第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

   文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社グループは、企業理念「表面処理技術から未来を創造する」のもと、創業以来、装飾・防錆めっき技術から発展した様々な表面処理技術の提供で、自動車、エレクトロニクスなどの産業の成長を支えてきました。これからも、長年培った知見と研究・開発力で、新たな表面処理技術を追究し、ものづくりを支え、世界中の人々の豊かな生活に貢献します。

 

(2) 経営戦略及び経営環境の対処すべき課題

当社グループを取り巻く環境は、装飾分野の自動車部品向け薬品において、短期的には半導体不足、部材不足などによる影響があるものの、長期的には微増基調で推移するものと予想されます。電子分野の主力製品であるプリント基板向け薬品においては、短期的には個人消費の停滞などにより、スマートフォン、パソコン及びタブレットなどの高機能電子機器の需要に影響はあるものの、長期的には高機能電子機器の普及及び更なる技術革新に伴い、半導体パッケージ基板を中心に需要が拡大することが予想されます。

このような状況を踏まえ、当社は長期的に目指すべき姿を「持続可能な成長を続けるグローバル企業」とし、事業をESG、SDGsに結び付けて経営する企業、どの国でも生き残ることができる企業を目指します。これを実現するために、中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)「Next 50 Innovation 2nd」を策定し、「コア事業の強化」、「ESG視点での経営基盤構築」を基本方針としました。

「コア事業の強化」においては、マーケティング戦略、開発戦略、販売戦略を最優先課題とし、組織的にマーケティング活動を行い、入手した情報に基づいた開発戦略、販売戦略を策定し、グループ間の連携の下、コア事業を強化します。また、グローバルでの重点地域戦略を構築し、以下の取り組みを推進してまいります。

 

① 開発

当社は研究開発型企業であり、世の中のニーズに合致した新製品を、常に市場に投入していかなければなりません。そのために、マーケティング結果に基づき環境・コスト・健康を意識した、競合他社を凌駕する製品開発を推進してまいります。特にプリント基板業界は、技術革新のテンポが非常に早く、常に次世代技術の動向を注視し、市場の要求に応えた製品を提供できるよう取り組んでまいります。

② 薬品事業

プリント基板向け薬品及び自動車部品向け薬品等の海外拡販を進めてきた結果、海外売上高比率は7割を超えるまで成長を遂げました。今後も持続可能な成長を続けるため、グローバル販売戦略の構築による組織的、効率的な販売活動を行ってまいります。世界中どの地域でも同じ品質、サービスを提供しながら、開発、生産及びグループ間で連携した価格戦略、広報戦略を組み込んだ施策で売上の向上を目指します。

③ 装置営業

当社グループ設立以来の考え方である「装置と薬品の一体販売」に基づき、薬品の研究開発に装置部門が参画することで、薬品性能を最大限に引き出す装置の開発、販売を推進してまいります。薬品だけでは達成できない技術的課題を装置機構の側面から検証し、最高のパフォーマンスを提供する差別化された装置の市場投入を目指します。

④ 生産

当社のマザー工場である新潟工場及び2021年1月に本格稼働を開始した、技術サポート機能を兼ね備えた中国湖北工場を中心に、顧客要求を満たす高品質な製品を安定供給し、災害、地政学リスクにも対応できるグローバルな生産体制を確立してまいります。

⑤ マーケティング

今後も成長を続けるためには、最新の市場ニーズを把握することが必要不可欠であると考えております。効率的な情報収集を実施し、入手した情報に基づいた開発戦略、販売戦略を策定、グループ間の連携の下、コア事業を強化してまいります。

 

「ESG視点での経営基盤構築」においては、グローバル業務の拡大と企業を取り巻く環境の変化に対応できる経営基盤を構築します。そのための人材育成を最優先課題として取組み、ESG視点の経営を積極的に推進してまいります。特に人材育成においては、当社に必要な人材像として、高い開発力のある人材、高いサポート力のある人材、グローバルに対応できる人材、経営視点を持つ人材と設定し、グローバル体制に適したキャリアパスへシフトしてまいります。

