文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)基本方針
当社グループは、収益力・人財(材)力・技術力のレベルを高め、継続的発展を遂げる企業を目指すために、「企業価値」および「企業品質」をより高める企業経営をしていきます。
そのために、ニッチな市場のニーズをとらえ、スピード、コスト、クオリティのバランスが高次元で調和している製品の開発を目指し、顧客満足の最大化を目指していきます。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当社グループの事業展開において、以下を重点的テーマとして取り組んでいきます。
(ライフサイエンス事業)
三井化学株式会社から営業権を承継した無水マレイン酸、フマル酸のビジネスは順調に拡大しています。平成29年11月には、生産設備の譲受も完了し、鹿島事業所としてスタートし、当社の果実酸総合メーカーとしての位置づけはさらに強固なものとなりました。
さらに、平成30年3月「果実酸コンビナート」構想の1st Stepであるリンゴ酸の鹿島新プラント建設に着工し、平成31年7月には完成が予定されています。新プラントではコスト競争力の抜本的な強化を図り、国内唯一のメーカーから、世界No.1のリンゴ酸メーカーに大きく飛躍するよう取り組んでまいります。
平成30年3月には、グローバル企業が要求する国際食品安全マネジメントシステムである「FSSC22000」の認証を取得し、生産面だけでなく、品質面でも、グローバル展開を後押しできる体制を確立しました。
海外においては、中国の100%出資子会社の青島扶桑精製加工有限公司で、従来のクエン酸類の精製に加え、市場の拡大している電子材料向け高純度クエン酸の製造等、高付加価値製品のウエイトを増やします。また、人件費の高騰への対処として、生産設備の自動化によるコスト削減を強力に推進します。
一方、タイ、ベトナムを中心に加工食品市場が拡大している東南アジアにおいては、平成29年4月に完成した東京研究所のテストキッチンを有効活用し、各国の食品や食材に適した食品添加物製剤の開発・製造を進め、同地域でのビジネス拡大を目指します。また、従来の日本、中国、タイでの展開に加え、新たに米国においても100%出資子会社のPMP Fermentation Products, Inc.を通じ、食品添加物製剤等のマーケティングをスタートします。
商品開発におきましては、引き続き一次産業向け製品、食品添加物製剤の開発に加え、果実酸類の高純度品、コーティング品等の高付加価値製品の開発に注力していきます。
今後も、果実酸総合メーカーとしてこれまで蓄積してきた販売チャネル、製造・開発ノウハウを最大限に活用し、さらなる売上および利益の拡大に尽力してまいります。
(電子材料および機能性化学品事業)
平成30年度中に新規超高純度コロイダルシリカ製造設備が2系列完成します。この設備は最新の技術を結集した仕様となっており、これまで以上に高精度に製造条件をコントロールする事が可能となります。これにより益々厳しくなるお客様の品質要求に応える事ができ、また2割から3割の生産能力向上となります。生産能力向上と品質のさらなる安定化により当社超高純度コロイダルシリカ製品は益々お客様に安心して使用して頂けるものと確信いたしております。
研究開発におきましては、従来通りケイ素化学を基軸として多方面への事業展開を推進します。半導体分野では微細化、高集積化が益々進んでおり、それらのニーズに対応すべく、さらに小さな粒子や硬い粒子、表面修飾した粒子等々、製品開発を続けていきます。
半導体研磨以外の新分野への製品開発につきましても、東京研究所に積極的に経営資源を投下し、当社グループのコア技術である超高純度コロイダルシリカの合成技術を活かしたシリカナノパウダー関連で新製品開発を進めています。すでに顧客評価で高い性能を確認できた製品も得られており、数年内に新分野で売上40億円以上を目指します。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、将来の成長に向けた設備投資は不可欠であると考えて、設備投資の採算性を慎重に検討した上で「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)を最重要経営指標としています。併せて、総資産回転率等の資産効率、自己資本利益率等の収益性、自己資本比率等の安全性等、複数の指標のバランスを考慮して経営を進めています
(4)経営環境
世界経済は、総じてみると緩やかな回復が続くものと見込まれます。しかし、欧米諸国やアジアにおける経済不確実性による影響、そして中国や新興国における経済成長の鈍化の懸念などは依然残っており、不透明な状況が継続すると想定され、わが国経済もその影響を受けると思われます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)半導体業界の景気変動の影響について
当社グループにおいて、電子材料および機能性化学品事業は、半導体業界を中心に製品および商品を販売しています。
半導体業界の特徴として、好況・不況の景気の波が激しいことが挙げられます。そのため、半導体業界の景気変動の波を受けるリスクが存在し、当社グループの電子材料および機能性化学品事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)自然災害・事故災害の発生について
