第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度のわが国経済は、上半期は日経平均株価が15年ぶりに2万円を突破し、外国為替相場も1$=120円を超える円安基調で推移したため、輸出企業を中心として好調に推移いたしました。しかしながら、中国をはじめとした新興国を中心に世界経済の先行きへの不安がくすぶる中、欧州の景気回復の遅れや、世界景気のけん引役の不在のもと、マイナス金利の導入にもかかわらず円高や株式市場の低迷に見舞われるなど不安定な状況にあり、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

このような環境の中で当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)は、委託生産と交代勤務体制を効果的に進めてきたことにより製品の安定供給体制が整備され、さらに新商品開発活動を促進してきたことに加え、当初の予定からは遅れたものの建設中であった群馬工場が竣工を迎えたことにより生産体制の効率化や既存設備の更新を進めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は52億3百万円(前連結会計年度比9.7%増)、営業利益は9億57百万円(同27.5%増)、経常利益は11億77百万円(同30.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億43百万円(同43.5%増)となりました。

用途別売上状況

用   途

売上高

構成比

前年同期実績

対前期増減率

(百万円)

(%)

(百万円)

(%)

湿式合成皮革

家具・車輌用

4,216

81.0

3,561

18.4

手袋用

514

9.9

603

△14.8

その他

425

8.2

530

△19.7

5,156

99.1

4,695

9.8

その他

溶剤(DMF)

46

0.9

49

△4.8

合 計

5,203

100.0

4,744

9.7

用途別売上の概況は以下のとおりであります。

家具・車輌用

家具・車両用は、欧米市場を中心に競合他社との差別化を図った製品を提案したことにより用途が拡大し、全体として販売は好調に推移いたしました。

大型バスやキャンピングカー、ボート用、歯科治療の椅子用等が順調に売上げを伸ばし、コントラクト家具用では音楽ホールやホテル等の家具用途についても販売は好調でした。

またGM、アメリカ日産、Tesla等の自動車メーカーにおいてシフトブーツ、ドアパネル、シート部材等での採用が進み、航空機用製品につきましても、機体交代需要が続いたため好調な販売となりました。

この結果、家具・車輌用の売上高は42億16百万円(前連結会計年度比18.4%増)となりました。

手袋用

ゴルフ手袋用は、廉価商品と競合していた低収益帯の製品ラインナップを見直したことにより製品の販売は減少したものの、FootJoy社にて従来より採用されている日本市場向け全天候型グローブ“ウエザーソフ”に加えて、高性能カラー・グローブ“スペクトラムFP”が新たに採用され、日本において販売開始となりました。

乗馬用はEU経済減速の影響により低調に推移しており、その他スポーツ手袋用、及び作業手袋用については新柄商品を提案しているものの、現状のところ販売高に寄与するには至っておりません。

この結果、手袋用の売上高は5億14百万円(前連結会計年度比14.8%減)となりました。

その他

ケース用・雑貨用の輸出向け製品は、競合他社との差別化を図ったナッパタイプ及びスエードタイプの販売は好調に推移したものの、国内向けの販売は減少いたしました。

衣料用のCAPRITAS®シリーズの主力商品である”Fleure(フルーレ)”は、米国向けの販売が回復したものの、EU向けの主要市場であるドイツへの販売が低迷しました。国内衣料向け製品においても、レザー・トレンド減退の兆しが表れ、販売高が減少いたしました。

この結果、その他用途の売上高は4億25百万円(前連結会計年度比19.7%減)となっております。

溶剤(DMF)

製品製造の過程において使用された溶剤(DMF)を回収し、再利用によるコストダウンをはかりながら回収余剰分の販売をしており、売上高は46百万円(前連結会計年度比4.8%減)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2億56百万円増加し、13億5百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上及び長期借入れによる増加があったものの、有形固定資産の取得による支出、売上債権の増加、未収消費税の増加、たな卸資産の増加及び法人税等の支払があったことによるものであります。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は5億99百万円(前期比3億94百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益11億81百万円の計上があったものの、未収消費税等の増加1億26百万円、たな卸資産の増加1億14百万円、売上債権の増加1億72百万円並びに法人税等の支払額3億47百万円があったことによるものであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は12億11百万円(前期比5億円の増加)となりました。これは主に新工場新設に伴う有形固定資産の取得による支出11億99百万円によるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は8億68百万円(前期比5億61百万円の増加)となりました。これは主に配当金の支払額98百万円及び長期借入金の返済35百万円があったものの、新たに長期借入金が10億円増加したことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社グループは合成皮革の専門メーカーであり、当該事業以外の異なる事業を営んでおりません。このため生産、受注及び販売の状況につきましては、製品の用途別に区分し記載しております。

