(1)業績
当連結会計年度における我が国の経済は、円安・株高を背景に、企業収益や雇用情勢が緩やかに回復してまいり
ました。しかしながら、国内においては、円安に伴う物価上昇によって、消費意欲の本格的な回復には未だ道半ば
であることや、海外においては、長期にわたる原油安に起因する資源国の経済停滞など、先行きが不透明な状況が
継続しております。
このような経済状況の下で、当社グループ(当社及び連結子会社7社)は、「生活文化創造企業」の経営理念の下、各事業において、お客様に長く愛される製品・サービスの創出を目指して営業活動に努めてまいりました。その結果、当連結会計年度の業績は売上高22,052百万円(前年同期比3.3%増)、営業利益2,250百万円(同28.6%増)、経常利益2,439百万円(同25.5%増)、投資有価証券の売却益があったことにより親会社株主に帰属する当期純利益は1,774百万円(同88.2%増)となりました。
報告セグメントごとの営業の業績は次の通りであります。
(ファインケミカル)
当事業を取り巻く環境において、主要得意先では業態を超えた販売競争や購買手法の多様化による来店客数の低
迷により、厳しい中での活動となりました。そのような中、当社の国内消費者向け製品販売におきましては、堅調
に推移しました。
自動車ボディお手入れ製品は、市場に根付く商品を育てることを目指したモノ創りを進め、店頭での訴求方法に
工夫を加え、販売を伸ばすとともに、当期は、暖冬による洗車需要の早期高まりを見据え、春の新製品を早期立ち
上げ、導入強化を進めたことによって、かろうじて前期を上回る結果となりましたが、目標達成には至らず、課題を残しました。
ガラスお手入れ製品は、主力の『ガラコ』シリーズにおいて、10月に発売したガラス以外の透明樹脂部品にも使
用できる新製品の販売及び企画品導入が好調に推移したことや、ワイパー販売において得意先との取り組み強化
が進み、高単価のワイパーブレード本体の販売が増加したことよって、前期を上回る結果となりました。
補修製品は当社の提案する軽補修ニーズ対応の売り場作りが得意先に浸透・拡大したことにより、前期を上回る
結果となりました。これらの結果、国内消費者向け製品販売は、前期を上回る結果となりました。
業務用製品販売におきましては、エコカーの一部に好調な販売があったものの、新車販売台数は前年割れが続き
厳しい環境となりましたが、自動車販売現場へのアプローチを継続し、新規開拓を進めた結果、自社ブランドのコ
ーティング剤『G’ZOX』の販売が伸長したこと、またOEM販売の受注増加や、自動車以外の屋外設置物への
コーティングなど新分野の販売が増加したことによって、前期を上回る結果となりました。
家庭用製品販売におきましては、インフルエンザや花粉対策によるマスク着用が広く浸透したことにより、メガ
ネの曇り止め関連製品の需要が増加、当社メガネケア製品の販売企画採用が小売店を中心に定着し、販売を伸ばし
たことよって、前期を上回る結果となりました。
海外向け販売におきましては、ロシアや東南アジアなどの資源国における経済の減速が進み、中国においても経
済成長の鈍化が見られるなど各仕向け先における経済停滞が長期化するリスクが高まる中での活動となりました。
中国においては、株式・不動産投資の低迷が続いておりますが、一般消費への影響は現時点では少なく、eコマー
スなど新たな販売分野において消費の拡大が見られました。そのような中、日本からの輸出においてはガラスお手
入れ製品、特に撥水剤を中心に出荷が増加しました。また上海現地法人からの中国国内向け出荷も順調に推移した
ことによって、輸出、現地出荷ともに前期を上回る結果となりました。
東アジアにおいては台湾で現地代理店との取り組み強化によってガラスお手入れ製品を中心に出荷が伸長したも
のの、韓国向け出荷が年度後半に大きく落ち込み、前期を下回る結果となりました。
東南アジアにおいては、政情不安の影響によりタイ向け出荷が減少、またマレーシア、インドネシアにおいても
原油安による景気停滞の影響により出荷に落ち込みが見られました。一方でミャンマー向け出荷は、市場の拡大と
ともに伸びたものの、これらをカバーするには至らず、前期を下回る結果となりました。
ロシアにおいては、長引く経済制裁と原油価格下落による景気低迷により、低廉な消耗品の出荷が落ち込む中、
代わりに高付加価値の製品を強化し、落ち込みのカバーを目指しましたが、前期を下回る結果となりました。
これらの結果、海外向け販売全体では前期を下回る結果となりました。
TPMS(タイヤ空気圧監視装置)の企画・開発・販売事業におきましては、安全意識の高まりを受けて、トラ
ック向け販売の新規開拓の増加に加えて既存顧客からのリピート受注が始まったこと、またOEMの受注がまとま
ったことにより販売が増加しました。また、平成27年1月よりグループ会社となったため、当期より売上高が通年
で計上されるようになったことが寄与しております。
これらの結果、当連結会計年度におけるファインケミカル事業部門は、国内営業部門の売上が好調に推移し、売上高は10,690百万円(前年同期比3.3%増)となりました。また、前期発生した新製品拡販のために増加した