大規模地震等の自然災害、製造および研究設備等における事故が発生した場合には、生産および物流設備ならびに研究機器等への被害により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループだけでなく、重要な取引先への被害により、当社グループの業績に影響を与える可能性もあります。
(3)技術革新の影響について
電子材料事業の主要な納入先である半導体業界は技術革新の激しい業界であり、新規技術の開発・応用がなされた場合、市場が大きく変化する可能性があります。
(4)為替変動の影響について
当社グループの事業は世界的に広がっており、当連結会計年度における海外売上高の連結売上高に占める比率は38.0%(北米16.0%、アジア21.7%、ヨーロッパ0.2%、その他0.1%)となっています。
一方、当社グループの生産実績において、中国、米国およびタイの子会社が生産拠点として機能しています。
以上のような状況のもと、為替相場の変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)海外事業について
(4)にも記載しましたように、当社グループは海外においても事業を行っています。海外市場で事業を行う際には、社会的・経済的なカントリーリスク、人事・労務問題の環境の相違、法令等の規制強化等、特有のリスクがあり、それらが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)原材料の調達について
当社グループの原材料の調達活動において、中国からの調達のウエイトが大きなものとなっています。このため、中国の社会経済情勢の影響を受ける可能性があります。
また、原材料の調達価格が上昇した場合は、各種コスト削減や収益構造の見直しに加え、販売価格の改定による対応も図っていきます。しかし、価格改定等の実施時期によりましては、特定の会計期間における損益が影響を受ける可能性があります。
(7)化学品に対する法規制について
世界的に環境問題に対する関心が高まる中、化学品への規制が強まる傾向にあります。このような状況下、当社グループの製品の製造・販売についても法律等により規制される可能性があります。
(8)知的財産権について
知的財産権の取得および利用については、常に当社グループのスケジュール通りとなる保証はなく、市場競争力に影響を及ぼす可能性があります。また、予期せぬ訴訟等の当事者になる可能性があり、その際には費用の発生や人的資源の投入を強いられる可能性があります。
(9)製造物責任について
当社グループの製品に問題等が発生した場合には、当社グループの業績に対して影響を与えるとともに、企業への信頼についても影響を受ける可能性があります。
(10)設備投資計画について
当社グループは既存設備の更新だけでなく、新規設備投資等により事業の拡大を計画しております。しかしながら、当社グループの製品に対する需要が期待どおりに推移しなかった場合は、生産設備の稼働率低下による固定費の負担等、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な企業収益を背景とした設備投資の増加や経済政策・人手不足による雇用・所得環境の改善により、緩やかな回復基調で推移しました。一方、世界経済は、欧米諸国に広がる政治情勢や保護主義政策、アジアにおける地政学的リスクの高まり、中国や新興国経済の成長鈍化に対する懸念があるものの、欧米においては雇用環境の改善により個人消費や設備投資が増加し、中国をはじめとするアジア経済は安定的に成長を継続しており、総じて緩やかな回復基調で推移しました。
このような情勢下、当社グループは拡大する需要にこたえるため、生産能力の増強、物流・生産体制の継続的見直しによる経営体質の更なる強化、原料の安定的な確保およびコスト競争力の強化、新製品の開発、そして海外展開による拡販に取り組んでまいりました。
a. 財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ10億87百万円減少し、402億62百万円となりました。これは主に、設備投資に伴う資金決済により現金及び預金が減少したためです。
また、当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ91億8百万円増加し、243億43百万円となりました。これは主に設備投資の進捗に伴い建設仮勘定が増加したためです。
以上の結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ80億21百万円増加し、646億6百万円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ29億73百万円増加し、122億70百万円となりました。これは主に、設備投資に係る未払金および役員退職功労引当金が増加したためです。
また、当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ61百万円増加し、21億89百万円となりました。これは主に退職給付に係る負債が増加したためです。
以上の結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ30億34百万円増加し、144億59百万円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ49億86百万円増加し、501億46百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したためです。
b. 経営成績
