第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。なお、当社は単一セグメントです。

 

(1)経営方針

 IT社会は多様な産業に支えられていますが、日本が最も活躍している産業は、電子デバイスに必要とされる機能

性材料を供給しているファインケミカルの分野です。当社の主要製品である貴金属めっき薬品は、その機能性材料の一種であることから、当社はケミストリ(化学)を基礎に科学的に理論武装した製品で高機能・高収益を競う21世紀型のファインケミカル企業として競合他社との差別化を実現し、世界のデバイス市場で高い評価を受けるファインケミカルメーカーに成長することを目指しております。

 

(2)経営環境

 当社が主力基盤とする半導体・電子部品市場は、グローバル規模での発展を維持しており、当社の販売先であるメーカーの多くは、この広大な市場に適応するために、新技術を生み出す開発力を競い合っています。

 

(3)対処すべき課題と対策

①技術開発力の強化

 当社の競争相手は、貴金属めっき薬品業界だけでなく卑金属めっき薬品業界も含みます。したがって、貴金属めっき技術分野ではタイムリーな改良に対応できる技術開発力及び車載向けや産業機械向け等の新用途開拓に向けた技術力向上、さらに貴金属/卑金属にこだわらず、業界として技術的に未完成なテーマを厳選して完成に向けた開発を推進していくことが重要と考えます。

 そのためには、当社の数倍の技術陣容を有する汎用めっき薬品メーカーにも対抗できるユニークな発想を持つ技術陣の育成が必要となります。引き続き、新分野に積極的にチャレンジする人材、資質の高い人材の採用と育成により、技術陣のレベルアップを実現し、開発力の強化を図ってまいります。

 

②営業力の強化

 ここ数年の当社の成長を支えてきたのは、先進国におけるパソコン・スマートフォン等のデジタル機器の普及でしたが、最近は飽和に近づいています。そのため、新しい市場、新しい事業分野に重点を置いた営業戦略を推進することが今後の成長に不可欠と考えております。当社製品の優位性をアピールし、景気動向、業界動向の波とは別にハイエンド製品のデファクトスタンダード化の推進(シェア獲得、粗利増大)、新規アプリケーションへの参入、海外市場に重点を置いた拡販等を図ります。加えて、新規技術開発の拠点として、重要電子機器メーカー、デバイスメーカーのR&D陣との交流ができるような会社間ネットワークの強化を行っていきます。

 

(4)目標の達成状況を判断するための経営指標

 当社は、2021年3月期のROEは6.7%となり、前期比1.6ポイント悪化しております。詳細につきましては、「第一部〔企業情報〕第1〔企業の概況〕〔主要な経営指標等の推移〕自己資本利益率」をご参照ください。今後とも、更なる改善に向け、資産の効率化、収益性の向上に取り組んでいく所存であります。

 

(5)新型コロナウイルス感染拡大の影響について

 世界的な景気の減速が懸念される中、当社は半導体・電子部品業界の重要なサプライヤーとして、安定して事業を継続していくことが重要であると認識し、新型コロナウイルス感染防止を推進しております。

 めっき薬品の需要及び供給については、重要な影響は出ておりませんが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による消費動向には引き続き注意が必要です。

 

 

2【事業等のリスク】

 以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。当社として必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項につきましても投資判断上、あるいは当社の事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から記載しております。

 記載された事項で、将来に関する事項は、提出日現在入手可能な情報から当社の経営判断や予測に基づくものです。

 

a 電子機器業界への依存度が高いことについて

 当社製品は、主に電子部品の半導体搭載基板、プリント基板、コネクター、リードフレーム等に用いられており、その販売先は主に電子機器業界であります。当社の業績は、これらの電子機器業界動向、とりわけスマートフォン市場、パソコン市場の影響を大きく受けます。

 

b 製品市況及び原材料市況等の影響について

 当社の主要製品に使用されている原材料は、貴金属類と薬品類に大別され、金額ベースでは貴金属類が大半を占めております。

 薬品類の価格は比較的安定しておりますが、貴金属(金、銀、パラジウム)は国際商品市況に大きく左右され、当社の売上高は貴金属の相場変動の影響を受けます。

 しかしながら、貴金属についての顧客との契約は基本的に仕入、販売とも当日の建値を基準に決定しており、受注と同時に貴金属の発注を行うため、利益額については貴金属価格の変動の影響をほとんど受けません。ただし、回転在庫を確保しておくことによる価格変動リスクが発生するため、納期の短縮や、在庫量を最小限に抑えることで、影響を最小限にとどめるよう努めております。