広告宣伝費が当期は平常水準となったことや海外販売における高付加価値製品の販売強化で粗利ミックスが変化し
たことにより、営業利益は1,225百万円(同31.6%増)となりました。
(ポーラスマテリアル)
産業資材部門におきましては、国内販売において、新用途の開拓に注力し、顧客の細かいニーズへの対応を強化したことで売上の底上げが図れたことや、医療用途の本格的な展開が加わったこと、合わせて半導体業界の復調により主力の洗浄用製品の販売が増加したことにより、前期を上回る結果となりました。
海外販売においては、HDD向け製品は、販売が落ち込んだものの、半導体向け洗浄用製品が業界の復調により
販売が増加したことによって、前期を上回る結果となりました。
生活資材部門におきましては、国内販売において代理店との取り組み強化により、車用製品の販売が増加したこ
とや流通チャネルの精査・店頭活動強化により車用製品以外の販売増加につながったことによって、前期を上回り
ました。
海外販売においては、主にアメリカやインドネシア向け販売が好調に推移したことによって、前期を上回る結果となりました。
これらの結果、当連結会計年度におけるポーラスマテリアル事業部門の売上高は4,909百万円(同5.8%増)とな
り、営業利益は、売上高の増加よる工場の好調な稼働が原価率改善につながったことによって649百万円(同27.6%
増)となりました。
(サービス)
自動車整備・鈑金事業におきましては、損害保険を利用した修理需要が低迷する中、入庫促進に向けてのキャン
ペーンを実施し、前年同水準を維持することに努めるとともに、新規顧客の開拓による自動車販売現場からの入庫
増加やカーラッピング、プロテクションフィルムを始めとする美装サービスも販売を伸ばしたことによって、前期
を上回る結果となりました。
自動車教習事業におきましては、普通自動車教習は昨年の増税に伴う駆け込み需要が落ち着いたことで、通常稼
働となりましたが、単価の高い大型車教習にシフトしたことにより、全体の稼働が向上したことによって、前期を
上回る結果となりました。
生活用品企画販売事業におきましては、主力の生協向け販売において、企画採用数とヒット商品の増加により販
売が増加したことや、大口受注がまとまったことなどにより好調に推移しました。また、インターネット販売にお
いても、自社サイトの好調な販売や得意先への出荷を伸ばしたことで前期を上回る実績となりました。
これらの結果、当連結会計年度におけるサービス事業部門の売上高は4,983百万円(同1.8%増)となり、営業利
益は、利益率の高い生活用品企画販売事業の販売が伸長したことに加え、経費が前年並みに推移したことによっ
て、102百万円(同33.4%増)となりました。
(不動産関連)
不動産賃貸事業におきましては、当社が保有する不動産の稼働率向上により前期を上回る結果となりました。
温浴事業におきましては、季節に合わせたイベントや旬の食材をメニューに盛り込むことによって来店客数を伸
ばしてまいりましたが、年度後半から、一部店舗での設備故障に伴って来店客数が減少したことにより、前期を下
回る結果となりました。
介護予防支援事業におきましては、引き続き利用者拡大に努めております。
これらの結果、当連結会計年度における不動産関連事業部門の売上高は1,468百万円(同0.6%増)となり、営業
利益は、260百万円(同17.6%増)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、税金等調整前当期純利益が
2,674百万円(前年同期比58.2%増)、減価償却費692百万円、法人税等の支払額662百万円、有形固定資産の取得に
よる支出444百万円、有価証券及び投資有価証券の取得による支出1,807百万円、有価証券及び投資有価証券の売
却・償還による収入2,186百万円、配当金の支払額383百万円などにより前連結会計年度末に比べ1,985百万円増加
(前年同期は1,228百万円の増加)し、14,049百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、2,330百万円(前年同期は2,097百万円の流入)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益2,674百万円、減価償却費692百万円となり、売上債権が291百万円増加した
ことや、利息及び配当金の受取額が117百万円、法人税等の支払額662百万円などの要因により、2,330百万円の資本
流入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、35百万円(同442百万円の支出)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出444百万円、有価証券及び投資有価証券の取得による支出1,807百万
円、有価証券及び投資有価証券の売却・償還による収入2,186百万円などを要因としております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、308百万円(同429百万円の支出)となりました。
