第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、社内で合理的な根拠に基づく適切な検討を経たものであります。

 

(1) 経営方針

当社では「共有すること」を大切にしており、すべてのステークホルダーの皆様と当社が目指す未来である「コタビジョン」を共有することで、より強く、さらに「いい会社」になれると考えております。

また、当社は「美容業界の近代化」を目的として創業いたしました。「美容業界の近代化」とは、美容室の経営を近代化するということであります。つまり、経営者一代限りで消滅する個人的会社経営ではなく、「会社に関わるすべての人々の幸せを求める」という経営本来のあり方を目指していただくことであり、そのために、お取引先美容室の業績を向上させることで生産性を高め、利益を計上し、労働環境の整備や人材を採用・育成し続けるといった「会社の永続を目的とした経営管理体制づくり」のことであります。

そして、当社は「世の中の美容室を一軒でも多く近代経営に導く」こと、「世の中の女性を一人でも多く髪から美しくする」ことをミッションとしており、具体的な戦略として美容室の経営改善システムである「旬報店システム」を軸とした美容室の経営コンサルティング(コンサルティング・セールス)を行い、トイレタリー(シャンプー、トリートメント等)の販売を中心とした「店販」を戦術として、独自のビジネスモデルを展開しており、成長・繁栄につながるさまざまな提案を美容室に行っております。それらにより、美容室の業績向上を図るとともに、メーカーとして「美容業界の近代化」の実現を十分にサポートできる製品を提供することで、永続的にステークホルダーの皆様の期待に応えていくことを経営方針としております。

 

(2) 経営環境

美容業界におきましては、美容室経営の二極化が進んでおり、多くの美容室では来店客数の減少や客単価の伸び悩み等、今後も厳しい状況が続くことが予想されますが、独自のビジネスモデルである「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」と「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」を展開し、美容室の業績向上に資することができる当社にとっては、こうしたビジネス環境は追い風であると認識しております。このような状況の中、当社におきましては「女性は髪からもっと美しくなれる」というコーポレートスローガンのもと、美容室でのカウンセリングを通じて、来店客に対して付加価値の高いヘアケア提案を行いました。特に、ヘアケアの基本であるシャンプー及びトリートメントの主力ブランドである「コタ アイ ケア」を中心に美容室を通じた販売を推進することで、多くの「女性のキレイ」を髪から応援しております。コロナ禍におきましても、お取引先美容室に対して、対面とオンラインによる営業活動を通じて徹底的に寄り添い、業績向上に向けた提案や経営に関する支援を行いました。

当社はメーカーとして、高品質・高付加価値な製品を提供するだけではなく、お取引先美容室との間で「経営の近代化」に向けた考え方を共有し、お取引先美容室の現状に合わせた経営サポートも行うことで、同業他社との差別化を図り、市場の成長率を上回りながら着実に成長を続けております。

 

 

 


(注) 当社売上高は、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を遡って適用した後の数値となっております。

 

(3) 目標とする経営指標

当社では会社の着実な成長と永続という観点から、売上高経常利益率、ROE(自己資本当期純利益率)の2つの指標に目標値を定めております。これらの目標値を継続して達成することに主眼をおいており、具体的には次のとおりであります。

・売上高経常利益率・・・15%以上

・ROE・・・・・・・・10%以上

回次

第41期

第42期

第43期

第44期

第45期(予)

決算年月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

売上高経常利益率(%)

21.2

22.6

25.1

24.0

21.4

ROE(%)

14.0

14.3

15.4

15.8

13.1

 

(注) 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第43期の期首から適用しており、第41期及び第42期に係る指標については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標となっております。

 

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略

当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のために、独自の「コーポレート・ガバナンス ガイドライン」を制定し、実行しております。

「コーポレート・ガバナンス ガイドライン」は、当社が目指す未来である「コタビジョン」を構成する「コタベーシック」(基本的な考え方)及び「コタプリンシプル」(事業活動の方向性・行動指針)をすべてのステークホルダーの皆様と共有し、最良のコーポレート・ガバナンスを実現することを目的としております。「コタベーシック」は、「創業精神」と3つの理念である「創業理念」、「経営理念」、「基本理念」から構成されており、「コタプリンシプル」は、「2つのミッション」とそれを実現するための「独自のビジネスモデル」と「コーポレートスローガン」、それらを支える「製品」から成り立っております。当社は「コタビジョン」に基づいたコーポレート・ガバナンスを充実させることで経営の健全性及び透明性を確保し、ステークホルダーの皆様からの期待と信頼に係る責任を十分に果たしながら、永続・発展できる企業を目指しております。

 


 

 

