第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。なお、当社は単一セグメントです。

 

(1)経営方針

 IT社会は多様な産業に支えられていますが、日本が最も活躍している産業は、電子デバイスに必要とされる機能

性材料を供給しているファインケミカル分野です。当社の主要製品である貴金属めっき薬品は、その機能性材料の一種であることから、当社はケミストリ(化学)を基礎に科学的に理論武装した独創的な製品により、社会課題と向き合い、多様な視点と独自の発想力を発揮し、エレクトロニクス業界を牽引するファインケミカル企業を目指します。

 

(2)経営戦略等

 当社は少数精鋭・ファブレス型・開発型企業として、貴金属めっきに特化して事業を発展させてきました。製造プラント等の生産設備は持っておらず、新規製品開発のためのマーケティング、それを実行するための技術開発及び営業活動に力を入れ、いち早く商品化を実現することで、市場のシェアを獲得してまいりました。設立50年を過ぎた今、コロナ禍のもとDX化等により急拡大する電子部品業界において、既存市場以外においても当社の技術で解決できる社会課題があることが、より鮮明になってきました。

 そこで当社は、自身の強みを堅持しつつ、新規事業領域や既存市場でのニーズをとらえて社会課題の解決につなげるべく、新たに中長期ビジョン「RDD2030※」を策定し、2030年までの期間を3つのフェーズに分け、既存市場はもとより、新たな市場で評価される“日本高純度化学”へと進化していくことを目指します。

※RDD2030= Redox-innovation through Discovery & Development toward 2030

 

企業理念とビジョン

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中期経営計画のロードマップ

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中期経営計画の詳細は当社ホームページに開示しております。

サステナビリティ基本方針とマテリアリティ

 「めっき」とは、電子部品の接続部位の錆び(酸化)を防ぎ、電子回路の電気信号の流れを円滑に保ち最高の性能を発揮させるのに欠かせない技術です。

 当社は自社独自技術を以て、化学物質の“配合の妙”を貴金属めっき薬品のレシピに昇華することで付加価値を創出しています。当社製品をめっき工程に用いれば、必要な箇所に最低限の厚みの貴金属めっき皮膜を形成することができ、稀少資源である貴金属の使用量を大きく節約し経済合理性を高めることができます。当社の設立以来の事業そのものが、省貴金属性能でサステナブルな社会の達成を指向しています。

 貴金属めっき技術は最先端の電子機器の内部で接点・接合に使用されており、当社は、貴金属に特化しためっき薬品の開発・製造・販売を行うファブレスで知識集約型・開発型の企業として、ファインケミカル分野とエレクトロニクス業界との橋渡しの役目を担ってきました。

 パソコン・携帯電話・デジカメがスマートフォンへと集約したような技術革新とともに、小型化・高性能化・低消費電力化など電子部品の要求特性のハードルは上がり続けています。また低炭素社会への変革や社会インフラのデジタル化が加速すれば、自動車の電装化・電子化が急速に進化しEV化したように、電子部品の接点・接合点の数も爆発的に増大するため、省貴金属技術の出番が今後ますます拡大し、当社は更に広範な事業分野において地球環境への貢献を果たすことが出来ます。

 上記のような事業活動を通じて、当社は、エレクトロニクス業界への貢献を通じて、サステナブルな社会の実現のため、また社会的責任を果たすため、サステナビリティ基本方針を以下の通り定めております。

 

<サステナビリティ基本方針>

・当社は貴金属や希少鉱物を使用する製造業であり、多くの化学物質を取り扱う事業の性質上、地球環境への配慮が不可欠です。資源を有効活用し、持続可能な社会づくりに貢献することを前提として事業活動を行い、環境負荷を継続的に低減していきます。

・当社は「化学の好奇心でエレクトロニクスに役立てる」の企業理念のもと、地球環境リスクやライフスタイルの変革、エネルギーシフト等の社会課題と向き合い、ステークホルダーとの連携を深め、多様な視点と独創性を発揮しながらファインケミカルとエレクトロニクスの架け橋となることを目指します。

・当社は、サステナビリティを巡る重要課題(マテリアリティ)が、事業のリスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題として認識し、これらの課題に真摯に取り組みます。当社は、当社事業を通じた社会の持続可能な発展への貢献と共に持続的な成長と企業価値向上を目指します。

 

 当社はサステナビリティ基本方針に基づき中長期的に、環境・社会・ガバナンスの3つの観点から、当社が重要と考える課題(マテリアリティ)を特定しています。

<当社のマテリアリティ>

マテリアリティ

方針

環境にやさしい製品づくり

①環境負荷低減につながる製品開発及び事業活動の推進

②めっき工程におけるエネルギー使用量削減

③めっきで培ったコア技術の応用によるエネルギー分野への貢献

人的資本経営の推進

①企業理念に共感し、ビジョンの実現に主体的に参画する組織風土の醸成

②能動型自律人材の採用と育成

③働きやすく、やりがいを感じる職場環境の整備

知的無形資産の質的向上

(DX推進による企業価値向上)

①知財・無形資産の適切な管理・共有

②知財・無形資産の効果的な活用

経営基盤の強化

①社外役員による監督・指導と内部監査等によるコーポレート・ガバナンスの強化

②コンプライアンス体制の強化

③ステークホルダーへの適切な情報発信

 

(3)経営環境

 当社が主力基盤とする半導体・電子部品市場は、グローバル規模での発展を維持しており、当社の販売先であるメーカーの多くは、この広大な市場に適応するために、新技術を生み出す開発力を競い合っています。