これは主に配当金の支払額383百万円と、「従業員持株会支援信託ESOP」の導入に伴う長期借入れによる収入
166百万円を要因としております。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
ファインケミカル (千円) |
9,867,531 |
98.6 |
|
ポーラスマテリアル (千円) |
4,567,774 |
106.2 |
|
合計(千円) |
14,435,306 |
100.9 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.サービス、不動産関連事業部門については、生産活動を伴わないため、記載しておりません。
(2)受注状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
ファインケミカル (千円) |
10,690,619 |
103.3 |
|
ポーラスマテリアル (千円) |
4,909,858 |
105.8 |
|
サービス (千円) |
4,983,763 |
101.8 |
|
不動産関連 (千円) |
1,468,731 |
100.6 |
|
合計(千円) |
22,052,973 |
103.3 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、グループ共通の経営理念を創業以来掲げてきた「生活文化創造企業」とし、グループ全ての事業において、この共通理念の下、営業活動に取り組んでおります。
また、当社は平成26年4月に中期経営計画「SOFT99 Drive」を策定いたしました。この中期経営計画では、経営ビジョンとして、前中期経営計画において掲げた「未来の『あたりまえ』を発見する」を引き続いて掲げ、当社グループは、この経営理念及び経営ビジョンのもと、各事業部門において「お客様に長く愛される」「いつもお客様のライフスタイルのそばにある」製品やサービスを提供し続けてまいります。
中期経営計画「SOFT99 Drive」の基本方針は下記の通りです。
①成熟市場(国内・先進国)に向けた、新しい高付加価値製品・サービスを提供
②成長市場(新興国)に積極的に参入し、事業の拡大をはかる
③未来の『あたりまえ』を発見するため、新技術・サービスノウハウ蓄積と新用途開発の推進
④社会の要請に応え、正当な評価を受ける企業集団を目指す
(ファインケミカル)
一般消費者向けのカー用品につきましては、自動車用ケミカル用品のリーディングカンパニーとしての強みを生かし、成熟した国内市場において、より高付加価値な製品を継続的に市場に投入し続けてまいります。自動車ボディお手入れ製品においては、新しい切り口の製品の投入を継続し、今までにない顧客体験の提供により消費者の支持を得るとともに、新たな顧客層の開拓による新市場の創出を目指します。ガラスお手入れ製品では、近年市場シェアを大きく伸ばした『ガラコワイパー』の拡販に加え、トップブランドである『ガラコ』シリーズへの新製品投入により、より強固な収益基盤の構築を目指します。また、車内アメニティ分野進出においては、女性ドライバー向けアイテムのラインナップ強化を図り、販売拡大に努めるとともに、多様化する消費者のニーズや購買行動へ応えるべく、新たなカー用品販売チャネルの開拓による販路の拡大に取り組んでまいります。
業務用のカー用品につきましては、自動車販売現場への営業活動を強化するとともに、コーティング剤の更なる性能向上とコーティング周辺分野の製品拡充による販売拡大を図ります。更には、表面改質処理システム『フレイムボンド』を活用することで、自動車関連市場以外の異業種においても新用途開発と販売拡大を目指します。
家庭用品につきましては、メガネのお手入れ用品市場の確立を目指して、家庭用品卸ルートを中心に、『メガネのシャンプー』シリーズの販売拡大を図るとともに、メガネお手入れ製品の周辺製品開発を進めてまいります。
また、カー用品販売ルートの得意先とのパイプを活かした家庭用DIY補修製品の新たな展開や、メガネお手入れ用品に続く特徴のある新製品の開発により、ニッチ分野での市場ポジション確立と業容拡大を目指します。
海外販売につきましては、これまでに販売ルートを構築してきた各仕向け先に向けての製品開発体制をより一層強化し、更なる業容の拡大を目指します。その中で、中国においては、現地法人と一体となった営業体制のより一層の強化と製品開発のスピードアップにより、市場への更なる浸透を図ります。東アジア・東南アジア及びロシア市場においては、現地代理店との連携強化を継続し、販売の拡大を図るとともに、高付加価値製品の販売
強化を行い、利益改善を進めてまいります。
新規仕向け先開拓においては、ヨーロッパへ販路を開拓するなど市況の変化を施策の柔軟な対応でカバーしてまいります。