また、「コタビジョン」に基づいた研究開発、生産、営業活動を行うことが中長期的にも重要であることを踏まえ、具体的には次のような施策に取り組んでまいります。

 

① 経営方針に基づいた事業活動の展開

上記「(1) 経営方針」に従い、美容室の来店客に対するカウンセリングや店販の推進等の具体的施策を引き続き積極的に提案し、お取引先美容室の業績向上による経営の近代化を図るとともに、それを十分にサポートできる製品開発に取り組んでまいります。

 
② 独自のビジネスモデルの推進による着実な成長

当社では、同業他社にはない独自のビジネスモデルである「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」と「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」を引き続き推進し、同業他社との差別化を図り、お取引先美容室の業績向上に注力してまいります。ビジネスモデルを通じてお取引先美容室の発展・繁栄に寄与することにより、創業精神である「美容業界の近代化」を実現することが、当社の着実な成長につながると考えております。

 

(5) 会社が対処すべき課題

美容業界におきましては、美容室経営の二極化が進んでおり、多くの美容室では来店客数の減少や客単価の伸び悩み等、今後も厳しい状況が続くことが予想されますが、独自のビジネスモデルである「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」と「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」を展開し、美容室の業績向上に資することができる当社にとっては、こうしたビジネス環境は追い風であると認識しております。この追い風を確実に当社の業績へつなげるべく、以下の課題に取り組んでまいります。

 

人材育成と労働環境の再整備

会社が着実に成長し永続していくためには、次の世代を担う人材(後継者)の育成が不可欠であります。社内外研修の充実を図り、当社が目指す未来である「コタビジョン」を明瞭かつ的確に伝えるとともに、多様な人材を確保し、将来の会社経営を担う人材育成に一層努めてまいります。

また、これまでの仕事のあり方及び組織体制を見直し、業務効率化や生産性向上を意識した労働環境の再整備に取り組んでまいります。

 

② 旬報店の開拓と業績向上

当社の業績を支える根幹は、旬報店の業績向上にあります。当社の創業精神である「美容業界の近代化」を共有できる新規旬報店の開拓を推進するとともに、既存旬報店の成長に資するべく、「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」のさらなる拡充に努めてまいります。

 

③ 積極的なIR活動の推進

これまでのIR活動をベースに、対象者、対象地域及び手法等を適宜、改善しながら推進することで、投資家層への浸透を図るとともに潜在的株主の裾野を広げ、株主数の増加、知名度の向上につなげてまいります。

また、会社の意思決定・公正性を確保し、実効的なコーポレート・ガバナンスを実現する観点から、主体的な情報開示と株主との対話のさらなる充実を図ってまいります。

 

④ 非正規販売対策の推進

当社製品(シャンプー、トリートメント、整髪料等)は、美容室でのカウンセリングを通じた対面による店舗販売を原則とする製品であります。したがいまして、美容室を経由しないインターネットや小売店等での非正規販売では、お客様一人ひとりの髪の状態に適した製品を選択することができません。また、近年では定価を超える価格での販売や偽造品の販売等の事例も発生しており、これを放置しては結果として当社製品のブランド価値の低下を招くとともに、美容室の業績及び消費者にも悪影響を与えることから、非正規販売を完全否定するための対策をより一層進めてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、社内で合理的な根拠に基づく適切な検討を経たものであります。

 

(1) 基本的な考え方

当社は、創業以来、創業精神である「美容業界の近代化」を通じた企業の永続・発展を志し、着実な成長路線を歩みながら、人に社会に環境にとって「いい会社」であり続けることを目指しております。また、当社では、創業理念である「美を愛する心 文化を愛する心 平和を愛する心」に基づき、事業を通じて業界の発展と近代化に貢献することで、美容文化の醸成を通じて豊かで持続可能な社会の実現にも取り組んでおります。したがいまして、サステナビリティをめぐる課題への対応が、中長期的な企業価値や収益機会の向上につながる重要な経営課題であることを踏まえ、全役員、全従業員、さらには、お客様、株主、お取引業者、地域社会等、当社を取り巻くすべてのステークホルダーの皆様とコタという会社を「共有」したいと考えております。

当社の目指す未来である「コタビジョン」を通じて、ステークホルダーの皆様とコタという会社を「共有」できれば、コタはもっと強く、もっと「いい会社」になれると考えており、「コタビジョン」に基づいたコーポレート・ガバナンスを充実させることで経営の健全性及び透明性を確保し、ステークホルダーの皆様からの期待と信頼に係る責任を十分に果たしながら、永続・発展できる企業を目指しております。

