第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

当社グループは、当連結会計年度よりIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSに組替えて比較分析を行っております。

 

(1)業績

当連結会計年度における我が国経済は、旺盛な外需及び個人消費と設備投資を中心とした内需に支えられ、年間を通して堅調に推移致しました。世界経済に関しましても、欧州、米国を始めとして安定した成長が続いております。

なお、弊社製品の最終消費地は米国を中心にほとんどが海外であり、日本よりも世界経済の動向に販売が影響を受け易い傾向があります。このような経済状況のもとで当社グループは、日本の第一化成株式会社(以下、第一化成)と米国のUltrafabrics, Inc(以下Uf社)の事業統合を2017年10月1日付の持株会社体制への移行を以て完了し、新しい体制による更なる事業成長への取組を開始致しました。グループ全体のビジネスの増加に加え、Uf社の売上が連結決算に反映されることにより、売上収益は期初の想定通りの水準に大幅に増加しました。しかしながら、Uf社の資産・負債を公正価値にて連結財務諸表に取り込む(PPA:Purchase Price Allocation)に際して顧客関連資産(Customer Relationship)など償却対象となる資産が計上され償却費が増加したこと、グループ再編にあたり持株会社の設立や内部統制の整備など将来の事業成長に向けた組織体制強化に係るコストが想定以上に掛かったこと、株式報酬費用を計上したことなどにより営業利益、税引前当期利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は当初予定を大幅に下回りました。

この結果、2017年12月期の売上収益は78億48百万円、営業利益は5億72百万円、税引前当期利益は2億4百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は71百万円となりました。なお、2017年12月期は決算期を3月より12月に変更したことによる変則決算となるため、前年比情報は記載しておりません。

用途別の売上収益の概況は、次の通りであります。用途別の売上収益は、セクター別に多少のばらつきはあるものの、概ね計画通りに推移致しました。

なお、当連結会計年度より、売上収益はUf社及び従来のUf社以外への売上収益が合計されることに伴い、従来の家具・車輛用、手袋用、その他用、溶剤(DMF)として表示していた用途別情報を家具用、自動車用、航空機用、その他に変更しております。これに伴う用途別情報変更によるセグメント情報に与える影響はありません。

①家具用

当社グループの製品は、北米を中心に椅子を始めとしたハイエンドのオフィス家具に採用されています。当社グループ製品の最大の特徴である柔らかな風合いに加え、通気性等の高い機能性がそのデザイン性とともに評価され、長年に亘って安定的に売り上げを伸ばしてきた事業分野であります。堅調な経済動向に加え、より快適な環境へのニーズも高まっており、当連結会計年度においても新規に当社グループ製品を採用する家具メーカーが増加致しました。

この結果、家具用の売上収益は24億13百万円となりました。

②自動車用

この事業分野では、これまでギアシフトブーツといった一部の内装材に当社グループ製品が使われて参りました。最近の技術開発により、シート等高い耐摩耗性や耐久性が求められる用途にも採用されております。特に欧米では、消費者が動物由来の素材を避ける傾向が高まっており、アニマルフリーでラグジュアリーな内装材として、当社製品の採用を検討する自動車メーカーが増えております

この結果、自動車用の売上収益は19億66百万円となりました。

③航空機用

航空機用に関しては、プライベートジェット(ビジネスジェット)の内装を中心に事業展開をしてきました。大型の民間航空機でも、内装の一部に採用されております。二酸化炭素排出量を更に減少させたいというトレンドに加え原油価格の上昇もあり、本革や塩化ビニールと比べて大幅に軽量な合成皮革の採用意欲は高まる傾向にあります。

この結果、航空機用の売上収益は6億35百万円となりました。

④その他

この用途には、従来第一化成が直接販売を行っていた手袋用、衣料用、溶剤に加え、Uf社におけるほかの事業分野(RV、トラック、ボート、医療用等)が含まれます。これらのセグメントにおける売上収益に関しては、短期間に大幅に増加することはないものの安定的に成長しており、当連結会計年度も従来通りの動きとなっております。売上収益は28億34百万円となりました。

