第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は「美容業界の近代化」を目的として創業いたしました。「美容業界の近代化」とは、美容室の経営を近代化するということであります。つまり、経営者一代限りで消滅する個人的会社経営ではなく、「会社に関わるすべての人々の幸せを求める」という経営本来のあり方を目指していただくことであり、そのために、お取引先美容室の業績を向上させることで生産性を高め、利益を計上し、労働環境の整備や人材を採用・育成し続けるといった「会社の永続を目的とした経営管理体制づくり」のことであります。

当社では、「美容室の繁栄が当社の繁栄につながる」という基本的な考え方のもと、具体的な戦略として、美容室の経営改善システムである「旬報店システム」を軸とした美容室の経営コンサルティング(コンサルティング・セールス)を展開し、トイレタリー(シャンプー、トリートメント等)の販売を中心とした「店販」を戦術として、成長・繁栄につながるさまざまな提案を美容室に行います。それらにより、美容室の業績向上を図るとともに、メーカーとして「美容業界の近代化」の実現を十分にサポートできる製品を提供することで、永続的にステークホルダーの期待に応えていくことを経営の基本方針としております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社では会社の着実な成長と永続という観点から、売上高経常利益率、ROE(自己資本当期純利益率)の2つの指標に目標値を定めております。この目標値を継続して達成することに主眼をおいており、具体的には次のとおりであります。

・売上高経常利益率・・・15%以上

・ROE・・・・・・・・10%以上

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のために、「コーポレート・ガバナンス ガイドライン」を制定しております。

「コーポレート・ガバナンス ガイドライン」は、当社の基礎となる考え方である「コタベーシック」を構成している「創業精神」、「創業理念」、「経営理念」、「基本理念」ならびに「部門方針」を通じて、企業価値を向上させながら、社会に必要とされる企業であり続けるために、最良のコーポレート・ガバナンスを実現することを目的としております。また、「コタベーシック」に基づいた研究開発、生産、営業活動を行うことが中長期的にも重要であることを踏まえ、具体的には次のような施策に取り組んでまいります。

 

① 経営の基本方針に基づいた事業活動の展開

上記「(1) 会社の経営の基本方針」に従い、美容室の来店客に対するカウンセリングや店販の推進等の具体的施策を引き続き積極的に提案し、お取引先美容室の業績向上による経営の近代化を図るとともに、それを十分にサポートできる製品開発に取り組んでまいります。

 
② 独自のビジネスモデルの推進による着実な成長

当社では、競合他社にはない独自のビジネスモデルである「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」と「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」を引き続き推進し、競合他社との差別化を図り、お取引先美容室の業績向上に注力してまいります。ビジネスモデルを通じてお取引先美容室の発展・繁栄に寄与することにより、創業精神である「美容業界の近代化」を実現することが、当社の着実な成長につながると考えております。

 

 

(4)会社が対処すべき課題
① 人材育成と働き方改革

会社が着実に成長し永続していくためには、次の世代を担う人材(後継者)の育成が不可欠であります。社内外研修の充実を図り、「コーポレート・ガバナンス ガイドライン」を明瞭かつ的確に伝えるとともに、多様な人材を確保し、将来の会社経営を担う人材育成に一層努めてまいります。

また、これまでの仕事のあり方および働き方を見直し、業務効率化や生産性向上を意識した、労働環境の再整備に取り組んでまいります。

 

② 旬報店の開拓と業績向上

当社の業績を支える根幹は、旬報店の業績向上にあります。「美容業界の近代化」という創業精神(こころざし)を共有できる新規旬報店の開拓を推進するとともに、既存旬報店の成長に資するべく、「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」のさらなる拡充に努めてまいります。

 

③ 積極的なIR活動の推進

これまでのIR活動をベースに、対象者、対象地域及び手法等を適宜、改善しながら推進することで、投資家層への浸透を図るとともに潜在的株主の裾野を広げ、株主数の増加、知名度の向上に繋げてまいります。

また、会社の意思決定・公正性を確保し、実効的なコーポレート・ガバナンスを実現する観点から、主体的な情報開示と株主との対話のさらなる充実を図ってまいります。

 