以上を踏まえ、当社においては、各部門単位や取締役が参加する社内横断的な会議等において、サステナビリティに関する事項を審議・共有しております。取締役会には、定期的に重要事項が報告され、取締役会の監督が適切に図られるよう体制を整えております。また、サステナビリティに関するリスクと機会については、各部門や社内横断的な会議等において、定期的な検証をするとともに、必要に応じて取締役会へ報告する等、経営上の重要な影響を及ぼす事項については、適切に管理しております。

 

(2) 環境及び気候変動への取り組みとTCFDへの対応

当社では創業以来、製品製造の過程において環境や人体にやさしい原材料を使用することを念頭に、フロンガスの不使用、塩化ビニール製容器の全廃等に取り組んでまいりました。企業として環境保護にいかに取り組むかが重要な経営課題の一つであると認識し、環境に対するこれまでの考え方、姿勢を堅持するとともに、2005年に「KES・環境マネジメントシステム・スタンダード ステップ2」の認証を取得し、環境にやさしい企業として、代表取締役社長を最高責任者とした社内横断組織である環境委員会を中心に、全社を挙げて取り組んでまいりました。

一方、近年は気候変動をはじめとする環境課題が深刻化し、日本国内においても異常気象による自然災害が頻発し、企業にとっても看過できない状況となっております。当社では、これら気候変動についてもサステナビリティ経営上の重要課題であると認識し、気候変動に伴うリスクや機会は、事業戦略に大きな影響を及ぼすものと認識しております。ついては、これまでの取り組みに加え、気候変動に対するガバナンスを強化するため、従前の環境委員会を担当取締役を委員長とする新たな環境委員会に改組し、気候変動に対する取り組みも進めております

 

<ガバナンス>

気候変動に関する基本方針や重要事項(機会・リスクの評価や事業戦略への反映等)については、担当取締役を委員長とする環境委員会で定期的に審議し、取締役会において決定しております。

取締役会規則に基づき、重要な事項は定期的に(年1回以上)取締役会に報告し、取締役会の監督が適切に図られるよう体制を整えております。

また、環境委員会では、事業を通じた気候変動への取り組み方針、リスク・機会の評価の在り方、温室効果ガス削減についての検討及び進捗確認を行う予定であります。

 

<戦略>

当社が気候変動に関連して直面するリスクと機会は、シナリオ分析に基づき、顕在化時期及び事業への影響度を評価した上で、今後開示を進めていく予定であります。

 

 

<リスク管理>

企業を取り巻く環境は、より一層複雑かつ不確実性を増しており、企業活動に重大な影響を及ぼすリスクに対して、適切に対処することが経営戦略や事業目的を遂行していく上で不可欠であります。

当社では、環境課題に係るリスクについては環境委員会でより詳細に検討を行い、進捗をモニタリングするとともに必要に応じて取締役会へ報告する等、環境課題を経営上の重要な影響を及ぼすリスクと位置付け、適切に管理しております。

 

<指標及び目標>

気候変動に影響を及ぼす温室効果ガス等については、排出量の算出による実態の把握を進めており、目標値等を含めた開示を拡充すべく検討を進めていく予定であります。

 

(3) 人的資本経営の取り組み

当社では、全役員、全従業員が共有し、目指している会社の在り方として、「『いい会社』を目指し続ける」という基本理念を定めております

当社がイメージする「いい会社」とは、「売上高の規模が大きかったり、立派な建物であったりする会社ではなく、また、決して短期間で作り上げられるものでもなく、役員・従業員全員の日々の言動や思考の長期的な積み上げによって作られていくものである」と考えております。このような考え方が役員・従業員の高い道徳観や倫理観の醸成につながり、ひいては当社と出会えて良かったと思えるような「いい会社」であり続けられる基礎になると考えております

当社では、さらに「いい会社」へステップアップするために、目先の損得ではなく善悪による判断基準により、常に全員が考え、行動するように努めており、将来的な企業の成長を担う人材の獲得と維持のための社内環境整備方針と、従業員の生産性向上に向けた人材育成方針を定め、より共有を深める体制を構築しております

 

<社内環境整備方針>

当社は、多様な視点や価値観の存在が企業価値の向上に資するものであると考え、性別、年齢、国籍等にとらわれることなく、社内における女性の活躍促進を含む多様性の確保を推進し、雇用環境の整備と教育研修を受ける機会を確保することにより多様な人材を育成し、活躍できる環境を整備しております

(当社の取り組み例)

・障がいのある方でも働きやすい環境の整備

・全従業員を対象にインフルエンザ予防接種を実施(毎年)

・管理職を対象に人間ドック受診の支援(毎年)

・メンタルヘルスの取り組みとしてストレス診断及び組織診断を実施し、適宜ヒアリング及びフォローを実施(毎年)

・安全運転管理に関する施策として安全運転月間の取り組みを実施し、安全で働きやすい職場環境づくりの推進

・性的マイノリティに対する理解促進のためのLGBTQ研修

 

