第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)基本方針

当社グループは、下記の社是、経営信条に則り、収益力・人財(材)力・技術力のレベルを高め、継続的発展を遂げる企業を目指すために、「企業価値」および「企業品質」をより高める企業経営をしていきます。

社是

「限りなき進歩と創造」

経営信条

一. 信用を重んじ確実を旨とする

一. 技術を通じて国家社会に貢献し

一. 社業の繁栄によって従業員の豊かさを築く

 

そのために、ニッチな市場のニーズをとらえ、スピード、コスト、クオリティのバランスが高次元で調和している「金メダル製品」の開発を目指し、顧客満足の最大化を目指していきます

(2)中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

次期の世界経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が大きな影響を及ぼしており、国内外問わず経済活動の停滞の長期化が懸念され、実体経済の落ち込みは大幅なものになることが想定されます。加えて原油価格の大幅な下落等、経済の混乱要因もあり、先行きは見通せない状況にあります。

このような状況のもと、当社は従業員の健康・安全を確保したうえで、生産・販売を維持し、事業継続に注力いたします。2019年度においては、新型コロナウイルスの感染拡大の当社業績への影響は限定的で、各製造拠点は感染症対策を施しながら生産を継続しています。今後、当社が製品を供給する業界の今後の市場動向によって、需要が大きく影響を受ける可能性もあり、できる限り顧客とのコミュニケーションをとり、リスクに先行して対応できるよう努めます。

先行き不透明な状況ではありますが、当社グループは、新規設備の有効活用による国内外の需要取り込み、継続的なコスト削減を通じたコア事業の更なる強化、市場ニーズに適合した新規商品の開発、海外拠点を活用した海外展開に取り組みます。

2020年度の連結業績の計画は、設備投資に伴う減価償却費等の増加の影響、原油価格下落に伴う原料価格、販売価格の低下の影響、そして半導体市況の予測を織り込んで、下記の通り計画しています

〇連結業績計画

(単位:百万円)

 

2019年度実績

2020年度計画

増減

売上高

41,310

42,200

+889

営業利益

8,830

8,150

680

経常利益

8,954

8,250

704

親会社株主に帰属する当期純利益

7,014

5,600

1,414

償却前営業利益

13,362

13,550

+187

 

〇ライフサイエンス事業連結業績計画

(単位:百万円)

 

2019年度実績

2020年度計画

増減

売上高

24,120

 

+679

営業利益

4,328

3,450

878

償却前営業利益

5,131

5,260

+128

 

〇電子材料および機能性化学品事業連結業績計画

(単位:百万円)

 

2019年度実績

2020年度計画

増減

売上高

17,190

17,400

+209

営業利益

5,748

6,100

+350

償却前営業利益

9,459

9,650

+190

 

当社グループの事業は、「ライフサイエンス事業」、「電子材料および機能性化学品事業」の2つのセグメントで構成されます。

ライフサイエンス事業においては、リンゴ酸は、世界市場で年率数%、アジア市場では、さらに大きな成長を見込むことができます。高品質で安全・安心な製品を競争力のある価格で提供し続けていくことを武器に、世界市場、特にアジア地域での当社製品のプレゼンスを高めていくことが重要です。

フマル酸はライバルメーカーの撤退により日本市場はタイトになりシェア拡大のチャンスであると認識しています。その他の果実酸につきましても、用途は拡大しており、当社も各市場において着実にシェアアップを目指します。

加えて、医薬品向け・電子材料向けのより高純度・高品質の果実酸、有機酸を油脂でコーティングしたコート有機酸、一次産業向け製品であるストレスフリー製剤、海外でも採用が進んでいる食品添加物製剤等の高付加価値製品の各市場も非常に有望で、既存品のシェアアップ、新製品の早期の開発・製品化を目指します。

ライフサイエンス事業で扱っている製商品は、食品、飲料等、生活必需品に関係する用途が多いため、新型コロナウイルス感染症拡大の市場への影響は、現状では限定的ですが、経済の落ち込みによる消費低下、生活様式等の様々な環境の変化が、需要に影響を与える可能性もあり、各市場動向を注視していきます。

電子材料および機能性化学品事業においては、半導体市場は非常に高い成長率で拡大してきたものの、スマートフォン市場の成長鈍化、米中貿易摩擦等の影響によって、一時調整局面となり、当社製品も影響を受けました。しかし、最先端技術が採用された半導体の生産においては、当社製品の使用量は増加傾向にあります。

短期的には、新型コロナウイルス感染症拡大、米中貿易摩擦等の影響で、スマートフォン、PC、TV、自動車等の製品成長率は鈍化するマイナス面があるものの、IoTの進展、リモートワークの普及等によるデータ量の増加によりCPU、メモリー等の半導体デバイスの需要は増加するプラス面もあるなど、不透明な状況が続きます。しかし、中長期的には、5G、IoT、AI、自動運転技術などの実用化も近づいてきており、半導体需要はますます増加すると予想されます。この拡大する需要に応えるためには、供給量を増加させるだけでなく、微細化、高平坦化等の高度化する品質面の要求へも対応する必要があります。感染収束後には、半導体市場のさらなる伸びが期待でき、こうした対応策を施すことで、半導体市場の拡大に合わせて、当社業績の伸張を目指します