当連結会計年度の売上高は402億21百万円(前連結会計年度比11.0%増、39億97百万円増)となりました。利益面では営業利益は105億37百万円(同6.8%増、6億69百万円増)、経常利益は為替差損の計上により103億67百万円(同3.3%増、3億28百万円増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は役員退職功労引当金繰入額の計上により65億92百万円(同4.4%減、3億3百万円減)となりました。
当社グループの報告セグメントの業績は、次のとおりです。
(ライフサイエンス事業)
ライフサイエンス事業の業績は、外部顧客に対する売上高が243億18百万円(前連結会計年度比10.3%増、22億68百万円増)、営業利益は33億82百万円(同15.0%減、5億97百万円減)となりました。
国内においては、リンゴ酸、無水マレイン酸、フマル酸の拡販、および主要原料価格上昇に対応した販売価格改定に努めました。また、海外子会社も堅調に推移した結果、売上高は前連結会計年度を上回りました。一方、営業利益はコスト削減に努めたものの、原料価格や輸入仕入価格の上昇が利益を押し下げる要因となりました。これらの結果、ライフサイエンス事業全体では増収減益となりました。
なお、平成29年11月1日付で、三井化学株式会社より鹿島事業所を引継ぎ、ライフサイエンス事業の中核となる製造拠点として稼働を開始しています。さらに平成31年7月の完成へ向けてリンゴ酸製造設備の新設工事も着工しています。
(電子材料および機能性化学品事業)
電子材料および機能性化学品事業全体の業績は、外部顧客に対する売上高が159億2百万円(前連結会計年度比12.2%増、17億28百万円増)、営業利益は82億80百万円(同18.3%増、12億83百万円増)となりました。
半導体市場が継続して堅調であり、半導体製造プロセスの微細化の進展により当社製品「超高純度コロイダルシリカ」への需要も増加しています。増加する需要にこたえるため、生産能力の増強、品質安定化のための設備投資、生産人員の確保、分析能力の向上、出荷体制の見直し等に対応した結果、売上高は前連結会計年度を上回りました。さらに、ナノパウダー等の半導体研磨分野以外に使用される製品の販売も堅調に推移しています。営業利益は、減価償却費の増加や設備投資に伴う京都第一工場の稼働停止の影響があったものの、生産量の増加およびコスト削減による製造原価の低減や販売数量の増加により、前連結会計年度を上回りました。
なお、京都事業所における超高純度コロイダルシリカの製造ライン増設工事は順調に進捗しています。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権、たな卸資産および有形固定資産の取得が増加したため、前連結会計年度末に比べ50億54百万円減少し、189億30百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は、前連結会計年度に比べ45億67百万円減少し、48億45百万円(前連結会計年度は94億13百万円の取得)となりました。これは主に、売上債権、たな卸資産が増加し、仕入債務が減少したためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ130億円7百万円増加し、80億24百万円(前連結会計年度は49億83百万円の取得)となりました。これは主に、京都事業所の大型設備投資による有形固定資産の取得、鹿島事業所の承継に伴う事業譲受による支出が発生したためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ1億42百万円増加し、16億75百万円(前連結会計年度は15億33百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払を行ったためです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比 |
|
ライフサイエンス |
16,715,825千円 |
19.5% |
|
電子材料および機能性化学品 |
18,312,804 |
18.9 |
|
合計 |
35,028,629 |
19.2 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2.平成29年11月1日にライフサイエンス事業の生産拠点である鹿島事業所を開設しました。
3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
b.受注実績
当社グループは、見込み生産を行っているため、受注高および受注残高を把握していません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比 |
|
ライフサイエンス |
24,318,883千円 |
10.3% |
|
電子材料および機能性化学品 |
15,902,736 |
12.2 |
|
合計 |
40,221,619 |
11.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額および収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断および仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断および仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っています。しかしながら、これらの見積り、判断および仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。