 当社を取り巻くリスクについては、次項3〔事業等のリスク〕に記載の通りですが、パンデミックや気候変動等の「環境的リスク」、貿易制限や紛争・戦争といった「地政学的リスク」、重要原材料・重要部品の不足等の「経済的リスク」、輸送インフラ不全等の「技術的リスク」といった様々なリスクが見られる不透明・不確実な足元の経営環境の中でも、新型ウイルスによるライフスタイルの変革、脱炭素/省資源に伴うエネルギーシフト、データ通信量・容量の急激な増加等の「変わらぬメガトレンド」が存在し、当社が貢献できる社会課題は多数あると認識しており、当社の独創性、知的財産を活かした事業機会はますます広がっていると考えています。

(4)対処すべき課題と対策

①技術開発力の強化

 当社の競争相手は、貴金属めっき薬品業界だけでなく卑金属めっき薬品業界も含みます。したがって、貴金属めっき技術分野ではタイムリーな改良に対応できる技術開発力及び車載向けや産業機械向け等の新用途開拓に向けた技術力向上、さらに貴金属/卑金属にこだわらず、業界として技術的に未完成なテーマを厳選して完成に向けた開発を推進していくことが重要と考えます。なかでもニッケル不使用プロセスをはじめとした次世代最終表面処理プロセスの実現では、めっき薬品だけでなく、前・後処理、装置を含めたプロセス全体での性能向上も果たしていかなければなりません。

 さらに当社は、めっきで培った酸化還元(Redox)の技術を活かし、既存の事業領域だけでなく新しい事業領域の創出を目指しており、中長期ビジョンRDD2030のもと、中期経営計画のなかで具体的に推進してまいります。したがって、従来のめっきだけに留まらない柔軟な思考力と技術開発力が必要となります。

 サステナビリティを巡っては、当社は貴金属や希少鉱物を使用する製造業であり、多くの化学物質を取り扱う事業の性質上、地球環境への配慮が不可欠です。環境負荷低減につながる製品開発が重要な課題であると認識しております。

 これらの課題に対し、当社の数倍の技術陣容を有する競合めっき薬品メーカーにも対抗できるユニークな発想を持つ技術陣の育成が必要となります。引き続き、新分野に積極的にチャレンジする人材、資質の高い人材の採用と育成により、技術陣のレベルアップを実現し、開発力の強化を図ってまいります。同時に、当社単独では困難な技術開発やトータルソリューション力の強化を効率的に実施していくため、最適な外部連携及び協業を図ってまいります。

 

 

②営業力の強化

 コロナ禍を起因とした外部環境の変化によるデジタルトランスフォーメーションの必要性の向上、および自動車のEV化/電装化の進展に伴い、これらを支えるデータセンター、高速大容量通信、IoT/AI/パワーデバイス等の需要拡大から、半導体をはじめ、半導体搭載用基板、プリント基板、コネクター等におけるハイエンド電子部品の需要がますます高まってきており、これらの実現に必要不可欠となる高性能かつ高品質なめっき薬品が求められております。

 これらのニーズに対して、タイムリーな製品提供による国内外の市場シェア拡大が当社の成長戦略の要と考え、国内外のトップメーカーをターゲットにマーケティング活動を進め、省資源プロセス等の環境対応型製品の提案,表面処理薬品メーカー/装置メーカーとの協業によるトータルプロセスでの性能向上の提案等を積極的に行い、売上・利益の向上を目指します。

加えて、顧客と当社の間で技術情報や生産状況を共有できるデータベースの準備を進めており、国内、海外を問わずソリューション提案等の充実した顧客サポートを提供できる体制を構築することで顧客との連携強化を図ってまいります。

 

(5)目標の達成状況を判断するための経営指標

 主力のメモリ用途のプリント基板及びコネクターの出荷減の影響が大きく、当社の2023年3月期のROEは4.1%となり、前期比3.1ポイント悪化しております。詳細につきましては、「第一部〔企業情報〕第1〔企業の概況〕〔主要な経営指標等の推移〕自己資本利益率」をご参照ください。

 加えて、事業へのコミットメントの観点から当社事業から生み出された資本を分母とした株主資本利益率を重要な指標として注視しており、2023年3月期では6.0%と前期比4.5ポイント悪化しております。これらの経営指標の早期回復に向け、資産の効率化、収益性の向上に取り組んでいく所存であります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 気候変動が加速していく中、世界各地において自然環境・人々の暮らし・企業活動に様々な影響や被害が現れ始めています。気候変動への取り組みとしてパリ協定が採択され、各国がネットゼロに向けた対応を行っており、日本政府はNDCの目標(2030年度における温室効果ガス(GHG)削減目標)を26%から46%(2013年度比)に引き上げることを表明しています。こうした中、企業による事業を通じた脱炭素社会への貢献が求められています。当社は、事業を通じて気候変動の緩和と適応を行いながら持続的成長を目指します。企業に対して気候関連課題に関する情報開示要請も高まっており、情報開示の重要性を認識し、開示に向けた取り組みを進めています。

 また、当社は知識集約型・開発型の企業であるため、人的資本が企業価値向上の源泉であり、「能動型自律人材」の多寡により会社の経営が左右されると考えております。当社の中・長期ビジョンを実現するためには「人的資本経営の推進」が欠かせず、①企業理念に共感し、ビジョンの実現に主体的に参画する組織風土の醸成、②能動型自律人材の採用と育成、③働きやすくやりがいを感じる職場環境の整備、という3つの考え方に基づき人材育成方針並びに社内環境整備方針を策定いたしました。これらの方針をもって、全従業員が主体的に経営に参画する組織風土を醸成し、人的資本経営の実現を目指します。