 また、貴金属は限られた資源であり、需給バランスの急変や、鉱山の事故等により材料調達に困難が生じた場合には、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

c 為替変動による影響について

 2020年3月期及び2021年3月期における当社の輸出比率は、それぞれ51.1%、54.3%であります。海外との取引につきましては、円建での決済を基本としておりますが、最近ではドル建による取引が増加傾向にあります。為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、これによる当該リスクを完全に回避できる保証はなく、業績が為替変動の影響を受ける可能性があります。

 

d 研究開発について

 電子機器業界における技術革新は著しく、より顧客ニーズに合った製品を提供し、シェアの維持と拡大を行うための研究開発は極めて重要であり、当社は新製品の開発及び既存製品の改良等の研究開発活動を全力で推進しております。

 当社は今後とも、最先端デバイス向けめっき薬品をはじめ、ユーザーの更なる性能の向上及びコストダウンに貢献するめっき薬品や、環境に配慮しためっき薬品等の研究開発活動に取組んでいく方針ですが、かかる研究開発活動が当社の計画通りに順調に行われなかった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

e 知的所有権について

 当社の主力製品である貴金属めっき薬品は、成分組成が複雑であるため、分析による成分組成の解析が困難で同等品としての参入は一般的に容易ではないことに加え、当社が申請した特許が不成立となった場合にはめっき薬品の組成情報が公開されてしまうことから、当社はこれまで貴金属めっき薬品の特許権取得を積極的に行っておりませんでした。

 しかしながら、近年の有機分析技術の進展を受け、今後の新技術の研究開発については、組成情報による特許出願ではなく物理化学定数で規定するパラメーター特許出願により技術保全を重視していく方針です。ただし、出願する特許がすべて登録されるとは限らず、また、当社の研究開発を超える優れた研究開発がなされた場合には、当社の事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。

 入念な事前調査を行っているにもかかわらず、当社が開発・販売する製品が第三者の知的所有権を侵害しているものと判断された場合や、当社製品に関連する新しい他社特許が認可された場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

f 技術ノウハウの流出及び漏出について

 当社の技術情報には、めっき薬品の開発経緯、めっき薬品の組成・成分、当社と顧客間との技術データ等があります。これらの技術情報は所定の保管庫に収納し、日次管理を行っており、外部への持出、複写等を禁じております。特にめっき組成・成分につきましては、当社特有の呼称に変換して記載するなど、漏出防止に努めております。

 しかしながら、最近は社外とのコミュニケーションにメール、フラッシュメモリ、プロジェクター等を使用するケースが増加しており、万が一これらの情報が外部へ漏出した場合には、めっき薬品の成分分析結果と漏出情報との照合により類似品製造が可能になると考えられ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、社員採用時に当社の方針、守秘義務、機密保持等の理解を徹底しておりますが、退職者が出た場合には、退職後相当期間も含む守秘義務契約にもかかわらず、一部の技術情報等が流出し、当社の事業に影響を及ぼす可能性は否定できません。

 

g 人材の確保、育成について

 当社は、各社員が自らの役割を遂行することはもちろん、各々が常に全体観を持って業務を推進しております。現状では、知名度の向上、採用活動の強化、教育・研修の拡充等の施策により優秀な人材を確保できる状況にありますが、今後、研究開発体制の更なる強化、更なる海外展開、新事業分野への進出等にともなう業容の拡大に際し、当社の求める人材を十分に確保、育成できない場合には、今後の事業推進に影響を及ぼす可能性があります。

