第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度のわが国経済は、国内は堅調な企業業績により雇用環境等が改善され、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、中国及びアジア新興国経済の先行き不安、英国のEU離脱問題、米国新政権の政策動向等の影響による下振れ懸念を抱えた状況で推移しました。

このような環境の中で当社グループ(当社および連結子会社)は、これまで当社グループ販売高のおよそ8割を占めていた持分法適用関連会社である高機能ポリウレタン合成皮革マーケティング会社Ultrafabrics,LLC(以下「Uf社」)の持分をUf社の創業者より買取り、完全子会社いたしました。当社グループの販売は堅調に推移したため増収となりました。また、持分買取りに関連する諸費用が増加したものの、Uf社の買収に伴う段階取得に係る差益が発生したため当期の業績は前連結会計年度と比較して大幅な増益となりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は54億31百万円(前連結会計年度比4.4%増)、営業利益は5億17百万円(同46.0%減)、経常利益は5億28百万円(同55.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は29億12百万円(同245.4%増)となりました。

用途別売上状況

用   途

売上高

構成比

前年同期実績

対前期増減率

(百万円)

(%)

(百万円)

(%)

湿式合成皮革

家具・車輌用

4,477

82.5

4,216

6.2

手袋用

478

8.8

514

△7.0

その他

414

7.6

425

△2.7

5,370

98.9

5,156

4.1

その他

溶剤(DMF)

61

1.1

46

30.7

合 計

5,431

100.0

5,203

4.4

用途別売上の概況は以下のとおりであります。

家具・車輌用

家具・車輛用は、“MOKUME”を始めとした新しいデザインの製品投入等の効果により、家具、RV、医療向け等各セグメントにおいて安定的に売上が伸びました。車輛向けに関しては、防汚性等の機能性の強化に加え白色製品の受注が増加し、販売が順調に推移しました。

売上高は前年度対比円高方向で推移した為替相場の影響を受けましたが、全体としては車輛用を中心に高機能製品の販売が伸び、為替相場の影響を相殺する形となりました。

この結果、家具・車輌用の売上高は44億77百万円(前連結会計年度比6.2%増)となりました。

手袋用

手袋用は昨年度大きく売上が減少したものの、今年度は既存取引先を中心に受注が安定しました。ただし、売上高は為替相場の影響を受けて減少しました。

この結果、手袋用の売上高は4億78百万円(前連結会計年度比7.0%減)となりました。

その他

その他用途に関しては、手袋用と同様に既存取引先を中心に販売が堅調に推移しました。このセグメントは、他のセグメントと比べて為替相場の影響が少ないものの、売上高は若干の影響を受けました。

この結果、その他用途の売上高は4億14百万円(前連結会計年度比2.7%減)となりました。

溶剤(DMF)

製品製造の過程において使用された溶剤(DMF)を回収し、再利用によるコストダウンをはかりながら回収余剰分の販売をしており、売上高は61百万円(前連結会計年度比30.7%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ16億35百万円増加し、29億40百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入、A種優先株式発行による収入、Uf社持分買取資金として短期借入金が増加したものの、たな卸資産の増加、法人税等の支払額、有形固定資産の取得による支出、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出があったことによるものであります。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は9億68百万円(前期比3億68百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益31億2百万円の計上、売上債権の減少3億79百万円、未収消費税の減少1億17百万円、仕入債務の増加2億25百万円、未払費用の増加2億25百万円があったものの、段階取得に係る差益25億93百万円、たな卸資産の増加8億92百万円及び法人税等の支払額3億64百万円があったことによるものであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は135億96百万円(前期比123億84百万円の増加)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出130億86百万円によるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は144億74百万円(前期比136億6百万円の増加)となりました。これは主に新株の発行による収入19億42百万円及び短期借入金が129億2千9百万円増加したことによるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社グループは合成皮革の専門メーカーであり、当該事業以外の異なる事業を営んでおりません。このため生産、受注及び販売の状況につきましては、製品の用途別に区分し記載しております。