 

 

(1)気候変動への取り組み

 気候変動は、当社にとってリスクであると同時に新たな収益機会につながる重要な経営課題であると認識しています。気候変動の取り組みを積極的にまた能動的に行うことは、中長期的な当社の企業価値向上につながるものであると考え、ステークホルダーと適切に協働し、自社のみならず社会全体に利益をもたらすことを目指します。また、こうした取り組みを通して、当社はSDGsやパリ協定で掲げられた目標達成への貢献を目指します。

当社は気候関連の財務情報開示の重要性を認識し、TCFD提言に則した情報開示を行っていきます。

 

①気候変動に関するガバナンス

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・ESG委員会は、サステナビリティ課題の一つとして気候関連事項を審議します。経営会議の委嘱を受けて定期的に開催され(原則年4回)、E・S・Gの各分科会において、課題の特定、目標と行動計画の設定、進捗のモニタリングを行い、特定したリスクと機会に関する対応策をリスクマネジメント委員会と連携して審議し評価を行い、重要事項について経営会議へ付議・報告します。

・経営会議では、ESG委員会から報告される気候関連に関する取り組みの進捗状況も踏まえて、自社の戦略・事業計画やリスクマネジメント方針等を審議・決定します。

・取締役会は、気候関連事項のうち移行計画の進捗及び適応策など重要事項について経営会議より定期的に(原則年2回)報告を受け、自社の戦略・事業計画やリスクマネジメント方針等の見直し・指示を行い、気候関連事項に対処するための指標と目標に対する進捗状況等を監督します。

 

 

 

 

②戦略

 TCFDの枠組みに沿って当社事業に対する気候関連のリスクと機会を特定し、「低炭素製品市場の進展」「脱炭素政策の進展」という2つの軸から複数のシナリオを想定し、当社のレジリエンスを検証しました。詳細は下表をご参照ください。

選択した
シナリオ

特定したリスク・機会

ドライバー

時間軸

財務インパクト

対応の内容

種類

概要

影響の程度

1.5℃

シナリオ WEO NZE 2050

移行リスク(政策・法規制)

GHG排出規制や炭素税の強化

GHG排出規制
炭素税

長期

ほとんどない

全社LED化、エアコンの買替、EV車への買替 などの環境投資策

移行リスク(評判)

ステークホルダーからのGHG排出量削減要請

ステークホルダーからのGHG排出量削減要請

長期

やや高い

ESG委員会にて、環境に貢献する製品の開発、環境投資策、シナリオ~リスク・機会分析等を推進し、サステナビリティ情報として開示

機会(製品/サービス)

ニッケルを使用しないプロセスとする製品の開発

ステークホルダーからのGHG排出量削減要請

短期・中期・長期

顧客個別要求仕様に迅速に対応できる設備投資の実施、展示会出展 など

機会

(市場)

電池市場への参画

政府主導の投資促進策

中期・長期

2030年に二次電池分野のビジネスモデルを立ち上げるべく、電池材料・電解液メーカーとの共同開発等を模索中

4℃

シナリオ IPCC RCP8.5

物理的リスク

(急性)台風や洪水による生産拠点の被災

台風や洪水の頻度・程度

長期

ほとんどない

受容できるリスクと捉え、対応策(投資)不要と考える

(慢性)平均気温の上昇

平均気温

長期(5年~35年)

物理的リスク(急性)

サイクロンや洪水による当社顧客の工場が被災(国内外)

サイクロンや台風の頻度・程度

長期

当社BCPに当該リスク・地政学的リスク等を編入して再計画を構築

機会(製品/サービス・市場)

穀物由来原料の代替製品の開発

異常気象

中期・長期

中~高

新製品開発と既存製品改良の2アプローチで2030年に主要原材料の20%以上の入替を目指す

選択したシナリオ ・国際エネルギー機関(IEA)が策定したWEO NZE 2050シナリオ

         ・気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が策定したRCP8.5シナリオ

時間軸:短期=1年(単年度計画と同期間)、中期=3年(中期経営計画と同一期間)、

    長期=2030年(日本のNDCにおける中期目標と同期間)

 

・気候変動関連のリスクに対する当社のレジリエンス

 移行リスクが加速するシナリオ(IEA WEO NZE 2050シナリオ)においては、GHG排出量削減要請が高まると想定されます。当社のGHG排出量(スコープ1及び2)は非常に少なく、当社の製造におけるコストへの影響は非常に限定的でありますが、GHG排出量を削減するために省エネ対応や再生可能エネルギーの導入を進めることは、当社ステークホルダーが要請する低炭素社会への移行に向けた取り組みにあたります。加えて、当社のニッケルフリー製品の販売拡大の好機であるのみならず、中期経営計画で掲げたビジョンRDD2030「Redox技術を電池材料に!!」という蓄電池の要素開発を推進する好機であると判断しており、これらの取り組みもまた当社ステークホルダーが要請する低炭素社会への移行に寄与します。

 一方で、物理的リスクが高まるシナリオ(IPCC RCP8.5シナリオ)において想定されるリスクはあるものの、むしろ当社にとっては穀物由来原料の代替原料の開発を進める好機であると捉えています。

 

 