TPMS(Tire Pressure Monitoring System:タイヤ空気圧監視装置)につきましては、主に運輸運送関連企業向けに、タイヤトラブル予防と燃費悪化防止およびタイヤ交換に係るコストダウンにつながるTPMS活用ソリューションの提案を行います。また、乗用車向けTPMSアフターパーツの提供や他社向けOEM製品の提供等を通じて、日本国内におけるTPMSの認知向上と市場拡大を目指します。
(ポーラスマテリアル)
産業資材分野におきましては、現在の主要用途である半導体・液晶・HDD製造装置向けの消耗部材等、既存ハイテク分野における洗浄・研磨の性能向上による市場シェア拡大と合わせて、更に高い技術力を必要とする最新ハイテク分野への用途展開を推進します。また、医療用途やスワブ等、PVA素材を活用した液体吸収ニーズへの対応を進めるとともに、新たな顧客層開拓を目指します。
生活資材分野におきましては、ファインケミカル事業との製品開発ノウハウの相互活用により、自動車・キッチン・ペット等の各種生活関連分野において、継続的な新製品投入と海外新市場へのアプローチを積極的に進めてまいります。
(サービス・不動産関連)
①オートサービス事業
オートサービス事業では、首都圏エリアを中心に整備・鈑金塗装市場の新規顧客獲得に努めます。また損害保険の料率改定の影響により、保険会社からの鈑金修理の紹介入庫が減少傾向にある中、新たな収益源の構築のため、自動車プロテクションフィルムやラッピングフィルムを使用した新美装サービスメニューの更なる拡充や物販強化、車両買取などを通して既存得意先との取り組み強化と新たな顧客層開拓を図ります。
②生活用品企画販売事業
主要得意先である生活協同組合(生協)向け販売が縮小する中、カタログ通販・量販向け卸・インターネット通販等の新たな販売チャネル開拓とこれに合わせた商品開発や企画提案を進めており、この流れをさらに加速させてまいります。また、拡大を続けるeコマース市場への取り組みとして、現在はグループ各社で運営しているインターネット販売のノウハウを本事業へ集約・蓄積しながら、この分野での販売拡大を目指してまいります。
③自動車教習事業
自動車教習事業は経営資源の最適化による効率的な運営を目指すため、大型免許や企業の安全運転講習などのメニューを充実して、繁閑を最小限にする事に取り組みます。また、現在進めている法人向け講習メニューの拡充を加速し、運転適性診断認定などの新たなサービスの提供による細やかな顧客ニーズへの対応を行ってまいります。
④不動産賃貸事業・温浴事業・介護予防支援事業
不動産賃貸事業においては、現在当社が保有する物件の稼働率維持向上を目指します。温浴事業については、引き続きサービスの向上と飲食メニューの拡充により、顧客満足度を高め、地域のやすらぎコミュニティづくりに努めてまいります。介護予防支援事業につきましては、地域に根差したリハビリ特化型デイサービスの定着を目指し、理学療法士の指導による高品質で安定したサービスの提供を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①市場変動による業績への影響
当社グループは、ファインケミカル事業部門において、一般消費者向け自動車ケミカル用品の製造販売を行っております。一般消費者向けケミカル用品の一部の製品については、市場内でのシェアが高いことから、市場の拡大や縮小による業績への影響を受けやすく、売上高及び利益面において下降する懸念があります。
また、当社グループは、ポーラスマテリアル事業において、主として半導体・液晶・HDD製造装置向け消耗品の製品販売を行っております。これらの製品は、国内外において性能面及び価格面において他社との競争が激化しており、競合品の台頭により主要得意先の販売が下落し、売上高及び利益面において下降する懸念があります。
②特定の市場への依存度について
当社グループは、「自動車」に関わる事業の売上構成比が高く、自動車関連産業の市況や制度の変更により業績に影響が出る可能性があります。ファインケミカル事業においては、自動車販売時に施工されるコーティング剤等の業務用製品の販売を行っておりますが、これら製品の販売は、自動車販売の増減に影響されることから、売上高や利益面において極端に浮沈する可能性があります。そして、自動車関連サービス事業においても、自動車に関連する産業の市況の影響により、売上高や利益面において下降する懸念があります。
また、当社グループは、ポーラスマテリアル事業部門において、半導体業界向けの洗浄材及び研磨材の製造販売を行っております。半導体業界は、製品技術の進歩が速く、また業界を構成する企業の合併等の業界再編・市場再編が頻繁に行われるため、技術の切り替えや企業再編のタイミングにおいて需給調整が行われます。このような需給調整が行われることや、海外メーカーとの価格競争が激化することで、ポーラスマテリアル事業部門の売上高や利益面が極端に下降するため、当社グループの売上高や利益面において下降する懸念があります。
③石油加工品の原材料への依存度について
当社グループが提供する製品は、原材料及び容器等に合成樹脂や溶剤等を多く使用しており、石油加工品への依存度が高くなっております。このような事業構造のため、災害等により原材料の調達が不可能になった場合、中長期にわたって一部の製品供給が不可能になることや、原油価格の上昇により原材料の調達コストが上昇し、売上高や利益面において下降する懸念があります。