 当連結会計年度における生産実績を、用途別に示すと次のとおりであります。

用途別の名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

湿式合成皮革

家具・車輌用

3,938,284

106.4

手袋用

464,448

102.5

その他

415,708

95.2

4,818,441

105.0

その他

溶剤(DMF)

61,232

130.7

合計

4,879,673

105.2

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 当連結会計年度における受注状況を、用途別に示すと次のとおりであります。

用途別の名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

湿式合成皮革

家具・車輌用

4,557,248

108.0

732,785

112.2

手袋用

500,317

95.2

165,169

115.2

その他

408,706

114.9

111,072

95.2

合計

5,466,271

107.2

1,009,027

110.5

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.副産物として生ずる溶剤(DMF)は除いて記載しております。

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績を、用途別に示すと次のとおりであります。

用途別の名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

湿式合成皮革

家具・車輌用

4,477,300

106.2

手袋用

478,543

93.0

その他

414,290

97.3

5,370,134

104.1

その他

溶剤(DMF)

61,232

130.7

合計

5,431,366

104.4

 (注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

Ultrafabrics, LLC

4,098,010

78.8

4,383,246

80.7

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.溶剤(DMF)は、原材料(樹脂)に溶剤として含まれたDMFを製造中に発生する廃液から回収精製装置によって再生し、副産物として売却の対象としたものであります。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、顧客を満足させる品質と価値の創造開発に全力を尽くすとともに、環境保全と省資源へも積極的な取組みを続け、消費者・取引先・株主等を始めとするステークホルダーに信頼される企業を目指すことを経営の基本理念としております。

 この理念の実現を通して、株主の利益向上・会社の発展・社会への奉仕・社員生活の充実の推進が一致する経営の確立を目指してまいります。

 また当社は、常に新しい市場の創造と開拓に努め、顧客ニーズを的確に把握し、魅力ある製品を開発しながら、生産性および顧客サービスの向上を図り、当社並びに当社製品への信頼を得るための体制を確立してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社は、中長期的な業績見込みにおける売上高、EBITDA、自己資本利益率を重要な経営指標として位置付けております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

製品開発の拡充による用途拡大、グローバル市場への展開、グローバルブランドの確立

 湿式合成皮革(レザー)に求められる機能やデザインは、その用途によって異なります。特にハイエンドのレザーに対しては、様々な機能と最先端のデザインが求められます。当社とUf社は、製品開発においてこれまでも協力関係を築いておりましたが、今回の事業統合によって顧客ニーズの直接的な製品開発への反映と量産への展開がより迅速に行える体制となり、品質に対する要求水準が高い自動車、航空機等の分野における製品用途の拡大が期待出来ます。地域面では、Uf社は従前より北米でのプレゼンスが高く数年前から欧州への本格的な事業拡大を図る一方、日本では当社が当社製品名で販売を行い、アジアに関しては明確な戦略がありませんでした。今回の事業統合後は、東京、ニューヨーク、ロンドンの3拠点から、当社製品をUf社のブランド名でグローバルに展開する予定です。特に自動車や航空機は事業そのものがグローバル化しており、製品のグローバル展開は当該分野における採用に貢献するものと考えます。ハイエンドレザーとして製品用途の拡大とグローバル市場への展開により、今回の事業統合の最大の目的であるグローバルブランドとしての地位の確立が可能になります。グローバルブランドとして認知されることは、製品の持つ高い機能性、優れたデザイン性、そして品質の安定性がブランドにより担保され、新規の顧客や新しい用途における採用に大きく貢献するものと考えております。

 

(4)会社の対処すべき課題

① 生産の2ライン化

 当社はこれまで長年にわたり埼玉県行田市にある埼玉事業所の1ラインで生産しておりましたが、平成28年4月に群馬県邑楽郡邑楽町の新工場が稼働し、一部の工程が2ラインとなりました。より高い品質と供給の安定性が求められる自動車、航空機等における用途拡大を目指す為に生産の完全2ライン化が必須であることから現在設備投資を進めており、平成30年春の完成を予定しております。新しい2つのラインは、効率的な大量生産に適したラインと柔軟性のある少量生産に適したラインにより構成され、様々な顧客ニーズに応えることの出来る体制となります。