新型コロナウイルス感染症拡大の市場への影響は、半導体市場においては、現状は限定的です。顧客によっては、調達に対する不安から、在庫を積み増す動きもあり売上増加の要因にもなっていますが、今後、経済の落ち込みによる消費低下が顕在化し、需要に影響を与える可能性もあり、市場動向を注視していきます。

このような認識のもと、当社グループでは、以下を重点的テーマとして事業展開に取り組んでいきます

(ライフサイエンス事業)

(a)果実酸コンビナート構想の実現

三井化学株式会社から営業権を承継した無水マレイン酸、フマル酸のビジネスは順調に拡大しています。2017年11月には、生産設備の譲受も完了し、当社の鹿島事業所としてスタートしたことで、果実酸総合メーカーとしての位置づけはさらに強固なものとなりました。さらに、2018年3月に着工したリンゴ酸新プラントは、2019年7月に竣工し、本格稼働に向けて取り組んでいます。新プラントでは同事業所内で生産している無水マレイン酸からリンゴ酸までの一貫生産、省力化した最新設備での生産によるコスト競争力の強化を図り、国内唯一のメーカーから、世界No.1のリンゴ酸メーカーに大きく飛躍するよう取り組みます。リンゴ酸の生産は、鹿島事業所、大阪工場の2極体制となり、成長が見込まれる世界市場へ積極的に販売することが可能な供給体制ができました。今後、当社のグループ連携、販売チャネルを活かして、成長するアジア市場でのさらなるシェア拡大、今までは優先順位を下げざるを得なかった欧米市場にも販売を強化します

(b)生産体制の再構築および設備増強

鹿島事業所にリンゴ酸プラントが完成したことにより、リンゴ酸は大阪工場と2生産拠点体制となりました。余力のできた大阪工場のリンゴ酸設備を有効活用し、フマル酸等、他の果実酸の生産を検討および実施いたします。併せて、十三工場を含めた生産体制の再編を検討し、自動化、省人化を進め、生産性を高めた、より衛生的なプラントの導入を目指します

(c)次世代新製品の早期戦列化

製品開発におきましては、油脂コート有機酸、一次産業向け製品であるストレスフリー製剤の早期戦列化を図るべく開発に注力します。

油脂コート有機酸は、優れたコート性能等、顧客ニーズへの対応が可能な製品の開発が進展しており、2020年度中の生産設備の導入、製品化、販売開始を目指します。ストレスフリー製剤は、対象植物の品目や対象ストレスの種類を拡充し、研究・販売活動を強化します。

さらに、果実酸類の高純度品や食品添加物製剤の開発も、より一層進めます

(d)グローバル展開

日本・中国・タイ・米国の拠点を活かし、扶桑グループの連携により、ビジネスチャンスを獲得します。

海外においては、中国の子会社青島扶桑精製加工有限公司では、市場の拡大している電子材料向けに従来のクエン酸精製品よりさらに高純度なクエン酸の製造等、高付加価値製品の比重を高めます。また、人件費高騰に対処するため、前連結会計年度に引き続き、生産設備の自動化によるコスト削減を進めます。

タイの子会社FUSO(THAILAND)CO.,LTD.はタイ、ベトナムを中心に加工食品市場が拡大している東南アジアをターゲットとし、テストキッチンのある東京研究所と連携して各国の食品や食材に適した食品添加物製剤の開発・製造を進めるとともに、同地域での販売体制を確立してビジネス拡大を目指します。

米国の子会社PMP Fermentation Products, Inc.は、米国で唯一のグルコン酸メーカーとしてその地位を強固なものとしてまいりましたが、今後さらに強化していくとともに、北米および中南米市場でのリンゴ酸市場を拡大するための活動を推進します。

アジア市場において、One-Stop食添製剤メーカーとして積極的に活動を展開し、アメリカ市場においても、リンゴ酸のシェアアップ、食添製剤の新市場開拓を進めます。

今後も、果実酸総合メーカーとしてこれまで蓄積してきた販売チャネル、製造・開発ノウハウ、およびグローバルなネットワークを最大限に活用し、さらなる売上および利益の拡大に尽力します。

(電子材料および機能性化学品事業)

(a)半導体研磨材料の取り組み

2018年9月と11月に超高純度コロイダルシリカ新規製造設備が京都第一工場および京都第二工場に完成しました。これら設備は最新の技術を結集した仕様で、これまで以上に製造条件を高精度にコントロールすることが可能となり、これにより益々厳しくなるお客様の品質要求に応えることができるようになりました。また生産能力は、2割から3割の向上となり、生産能力及び品質をさらに向上することで、当社超高純度コロイダルシリカ製品は益々お客様に安心して使用して頂けるものと確信しております。

拡充した生産体制を活かし、研究開発部門と連携し、重点顧客との取り組みをさらに強化します。当社の強みである粒子制御技術を活かし、用途に合わせた開発を行い、新規砥粒の開発を進めます。販売の強化とともに、既存設備、新規設備を合わせて生産効率の最大化を目指します