また、気候変動リスクに対応するため、当社はCO2削減の具体目標に、新潟工場における「CO2ゼロ」を設定いたしました。2031年3月期までに、新潟工場で排出される分のCO2年間排出量を全てオフセットすることを目指します。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社は、「持続可能な成長を続けるグローバル企業」を目指す姿とし、中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)において、「コア事業の強化」「ESG視点での経営基盤構築」を基本方針として掲げており、事業をESG、SDGsに結び付けた経営とすること及び社会問題や環境問題等の状況変化に対応できる企業であることが重要であると認識しております。当社が目指す「持続可能な成長を続けるグローバル企業」になるためには、世の中の変化に対応し、地域や社会に受け入れられる必要があり、サステナビリティを意識した経営は必要不可欠です。

 気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言の開示フレームワークに基づく、当社の気候変動課題を含むサステナビリティに関する考え方及び取り組みについては次のとおりであります。

 

(1) ガバナンス

 当社では、中期経営計画の策定からPDCAを推進するフォローアップ会議を開催し、サステナビリティに関する活動についても、代表取締役社長兼CEOを責任者としたフォローアップ会議の議題としております。執行役員を含む経営陣全体で、持続可能な成長を続けるグローバル企業としての確実な施策推進のため、具体的な対策を協議・決議し、3か月ごとに取締役会へ報告しております。

 また、代表取締役社長兼CEOが委員長を務めるリスク管理委員会で、サステナビリティに関する事項を含む当社のリスク対策の実施状況をモニタリングし、取締役会へ年に1回以上報告しております。

 気候変動課題については、取締役がリーダーを務める「TCFDプロジェクト」「CO2削減プロジェクト」を設置し、各プロジェクトで協議された内容をフォローアップ会議及びリスク管理委員会と情報共有しております。

 

(2) 戦略

 ① 気候変動課題に関する戦略

 当社では、リスクと機会の抽出にあたり、中期・長期に分類し、中期については、現在の中期経営計画の最終年度である2023年度をターゲット年とし、長期については2030年度をターゲット年としております。

 また、シナリオの分析と検討にあたっては、国際気候変動に関する政府間パネル(IPCC)のRCP8.5、RCP6.0、RCP4.5、RCP2.6、国際エネルギー機関(IEA)のSDS及びNZEなどのシナリオを参照し、事業経営における物理的リスクと移行リスクの検討から開始いたしました。

 

 当社における、現在の取り組み状況は以下のとおりであります。

影響評価プロセス

STEP1:リスク・機会の抽出と評価

      当社事業における世界観の想定、この中でのリスクと機会の抽出・評価

STEP2:シナリオ分析

      重要度の高いリスクと機会についてのシナリオの考察(影響度・発生時期も想定)

STEP3:財務インパクト評価

      重要度の高いリスクと機会についての想定される財務インパクトの算定

 

 

イ.気候変動課題に関するリスク

(a) 1.5℃/2℃未満シナリオ 低炭素経済への移行に関するリスク *RCP2.6を想定

リスク項目

事業インパクト(リスク)

影響度

発生時期

財務

インパクト

中期

長期

政策規制

炭素税

炭素税が導入された場合の炭素税の支払いによる操業コストの増加

 

 

 

0.1億円

電力供給制限

電力供給が制限された場合の稼働率低下による生産量減少に伴う売上の減少

 

32億円

技術

新技術開発

GHG排出量削減に関する新規製品開発における開発遅れ、不備による売上の減少

 

 

46億円

市場

市場の変化

自動車のEV化による売上の減少

 

 

31億円

評判

投資家の変化

気候変動情報の開示・対策の対応不十分により、投資対象外と判断された場合の株価下落による企業価値(時価総額)の低下

 

113億円

 

 

(b) 4℃以下シナリオ 物理的変化リスク *RCP8.5を想定

リスク項目

事業インパクト(リスク)