 当連結会計年度における生産実績を、用途別に示すと次のとおりであります。

用途別の名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

湿式合成皮革

家具・車輌用

3,700,625

106.7

手袋用

452,997

78.2

その他

436,885

82.0

4,590,508

100.2

その他

溶剤(DMF)

46,849

95.2

合計

4,637,357

100.2

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 当連結会計年度における受注状況を、用途別に示すと次のとおりであります。

用途別の名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

湿式合成皮革

家具・車輌用

4,218,051

110.1

652,837

100.2

手袋用

525,394

91.2

143,395

108.3

その他

355,789

76.2

116,657

62.5

合計

5,099,235

104.6

912,889

94.1

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.副産物として生ずる溶剤(DMF)は除いて記載しております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績を、用途別に示すと次のとおりであります。

用途別の名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

湿式合成皮革

家具・車輌用

4,216,523

118.4

手袋用

514,465

85.2

その他

425,921

80.3

5,156,910

109.8

その他

溶剤(DMF)

46,849

95.2

合計

5,203,759

109.7

 (注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

至 平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

Ultrafabrics, LLC

3,476,942

73.3

4,098,010

78.8

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.溶剤(DMF)は、原材料(樹脂)に溶剤として含まれたDMFを製造中に発生する廃液から回収精製装置によって再生し、副産物として売却の対象としたものであります。

 

3【対処すべき課題】

(1) 新しい市場の創造と開拓への取り組み

 海外競合会社からの安価な製品との差別化を図るため、また多様化している顧客のニーズに対応するために、製品の研究開発力を強化し、顧客の要求に応えた高付加価値製品のラインナップ化をすすめてまいります。また販売代理店と協調して、販路についても主力の北米に加えヨーロッパ、アジアでの市場開拓を展開しつつ、国内市場におきましても新たな需要の掘り起こしを行ってまいります。

 

(2) 生産ライン・拠点の充実・設備更新の検討

 当社はこれまで生産拠点として埼玉県行田市の1ラインで生産しておりましたが、顧客からの急激な需要増への対応、東日本大震災のような大規模災害が発生した場合のリスク対応策として、一部製品について中間工程までの加工を外部委託することにより、有事における供給能力の維持や平時における生産能力の増強に努めてまいりました。また、これまで生産ラインにおいてネックとなっていた工程の一部を増設するため群馬工場を新設し、従来の生産能力に加え、中間工程における生産能力の向上に努めてまいりました。

 また、既存の製造ラインは長年使用してきており老朽化が進んでいるため、新設した群馬工場を活用し、既存設備を効率的に更新し、将来的な事業展開に備える予定であります。

 

(3) 環境への取り組み

 当社では「環境」を経営の重要なテーマの一つに位置付けて環境保全活動に取り組んでおります。当社グループの生産する合成皮革製品は環境負荷の少ないウレタン樹脂を使用しておりますが、更にVOC(揮発性有機化合物)対応合皮、無溶剤・水系樹脂等による環境にやさしい合成皮革の研究開発を推進してまいります。今後も当社グループは環境と調和した「環境型社会」に対応した持続発展する企業を目指して全社的取り組みをはかり、廃棄物低減、省エネルギー対策などの活動を展開してまいります。

 

4【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価ならびに財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、下記記載のリスク項目は当社事業に関するすべてのリスクを網羅したものではありません。また、本項における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 ① 海外売上高と為替相場の変動について

 当社グループの最近2連結会計年度における輸出比率は、前連結会計年度は85.1%、当連結会計年度は89.5%と高くなっており、当社グループの業績は、海外市場の動向に影響を受けます。

 主要海外取引先とは為替差損益の相互負担契約を結び、為替変動によるリスクを回避しておりますが、販売単価の見直しや受注が増減することにより、当社グループの業績は影響を受けます。

 ② 特定の販売先への依存度が高いことについて

 当社グループの最近2連結会計年度における販売実績のうち、当社グループからの販売比率が高い相手先は、北米及びヨーロッパ地区での独占供給契約を締結しているUltrafabrics,LLCとAcushnet FootJoy(Thailand)Limitedの2社であり、当連結会計年度の売上高のうち、この2社が占める割合は85.3%であります。このため、両社の販売動向によって、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 ③ 特定の仕入先からの仕入割合が高いことについて

 当社グループは、原材料である基布や樹脂等を特定の仕入先に依存している場合があります。当社グループではこうした特定仕入先との関係を密接に保ちながら、安定的な調達に努めております。需要の急増による原材料不足や天災地変、品質問題、特定仕入先の政策変更や倒産・経営破綻・合併等により調達に重大な支障をきたした場合や仕入価格が高騰した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 ④ 製品開発と価格競争について