(b)生産・研究・品質保証体制の堅実化

新規設備においては最先端の製造設備が導入され、シングルナノ配線幅に対応した粒子径および粒度分布制御が可能となり、高品質、高効率、低コストでの生産が可能となりました。既存設備の改善、改良も進め、生産供給体制の強化を進めます。

研究開発体制においては、人員、研究開発設備の拡充等、強化拡大を積極的に行ってきました。半導体分野では微細化、高集積化が益々進んでおり、それらのニーズに対応すべく、当社のコア技術である粒子径、会合度、形状、表面修飾等の粒子制御技術を活かし、新規配線素材、低ディフェクト、高研磨レート等に対応した粒子の製品開発を継続します。合わせて、プロセス技術開発にも注力いたします。

品質保証体制においては、最新鋭の評価機器の導入、人員の拡充を図ってきました。今後も、高度化する品質要求に対応するため、体制のさらなる強化を図ります

(c)機能材料の取り組み

半導体研磨用途以外の新分野への製品開発につきましても、東京研究所に積極的に経営資源を投下し、当社グループのコア技術である超高純度コロイダルシリカの合成技術を活かした中空ナノシリカやシリカナノパウダー関連で新製品開発を進めています。シリカナノパウダーはトナー用途や樹脂フィラー用途で既に使用されており、顧客ごとの粒子の開発を進め、さらなるシェア拡大を目指します。中空ナノシリカは高い光学特性が認められており、低反射材料等での採用が見込まれ、さらなる営業開発を進めます。

半導体研磨分野では、シングルナノ世代最先端半導体技術を支え、唯一無二の製品を提供します。そのため、顧客と密着した新製品開発を進め、当社独自のプロセス技術をさらに高度化し、生産設備に積極的に投資を行います。

機能材料分野では、半導体研磨分野で培ったコア技術をベースに、機能材料製品の拡充を目指します。中空ナノシリカの多用途採用と量産上市、トナー向けナノパウダーの新規採用を進め、既存品を合わせて、この分野での販売の拡大を目指します。

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、将来の成長に向けた設備投資は不可欠であると考えて、設備投資の採算性を慎重に検討した上で「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)を最重要経営指標としています。併せて、総資産回転率等の資産効率、自己資本利益率等の収益性、自己資本比率等の安全性等、複数の指標のバランスを考慮して経営を進めています。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです

(1)市場動向の影響について

ライフサイエンス事業の製品は、加工食品・飲料等の食品分野が主な用途ですが、金属加工・コンクリート混和剤等の工業分野でも広く使用されています。食品分野では、比較的景気変動の影響は限定的と言われていますが、異常気象・自然災害等により需要が大きく変動する可能性があります。工業分野では、食品分野に比べ、景気変動の影響をより一層受けるリスクが存在します。また、どの用途においても、輸入品等の競合品との価格競争、国内外の市況の変動により販売価格、原価が影響を受ける可能性があります。そのため、ライフサイエンス事業の特定の会計期間の業績に影響を及ぼす可能性があります。

電子材料および機能性化学品事業は、半導体業界を中心に製品および商品を販売しており、その半導体業界の特徴として、好況・不況の景気の波が激しいことが挙げられます。そのため、半導体業界の景気変動の波を受けるリスクが存在し、当社グループの電子材料および機能性化学品事業の特定の会計期間の業績に影響を及ぼす可能性があります。

(主なリスクへの対応・取り組み)

両事業とも、特定の分野・地域・ユーザーの依存度を分散するよう、新規用途を獲得するため積極的に情報収集・製品開発を行っています。

特に、半導体業界は、短期的な景気の変動はあるものの、中長期的には成長が続くものと想定しています。その想定に沿って、短期的な不況に耐えうる財務体質の強化を目指しています。

(2)自然災害・事故災害の発生について

大規模地震等の自然災害、製造および研究設備等における事故が発生した場合には、生産および物流設備ならびに研究機器等への被害により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの事業所において、新型コロナウイルスの感染者が発生した場合には、当該事業所の一時閉鎖を行うなど、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

上記リスクは、当社グループだけでなく、重要な取引先でも発生する可能性があり、サプライチェーンへの影響により、当社グループの業績に影響を与える可能性もあります。

(主なリスクへの対応・取り組み)

当社グループの生産設備・研究設備が自然災害・事故災害に被災した場合、および当社グループの事業所において新型コロナウイルスの感染者が発生した場合には、当社グループで策定しているBCPの手続きにより、適切な情報収集・対応策を実施することで、最短での復旧を目指します。なお、感染症対策として、従業員の健康管理、テレワーク・時差出勤の推進、通勤手段の多様化への対応、勤務中の感染予防策の徹底等を社内周知し、実施しています。

また、重要な取引先で被害が発生した場合に備えて、仕入の複数購買等の施策をできる限り実施し、サプライチェーンの維持に努めています。

(3)技術革新の影響について

電子材料事業の主要な納入先である半導体業界は技術革新の激しい業界であり、新規技術の開発・応用がなされた場合、市場が大きく変化する可能性があります。

(主なリスクへの対応・取り組み)