影響度

発生時期

財務

インパクト

中期

長期

急性

台風等の異常気象の深刻化

台風や洪水等により、事業所・工場の直接被害による操業停止や交通網遮断による原材料又は製品の納入停止・遅延による売上の減少

 

 

189億円

慢性

降雨気象パターンの変化

洪水・干ばつ等の発生による原材料の供給不足により、当社薬品の生産量の減少による売上の減少

 

 

69億円

 

 

ロ.気候変動課題に関する機会 *IEAのSDS,RCP2.6・4.5を想定

機会項目

主な機会

影響度

発生時期

財務

インパクト

中期

長期

資源効率性

水の使用量、消費量の少ない装置、プロセスの開発によるビジネスチャンスの拡大による売上の増加

 

 

 

エネルギー源

再生可能エネルギー導入による企業価値向上に伴う時価総額の増加

 

 

 

141億円

製品/サービス

スマートフォン市場規模拡大によるビルドアップ基板需要増に伴う当社製品の売上の増加

 

 

 

7億円

半導体市場規模拡大による半導体パッケージ基板需要増に伴う当社製品の売上の増加

 

 

104億円

自動車のEV化、CASEによる車載基板需要増に伴う当社製品の売上の増加

 

 

 

2億円

市場

低炭素(カーボンニュートラル)に対応する製品で新市場への参入、早期市場投入による売上の増加

 

 

 

2億円

 

(注)1.影響度

小:1億円未満、中:1億円以上10億円未満、大:10億円以上と設定

*年度の決算に与える影響度として評価

2.発生時期

中期:中期経営計画の最終年度である2024年3月期、長期:2031年3月期をターゲット年と設定

3.財務インパクト

2022年3月期の実績を基準に、2031年3月期に想定される売上、利益、時価総額等の最大影響額を算定

 

 

② 人的資本に関する戦略

イ.人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針

 当社は、グローバル業務の拡大と企業を取り巻く環境の変化に対応できる経営基盤を構築するために、人材育成を最優先課題とした「ESG視点での経営基盤構築」を中期経営計画の基本方針として掲げております。

 当社に必要な人材像を「高い開発力のある人材」「高いサポート力のある人材」「グローバルに対応できる人材」「経営視点を持つ人材」と定め、①製品開発に必要な専門性の強化 ②現地スタッフの技術力、営業力向上 ③海外赴任体験制度の新設 ④グローバル体制に適したキャリアパスへのシフト ⑤戦略的な人員配置 ⑥管理職、管理職候補者向けマネジメント研修強化 を具体的な戦略としております。

 

(3) リスク管理

 当社では、サステナビリティに関する事項を含む当社のリスクの識別、評価、管理については、代表取締役社長兼CEOを委員長とするリスク管理委員会で行っております。本委員会を構成するリスク管理委員及びリスク管理推進者が、各部署から抽出されたリスクの内容を精査し、その対策を担当部門に指示し、対策実施のモニタリングを行い、取締役会へ報告を行っております。

 気候変動課題に関するリスクについては、取締役をリーダーとするTCFDプロジェクトで1.5/2℃未満シナリオでの移行リスクと、4℃シナリオでの物理リスクにおける項目に基づき事業インパクト(リスク)・機会を識別し、さらにこの影響度と発生時期を同プロジェクトにて評価を行い、リスク管理委員会と情報を共有しております。

 

(4) 指標及び目標

① 気候変動課題に関する指標と目標

 当社は、中期経営計画で、気候変動課題に関する指標と目標に以下2項目を定めております。

イ.気候変動対応製品の開発、市場投入による、中期経営計画の売上高、利益の達成

内容につきましては、当社ウェブサイト(https://www.jcu-i.com)をご参照ください。

ロ.CO2削減目標の達成

(a) 2024年3月期までに、国内のScope1・2の排出量20%減(基準年度:2014年3月期)

(b) 2031年3月期までに、新潟工場のScope1・2の排出量をゼロまでオフセットする「CO2ゼロ」を実現

 