④ 非正規販売対策の推進

当社製品(シャンプー、トリートメント、整髪料等)は、美容室での対面による店舗販売を原則とする製品であります。したがいまして、美容室を経由しないインターネットや小売店等での非正規販売は、お客様一人ひとりの髪の状態に適した製品を選択することができません。これを放置しては、結果として当社製品のブランド価値の低下を招くとともに、美容室の業績および消費者にも悪影響を与えることから、非正規販売を完全否定するための対策を、より一層進めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 美容室専売品業界の動向について

当社では、美容室向け頭髪用化粧品、医薬部外品の製造、販売事業を行っております。将来的には人口減少に伴う美容施術人口の減少により当業界の市場規模の縮小が予想されるとともに、競合他社との競争も激しい状況ではありますが、当社では付加価値の高い製品及びサービスの提供に努めているところであります。しかしながら、今後、予期せぬ業界動向又は競争環境の変化や当社が提供する製品及びサービスと顧客ニーズが大きく乖離するといった事態が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原材料の仕入れ・調達について

当社では、製品の製造に必要な原材料(原料及び包装資材)をメーカー又は卸会社から仕入れ・調達しております。当社では、これら仕入先との間において良好な取引関係を保つとともに、適正価格での安定的な仕入れ・調達に努めているところであります。しかしながら、原油価格の高騰や自然災害といった外的要因の発生又は何らかの要因により取引関係の悪化が生じた場合には、適正価格での安定的な仕入れ・調達が困難となり、当社の経営成績
及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3) 製造拠点の集中について

当社では、外注先への製造委託品を除き、製品の製造を京都府久世郡久御山町にある京都工場で行っております。万一、大規模な自然災害又は事故の発生により京都工場の製造設備に多大な被害が生じた場合には、一定期間、京都工場の稼動が停止し製品の製造が不可能となると同時に、復旧に相当の費用を要し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法的規制、許認可について

① 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)

当社の事業内容に深く関連する法規制であり、日本国内において化粧品及び医薬部外品を製造販売するためには、製造販売業の許可を必要とし、当社は当該許可を取得しております。また、当該法令の定めに基づき5年ごとの更新その他必要な手続きを行っております。

当社では、医薬品医療機器等法及び関連法規制の遵守を徹底しておりますが、医薬品医療機器等法その他薬事に関する法令又は毒物及び劇物取締法等に違反した場合、許可の取消し又は期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ぜられる可能性があります。また、品質管理又は製造販売後の安全管理、製造所における製造管理等の方法が厚生労働省令に定める基準に適合しない場合等には当該管理方法の改善命令等の処分を、製造設備が厚生労働省令で定める基準に適合しない場合等には、当該製造設備の改善命令等の処分を受ける可能性があります。現在のところ、当社の事業活動の継続に支障を来す事象は発生しておりません。

なお、これら許可の取消し、業務の停止又は管理方法等の改善命令等の処分を受けた場合、あるいはこれらの法規制が変更された場合、また予測していない法規制等が新たに設けられた場合には、当社の事業活動が制限され、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(化粧品及び医薬部外品の製造及び販売事業に係る許可の取得状況等)

許可の名称

許可の内容

有効期限(注)

取消事由及び

該当状況

化粧品製造業許可

京都工場の化粧品 一般

本社の化粧品 包装・表示・保管

委託先の化粧品 包装・表示・保管

委託先の化粧品 包装・表示・保管

2022年2月20日

2023年8月31日

2020年3月31日

2023年8月3日

(取消事由)

医薬品医療機器等法第75条第1項に定められる事由に該当した場合

 

(該当状況)

上記取消事由に該当する事項はありません。

医薬部外品製造業許可

京都工場の医薬部外品 一般

本社の医薬部外品 包装・表示・保管

委託先の医薬部外品 包装・表示・保管

委託先の医薬部外品 包装・表示・保管

2022年2月20日

2023年8月31日

2020年3月31日

2023年8月3日

化粧品製造販売業許可

当社の化粧品製造販売業許可

2023年8月31日

医薬部外品製造販売業許可

当社の医薬部外品製造販売業許可

2023年8月31日

 

 (注)いずれも5年ごとの更新手続きを行っております。

 