<人材育成方針>

当社では、人材育成を重要課題の一つとして捉え、経営における基本的な考え方と事業活動の方向性・行動指針である「コタビジョン」を基に、長期的な視点で人材育成に取り組んでおります。教育専門部署を設置しており、従業員一人ひとりの能力を高め最大限引き出していくために、「コタビジョン」を深く理解するための研修をはじめ、役職別研修、コンプライアンス研修及びダイバーシティ研修等を実施し、意欲と能力を十分に伸ばす機会を提供しております

 

 

<指標及び目標>

当社では、「共有すれば強くなる」という考え方のもと、全従業員を対象とする社内IR説明会を定期的に実施し、役員と従業員との間で「会社を共有」することにより、従業員一人ひとりがコタという会社を知る重要な機会を提供しており、従業員一人ひとりの成長を積み重ねることで、着実に業績を伸ばしております。引き続き、会社の持続的な成長のために「共有」することを大切にしながら、次の指標を参考にしつつ人材育成に努めております。

平均勤続年数は男女ともに安定した推移を示し、離職率は期によって増減はあるものの、従業員数は増加傾向にあります。

・平均勤続年数

 

第40期

第41期

第42期

第43期

第44期

男性(年)

10.9

11.2

11.4

11.8

11.9

女性(年)

7.2

7.0

6.8

6.8

7.4

合計(年)

9.8

9.8

9.8

9.9

10.3

 

※臨時社員・嘱託社員は除く

 

・従業員数の推移と離職率

 

第40期

第41期

第42期

第43期

第44期

従業員数(人)

301

316

342

355

355

離職率(%)

8.2

6.5

4.6

7.5

7.5

 

※臨時社員・嘱託社員は除く

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、社内で合理的な根拠に基づく適切な検討を経たものであります。

 

(1) 美容室専売品業界の動向について

当社では、美容室向け頭髪用化粧品及び医薬部外品の製造、販売事業を行っております。将来的には人口減少に伴う美容施術人口の減少により、当業界の市場規模の縮小が予想されるとともに、競合他社との競争も激しい状況ではありますが、当社では付加価値の高い製品及びサービスの提供に努めているところであります。しかしながら、今後予期せぬ業界動向又は競争環境の変化や、当社が提供する製品及びサービスと顧客ニーズが大きく乖離するといった事態が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原材料の仕入れ及び調達について

当社では、製品の製造に必要な原材料(原料及び包装資材)をメーカー又は卸会社から仕入れ、調達しております。当社では、これら仕入先との間において良好な取引関係を保つとともに、適正価格での安定的な仕入れ及び調達に努めているところであります。しかしながら、原油価格の高騰や自然災害といった外的要因の発生又は何らかの要因により取引関係の悪化が生じた場合には、適正価格での安定的な仕入れ及び調達が困難となり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 製造拠点の集中について

当社では、外注先への製造委託品を除き、製品の製造を京都府久世郡久御山町にある京都工場で行っております。万一、大規模な自然災害又は事故の発生により京都工場の製造設備に多大な被害が生じた場合には、一定期間、京都工場の稼動が停止し製品の製造が不可能になると同時に、復旧に相当の費用を要し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法的規制、許認可について

① 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)

当社では、医薬品医療機器等法及び関係諸法令の遵守を徹底しておりますが、製造販売業許可の取消し、業務停止又は改善命令等を受けた場合や、これら法規制の新設又は改正があった場合には、当社の事業活動が制限され、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 製造物責任法

当社では、品質基準を遵守し、すべての製品の信頼性を維持するために万全の品質保証体制を整えておりますが、予期せぬ欠陥等により製造物責任が発生する可能性があります。また、当社では製造物責任賠償の保険に加入しておりますが、当該保険で必ずしもすべての賠償額をカバーできる保証はありません。また、万一そのような事態が発生した場合には、少なくとも社会的信用の失墜は避けられず、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 製造管理、品質管理について

当社では、製品の製造過程において作業マニュアルの策定及び当該マニュアルを遵守するための従業員教育、品質検査の実施等により、出荷する製品の品質には万全を期しております。しかしながら、何らかの要因により製造過程又は出荷後のある過程において製品中に異物が混入し、当該製品を使用した顧客の健康被害又は当該製品の回収という事態が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) 知的財産権について

当社では、知的財産権を守るための措置を講じておりますが、知的財産権が侵害され、技術・情報の流出や模倣製品が市場に出回る事態が発生する可能性があります。

また、当社では特許権、商標権その他の知的財産権について入念な調査を行いながら製品開発を進めております。しかしながら、万一当社が認識する範囲外で第三者の特許権、商標権その他の知的財産権を侵害し、製品の仕様変更、回収等の費用の発生、第三者からの損害賠償請求権の行使及び裁判等の訴訟・紛争が生じた場合には、交渉による解決や代替技術・原料の使用による回避に向けた努力を進めますが、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 業績の季節変動について