常に半導体業界の最先端の動向・情報を収集し、最先端の技術に対応した製品開発を行い、供給体制を構築しています。また、半導体研磨分野で培った技術を活かし、中空ナノシリカ、トナー市場向けナノパウダー等の製品で半導体以外の市場の開拓を進め、依存度を下げます

(4)海外事業について

当社グループの事業は世界的に広がっており、当連結会計年度における海外売上高の連結売上高に占める比率は41.8%(北米18.0%、アジア23.3%、ヨーロッパ0.3%、その他0.2%)と海外向けの売上高の比率が年々高くなっています。

また、在外の連結子会社は、中国、米国およびタイに合わせて5社あり、子会社を通じて海外においても事業を行っています。海外市場で事業を行う際には、社会的・経済的なカントリーリスク、人事・労務問題の環境の相違、法令等の規制強化等、特有のリスクがあり、それらが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(主なリスクへの対応・取り組み)

各国固有のカントリーリスクがあり、それを全て無くすことは困難ですが、各子会社へ駐在員を派遣し、専門家、業界団体等を活用し、各種リスクが顕在化する前段階での情報収集を実施し、早期対応に努めます

(5)原材料の調達について

当社グループの原材料の調達活動において、中国からの調達のウエイトが大きなものとなっています。このため、中国の社会経済情勢の影響を受けた際には、調達が困難となる可能性や調達価格が上昇する可能性があり、特定の会計期間における業績が影響を受ける可能性があります

(主なリスクへの対応・取り組み)

中国以外の国からの調達も検討する等、分散化によりリスクの軽減を図っています。さらに、当社および現地法人を通じて、仕入れ先との協力関係を強化し、情報収集、早期の対応が可能な体制を構築しています。また、調達価格が上昇した場合は、各種コスト削減や収益構造の見直しに加え、販売価格の改定による対応も図っていきます

(6)為替変動の影響について

(4)海外事業について(5)原材料の調達について、で記載のとおり、海外向けの売上高、海外からの仕入高、在外子会社の財務諸表の換算、また、在外子会社も現地通貨と取引通貨が違う場合、それぞれ為替相場の変動リスクがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります

(主なリスクへの対応・取り組み)

海外向けの売上高、海外からの仕入高のバランスをとることで、為替リスクの軽減を図っています。また、長期の販売契約を締結する際には、為替予約を利用して、仕入価格の固定化を図るなど、為替リスク軽減に努めています。

在外子会社の財務諸表を換算する際の為替リスクの回避は困難であり、海外子会社については、現地通貨での業績管理を行い、現地通貨ベースでの業績の向上を目指します。在外子会社が現地通貨以外の通貨で取引する場合は、基軸通貨である米ドルで取引を行い、為替の変動幅を最小限に抑えます。

(7)化学品に対する法規制について

世界的に環境問題に対する関心が高まる中、化学品への規制が強まる傾向にあります。このような状況下、当社グループの製品の製造・販売についても法律等により規制される可能性があります。

(主なリスクへの対応・取り組み)

国内外の化学品への規制について、当社・子会社において、常に動向を注視し、情報収集を行い、必要な場合、担当部門において専門家や業界団体の助言等を得て、早期の対応に努めています

(8)知的財産権について

知的財産権の取得および利用については、常に当社グループのスケジュール通りとなる保証はなく、市場競争力に影響を及ぼす可能性があります。また、予期せぬ訴訟等の当事者になる可能性があり、その際には費用の発生や人的資源の投入を強いられる可能性があります

(主なリスクへの対応・取り組み)

知的財産権について、今後の事業展開や競争力に直結するため、非常に重要であると認識しています。所管する部門において、常に動向を注視し、情報収集を行い、専門家を活用する等して、早期の対応に努めています。また、発明審査委員会を設置して、知的財産権について情報共有を図り、適正な管理運用を行う体制を構築しています

(9)製造物責任について

当社グループでは、製品が顧客であるユーザーで原料として使用される、BtoBと呼ばれる商流が大部分を占めており、当社グループの製品に問題等が発生した場合には、ユーザーから一般消費者向けの製品へも影響を与えるなど、影響の範囲が大きく広がる可能性があります。その結果、当社グループの業績に対して影響を与えるとともに、企業への信頼についても影響を受ける可能性があります

(主なリスクへの対応・取り組み)

経営信条の一つに「信用を重んじ確実を旨とする」とあるとおり、メーカーとして品質・信頼の確保が重要であると認識し、行動規範に品質の維持、コンプライアンス活動の推進等必要な事項を定め、社内に周知徹底しています。

また、両事業とも品質保証部門に対する体制の強化を図り、当社グループの製商品に対する品質管理を行うとともに、国内外の関係部門、調達先等に関与し、工程管理による不良の低減等の品質保証活動を推進しています

(10)設備投資計画について

当社グループは既存設備の更新だけでなく、新規設備投資等により事業の拡大を図っています。しかしながら、当社グループの製品に対する需要が期待どおりに推移しなかった場合は、生産設備の稼働率低下により、収益性が低下し、減損損失の計上・固定費の負担等、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります

(主なリスクへの対応・取り組み)