② 製造物責任法

当社は、品質基準を遵守し、すべての製品の信頼性を維持するために万全の品質保証体制を整えておりますが、予期せぬ欠陥等により製造物責任が発生する可能性があります。また、当社では製造物責任賠償の保険に加入しておりますが、当該保険で必ずしもすべての賠償額をカバーできる保証はありません。また、万一そのような事態が発生した場合には、少なくとも社会的信用の失墜は避けられず、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 製造管理、品質管理について

当社では、製品の製造過程において作業マニュアルの策定及び当該マニュアルを遵守するための従業員教育、品質検査の実施等により、出荷する製品の品質には万全を期しております。しかしながら、何らかの要因により製造過程又は出荷後のある過程において製品中に異物が混入し、当該製品を使用した顧客の健康被害又は当該製品の回収という事態が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 知的財産権について

当社は、知的財産権を守るための措置を講じておりますが、知的財産権が侵害され、技術・情報の流出や模倣製品が市場に出回る事態が発生する可能性があります。

また、当社は特許権、商標権その他の知的財産権について入念な調査を行いながら製品開発を進めております。

しかしながら、万一当社が認識する範囲外で第三者の特許権、商標権その他の知的財産権を侵害し製品の仕様変更、回収等の費用の発生、第三者からの損害賠償請求権の行使及び裁判等の訴訟・紛争が生じた場合には、交渉による解決や代替技術・原料の使用による回避に向けた努力を進めますが、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 業績の季節変動について

当社の製品の出荷は、美容室の繁忙期が重なり「コタ全国店販コンクール」を開催する第3四半期に偏重する傾向にあり、各四半期に計上される売上高及び利益の額を比較しても変動が大きくなっております。したがいまして、何らかの要因により第3四半期の販売が不調に終わった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、2019年3月期の各四半期の売上高及び利益の状況は、以下のとおりであります。

(単位:千円・%)

 

2019年3月期(第40期)

(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

売上高

(構成比)

1,188,530

(17.0)

1,517,875

(21.7)

2,737,655

(39.2)

1,548,147

(22.1)

6,992,208

(100.0)

営業利益

(構成比)

65,093

(4.7)

232,172

(16.6)

978,873

(70.0)

121,810

(8.7)

1,397,949

(100.0)

経常利益

(構成比)

48,413

(3.5)

237,554

(17.0)

984,565

(70.3)

129,502

(9.2)

1,400,035

(100.0)

四半期(当期)純利益

(構成比)

27,103

(2.8)

179,940

(18.6)

700,480

(72.6)

57,521

(6.0)

965,046

(100.0)

 

(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(8) 製品の横流れについて

当社の製品は美容室専売品であり、美容室において施術時に使用されるとともに美容師のカウンセリングのもと一般消費者に対面で店舗販売されるものであります。当業界では、一部の美容室専売品がインターネットや小売店等に横流れし販売されている事例が見受けられますが、当社では原則として対面で店舗販売を前提とした取引を代理店又は美容室との間で行っております。しかしながら、何らかの要因により当社の製品がインターネットや小売店等に大量に横流れした場合には、当社の製品のブランド力や当社に対する信用の低下を招き、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 新製品の出荷の下振れ

新製品の発売に当たっては、開発段階から市場のニーズや製品性能に対する評価等の調査を行っており、その調査結果を受けて出荷予測を行い、それに基づいた生産計画を立案しております。しかしながら、発売後、当初の予測を大きく下回る出荷となった場合には、製品や原材料の滞留在庫が発生し、当初計画にはなかった、たな卸資産の廃棄損が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10) 情報セキュリティ

当社が保有する顧客情報や製品情報等の機密情報については、社外への漏洩及び社外からの侵入を防ぐためファイアウォール等の情報セキュリティを確立するとともに、社内啓蒙を行うことで管理には十分注意しております。しかしながら、予期せぬ不正アクセス等による社内システムへの侵入や情報の搾取等が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 人材の確保、育成について