なお、用途別情報を変更したことにより前連結会計年度との比較が困難となる為、参考情報として以下に当連結会計年度の売上収益を、従来の用途別で表示しております。

(単位:百万円)

用途別

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

  至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

  至 2017年12月31日)

家具・車輛用

4,921

7,126

手袋用

478

452

その他用

414

239

溶剤(DMF)

61

31

合計

5,874

7,848

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7億42百万円減少し、16億80百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出21億72百万円、短期借入金の純減少額107億1百万円があったことに対し、長期借入れによる収入121億31百万円があったことによるものであります

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は12億31百万円となりました。

 これは主に税引前当期利益2億4百万円、減価償却費及び償却費6億87百万円、金融費用3億99百万円を計上したことに対し、利息の支払額及び法人所得税の支払額があったことによるものであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は28億51百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果得られた資金は10億45百万円となりました。これは主に短期借入金の純減少額107億1百万円に対し長期借入れによる収入121億31百万円があったことによるものであります。

 

(3)並行開示情報

 連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。

 なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。

 

① 要約連結貸借対照表(日本基準)

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(2017年3月31日)

当連結会計年度

(2017年12月31日)

資産の部

 

 

流動資産

5,762

5,532

固定資産

 

 

有形固定資産

2,930

4,799

無形固定資産

15,962

14,855

投資その他の資産

267

263

固定資産合計

19,159

19,917

資産合計

24,921

25,449

 

 

 

負債の部

 

 

流動負債

14,788

5,335

固定負債

1,307

12,532

負債合計

16,095

17,867

 

 

 

純資産の部

 

 

株主資本

8,715

7,531

その他の包括利益累計額

△10

△470

新株予約権

120

521

純資産合計

8,825

7,582

負債純資産合計

24,921

25,449

 

② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)

要約連結損益計算書

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2017年12月31日)

売上高

5,431

7,845

売上原価

4,045

3,799

売上総利益

1,386

4,046

販売費及び一般管理費

869

3,599

営業利益

517

447

営業外収益

238

41

営業外費用

227

335

経常利益

528

153

特別利益

2,601

3

特別損失

26

37

税金等調整前当期純利益

3,103

119

法人税等合計

191

413

当期純利益又は当期純損失(△)

2,912

△294

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

2,912

△291

 

要約連結包括利益計算書

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2017年12月31日)

当期純利益又は当期純損失(△)

2,912

△294

その他の包括利益合計

△5

△460

包括利益

2,907

△754

(内訳)

 

 

親会社株主に係る包括利益

2,907

△754

 

③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)

前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)

(単位:百万円)

 

 

株主資本

その他の包括利益

累計額

新株予約権

純資産合計

当期首残高

4,003

△4

38

4,036

当期変動額合計

4,712

△5

82

4,789

当期末残高

8,715

△10

120

8,825

 

当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2017年12月31日)

(単位:百万円)

 

 

株主資本

その他の包括利益

累計額

新株予約権

純資産合計

当期首残高

8,715

△10

120

8,825

当期変動額合計

△1,184

△460

401

△1,243

当期末残高

7,531

△470

521

7,582

 

④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2017年12月31日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

968

1,148

投資活動によるキャッシュ・フロー

△13,596

△2,867

財務活動によるキャッシュ・フロー

14,475

445

現金及び現金同等物に係る換算差額

△211

△39

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

1,636

△1,313

現金及び現金同等物の期首残高

1,305

2,941

現金及び現金同等物の期末残高

2,941

1,627

 

⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)

 前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)、当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2017年12月31日)ともに該当事項はありません。

 

⑥ IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項

 前連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)

 「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 35.初度適用」をご参照ください。

 当連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2017年12月31日)

(のれんの償却)

 日本基準ではのれんを一定期間にわたり償却しておりましたが、IFRSではのれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が5億72百万円減少しております。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社グループは湿式合成皮革の専門メーカーであり、当該事業以外の異なる事業を営んでおりません。

