当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)基本方針
当社グループは、下記の社是、経営信条に則り、収益力・人財(材)力・技術力のレベルを高め、継続的発展を遂げる企業を目指すために、「企業価値」および「企業品質」をより高める企業経営をしていきます。
社是
「限りなき進歩と創造」
経営信条
一. 信用を重んじ確実を旨とする
一. 技術を通じて国家社会に貢献し
一. 社業の繁栄によって従業員の豊かさを築く
そのために、ニッチな市場のニーズをとらえ、スピード、コスト、クオリティのバランスが高次元で調和している「金メダル製品」の開発を目指し、顧客満足の最大化を目指していきます。
(2)中長期的な会社の経営戦略、経営環境及び対処すべき課題
今後の世界経済は、ウクライナ情勢の長期化、インフレの継続、金融信用不安の増加、経済安全保障リスクの高まり等、経済の混乱要因により、先行きは見通せない状況にあります。
このような状況のもと、当社グループは、当社経営資源を有効活用した国内外の需要取り込み、海外拠点を活用した海外展開、継続的な改善活動を通じたコア事業の更なる強化、市場ニーズに適合した新規商品の開発に取り組みます。さらに新規設備投資計画を進め、増加が見込まれる需要に対応するため供給力を強化します。
業績予想の売上高は、半導体市場の減速が想定されますが、当社主力製品である有機酸の海外展開の強化により、増収を見込んでいます。利益面では、セグメント構成比の変化や、原料・エネルギー価格の高止まり、新規設備の稼働に伴う減価償却費等の費用増加を見込んだことにより、減益となる見込みです。
〇連結業績計画および当期実績比較
(単位:百万円)
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2022年度実績 |
2023年度計画 |
増減額 |
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売上高 |
68,459 |
69,300 |
+840 |
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営業利益 |
18,930 |
13,800 |
△5,130 |
|
経常利益 |
19,740 |
13,800 |
△5,940 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
14,129 |
9,450 |
△4,679 |
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償却前営業利益 |
23,268 |
21,700 |
△1,568 |
〇ライフサイエンス事業連結業績計画
(単位:百万円)
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2022年度実績 |
2023年度計画 |
増減額 |
|
売上高 |
37,803 |
39,500 |
+1,696 |
|
営業利益 |
7,403 |
6,800 |
△603 |
|
償却前営業利益 |
8,846 |
8,650 |
△196 |
〇電子材料および機能性化学品事業連結業績計画
(単位:百万円)
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2022年度実績 |
2023年度計画 |
増減額 |
|
売上高 |
30,655 |
29,800 |
△855 |
|
営業利益 |
13,394 |
9,400 |
△3,994 |
|
償却前営業利益 |
16,147 |
15,250 |
△897 |
<中期経営計画>
当社グループは現在、2021年度から2025年度を対象とする中期経営計画“FUSO VISION 2025”を推進しています。策定時の想定に比べ、為替相場の円安傾向への変動、原料価格の高騰、および半導体微細化の更なる進展等、市場環境の目まぐるしい変化が、当社を取り巻く事業環境にポジティブな影響を与えました。その結果、業績が中期経営計画策定当初の想定を大きく上回ったため、最終年度である2025年度の経営目標の見直しを行いました。
なお、最終年度の経営目標以外の経営方針や施策については、現行の中期経営計画 “FUSO VISION 2025”に記載の内容から変更はありません。
中期経営計画の詳細および、中期経営計画の見直しに関する詳細につきましては、当社ウェブサイト(https://fusokk.co.jp/fusovision2025)をご参照ください。
1.中期経営計画の概要
名称 :中期経営計画“FUSO VISION 2025”
サブテーマ:社会課題の解決に貢献するFUSOであるために
期間 :2021年度~2025年度(5ヶ年の中期計画)
経営目標 :売上高850億円、営業利益190億円、償却前営業利益300億円
経営方針 :①既存事業における拡大する需要の取り込み、着実な対応
②新規事業・分野への投資・挑戦
③持続的成長を支える経営基盤の強化(SDGsへの取組み)
2.目指す企業像
「限りなき進歩と創造」の先にあるもの、当社グループが目指す企業像としては、その特定の分野で輝く数多くの金メダル製品と様々な価値観・アイデアを持つ社員がそれぞれの持ち場で活き活きと働き、社会に貢献し続けられる体力のある企業、そのような未来を思い描き下記の通り設定しました。
・グローバルニッチトップを追求する FUSO
・人々の暮らしの豊かさの向上・持続的な未来に貢献し続ける FUSO
・現状に満足することなくInnovationに挑戦し続ける FUSO
・既存事業に続く成長性ある第3の柱構築で倒れない強い企業である FUSO
3.中期経営計画の進捗状況
2022年度の業績は、底堅く推移した食品市場を背景にした果実酸の安定的な販売、半導体市場の需要増加に対応した電子材料事業の販売数量の増加に加えて、原料やエネルギー価格高騰によるコストアップを、生産効率を上げ、価格改定を実施することで吸収し、収益の確保に努めました。その結果、当初の中期経営計画の経営目標を達成することができました。
2023年度以降においては、半導体市場が短期的には調整局面にあることを想定しており、厳しい市場環境ですが、各施策を着実に実行し、新経営目標の達成を目指します。
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2021年度(実績) |
2022年度(実績) |
2025年度(目標)※ |
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売上高 |
557億円 |
684億円 |
850億円 |
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営業利益 |
150億円 |
189億円 |
190億円 |
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償却前営業利益 |
194億円 |
232億円 |
300億円 |
※修正後の目標値です。
<対処すべき課題>
当社グループの事業展開において、以下を重点的テーマとして取り組んでいきます。
(ライフサイエンス事業)
2023年度は新規開拓した販売網の強化、生産数量の拡大を目指し、当社の果実酸ビジネスをさらに推し進めます。また、国際食品安全マネジメントシステム「FSSC22000」を継続して取得することで、世界基準での品質の高さをアピールし、更なる販売数量の拡大を見込んでいます。
次世代新製品として取り組んできたコート果実酸(有機酸の油脂コーティング品)は、2022年度に新規採用が実現しました。2023年度は国内外での更なる採用を目指し、営業開発活動を加速させていきます。更に、2022年度に上市した新しいコンセプトの次世代新製品であるテクノアシッドA(粉末酢酸)、テクノアシッドF(易溶化フマル酸製剤)、ウェルドゥS(グルテンフリー食品用製剤)も、顧客での評価は高く、2023年度には生産体制の確立と早期の販売を目指して取り組んでいきます。
また、製品ラインナップを充実させる一方、十三工場機能を大阪工場へ集約させ生産体制の効率化を図っています。2023年3月大阪工場に当該設備が完成しており、5月から製造を開始、2023年度中には十三工場での生産を終了する予定です。