新規製造設備への投資決定の際に、ユーザーからの要望・市場調査を念入りに行う等、十分な検討を重ねて決定しています。

新規製造設備や設備更新の際は、省人化、省エネルギー化等、コストの最小化、効率化を推進した設備の導入を進め、稼働率の低下にも耐えうる企業体質を目指しています

(11)たな卸資産について

(1)市場動向の影響について、で記載したとおり景気変動の影響を受けた際に、たな卸資産が大きく増加し、陳腐化することで、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、原料価格・為替の変動により、たな卸資産の簿価が市場価格より高くなり、低価法が適用されると、当社グループの業績に影響を与える可能性があります

(主なリスクへの対応・取り組み)

適時、販売状況・販売計画を確認し、生産・購買と販売のバランスをとり、タイムリーに生産計画・購買計画を立案・修正し、実行しています。

原料価格を販売価格へ転嫁し、適切な利幅を維持出来るよう、契約の見直しを実施しています

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。

①  財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の経済環境は、米国経済は堅調に推移したものの、中国経済は貿易摩擦の影響による景気減速の継続、欧州経済は英国のEU離脱による混乱、中国経済減速の影響を大きく受け低調に推移しました。さらに、年明け以降、顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大により、世界経済は深刻な影響を受けました

日本経済においては、消費税増税による消費減速はあったものの、半導体市場回復の兆しもあり、雇用環境の改善は継続し、回復基調で推移しました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大により、景気は急速に悪化し、感染拡大の収束見通しも明確に立たず、実体経済への影響がどこまで及ぶか予断を許さない状況となっています

このような情勢下、当社グループは成長を持続するため、各事業において経営基盤の一層の強化に取り組みました。増加が見込まれる当社製品の需要に対応するため、生産能力の増強、物流体制の強化、原料の安定確保、コストダウン、新製品の開発、国内外への拡販、そして海外拠点を活用した海外展開に取り組みました。また、感染拡大への対策として、時差出勤、テレワーク等を推進し、政府要請に応じた対応に取り組んでいます。当連結会計年度における当社業績への影響は、限定的でしたが、今後の状況を注視していきます

a. 財政状態

(資産の部)

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ4,831百万円増加し、35,499百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に加え、設備投資が進捗し決済が減少したことにより、現金及び預金が増加したためです。

また、当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ65百万円減少し、33,723百万円となりました。これは主に、繰延税金資産が増加しましたが、有形固定資産が設備投資額以上の減価償却費が計上されたことにより減少したためです

以上の結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ4,765百万円増加し、69,222百万円となりました。

(負債の部)

当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ202百万円減少し、7,096百万円となりました。これは主に、設備投資に係る未払金が、決済が進んだことにより減少したためです

また、当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ20百万円増加し、1,836百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が増加したためです

以上の結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ181百万円減少し、8,933百万円となりました。

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,946百万円増加し、60,289百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したためです。

b. 経営成績

当連結会計年度の売上高は41,310百万(前年同期比1.8%減、764百万円減)となりました。利益面では、営業利益は8,830百万(同4.9%減、452百万円減)、経常利益は8,954百万(同9.1%減、900百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,014百万(同1.9%増、133百万円増)となりました。

売上高、営業利益は、後述の各セグメントの要因により減収減益となりました。経常利益は、営業利益の減少に加え、前連結会計年度に多額の為替差益を計上した影響により減益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等が大きく減少したことにより増益となりました

当社グループの報告セグメントの業績は、次のとおりです。

ライフサイエンス事業)

ライフサイエンス事業の業績は、外部顧客に対する売上高が24,120百万円(前連結会計年度比4.3%減、1,084百万円減)、営業利益は4,328百万円(同23.2%増、815百万円増)となりました

原料価格に連動して販売価格が変動する契約となっている製品の販売単価が低下したこと、円高が海外子会社の売上高の換算に影響を与えたこと、天候不良による飲料用途向け製商品の伸び悩み、中国経済の影響による工業用途向け製品の販売停滞等により、売上高は前連結会計年度を下回りました。営業利益は、減価償却費の増加によるコストアップはあったものの、継続的な価格改定により販売価格の適正化が進展したこと、海外子会社の業績が堅調に推移したこと、原料価格の低下、そして円高による輸入価格の低下等により、前連結会計年度を上回り、減収増益となりました

(電子材料および機能性化学品事業)

電子材料および機能性化学品事業全体の業績は、外部顧客に対する売上高が17,190百万円(前連結会計年度比1.9%増、320百万円増)、営業利益は5,748百万円(同17.4%減、1,214百万円減)となりました。

上期における半導体市場停滞の影響があったものの、下期より市場は回復基調で推移しました。加えて、新型コロナウイルスの感染拡大後、在庫を積み増すユーザーもあり、売上高は前連結会計年度を上回りました。営業利益は、増産、効率化によるコストダウン効果があったものの、設備投資に伴う減価償却費の増加により、前連結会計年度を下回り、増収減益となりました

②  キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益および減価償却費の発生により取得した資金を有形固定資産の取得、法人税等の支払、配当金の支払に充てた結果、前連結会計年度末に比べ5,859百万円増加し、16,083百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果取得した資金は、前連結会計年度に比べ3,788百万円増加し11,936百万円(前連結会計年度は8,148百万円の取得)となりました。これは主に、法人税等の支払があった一方で、税金等調整前当期純利益および減価償却費による収入が発生したためです