③リスク管理

 ESG委員会のE分科会が表明する気候関連リスクが、ESG委員会で規制要件(例:炭素価格)、短期・中期・長期の時間軸、移行リスク(政策・法規制リスク/技術リスク/市場リスク/評判リスクなど)、物理的リスク(急性リスク、慢性リスク)や、重要性の評価(緊急度・発生確率/財務への影響度等)を考慮して審議され、気候関連リスクが決定されます。その後、ESG委員会から経営会議へ報告され、経営会議での審議・承認を以て、最終的に当社の気候関連リスクとして特定されます。

 特定した気候関連リスクは、リスクマネジメント委員会にて軽減・移転・受入・制御といった対応が検討され、コンプライアンス等他のリスクとともにリスクの把握と適切な対応が審議され、優先順位付けがなされます。その結果を踏まえて、最終的には経営会議において全社的なリスクマネジメント方針が決定され、リスク管理所管部にてリスク管理方針に基づき管理されます。

 

 

(2)人的資本経営の推進

 当社は知識集約型・開発型の企業であり、人的資本が企業価値向上の源泉であるため、従業員のエンゲージメントを高め、従業員の健康・安全衛生や多様性といった人的資本を活用する上で基礎となる取り組みを実施することが必要であると考えます。

 当社が望む「能動型自律人材」(*1)を育成し、その能力が会社の経営戦略と一致する方向で発揮されることで、製品開発や営業活動をはじめとする事業活動が活性化され、当社事業が成長する機会になります。一方でこれが損なわれると成長機会を失うリスクとなります。また、従業員が安心して働くことのできる健康的で安全な職場環境の整備を行うことが従業員のエンゲージメントを高める基礎となるため、これを推進することが当社事業の成長につながる機会となります。一方でこれを怠ると成長機会を失うリスクとなります。

 よって、当社の企業理念に基づく中長期ビジョンを実現するためには「人的資本経営の推進」が欠かせません。

 この人的資本経営の推進を実現させるために、①企業理念に共感し、ビジョンの実現に主体的に参画する組織風土の醸成 ②能動型自律人材の採用と育成 ③働きやすく、やりがいを感じる職場環境の整備 という3つのテーマに沿って人的資本方針を策定いたしました。この方針をもって、全従業員が主体的に経営に参画する企業風土を育み、人的資本経営の実現を目指します。

 

「人材採用・育成方針」

 一人ひとりが当事者意識をもった「能動型自律人材」(*1)の採用・育成に加え、スキル・経験・知識を備えた人材(性別・年齢・国籍を問わない)の登用等を通じた人材の多様性の確保を推進します。

(*1)当社は、「能動型自律人材」を以下の3つに定義づけております。

①好奇心をもって挑戦する人材

~社会の変化を先取りし、好奇心と探求心をもって果敢に新しいことに挑戦します~

②当事者意識をもってやり遂げる人材

~自ら考えて行動し、常に全体最適の視点で最後まで責任をもってやり遂げます~

③多様性を尊重し周囲と協働できる人材

~人を思いやり、つながりや個性を大切にすることで組織の可能性を最大化します~

 

「労働・安全衛生方針(社内環境整備方針)」

ア.労働慣行について

当社は、従業員の人権を含む各種の国際規範を尊重し、従業員に対して尊厳をもって扱います。

イ.安全衛生について

当社は、労働関連の負傷や疾病を最小限に抑えることに努め、安全で健康な職場環境により、製品・サービスの質の向上や従業員の定着とモラルの向上を目指します。

また、当社は、職場の衛生と安全問題を特定し解決するために、継続的な従業員への情報提供と教育を実施します。

 

上記「人材採用・育成方針」、「労働・安全衛生方針(社内環境整備方針)」の指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績を検討中であり、決定次第、当社ホームページに開示いたします。

 

※当社のサステナビリティに関する考え方及び取り組みの詳細は、当社ホームページ(https://www.netjpc.com)をご覧ください。

 

3【事業等のリスク】

 以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。当社として必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項につきましても投資判断上、あるいは当社の事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から記載しております。

 記載された事項で、将来に関する事項は、提出日現在入手可能な情報から当社の経営判断や予測に基づくものです。

 

a 電子機器業界への依存度が高いことについて

 当社製品は、主に電子部品の半導体搭載基板、プリント基板、コネクター、リードフレーム等に用いられており、その販売先は主に電子機器業界であります。当社の業績は、これらの電子機器業界動向、とりわけスマートフォン市場、パソコン市場の影響を大きく受けます。

 

b 製品市況及び原材料市況等の影響について

 当社の主要製品に使用されている原材料は、貴金属類と薬品類に大別され、金額ベースでは貴金属類が大半を占めております。

 薬品類の価格は比較的安定しておりますが、貴金属(金、銀、パラジウム)は国際商品市況に大きく左右されます。ウクライナ侵攻・台湾有事等の地政学的リスクの顕在化や鉱山の事故等を背景とした原材料の価格高騰、供給制限が生じた場合には、当社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、貴金属についての顧客との契約は基本的に仕入、販売とも当日の建値を基準に決定しており、受注と同時に貴金属の発注を行うため、利益額については貴金属価格の変動の影響をほとんど受けません。ただし、回転在庫を確保しておくことによる価格変動リスクが発生するため、納期の短縮や、在庫量を最小限に抑えることで、影響を最小限にとどめるよう努めております。

