第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社では「共有すること」を大切にしており、全てのステークホルダーの皆様と当社が目指す未来である「コタビジョン」を共有することで、より強く、さらに「いい会社」になれると考えております。

また、当社は「美容業界の近代化」を目的として創業いたしました。「美容業界の近代化」とは、美容室の経営を近代化するということであります。つまり、経営者一代限りで消滅する個人的会社経営ではなく、「会社に関わるすべての人々の幸せを求める」という経営本来のあり方を目指していただくことであり、そのために、お取引先美容室の業績を向上させることで生産性を高め、利益を計上し、労働環境の整備や人材を採用・育成し続けるといった「会社の永続を目的とした経営管理体制づくり」のことであります。

そして、当社は「世の中の美容室を一軒でも多く近代経営に導く」こと、「世の中の女性を一人でも多く髪から美しくする」ことをミッションとしており、具体的な戦略として美容室の経営改善システムである「旬報店システム」を軸とした美容室の経営コンサルティング(コンサルティング・セールス)を行い、トイレタリー(シャンプー、トリートメント等)の販売を中心とした「店販」を戦術として、独自のビジネスモデルを展開しており、成長・繁栄につながるさまざまな提案を美容室に行っております。それらにより、美容室の業績向上を図るとともに、メーカーとして「美容業界の近代化」の実現を十分にサポートできる製品を提供することで、永続的にステークホルダーの期待に応えていくことを経営の基本方針としております。

 

(2) 経営環境

美容業界におきましては、市場規模は緩やかに拡大しているものの、美容室軒数は過当競争によりオーバーストア状態で、今後、徐々に市場規模に見合った軒数に向かうことが予想されます。さらに今後の新型コロナウイルス感染症による影響は不透明であり、美容室の来店客数や業績への影響については、まだまだ予断を許さない状況が続いております。このような状況の中、当社におきましては「女性は髪からもっと美しくなれる」というコ
ーポレートスローガンのもと、美容室でのカウンセリングを通じて、来店客に対して付加価値の高いヘアケア提案
を行いました。特に、ヘアケアの基本であるシャンプー及びトリートメントの主力ブランドである「コタ アイ ケ
ア」を中心に美容室を通じた販売を推進することで、多くの『女性のキレイ』を髪から応援しております。また、
創業精神である「美容業界の近代化」をベースに、独自のビジネスモデルである「旬報店システムを軸としたコン
サルティング・セールス」と「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」を引き続き展開いたしました。コロナ
禍におきましても感染対策を十分に行いながら、お取引先美容室に対して、対面とオンラインによる営業活動を通
じて徹底的に寄り添い、業績向上に向けた提案や経営に関する支援を行いました。

当社はメーカーとして、高品質・高付加価値な製品を提供するだけではなく、お取引先美容室との間で「経営の近代化」に向けた考え方を共有し、お取引先美容室の現状に合わせた経営サポートも行うことで、同業他社との差別化を図り、市場の成長率を上回りながら着実に成長を続けております。

 

 

 


 

(3) 目標とする経営指標

当社では会社の着実な成長と永続という観点から、売上高経常利益率、ROE(自己資本当期純利益率)の2つの指標に目標値を定めております。これらの目標値を継続して達成することに主眼をおいており、具体的には次のとおりであります。

・売上高経常利益率・・・15%以上

・ROE・・・・・・・・10%以上

回次

第40期

第41期

第42期

第43期

第44期(予)

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高経常利益率(%)

21.2

21.2

22.6

25.1

24.9

ROE(%)

13.6

14.0

14.3

15.4

15.5

 

(注) 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第43期の期首から適用しており、第40期、第41期及び第42期に係る指標については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標となっております。

 

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略

当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のために、独自の「コーポレート・ガバナンス ガイドライン」を制定し、実行しております。

「コーポレート・ガバナンス ガイドライン」は、当社が目指す未来である「コタビジョン」を構成する「コタベーシック」(基本的な考え方)及び「コタプリンシプル」(事業活動の方向性・行動指針)をすべてのステークホルダーの皆様と共有し、最良のコーポレート・ガバナンスを実現することを目的としております。「コタベーシック」は、「創業精神」と3つの理念である「創業理念」、「経営理念」、「基本理念」から構成されており、「コタプリンシプル」は、「2つのミッション」とそれを実現するための「独自のビジネスモデル」と「コーポレートスローガン」、それらを支える「製品」から成り立っております。当社は「コタビジョン」に基づいたコーポレート・ガバナンスを充実させることで経営の健全性及び透明性を確保し、ステークホルダーからの期待と信頼に係る責任を充分に果たしながら、永続・発展できる企業を目指します。