② 連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりです。
a. 経営成績等の状況
経営成績の分析
(ライフサイエンス事業)
「ⅰ.鹿島工場継承/リンゴ酸新プラント建設」、「ⅱ.グローバル展開」、「ⅲ.新製品の開発/新たな柱となるビジネスの創出」の各テーマに取り組みました。
ⅰ. 鹿島工場継承/リンゴ酸新プラント建設
鹿島工場の継承は平成29年11月に滞りなく完了し、当社鹿島事業所として生産活動を開始しました。これにより、リンゴ酸の原料(無水マレイン酸)から製品までの一貫生産体制が確立されました。さらに、国内№1のフマル酸メーカーとなりました。また、リンゴ酸の増加する世界需要を取り込むため、鹿島事業所においてリンゴ酸新プラント建設に着工しました。
ⅱ. グローバル展開
中国においては、現地子会社青島扶桑精製有限公司で、高純度クエン酸等の高付加価値製品の生産増加を図り、生産設備の自動化を進めました。東南アジアにおいては、タイの子会社FUSO(THAILAND)CO.,LTD.のみならず、中国、日本のトライアングル体制で加工食品市場の取り込みに努めました。東京研究所に完成したテストキッチンを有効活用し、各国の食品や食材に適した食品添加物製剤の開発を推進しました。北米においては、米国子会社PMP Fermentation Products, Inc.がグルコン酸類の米国唯一の国産メーカーとして着実に実績を伸ばしました。
ⅲ. 新製品の開発/新たな柱となるビジネスの創出
新製品の開発としては、鶏肉や魚肉加工食品の品質改良剤等の食品添加物製剤、果実酸の高純度品、コーティング品等の高付加価値製品、農業、漁業、畜産業用途にストレス耐性を向上し、成長をサポートする新製品の開発に取り組みました。
ライフサイエンス事業の経営成績は、売上高は鹿島事業所の生産品目である無水マレイン酸、フマル酸が拡販により好調に推移したほか、原料価格上昇に伴う価格改定、ビタミンC類の価格改定等の要因により前連結会計年度に比べ22億68百万円増加し243億18百万円となりました。営業利益は、原油価格の上昇に伴う原料価格の上昇、円安による輸入品の仕入価格上昇等のコスト増加の影響が大きく、前連結会計年度に比べ5億97百万円減少し、33億82百万円となりました。
(電子材料および機能性化学品事業)
「ⅰ.シングルナノに対応し、他社の追随を許さない商品の開発」、「ⅱ.一極から多極への脱皮」、「ⅲ.中国でのコロイダルビジネス展開」の各テーマに取り組みました。
ⅰ. シングルナノに対応し、他社の追随を許さない商品の開発
研究体制として、京都事業所、東京研究所の各研究拠点の設備を拡張、整備を進め研究体制の充実を図りました。また、積極的に採用を進め、研究員の増員を行い、製品開発を加速させています。生産体制として、新設備のみならず、既存設備にも最先端の生産技術を導入し、シングルナノレベルでの粒子径制御、品質の安定化を確保できる製造設備の導入を進めました。また、最先端の分析機器を導入し、分析精度の向上を図りました。
ⅱ. 一極から多極への脱皮
東京研究所の開発体制を強化し、ナノパウダー、中空シリカ等の新商品の開発を加速させ、早期の上市を目指しました。
ⅲ. 中国でのコロイダルビジネス展開
拡大する中国半導体市場の情報収集に努めるとともに、商品ラインナップの拡充を行いました。また、中国子会社青島扶桑精製加工有限公司の営業力を有効活用し、中国市場での拡販に努めました。
電子材料および機能性化学品事業の経営成績は、売上高は半導体市場が好調に推移したこと、最先端CMP分野での採用増、ナノパウダーの販売増、中国市場でのコロイダルシリカの販売増、円安の要因等により前連結会計年度に比べ17億28百万円増加し、159億2百万円となりました。営業利益は、増加する販売数量に対応するため、設備投資に伴う減価償却費の増加、人員の採用に伴う人件費増加、物流費の増加、研究開発費の増加等のコスト増加の影響があるものの、販売増加、稼働率向上による原価低減、購買戦略による主要材料の価格低下等により、前連結会計年度に比べ12億83百万円増加し、82億80百万円となりました。
(売上高)
前述のとおり、前連結会計年度に比べ両事業とも増加したため、39億97百万円増加し、402億21百万円となりました。
(営業利益)
前述のとおり、前連結会計年度に比べライフサイエンス事業では減少しましたが、電子材料および機能性化学品事業での増加により6億69百万円増加し、105億37百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ56百万円減少し、1億29百万円となりました。これは主に、前連結会計年度に為替差益が計上されていたためです。また、営業外費用は、前連結会計年度に比べ2億83百万円増加し、2億99百万円となりました。これは主に、円高の進行に伴う為替差損の計上によるものです。
営業外収益は減少し、営業外費用が増加したものの、営業利益の増加の要因が大きく経常利益は前連結会計年度に比べ3億28百万円増加し、103億67百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ1百万円減少し、0百万円となりました。これは主に、固定資産売却益が減少したためです。また、特別損失は、前連結会計年度に比べ9億9百万円増加し、9億61百万円となりました。これは主に、役員退職功労引当金繰入額が発生したためです。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて3億3百万円減少し、65億92百万円となりました。