 

c 為替変動による影響について

 2022年3月期及び2023年3月期における当社の輸出比率は、それぞれ54.6%、56.4%であります。海外との取引につきましては、円建での決済を基本としておりますが、最近ではドル建による取引が増加傾向にあります。為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、これによる当該リスクを完全に回避できる保証はなく、業績が為替変動の影響を受ける可能性があります。

 

d 研究開発について

 電子機器業界における技術革新は著しく、より顧客ニーズに合った製品を提供し、シェアの維持と拡大を行うための研究開発は極めて重要であり、当社は新製品の開発及び既存製品の改良等の研究開発活動を全力で推進しております。

 当社は今後とも、最先端デバイス向けめっき薬品をはじめ、ユーザーの更なる性能の向上及びコストダウンに貢献するめっき薬品や、環境に配慮しためっき薬品等の研究開発活動に取組んでいく方針ですが、かかる研究開発活動が当社の計画通りに順調に行われなかった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

e 知的所有権について

 当社の主力製品である貴金属めっき薬品は、成分組成が複雑であるため、分析による成分組成の解析が困難で同等品としての参入は一般的に容易ではないことに加え、当社が申請した特許が不成立となった場合にはめっき薬品の組成情報が公開されてしまうことから、当社はこれまで貴金属めっき薬品の特許権取得を積極的に行っておりませんでした。

 しかしながら、近年の有機分析技術の進展を受け、今後の新技術の研究開発については、組成情報による特許出願ではなく物理化学定数で規定するパラメーター特許出願により技術保全を重視していく方針です。ただし、出願する特許がすべて登録されるとは限らず、また、当社の研究開発を超える優れた研究開発がなされた場合には、当社の事業戦略に影響を及ぼす可能性があります。

 入念な事前調査を行っているにもかかわらず、当社が開発・販売する製品が第三者の知的所有権を侵害しているものと判断された場合や、当社製品に関連する新しい他社特許が認可された場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

f 技術ノウハウの流出及び漏出について

 当社の技術情報には、めっき薬品の開発経緯、めっき薬品の組成・成分、当社と顧客間との技術データ等があります。これらの技術情報は所定の保管庫に収納し、日次管理を行っており、外部への持出、複写等を禁じております。特にめっき組成・成分につきましては、当社特有の呼称に変換して記載するなど、漏出防止に努めております。

 しかしながら、最近は社外とのコミュニケーションにメール、フラッシュメモリ、プロジェクター等を使用するケースが増加しており、万が一これらの情報が外部へ漏出した場合には、めっき薬品の成分分析結果と漏出情報との照合により類似品製造が可能になると考えられ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、WEB会議や在宅ワーク等といった働き方が浸透するに伴い、ITツールを利用する機会が多くなり厳密な社内管理ルールで運用しているにもかかわらず、セキュリティ事故等により一部の営業機密等が漏洩し、当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。なお、社員採用時に当社の方針、守秘義務、機密保持等の理解を徹底しておりますが、退職者が出た場合には、退職後相当期間も含む守秘義務契約にもかかわらず、一部の技術情報等が流出し、当社の事業に影響を及ぼす可能性は否定できません。

 

g 人材の確保、育成について

 当社は、各社員が自らの役割を遂行することはもちろん、各々が常に全体観を持って業務を推進しております。現状では、知名度の向上、採用活動の強化、教育・研修の拡充等の施策により優秀な人材を確保できる状況にありますが、今後、研究開発体制の更なる強化、更なる海外展開、新事業分野への進出等にともなう業容の拡大に際し、当社の求める人材を十分に確保、育成できない場合には、今後の事業推進に影響を及ぼす可能性があります。

 

h 法的規制について

 当社は、めっき薬品の原材料として「毒物及び劇物取締法」の対象となる薬品を使用しているため、その販売、製造、輸入等に関して同法の規制を受けております。

 当社は、劇物、毒物に関する販売業登録、製造業登録及び輸入業登録等を取得しており、徹底した社内管理体制を確立し、法令遵守に努めております。しかしながら、万が一法令違反があった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

i 廃棄物等の管理について

 当社の製造または実験過程において生じる廃液及び大気中への排出物については、環境に配慮した適切な処理が必要とされます。当社は、廃液についてはその濃度に応じて、排水処理装置での処理、または外部委託処理を行っております。排気管理については実験室及び製造工程における局所排気を通じ排気ガス処理装置で処理しております。これらの取組みの結果、現在まで行政からの指導、地域住民等からの申入れ等を受けたことはありませんが、将来において当社の排出物の管理に何らかの問題が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

j 被災時の対策について

 当社はこれまで全部門が単一拠点に集中することで意思決定の迅速さ、生産効率と顧客満足の向上に努めてまいりました。一方、東日本大震災後、BCP(事業継続計画)の重要性が注目され、当社主要顧客からBCP策定を要求される機会も増しております。
 当社としましては、主要製品の在庫保有と主要顧客向け外部倉庫の運用をしております。また、当社事務棟で主要製品の製造スペース及び設備導入などの準備が完了し、緊急時製造拠点として確保しました。しかしながら、首都圏において大規模な震災等が発生した場合、一時的に製品製造や出荷等が滞り、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績等の概要