 Scope1・2に関するCO2排出量につきましては、2023年3月期よりグループ全体で算定いたしました。当社グループ全体の削減目標値は設定後、あらためて開示する予定です。

 また、Scope3に関するCO2排出量につきましては、2023年3月期より国内のカテゴリー4~7の排出量を算定いたしました。その他のカテゴリー、当社グループ全体のCO2排出量及び削減目標値は算定後、あらためて開示する予定です。

 なお、GHG7種類のうち、CO2のみを算定対象としており、それ以外の6つのガスについては、算定から除外しております。

 

 

ハ.Scope1・2 CO2排出量(t-CO2

 

2014年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

国内

Scope1

365

360

390

361

Scope2

1,083

838

772

696

国内合計

1,448

1,198

1,162

1,057

2014年3月期比

削減率(%)

17.2

19.7

27.0

海外

Scope1

148

Scope2

781

海外合計

929

合計

1,448

1,198

1,162

1,986

 

(注)1.算定の対象範囲は、当社及び海外子会社となります。

2.算定には、各電力又はガス事業者、LPガス協会などの各排出係数を使用いたしました。

 

ニ.新潟工場 CO2排出量(t-CO2

 

2014年3月期

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

Scope1

362

356

386

359

Scope2

417

298

272

247

オフセット分

△67

△67

△67

合計

779

587

591

539

 

 

ホ.Scope3 CO2排出量(t-CO2)

カテゴリー

項目

2023年3月期

カテゴリー4

輸送、配送(上流)

1,297

カテゴリー5

事業から出る廃棄物

219

カテゴリー6

出張

56

カテゴリー7

雇用者の通勤

67

合計

1,639

 

(注)1.算定の対象範囲は、当社のみとなります。

2.算定には、LCIデータベース IDEAv2.3 (サプライチェーン温室効果ガス排出量算定用)(国立研究開発法人産業技術総合研究所、一般社団法人サステナブル経営推進機構)又は環境省排出原単位データベースなどの各係数を使用いたしました。

 

 

② 人的資本に関する指標と目標

 当社は、多様性を尊重し、機会の均等を図っており、人的資本に関する指標と目標に以下の項目を定めております。

 社外取締役に加え、2022年4月に新しく女性の執行役員を1名選出いたしました。経営に女性の意見を取り入れることで、多様性が確保される体制の強化を実施してまいります。

イ.管理職に占める女性労働者の割合

2027年3月期までに、管理職に占める女性労働者の割合を15%とする。

 

(a) 管理職に占める女性労働者の割合

 

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

男性(人)

66

64

63

女性(人)

8

8

8

女性比率(%)

10.8

11.1

11.3

 

(注)1.対象範囲は当社のみとなります。

2.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。

3.2023年3月期におけるグループ全体の管理職に占める女性の割合は20.0%です。

 

 

3 【事業等のリスク】

  有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあります。

 また、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 需要先業界の動向(自動車業界、エレクトロニクス業界)

 当社グループの売上の大部分は、表面処理薬品関連資材及び装置に係るものであり、主に自動車業界とエレクトロニクス業界、特にプリント基板業界で使用されており、その市場動向により当社グループの業績は大きく影響を受けます。

 自動車業界における当社グループの表面処理薬品は、自動車前面部のラジエータグリル(樹脂製化粧部品)やドアハンドル(樹脂製)等高級車に採用される部品のめっき工程等で使用されます。そのため、自動車生産量の推移及び自動車のEV化等に伴う意匠や機能の変化により影響を受けます。また、自動車業界の設備投資の動向により、装置の受注活動は大きな影響を受けます。

 プリント基板業界における当社グループの表面処理薬品は、回路形成用の銅めっき工程等で使用され、プリント基板の需要先は主に電子機器メーカーであります。なかでもスマートフォンやタブレット端末、ゲーム機、パソコン、デジタル家電市場の生産量推移が、当社グループの業績に大きな影響を及ぼします。また、プリント基板業界の設備投資の動向により、自動車業界と同様、装置の受注活動は大きな影響を受けます。