 当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。

用途別の名称

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2017年12月31日)

金額(百万円)

湿式合成皮革

4,182

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.2017年12月期は決算期変更により2017年4月1日から2017年12月31日までの9ヶ月間であるため、前年同期比情報は記載しておりません。

 

(2)受注状況

 当連結会計年度における受注状況を、用途別に示すと次のとおりであります。

用途別の名称

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2017年12月31日)

受注高

(百万円)

受注残高

(百万円)

湿式合成皮革

7,243

1,472

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.2017年12月期は決算期変更により2017年4月1日から2017年12月31日までの9ヶ月間であるため、前年同期比情報は記載しておりません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績を、用途別に示すと次のとおりであります。

用途別の名称

当連結会計年度

(自 2017年4月1日

至 2017年12月31日)

金額(百万円)

湿式合成皮革

7,848

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.2017年12月期は決算期変更により2017年4月1日から2017年12月31日までの9ヶ月間であるため、前年同期比情報は記載しておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、顧客を満足させる品質と価値の創造開発に全力を尽くすとともに、環境保全と省資源へも積極的な取組みを続け、消費者・取引先・株主等を始めとするステークホルダーに信頼される企業を目指すことを経営の基本理念としております。

 この理念の実現を通して、株主の利益向上・会社の発展・社会への奉仕・社員生活の充実の推進が一致する経営の確立を目指してまいります。

 また当社は、常に新しい市場の創造と開拓に努め、顧客ニーズを的確に把握し、魅力ある製品を開発しながら、生産性及び顧客サービスの向上を図り、当社並びに当社製品への信頼を得るための体制を確立してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社は、中長期的な業績見込みにおける売上収益、EBITDA、自己資本利益率を重要な経営指標として位置付けております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

製品開発の拡充による用途拡大、グローバル市場への展開、グローバルブランドの確立

 湿式合成皮革(レザー)に求められる機能やデザインは、その用途によって異なります。特にハイエンドのレザーに対しては、様々な機能と最先端のデザインが求められます。当社とUf社は、製品開発においてこれまでも協力関係を築いておりましたが、今回の事業統合によって顧客ニーズの直接的な製品開発への反映と量産への展開がより迅速に行える体制となり、品質に対する要求水準が高い自動車、航空機等の分野における製品用途の拡大が期待出来ます。地域面では、Uf社は従前より北米でのプレゼンスが高く数年前から欧州への本格的な事業拡大を図る一方、日本では当社が当社製品名で販売を行い、アジアに関しては明確な戦略がありませんでした。今回の事業統合後は、東京、ニューヨーク、ロンドンの3拠点から、当社製品をUf社のブランド名でグローバルに展開する予定です。特に自動車や航空機は事業そのものがグローバル化しており、製品のグローバル展開は当該分野における採用に貢献するものと考えます。ハイエンドレザーとして製品用途の拡大とグローバル市場への展開により、今回の事業統合の最大の目的であるグローバルブランドとしての地位の確立が可能になります。グローバルブランドとして認知されることは、製品の持つ高い機能性、優れたデザイン性、そして品質の安定性がブランドにより担保され、新規の顧客や新しい用途における採用に大きく貢献するものと考えております。

 

(4)会社の対処すべき課題

① 生産の2ライン化

 当社はこれまで長年にわたり埼玉県行田市にある埼玉事業所の1ラインで生産しておりましたが、2016年4月に群馬県邑楽郡邑楽町の新工場が稼働し、一部の工程が2ラインとなりました。より高い品質と供給の安定性が求められる自動車、航空機等における用途拡大を目指す為に生産の完全2ライン化が必須であることから現在設備投資を進めており、2018年中頃の完成を予定しております。新しい2つのラインは、効率的な大量生産に適したラインと柔軟性のある少量生産に適したラインにより構成され、様々な顧客ニーズに応えることの出来る体制となります。