② サステナビリティー(持続可能性)の重視

 世界経済の成長によるハイエンドレザーへの需要が増加する一方、その需要を本革だけで満たすことは持続不可能な状況にあります。また、動物由来の素材の使用を避けたいという考え方も、欧米のデザイナーを中心に広がりを見せております。当社の製品は元来これらの流れに沿ったものではありますが、当社の製品自体も持続可能なものでなくてはなりません。この観点から、生産における環境への負荷を最小限とするのは勿論のこと、植物由来やリサイクル原料の活用、CSR活動への取組強化等サステナビリティーを重視した経営を目指してまいります。

 

4【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価ならびに財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、下記記載のリスク項目は当社事業に関するすべてのリスクを網羅したものではありません。また、本項における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 ① 海外売上高と為替相場の変動について

 当社グループの最近2連結会計年度における輸出比率は、前連結会計年度、当連結会計年度ともに89.5%と高くなっており、当社グループの業績は、海外市場の動向に影響を受けます。

 為替変動によるリスクは、デリバティブを活用したヘッジ取引により軽減に努める方針でおりますが、完全に回避できるものではありません。また、販売単価の見直しや受注が増減することにより、当社グループの業績は影響を受けます。

 ② 特定の仕入先からの仕入割合が高いことについて

 当社グループは、原材料である基布や樹脂等を特定の仕入先に依存している場合があります。当社グループではこうした特定仕入先との関係を密接に保ちながら、安定的な調達に努めております。需要の急増による原材料不足や天災地変、品質問題、特定仕入先の政策変更や倒産・経営破綻・合併等により調達に重大な支障をきたした場合や仕入価格が高騰した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 ③ 製品開発と価格競争について

 合成皮革業界は厳しい競争下にあり、研究開発による新製品の開発や顧客要求への対応等が常に求められております。そのため、当社グループの収益の変動にかかわらず、製品開発のための投資を常に継続する必要があります。その一方で、開発された高品質・高付加価値製品より、アジア圏の各メーカーが当社グループの製品と同様な品質で、より安い価格の製品を安定供給するようになった場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 ④ 製品における欠陥の発生

 当社グループの製品については、確立された品質管理体制により高機能・高品質を備えた合成皮革製品を市場に供給しております。しかしながら、製品に欠陥が発生したことにより顧客から賠償費用等の多額のコストが発生した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 ⑤ 生産設備について

 イ 法的規制

 当社製品についての法的規制はありませんが、設備及び生産活動において地盤沈下監視、VOC排出規制、省エネルギー法による燃料消費量管理、危険物取扱関連等のさまざまな法的規制・行政指導を受けており、今後、これらの法規制が強化された場合、設備投資や関連費用の増加が見込まれ、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 ロ 災害や停電等による影響

 当社グループの製品は、おもに埼玉県行田市にある埼玉事業所を中心に生産を行っております。このため、生産設備において発生する災害、停電又はその他の事象により製造機器の損傷又は材料調達先に壊滅的な被害が生じた場合、操業が停止し、生産・出荷活動が停止する可能性があります。今後発生する災害等の要因により電気ガス等のエネルギー供給において総量規制など使用制限がなされた場合には、当社の生産活動において著しい影響を受ける可能性があります。

 ハ 人材の確保と技術伝承

 当社グループの製品は、高度な技術等専門知識及び経験を有する社員により製造・開発されております。しかしながら何らかの要因により雇用が流動化し人材が流出した場合、技術・知識及び経験を伝承するためのある期間にわたり教育と訓練を行うことができず、結果として当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 ⑥ 当社の筆頭株主について