海外では、青島扶桑精製加工有限公司が昨年に上海食品調味料開発センターを開設しました。青島のテストキッチンと併せて活用することによって、中国国内でのFFAビジネス(果実酸の特徴を活用したビジネス)の更なる拡大を目指していきます。また、FUSO(THAILAND)CO.,LTD.でもタイ国内のみならず、経済成長が著しい周辺国での活動を強化し、ローカル食品でのFFAビジネスの拡大を進めていきます。米国にあるPMP Fermentation Products,Inc.では、2023年度にグルコン酸ソーダの増産設備投資により製造能力が2割程度増強する見込みです。拡大する北米需要を取り込み、シェア拡大に努めます。
以上のように、国内外において市場・顧客動向を捉え、生産供給体制の拡充、新製品開発と早期戦列化、並びに中長期課題への適切な対応によって、さらなる売上および利益の拡大に取り組みます。
(電子材料および機能性化学品事業)
コロナ禍の拡大を経て、半導体の需要は大きく伸長しました。それに伴い当社の超高純度コロイダルシリカの販売も計画を上回る結果となっています。2023年度においては一時的に減速すると見込まれるものの、中長期的にはこの市場傾向が継続していくこと、各国家・地域が半導体に対する政策を打ち出していることを勘案し、当社では、半導体の生産量は増加すると予測しています。また、半導体の微細化の進展や高積層化によるウェハプロセスケミカルの需要量も、増加基調が継続されるものと見込んでいます。
この需要の増加に対応しつつ、BCP(事業継続計画)の観点から増設した鹿島事業所内の新設備は、2023年4月に稼働を始めています。本設備は、2018年に京都第一工場および第二工場に完成した超高純度コロイダルシリカ生産設備と同じ高度な技術を集結した仕様で、製造条件を高精度にコントロールする事が可能であり、益々厳しくなるお客様の品質要求に応える事ができます。また、旺盛な需要に対応するため、2024年4月に完工予定の京都事業所第二工場の設備増強、その先の2025年7月完工予定として鹿島事業所にさらなる追加設備を計画しています。2023年4月からの鹿島事業所の稼働と併せて、生産能力は現状の約1.5倍となる見込みです。
研究開発におきましては、従来どおりケイ素化学を基軸として多方面への事業展開を推進しています。半導体分野では微細化、高集積化が益々進んでおり、それらのニーズに対応すべく、様々な大きさの粒子や硬さの粒子、表面修飾した粒子等の製品開発を続けていきます。
半導体研磨用途以外の新分野への製品開発や今後のグローバルな研究活動への拡大を見据え、京都事業所内の研究所を神戸市内へ移設し、新たな研究拠点として2022年7月に開所しました。東京研究所と共に、今後も積極的に経営資源を投下し、当社グループのコア技術である超高純度コロイダルシリカの合成技術を活かし、新規技術の研究開発を行います。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、将来の成長に向けた設備投資は不可欠であると考えて、設備投資の採算性を慎重に検討した上で「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)を最重要経営指標としています。併せて、総資産回転率等の資産効率、自己資本利益率等の収益性、自己資本比率等の安全性等、複数の指標のバランスを考慮して経営を進めています。
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組みは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
2021年12月、当社は企業成長や事業継続を目的としてサステナビリティ基本方針を策定し、公表しました。環境、社会へのサステナビリティを意識したガバナンスを経営に反映させることにより、企業活動を通じて持続可能な社会の実現に取り組んでいきたいと考えています。
サステナビリティ基本方針
当社は、グローバルニッチ企業のフロントランナーとして、その応用性と技術力で人々の暮らしの多様なシーンにおいて活躍し続けています。食品をはじめとする各産業界に貢献する果実酸とその誘導体、これからの社会における半導体産業に不可欠なシリカ関係製品群を提供し、未来に向け発展的な基盤を築いています。
社是「限りなき進歩と創造」により取り組んできた絶え間なき向上心をもとに持続的社会に貢献し、これからも永続的な企業価値の向上を図ってまいります。
(1)ガバナンス
当社は、サステナビリティを推進するため、2021年10月にサステナビリティ委員会を社内に設置しました。気候変動をはじめとした社会課題に対して、戦略的な経営を組み立てるため、企画開発室経営企画部が統括部署となり各事業部、事業所が取り組む事象やデータの集約、実行に取り組んでいます。
サステナビリティ委員会は、サステナビリティ関連のリスクおよび機会、取組み方針および進捗等を取締役会に報告しており、取締役会はサステナビリティへの取組みの進捗を監督する体制となっています。
(2)戦略
現在進行中の中期経営計画では、目指すべき企業像とマテリアリティ(重点課題)を特定し、現状に満足することなく社会的課題に取組み、事業環境の変化への対応と新たな企業価値の創造に挑戦し続けることにより、企業として更なる発展を目指していきます。各事業部は、以下の3つの主要戦略に合わせた取組みを行っています。
(気候変動に関するリスクおよび機会への取組み)
世界情勢や将来予測の情報を収集・分析したうえで気候変動がもたらす当社におけるリスクおよび機会を洗い出しました。個々に記載する移行リスクとは、低炭素経済への移行に関するリスクです。また、物理的リスクは、気候変動による物理的変化に関するリスクとして記載しています。
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種類 |
当社で想定されるインパクト |
財務上の 潜在的 影響 |
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|
物理的 |
機会 |
生産拠点分散によるレジリエンス向上 |
高 |
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リスク |
風水害・海面上昇による施設破損/物流の混乱 |
|||
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移行 |
政策・法規制 |
機会 |
半導体需要増/半導体周辺企業への支援/海外半導体メーカー誘致 |
中 |
|
リスク |
炭素課税等の導入/CO2政策決定の遅れ/排出権取引市場の創設 |
|||
|
技術 |
機会 |
追加設備投資の要請/半導体の微細化・多層化/食品加工技術需要 |
高 |
|
|
リスク |
取引先ニーズの高度化と技術革新 |
|||
|
市場・評判 |
機会 |
利益確保によりカーボン対策強化 |
高 |
|
|
リスク |
成長重視への低評価/CO2取組み遅延によるサプライチェーンからの排除 |
|||
|
経済安保 |
機会 |
半導体需要の増大/世界的な人口増による飲料・食品加工ニーズ増加 |
中 |
|
|
リスク |
原料調達不安/地政学リスク |
|||
2022年8月には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同し、TCFDフレームワークに基づく情報開示をサステナビリティ報告書の中で行いました。現状では、国内会社のみのScope2による排出量の管理にとどまっていますが、今後は海外グループ会社を含めた全社排出量管理による取組みを進めていく方針です。当社の製品群は持続可能な社会の実現に必要なものが多く、現在取引先からの要請に応えるために設備投資を続けています。そのため、当社のCO2排出に対する取組みは、当面、原単位の削減に留まる見込みです。
■CO2排出量と原単位の推移
(人材の多様性の確保を含む人材育成の方針および社内環境整備の方針)
当社の社是である「限りなき進歩と創造」において、進歩と創造を実現する担い手は、当社で働く人そのものです。また、経営信条の中でも、「社業の繁栄によって従業員の豊かさを築く」を掲げ、当社の持続的成長と、そこで働く従業員の成長・自己実現と生活の安定は表裏一体であると考えています。
①人材育成
当社では、事業年度の前半と後半に、それぞれ複数回、常勤取締役全員出席のもと、人事ミーティングを開催し、従業員全体の公正な人事考課の実施と併せて、主要なポジションのサクセッションプラン、中核人材の具体的な活用・育成計画について議論しています。
業務に必要なスキルやノウハウを習得するために、各職場でのOJTに加えて、全社的な研修体系を整備しており、階層別研修のような人材育成計画に基づく選抜・指名制研修だけでなく、従業員一人ひとりが自らのキャリアを自律的に考え、会社としてキャリア形成を支援するような選択制の職種別研修も行っています。従業員一人当たりの研修費用は次のとおり推移しています。