当社の製品の出荷は、美容室の繁忙期が重なり「コタ全国店販コンクール」を開催する第3四半期に偏重する傾向にあり、各四半期に計上される売上高及び利益の額を比較しても変動が大きくなっております。したがいまして、何らかの要因により第3四半期の販売が不調に終わった場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、2023年3月期の各四半期の売上高及び利益の状況は、以下のとおりであります。

(単位:百万円・%)

 

2023年3月期(第44期

(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

売上高

 

(構成比)

1,582

(18.0)

1,801

(20.5)

3,692

(41.9)

1,727

(19.6)

8,804

(100.0)

営業利益

 

(構成比)

95

(4.7)

254

(12.6)

1,567

(77.6)

103

(5.1)

2,020

(100.0)

経常利益

 

(構成比)

101

(4.8)

259

(12.3)

1,646

(77.8)

108

(5.1)

2,115

(100.0)

四半期(当期)純利益

 

(構成比)

64

(4.2)

201

(12.9)

1,213

(77.7)

81

(5.2)

1,560

(100.0)

 

 

(8) 製品の横流れについて

当社の製品は美容室専売品であり、美容室において施術時に使用されるとともに、美容師のカウンセリングのもと一般消費者に対面で店舗販売されるものであります。当業界では、一部の美容室専売品がインターネットや小売店等に横流れし、販売されている事例が見受けられますが、当社では、美容室での対面による店舗販売を原則とした取引を代理店又は美容室との間で行っております。また、社内横断組織及び専任者を設置し、製品の横流れの監視・調査等を行っております。しかしながら、何らかの要因により当社の製品がインターネットや小売店等に大量に横流れした場合には、当社の製品のブランド力や当社に対する信用の低下を招き、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 新製品の出荷の下振れについて

新製品の発売に当たっては、開発段階から市場のニーズや製品性能に対する評価等の調査を行っており、その調査結果を受けて出荷予測を行い、それに基づいた生産計画を立案しております。しかしながら、発売後、当初の予測を大きく下回る出荷となった場合には、製品や原材料の滞留在庫が発生し、当初計画にはなかった棚卸資産の廃棄損が生じ、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10) 情報セキュリティについて

当社が保有する顧客情報や製品情報等の機密情報については、社外への漏洩及び社外からの侵入を防ぐためファイアウォール等の情報セキュリティを確立するとともに、社内に「IT委員会」を設置し、定期的にセキュリティの更新や社内啓蒙等を行っております。しかしながら、予期せぬ不正アクセス等による社内システムへの侵入や情報の漏洩等が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 人材の確保、育成について

独自のビジネスモデルである「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」と「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」を遂行するためには、優秀な人材の確保及び育成が重要なテーマとなります。そのため当社では、従業員の採用を進めながら、教育専門部署による計画的な社内研修を実施することで、優秀な人材の確保及び育成に努めております。しかしながら、採用環境の変化により求める人材が確保できず、ビジネスモデルを遂行するノウハウを継承できない場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります

 

(12) 安全管理について

当社では役員、従業員の安全確保と健康に働ける環境整備に取り組み、また天災や疫病に対処するための体制を構築しております。しかしながら、想定を超える事故や災害、集団感染等が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) コンプライアンスについて

当社では、企業としての社会的、道義的責任を果たすために、社内に「コンプライアンス委員会」を設置し、当社の事業活動が法令、定款及び社内規程並びに社会一般の規範、倫理等に適合し続けるための体制を構築しながら、役員、従業員のモラルの醸成等に努めております。しかしながら、役員、従業員の法令違反等が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) その他のリスクについて

上記以外にも事業活動を継続していくうえで、経済情勢の変化や天災、紛争、疫病の発生及び蔓延、消費者嗜好の変化等、様々なリスクが考えられます。

当社では、こうしたリスクを回避、又は影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでおりますが、想定を上回る事態が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当社は、「女性は髪からもっと美しくなれる」というコーポレートスローガンのもと、美容室でのカウンセリングを通じて、来店客に対して付加価値の高いヘアケア提案を行いました。特に、ヘアケアの基本であるシャンプー及びトリートメントの主力ブランド「コタ アイ ケア」を中心に美容室での販売を推進することで、多くの「女性のキレイ」を髪から応援しております。また、創業精神である「美容業界の近代化」をベースに、独自のビジネスモデルである「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」と「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」を引き続き展開いたしました。コロナ禍におきましても、お取引先美容室に対して、対面とオンラインによる営業活動を通じて徹底的に寄り添い、業績向上に向けた提案や経営に関する支援を行いました。