② サステナビリティー(持続可能性)の重視

 世界経済の成長によるハイエンドレザーへの需要が増加する一方、その需要を本革だけで満たすことは持続不可能な状況にあります。また、動物由来の素材の使用を避けたいという考え方も、欧米のデザイナーを中心に広がりを見せております。当社の製品は元来これらの流れに沿ったものではありますが、当社の製品自体も持続可能なものでなくてはなりません。この観点から、生産における環境への負荷を最小限とするのは勿論のこと、植物由来やリサイクル原料の活用、CSR活動への取組強化等サステナビリティーを重視した経営を目指してまいります。

 

4【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価ならびに財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。なお、下記記載のリスク項目は当社事業に関するすべてのリスクを網羅したものではありません。また、本項における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 ① 海外売上高と為替相場の変動及び税金に係るリスクについて

 当社グループの最近2連結会計年度における海外売上比率は、前連結会計年度89.5%、当連結会計年度94.9%と高くなっており、当社グループの業績は、海外市場の動向に影響を受けます。

 為替変動によるリスクは、デリバティブを活用したヘッジ取引により軽減に努める方針でおりますが、完全に回避できるものではありません。また、販売単価の見直しや受注の増減、移転価格税制等の国際税務リスクにより、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 ② 特定の仕入先からの仕入割合が高いことについて

 当社グループは、原材料である基布や樹脂等を特定の仕入先に依存している場合があります。当社グループではこうした特定仕入先との関係を密接に保ちながら、安定的な調達に努めております。需要の急増による原材料不足や天災地変、品質問題、特定仕入先の政策変更や倒産・経営破綻・合併等により調達に重大な支障をきたした場合や仕入価格が高騰した場合には、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 ③ 製品開発と価格競争について

 合成皮革業界は厳しい競争下にあり、研究開発による新製品の開発や顧客要求への対応等が常に求められております。そのため、当社グループの収益の変動にかかわらず、製品開発のための投資を常に継続する必要があります。その一方で、開発された高品質・高付加価値製品より、アジア圏の各メーカーが当社グループの製品と同様な品質で、より安い価格の製品を安定供給するようになった場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 ④ 製品における欠陥の発生

 当社グループの製品については、確立された品質管理体制により高機能・高品質を備えた合成皮革製品を市場に供給しております。しかしながら、製品に欠陥が発生したことにより顧客から賠償費用等の多額のコストが発生した場合、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 ⑤ 生産設備について

 イ 法的規制

 当社グループの製品についての法的規制はありませんが、設備及び生産活動において地盤沈下監視、VOC排出規制、省エネルギー法による燃料消費量管理、危険物取扱関連等のさまざまな法的規制・行政指導を受けており、今後、これらの法規制が強化された場合、設備投資や関連費用の増加が見込まれ、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

 ロ 災害や停電等による影響

 当社グループの製品は、埼玉県行田市及び群馬県邑楽町の国内2拠点で生産を行っておりますが完全2ライン化には至っておりません。このため、各拠点生産設備において発生する災害、停電又はその他の事象により製造機器の損傷又は材料調達先に壊滅的な被害が生じた場合、操業が停止し、生産・出荷活動が停止する可能性があります。また、今後発生する災害等の要因により電気ガス等のエネルギー供給において総量規制など使用制限がなされた場合には、当社の生産活動において著しい影響を受ける可能性があります。

 ハ 人材の確保と技術伝承

 当社グループの製品は、高度な技術等専門知識及び経験を有する社員により製造・開発されております。しかしながら何らかの要因により雇用が流動化し人材が流出・流入した場合、技術・知識及び経験を伝承するためのある期間にわたり教育と訓練を行うことができず、結果として当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 ⑥ 当社の筆頭株主について

 有価証券報告書提出日における当社発行済株式総数は8,650,000株であり、そのうち当社の筆頭株主である東京中小企業投資育成株式会社は当社株式の1,102,000株を所有し、その所有株式数の発行済株式総数に対する割合は12.74%であります。