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項目 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
|
従業員一人当たりの研修費 |
10,001円 |
18,223円 |
28,267円 |
また、資格取得に対する奨励手当や受験料補助を支給するとともに、特定の職掌を対象に保有資格を評価に反映させる人事考課制度を運用しています。
さらに、国内・海外への社費留学制度も定めており、今後も自律的なキャリア開発や自己研鑽を支援する仕組みを整備・強化していきます。
②人材の流動性
需要拡大に伴い生産体制を強化している当社の現況において、人材の採用・確保は、最重要課題の一つです。
新卒採用は研究開発や生産、分析部門を中心に、中途採用は事業戦略に基づいた人材の最適配置の観点で、採用しています。
生産部門の事業所では、地域的にも人材獲得競争が厳しい状況にありますが、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用といった採用手法も試みながら、継続して要員強化に努めています。
2020年度から2022年度までの採用実績は次のとおりです。
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項目 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
|
新卒採用人数 |
13人 |
12人 |
14人 |
|
中途採用人数 |
23 |
26 |
49 |
|
合計 |
36 |
38 |
63 |
人材の定着状況は、次のとおり推移しています。
・新卒入社3年目定着率
|
項目 |
2018年4月1日入社 |
2019年4月1日入社 |
2020年4月1日入社 |
|
新卒入社3年目定着率 |
83.3% |
61.9% |
100.0% |
・全従業員の平均勤続年数
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項目 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
|
平均勤続年数 |
12.9年 |
13.3年 |
12.8年 |
③人材の多様性
ライフサイエンス事業、電子材料事業に続く第三の柱となる新規事業の確立を推進している、事業部門横断組織である企画開発部門に所属する人材については、経験者採用と社内公募により配置しています。
中途採用に引き続き注力していく中で、多様な知・経験・価値観を取り入れることによる「知・経験のダイバーシティ&インクルージョン」を推進するとともに、社内公募など個人選択型HRMの仕組みを整備していくことにより、新たなイノベーションの創出に努めます。中途採用の割合は次のとおり推移しています。
|
項目 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
|
正規雇用労働者の中途採用比率 |
61% |
69% |
77% |
中期経営計画「FUSO VISION 2025」においては、「ダイバーシティ(多様性)の推進・意識改革」を目標として掲げ、従業員一人ひとりが、安心して長く働くことができる雇用環境の整備に取り組んでいます。
2021年度より2年間を対象期間とした一般事業主行動計画の達成状況は、次のとおりです。
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目標 |
2021年度 |
2022年度 |
達成状況 |
|
正社員に占める女性労働者の割合を17%以上にする |
16.4% |
17.6% |
達成 |
|
男性育児休業取得率を25%以上にする |
7.7% |
15.4% |
未達成 |
|
女性育児休業取得率100%を維持する |
100.0% |
100.0% |
達成 |
|
男性育児休業取得期間を5日以上にする |
45日 |
- (該当者なし) |
達成 |
|
女性育児休業取得期間を330日以上にする |
330.5日 |
356.0日 |
達成 |
在宅勤務制度、フレックスタイム勤務制度を運用し、多様な働き方の推進に取り組んでいます。働く場所や時間に係る柔軟性が高まったことがワークライフバランスの充実に寄与していると評価しています。一方で、研究開発部門や生産部門など、こうした勤務制度の適用が難しい部門があること、適用部門でも職場コミュニケーションに課題がある等の意見があるため、ワークライフバランス支援の観点から、引き続き、課題の把握と改善に取り組んでいきます。
④従業員エンゲージメント
従業員エンゲージメントに係る現状および課題を把握するための取組みのひとつとして、2022年3月にエンゲージメントに関する調査を実施しました。エンゲージメントについては、概ね肯定的な回答が多かったものの、中期的なキャリア開発支援には、もう一歩踏み込んだ取組みが必要であると考えています。
⑤健康・安全
メリハリのある就労環境は、健康で活き活きとした職場づくりの基本であると考えています。労働時間については、毎月実績をモニタリング・報告しています。年次有給休暇については、法定の取得義務を確実に履行するのみならず、義務日数を超えた取得の奨励を行っています。また、ストレスチェックをはじめ、保健師による保健指導、健康相談室の設置等により、従業員一人ひとりが健康に働くことができる環境を整備することに努めています。時間外労働時間、年次有給休暇の取得状況の推移は、次のとおりです。
|
項目 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
|
平均所定外労働時間 |
13.6時間 |
15.6時間 |
15.6時間 |
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平均年休取得日数 |
19.1日 |
19.3日 |
18.6日 |
|
平均年休付与日数 |
12.2日 |
12.5日 |
13.0日 |
|
平均年休取得率 |
63.7% |
65.1% |
70.1% |
(3)リスク管理
代表取締役を統括管理者としたリスクマネジメント委員会を設置し、緊急事態の対応のみならず、各事業におけるリスクの洗い出し、BCP体制、サイバーセキュリティの確認など、全社におけるリスクについて定期的に確認と見直しを実施しています。取締役会はリスクマネジメント委員会から提出を受けた報告書をもとにリスクの監視と評価を行い、次年度以降の対応計画を確認することにより、リスクマネジメントの取組みの決定と監督を行っています。
(4)指標及び目標
(気候変動に関するリスクおよび機会への取組み)
短期的には、原単位への取組みをさらに強化し、継続していきます。大型設備投資を計画していることから具体的な削減目標を出すことが難しく、次期中期経営計画の開始を予定する2026年度に向けた具体的な取組みを策定する方針です。中長期的には、原単位への取組みを継続するとともに、Scope3基準への管理体制を整備し、サプライチェーンを含むCO2の削減に向けて取り組むことを目指します。
(人材の多様性の確保を含む人材育成の方針および社内環境整備の方針)
当社は、2023年度からの3カ年を対象とした女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を策定しています。
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指標 |
目標 (2025年度) |
実績 (当事業年度) |
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正社員に占める女性労働者の割合 |
18%以上 |
17.6% |
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リーダー階層に占める女性労働者の割合 |
12%以上 |
10.7% |
|
男性の育児休業の取得率 |
10%以上 |
15.4% |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)市場動向の影響について
ライフサイエンス事業の製品は、加工食品・飲料等の食品分野が主な用途ですが、金属加工・コンクリート混和剤等の工業分野でも広く使用されています。食品分野では、比較的景気変動の影響は限定的と言われていますが、異常気象・自然災害等により需要が大きく変動する可能性があります。工業分野では、食品分野に比べ、景気変動の影響をより一層受けるリスクが存在します。また、どの用途においても、輸入品等の競合品との価格競争、国内外の市況の変動により販売価格、原価が影響を受ける可能性があります。そのため、ライフサイエンス事業の特定の会計期間の業績に影響を及ぼす可能性があります。