 


 

 

また、「コタビジョン」に基づいた研究開発、生産、営業活動を行うことが中長期的にも重要であることを踏まえ、具体的には次のような施策に取り組んでまいります。

 

① 経営の基本方針に基づいた事業活動の展開

上記「(1) 会社の経営の基本方針」に従い、美容室の来店客に対するカウンセリングや店販の推進等の具体的施策を引き続き積極的に提案し、お取引先美容室の業績向上による経営の近代化を図るとともに、それを十分にサポートできる製品開発に取り組んでまいります。

 
② 独自のビジネスモデルの推進による着実な成長

当社では、同業他社にはない独自のビジネスモデルである「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」と「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」を引き続き推進し、同業他社との差別化を図り、お取引先美容室の業績向上に注力してまいります。ビジネスモデルを通じてお取引先美容室の発展・繁栄に寄与することにより、創業精神である「美容業界の近代化」を実現することが、当社の着実な成長につながると考えております。

 

(5) 会社が対処すべき課題

今後の美容業界は、来店客数の減少や客単価の伸び悩み等、美容室にとって厳しい経営環境が続き、また過当競争によりオーバーストア状態である美容室軒数は、徐々に市場規模に見合った軒数に向かうと推測されます。美容室経営におきましては、引き続き経営競争による二極化が進むことが予想されますが、独自のビジネスモデルである「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」と「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」を展開し、美容室の業績向上に資することができる当社にとっては、今後のビジネス環境の変化は追い風であると認識しております。この追い風を確実に当社への業績向上へつなげるべく、以下の課題に取り組んでまいります。

 

① 人材育成と働き方改革

会社が着実に成長し永続していくためには、次の世代を担う人材(後継者)の育成が不可欠であります。社内外研修の充実を図り、「コーポレート・ガバナンス ガイドライン」を明瞭かつ的確に伝えるとともに、多様な人材を確保し、将来の会社経営を担う人材育成に一層努めてまいります。「コーポレート・ガバナンス ガイドライン」は、当社が目指す未来である「コタビジョン」をすべてのステークホルダーの皆様と共有し、最良のコーポレート・ガバナンスを実現することを目的としております。

また、これまでの仕事のあり方及び働き方を見直し、業務効率化や生産性向上を意識した、労働環境の再整備に取り組んでまいります。

 

② 旬報店の開拓と業績向上

当社の業績を支える根幹は、旬報店の業績向上にあります。当社の創業精神である「美容業界の近代化」を共有できる新規旬報店の開拓を推進するとともに、既存旬報店の成長に資するべく、「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」のさらなる拡充に努めてまいります。

 

③ 積極的なIR活動の推進

これまでのIR活動をベースに、対象者、対象地域及び手法等を適宜、改善しながら推進することで、投資家層への浸透を図るとともに潜在的株主の裾野を広げ、株主数の増加、知名度の向上に繋げてまいります。

また、会社の意思決定・公正性を確保し、実効的なコーポレート・ガバナンスを実現する観点から、主体的な情報開示と株主との対話のさらなる充実を図ってまいります。

 

④ 非正規販売対策の推進

当社製品(シャンプー、トリートメント、整髪料等)は、美容室でのカウンセリングを通じた対面による店舗販売を原則とする製品であります。したがいまして、美容室を経由しないインターネットや小売店等での非正規販売は、お客様一人ひとりの髪の状態に適した製品を選択することができません。これを放置しては、結果として当社製品のブランド価値の低下を招くとともに、美容室の業績及び消費者にも悪影響を与えることから、非正規販売を完全否定するための対策をより一層進めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 美容室専売品業界の動向について