 当期の世界経済はロシアのウクライナ侵攻で地政学リスクが高まり、国際商品価格の高騰で世界の消費者物価が8%を超える28年ぶりのインフレに見舞われました。海外の主要中央銀行は一斉に金融引き締めを開始し、加えて米中対立による世界経済の分断化で期後半には世界貿易が減少に転じるなど世界経済は再び厳しい状況を迎えました。米国の急激な利上げで米ドルが36年ぶりの高値に高騰し、一部途上国に債務危機が発生すると同時に、新型コロナ対策下で膨張した世界の通貨供給量抑制で暗号資産交換業者に続き、スタートアップ企業融資大手の経営破綻やクレディ・スイス救済など金融システムに不安を抱え、世界の金融市場も不安定な状況が続きました。国内経済は資源価格高騰による所得の海外流出に加え、輸出減少などで期後半には設備投資が鈍化し、企業の賃上げ努力にもかかわらず物価上昇で実質賃金の減少で消費が減速し、景気停滞から企業業績も低迷するなど厳しい局面を迎えました。期末には3年続いた新型コロナウイルス感染拡大が収束に向かい、リバウンド需要で消費が回復に転じるなど、先行きに明るい兆しも出始めました。

 

 電子部品業界においては、インフレに伴う原材料の高騰や世界的な景気減速、コロナ禍で積み増していた在庫の適正化などの影響により、スマートフォンやパソコン向けの生産量減少に加え、クラウド/データセンター向けの投資抑制による生産調整が見られ、総じて需要が低迷しました。また、車載用電子部品については、自動車の電装化や電気自動車へのシフトに伴う最終製品1台あたりの搭載数増加による需要増はありましたが、サプライチェーンの問題から一部の半導体で依然供給不足を解消することができず、自動車の生産調整が長期化し、緩やかな回復基調に留まりました。

 

 当社におきましては、コネクター用めっき薬品の販売が貴金属含有品の売上が伸びたことで前期比増収となりましたが、プリント基板・半導体搭載基板用めっき薬品用、リードフレーム用めっき薬品の販売が前期に比べ大幅減収となりました。

 その結果、売上高は16,254百万円(前期比13.1%減)、営業利益は567百万円(前期比52.8%減)、経常利益は753百万円(前期比43.7%減)、当期純利益は569百万円(前期比41.5%減) となりました。
最終用途品目別の状況は次のとおりであります。

 

(プリント基板・半導体搭載基板用)
 プリント基板や半導体パッケージ基板に適用される貴金属めっき薬品は、スマートフォン向け、パソコン向け、クラウド/データセンター向けの不振によるメモリ用途等での減産の影響を受け、売上高は4,637百万円と前期比22.4%の減収となりました。
(コネクター・マイクロスイッチ用)
 マイクロコネクター用硬質金めっき薬品の販売については、スマートフォン向けの減産の影響を受けたものの、貴金属含有品の売上が伸びたことで、売上高は3,165百万円と前期比6.1%の増収となりました。
(リードフレーム用)
 リードフレーム用パラジウムめっき薬品の販売は、スマートフォン向けやパソコン向けの減産の影響を受け販売が低迷したことに加えてパラジウム価格が下落したことにより、売上高は8,261百万円と前期比14.1%の減収となりました。
(その他)
 時計装飾用等の売上高は189百万円と前期比41.2%の増収となりました。

 

〔当期の経営成績〕

(単位:百万円)

 

前年度

当年度

 

 

増減額

増減率

補足

売上高

18,714

16,254

△2,459

△13.1%

 

売上原価

16,524

14,678

△1,846

△11.2%

売上原価率 90.3%(前年度 88.3%)

売上総利益

2,190

1,576

△613

△28.0%

売上総利益率 9.7%(前年度 11.7%)

販売費及び一般管理費

988

1,009

20

2.1%

 

営業利益

1,201

567

△634

△52.8%

 

経常利益

1,339

753

△586

△43.7%

 

当期純利益

974

569

△404

△41.4%

 

株主資本利益率

10.5%

6.0%

△4.5%

 

 

①売上高

 当期の海外での売上高は総売上高の56.4%を占めます。海外での売上高は53.7%が円建てで、46.3%が外貨建てです。外貨建てにつきましては、基本的には為替ヘッジをし、為替レートの変動による影響を抑えております。

 

②売上原価

 売上原価は主として原材料費、工場の人件費から構成されています。また原材料費は貴金属と一般薬品に分けられます。このうち一般薬品につきましては、価格は比較的安定しておりますが、貴金属につきましては、その価格変動及び数量の増減は売上原価に大きな影響を与えます。貴金属についての顧客との契約は基本的に仕入、販売とも当日の建値を基準に決定しており、受注と同時に貴金属の発注を行っております。

 

③販売費及び一般管理費

 販売費及び一般管理費は、主に人件費、研究開発費、減価償却費などであります。当期は前期に比べ人件費、IR関連費用が増加いたしました。

 

株主資本利益率

 当社は経営指標の設定に際し、事業へのコミットメントの観点から目標とすべきROEとして、自己資本利益率ではなく、当社事業から生み出された資本を分母とした株主資本利益率を採用しております。

 (株主資本=純資産-評価・換算差額-新株予約権)

当期は純利益の減少に伴い、株主資本利益率は6.0%と前期比で4.5ポイント悪化しております。

 

 

(2)財政状態の状況

(単位:百万円)

 

2022年3月末

2023年3月末

 

 

増減額

主な増減理由

 流動資産

8,306

7,832

△474

売掛金△1,761、原材料及び貯蔵品△236、

商品及び製品△177、現金及び預金+1,735

 固定資産

8,561

7,778

△782

投資有価証券△759

資産合計

16,868

15,611

△1,256

 流動負債

550

237

△313

未払法人税等△189、買掛金△172

 固定負債

2,073

1,868

△205

繰延税金負債△205

負債合計

2,624

2,106

△518

純資産合計

14,243

13,505

△738

 利益剰余金△545

 その他有価証券評価差額金△506

 自己株式+326

負債純資産合計

16,868

15,611

△1,256

 