電子材料および機能性化学品事業は、半導体業界を中心に製品および商品を販売しており、その半導体業界の特徴として、好況・不況の景気の波が激しいことが挙げられます。そのため、半導体業界の景気変動の波を受けるリスクが存在し、当社グループの電子材料および機能性化学品事業の特定の会計期間の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(主なリスクへの対応・取り組み)
両事業とも、特定の分野・地域・ユーザーの依存度を分散するよう、新規用途を獲得するため積極的に情報収集・製品開発を行っています。特に、半導体業界は、短期的な景気の変動はあるものの、中長期的には成長が続くものと想定しています。その想定に沿って、短期的な不況に耐えうる財務体質の強化を目指しています。
(2)自然災害・事故災害の発生について
大規模地震等の自然災害、製造および研究設備等における事故が発生した場合には、生産および物流設備、情報機器(システムサーバー)、研究機器等への被害により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
上記リスクは、当社グループだけでなく、重要な取引先でも発生する可能性があり、サプライチェーンへの影響により、当社グループの業績に影響を与える可能性もあります。
(主なリスクへの対応・取り組み)
当社グループの生産および物流設備、情報機器(システムサーバー)、研究設備等が自然災害・事故災害に被災した場合は、当社グループで策定しているBCPの手続きにより、適切な情報収集・対応策を実施することで、最短での復旧を目指します。情報機器(システムサーバー)は、クラウド化による外部委託を推進しています。なお、感染症対策として、従業員の健康管理、テレワーク・時差出勤の推進、通勤手段の多様化への対応、勤務中の感染予防策の徹底等を周知し、実施しています。
また、重要な取引先で被害が発生した場合に備えて、仕入の複数購買等の施策をできる限り実施し、サプライチェーンの維持に努めています。
(3)技術革新の影響について
電子材料および機能性化学品事業の主要な納入先である半導体業界は技術革新の激しい業界であり、新規技術の開発・応用がなされた場合、市場が大きく変化する可能性があります。
(主なリスクへの対応・取り組み)
常に半導体業界の最先端の動向・情報を収集し、最先端の技術に対応した製品開発を行い、供給体制を構築しています。また、半導体研磨分野で培った技術を活かし、中空ナノシリカ、トナー市場向けナノパウダー等の製品で半導体以外の市場の開拓を進め、依存度を下げます。
(4)海外事業について
当社グループの事業は世界的に広がっており、当連結会計年度における海外売上高の連結売上高に占める比率は50.3%(北米16.7%、アジア31.2%、ヨーロッパ2.1%、その他0.3%)と海外向けの売上高の比率が年々高くなっています。
また、在外の連結子会社は、中国、米国およびタイに合わせて5社あり、子会社を通じて海外においても事業を行っています。海外市場で事業を行う際には、社会的・経済的なカントリーリスク、人事・労務問題の環境の相違、法令等の規制強化等、特有のリスクがあり、それらが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(主なリスクへの対応・取り組み)
各国固有のカントリーリスクがあり、それを全て無くすことは困難ですが、各子会社へ駐在員を派遣し、専門家、業界団体等を活用し、各種リスクが顕在化する前段階での情報収集を実施し、早期対応に努めます。
(5)原材料の調達について
当社グループの原材料の調達活動において、中国からの調達のウエイトが大きなものとなっています。このため、中国の社会経済情勢の影響を受けた際には、調達が困難となる可能性や調達価格が上昇する可能性があり、特定の会計期間における業績が影響を受ける可能性があります。
(主なリスクへの対応・取り組み)
中国以外の国からの調達も検討する等、分散化によりリスクの軽減を図っています。さらに、当社および現地法人を通じて、仕入れ先との協力関係を強化し、情報収集、早期の対応が可能な体制を構築しています。また、調達価格が上昇した場合は、各種コスト削減や収益構造の見直しに加え、販売価格の改定による対応も図っていきます。
(6)為替変動の影響について
(4)海外事業について(5)原材料の調達について、で記載のとおり、海外向けの売上高、海外からの仕入高、在外子会社の財務諸表の換算、また、在外子会社も現地通貨と取引通貨が違う場合、それぞれ為替相場の変動リスクがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(主なリスクへの対応・取り組み)
海外向けの売上高、海外からの仕入高のバランスをとることで、為替リスクの軽減を図っています。また、長期の販売契約を締結する際には、為替予約を利用して、仕入価格の固定化を図るなど、為替リスク軽減に努めています。
在外子会社の財務諸表を換算する際の為替リスクの回避は困難であり、海外子会社については、現地通貨での業績管理を行い、現地通貨ベースでの業績の向上を目指します。在外子会社が現地通貨以外の通貨で取引する場合は、基軸通貨である米ドルで取引を行い、為替の変動幅を最小限に抑えます。
(7)化学品に対する法規制について
世界的に環境問題に対する関心が高まる中、化学品への規制が強まる傾向にあります。このような状況下、当社グループの製品の製造・販売についても法律等により規制される可能性があります。
(主なリスクへの対応・取り組み)
国内外の化学品への規制について、当社・子会社において、常に動向を注視し、情報収集を行い、必要な場合、担当部門において専門家や業界団体の助言等を得て、早期の対応に努めています。
(8)知的財産権について
知的財産権の取得および利用については、常に当社グループのスケジュール通りとなる保証はなく、市場競争力に影響を及ぼす可能性があります。また、予期せぬ訴訟等の当事者になる可能性があり、その際には費用の発生や人的資源の投入を強いられる可能性があります。
(主なリスクへの対応・取り組み)
知的財産権やノウハウ等は、今後の事業展開や競争力に直結するため、非常に重要であると認識しています。これまで自社権利の取得、活用、保護、ならびに他社権利の尊重について各事業部で対応していましたが、その重要性を鑑み、2023年4月1日付で管理本部内に「法務知財室」を設置しました。今後は法務知財室の主導のもと、各事業部と協力して対応していきます。また、発明審査委員会を開催し、社内で知的財産権について情報共有を図り、適正な管理運用を行う体制を構築しています。
(9)製造物責任について
当社グループでは、製品が顧客であるユーザーで原料として使用される、BtoBと呼ばれる商流が大部分を占めており、当社グループの製品に問題等が発生した場合には、ユーザーから一般消費者向けの製品へも影響を与えるなど、影響の範囲が大きく広がる可能性があります。その結果、当社グループの業績に対して影響を与えるとともに、企業への信頼についても影響を受ける可能性があります。
(主なリスクへの対応・取り組み)
経営信条の一つに「信用を重んじ確実を旨とする」とあるとおり、メーカーとして品質・信頼の確保が重要であると認識し、行動規範に品質の維持、コンプライアンス活動の推進等必要な事項を定め、社内に周知徹底しています。
また、両事業とも品質保証部門に対する体制の強化を図り、当社グループの製商品に対する品質管理を行うとともに、国内外の関係部門、調達先等に関与し、工程管理による不良の低減等の品質保証活動を推進しています。
(10)設備投資計画について
当社グループは既存設備の更新だけでなく、新規設備投資等により事業の拡大を図っています。しかしながら、当社グループの製品に対する需要が期待どおりに推移しなかった場合は、生産設備の稼働率低下により、収益性が低下し、減損損失の計上・固定費の負担等、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。
(主なリスクへの対応・取り組み)
新規製造設備への投資決定の際に、ユーザーからの要望・市場調査を念入りに行う等、十分な検討を重ねて決定しています。
新規製造設備や設備更新の際は、省人化、省エネルギー化等、コストの最小化、効率化を推進した設備の導入を進め、稼働率の低下にも耐えうる企業体質を目指しています。
(11)棚卸資産について