当社では、美容室向け頭髪用化粧品及び医薬部外品の製造、販売事業を行っております。将来的には人口減少に伴う美容施術人口の減少により、当業界の市場規模の縮小が予想されるとともに、競合他社との競争も激しい状況ではありますが、当社では付加価値の高い製品及びサービスの提供に努めているところであります。しかしながら、今後予期せぬ業界動向又は競争環境の変化や、当社が提供する製品及びサービスと顧客ニーズが大きく乖離するといった事態が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原材料の仕入れ・調達について

当社では、製品の製造に必要な原材料(原料及び包装資材)をメーカー又は卸会社から仕入れ・調達しております。当社では、これら仕入先との間において良好な取引関係を保つとともに、適正価格での安定的な仕入れ・調達に努めているところであります。しかしながら、原油価格の高騰や自然災害といった外的要因の発生又は何らかの要因により取引関係の悪化が生じた場合には、適正価格での安定的な仕入れ・調達が困難となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 製造拠点の集中について

当社では、外注先への製造委託品を除き、製品の製造を京都府久世郡久御山町にある京都工場で行っております。万一、大規模な自然災害又は事故の発生により京都工場の製造設備に多大な被害が生じた場合には、一定期間、京都工場の稼動が停止し製品の製造が不可能になると同時に、復旧に相当の費用を要し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法的規制、許認可について

① 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)

当社では、医薬品医療機器等法及び関連法規制の遵守を徹底しておりますが、これら許可の取消し、業務の停止又は管理方法等の改善命令等の処分を受けた場合、あるいはこれらの法規制が変更された場合、また予測していない法規制等が新たに設けられた場合には、当社の事業活動が制限され、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 製造物責任法

当社では、品質基準を遵守し、すべての製品の信頼性を維持するために万全の品質保証体制を整えておりますが、予期せぬ欠陥等により製造物責任が発生する可能性があります。また、当社では製造物責任賠償の保険に加入しておりますが、当該保険で必ずしもすべての賠償額をカバーできる保証はありません。また、万一そのような事態が発生した場合には、少なくとも社会的信用の失墜は避けられず、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 製造管理、品質管理について

当社では、製品の製造過程において作業マニュアルの策定及び当該マニュアルを遵守するための従業員教育、品質検査の実施等により、出荷する製品の品質には万全を期しております。しかしながら、何らかの要因により製造過程又は出荷後のある過程において製品中に異物が混入し、当該製品を使用した顧客の健康被害又は当該製品の回収という事態が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) 知的財産権について

当社では、知的財産権を守るための措置を講じておりますが、知的財産権が侵害され、技術・情報の流出や模倣製品が市場に出回る事態が発生する可能性があります。

また、当社では特許権、商標権その他の知的財産権について入念な調査を行いながら製品開発を進めております。しかしながら、万一当社が認識する範囲外で第三者の特許権、商標権その他の知的財産権を侵害し、製品の仕様変更、回収等の費用の発生、第三者からの損害賠償請求権の行使及び裁判等の訴訟・紛争が生じた場合には、交渉による解決や代替技術・原料の使用による回避に向けた努力を進めますが、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 業績の季節変動について

当社の製品の出荷は、美容室の繁忙期が重なり「コタ全国店販コンクール」を開催する第3四半期に偏重する傾向にあり、各四半期に計上される売上高及び利益の額を比較しても変動が大きくなっております。したがいまして、何らかの要因により第3四半期の販売が不調に終わった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、2022年3月期の各四半期の売上高及び利益の状況は、以下のとおりであります。

(単位:千円・%)

 

2022年3月期(第43期

(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

売上高

 

(構成比)

1,976,932

(22.7)

1,694,356

(19.5)

3,352,302

(38.6)

1,667,736

(19.2)

8,691,327

(100.0)

営業利益

 

(構成比)

441,711

(20.5)

305,576

(14.2)

1,393,605

(64.8)

10,288

(0.5)

2,151,180

(100.0)

経常利益

 

(構成比)

451,808

(20.7)

312,339

(14.3)

1,397,057

(64.2)

16,442

(0.8)

2,177,647

(100.0)

四半期(当期)純利益

又は四半期純損失(△)

 

(構成比)

317,912

(22.8)

219,260

(15.7)

970,015

(69.6)

△113,572

(△8.1)

1,393,615

(100.0)

 

 