①資産

 当期末の総資産は15,611百万円となり、前期比1,256百万円の減少となりました。

 流動資産は、売掛債権の回収が進み現金及び預金が増加し棚卸資産が減少した結果、474百万円減少し7,832百万円となりました。固定資産は主に投資有価証券の減少により、782百万円減の7,778百万円となりました。

 

②負債

 当期末の負債総額は2,106百万円となり、前期末比518百万円の減少となりました。
 流動負債は、買掛金、未払法人税等の減少により313百万円減少し237百万円となりました。固定負債は繰延税金負債の減少により205百万円減の1,868百万円となりました。

 

③純資産

 当期末の純資産は13,505百万円となり、前期末比738百万円の減少となりました。

 これは利益剰余金が、当期純利益による増加、剰余金の配当及び自己株式の消却による減少を主に545百万円減少したこと、その他有価証券評価差額金が506百万円減少したことによるものです。また、自己株式の取得(297百万円)及び消却(585百万円)に伴い自己株式残高は326百万円減少(純資産は増加)しました。

 

 

 

(3)資本の財源及び資金の流動性

①キャッシュ・フローの状況の分析

(単位:百万円)

 

前年度

当年度

 

 

増減額

主な増減理由

 営業活動による

キャッシュ・フロー

180

2,539

2,359

売上債権の減少+2,247、

棚卸資産の減少+472、仕入債務の減少+233

税引前当期純利益△576

 投資活動による

キャッシュ・フロー

△93

19

113

有形固定資産の取得による支出減+72

投資有価証券の売却による収入増+47

 財務活動による

キャッシュ・フロー

△425

△824

△398

自己株式の取得による支出増△297

配当金の支払増△61

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

△339

1,735

2,074

現金及び現金同等物の期首残高

4,069

3,729

△339

現金及び現金同等物の期末残高

3,729

5,465

1,735

 

 当期末の現金及び現金同等物の残高は、5,465百万円となり、前期比1,735百万円の増加となりました。前期の売掛金回収が進んだこと、当期の販売減に伴う売上債権の減少が主な要因です。なお、当期におけるキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりであります。

 

(営業活動におけるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは2,539百万円となり、前期比2,359百万円の増加となりました。税引前当期純利益は576百万円減少したものの、売上債権、棚卸資産が前期に比べ大きく減少した結果、運転資金が好転しました。

 

(投資活動におけるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは19百万円の収入となり、前期比113百万円の支出減となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が72百万円減少し、投資有価証券の売却による収入が47百万円増加したことによるものであります。


(財務活動におけるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは824百万円の支出となり、前期比398百万円の支出増となりました。これは主に配当金の支払額が61百万円増加したことに加え、自己株式の取得による支出が297百万円発生したことによるものであります。

 

 

②財務政策

 当社の事業は前述の「第2[事業の状況] 3[事業等のリスク]」 に記載のとおり様々なリスクを伴っており、運転資金としては将来予測可能な資金需要に対して十分な流動性ある資産を確保していく方針です。現在、運転資金及び経常的な設備投資資金については手許資金で賄っております。株主還元の基本方針は下記の2点であります。

(1) 長期的な成長を目指して資本効率と財務健全性のバランスを取る

(2) 業績及び将来の事業展開と経営基盤強化に必要な内部留保資金等を総合的に勘案して、継続して安定した配当を目指す

 配当については、後述の「第4[提出会社の状況] [配当政策]」をご参照ください。

 また、自己株式の取得についても状況に応じて機動的に実施を検討いたします。

 

(4)生産、受注及び販売の実績

 当社は単一セグメントのためセグメント毎の記載はしておりません。

①生産実績

用途品目別

第52期

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

プリント基板・半導体搭載基板用

4,614,733

77.4

コネクター・マイクロスイッチ用

3,168,038

106.2

リードフレーム用

8,343,215

86.7

その他

124,105

92.4

合計

16,250,092

86.9

(注) 上記の金額は、販売価格によっております。

 

②受注実績

用途品目別

第52期

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

受注高

受注残高

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

プリント基板・半導体搭載基板用

4,579,443

79.2

188,722

76.5

コネクター・マイクロスイッチ用

2,979,833

92.7

116,870

38.6

リードフレーム用

8,118,038

83.5

394,078

73.3

その他

170,051

94.9

25,240

55.9

合計

15,847,366

83.9

724,912

64.0

 

③販売実績

用途品目別

第52期

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

プリント基板・半導体搭載基板用

4,637,460

77.6

コネクター・マイクロスイッチ用

3,165,884

106.1

リードフレーム用

8,261,671

85.9

その他

189,978

141.2

合計

16,254,995

86.9

 

(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

兼松株式会社

3,226,178

17.2

2,468,168

15.2

CHANG WAH TECHNOLOGY Co.Ltd

1,915,735

10.2

2,219,708

13.7

株式会社コタベ

2,686,546

14.4

2,203,861

13.6

 

 

 

(注)2 最近2事業年度の主要な輸出先及び輸出販売高及び割合は、次のとおりであります。

 なお、( )内は、総販売実績に対する輸出高の割合であります。

輸出先

第51期

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

第52期

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

台湾

3,297,780

32.3

3,070,526

33.4

韓国

1,481,836

14.5

915,625

10.0

シンガポール・マレーシア

3,044,218

29.8

3,195,684

34.8

中国

1,049,984

10.3

649,688

7.1

その他の地域

1,340,141

13.1

1,343,846

14.7

合計

10,213,962

(54.6%)