 

h 法的規制について

 当社は、めっき薬品の原材料として「毒物及び劇物取締法」の対象となる薬品を使用しているため、その販売、製造、輸入等に関して同法の規制を受けております。

 当社は、劇物、毒物に関する販売業登録、製造業登録及び輸入業登録等を取得しており、徹底した社内管理体制を確立し、法令遵守に努めております。しかしながら、万が一法令違反があった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

i 廃棄物等の管理について

 当社の製造または実験過程において生じる廃液及び大気中への排出物については、環境に配慮した適切な処理が必要とされます。当社は、廃液についてはその濃度に応じて、排水処理装置での処理、または外部委託処理を行っております。排気管理については実験室及び製造工程における局所排気を通じ排気ガス処理装置で処理しております。これらの取組みの結果、現在まで行政からの指導、地域住民等からの申入れ等を受けたことはありませんが、将来において当社の排出物の管理に何らかの問題が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

j 被災時の対策について

 当社はこれまで全部門が単一拠点に集中することで意思決定の迅速さ、生産効率と顧客満足の向上に努めてまいりました。一方、東日本大震災後、BCP(事業継続計画)の重要性が注目され、当社主要顧客からBCP策定を要求される機会も増しております。
 当社としましては、主要製品の在庫保有と主要顧客向け外部倉庫の運用をしております。また、当社事務棟で主要製品の製造スペース及び設備導入などの準備が完了し、緊急時製造拠点として確保しました。しかしながら、首都圏において大規模な震災等が発生した場合、一時的に製品製造や出荷等が滞り、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

k 新型コロナウイルス感染拡大の影響について

 時々刻々と変化する事態に対応して的確な意思決定を行うため、BCPにおける危機対策本部(本部長社長)を設置し、従業員及びお取引様に対する安全配慮義務の遵守と共に安定した事業継続に関する注意義務の履行について、適切な対応を図っています。

 提出日現在、めっき薬品の需要及び供給については重要な影響は出ておりませんが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によるめっき薬品の需要低迷が生じた場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この

財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

 詳細につきましては「第一部〔企業情報〕第5〔経理の状況〕〔財務諸表等〕重要な会計方針」をご参照ください。なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第一部〔企業情報〕第5〔経理の状況〕〔財務諸表等〕追加情報」をご参照ください。

 

(2)財政状態の状況

(単位:百万円)

 

2020年3月末

2021年3月末

 

 

増減額

主な増減理由

 流動資産

7,699

8,096

396

売掛金+644、原材料及び貯蔵品255、

現金及び預金△124

 固定資産

4,945

8,053

3,108

投資有価証券+3,088

資産合計

12,645

16,149

3,504

 流動負債

918

1,042

124

設備関係未払金85

 固定負債

975

1,857

882

繰延税金負債949、長期未払金△67

負債合計

1,894

2,900

1,006

純資産合計

10,750

13,249

2,498

その他有価証券評価差額金2,133

利益剰余金+324

負債純資産合計

12,645

16,149

3,504

 

 当期末の総資産は16,149百万円となり、前期比3,504百万円の増加となりました。

 流動資産の残高は8,096百万円となり、前期比396百万円の増加となりました。これは主に売掛金が644百万円増加したものの、原材料及び貯蔵品が255百万円減少、現金及び預金が124百万円減少したことによるものであります。

 固定資産の残高は8,053百万円となり、前期比3,108百万円の増加となりました。これは主に投資有価証券が3,088百万円増加したことによるものであります。
 当期末の負債総額は2,900百万円となり、前期比1,006百万円の増加となりました。
 流動負債の残高は1,042百万円となり、前期比124百万円の増加となりました。これは主に設備関係未払金が85百万円増加したことによるものであります。
 固定負債の残高は1,857百万円となり、前期比882百万円の増加となりました。これは主に繰延税金負債が949百万円増加、長期未払金が67百万円減少したことによるものであります。
 当期末の純資産は13,249百万円となり、前期比2,498百万円の増加となりました。これは主にその他有価証券評価差額金が2,133百万円増加、利益剰余金が324百万円増加したことによるものであります。

 

(3)経営成績の状況

① 売上高

 当期の売上高は16,622百万円と前期比28.2%増加いたしました。

 (詳細は下記の業績等の概要に記載のとおりです。)

 当期の海外での売上高は、総売上高の約54.3%を占めます。

 海外での売上高は約66.4%が円建てで、約33.6%が外貨建てとなっています。また、外貨建てにつきましては、基本的には為替ヘッジをし、為替レートの変動を抑えています。