 

(2) 材料価格の変動

 当社グループの薬品事業の主要製品に使用されている原材料は、薬品類や貴金属等種類としては多岐にわたります。これらの原材料の市況において大幅に左右されないように対応はしておりますが、市況の大きな変動により原材料価格が上昇し、製造コストの削減や製品価格に転嫁できない場合には、当社グループの業績は影響を受けます。

 

(3) 為替レートの変動

 当社グループは国内のみならず、海外においても幅広く事業を展開しております。当社グループは外貨建て決済を行う場合、必要に応じて為替予約等により短期的な影響を最小限にする努力をしておりますが、予想を超える大幅な為替変動があった場合には、当社グループの業績は影響を受けます。また、海外の連結子会社において現地通貨にて作成される財務諸表は、連結財務諸表作成のため円換算されており、換算時の為替レートの変動により当社グループの業績は影響を受けます。

 

(4) 海外での事業

 当社グループは、成長を成功させる要因として中国での事業拡大を第一に掲げており、販売網の拡充、現地生産拠点の充実に注力しております。しかし、プリント基板メーカー等お客様が中国以外にも広く進出する可能性があり、その場合には、当社製品への需要が大きく低下する可能性があります。また、環境問題により、当社工場が操業できない、又は移転を余儀なくされるリスクがあります。そのようなリスクが顕在化した場合、特に、湖北工場へ行った設備投資の回収に想定以上の時間がかかる可能性があります。販売面においても売上の3割以上を中国に依存しており、中国での需要低下により、当社グループの業績は影響を受けます。なお、中国のみならず、当社グループは複数の国や地域に展開しておりますが、事業を継続する上で、予期せぬ景気後退、異常気象等が生じ、長引いた場合には、当社グループの業績は影響を受けます。

 

(5) 技術ノウハウの流出

当社グループの技術情報には、表面処理薬品の開発経緯、薬品の成分・組成、装置の開発経緯、仕入商品情報、当社グループとお客様間の技術データ等があります。これらの技術情報は、外部への持ち出し、複写等を禁じ、外部漏洩に備えております。しかしながら、万一、これらの情報が外部へ漏洩した場合には、他社において類似品の製造等が可能になると考えられ、当社グループの業績は影響を受けます。また、退職者が、退職後の守秘義務契約にも関わらず、一部の技術・情報等が流出したときには、当社グループの業績は影響を受けます。

 

(6) 情報システム障害

 未知のコンピュータウイルス感染により、個人パソコンはもとよりネットワークに繋がる全てのパソコンが停止した場合、社内業務が停止します。データを保管しているサーバーまで影響が及んだ時には、サーバー内の重要データが全て消失するおそれがあります。また、ウイルス感染による集団感染となれば社内業務が滞り、当社グループが起因となりお客様等へ被害が及んだ場合、損害賠償等の請求が発生し、当社グループの業績は影響を受けます。

 

(7) 人材の確保・育成

 当社グループは、持続可能な成長を続けるためグローバル人材の確保・育成は必須であり、採用活動の強化、教育・研修の拡充等の施策を行っております。しかしながら、優秀な人材の確保・育成が想定どおりに進まない場合、又は事業活動に不可欠な人材、技術や語学力をもった優秀な人材の流出等が生じた場合には、当社グループの業績は影響を受けます。

 

(8) ハラスメント

 当社グループでは、ハラスメント対策として社内に相談室を設置して周知するとともに、プライバシーの保護等相談しやすい環境づくりをしております。また、ハラスメントの研修・教育等を行い未然防止に努めておりますが、個人の意識の差や上下関係の差等から、万一、ハラスメントが発生した場合には、ステークホルダーの信用を失い、当社グループの業績は影響を受けます。

 