 合成皮革業界は厳しい競争下にあり、研究開発による新製品の開発や顧客要求への対応等が常に求められております。そのため、当社グループの収益の変動にかかわらず、製品開発のための投資を常に継続する必要があります。その一方で、開発された高品質・高付加価値製品より、アジア圏の各メーカーが当社グループの製品と同様な品質で、より安い価格の製品を安定供給するようになった場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 ⑤ 製品における欠陥の発生

 当社グループの製品については、確立された品質管理体制により高機能・高品質を備えた合成皮革製品を市場に供給しております。しかしながら、製品に欠陥が発生したことにより顧客から賠償費用等の多額のコストが発生した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 ⑥ 生産設備について

 イ 法的規制

 当社製品についての法的規制はありませんが、設備及び生産活動において地盤沈下監視、VOC排出規制、省エネルギー法による燃料消費量管理、危険物取扱関連等のさまざまな法的規制・行政指導を受けており、今後、これらの法規制が強化された場合、設備投資や関連費用の増加が見込まれ、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 ロ 災害や停電等による影響

 当社グループの製品は、おもに埼玉県行田市にある埼玉事業所を中心に生産を行っております。このため、生産設備において発生する災害、停電又はその他の事象により製造機器の損傷又は材料調達先に壊滅的な被害が生じた場合、操業が停止し、生産・出荷活動が停止する可能性があります。今後発生する災害等の要因により電気ガス等のエネルギー供給において総量規制など使用制限がなされた場合には、当社の生産活動において著しい影響を受ける可能性があります。

 ハ 人材の確保と技術伝承

 当社グループの製品は、高度な技術等専門知識及び経験を有する社員により製造・開発されております。しかしながら何らかの要因により雇用が流動化し人材が流出した場合、技術・知識及び経験を伝承するためのある期間にわたり教育と訓練を行うことができず、結果として当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 ⑦ 当社の筆頭株主について

 有価証券報告書提出日における当社発行済株式総数は6,800,000株であり、そのうち当社の筆頭株主である東京中小企業投資育成株式会社は当社株式の1,402,000株を所有し、その所有株式数の発行済株式総数に対する割合は20.62%であります。

 同社は、中小企業の自己資本の充実と健全な成長発展をはかるため、中小企業投資育成株式会社法(昭和38年6月10日 法律101号)に基づいて設立された政策会社で、昭和47年に当社の増資を引き受けて以来、当社の筆頭株主であります。同社の投資方針は長期保有を基本としているものの、未公開株式に投資を行う目的は、公開後において所有する株式を売却することであるから、今後、同社の保有政策の変更が生じて当社株式の売却方針となった場合には、短期的に需給のバランスの悪化が生じる可能性があり、当社株式の市場価格が低下する可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 重要な契約に関する事項

(1)北米及び欧州において、産業資材用の商品の拡販をはかるために販売先であるUltrafabrics,LLCと独占的供給契約を結んでおります。

契約会社名

契約締結先

国名

契約内容

契約締結日

契約期間

第一化成株式会社

(当社)

Ultrafabrics,LLC

米国

北米のすべての指定市場において当社製品の一部を独占的に供給する。

平成20年4月8日

平成20年4月8日より9年間。なお、契約期間終了後は両者の合意に基づき1年毎に自動更新。

第一化成株式会社

(当社)

Ultrafabrics,LLC

米国

欧州のすべての指定市場において当社製品の一部を独占的に供給する。

平成23年2月16日

平成23年1月1日より5年間。ただし、北米における独占供給契約の終結と同時に自動的に終結。なお、契約期間満了の3ヶ月前までに解除の通知がなされない場合1年毎延長。

 

(2)為替相場の変動によるリスクを軽減するために、販売先である次の2社と為替変動による損失を折半とする契約を結んでおります。

契約会社名

契約締結先

国名

契約内容

契約締結日

契約期間

 

第一化成株式会社

(当社)

Ultrafabrics,LLC

米国

① 第一化成製品のドル建ての基準レートを1ドル86.6円とする。

② 為替レートが1ドル83.6円から89.6円の間に留まる場合は第一化成製品の販売価格調整は行わない。

③ 為替レートが1ドル83.6円を下回る円高、あるいは1ドル89.6円を上回る円安になった場合には、超過分の影響を1/2にするよう第一化成製品の販売価格を調整する。

平成24年10月29日

平成27年1月1日以降特に定めていない。

第一化成株式会社

(当社)

Acushnet FootJoy
(Thailand) Limited

タイ

王国

① 第一化成製品のドル建ての基準レートを1ドル90円とする。

② 為替レートが1ドル87円から93円の間に留まる場合は第一化成製品の販売価格調整は行わない。

③ 為替レートが1ドル87円を下回る円高、あるいは1ドル93円を上回る円安になった場合には、超過分の影響を1/2にするよう第一化成製品の販売価格を調整する。

平成23年

2月1日

特に定めていない。

 