(1)市場動向の影響について、で記載したとおり、景気変動の影響を受けた際に棚卸資産が大きく増加し、陳腐化することで、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、原料価格・為替の変動により棚卸資産の簿価が市場価格より高くなり、低価法が適用されると、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(主なリスクへの対応・取り組み)
適時、販売状況・販売計画を確認し、生産・購買と販売のバランスをとり、タイムリーに生産計画・購買計画を立案・修正し、実行しています。
また、原料価格を販売価格へ転嫁し、適切な利幅を維持出来るよう、契約の見直しを実施しています。
(12)情報セキュリティについて
コンピューターウイルスによる感染や外部からの不正アクセス等によって、営業機密や個人情報の漏洩が発生した場合には、取引先からの損害賠償請求や社会的信用の失墜により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(主なリスクへの対応・取り組み)
ファイアウォールの強化や監視ソフトの導入など、情報セキュリティの強化に日々努めています。
また、クラウド化による外部委託を推進するほか、社員に対してe-ラーニングを活用した情報セキュリティ教育を進めています。
(13)気候変動について
気候変動の直接的な影響として、自然災害の増加、甚大化が想定されます。このリスクに対しては、(2)自然災害・事故災害の発生について、で記載しています。その他に間接的な影響として、気候変動緩和策へ対応した結果、調達先および販売先が限定される可能性や、温暖化対策の施策によるコスト増加により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(主なリスクへの対応・取り組み)
環境規制や関連法規等を遵守した上で、気候変動などの環境問題への対応を課題として捉えています。省エネの推進、温暖化ガスの排出量の削減に努めるとともに、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)が提言しております4つの柱(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に沿って、気候変動が当社グループに与える影響を分析し、対策を実施しています。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、経済活動の正常化が進み回復傾向で推移しました。一方でウクライナ問題は長期化し、世界的にインフレは継続しています。また、中国経済の動向や欧米の利上げによる景気後退懸念、米国の銀行破綻による信用不安の拡大、経済安全保障リスクも高まり、経済への影響が懸念される状況が継続しています。日本経済においても、社会活動の制限解除により経済の持ち直しの動きが見られますが、物価上昇による消費動向の落ち込みが懸念されるほか、日銀の政策変更により今後の利上げによる景気後退懸念が高まるなど、依然として先行きは不透明な状況が継続しています。
当社の事業環境としましては、食品関連市場は底堅く推移しましたが、半導体市場においては中長期的な成長は見込まれるものの、足元ではメモリー市場を中心に落ち込みが顕在化し、関連する工業分野でも停滞の動きが見られました。
このような情勢下、当社グループは引き続き新型コロナウイルス感染症の感染対策を徹底したうえで事業の継続に注力するとともに、成長を維持するため、拡販・価格改定などの営業活動の強化、研究施設の拡充などの研究開発体制を強化し新製品開発に取り組みました。さらに、原料資材の安定確保、既存設備の維持・強化による供給体制の強化を進めると共にコストダウンや効率化を図りました。また、進行中の大型製造設備投資計画を推進し、さらなる供給体制の強化を進めています。加えて、就業環境や社内体制の整備等、ガバナンスの強化を推進し、経営基盤の一層の強化にも取り組みました。
a. 財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ3,265百万円増加し、55,344百万円となりました。これは主に、原料価格の上昇や円安の進行により、棚卸資産が増加したためです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ18,253百万円増加し、58,184百万円となりました。これは主に、鹿島事業所の超高純度コロイダルシリカ製造設備建設工事に係る建設仮勘定が増加したためです。
以上の結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ21,519百万円増加し、113,528百万円となりました。
(負債の部)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ9,241百万円増加し、23,908百万円となりました。これは主に、鹿島事業所の超高純度コロイダルシリカ製造設備建設工事に係る設備関係未払金が計上されたためです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ78百万円増加し、2,117百万円となりました。これは主に、退職給付に係る負債が増加したためです。
以上の結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ9,319百万円増加し、26,026百万円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ12,199百万円増加し、87,502百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものです。
b. 経営成績
当連結会計年度の売上高は68,459百万円(前連結会計年度比22.8%増、12,698百万円増)となりました。営業利益は18,930百万円(同25.9%増、3,895百万円増)、経常利益は19,740百万円(同27.3%増、4,230百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は14,129百万円(同29.7%増、3,239百万円増)となりました。
売上高、営業利益は、後述の各セグメントの要因により増収増益となりました。経常利益は、営業利益の増加に加え円安による為替差益が計上されたこと増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益計上の影響も加わり増益となりました。
当社グループの報告セグメントの業績は、次のとおりです。
(ライフサイエンス事業)
ライフサイエンス事業の業績は、外部顧客に対する売上高が37,803百万円(前連結会計年度比20.3%増、6,372百万円増)、営業利益は7,403百万円(同49.9%増、2,463百万円増)となりました。
主力製品のリンゴ酸の需要は、景気後退の影響はあるものの価格改定や円安の効果もあり売上高は増加しました。工業用途の製商品は、当連結会計年度下期より世界的な景気後退の影響が顕在化しつつあり、需要が落ち込みました。日本においては、原料価格の高騰は一時ほどではないものの前連結会計年度に比べ上昇しました。そのため販売価格が原料価格に連動する契約となっている製品の販売単価が上昇し、売上の増加要因となりました。輸入商品価格は当連結会計年度上期において高騰していましたが、下期には円安の影響があるものの急激に低下したため、適正な販売価格の改定を継続し、収益の維持に努めました。海外子会社においても、原料価格の高騰に対して価格改定を実施し、販売促進の取り組みによる売上増加、円安による円換算後の増加効果もあり、売上高は増加しました。その結果、セグメント全体の売上高は前連結会計年度を上回りました。営業利益は、世界的な原料価格の高騰、円安による輸入価格の上昇、エネルギー価格の上昇、物流費増加等のコストアップの影響があったものの、売上高の増加により、前連結会計年度を上回り増収増益となりました。
(電子材料および機能性化学品事業)
電子材料および機能性化学品事業全体の業績は、外部顧客に対する売上高が30,655百万円(前連結会計年度比26.0%増、6,326百万円増)、営業利益は13,394百万円(同15.3%増、1,782百万円増)となりました。