当社のビジネスモデルである「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」と「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」を遂行するためには、優秀な人材の確保及び育成が重要なテーマとなります。当社では例年、計画的な採用を行うとともに、適宜従業員研修を行うことにより、優秀な人材の確保及び育成に努めているところであります。しかしながら、採用環境の変化により求める人材が確保できず、ビジネスモデルを遂行するノウハウを継承できない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当社は、「美容室とともに女性を髪から美しくする」というコーポレート・スローガンのもと、美容室でのカウンセリングを通じて、来店客に対して付加価値の高いヘアケア提案を行っております。特に、ヘアケアの基本であるシャンプー及びトリートメントについては、「女性は髪からもっと美しくなれる」という考えに基づき、主力ブランドである「コタ アイ ケア」の美容室での販売を推進することで、多くの『女性のキレイ』を髪から応援しております。また、創業精神である「美容業界の近代化」をベースに、独自のビジネスモデルである「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」と「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」を引き続き展開し、美容室の業績向上に向けた提案や経営に関する支援を行っております。

売上高につきましては、店販戦略の主力である「コタ アイ ケア」を中心としたトイレタリーの販売が好調であったことから、前期実績を上回ることができました。

また、売上原価につきましては、増収により増加いたしましたが、引き続き原価管理の見直し等を行っていることから、売上原価率は前期実績を下回りました。販売費及び一般管理費につきましては、人件費等の増加により、前期実績を上回りました。

これらの結果、当事業年度につきましては、売上高は6,992百万円(前期比3.9%増)、営業利益は1,397百万円(前期比6.3%増)、経常利益は1,400百万円(前期比4.6%増)、当期純利益につきましては、965百万円(前期比0.6%減)となりました。

また、売上高は21期連続の増収、営業利益、経常利益は6期連続の増益と、いずれも過去最高となりましたが、当期純利益は5期ぶりの減益となりました。

なお、当社は美容室向けの頭髪用化粧品、医薬部外品の製造、販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っておりませんが、売上高の内訳は、以下のとおりであります。

区分

前事業年度

当事業年度

増減額
(百万円)

増減率
(%)

金額
(百万円)

構成比
(%)

金額
(百万円)

構成比
(%)

トイレタリー

4,686

69.6

4,925

70.5

239

5.1

整髪料

1,177

17.5

1,189

17.0

12

1.0

カラー剤

383

5.7

383

5.5

△0

△0.1

育毛剤

259

3.9

265

3.8

5

2.1

パーマ剤

126

1.9

129

1.8

2

2.2

その他

99

1.4

99

1.4

0

0.2

合計

6,732

100.0

6,992

100.0

260

3.9

 

 

なお、総資産は、前事業年度から37百万円増加し、9,401百万円となりました。

主な要因としては、有形固定資産が81百万円減少し、商品及び製品が78百万円、原材料及び貯蔵品が64百万円増加したことによるものであります。

負債は、前事業年度から173百万円増加し、2,392百万円となりました。

主な要因としては、未払法人税等が90百万円、退職給付引当金が50百万円増加したことによるものであります。

純資産は、前事業年度から135百万円減少し、7,009百万円となりました。

主な要因としては、利益剰余金が689百万円増加し、自己株式が825百万円増加したことによるものであります。なお、自己資本比率は、74.5%(前事業年度76.3%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末から26百万円増加し1,992百万円前期比1.4%増)となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、1,201百万円前期比126百万円減)となりました。

収入の主な要因としては、税引前当期純利益1,400百万円及び減価償却費207百万円によるものであります。

支出の主な要因としては、法人税等の支払いによる支出361百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、74百万円前期比374百万円減)となりました。

収入の主な要因としては、定期預金の払戻による収入2,000百万円によるものであります。

支出の主な要因としては、定期預金の預入による支出2,000百万円及び有形固定資産の取得による支出64百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、1,100百万円前期比225百万円増)となりました。

支出の主な要因としては、自己株式取得による支出825百万円及び配当金の支払いによる支出275百万円であります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社は、美容室向け頭髪用化粧品、医薬部外品の製造、販売事業の単一セグメントであるため、セグメントに関連付けた記載はしておりませんが、区分別に示すと以下のとおりであります。

a. 生産実績

当事業年度における生産実績は、以下のとおりであります。

区分

生産高(千円)

前年同期比(%)

トイレタリー

4,896,526

105.4

整髪料

1,200,338

125.6

カラー剤

384,793

112.5

育毛剤

280,696

117.9

パーマ剤

107,144

101.6

合計

6,869,498

109.3

 