 同社は、中小企業の自己資本の充実と健全な成長発展をはかるため、中小企業投資育成株式会社法(昭和38年6月10日 法律101号)に基づいて設立された政策会社で、1972年に当社の増資を引き受けて以来、当社の筆頭株主であります。同社の投資方針は長期保有を基本としているものの、未公開株式に投資を行う目的は、公開後において所有する株式を売却することであるから、今後、同社の保有政策の変更が生じて当社株式の売却方針となった場合には、短期的に需給のバランスの悪化が生じる可能性があり、当社株式の市場価格が低下する可能性があります。

 ⑦ グループ管理体制について

当社グループに含まれる海外子会社は、当社グループの売上の大半を占めており、重要な役割を担っております。このため、海外子会社を含めた当社グループの内部統制・管理体制整備と継続的な強化を図る必要があります。

 しかしながら、これらの管理体制が十分に機能しなくなった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

研究開発の目的は日々変化する顧客の要求に応え得る新製品を継続的に市場に提供することで、当社の維持・発展を確実にすることにあります。

この目的を達成するために当社では「ISO9001」に基づく開発システムを整備し、これを日々運用しております。このシステムには経営陣をはじめ、営業・技術・製造・品質保証各部門の責任者が参加することで開発業務の効率化をはかっております。

開発業務は当社グループ内各社技術部門、商品開発部門が当該事業に従事しており、当連結会計年度のグループ全体の研究開発費の総額は136百万円であります。各社各部門は新製品の性能評価に必要な試験、測定機器を所有し、相互の情報交換を密にすることで業務の効率化をはかっております。

それぞれの用途に求められる性能の実現をはかるため、新素材の採用、使用原材料の改質を積極的に行うとともに、加工方法及び性能評価法についてさらなる高度な技術を身につけることが今後の研究開発業務を推進するうえで必要な課題となっております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、当社グループの経営陣は連結決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。これらの見積り及び判断・評価は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因等に基づき行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためにこれらと異なる場合があります。

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループは単一事業のため、売上収益の概況は「第2 事業の状況 1.業績等の概要」に記載のとおりであります。なお、当連結会計年度は決算期を3月より12月に変更したことによる変則決算となるため、前年比情報は記載しておりません。

当連結会計年度の業績として、売上収益はほぼ当初業績予想で着地したものの、営業利益は当初業績予想を大幅に下回っております。

売上原価は、将来の増産を見込んだ生産体制の構築により上昇いたしました。

販売費及び一般管理費は、Uf社の資産・負債の公正価値における連結財務諸表への取込みにおいて、顧客関連資産等の償却が発生したことや、株式費用の増加等の影響により、大幅に上昇いたしました。この結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は33億53百万円となりました。

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4.事業等のリスク」に記載しております。

(4) 経営戦略の現状と見通し

北米向け家具市場ではダイオキシン発生の問題のある塩化ビニル製品からポリウレタン製品への切り替えが進んでおり、顧客からの需要が増加しております。また、衣料分野においてもレザー製品のファッション回帰に加えアニマル・フリーのトレンド、円安による価格競争力の回復、製品の安全性・品質・機能性の評価等からヨーロッパを中心に当社製品への需要が高まっております。

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載しております。

(6) 経営者の問題認識と今後の方針について

需要が順調に増加する一方、当社の製品供給能力には限界があり、顧客への製品供給を最大限に実現することが急務となっております。

これらの状況をカバーすべく当社グループは、委託生産先の開拓と共に今後さらに増加が予想される顧客需要に対応すべく、さらなる生産能力の増強の検討を進めると共に販路や用途の拡大を行い、消費者の動向にタイムリーに対応できる高付加価値商品の開発を目指してまいります。

また、今まで以上に環境に配慮し、環境と調和をはかる企業を目指し事業構造の一層の強化とグループ経営の質的向上をはかり、企業理念の実現へ邁進してまいります。詳細につきましては「第2 事業の状況 3.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。