主力製品の超高純度コロイダルシリカは当連結会計年度下期に半導体市場停滞の影響を受けましたが、年間での需要は堅調に推移しました。また、半導体の微細化の進展により最先端分野での需要は増えており、採用も増加しています。さらに、原料価格の変動に対する販売価格改定や円安効果が売上高の増加要因となりました。加えて、在宅勤務の普及によるトナー需要減退の影響を受けていたナノパウダーの需要は回復し、セグメント全体の売上高は前連結会計年度を上回りました。営業利益は、原料価格やエネルギー価格の上昇が製造コストに大きく影響し、物流費を中心として販売費及び一般管理費も増加したものの、売上高の増加、増産によるコストダウン効果、生産設備に係る減価償却費の減少により、前連結会計年度を上回り増収増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益および減価償却費の発生により取得した資金を有形固定資産の取得、法人税等の支払、配当金の支払に充てた結果、前連結会計年度末に比べ1,109百万円減少し、22,350百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は、13,925百万円(前連結会計年度は10,199百万円の取得)となりました。これは主に、棚卸資産の増加および法人税等の支払いによる支出が発生しましたが、税金等調整前当期純利益および減価償却費による収入が発生したためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、13,417百万円(前連結会計年度は9,375百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が発生したためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、2,124百万円(前連結会計年度は2,882百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払いを行ったためです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比 |
|
ライフサイエンス |
31,807,534千円 |
34.9% |
|
電子材料および機能性化学品 |
36,238,967 |
27.3 |
|
合計 |
68,046,501 |
30.7 |
(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
b.受注実績
当社グループは、見込み生産を行っているため、受注高および受注残高を把握していません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比 |
|
ライフサイエンス |
37,803,853千円 |
20.3% |
|
電子材料および機能性化学品 |
30,655,539 |
26.0 |
|
合計 |
68,459,392 |
22.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
A社 |
5,928,602 |
10.6 |
- |
- |
|
FUJIFILM Electronic Materials Taiwan Co.,Ltd. |
- |
- |
9,006,874 |
13.2 |
3.当連結会計年度のA社に対する販売実績および前連結会計年度のFUJIFILM Electronics Materials Taiwan Co.,Ltd.に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しています。
4.A社との契約において秘密保持契約条項が存在するため、社名の公表は控えさせていただきます。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額および収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断および仮定を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断および仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っています。しかしながら、これらの見積り、判断および仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。
② 連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりです。
a. 経営成績等の状況
経営成績の分析
(ライフサイエンス事業)
「Ⅰ.果実酸コンビナート構想の実現」、「Ⅱ.生産体制の再構築及び設備増強」、「Ⅲ.次世代製品の早期戦列化」、「Ⅳ.FFAトップメーカーへの挑戦」の各テーマに取り組みました。
Ⅰ. 果実酸コンビナート構想の実現
2017年11月に鹿島事業所の承継を完了し、リンゴ酸、フマル酸の原料である無水マレイン酸から製品までの一貫生産体制が確立され、国内№1のフマル酸メーカーとなりました。2019年7月には、鹿島事業所にリンゴ酸新製造設備が竣工し、鹿島事業所と大阪工場の2拠点での供給体制が確立し、日本唯一のリンゴ酸メーカーとして体制が強化されました。
リンゴ酸においては、強化された供給力を背景に各国子会社、販売店と連携、関係を強化して海外でのシェア拡大に努めました。下期には工業用途において市場減速の影響がありましたが、成長著しい東南アジア市場、特に飲料メーカーでシェアは拡大したほか、欧米においては新規に獲得した顧客のシェア維持に努めました。
鹿島事業所で生産するフマル酸、無水マレイン酸も安定生産を継続しました。主原料であるベンゼン価格の高止まり、エネルギー価格の上昇、設備の維持費用の増加等コストアップ要因が発生しましたが、顧客とのコミュニケーションを密にし、価格フォーミュラの改定、シェア維持に努めました。
クエン酸類は、上期は調達価格が高騰しましたが、中国子会社の青島扶桑精製加工有限公司と連携し、安定供給に努めシェア維持を目指すとともに、価格の高騰に対しては価格改定を実施しました。下期は一転、価格が下落傾向となりましたが、適正な価格の改定に努めシェアを維持しました。
グルコン酸類は米国子会社PMP Fermentation Products, Inc.(以下PMP社)において安定供給体制を維持確立し、拡大する北米市場において成長分野での拡販、既存顧客との関係強化を目指しました。2022年度において北米市場は堅調に拡大し、フル生産を継続しましたが、需要が供給を上回って推移する状況のため、PMP社において設備増強を決定し、2023年度の稼働を目指し、設備投資を実施しています。
Ⅱ. 生産体制の再構築及び設備増強
大阪工場を西日本の主要工場として最適化、合理化を進めビジネス拡大を目指しています。新製品であるコート果実酸(油脂でコーティングした有機酸)の設備は2021年度に完成し稼働を開始しています。顧客の評価も進捗し、採用も進みました。生産性向上、衛生環境強化を目的に製剤類の製造を行う十三工場の機能を大阪工場へ集約するためのプラントは、2022年12月に完工しました。2023年度上期より生産を開始し、下期より十三工場より移行できるように進めています。引き続き生産体制の見直し、効率化を進め、供給力の強化、コストダウンに取り組みます。
Ⅲ. 次世代製品の早期戦列化
次世代の主力製品として、優れたコート性能をもち、様々な顧客ニーズへ対応したコート果実酸の開発および生産体制の確立を進めました。製造プラントは2021年度に完成し、クエン酸、リンゴ酸、ビタミンCのコート果実酸3品目を上市しました。国内外の顧客でサンプル評価が進捗し、採用も進みました。バイオスティミュラント(ストレスフリー製剤)については、ゴルフ場のグリーンの芝枯れ防止等で採用され、水稲、野菜等に対する効果の評価を継続しています。引き続き開発を継続し、拡販を行います。
Ⅳ. FFAトップメーカーへの挑戦
食品添加物製剤(Formulation of Food Additives) 、食品素材・食品添加物製剤(Formulation of Food Materials and Food Additives)、機能性食品素材・食品添加物(Functional Food Material and Food Additive)、 機能性果実酸(Functional Fruits Acid)の商品群をFFAと総称しています。Food Tech等の新技術の台頭、食の多様化、フードロス意識の高まり等、食品業界を取り巻く環境は変革期に突入しています。この変革をチャンスととらえ、当社の製品、設備、販売チャネル、技術等のリソースを有効活用してこの領域でのビジネス拡大を進め、目標として2025年度の売上3倍、利益2%アップを目指します。供給体制を確立したコート果実酸に加え、テクノアシッドA(粉末酢酸)、テクノアシッドF(易溶化フマル酸製剤)ランチフレッシュR/RW(米飯用製剤)ウェルドゥS(豆粉向け製剤)の開発を行い、サンプル評価では高い評価を受けています。今後も、開発、拡販を継続し、供給体制の確立を目指します。また、海外拠点において各国の食品事情に適した製品開発を進め、新製品の開発、拡販を行っています。中国上海において上海食品調味料開発センターを開設し、中国における調味料ビジネスの確立を進めました。引き続き外部研究機関との共同研究の推進、試験機器の導入により開発スピードを加速させ、各地域のニーズをキャッチした製品のラインナップを積み重ね、中長期で着実な成長につなげます。