売上高につきましては、店販戦略の主力である「コタ アイ ケア」の販売が堅調に推移したことに加えて、2022年5月に発売した育毛剤「コタエイジング グロウセラム」や2022年9月に発売した整髪料「コタスタイリング ルミテックス」の販売も好調であったことにより、前期実績を上回りました。

また、売上原価につきましては、増収に伴う増加や原材料費の上昇等により前期実績を上回りましたが、引き続き原価管理の見直し等を行っていることから、売上原価率は前期実績とほぼ同等になりました。販売費及び一般管理費につきましては、営業活動や物流に係る費用の増加、2022年6月に竣工した「COTA KYOTO Lab(研究開発施設)」に関連する費用を計上したことにより、前期実績を上回りました。営業外収益につきましては、前述の「COTA KYOTO Lab(研究開発施設)」建設に対する補助金収入(98百万円)を、特別利益につきましては、前事業年度において計上した「コタ アイ ケア」の一部ロットの自主回収に係る関連費用引当金の戻入益(32百万円)をそれぞれ計上しております。

これらの結果、当事業年度につきましては、売上高は8,804百万円(前期比1.3%増)、営業利益は2,020百万円(前期比6.1%減)、経常利益は2,115百万円(前期比2.8%減)、当期純利益につきましては、1,560百万円(前期比12.0%増)となりました。

また、売上高は25期連続の増収、営業利益、経常利益は10期ぶりの減益、当期純利益は4期連続の増益となり、売上高と当期純利益は過去最高の結果となりました。

 

 

 

 


 


 


 


 

「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第43期の期首から適用しており、第40期、第41期及び第42期については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値となっております

 

 

なお、当社は美容室向けの頭髪用化粧品及び医薬部外品の製造、販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っておりませんが、売上高の内訳は以下のとおりであります。

区分

前事業年度

当事業年度

増減額
(百万円)

増減率
(%)

金額
(百万円)

構成比
(%)

金額
(百万円)

構成比
(%)

トイレタリー

7,042

76.2

6,623

70.7

△418

△5.9

整髪料

1,394

15.1

1,624

17.3

230

16.6

カラー剤

329

3.6

314

3.4

△15

△4.7

育毛剤

261

2.8

602

6.4

340

130.0

パーマ剤

108

1.2

109

1.2

1

1.2

その他

104

1.1

96

1.0

△8

△8.3

小計

9,241

100.0

9,371

100.0

129

1.4

売上高控除

△550

△566

△16

合計

8,691

8,804

113

1.3

 

 

当社は、2つのミッションである「世の中の美容室を一軒でも多く近代経営に導く」と「世の中の女性を一人でも多く髪から美しくする」を実現するために、トイレタリーの販売を中心とした「店販」を推進しながら、美容室の経営改善システムである「旬報店システム」を軸とした美容室の経営コンサルティング(コンサルティング・セールス)を展開することで、成長・繁栄につながるさまざまな提案を美容室に行っております。

そのため売上高に占めるトイレタリーの割合は、同業他社に比べ高いことが特徴であります。

 

なお、総資産は、前事業年度から608百万円増加し、13,693百万円となりました。

主な要因としては、現金及び預金が595百万円減少し、有形固定資産が641百万円商品及び製品が327百万円売掛金が50百万円原材料及び貯蔵品が43百万円増加したことによるものであります。

負債は、前事業年度から29百万円減少し、3,515百万円となりました。

主な要因としては、役員退職慰労引当金が73百万円未払法人税等が65百万円増加し、未払消費税等が112百万円製品自主回収関連費用引当金が90百万円減少したことによるものであります。

純資産は、前事業年度から637百万円増加し、10,177百万円となりました。

主な要因としては、自己株式が492百万円増加し、利益剰余金が1,130百万円増加したことによるものであります。なお、自己資本比率は、74.3%(前事業年度72.9%)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末から95百万円減少し3,224百万円前期比2.9%減)となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、1,300百万円前期比359百万円減)となりました。

収入の主な要因としては、税引前当期純利益2,148百万円及び減価償却費281百万円によるものであります。

支出の主な要因としては、法人税等の支払いによる支出471百万円、棚卸資産の増加374百万円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、473百万円前期比820百万円減)となりました。

収入の主な要因としては、定期預金の払戻による収入2,500百万円によるものであります。

支出の主な要因としては、定期預金の預入による支出2,000百万円及び有形固定資産の取得による支出908百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、922百万円前期比488百万円増)となりました。