(注) 上記金額は、「代理店納入価×生産本数」により算出しており、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当社は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

 

c. 販売実績

当事業年度における販売実績は、以下のとおりであります。

区分

販売高(千円)

前年同期比(%)

トイレタリー

4,925,811

105.1

整髪料

1,189,631

101.0

カラー剤

383,268

99.9

育毛剤

265,026

102.1

パーマ剤

129,001

102.2

その他

99,468

100.2

合計

6,992,208

103.9

 

(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2 総販売実績に対する売上高の割合が10%を超える販売先はありません。

3 「その他」の区分は、美容室で利用される販売促進用品等であります。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。当社は、この財務諸表の作成にあたって、有価証券及びたな卸資産の評価、減価償却資産の耐用年数の設定、退職給付引当金の認識、繰延税金資産の計上等に関し、過去の実績や状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の当事業年度の経営成績等は以下のとおりであります。

(売上高、売上総利益)

売上高は、前事業年度と比較して260百万円(前期比3.9%増)増収の6,992百万円となりました。区分別の売上高は、トイレタリーが239百万円増収の4,925百万円、整髪料が12百万円増収の1,189百万円、カラー剤が0百万円減収の383百万円、育毛剤が5百万円増収の265百万円、パーマ剤が2百万円増収の129百万円、その他が99百万円となりました。

一方で、売上原価率は引き続き行っている原価管理の見直し等により、前事業年度の26.7%から0.9ポイント改善され25.8%となったことから、売上総利益は前事業年度と比較して249百万円(前期比5.1%増)増加の5,185百万円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は、人件費等の増加により、前事業年度と比較して167百万円(前期比4.6%増)増加の3,787百万円となり、前期実績を上回りました。

営業利益は、販売費及び一般管理費の増加額を売上総利益の増加額が上回ったことから、前事業年度と比較して82百万円(前期比6.3%増)増加の1,397百万円となりました。

 

 

(営業外損益、経常利益、特別損益、税引前当期純利益)

営業外収益は、前事業年度と比較して1百万円(前期比5.0%増)増加の27百万円となりました。営業外費用は、前事業年度と比較して22百万円(前期比874.1%増)増加の25百万円となりました。

この結果、経常利益は、前事業年度と比較して61百万円(前期比4.6%増)増加の1,400百万円となりました。

特別損益については、前事業年度及び当事業年度において計上すべき科目はありません。

この結果、税引前当期純利益は、前事業年度と比較して61百万円(前期比4.6%増)増加の1,400百万円となりました。

 

(当期純利益)

当期純利益は、税制改正による法人税等の増加により、前事業年度と比較して6百万円(前期比0.6%減)減少の965百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前事業年度と比較して1.16円増加の53.43円となりました。

 

なお、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」に記載のとおり、当社は会社の着実な成長と永続という観点から、売上高経常利益率15%以上、ROE10%以上を目標値として定め、継続的かつ安定的に上回ることを目指しております。当事業年度につきましては、上記の要因から売上高経常利益率は20.0%と高い水準で目標値を上回りました。また、収益の構造上、総資産回転率及び財務レバレッジが比較的安定していることに加え、売上高当期純利益率が13.8%となったことから、ROEは13.6%となり、目標値を上回りました。

 

最近5年間の売上高経常利益率及びROEは以下のとおりであります。

回次

第36期

第37期

第38期

第39期

第40期

目標値

決算年月

2015年3月期

2016年3月期

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期

売上高経常利益率

(%)

15.5

17.3

18.8

19.9

20.0

15.0

ROE

(%)

10.3

12.5

12.9

13.7

13.6

10.0

 

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(資金の主要な使途)

当社は、営業活動によって得られた資金を、市場環境や資本効率等を総合的に勘案し、成長投資、手許資金、株主還元に適切なバランスで配分することで、効率的な事業運営を図っております。なお、成長投資としては人材獲得及び育成、設備投資、研究開発等に、手許資金としては運転資金、財務基盤の強化等に、株主還元としては配当金の支払い等に充当しております。

 

(資金調達の方法及び状況)