 有価証券報告書提出日における当社発行済株式総数は8,650,000株であり、そのうち当社の筆頭株主である東京中小企業投資育成株式会社は当社株式の1,102,000株を所有し、その所有株式数の発行済株式総数に対する割合は12.74%であります。

 同社は、中小企業の自己資本の充実と健全な成長発展をはかるため、中小企業投資育成株式会社法(昭和38年6月10日 法律101号)に基づいて設立された政策会社で、昭和47年に当社の増資を引き受けて以来、当社の筆頭株主であります。同社の投資方針は長期保有を基本としているものの、未公開株式に投資を行う目的は、公開後において所有する株式を売却することであるから、今後、同社の保有政策の変更が生じて当社株式の売却方針となった場合には、短期的に需給のバランスの悪化が生じる可能性があり、当社株式の市場価格が低下する可能性があります。

 ⑦ グループ管理体制について

当社グループに含まれる海外子会社は、今後、当社グループの売上の大半を占めることとなり、重要な役割を担うようになります。このため、海外子会社を含めた当社グループの内部統制・管理体制整備と継続的な強化を図る必要があります。

 しかしながら、これらの管理体制が十分に機能しなくなった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 重要な契約に関する事項

(1)為替相場の変動によるリスクを軽減するために、販売先である次のFootJoy社と為替変動による損失を折半とする契約を結んでおります。

契約会社名

契約締結先

国名

契約内容

契約締結日

契約期間

第一化成株式会社

(当社)

Acushnet FootJoy
(Thailand) Limited

タイ

王国

① 第一化成製品のドル建ての基準レートを1ドル90円とする。

② 為替レートが1ドル87円から93円の間に留まる場合は第一化成製品の販売価格調整は行わない。

③ 為替レートが1ドル87円を下回る円高、あるいは1ドル93円を上回る円安になった場合には、超過分の影響を1/2にするよう第一化成製品の販売価格を調整する。

平成23年

2月1日

特に定めていない。

 

(2)当社は、平成29年1月23日付で平成29年2月21日開催の臨時株主総会及び普通株主による種類株主総会において、株主様から、付議議案である第三者割当によるA種優先株式及び第三者割当による第6回新株予約権の発行ならびにA種優先株式に係る定款一部変更等のご承認をいただくことを条件として効力を有する持分取得契約を締結いたしました。なお、当該議案は平成29年2月21日開催の臨時株主総会及び普通株主による種類株主総会において、承認を得ております。

 詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2)新株予約権等の状況」、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (9)ストックオプション制度の内容」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(3)当社は、平成29年5月22日付で平成29年6月22日開催の定時株主総会及び普通株主による種類株主総会において、株主様からご承認をいただくことを前提条件として、平成29年10月1日付(予定)で会社分割により合成樹脂加工製品の製造並びに販売その他これらに関連する事業を同日付で設立された当社の100%子会社「第一化成分割準備株式会社」に承継させることを決定し、吸収分割契約を締結いたしました。なお、本件契約は平成29年6月22日開催の定時株主総会及び普通株主による種類株主総会において、承認を得ております。

 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

6【研究開発活動】

研究開発の目的は日々変化する顧客の要求に応え得る新製品を継続的に市場に提供することで、当社の維持・発展を確実にすることにあります。

この目的を達成するために当社では「ISO9001」に基づく開発システムを整備し、これを日々運用しております。このシステムには経営陣をはじめ、営業・技術・製造・品質保証各部門の責任者が参加することで開発業務の効率化がはかれます。

開発業務に直接携わる部署は技術部開発課及び埼玉事業所製造技術課が当該事業に従事しており、当連結会計年度の研究開発費の総額は89百万円であります。両課とも新製品の性能評価に必要な試験、測定機器を所有し、相互の情報交換を密にすることで業務の効率化をはかっております。

それぞれの用途に求められる性能の実現をはかるため、新素材の採用、使用原材料の改質を積極的に行うとともに、加工方法及び性能評価法についてさらなる高度な技術を身につけることが今後の研究開発業務を推進するうえで必要な課題となっております。