支出の主な要因としては、自己株式の取得による支出492百万円、配当金の支払いによる支出429百万円によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社は、美容室向け頭髪用化粧品及び医薬部外品の製造、販売事業の単一セグメントであるため、セグメントに関連付けた記載はしておりませんが、区分別に示すと以下のとおりであります。

a. 生産実績

当事業年度における生産実績は、以下のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前期比(%)

トイレタリー

7,087

99.8

整髪料

1,732

135.5

カラー剤

347

124.0

育毛剤

608

152.2

パーマ剤

78

77.6

合計

9,853

107.5

 

(注) 上記の金額は、「代理店納入価×生産本数」により算出しております。

 

b. 受注実績

当社は、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

c. 販売実績

当事業年度における販売実績は、以下のとおりであります。

区分

金額(百万円)

前期比(%)

トイレタリー

6,623

94.1

整髪料

1,624

116.6

カラー剤

314

95.3

育毛剤

602

230.0

パーマ剤

109

101.2

その他

96

91.7

小計

9,371

101.4

売上高控除

△566

合計

8,804

101.3

 

(注) 1 総販売実績に対する売上高の割合が10%を超える販売先はありません。

2 「その他」の区分は、美容室で利用される販売促進用品等であります。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、社内で合理的な根拠に基づく適切な検討を経たものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。当社は、この財務諸表の作成にあたって「第5 経理の状況」に記載のとおり、有価証券及び棚卸資産の評価、減価償却資産の耐用年数の設定、退職給付引当金の認識、繰延税金資産や資産除去債務の計上等に関し、過去の実績や状況に照らして合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して財務諸表を作成しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の当事業年度の経営成績等は、以下のとおりであります。

(売上高、売上総利益)

売上高は、前事業年度と比較して113百万円増収の8,804百万円(前期比1.3%増)となりました。区分別の売上高は、トイレタリーが418百万円減収の6,623百万円、整髪料が230百万円増収の1,624百万円、カラー剤が15百万円減収の314百万円、育毛剤が340百万円増収の602百万円、パーマ剤が1百万円増収の109百万円、その他が8百万円減収の96百万円となりました。

一方で、売上原価率は、引き続き行っている原価管理の見直しにより、前事業年度とほぼ同等の28.7%になり、売上総利益は前事業年度と比較して72百万円増益の6,279百万円(前期比1.2%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は、営業活動や物流に係る費用の増加により、前事業年度と比較して203百万円増加の4,259百万円(前期比5.0%増)となりました。

営業利益は、売上総利益の増加額を販売費及び一般管理費の増加額が上回ったことから、前事業年度と比較して130百万円減益の2,020百万円(前期比6.1%減)となりました。

 

(営業外損益、経常利益、特別損益、税引前当期純利益)

営業外収益は、前事業年度と比較して89百万円増加の121百万円(前期比272.9%増)となりました。これは、主に「COTA KYOTO Lab(研究開発施設)」建設に対する補助金収入(98百万円)を計上したことによるものであります。営業外費用は、前事業年度と比較して20百万円増加の26百万円(前期比331.2%増)となりました。

経常利益は、前事業年度と比較して61百万円減益の2,115百万円(前期比2.8%減)となりました。

特別損益には、特別利益として32百万円を計上しております。これは、前事業年度において計上した「コタ アイ ケア」の一部ロットの自主回収に係る関連費用引当金の戻入益であります。

この結果、税引前当期純利益は、前事業年度と比較して128百万円増益の2,148百万円(前期比6.4%増)となりました。

 

(当期純利益)

当期純利益は、前事業年度と比較して167百万円増益の1,560百万円(前期比12.0%増)となりました。1株当たり当期純利益は、前事業年度と比較して5.94円増加の60.14円となりました。

 

 

なお、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 目標とする経営指標」に記載のとおり、当社は会社の着実な成長と永続という観点から、売上高経常利益率15%以上、ROE10%以上を目標値として定め、継続的かつ安定的に上回ることを目指しております。当事業年度につきましては、上記の要因から売上高経常利益率は24.0%と高い水準で目標値を上回りました。また、収益の構造上、総資産回転率及び財務レバレッジが比較的安定していることに加え、売上高当期純利益率が17.7%となったことから、ROEは15.8%となり、目標値を上回りました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(資金の主要な使途)

当社は、持続的な企業価値の向上を実現するため、会社の着実な成長と適正な利益水準の維持、適正な経営資源の配分に努めております。経営環境の急激な変化や不測の損失リスクに備え、必要に応じて成長投資資金を調達できる強固な財務基盤の構築及び維持に努めることを基本方針としております。