100.0

9,175,371

(56.4%)

100.0

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この

財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。

 詳細につきましては「第一部〔企業情報〕第5〔経理の状況〕1〔財務諸表等〕〔注記事項〕重要な会計方針」をご参照ください。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

(1)研究開発活動の基本方針

 当社の研究開発部門のミッションは、最先端のデバイスの表面実装に必要とされる貴金属めっき技術をエレクトロニクス業界に提供することです。

 貴金属めっきの顧客は急速にグローバル化が進んでおり、これに対応するには、当社の研究開発業務を、ソフト技術、材料技術の両面より推進する必要があります。ソフト技術を駆使してグローバル化に対応しながら、一方では次世代の材料技術を長期的な視野で育成してゆくのが当社の研究開発の基本方針です。

 ソフト技術とは、当社の既存のめっき薬品をどのような条件で、かつどのような前工程、後工程との組み合わせで使用するかを検討し、顧客に最適なトータルプロセスを提案する技術です。対象となる電子デバイスは多様であり、顧客の設備も多様です。これらの状況を考慮しながら顧客の満足するソリューションを提供するのがソフト技術で、既存の当社の製品を顧客の設備にいかにフィットさせるか、短期間に解答を出すことが要求されます。

 一方、材料技術とは、既存の薬品では対応できないような課題を解決するための新しい薬品を開発する業務です。新しい薬品はデバイスに用いられ、実装工程を経て、最終的にはエレクトロニクス機器(完成装置)としての一連の評価まで行い、新製品として認定されますので、開発から製品化までには数年の検討期間が必要になることもあり、長期間にわたる計画が必要です。

 特に新規化合物を発見しないと問題が解決されないような製品には、新規化合物の環境試験も行わねばならず、長期間のR&Dは避けられませんが、グローバルなファインケミカル企業になるための必須条件と受けとめております。

 なお、当社は単一セグメントのためセグメント毎の記載はしておりません。

 

 

(2)研究開発活動の主要課題

 当社は、会社設立以来、エレクトロニクス業界を最大のターゲットとして貴金属めっき薬品を提供してまいりました。近年、めっき液の低金濃度化やめっき皮膜の薄膜化による金使用量を削減(省金化)した仕様が浸透しつつあり、めっき皮膜物性を維持しつつ、このような仕様に対応することが主要課題となっております。

そのような状況の中でも業界に先駆けてMPUパッケージ用無電解金めっき薬品のシアンフリー化を達成しており、技術課題の解決と環境配慮志向の両面で新たな価値を提供しています。

 さらに、省金化に伴う貴金属めっき薬品の販売量低下を補うべく、これまでに集積した貴金属めっき技術を、エレクトロニクス業界以外へ展開すること、貴金属以外のめっき技術へ応用することも課題として取り組んでおります。

 その一つが電池材料への展開です。電気自動車や再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、従来よりも安価で軽量かつ長寿命な電池が求められています。電池の充放電反応は、めっきと同じ酸化還元反応(Redox反応)を利用しています。当社はめっき薬品開発で培ったRedox制御技術で電池材料の課題解決にも貢献すべく、新たな技術開発に着手しています。

 このような新たな技術開発を推進するためには、従来のめっきだけに留まらない柔軟な思考力と技術開発力が必要となるため、当社の数倍の技術陣容を有する競合めっき薬品メーカーにも対抗できるユニークな発想を持つ技術陣の育成が必要となります。引き続き、新分野に積極的にチャレンジする人材、資質の高い人材の採用と育成により、技術陣のレベルアップを実現し、開発力の強化を図ってまいります。同時に、当社単独では困難な技術開発を効率的に実施していくため、最適な外部連携を図ってまいります。

具体的には以下の課題に取り組んでまいります。

① 環境問題対応

・有害物質(シアン、鉛)不使用のめっき技術

・穀物由来原料の削減

・めっき廃液の削減

② 新規要求に対するデバイス対応

・5G対応のめっき技術

・高密度実装技術対応のめっき技術

・自動車電装化対応めっき技術

③ 新しい事業領域の創出

・電解液・電極など電池材料向けの技術開発

④ 効率化

・実験データの利活用

・メカニズムの可視化

 

(3)研究開発の成果

 当期の研究開発の成果は次のとおりであります。

① 5G対応ニッケル不使用めっき技術(DIG、EPIG)

 一般的に厚付けで施されるNiめっき皮膜を使用せず、電子回路の細線化に貢献できる最終表面処理プロセスとして期待されております。今期は複数顧客で評価が進展し、プロセス全体の最適化と製品化に向けた準備を進めております。

 

② 高密度パッケージ用無電解金めっき技術

 最先端高密度半導体パッケージ基板用の環境配慮型のシアンフリータイプ無電解金めっき液は、顧客で量産稼働中です。更なる性能向上に向けた改良も進めております。

③ 半導体配線用金めっき技術

 最先端半導体用のシアンフリー電解金めっき液について、顧客評価が進行中です。

④電池材料

 2023年3月に開催された第14回国際二次電池展に出展し、次世代電池向けの電解液や金属ナノ材料に関する研究開発成果を発表致しました。国内外から問い合わせを頂き、サンプルワークに向けた準備を進めております。

 

(4)研究開発費

 第52期(2023年3月期)における、研究開発費の総額は321,581千円であります。