④製造物責任について
当社グループが提供する、製品・サービスにおいて、欠陥が生じるリスクがあります。製造物責任賠償やリコール等が発生した場合は、当社グループのブランド価値低下を招くとともに、多額の費用負担が発生する可能性があります。
⑤季節商材の返品による業績への影響について
当社グループは、ファインケミカル事業において、冬季商材であるタイヤチェーンの販売を行っております。この製品は天候により消費者の購買行動が変動しやすいため、気象の変動により販売が影響を受ける可能性があります。また、販売時期経過後の返品により、利益面において下降する懸念があります。天候要因による当社グループの影響を事前に予測することは困難であります。
⑥海外事業について
当社グループは、ファインケミカル事業において、拡大する海外市場への展開を進めており、展開する国や地域
において政治的・経済的・社会的不安定要素や、法律の改正、為替相場の変動、知的財産に関する問題等により販
売面で影響を受け、売上高や利益面において下降する懸念があります。
またポーラスマテリアル事業において、海外の売上構成比が高く、生産現場がある仕向け先において、政治的・
経済的・社会的不安定要素や法律の改正、為替相場の変動、知的財産に関する問題等により販売面で影響を受け、売上高や利益面において下降する懸念があります。
該当事項はありません。
当社グループは多様化、高度化、精密化した顧客ニーズに対応していくため、ファインケミカル事業部門とポーラスマテリアル事業部門にて製品の研究開発を進めております。
当連結会計年度における各事業別の研究開発活動の状況及び研究開発費の金額は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、544百万円であります。
(ファインケミカル)
当事業における当連結会計年度の研究開発費は326百万円となっております。
主な研究成果は次のとおりであります。
自動車ボディ・ガラス
①コーティング施工車専用ワックス
新車販売時にコーティングする車両の増加とそのメンテナンスのニーズに応えるとともに、環境にもやさしい製品を目指し、石油系溶剤を使用しない新規固形化技術を用いて、自動車販売ディーラーなどで施工されているボディコーティングを使用した車両に使用してもコーティング皮膜への影響を問題のないレベルに抑え、かつ従来の油性固形ワックスと同等以上の性能を発揮する塗り込み式水性ワックスを開発いたしました。
②ガラコブレイヴ
自動車軽量化を目的としたガラスに代わる素材として、今後自動車の製造において、透明樹脂の採用が増えることを見込み、ガラスはもちろん今まで使用できなかった透明樹脂にも強力な撥水コーティングができる製品として開発いたしました。
当連結会計年度において、国内特許3件を出願しており、国内出願特許2件が登録になりました。
当事業の研究開発活動は合計12名で行っております。
(ポーラスマテリアル)
当事業における当連結会計年度の研究開発費は213百万円となっております。
主な研究成果は次のとおりであります。
①新規多孔質体
工業用スワブ「ピオラスストランド」としてソフト、ハードの2種類、外径φ5、φ3mmのストランドを開発、展示会に軸付サンプルを展示しました。ユーザーからの反応を参考に更なる改善、改良を進めていきます。また、新たなニーズを取り込むためにシート状等の異形状品の開発も進めています。
②電池関連材料
大学と共同で進めているPVA/フェノール多孔質体を前駆体とした電気二重層キャパシタ用電極材料の開発においては、大学の紹介で新たな開発パートナーを得て、シームレス活性炭電極材を実用化サイズで性能評価しております。これまで得られた知見を基に実用化サイズの電極材の試作条件の検討を進めています。
③メディカル関連
体外診断薬キット部品として、新たに2社で採用になったほか、新規検査装置の部品としての採用も決まり、徐々にではありますが、用途が広がってきております。また電子線照射時のホルムアルデヒド溶出については、包装方法で低減が出来ることを見出し、特許出願いたしました。また、新たに消毒薬塗布具の塗布材料としての採用が決まり、平成28年2月より出荷を開始しました。
④新規研磨材
HDDに搭載するハードディスクの多層化でユーザーから提示された研磨性能も参考に次世代AL-MD用砥石の開発を続けております。
サファイア基板研磨用定盤については、昨年度末実施した外部機関での実装実験を参考に小型両面研磨機での内部評価を可能としました。課題としていた研磨レートの維持とドレス後の研磨レート復元については、処方変更で解決の目途が立ったことによって、再度、外部機関での実装実験に向けた準備に入りました。
⑤半導体向け洗浄部材