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ11,035百万円減少し、4,320百万円(前連結会計年度は15,356百万円の使用)となりました。これは主に、京都事業所、鹿島事業所を中心とした大型設備投資が進捗し、有形固定資産の取得、無形固定資産の取得による支出が発生したためです

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ1百万円増加し、1,641百万円(前連結会計年度は1,639百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払を行ったためです

③  生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

前年同期比

ライフサイエンス

18,463,008千円

△3.9

電子材料および機能性化学品

18,305,329

0.0

合計

36,768,338

△2.0

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。

2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

b.受注実績

当社グループは、見込み生産を行っているため、受注高および受注残高を把握していません。

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2019年4月1日

至  2020年3月31日)

前年同期比

ライフサイエンス

24,120,684千円

△4.3%

電子材料および機能性化学品

17,190,005

1.9

合計

41,310,689

△1.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。

2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです

①   重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。

当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額および収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断および仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断および仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っています。しかしながら、これらの見積り、判断および仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります

なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。

たな卸資産の評価において、原油価格の大幅な下落に伴う原料価格の低下に連動し、販売価格の下落が予測される製品について、適切に販売価格の将来予測を見積もり、評価に反映させました。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が当社業績に与える影響は当連結会計年度においては限定的でした。将来予測に関しては、不確実性が大きく事業計画等への反映が困難な面がありましたが、現時点で入手可能な情報を分析し、当社製品を供給する市場の変動等の検証を踏まえ、当社業績に与える影響は限定的なものと仮定しました。

②  連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりです。

a. 経営成績等の状況

経営成績の分析

(ライフサイエンス事業)

「ⅰ.果実酸コンビナート構想の実現」、「ⅱ.グローバル展開」、「ⅲ.新製品の開発」、「ⅳ.新たな柱となるビジネスの創出」の各テーマに取り組みました。

ⅰ. 果実酸コンビナート構想の実現

2017年11月に鹿島事業所の承継を完了し、リンゴ酸の原料(無水マレイン酸)から製品までの一貫生産体制が確立され、国内№1のフマル酸メーカーとなりました。2019年7月には、鹿島事業所にてリンゴ酸新プラントが竣工しました。生産効率の高い新設備を有効活用し、コスト競争力を強化し、日本品質を活かして、当社グループの販売網により、海外市場、特にアジア市場の需要を確実に取り込み、世界№1のリンゴ酸メーカーの地位を確立するため、本格生産に向けて対応を行っています

ⅱ. グローバル展開

日本、中国、タイ、米国の拠点を活かして、グループの連携を強化し、果実酸の拡販、各製剤類の拡販を各地域で進めました。

中国においては、現地子会社青島扶桑精製加工有限公司で、高純度有機酸等の高付加価値製品の増産体制を確立し、販売を強化推進しました。人件費等のコストアップに対処するため生産設備の自動化を促進しました。東南アジアにおいては、タイの子会社FUSO(THAILAND)CO.,LTD.を中心に、中国、日本を加えたトライアングル体制で果実酸類の拡販に取り組みました。食品添加物製剤の拡販は、東京研究所のテストキッチンを有効活用し、各国の食品や食材に適した製剤の開発を推進し、加工食品市場の取り込みに努めました。ベトナム等周辺国への対応も強化しました。北米においては、米国子会社PMP Fermentation Products,Inc.が、アンチダンピング提訴の成功もあり、グルコン酸類の米国唯一の国産メーカーとして大きく実績を伸ばしました

ⅲ. 新製品の開発

新製品の開発としては、鶏肉や魚肉加工食品の品質改良剤等の食品添加物製剤は積極的な研究・営業活動の成果もあり、中国、タイ等を中心に新製品の採用は進んでいます。果実酸の高純度品は、生産体制が確立し、販売も着実に進捗しています。有機酸の油脂コーティング品の開発も進み、量産化へ向けての検討を進めています。農業、漁業、畜産業用途にストレス耐性を向上し成長をサポートする新製品の開発に取り組みました。特に植物用途に製剤開発を進め、一部製品が採用されました

ⅳ. 新たな柱となるビジネスの創出

M&A、業務提携等、当社の担当部門である企画開発室と連携し、各種の検討を実施しました。現状は、特に進捗はありませんが、引き続き検討します

ライフサイエンス事業の経営成績は、リンゴ酸はアジア大手飲料メーカーのシェア拡大や新規の国での採用等、輸出が好調に推移し、クエン酸類も新規ユーザーの獲得等で売上は増加しました。しかし、有機酸全般で中国経済の停滞の影響を受けたうえ、暖冬により浴用剤需要が低下するなど工業用途が低調に推移しました。その他、ビタミンC類、無水マレイン酸では、原料価格の低下に連動して販売価格が下落しました。その結果、売上高は、前連結会計年度に比べ1,084百万円減少し24,120百万円となりました。営業利益は、原料価格の低下、無水マレイン酸、フマル酸の価格改定による利益率の増加、医薬品関連ビジネスの収益改善、米国子会社PMP Fermentation Products,Inc.のグルコン酸ビジネスが好調に推移し、前連結会計年度に比べ815百万円増加し、4,328百万円となりました