ライフサイエンス事業の経営成績は、外部顧客に対する売上高は、前連結会計年度に比べ6,372百万円増加し37,803百万円となりました。営業利益は、前連結会計年度に比べ2,463百万円増加し、7,403百万円となりました。
販売数量面では、果実酸全般では、底堅く推移した食品市場を背景に安定した販売を維持しました。リンゴ酸は、国内販売は堅調に推移し、輸出は新規に獲得した顧客のシェア維持に努め、東南アジア、欧米市場の開拓を進めました。下期より工業用途(メッキ、洗浄剤)向けが市場減速の影響を受け、中国経済減速の影響を受けましたが、全般的には堅調に推移しました。コロナ禍の影響で海上輸送が混乱しましたが、グループの連携を密にして対応し、安定供給に努めました。
販売価格面では、原料価格は高止まりし、商品の仕入価格は上昇しましたが、顧客とのコミュニケーションを密にとり適切な価格改定を実施し対応しました。輸出や海外子会社の現地売上における円安の影響もあり、売上高は前年比増加しました。
営業利益は、原料、商品の仕入価格、エネルギー価格の上昇等のコストアップ要因はありましたが、価格改定、円安効果による売上増加により、前年比増加しました。
既存商品では国内外の市場で販売網の強化、拡大を図り、シェアの維持、拡大に努めるとともに、新商品の開発、拡販を進め、業績の拡大を目指します。
(電子材料および機能性化学品事業)
「Ⅰ.半導体研磨微細化への対応」、「Ⅱ.生産・研究・品質保証体制強化」、「Ⅲ.外部環境変化への迅速な対応」の各テーマに取り組みました。
Ⅰ.半導体研磨微細化への対応
半導体市況は、2022年度下期よりメモリー市場を中心に調整局面に入り、当社の売上にも影響が出始めました。しかし、半導体の10nm以下世代の最先端の製品の比率は高まり、半導体メーカー各社は設備投資を行っており、中長期では市場の成長が予測されています。当社も最先端分野への製品供給へ対応するため開発体制の強化、新設備建設、既存設備の効率化により供給力の強化を進めました。今後も顧客と綿密に連携し、微細化に対応した製品の開発、供給体制の強化を図ります。
Ⅱ.生産・研究・品質保証体制強化
拡大する半導体市場へ対応するため生産体制の強化を継続して進めています。鹿島事業所の新設備は2023年4月に完工し、試作を開始し、認定の作業を継続しています。京都事業所と鹿島事業所の2拠点生産体制が確立し、BCPの面でも生産体制が強化されました。2022年11月に新たに鹿島事業所に新設備の建設を決定し、2024年に完成予定の京都事業所の新設備、2025年完成予定の鹿島事業所の新設備が立ちあがると2022年度比約1.5倍の供給力を確保できます。今後も設備投資により供給力を増加させるとともに、品質、生産効率の向上を行い生産体制の強化を図ります。
半導体の微細化が進展していることに対応するため、研究体制の強化を継続して進めています。2022年7月に神戸に新研究拠点を開設し、京都事業所から移転しました。半導体の微細化に対応した研究開発を進めるとともに、立地や周辺環境を活かして新規領域への用途展開も企画しています。新規領域への研究開発拠点である東京研究所と2拠点体制で研究開発の深化を進めます。
鹿島事業所の設備の完成に対応して、品質保証体制の強化を進めました。新組織を立ち上げ、人員の拡充、分析機器の導入等の増加する供給能力に相応しい分析体制の構築を進めました。
引き続き、設備増強による供給能力の強化、半導体の微細化に対応した新製品開発のための研究開発体制の強化、高品質、供給能力を支えるための品質保証体制の強化を継続し、成長する半導体市場に対応していきます。
Ⅲ.外部環境変化への迅速な対応
2022年度はコロナ禍の影響が継続する一方で経済回復が進展し、外部環境が目まぐるしく変化する一年であり、物流、調達環境に大きな影響がありました。国際物流網は、コロナ禍の影響により混乱が継続し、物流コストも高騰しました。物流網の混乱に対しては、海上輸送の経由地変更等あらゆる手段を講じて安定供給に努めました。物流コストの高騰に対しては、効率化によりコスト吸収に努めましたが、顧客との協議のうえ一部は価格転嫁を行い対応しました。直近では混乱は収束しつつありますが、情報収集に努め、安定した供給体制の構築を進めます。
主原料である金属ケイ素は主供給地である中国のロックダウンや価格の高止まりの影響を受けましたが、在庫水準の引き上げや複数の購買ルートの確保等で安定調達に努めました。また、複数の原産国からの調達の検討を進め調達リスクの低減に努めています。その他の原料、副資材、電気、ガス等のエネルギーコストも上昇しており、効率化に努めるとともに、価格転嫁について交渉を行っています。
コロナ禍で落ち込んでいたトナー用途で使用されるナノパウダーの需要は回復しました。新製品である中空シリカの新規採用に向けた活動等、電子材料分野で培われたコア技術をベースに新規市場の開拓を進めました。
変化する外部環境に的確に対応して、増加する物量に対応した安定供給体制の構築を引き続き進めるとともに、新規市場開拓を行い、安定した事業体制の構築、業績の拡大を目指します。
電子材料および機能性化学品事業の経営成績は、外部顧客に対する売上高は前連結会計年度に比べ6,326百万円増加し、30,655百万円となりました。営業利益は前連結会計年度に比べ1,782百万円増加し、13,394百万円となりました。
販売数量面では、超高純度コロイダルシリカの需要は、下期からメモリー向け需要の減速の影響がありましたが、ロジック向けの影響は限定的で、最先端半導体向けは顕著な需要を維持し、年間通してみると堅調に推移しました。また、物流網の混乱から各社在庫水準を引き上げたことも需要の増加につながりました。特に上期から第3四半期にかけて生産計画を上回る需要に対し、フル生産を継続しつつ、効率化の推進、稼働日数の増加等生産量の増加に努め、需要に対応しました。トナー用途で使用されるナノパウダーも景気回復とともに需要も増加し販売数量が増加しました。
販売価格面では、主原料の価格の変動に対する製品価格改定の実施、新製品、高付加価値製品の販売増加、円安の影響により販売価格は上昇傾向で推移した結果、売上高は増加しました。
営業利益は、原料、副資材、エネルギー等の価格上昇がコストアップ要因となり、加えて物流費の増加、新設備立ち上げの準備費用等の販管費が増加しましたが、売上の増加の影響が大きく営業利益は、増加しました。
短期的には半導体の需要は調整局面にありますが、中長期的な成長は継続すると予測され、微細化の進展、需要の増加に対応した体制を構築する必要があります。引き続き、最先端分野へ対応した製品開発、供給能力の強化等、課題への対応を継続し、業績の拡大を目指します。
(売上高)
前述のとおり、前連結会計年度に比べライフサイエンス事業、電子材料および機能性化学品事業ともに増加したため、12,698百万円増加し、68,459百万円となりました。
(営業利益)
前述のとおり、前連結会計年度に比べライフサイエンス事業、電子材料および機能性化学品事業ともに増加したため、3,895百万円増加し、18,930百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ340百万円増加し、821百万円となりました。これは主に、受取利息の増加および、対ドル円安が進行したことによる為替差益の増加によるものです。営業外費用は、前連結会計年度に比べ5百万円増加し、12百万円となりました。これは主に、支払手数料および投資事業組合運用損が増加したためです。
上記要因により、経常利益は前連結会計年度に比べ4,230百万円増加し、19,740百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べ161百万円増加し、388百万円となりました。これは主に、政策保有株式の売却による投資有価証券売却益が増加したためです。特別損失は、前連結会計年度に比べ23百万円増加し、46百万円となりました。これは主に、減損損失が計上されたためです。法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額は、利益の増加により法人税等合計で前連結会計年度に比べ1,129百万円増加し、5,952百万円となりました。
経常利益の増加に加え、特別損失が増加したものの特別利益の増加の影響が大きく、税金等調整前当期純利益は増加しました。法人税等は増加しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて3,239百万円増加し、14,129百万円となりました。