(8) 製品の横流れについて

当社の製品は美容室専売品であり、美容室において施術時に使用されるとともに、美容師のカウンセリングのもと一般消費者に対面で店舗販売されるものであります。当業界では、一部の美容室専売品がインターネットや小売店等に横流れし、販売されている事例が見受けられますが、当社では、美容室での対面による店舗販売を原則とした取引を代理店又は美容室との間で行っております。また、社内横断組織及び専任者を設置し、製品の横流れの監視・調査等を行っております。しかしながら、何らかの要因により当社の製品がインターネットや小売店等に大量に横流れした場合には、当社の製品のブランド力や当社に対する信用の低下を招き、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 新製品の出荷の下振れについて

新製品の発売に当たっては、開発段階から市場のニーズや製品性能に対する評価等の調査を行っており、その調査結果を受けて出荷予測を行い、それに基づいた生産計画を立案しております。しかしながら、発売後、当初の予測を大きく下回る出荷となった場合には、製品や原材料の滞留在庫が発生し、当初計画にはなかった棚卸資産の廃棄損が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10) 情報セキュリティについて

当社が保有する顧客情報や製品情報等の機密情報については、社外への漏洩及び社外からの侵入を防ぐためファイアウォール等の情報セキュリティを確立するとともに、社内に「IT委員会」を設置し、定期的にセキュリティの更新や社内啓蒙等を行っております。しかしながら、予期せぬ不正アクセス等による社内システムへの侵入や情報の漏えい等が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 人材の確保、育成について

独自のビジネスモデルである「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」と「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」を遂行するためには、優秀な人材の確保及び育成が重要なテーマとなります。そのため当社では、従業員の採用を進めながら、教育専門部署による計画的な社内研修を実施することで、優秀な人材の確保及び育成に努めております。しかしながら、採用環境の変化により求める人材が確保できず、ビジネスモデルを遂行するノウハウを継承できない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 安全管理について

当社では役員、従業員の安全確保と健康に働ける環境整備に取り組み、また天災や疫病に対処するための体制を構築しております。しかしながら、想定を超える事故や災害、集団感染等が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) コンプライアンスについて

当社では、企業としての社会的、道義的責任を果たすために、社内に「コンプライアンス委員会」を設置し、当社の事業活動が法令、定款及び社内規程並びに社会一般の規範、倫理等に適合し続けるための体制を構築しながら、役員、従業員のモラルの醸成等に努めております。しかしながら、役員、従業員の法令違反等が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) その他のリスクについて

上記以外にも事業活動を継続していく上で、経済情勢の変化や天災、紛争、疫病の発生及び蔓延、消費者嗜好の変化等、様々なリスクが考えられます。

当社では、こうしたリスクを回避、又は影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでおりますが、想定を上回る事態が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大による脅威の長期化により、当社のお取引先美容室において営業制限、来店客数の減少、消費マインドの低下等のリスクが顕在化した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当社は、「女性は髪からもっと美しくなれる」というコーポレートスローガンのもと、美容室でのカウンセリングを通じて、来店客に対して付加価値の高いヘアケア提案を行いました。特に、ヘアケアの基本であるシャンプー及びトリートメントの主力ブランドである「コタ アイ ケア」を中心に美容室での販売を推進することで、多くの『女性のキレイ』を髪から応援しております。また、創業精神である「美容業界の近代化」をベースに、独自のビジネスモデルである「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」と「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」を引き続き展開いたしました。コロナ禍におきましても、感染対策を十分に行いながら、お取引先美容室に対して、対面とオンラインによる営業活動を通じて徹底的に寄り添い、業績向上に向けた提案や経営に関する支援を行いました。

売上高につきましては、当社のビジネスモデルである店販戦略の継続的な推進により創出されたトイレタリーの底堅い需要を背景に、「コタ アイ ケア」の販売が堅調だったことに加え、2021年5月に発売したトイレタリーの新製品「コタクチュール」についても好調に推移(計画:1,600百万円/実績:1,844百万円)したことにより、前期実績を上回ることができました。

また、売上原価につきましては、増収により増加いたしましたが、引き続き原価管理の見直し等を行っていることから、売上原価率は前期実績と同等になりました。販売費及び一般管理費につきましては、人件費等の増加により前期実績を上回りました。特別損失につきましては、「コタ アイ ケア シャンプー」の一部ロットの自主回収を進めていることから、発生が見込まれる関連費用(158百万円)を計上しました。