② 売上原価

 売上原価は主として原材料費、工場の人件費から構成されています。また原材料費は貴金属と一般薬品に分けられます。このうち一般薬品につきましては、価格は比較的安定しておりますが、貴金属につきましては、その価格変動及び数量の増減は売上原価に大きな影響を与えます。売上高に対する売上原価の比率は、88.2%となりました。

 

③ 売上総利益

 当期の売上総利益は、前期と比べ150百万円減少1,964百万円となりました。売上総利益率は11.8%となりました。

④ 販売費及び一般管理費

 当期の販売費及び一般管理費は1,008百万円と前期比6.6%減少となりました。

 販売費及び一般管理費は、主に人件費・研究開発費・減価償却費などであります。当期の販売費及び一般管理費の売上総利益に対する比率は前期に比べ0.3ポイント悪化し51.4%になりました。

⑤ 営業利益

 営業利益は955百万円と前期比7.7%減少となりました。

⑥ 営業外収益と費用

 営業外損益は114百万円の利益となり前期比12.4%減少いたしました。

⑦ 経常利益

 経常利益は1,069百万円となり前期比8.2%減少となりました。

⑧ 税引前当期純利益

 税引前当期純利益は1,073百万円となり前期比8.0%減少となりました。

⑨ 法人税等

 法人税等は283百万円となり前期比8.2%減少となりました。

⑩ 当期純利益

 当期純利益は前期比67百万円減少し、790百万円(前期比7.9%減)となりました。

⑪ ROE

 ROEは6.7%となり、前期比1.6ポイント悪化しております。

 

(4)業績等の概要

 当期の世界経済は新型コロナウイルスの感染拡大で、期初に急激な景気後退に見舞われました。しかし、先進主要国の大型財政出動と大金融緩和策によって年央以降、下落幅が徐々に縮小し、期後半には世界の貿易と生産がプラスに転じるなど明かるさが広がりました。感染防止対策のためのオンライン化で半導体需要が急拡大し、シリコンサイクルの上昇波動に牽引されて秋以降、世界の在庫投資が始まり、国際商品価格も上昇に転じました。先進技術国を中心に設備投資も始まり、在庫投資と設備投資の拡大で世界景気の新しい上昇循環が始まる兆しも現れました。期末には変異ウイルスの流行で感染が再拡大するなど、世界は変異を続けるウイルスの脅威に晒され、景気の先行きはなお不透明ですが、感染防止策などで世界の約半数の国で感染が収まる気配が見られ、加えてワクチンの接種拡大で感染収束に転じる国が出始めるなど、先行きに一筋の光が差し始めました。日本経済も年初来、再度の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置で消費は依然低迷し、景気は一進一退を続けていますが、世界景気の回復を背景に輸出主導で徐々に明るさが見られるに至りました。

 電子部品業界におきましては、5G(第5世代移動通信システム)対応スマートフォンの拡大、リモートワークや巣ごもり生活に伴うパソコン需要の増大による下支えもあり、コロナ禍の影響は限定的となりました。期前半にコロナ禍の影響を受けた車載用電子部品については、期後半に持ち直してきましたが、寒波による電力不足や火災事故も重なり、期末には車載用半導体不足が自動車の生産調整に影響する事態となりました。

 当社におきましては、急速に拡大した5G対応スマートフォンの需要に支えられプリント基板・半導体搭載基板用めっき薬品の販売が堅調に推移しました。
 コネクター用めっき薬品の販売も、5G対応スマートフォンの需要拡大に支えられて堅調に推移しましたが、期初のコロナ禍の落ち込みを補うには至りませんでした。
 リードフレーム用めっき薬品の販売は貴金属パラジウム価格の高騰を受けて引き続き売上増に寄与しました。

 その結果、売上高は16,622百万円(前期比28.2%増)、営業利益は955百万円(前期比7.7%減)、経常利益は1,069百万円(前期比8.2%減)、当期純利益は790百万円(前期比7.9%減) となりました。
最終用途品目別の状況は次のとおりであります。

 