財政状態の分析
財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりです。
キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b. 資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、棚卸資産の購入費用、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。運転資金の財源は、自己資金および金融機関からの短期借入等を基本としています。当連結会計年度は、新たな短期借入は行っておらず、当連結会計年度末に短期借入金の残高はありません。
投資を目的とした資金需要のうち主なものは、設備投資、事業買収等によるものです。投資資金の財源は主に、自己資金および金融機関からの長期借入等によります。当連結会計年度は、設備投資に対する資金に対し、新たな長期借入は行っておらず、当連結会計年度末に長期借入金の残高はありません。当連結会計年度に実施した設備投資に係る資金の財源は、自己資金を充当しています。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度における当社の最重要指標である「償却前営業利益」(営業利益に減価償却実施額を加えた金額)は、前連結会計年度に比べ3,780百万円増加し、23,268百万円となりました。
減価償却費は、両事業において前連結会計年度に比べ減少しました。ライフサイエンス事業における鹿島事業所のリンゴ酸設備投資は、稼働開始後3年が経過し、電子材料および機能性化学品事業における京都事業所の新設備も稼働開始から4年が経過したことが要因です。減価償却費が減少しましたが、営業利益が両事業で増加したため、全体で償却前営業利益が増加しました。
総資産回転率は0.66回で前連結会計年度から横ばいで推移しました。売上高が増加しましたが、総資産も増加したためです。
ROE(自己資本利益率)は17.4%で、前連結会計年度に比べて上昇しました(前連結会計年度は15.4%)。分母である純資産が利益の計上により増加しましたが、分子である親会社株主に帰属する当期純利益が、純資産の増加割合以上に増加したためです。今後、大型の設備投資計画に伴い、減価償却費の増加による一時的な利益の低下が想定されるものの、償却前営業利益の最大化を目指し、純資産は安全性とのバランスを考慮して、自己資本利益率の維持向上を目指します。
自己資本比率は77.1%で前連結会計年度より低下しましたが、水準以上の安全性は確保できています。利益の増加により純資産は増加しましたが、大型設備投資の開始に伴う設備関係未払金の増加や、利益増加に伴う未払法人税等の増加により負債が増加したため、自己資本比率は低下しました。今後も、増加が見込まれる需要に対応するため、継続的な設備投資や研究開発投資が成長の源泉であり、投資を継続するためにも、一定水準以上の純資産の厚みが必要であると考えています。
投資計画、配当政策を考慮して、効率性、収益性のより一層の向上を目指します。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、ライフサイエンス事業については新大阪事業所および東京研究所、電子材料および機能性化学品事業については神戸研究所および東京研究所を拠点としています。各拠点において、販売戦略ターゲットに対応し、海外子会社を含む営業関連部門や品質保証部門等との相互連携、ユーザーとの相互協力を図りながら、新規事業・製品の開発、技術開発情報の収集等を行いました。また、当社では各セグメントに配分できない研究開発活動を行っています。
当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は、次のとおりです。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
(1)ライフサイエンス事業
SDGsへの取り組み、健康意識の高まり、食の多様化といった食品業界を取り巻く大きな環境の変化をチャンスととらえ、当社の主力製品である各種有機酸を活かし、コート果実酸や食品添加物製剤といった機能性を有する商品の開発に引き続き注力しました。
既存の有機酸粒子の表面を油脂で均一にコーティングしたコート果実酸を開発し、大阪工場に設置した生産設備の活用により、市場増大が見込まれるグミ・キャンディーを始めとした製菓分野での販売量拡大を図りました。そして、健康食品など食生活の健康に関する部分で今以上に役立ちたいと考え、酸のダメージを受けやすい他成分への影響を軽減する、あるいは溶出のタイミングをコントロールして有機酸を腸に届けるといった機能の付与を、コーティング技術の応用により実現することを目指して取り組んでいます。
また、有機酸を種々組み合わせることによっても、これまでにない機能を付与できないか検討を進めました。そして、有機酸やその塩と酢酸とを組み合わせることで、通常では液体である酢酸を高濃度で粉末化できることや、フマル酸を他有機酸と組み合わせつつ加工を施すことにより、水に溶けにくいフマル酸の溶解性を改善できることなどを新たに見出すことができました。こういった技術を基にした有機酸の製剤により、有機酸を利用いただける新たな市場を創出すべく取り組みを継続してまいります。
一方で、SDGsへの取り組みの一環として、食品業界にとって避けては通れない食品ロスの問題に貢献していかなければなりません。種々の有機酸を組み合わせた製剤により、微生物による加工食品の腐敗・変敗を抑えることはもちろん、酸化防止能を有する有機酸の利用により、果物や野菜の褐変などの変質を抑えることでも活用いただけるよう商品の開発を進めました。そして、より効率よくその性能を発揮しながらも、酸味酸臭を低減して美味しさを保つことができるような有機酸関連商品の開発を継続して行い、米飯加工品用に特化した製剤などを上市しました。さらには、利用が十分に進んでいない食品資源の性能を補完できるよう、有機酸と食品素材などを組み合わせながら加工処理を施した機能的な素材の開発を進め、サステナブルな面にも配慮しながら食品ロス低減という社会課題に益々寄与していきたいと考えています。
なお、当連結会計年度の当セグメントにおける研究開発費は、
(2)電子材料および機能性化学品事業
シリコンウエハ研磨および半導体CMP研磨スラリー向けの超高純度コロイダルシリカ製品および新規用途向け応用製品の開発を行う新たな研究拠点として「神戸研究所」を立ち上げ、2022年7月から稼働を開始しました。それに伴い京都研究所の研究設備及び人員の神戸研究所へ移転を行い、東京研究所と共に新たな2拠点体制を整備しました。
研磨スラリー向けの超高純度コロイダルシリカ製品分野では、粒子サイズ、形状、濃度、表面状態、硬さ、粒度分布、粗大粒子数等を安定的かつ自在にコントロールする技術の発展に引き続き注力し、顧客ニーズにマッチした新製品の開発を行い、着実にシェアを伸ばしています。また、新たなコンセプトを導入した超高純度コロイダルシリカの開発が複数進行しており、一部は顧客へのサンプルワークやスケールアップへと進んでおります。このように、シングルナノ~オングストローム配線幅となる最新世代に向けた取り組みは順調に進んでおります。さらにより高度な技術が必要とされる新測定技術を採用した最新鋭分析装置の導入により、製品開発に大きく寄与しています。
製造技術については、半導体配線幅の急速な微細化に対応した高レベルの製造工程品質管理体制を継続的にブラッシュアップ、および最新鋭の機器を導入した新規ラインを高い水準で稼働しています。また、2020年11月に発表しました鹿島事業所への超高純度コロイダルシリカ製造設備投資は、計画通りに完成し、2023年4月より稼働を開始しています。さらに京都第二工場及び鹿島事業所への超高純度コロイダルシリカ製造設備の新規増設についても進行しており、これにより2025年度には、2022年度比約1.5倍の生産能力増強を達成し、旺盛な半導体業界の需要に迅速に対応していきます。
情報産業向けに上市しましたナノシリカ粉末製品の販売や顧客へのワークの継続と共に、新規用途向け応用開発品について、ビジネス獲得に向け技術要求に合わせた開発を東京研究所にて進めております。加えて神戸研究所においてコア技術をベースとした新規分野向け製品の拡充に向け、開発活動を開始しております。
当連結会計年度は、これら新規開発活動を支える開発環境の整備のため、新規開発拠点「神戸研究所」の整備と稼働を行い、最新鋭の実験装置・分析評価機器の複数導入、東京研究所も含めた研究開発投資および要員増を実施しました。
なお、当連結会計年度の当セグメントにおける研究開発費は、