財政状態の分析
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりです。
キュッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b. 資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、棚卸資産の購入費用、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。運転資金の財源は、自己資金および金融機関からの短期借入等を基本としています。当連結会計年度は、新たな短期借入は行っておらず、当連結会計年度末に短期借入金の残高はありません。
投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資、事業買収等によるものです。投資資金の財源は主に、自己資金および金融機関からの長期借入等によります。当連結会計年度は、新たな長期借入は行っておらず、当連結会計年度末に長期借入金の残高はありません。当連結会計年度に実施した設備投資および事業譲受の決済資金、建設中の設備の投資資金の財源は、平成27年12月に実施した公募増資により調達した資金を含む自己資金を充当しています。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりです。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度における当社の最重要指標である「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)は、前連結会計年度に比べ9億41百万円増加し、121億50百万円となりました。
前連結会計年度に比べ、鹿島事業所の事業譲受に伴う設備継承、京都事業所の設備投資により減価償却費は増加しましたが、売上増加、稼働率の向上により営業利益も増加したため、償却前営業利益は増加しました。
総資産回転率は0.66回、自己資本利益率は13.8%、自己資本比率は77.6%となりました。実施中の設備投資を活かして、効率性、収益性のより一層の向上を目指します。
該当事項はありません。
当社グループは、販売戦略ターゲットに対応して、ライフサイエンス事業、電子材料および機能性化学品事業に関する研究開発を行いました。
ライフサイエンス事業、電子材料および機能性化学品事業ともに、当社グループ内において、海外子会社も含めて営業関連部署や品質保証部門等と互いに連携し、またユーザーとも相互協力を図りながら新規事業、新製品の企画開発、技術開発情報の収集等を行いました。
当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は、次のとおりです。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、5億72百万円となりました。
(1)ライフサイエンス事業
当連結会計年度の主な活動としましては、食品分野において顧客のニーズを取り入れた加工食品のレシピ提案型へ注力した結果、食品添加物製剤・調味料製剤を複数上市し、スーパーやコンビニ向けなどの加工食品へ採用となりました。また、アジアの食品市場をターゲットに国内ライトハウスカスタマーとの連携で技術と素材を生かし、市場の開拓と拡販を行っております。新規開発分野においては、農業、水産、畜産など一次産業向けに植物由来の天然素材を原料とした環境ストレス耐性剤を開発しており、上市を目指したフィールドでのテストにて有効データの蓄積を行っております。また、当社主力製品である有機酸をベースに特殊加工を施した高付加価値有機酸を開発し、加工食品分野にて新たな価値を提供できる素材の提供を進めております。更に、有機酸の機能を深堀り、システマティックレビュー等を実施し「機能性表示」のサポートを行い用途拡大を図っております。
なお、当連結会計年度の当セグメントにおける研究開発費は、1億46百万円となりました。
(2)電子材料および機能性化学品事業
当連結会計年度の主な活動としましては、シリコンウエハー研磨および半導体CMP研磨スラリー向けの超高純度コロイダルシリカ製品分野では、粒子サイズ、形状、濃度、表面状態、硬さ、粒度分布等を自在にコントロールする技術をさらに発展させ、顧客ニーズにマッチした新製品の開発を行い、着実にシェアを伸ばしております。また、それらの製造技術については、半導体配線幅の急速な微細化に対応した高レベルの製造工程品質管理体制を継続的にブラッシュアップすると同時に、最新鋭の機器を導入した新規設備の建設を開始しております。これにより大幅な製造能力増強を達成し、かつ、新規製品の積極的な量産化を加速します。一方、上記コア技術を応用して情報産業向けに上市しましたナノシリカ粉末製品は確実に需要を伸ばしており、数多くの顧客へのワークを継続しております。新規用途向け応用開発品についても東京研究所を拠点として、鋭意開発しております。このように機能材料製品分野につきましては、当社のナノ粒子製造技術・設備を活かした幅広い製品開発を行っております。
また当連結会計年度は、これら新規開発活動を支える開発環境の整備にも注力し、新たな品質評価機器の複数導入、更には、京都事業所ならびに東京研究所の2開発拠点での研究開発投資および要員増を実施しました。
なお、当連結会計年度の当セグメントにおける研究開発費は、4億26百万円となりました。