(9) 労働安全衛生

 当社グループでは、多くの薬品や装置を扱っており、薬品取り扱い時の不測の事態により液が飛散・漏洩し、薬傷等がおこるリスクや、装置関連での人為的なミスが起こるおそれがあります。取り扱い時には細心の注意を払っておりますが、重大な事故につながった場合には、当社グループの業績は影響を受けます。また、労働安全衛生の管理を徹底しておりますが、労災や職業病の不適切な対応、法令違反等の労務トラブルが生じた場合には、ステークホルダーの信用を失い、当社グループの業績は影響を受けます。

 

(10) 法的規制

 当社グループでは、コンプライアンス委員会のもと、業務に係る法令の遵守に努めております。特に表面処理薬品の原材料として様々な薬品を使用していることから、国内外における化学物質に関する法令により規制を受けております。これらの法令の改正にも注視しておりますが、規制等の対応の遅れにより、当社の表面処理薬品の原材料となる薬品の一部について、使用禁止や制限等の措置が講じられた場合には、代替製品を開発するまでの間、当社グループの業績は影響を受けます。

 

(11) 環境保全

 当社グループは多くの化学物質を取り扱っていることから、これまでも環境配慮型製品の開発や環境規制対応に取り組んでおります。CO2排出量削減の推進をはじめとするカーボン・フリーへの取り組み等気候変動問題への対応が経営課題として大きくなる中、これらへの取り組みが不足した場合には、お客様をはじめとする様々なステークホルダーの皆様からの信頼が失墜し、当社グループの業績は影響を受けます。

 

(12) 保有有価証券の価格変動

  当社グループは、取引先等との関係構築・維持のために株式を保有しておりますが、株式相場の大幅な下落又は株式保有先の業績悪化等により保有する株式の価額が著しく下落し、しかも回復の可能性が認められない場合は、保有する株式の減損処理を行うこととなり、当社グループの業績は影響を受けます。

 

 

(13) 製品やサービス

 当グループでは、お客様にご満足いただける製品の提供とご購入いただいた後の液管理等のアフターフォローサービスを充実させ、お客様満足度の向上に取り組んでおります。安定した物づくりを実現するために工場の維持管理や原材料の調達、インフラの保守整備には注意を払っておりますが、設備の故障、原材料の入手遅れ、インフラの停止、輸送上の障害等による納期遅延でお客様からの信用が低下した場合には、当社グループの業績は影響を受けます。

 

(14) 品質管理体制

 当社グループでは、国内外の自社工場すべてでISO9001認証を取得完了し、品質マネジメントシステム(QMS)に従って品質管理体制を構築しております。品質方針を実現すべく、品質管理や工程管理、計測器管理等を行い製造し、製造等での不具合発生時の対応も整備しております。しかしながら、管理項目の不備等により不適合品がお客様に納品され、信用が低下した場合には、当社グループの業績は影響を受けます。

 

(15) 他社との競合、新技術の開発遅れ

 当社グループにおける薬品事業においては、技術変革、ニーズの変化に伴い表面処理方法も変更されることがあり、これらに対応するため当社グループ及び競合各社は常に新製品開発を行っております。当社グループにおいて新技術の開発及び表面処理方法の変化への対応の遅れにより、開発競争に打ち勝つことができない場合には、当社グループの業績は影響を受けます。

 

(16) 知的財産の擁護、侵害

 当社グループでは多数の知的財産を保有しており、それらを保護・維持し適正な管理に努めております。さらに、第三者の知的財産権についての侵害等は行わないようにしておりますが、万一、他社特許等に抵触した場合には、損害賠償等も考えられ、当社グループの業績は影響を受けます。また、当社グループの製品において、模倣品が市場に出回り、価格競争に巻き込まれ、当社の競争力が低下した場合には、当社グループの業績は影響を受けます。

 

(17) 固定資産の減損会計

 当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。大幅な業績の悪化が一定期間続き、かつ将来キャッシュ・フロー減少等の一定の条件を満たすと見込まれた場合には、減損損失が発生し当社グループの業績は影響を受けます。

 

(18) 税務及び移転価格税制

 当社グループは、各国の税法に準拠して税額を計算し、適正な納税を行うように努めておりますが、税務調査により不適切な処理が発覚した場合や各国の税務当局と見解の相違が生じた場合には、申告所得漏れとして法人税等を追徴される可能性があり、当社グループの業績は影響を受けます。