これらの結果、当事業年度につきましては、売上高は8,691百万円(前期比18.7%増)、営業利益は2,151百万円(前期比32.7%増)、経常利益は2,177百万円(前期比31.4%増)、当期純利益につきましては、1,393百万円(前期比19.2%増)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で比較・分析を行っております。

また、売上高は24期連続の増収、営業利益、経常利益は9期連続、特別損失を計上しましたが当期純利益も3期連続の増益となり、いずれも過去最高となりました。

 


 


 

 


 


 

なお、当社は美容室向けの頭髪用化粧品及び医薬部外品の製造、販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っておりませんが、売上高の内訳は以下のとおりであります

区分

前事業年度

当事業年度

増減額
(百万円)

増減率
(%)

金額
(百万円)

構成比
(%)

金額
(百万円)

構成比
(%)

トイレタリー

5,598

76.4

7,042

81.0

1,443

25.8

整髪料

1,383

18.9

1,394

16.0

10

0.8

カラー剤

311

4.3

329

3.8

17

5.8

育毛剤

282

3.9

261

3.0

△20

△7.3

パーマ剤

114

1.6

108

1.3

△5

△5.0

その他

73

0.9

104

1.2

31

42.3

売上高控除

△439

△6.0

△550

△6.3

△110

-

合計

7,324

100.0

8,691

100.0

1,366

18.7

 

 

当社では、「美容室の繁栄が当社の繁栄につながる」という基本的な考え方のもと、具体的な戦略として、美容室の経営改善システムである「旬報店システム」を軸とした美容室の経営コンサルティング(コンサルティング・セールス)を展開し、トイレタリー(シャンプー、トリートメント等)の販売を中心とした「店販」を戦術として、成長・繁栄につながるさまざまな提案を美容室に行っております。

そのため売上高に占めるトイレタリーの割合は70%超となっており、同業他社に比べ高いことが特徴であります。

 

 

なお、総資産は、前事業年度から1,499百万円増加し、13,084百万円となりました。

主な要因としては、有形固定資産が684百万円現金及び預金が431百万円売掛金が206百万円商品及び製品が74百万円原材料及び貯蔵品が65百万円増加したことによるものであります。

負債は、前事業年度から540百万円増加し、3,544百万円となりました。

主な要因としては、未払金が231百万円製品自主回収関連費用引当金が90百万円役員退職慰労引当金が65百万円未払消費税等が60百万円増加したことによるものであります。

純資産は、前事業年度から958百万円増加し、9,540百万円となりました。

主な要因としては、利益剰余金が1,039百万円資本剰余金が311百万円増加し、自己株式が389百万円増加したことによるものであります。なお、自己資本比率は、72.9%(前事業年度74.0%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末から68百万円減少し3,319百万円前期比2.0%減)となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、1,660百万円前期比282百万円増)となりました。

収入の主な要因としては、税引前当期純利益2,019百万円及び減価償却費215百万円によるものであります。

支出の主な要因としては、法人税等の支払いによる支出656百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、1,294百万円前期比1,205百万円増)となりました。

収入の主な要因としては、定期預金の払戻による収入3,000百万円によるものであります。

支出の主な要因としては、定期預金の預入による支出3,500百万円及び有形固定資産の取得による支出862百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、434百万円前期比102百万円増)となりました。

収入の主な要因としては、新株予約権の行使による株式の発行による収入765百万円によるものであります。

支出の主な要因としては、自己株式取得による支出846百万円、配当金の支払いによる支出353百万円によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社は、美容室向け頭髪用化粧品及び医薬部外品の製造、販売事業の単一セグメントであるため、セグメントに関連付けた記載はしておりませんが、区分別に示すと以下のとおりであります。

a. 生産実績

当事業年度における生産実績は、以下のとおりであります。

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

トイレタリー

7,103,637

119.1

整髪料

1,278,127

100.0

カラー剤

279,980

136.0

育毛剤

399,780

159.3

パーマ剤

100,747

98.2

合計

9,162,273

117.5

 