当社は、当事業年度末において、現金及び現金同等物1,992百万円に加え換金性の高い金融資産も保有しており、当事業年度末の自己資本比率は74.5%と引き続き良好な財務体質を保っていることから、研究開発や工場設備への投資、コンサルティング・セールスを展開する営業体制の強化などに必要となる資金については、手許資金を活用することを基本としております。

一方で、手許資金を上回る資金調達が必要となる場合には、対象となる投資等の規模や目的、時期などを十分に勘案し、資本市場や金融機関からの調達を検討するなど、柔軟に調達手段を選択することとしております。

なお、当事業年度における所要資金はすべて自己資金で賄っており、有利子負債はございません。

 

 

④ 戦略的現状と見通し

当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境に改善がみられ、緩やかな回復基調が続いたものの、世界経済の景気減速懸念が表面化し、不安定な情勢で推移いたしました。

美容業界におきましては、来店客数の減少や客単価の伸び悩み等、依然として厳しい経営環境が続いております。また、過当競争によりオーバーストア状態である美容室軒数は、徐々に市場規模に見合った軒数に向かうと推測されます。美容室経営におきましては、引き続き経営競争による二極化が進むことが予想されますが、独自のビジネスモデルである「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」と「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」を展開し、美容室の業績向上に資することができる当社にとっては、今後のビジネス環境の変化は追い風であると認識しております。したがいまして、当社では、独自のビジネスモデルを通じて、お取引先美容室の業績向上に取り組み、業界の発展と近代化に引き続き注力する考えであります。

また、当社の主力ブランドである「コタ アイ ケア」は、当社の事業活動をより発展させ、創業精神である「美容業界の近代化」に寄与する製品として位置づけていることから、引き続き拡販を図るとともに、高付加価値ブランドへ育ててまいりたいと考えております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社の研究開発活動は時代とともに変化する市場ニーズに適合し、環境、人体、頭髪に優しい高品質な製品開発に重点を置いております。社内に設置している製品開発委員会において市場動向、価格、原料、品質、コンセプト等を検討し、その結果を受けながら研究部の各製品部門の開発チームにおいて開発を進める体制をとっております。

また、産学連携を含めた素材研究や基礎研究を行い、新たな製品開発に応用できる探索を行っております。

現在、研究開発は、製品開発、基礎研究、薬事の構成で運営しております。

 

(製品開発)

システムトリートメントの新製品「コタトリート プレミーク」を、「変わるよろこびを、すべての髪から。」というブランドコンセプトのもとに開発いたしました。

システム構成としては、4剤2浴式のシステムを採用し、各剤にメドウフォーム油由来の補修成分を配合することにより髪の質感を変化させ、未体験の扱いやすさ、心地良さを感じていただくことを可能にしました。また、髪質によって求める質感の変化に合わせて使い分ける機能を新たに組み込むことにより、お客様の満足度を向上させます。

さらに、サロントリートメントの効果を持続させることを目的とした、「コタトリート プレミーク ホームケア エアリー」、「コタトリート プレミーク ホームケア モイスチャー」を同時に発売いたしました。

 

コタトリート プレミーク 全8品目

・コタトリート プレミーク 業務用・・・・・・・・・・6品目

・コタトリート プレミーク ホームケア・・・・・・・・2品目

 

(基礎研究)

現在の基礎研究の重点課題は以下の3点であり、外部研究機関、大学の協力を得ながら研究を行っております。

① ナノ素材の頭髪への効果確認
② 界面活性剤の頭髪への効果確認
③ 毛髪、および頭皮の老化現象に対する物性評価の測定方法の確立

基礎研究の重点課題①につきましては、ナノ素材によって毛髪、および頭皮にどのような影響を与えるのかの基礎研究を行っております。

重点課題②につきましては、シャンプーを始め多くの化粧品に配合する界面活性剤が頭髪にどのような影響を与えるのかを調査する目的として、基礎研究を進めております。

重点課題③につきましては、加齢に伴う毛髪、および頭皮への影響を計測し、人口動態の変化に対応できるエイジング対策の基礎研究を行い、将来的なエイジング毛に対する製品開発につながる研究を行います。まずは物性評価の測定方法の確立を目的とした基礎研究を進めます。

これらを中長期的テーマとして基礎研究を継続し、さらなる高品質な製品開発に努めてまいります。

なお、当事業年度に支出した研究開発費の総額は366百万円であります。