新型コロナウイルス感染症拡大の業績への影響は限定的で、原料等の調達にも大きな影響はでていませんが、経済の回復には長期間を要すると思われ、今後の影響については、引き続き注視していきます

(電子材料および機能性化学品事業)

「ⅰ.更なる微細化に対応し、圧倒的なアドバンテージを確保」、「ⅱ.一極から多極への脱皮」、「ⅲ.新規展開“開発品”の早期量産化」「ⅳ.稼働率の向上」の各テーマに取り組みました

ⅰ. 更なる微細化に対応し、圧倒的なアドバンテージを確保

引き続き、研究開発体制強化のため、京都事業所、東京研究所の各研究拠点の設備の拡張、整備を進め研究体制のさらなる充実を図りました。また、新規採用を進め、研究員の増員を行い、開発を加速させました。

生産体制では、新設備の稼働により、より高精度に製造条件をコントロールすることが可能となり、高まる品質要求に対応することができるようになりました。さらに、既存設備にも最先端の生産技術を導入し、シングルナノレベルでの粒子制御、品質の安定化を確保できる製造設備の導入を進めました。

また、最先端の分析機器の導入を進め、分析精度の向上を図り、品質保証体制を拡充しました

ⅱ. 一極から多極への脱皮

東京研究所の開発体制を強化し、ナノパウダー、中空シリカ等の半導体研磨分野以外の新商品の開発を加速させ、新製品の採用、新規顧客の獲得を進めました

ⅲ. 新規展開“開発品”の早期量産化

ナノパウダー設備は、需要の増加に合わせ、増強を行いました。中空ナノシリカでは顧客評価を加速させ、一部で採用されました

. 稼働率の向上

新規設備の完成により高純度コロイダルシリカの生産能力は大幅に増加しました。設備の稼働率の向上が利益に与える影響は大きく、新規設備の顧客認定を加速させ、定期修繕の見直し、各種作業の効率化を進めて、稼働率の向上に努めました。その結果、生産量は増加しましたまた、増加した生産能力、販売数量に対応するため出荷体制の見直しを行いました。

電子材料および機能性化学品事業の経営成績は、売上高は、上期は半導体市場の調整の影響を受け低調に推移し、下期からはナノパウダー等の機能材料の成長の鈍化等もありましたが、半導体市場は下期より回復傾向にあり、最先端CMP分野での採用増により、前連結会計年度に比べ320百万円増加し、17,190百万円となりました。営業利益は、販売量増加に伴う稼働率向上による原価低減効果があったものの、新規設備投資に伴う減価償却費の増加、新設備を稼働させるため一時的な費用増加等により、前連結会計年度に比べ1,214百万円減少し、5,748百万円となりました。

新型コロナウイルス感染症拡大の業績への影響は、顧客によっては在庫積み増しの動きもあり、一時的な売上増加の要因にもなりましたが、限定的な影響であり、原料等の調達も調達先毎に確認を行い、今のところ問題ありません。しかし、経済の回復には長期間を要すると思われ、今後の影響については、引き続き注視していきます

(売上高)

前述のとおり、前連結会計年度に比べ電子材料および機能性化学品事業で増加しましたが、ライフサイエンス事業で減少したため、764百万円減少し、41,310百万円となりました

(営業利益)

前述のとおり、前連結会計年度に比べライフサイエンス事業は増加しましたが、電子材料および機能性化学品事業が減少したため、452百万円減少し、8,830百万円となりました

(経常利益)

当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ426百万円減少し、155百万円となりました。これは主に、当連結会計年度の受取手数料の減少、前連結会計年度に為替差益が計上されていたためです。営業外費用は、前連結会計年度に比べ21百万円増加し、31百万円となりました。これは主に、当連結会計年度に為替差損が計上されたためです。

営業外収益は減少し、営業外費用が増加したことに加え、営業利益減少の要因も大きく、経常利益は前連結会計年度に比べ900百万円減少し、8,954百万円となりました

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ44百万円増加し、78百万円となりました。これは主に、台風等の災害に対して受取保険金が計上されたためです。また、特別損失は、前連結会計年度に比べ64百万円増加し、157百万円となりました。これは主に、当連結会計年度の固定資産除却損が増加したためです。法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額は税額控除の適用の影響が大きく法人税等合計で、前連結会計年度に比べ1,052百万円減少し、1,861百万円となりました

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて133百万円増加し、7,014百万円となりました。

財政状態の分析

財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりです。

キュッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

b. 資本の財源および資金の流動性についての分析

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、棚卸資産の購入費用、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。運転資金の財源は、自己資金および金融機関からの短期借入等を基本としています。当連結会計年度は、新たな短期借入は行っておらず、当連結会計年度末に短期借入金の残高はありません