(注) 上記の金額は、「代理店納入価×生産本数」により算出しております。

 

b. 受注実績

当社は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c. 販売実績

当事業年度における販売実績は、以下のとおりであります。

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

トイレタリー

7,042,331

125.8

整髪料

1,394,080

100.8

カラー剤

329,565

105.8

育毛剤

261,990

92.7

パーマ剤

108,624

95.0

その他

104,878

142.3

売上高控除

△550,144

合計

8,691,327

118.7

 

(注) 1 総販売実績に対する売上高の割合が10%を超える販売先はありません。

2 「その他」の区分は、美容室で利用される販売促進用品等であります。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。当社は、この財務諸表の作成にあたって「第5 経理の状況」に記載のとおり、有価証券及び棚卸資産の評価、減価償却資産の耐用年数の設定、退職給付引当金の認識、繰延税金資産や資産除去債務の計上等に関し、過去の実績や状況に照らして合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の当事業年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

(売上高、売上総利益)

売上高は、前事業年度と比較して1,366百万円(前期比18.7%増)増収の8,691百万円となりました。区分別の売上高は、トイレタリーが1,443百万円増収の7,042百万円、整髪料が10百万円増収の1,394百万円、カラー剤が17百万円増収の329百万円、育毛剤が20百万円減収の261百万円、パーマ剤が5百万円減収の108百万円、その他が31百万円増収の104百万円となりました。

一方で、売上原価率は、引き続き行っている原価管理の見直しにより、前事業年度と同等の28.6%になり、売上総利益は前事業年度と比較して978百万円(前期比18.7%増)増加の6,207百万円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は、人件費等の増加により、前事業年度と比較して447百万円(前期比12.4%増)増加の4,055百万円となりました。

営業利益は、販売費及び一般管理費の増加額を売上総利益の増加額が上回ったことから、前事業年度と比較して530百万円(前期比32.7%増)増加の2,151百万円となりました。

 

(営業外損益、経常利益、特別損益、税引前当期純利益)

営業外収益は、前事業年度と比較して42百万円(前期比56.7%減)減少の32百万円となりました。営業外費用は、前事業年度と比較して32百万円(前期比84.1%減)減少の6百万円となりました。

経常利益は、前事業年度と比較して520百万円(前期比31.4%増)増加の2,177百万円となりました。

特別損益には、特別損失として158百万円を計上しております。これは、「コタ アイ ケア シャンプー」の一部ロットの自主回収に係るものです。

この結果、税引前当期純利益は、前事業年度と比較して362百万円(前期比21.9%増)増加の2,019百万円となりました。

 

(当期純利益)

当期純利益は、前事業年度と比較して224百万円(前期比19.2%増)増加の1,393百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前事業年度と比較して10.55円増加の59.62円となりました。

 

なお、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 目標とする経営指標」に記載のとおり、当社は会社の着実な成長と永続という観点から、売上高経常利益率15%以上、ROE10%以上を目標値として定め、継続的かつ安定的に上回ることを目指しております。当事業年度につきましては、上記の要因から売上高経常利益率は25.1%と高い水準で目標値を上回りました。また、収益の構造上、総資産回転率及び財務レバレッジが比較的安定していることに加え、売上高当期純利益率が16.0%となったことから、ROEは15.4%となり、目標値を上回りました。

 

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(資金の主要な使途)

当社は、持続的な企業価値の向上を実現するため、会社の着実な成長と適正な利益水準の維持、適正な経営資源の配分に努めております。経営環境の急激な変化や不測の損失リスクに備え、必要に応じて成長投資資金を調達できる強固な財務基盤の構築及び維持に努めることを基本方針としております。

具体的には、営業活動によって得られた資金を、成長投資、手許資金、株主還元に適切なバランスで配分することを意識しており、成長投資としては運転資金、人材獲得及び育成費用、設備投資、研究開発費等に、手許資金としては今後の事業規模の拡大や製造設備・研究開発等の投資、財務基盤の強化、安定的な配当を継続するための原資に、株主還元としては配当金の支払い等に充当しております。

 

(資金調達の方法及び状況)

当社は、当事業年度末において、現金及び預金5,819百万円に加え換金性の高い金融資産も保有しており、当事業年度末の自己資本比率は72.9%と引き続き良好な財務体質を保っていることから、研究開発や工場設備への投資、コンサルティング・セールスを展開する営業体制の強化等に必要となる資金については、手許資金を活用することを基本としております。