なお、主な研究テーマ及び成果は以下のとおりであります。

①研究テーマ

家具・車輌用:デザイン性、独創性意匠を有する合皮の開発

各種性能(難燃性・抗菌性・耐光性、耐久性、成形性)の性能向上

各種機能性の追求(帯電防止性、防汚性、消臭性)

手  袋  用:各種スポーツ対応素材の開発

そ  の  他:ファッション性、機能性の追求

環 境 対 策 :環境負荷低減、VOC使用量の低減及び水系合成皮革の開発

各種用途低コスト素材の開発

 

②研究成果

家  具  用:新デザイン、防汚性レザーの上市     計6点

車  輌  用:新デザイン、耐光、耐久レザーの上市   計3点

手  袋  用:新デザインの開発            計1点

そ  の  他:雑貨向け、航空機向けレザーの上市    計4点

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、当社グループの経営陣は連結決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。これらの見積り及び判断・評価は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因等に基づき行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためにこれらと異なる場合があります。

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループは単一事業のため、売上高の概況は「第2 事業の状況 1.業績等の概要」に記載のとおりであります。

売上原価は、製造効率の改善効果はあったものの、当連結会計年度から稼働した群馬工場の減価償却費がかさんだことにより、売上原価率は前連結会計年度の70.8%から3.7ポイント増加した74.5%となっております。

販売費及び一般管理費は、コスト削減努力を継続的に進めたものの、持分法適用関連会社であったUltrafabrics,LLCの持分取得に係る費用負担があったため、売上高に占める販売費及び一般管理費比率は前連結会計年度の10.8%から5.2ポイント増加した16.0%となっております。この結果、前連結会計年度の5億62百万円から3億6百万円増加した、8億68百万円となりました。

営業外損益の純額は、前連結会計年度2億20百万円から2億9百万円減少した10百万円となりました。これは主にUltrafabrics, LLCの持分取得に係る資金調達費用が発生したことによるものであります。

親会社株主に帰属する当期純利益は、段階取得に係る差益25億93百万円、試験研究費、所得拡大促進税制等の税額控除が25百万円あったものの、連結消去の影響による税額負担が増加した結果、前連結会計年度の8億43百万円から20億68百万円増加した29億12百万円となりました。これにより1株当たり当期純利益金額は前連結会計年度の145.18円から348.64円増加した493.82円となりました。

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4.事業等のリスク」に記載しております。

(4) 経営戦略の現状と見通し

北米向け家具市場ではダイオキシン発生の問題のある塩化ビニル製品からポリウレタン製品への切り替えが進んでおり、顧客からの需要が増加しております。また、衣料分野においてもレザー製品のファッション回帰に加えアニマル・フリーのトレンド、円安による価格競争力の回復、製品の安全性・品質・機能性の評価等からヨーロッパを中心に当社製品への需要が高まっております。

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載しております。また、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。

キャッシュ・フロー関連指標の推移

区分

第48期

第49期

第50期

第51期

第52期

自己資本比率(%)

71.9

72.3

70.5

61.7

34.9

時価ベースの自己資本比率(%)

37.1

66.0

95.2

58.6

39.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

52.7

313.6

267.9

1,485.77

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

215.2

67.6

94.1

24.8

 自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

 インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

 (注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

 (注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

 (注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

需要が順調に増加する一方、当社の製品供給能力には限界があり、顧客への製品供給を最大限に実現することが急務となっております。

これらの状況をカバーすべく当社グループは、委託生産先の開拓と共に今後さらに増加が予想される顧客需要に対応すべく、さらなる生産能力の増強の検討を進めると共に販路や用途の拡大を行い、消費者の動向にタイムリーに対応できる高付加価値商品の開発を目指してまいります。

また、今まで以上に環境に配慮し、環境と調和をはかる企業を目指し事業構造の一層の強化とグループ経営の質的向上をはかり、企業理念の実現へ邁進してまいります。詳細につきましては「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。