投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資、事業買収等によるものです。投資資金の財源は主に、自己資金および金融機関からの長期借入等によります。当連結会計年度は、設備投資に対する資金に対し、新たな長期借入は行っておらず、当連結会計年度末に長期借入金の残高はありません。当連結会計年度に実施した設備投資に係る資金の財源は、2015年12月に実施した公募増資により調達した資金を含む自己資金を充当しています

新型コロナウィルス感染症の拡大に対して、現状は財政状態に大きな影響はでていませんので新たな資金調達の予定はありませんが、今後の状況を注視して、必要に応じて資金調達等の対策を検討いたします。

c. 経営成績に重要な影響を与える要因

「第2 事業の状況 2事業等のリスク」に記載のとおりです。

d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当連結会計年度における当社の最重要指標である「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)は、前連結会計年度に比べ1,035百万円増加し、13,362百万円となりました。

前連結会計年度に比べ、京都事業所、鹿島事業所の設備投資により減価償却費は増加し、営業利益は減少しましたが、償却前営業利益は増加しました

総資産回転率は0.61回で横ばい傾向にあります。設備投資により、売上高の増加に先行して総資産が増加しているためで、今後、設備投資を売上高の増加につなげてさらなる向上を目指します

自己資本利益率は12.1%で、減少傾向にあります。設備投資に伴う減価償却費の影響が大きく利益は減少傾向にあり、純資産は利益剰余金により増加しているためです。今後も、減価償却費の増加による利益の低下は想定されるものの、償却前営業利益の最大化を目指し、純資産は安全性とのバランスを考慮して、自己資本利益率の維持向上を目指します。

自己資本比率は87.1%で、一定の安全性は確保できています。今後も、増加が見込まれる需要に対応するため、継続的な設備投資や研究開発投資が成長の源泉であり、投資を行うためにも、一定水準以上の純資産の厚みが必要である認識です。投資計画、配当政策に反映させていきます。

新規設備投資を活かして、効率性、収益性のより一層の向上を目指します。

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループは、販売戦略ターゲットに対応して、ライフサイエンス事業、電子材料および機能性化学品事業に関する研究開発を行いました。

ライフサイエンス事業、電子材料および機能性化学品事業ともに、当社グループ内において、海外子会社も含めて営業関連部署や品質保証部門等と互いに連携し、またユーザーとも相互協力を図りながら新規事業、新製品の企画開発、技術開発情報の収集等を行いました。

当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は、次のとおりです。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、633百万円となりました。

(1)ライフサイエンス事業

当連結会計年度の主な活動としましては、神奈川サイエンスパーク内の東京研究所テストキッチンでの開発要員を増員し、食品分野において顧客ニーズに応じたレシピ提案を継続、食品添加物製剤・調味料製剤を複数上市し、スーパーやコンビニ向けなどの加工食品へ新規採用、アジアを中心に顧客数拡大となりました。新規分野においては、農業など一次産業向けに植物由来の天然素材を原料としたバイオスティミュラント製剤(環境ストレス耐性剤)を開発しており、ゴルフ場の芝向けで採用拡大、今後は野菜・果物向けでの採用を目指しフィールドでのテストにて有効データの蓄積を行っております。更に当社主力製品である有機酸をベースに特殊加工を施した高付加価値有機酸の開発に着手し、高いコート性能を持つコート有機酸の開発に成功しました。今後は食品分野にて新たな価値を提供できる素材の内製化を進めていきます

なお、当連結会計年度の当セグメントにおける研究開発費は、175百万円となりました。

(2)電子材料および機能性化学品事業

当連結会計年度の主な活動としましては、シリコンウエハ研磨および半導体CMP研磨スラリー向けの超高純度コロイダルシリカ製品分野では、粒子サイズ、形状、濃度、表面状態、硬さ、粒度分布、粗大粒子等を安定的かつ自在にコントロールする技術をさらに発展させ、顧客ニーズにマッチした新製品の開発を行い、着実にシェアを伸ばしております。また、新たなコンセプトを導入したコロイダルシリカの開発に着手し、一部顧客へのサンプルワークを開始するなど、シングルナノ~オングストローム配線幅となる最新世代に向けた取り組みを進めております。また、より高度な技術が必要とされる分析装置についても、新測定技術を採用した最新鋭装置を積極的に導入しています。更に、製造技術については、半導体配線幅の急速な微細化に対応した高レベルの製造工程品質管理体制を継続的にブラッシュアップすると同時に、最新鋭の機器を導入した新規設備が完成し、稼働を開始しており、稼働率も順調に上がってきております。これにより大幅な製造能力増強を達成し、かつ、新規製品の積極的な量産化を加速します。一方、上記コア技術を応用して情報産業向けに上市しましたナノシリカ粉末製品は確実に需要を伸ばしており、数多くの顧客へのワークを継続しております。新規用途向け応用開発品についても東京研究所を拠点として、鋭意開発しており、新規顧客の獲得も進んでおり、コア技術をベースとした新規分野製品群の拡張が進んでおります。

当連結会計年度は、これら新規開発活動を支える開発環境の整備にも注力し、最新鋭の品質評価機器の複数導入、更には、京都研究所ならびに東京研究所の2開発拠点での研究開発投資および要員増を実施しました。

なお、当連結会計年度の当セグメントにおける研究開発費は、457百万円となりました。