一方で、手許資金を上回る資金調達が必要となる場合には、対象となる投資等の規模や目的、時期等を十分に勘案し、資本市場や金融機関からの調達を検討する等、柔軟に調達手段を選択することとしております。

なお、有利子負債はございません。

 

④ 戦略的現状と見通し

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が進む一方、新たな変異株の発生により、国内での新規感染者数が拡大するなど、先行きは不透明な状況で推移いたしました。

このような経営環境において、美容室の業績向上に資することができる独自のビジネスモデルである「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」と「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」を展開することで、当社はお取引先美容室のより一層の業績向上に取り組み、美容業界の発展と近代化に引き続き注力する考えであります。コロナ禍におきましても、美容室における店販の需要は底堅く、その重要性も再認識されており、さらに消費者からの高付加価値製品へのニーズも高まっております。

2023年3月期につきましては、引き続き、店販戦略の主力である「コタ アイ ケア」及びトイレタリーのトップブランドである「コタクチュール」を推進し、拡販を図ってまいりたいと考えております。また、2022年5月に育毛剤の新製品「コタエイジング グロウセラム」を発売いたしました。一方、製品開発体制のさらなる強化と充実した基礎研究のための環境整備等を目的とした「COTA KYOTO Lab(コタ キョウト ラボ)」の竣工を始めとして、さらなる成長のための人材の獲得と育成、設備投資等につきましても、継続して行う予定としております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社の研究開発活動は時代とともに変化する市場ニーズに適合し、環境、人体、頭髪に優しい高品質な製品開発に重点を置いております。社内に設置している製品開発委員会において市場動向、価格、原料、品質、コンセプト等を検討し、その結果を受けながら研究部の各製品部門の開発チームにおいて開発を進める体制をとっております。

また、産学連携を含めた素材研究や基礎研究を行い、新たな製品開発に応用できる探索を行っております。

現在、研究開発は、製品開発、基礎研究、薬事の構成で運営しております。

 

(製品開発)

コタエイジング グロウセラム

「コタエイジング」ブランドは、加齢に伴う髪質や頭皮の状態の変化を感じる世代に対してはもちろんのこと、10代・20代で髪や頭皮のケアを行い美しい髪を実現している方に、将来にわたってもその美しい髪質や頭皮の状態を保ち、美しいヘアスタイルを楽しんで頂くために、今と未来の美しさの両面をケアすることをコンセプトとしております。

その第一弾として、薬用育毛美容液「コタエイジング グロウセラム」を開発いたしました。

埼玉工業大学 名誉教授 巨東英氏との共同研究で開発したコタオリジナル「ナノ化育毛成分ユニット」により、DDS(※)を実現し、毛乳頭を活性化させることが可能となりました。この技術は特許権を取得しております。

これにより育毛効果を高め、これから生えてくる毛髪をより健康にし、そして抜けにくくすることで未来の美しさを実現します。また、軟毛や細毛で髪のボリュームがでない方に対し、2つのボリュームケア成分が髪の根元の立ち上がりとキープ力を高め、ヘアスタイルを美しく保ち、今の美しさを実現します。

※DDS…ドラッグデリバリーシステム(Drug Delivery System)の略で、必要な場所に必要な成分を送り届ける技術のこと。

 

(基礎研究)

現在の基礎研究の重点課題は以下の2点であり、外部研究機関、大学の協力を得ながら研究を行っております。

① 界面活性剤の頭髪への効果確認

② 頭髪及び頭皮の老化現象に対する物性評価の測定方法の確立

基礎研究の重点課題①につきましては、シャンプーを始め多くの化粧品に配合する界面活性剤が頭髪にどのような影響を与えるのかについて調査する目的で基礎研究を進めております。

重点課題②につきましては、加齢に伴う頭髪及び頭皮への影響を計測し、人口動態の変化に対応できるエイジング対策につながる基礎研究を行います。まずは物性評価の測定方法の確立を目的とした基礎研究を進めます。

これらを中長期的テーマとして基礎研究を継続し、さらなる高品質な製品開発に努めてまいります。

なお、当事業年度に支出した研究開発費の総額は463百万円であります。