に見積りの不確実性があり、その変動により固定資産の減損損失が計上される可能性があります。
合弁契約の解消
当連結会計年度において、当社の持分法適用関連会社である盤錦遼河綜研化学有限公司に係る遼河石油勘探局有限公司との合弁契約を解消し、双方の出資持分を盤錦金馬環保科技有限公司に譲渡いたしました。
当社グループの研究開発活動は、国際競争に打ち勝ち、高収益を上げ続けるため、「研究開発力」と「生産技術力」に重点を置き、既存事業での顧客・市場ニーズへの迅速かつ的確な対応と新規事業の創出、育成に取り組んでおります。
研究開発体制は、顧客ニーズに迅速に対応するため既存事業の製品開発を各事業部門が担当しており、既存製品及び新製品開発の基盤技術強化、新たな機能性材料の開発、生産プロセスの技術開発を研究開発センターが担当しております。なお、中国市場におけるニーズ探索・顧客対応力強化を図るため、中国子会社(蘇州)に研究開発統括部門を設置しております。
研究投資につきましては、中長期的な成長を目指し、新規材料、新規事業開発にウェイトを置いており、独自技術やノウハウを活用するだけでなく積極的に他社協業など外部連携を進めております。
当連結会計年度末における子会社を含む研究開発部門の従業員数は147名であり、当連結会計年度における研究開発費は
研究開発活動において注力するのは電子・情報材料分野、モビリティー分野、ライフサイエンス分野及びヘルスケア分野としており、事業領域の拡大に向けた新たな製品・サービスの創出に積極的に取り組んでおります。
セグメント別の状況は以下のとおりであります。
(ケミカルズ)
粘着剤につきましては、液晶ディスプレイ(LCD)の偏光板用途などのフラットパネルディスプレイ(FPD)分野において、シェア拡大を図るために顧客ニーズに迅速かつ的確に対応した製品の開発に注力しております。また、自動車・建材分野等において、需要拡大が見込まれる有機溶剤による環境負荷を抑制した環境配慮型製品の開発・機能向上にも取り組んでおります。
微粉体につきましては、事業領域の拡大に向けて、主力事業分野であるLCD分野における光拡散シート用途に留まらず、他の光学フィルム関連分野への製品展開を図るための開発に注力しております。また、成長期待分野である電子材料やエネルギー分野での市場・顧客ニーズに応じた高機能製品の開発、化粧品分野での環境配慮型製品の開発にも取り組んでおります。
特殊機能材につきましては、顧客ニーズに応じた電子材料用樹脂の開発に注力するとともに、建材・樹脂改質剤用途などの新たな機能性樹脂の開発、導電性高分子製品を素材とした製品開発にも取り組んでおります。
加工製品につきましては、中国自動車市場での販売拡大を図るため環境配慮型製品の機能向上に注力するとともに、スマートフォンなどの電子情報機器分野での市場ニーズの変化に対応した高機能テープ・フィルム製品の品揃え拡充や改良に取り組んでおります。
新規事業につきましては、ナノインプリント技術を活用した製品開発を行ってきましたが、技術的な課題が大きいことから事業化を中断し、基盤技術の再構築に注力しております。また、新たな機能性材料の開発を進めるとともに、既存の樹脂合成技術、加工技術、プロセス技術の組合せや新たな技術の導入による新製品・サービスの創出にも取り組んでおります。
(装置システム)
装置システムにつきましては、研究開発活動の大半がケミカルズの設備技術開発を兼ねており、記載を省略しております。