6【研究開発活動】

研究開発の目的は日々変化する顧客の要求に応え得る新製品を継続的に市場に提供することで、当社の維持・発展を確実にすることにあります。

この目的を達成するために当社では「ISO9001」に基づく開発システムを整備し、これを日々運用しております。このシステムには経営陣をはじめ、営業・技術・製造・品質保証各部門の責任者が参加することで開発業務の効率化がはかれます。

開発業務に直接携わる部署は技術部開発課及び埼玉事業所製造技術課が当該事業に従事しており、当連結会計年度の研究開発費の総額は69百万円であります。両課とも新製品の性能評価に必要な試験、測定機器を所有し、相互の情報交換を密にすることで業務の効率化をはかっております。

それぞれの用途に求められる性能の実現をはかるため、新素材の採用、使用原材料の改質を積極的に行うとともに、加工方法及び性能評価法についてさらなる高度な技術を身につけることが今後の研究開発業務を推進するうえで必要な課題となっております。

なお、主な研究テーマ及び成果は以下のとおりであります。

①研究テーマ

家具・車輌用:デザイン性、独創性意匠を有する合皮の開発

各種性能(難燃性・抗菌性・耐光性、耐久性、成形性)の性能向上

各種機能性の追求(熱的特性、防汚染性、消臭性)

手  袋  用:各種スポーツ対応素材の開発

そ  の  他:ファッション性、機能性の追求

環 境 対 策 :環境負荷低減、VOC使用量の低減及び水系合成皮革の開発

各種用途低コスト素材の開発

 

②研究成果

家  具  用:新デザイン、機能性(難燃、防汚)レザーの上市 9点

車  輌  用:新デザイン、耐光、耐久レザーの上市 4点

手  袋  用:新デザインの開発 1点

そ  の  他:耐久レザーの上市 1点(雑貨用、衣料用の耐久性向上に成功)

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、必要と思われる見積りは連結決算日における資産・負債の報告数値並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。これらの見積り及び判断・評価は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因等に基づき行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためにこれらと異なる場合があります。

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループは単一事業のため、売上高の概況は「第2 事業の状況 1.業績等の概要」に記載のとおりであります。

売上原価は、生産量の増加に伴う原材料費及び人件費の増加があったものの、製造効率の改善に努めたことにより売上原価率は前連結会計年度の73.4%から2.6ポイント減少した70.8ポイントとなっております。

販売費及び一般管理費は、コスト削減努力を継続的に進めたため、売上高に占める販売費及び一般管理費比率は売上高が9.7ポイント増加しているものの、前連結会計年度と同じ10.8ポイントとなっております。この結果、前連結会計年度の5億11百万円から50百万円増加した、5億62百万円となりました。

営業外損益の純額は、前連結会計年度1億54百万円から65百万円増加した2億20百万円となりました。これは主に持分法による投資利益が64百万円増加したことによるものであります。

親会社株主に帰属する当期純利益は、試験研究費、生産性向上設備及び雇用促進税制等の税額控除が59百万円あったことに加え、法人税等調整額が減少した結果、前連結会計年度の5億87百万円から2億55百万円増加した8億43百万円となりました。これにより1株当たり当期純利益金額は前連結会計年度の103.95円から41.23円増加した145.18円となりました。

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4.事業等のリスク」に記載しております。

(4) 経営戦略の現状と見通し

北米向け家具市場ではダイオキシン発生の問題のある塩化ビニル製品からポリウレタン製品への切り替えが進んでおり、顧客からの需要が増加しております。また、衣料分野においてもレザー製品のファッション回帰に加えアニマル・フリーのトレンド、円安による価格競争力の回復、製品の安全性・品質・機能性の評価等からヨーロッパを中心に当社製品への需要が高まっております。

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載しております。また、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。

キャッシュ・フロー関連指標の推移

区分

第47期

第48期

第49期

第50期

第51期

自己資本比率(%)

69.0

71.9

72.3

70.5

61.7

時価ベースの自己資本比率(%)

39.1

37.1

66.0

95.2

58.6

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

52.7

313.6

267.9

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

215.2

67.6

94.1

 自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

 インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

 (注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

 (注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

 (注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

需要が順調に増加する一方、当社の製品供給能力には限界があり、顧客への製品供給を最大限に実現することが急務となっております。

これらの状況をカバーすべく当社グループは、委託生産先の開拓と共に今後さらに増加が予想される顧客需要に対応すべく、さらなる生産能力の増強の検討を進めると共に販路や用途の拡大を行い、消費者の動向にタイムリーに対応できる高付加価値商品の開発を目指してまいります。

また、今まで以上に環境に配慮し、環境と調和をはかる企業を目指し事業構造の一層の強化とグループ経営の質的向上をはかり、企業理念の実現へ邁進してまいります。詳細につきましては「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3.対処すべき課題」に記載のとおりであります。