第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクの内容について、重要な変更はありません。

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における経済環境は、欧米では高インフレは鈍化し、対応した金融引締め政策の転換時期が注目されています。このような環境下で、米国経済は個人消費が堅調で好調に推移しましたが、欧州経済の低迷は継続しました。中国経済は、不動産市場の低迷が続き、消費環境も厳しい状況が継続し、成長の鈍化が顕在化しています。ウクライナ問題の長期化や中東情勢の緊迫の課題もあり、世界経済の先行きは、予断を許さない状況が継続しています。日本経済は、コロナ禍から経済活動の正常化が進み、回復傾向で推移しましたが、インフレの継続、国内外の政治・経済の課題の影響が懸念され、先行き不透明な状況は継続しています。

このような情勢下、当社グループは成長を維持するため、営業活動を強化し、顧客やユーザーとのコミュニケーションを深め、新規顧客の開拓や販売価格の改定に努めました。また、鹿島事業所に完成した新規製造設備の立上げを着実に進めるとともに、既存設備の保全・強化を継続し、ユーザーの要望に応えるように供給力の整備拡大を図っています。さらに、研究開発体制を強化し、新製品開発の取り組みも加速させています。加えて、本社移転等の就業環境の改善や社内体制の整備を推進し、経営基盤の一層の強化にも取り組みました。

 

①  財政状態

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ11,597百万円増加し、125,126百万円となりました。これは主に、現金及び預金、商品及び製品、流動資産のその他に含まれている未収消費税、有形固定資産、無形固定資産が増加したためです。

負債については、前連結会計年度末に比べ7,208百万円増加し、33,234百万円となりました。これは主に、設備関係未払金、未払法人税等が減少しましたが、長期借入金が増加したためです。

純資産については、前連結会計年度末に比べ4,388百万円増加し、91,891百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加に加えて、円安により為替換算調整勘定が増加したためです。

②  経営成績

当第3四半期連結累計期間の売上高は43,135百万円(前年同期比18.0%減、9,499百万円減)となりました。営業利益は8,226百万円(同44.1%減、6,477百万円減)、経常利益は8,698百万円(同43.5%減、6,693百万円減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6,106百万円(同44.5%減、4,902百万円減)となりました。

売上高、営業利益は、後述の各セグメントの要因により減収減益となりました。経常利益は、営業利益の減少に加え、為替差益の減少、支払利息の計上により、減益となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、経常利益の減少に加え、投資有価証券売却益の減少、固定資産除却損の増加により、減益となりました。

当社グループの報告セグメントの業績は、次のとおりです。

(ライフサイエンス事業)

ライフサイエンス事業全体の業績は、外部顧客に対する売上高が25,847百万円(前年同期比10.6%減、3,058百万円減)、営業利益は4,705百万円(同13.1%減、711百万円減)となりました。

国内食品用途の需要は底堅く推移しているものの、工業品や日用品用途の需要減退により果実酸の国内販売が影響を受けました。海外市場は、欧州経済の低迷の影響が顕在化し需要が大きく落ち込んで推移し、リンゴ酸の海外販売が影響を受け減少しました。円安による売上高増加の効果はあるものの、コロナ禍の物流の混乱による世界的な在庫増加の反動の影響もあり、売上高は前四半期連結累計期間を下回りました。営業利益も継続して取り組んでいる販売価格の改定の効果はあるものの、売上高減少の影響に加え、生産調整や新設備の稼働による減価償却費の増加、円安による輸入価格上昇、エネルギー価格上昇等のコストアップ要因もあり、前四半期連結累計期間を下回り、減収減益となりました。

 

(電子材料および機能性化学品事業)

電子材料および機能性化学品事業全体の業績は、外部顧客に対する売上高が17,287百万円(前年同期比27.1%減、6,440百万円減)、営業利益は5,043百万円(同52.7%減、5,621百万円減)となりました。

半導体市場は、在庫調整は一巡し需要の減少は底を打った感があるものの、回復までには至らず低迷して推移しました。主力製品である超高純度コロイダルシリカの売上高は、コストアップ要因に対する販売価格改定や円安効果等の増加要因はありますが、低迷する半導体市場の影響を受け、前四半期連結累計期間を下回りました。在宅勤務の普及によるトナー需要減退の影響を受けていたナノパウダーの売上高は増加しましたが、セグメント全体の売上高は、前四半期連結累計期間を下回りました。営業利益も、円安の効果はあるものの、売上高の減少に加え、鹿島事業所の新設備の本稼働に伴う減価償却費や立ち上げに係る費用の増加、エネルギー価格の上昇、生産調整による稼働率低下によるコストアップの影響もあり、前四半期連結累計期間を下回り減収減益となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、長期借入金による収入、税金等調整前四半期純利益および減価償却費の発生により取得した資金を、有形固定資産の取得、法人税等の支払、配当金の支払に充てた結果、前連結会計年度末に比べ922百万円減少し、21,428百万円となりました。

当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果取得した資金は1,129百万円(前年同期は7,223百万円の取得)となりました。これは主に、法人税等の支払いに対して、税金等調整前四半期純利益による収入及び減価償却費の発生による収入があったためです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は20,263百万円(前年同期は12,506百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が発生したためです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果取得した資金は17,677百万円(前年同期は2,119百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入があったためです。

(3)経営方針・経営環境等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営環境等に重要な変更はありません。

(4)事業上および財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は626百万円です。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(6)重要な設備

前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設等のうち、当第3四半期連結累計期間に完了したものは次のとおりです。

会社名

事業所

(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

投資予定額

資金調達方法

着手

(年月)

完了

(年月)

総額

(百万円)

既支払額

(百万円)

扶桑化学工業㈱

鹿島事業所

(茨城県神栖市)

電子材料および機能性化学品事業

超高純度コロイダルシリカ製造設備および付帯設備

19,768

(注)2

17,803

(注)1

自己資金

2021年8月

2023年4月

(注)3

また、当第3四半期連結累計期間に変更があったものは次のとおりです。

会社名

事業所

(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

投資予定額

資金調達方法

着手及び完了予定

総額

(百万円)

既支払額

(百万円)

着手

(年月)

完了

(年月)

扶桑化学工業㈱

京都事業所

(京都府福知山市)

電子材料および機能性化学品事業

超高純度コロイダルシリカ製造設備および付帯設備

10,000

 

5,077

(注)1

自己資金

2022年8月

2024年9月

(注)4

扶桑化学工業㈱

鹿島事業所

(茨城県神栖市)

電子材料および機能性化学品事業

超高純度コロイダルシリカ製造設備および付帯設備

20,000

6,149

(注)1

借入金

2023年9月

2025年7月

(注)1.既支払額を変更しています。

2.当初予定総額18,000百万円から変更しています。

3.製造設備は2023年4月に完成し、2023年8月より本稼働を開始しました。

4.当初予定完了時期2024年4月から変更しています。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結はありません。