(プリント基板・半導体搭載基板用)
 スマートフォン向けのプリント基板や半導体パッケージ基板に適用される貴金属めっき薬品は、技術的な優位性により販売は堅調に推移し、売上高は5,945百万円と前期比29.1%の増収となりました。
(コネクター・マイクロスイッチ用)
 マイクロコネクター用硬質金めっき薬品の販売については、スマートフォン向け及び産業機械向けの需要が順調に推移し、売上高は2,819百万円と前期比14.5%の増収となりました。
(リードフレーム用)
 リードフレーム用パラジウムめっき薬品の販売は、貴金属価格の高騰に伴い、引き続き売上増に寄与しました。売上高7,713百万円と前期比37.2%の増収となりました。
(その他)
 時計装飾用等の売上高は144百万円と前期比48.4%の減収となりました。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性

①キャッシュ・フローの分析

(単位:百万円)

 

2020年3月期

4月~3月

2021年3月期

4月~3月

 

 

増減額

主な増減理由

 営業活動による

キャッシュ・フロー

250

363

113

たな卸資産の減少720、売上債権の増加△267、仕入債務の減少△233

 投資活動による

キャッシュ・フロー

△152

△40

111

有形固定資産の取得による支出88

無形固定資産の取得による支出+21

 財務活動による

キャッシュ・フロー

△442

△447

△4

自己株式処分による収入△3

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

△343

△123

219

現金及び現金同等物の期首残高

4,536

4,193

△343

現金及び現金同等物の期末残高

4,193

4,069

△123

 

 当期末の現金及び現金同等物の残高は、4,069百万円となり、前期比123百万円の減少となりました。なお、当期におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(営業活動におけるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは363百万円となり、前期比113百万円の増加となりました。これは主に売上債権の増加により267百万円、仕入債務の減少により233百万円それぞれ減少したものの、たな卸資産の減少により720百万円増加したことによるものであります。

(投資活動におけるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは40百万円の支出となり、前期比111百万円の支出減となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が88百万円減少したことによるものであります。
(財務活動におけるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは447百万円の支出となり、前期比4百万円の支出増となりました。これは主に自己株式の処分による収入が3百万円減少したことによるものであります。

 

②財務政策

 当社の事業は前述の「第2[事業の状況] [事業等のリスク]」 に記載のとおり様々なリスクを伴っており、運転資金としては将来予測可能な資金需要に対して十分な流動性ある資産の確保を基本方針としております。配当については、後述の「第4[提出会社の状況] [配当政策]」に記載の通り、収益状況に応じた株主様への還元を行うこととしており、財務基盤の健全性を常に維持していくよう勘案して実施しております。運転資金及び経常的な設備投資資金については手許資金で賄っております。

 

(6)生産、受注及び販売の実績

 当社は単一セグメントのためセグメント毎の記載はしておりません。

①生産実績

用途品目別

第50期

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

プリント基板・半導体搭載基板用

5,941,978

129.0

コネクター・マイクロスイッチ用

2,812,779

114.4

リードフレーム用

7,706,753

137.3

その他

8,069

107.1

合計

16,469,582

129.8

(注)1 上記の金額は、販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

②受注実績

用途品目別

第50期

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

受注高

受注残高

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

プリント基板・半導体搭載基板用

6,060,825

129.3

439,264

135.8

コネクター・マイクロスイッチ用

2,802,069

112.8

71,164

80.2

リードフレーム用

7,709,979

131.8

435,884

99.1

その他

118,387

38.8

570

2.2

合計

16,691,261

125.3

946,884

107.8

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③販売実績

用途品目別

第50期

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

プリント基板・半導体搭載基板用

5,945,010

129.1

コネクター・マイクロスイッチ用

2,819,650

114.5

リードフレーム用

7,713,765

137.2

その他

144,043

48.4

合計

16,622,470

128.2

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

兼松株式会社

2,087,176

16.1

2,734,619

16.5

株式会社コタベ

1,678,882

12.9

2,075,277

12.5

 

3 最近2事業年度の主要な輸出先及び輸出販売高及び割合は、次のとおりであります。

 なお、( )内は、総販売実績に対する輸出高の割合であります。

輸出先

第49期

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

第50期

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

韓国

1,270,761

19.2

1,380,859

15.3

台湾

1,665,349

25.1

2,547,207

28.3

シンガポール・マレーシア

2,061,795

31.1

3,065,541

33.9

中国

597,414

9.0

818,026

9.1

その他の地域

1,037,689

15.6

1,206,274

13.4

合計

6,633,010

(51.1%)