洗浄性能の向上策として、これまで提案してきたSofterタイプ、MSタイプが本格採用となり量産レベルに移行いたしました。もうひとつの課題である初期立ち上げ時間(Break-in時間)の短縮に対して提案してきた芯挿入後の通水洗浄については、残念ながらユーザーで改善効果が認められませんでした。そこで別途進めていた芯挿入後の薬液処理品を外部評価機関で評価を行い、その有効性を確認しました。そのデータを基に各社向けのプレゼン資料を作成し、紹介を開始しました。
⑥生活資材
生活資材用途では、年末商戦向けに「汚れ落としシリーズ」プロ用として「鏡・ガラス用」、「陶器タイル用」
「人工大理石・樹脂用」の3用途で「荒目」「中目」「細目」の3種類、計9種類の上市をしました。
外部の工業デザイナーを起用したブランディング活動ではデザイナーより提案された内容から2品種、2デザインの計4種類を選定し、来秋の展示会を目標に進めております。ブランドロゴ、ブランドメッセージの作成に入るとともに商品についても形状、色の使用をより具体化し、試作を続けてまいります。
当連結会計年度において、特許出願は国内外で3件、登録は国内外で2件、実用新案出願が国内で2件でした。
当事業の研究開発活動は合計19名で行っております。
(1)財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、20,909百万円(前連結会計年度末は19,331百万円)となり、1,577
百万円増加しました。これは主に、投資有価証券の売却などにより現金及び預金が1,998百万円増加したことや有価
証券が699百万円減少したことなどによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、28,507百万円(前連結会計年度末は28,736百万円)となり、229百
万円減少しました。これは主に、建物及び構築物の償却が進んだことなどにより有形固定資産が194百万円減少した
ことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、3,209百万円(前連結会計年度末は2,905百万円)となり、303百万
円増加しました。これは主に未払法人税等が288百万円増加したことなどによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、3,642百万円(前連結会計年度末は3,523百万円)となり、119百万円増加しました。これは主に退職給付に係る負債が176百万円、「従業員持株支援信託ESOP」の導入に伴い長期借入金が166百万円増加したことや、繰延税金負債が225百万円減少したことなどによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、42,565百万円(前連結会計年度末は41,639百万円)となり、925百万
円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益1,774百万円と剰余金の配当382百万円の結果、
利益剰余金が1,391百万円増加したことや、その他有価証券評価差額金が375百万円減少したことなどによるもので
す。
(2)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前年同期比709百万円(3.3%)増の22,052百万円となりました。この売上高の増加は主に、ポーラスマテリアル部門における国内外の産業資材部門と国内生活資材部門における販売の増加、ファインケミカル事業部門における国内消費者向け製品及び業務用製品販売の増加などによるものです。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上総利益は、同599百万円(8.1%)増の7,977百万円となりました。この売上総利益の増加は主に、利益率の高いポーラスマテリアル部門とファインケミカル事業部門における売上高の増加によるものです。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、同499百万円(28.6%)増の2,250百万円となりました。この営業利益の増加は主に、売上総利益の増加や、ファインケミカル部門において、前連結会計年度に発生した新製品の投入にともなう広告宣伝費が平常に戻ったことなどによるものです。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、同496百万円(25.5%)増の2,439百万円となりました。この経常利益の増加は主に、営業利益の増加や貸倒引当金の繰入額が当連結会計年度は、発生せず営業外費用が減少したことなどによるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、同831百万円(88.2%)増の1,774百万円となりました。この親会社株主に帰属する当期純利益の増加は、投資有価証券の売却益を計上したことや前連結会計年度に発生したのれんの減損損失の影響がなくなったことなどによるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
第2「事業の状況」1「業績等の概要」(2)キャッシュ・フローをご参照ください。