具体的には、営業活動によって得られた資金を、成長投資、手許資金、株主還元に適切なバランスで配分することを意識しており、成長投資としては運転資金、人材獲得及び育成費用、設備投資、研究開発費等に、手許資金としては今後の事業規模の拡大や研究開発・工場設備への投資、財務基盤の強化、安定的な配当を継続するための原資に、株主還元としては配当金の支払い等に充当しております。

 

(資金調達の方法及び状況)

当社は、当事業年度末において、現金及び預金5,224百万円に加え換金性の高い金融資産も保有しており、当事業年度末の自己資本比率は74.3%と引き続き良好な財務体質を保っていることから、研究開発や工場設備への投資、コンサルティング・セールスを展開する営業体制の強化等に必要となる資金については、手許資金を活用することを基本としております。

一方で、手許資金を上回る資金調達が必要となる場合には、対象となる投資等の規模や目的、時期等を十分に勘案し、資本市場や金融機関からの調達を検討する等、柔軟に調達手段を選択することとしております。

当事業年度における所要資金は、「COTA KYOTO Lab(研究開発施設)」の建設代金の一部を自己株式を活用した第三者割当による第1回新株予約権(行使価額修正条項及び行使許可条項付)により充当し、その他はすべて自己資金で賄っております。なお、有利子負債はございません。

 

④ 戦略的現状と見通し

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症との共存により、社会経済活動は徐々に正常化が進み、回復の兆しが見えた一方、原材料やエネルギー価格の高騰等による物価の上昇や円安の進行等により、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

このような経営環境において、美容室の業績向上に資することができる独自のビジネスモデルである「トイレタリーの販売を中心とした店販戦略」と「旬報店システムを軸としたコンサルティング・セールス」を展開することで、当社はお取引先美容室のより一層の業績向上に取り組み、美容業界の発展と近代化に引き続き注力する考えであります。コロナ禍におきましても、美容室における店販の需要は底堅く、その重要性も再認識されており、さらに消費者からの高付加価値製品へのニーズも高まっております。

2024年3月期につきましては、引き続き、店販戦略の主力であるトイレタリーの「コタ アイ ケア」及び同トップブランドである「コタクチュール」を推進し、拡販を図るとともに、2023年5月にはトイレタリーと整髪料の新製品「コタエイジング バウンスアップ」を発売いたしました。一方で、さらなる成長のための人材の獲得と育成、給与水準の引上げ等を中心とした販売費及び一般管理費の増加等を見込んでおります。なお、設備投資等につきましても、継続して行う予定であります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社の研究開発活動は時代とともに変化する市場ニーズに適合し、環境、人体、頭髪に優しい高品質な製品開発に重点を置いております。社内に設置している製品開発委員会において市場動向、価格、原料、品質、コンセプト等を検討し、その結果を受けながら研究部の各製品部門の開発チームにおいて開発を進める体制をとっております。

また、産学連携を含めた素材研究や基礎研究を行い、新たな製品開発に応用できる探索を行っております。

現在、研究開発は、製品開発、基礎研究、薬事、知的財産の構成で運営しております。

 

(製品開発)

コタエイジング バウンスアップ

「コタエイジング」ブランドは、加齢に伴う髪質や頭皮の状態の変化を感じる世代に対してはもちろんのこと、10代・20代で髪や頭皮のケアを行い美しい髪を実現している方に、将来にわたってもその美しい髪質や頭皮の状態を保ち、美しいヘアスタイルを楽しんでいただくために、今と未来の美しさの両面をケアすることをコンセプトとしております。

この「コタエイジング」ブランドから、ヘアスタイルの美しいシルエットを実現するために、しなやかな弾力とまとまりのある髪へ導くヘアケアライン「コタエイジング バウンスアップ」を発売いたしました。「コタエイジング バウンスアップ」は、シャンプー、トリートメント、ミストの3アイテムからなるシリーズで、軟毛や年齢による髪質の変化や髪の弾力、ボリューム不足等のお悩みにアプローチし、美しいシルエットを実現するヘアケアラインです。

 

(基礎研究)

現在の基礎研究の重点課題は以下の2点であり、外部研究機関、大学の協力を得ながら研究を行っております。

① 界面活性剤の頭髪への効果確認

② 頭髪及び頭皮の老化現象に対する物性評価の測定方法の確立

①につきましては、シャンプーを始め多くの化粧品に配合する界面活性剤が頭髪にどのような影響を与えるのかについて調査する目的で基礎研究を進めております。

②につきましては、加齢に伴う頭髪及び頭皮への影響を調査し、市場の拡大が見込まれるエイジングケア製品の開発につながる基礎研究を行います。

これらを中長期的テーマとして基礎研究を継続し、さらなる高品質な製品開発に努めてまいります。

なお、当事業年度に支出した研究開発費の総額は529百万円であります。