100.0

9,017,908

(54.3%)

100.0

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

(1)研究開発活動の基本方針

 当社の研究開発部門の課題は、最先端のデバイスの表面実装に必要とされる貴金属めっき技術をエレクトロニクス業界に提供することです。

 貴金属めっきの顧客は急速にグローバル化が進んでおり、これに対応するには、当社の研究開発業務を、ソフト技術、材料技術の両面より推進する必要があります。ソフト技術を駆使してグローバル化に対応しながら、一方では次世代の材料技術を長期的な視野で育成してゆくのが当社の研究開発の基本方針です。

 ソフト技術とは、当社の既存のめっき薬品をどのような条件で、かつどのような前工程、後工程との組み合わせで使用するかを検討し、顧客に最適なトータルプロセスを提案する技術です。対象となる電子デバイスは多様であり、顧客の設備も多様です。これらの状況を考慮しながら顧客の満足するソリューションを提供するのがソフト技術で、既存の当社の製品を顧客の設備にいかにフィットさせるか、短期間に解答を出すことが要求されます。

 一方、材料技術とは、既存の薬品では対応できないような課題を解決するための新しい薬品を開発する業務です。新しい薬品はデバイスに用いられ、実装工程を経て、最終的にはエレクトロニクス機器(完成装置)としての一連の評価まで行い、新製品として認定されますので、開発から製品化までには数年の検討期間が必要になることもあり、長期間にわたる計画が必要です。

 特に新規化合物を発見しないと問題が解決されないような製品には、新規化合物の環境試験も行わねばならず、長期間のR&Dは避けられませんが、グローバルなファインケミカル企業になるための必須条件と受けとめております。

 なお、当社は単一セグメントのためセグメント毎の記載はしておりません。

 

(2)研究開発活動の主要課題

 当社は、会社設立以来、エレクトロニクス業界を最大のターゲットとした貴金属めっき薬品を提供してまいりました。近年、めっき液の低金濃度化やめっき皮膜の薄膜化による金使用量を削減(省金化)した仕様が浸透しつつあり、めっき皮膜物性を維持しつつ、このような仕様に対応することが主要課題となっております。さらに、省金化に伴う貴金属めっき薬品の販売量低下を補うべく、これまでに集積した貴金属めっき技術を、エレクトロニクス業界以外へ展開すること、貴金属以外のめっき技術へ応用することも課題として取り組んでおります。

 これらの課題にソフト技術・材料技術で対応する際、従来技術と経験(Know-How)だけでは不十分で、“化学的反応機構解明(Know-Why)”の思考が重要となります。Know-Whyで最も重要なのは、めっき液成分の分子構造とめっき皮膜物性とを化学的な原理・原則に基づき結びつけることであり、以下の問題にKnow-Whyの見地より取り組んでいます。

① 環境問題対応

・有害物質規制に対応しためっき技術

・排ガス用センサーに対応しためっき技術

② 新規デバイス対応

・はんだボールの代替となるめっき技術

・ナノレベルの厚さのめっき技術

③ 新分野対応

・デジタル家電以外の分野へのめっき技術の展開

 

(3)研究開発の成果

 第50期(2021年3月期)における、当社の研究開発の成果は次のとおりであります。

 これまで研究開発を重ねてきました銅上ダイレクトめっき技術(DIG、EPIG)が、顧客ニーズの高まりに伴い実用化に向けて大きく前進いたしました。一般的に厚付けで施されるNiめっき皮膜が存在しないことから、電子回路の細線化に貢献できるめっきプロセスとして期待されております。さらに、Niめっきを省くことから省資源化・生産効率化も期待されるだけでなく、本プロセスによるめっき皮膜には高速データ伝送に有利な高周波特性が認められております。今後、実装技術のさらなる微細化・高密度化に加え、高速データ伝送が求められるパッケージ仕様に対応できるよう引き続き開発改良を行ってまいります。

 

(4)研究開発費

 第50期(2021年3月期)における、研究開発費の総額は317,891千円であります。