 

(19) 売上債権等の貸倒

 当社グループは、社内ルールに基づき与信管理を徹底しているものの、お客様の経営状況の悪化等により売上債権等の回収が不能になるおそれがあります。回収不能見込額については、財務諸表に貸倒引当金を適切に計上しておりますが、予測を上回る回収不能額が発生した場合には、当社グループの業績は影響を受けます。

 

(20) 自然災害、事故、感染症等

 当社グループでは、新潟県上越市の工場及び海外の工場において表面処理薬品を生産しております。有事への対応としては、事業継続計画を策定し、情報の共有化を図り、非常事態に備えております。しかし、これらの地域にて大規模な地震その他の自然災害、事故及び感染症等が発生した場合には、生産活動の停滞や、輸送上の障害等が生じるおそれがあります。また、このような非常事態の長期化により、お客様の稼働状況が低迷した場合には、当社グループの業績は影響を受けます。

 

 

(21) 経営方針・経営戦略に係るリスク

 当社グループは、「持続可能な成長を続けるグローバル企業」を目指す姿と捉え、「コア事業の強化」として、「マーケティング戦略」「開発戦略」「販売戦略」を掲げ、さらに「ESG視点での経営基盤構築」として、「人材育成」を最優先課題としております。また、当社グループは中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)「Next 50 Innovation 2nd」において機能別、地域戦略を明確にし、中期経営計画における諸施策を推進しております。加えて市場環境や熾烈なグローバル競争及び潜在するリスクなど様々な視点から分析・議論をリスク管理委員会で行い、そのモニタリングを取締役会において行っております。かかる戦略を実行するため、当社グループは、ここに多くの「ヒト・モノ・カネ」を投入し、これを今後も継続していく予定ですが、この戦略のための取り組みが成功しない、又は期待した効果を得られない場合には、当社グループの業績は影響を受けます。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度における国内経済は、感染者数の減少に伴い、サービス業を中心に個人消費は持ち直しましたが、海外経済の減速により、輸出・生産ともに減少しました。企業の設備投資は、海外経済の減速により、一時的に製造業の能力増強投資が抑制されますが、脱炭素やデジタル化に関連した投資を中心に積極的な投資姿勢を維持しています。

海外では中国において、ゼロコロナ政策による厳しい活動制限が実施されたことで、個人消費は低迷しました。さらに、スマートフォンや自動車の減産の影響を受け、製造業の生産は減少しました。欧米諸国においては、活動制限緩和に伴うサービス消費の回復が一巡したことに加え、エネルギー価格や資源価格の高騰の影響が生じており、引き続き注視が必要な状況にあります。

当社グループを取り巻く事業環境は、個人消費の停滞により、スマートフォンやパソコン、タブレットなどの高機能電子機器の需要は低調に推移し、高機能電子デバイス向けのプリント基板及び半導体パッケージ基板の需要は減少しました。自動車産業は主に中国において、当連結会計年度を通して、半導体不足、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、自動車の生産台数は減少しました。

 

上記のとおり、厳しい事業環境ではありましたが、円安の影響もあり当社グループの経営成績は次のとおりとなりました。

 

前連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年増減比

売上高

24,256百万円

27,137百万円

11.9%増

営業利益

8,990百万円

9,285百万円

3.3%増

経常利益

9,231百万円

9,369百万円

1.5%増

親会社株主に帰属する当期純利益

6,370百万円

6,013百万円

5.6%減

 

なお、一部の在外連結子会社の留保利益に係る将来加算一時差異について繰延税金負債を計上したこと等により、法人税等調整額が大幅に増加したため、親会社株主に帰属する当期純利益が減少しました。

 

セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

(薬品事業)

電子分野

中国 個人消費の停滞及び巣ごもり需要の終焉に伴い、スマートフォンやパソコン、タブレットなどの高機能電子デバイス、サーバー向けプリント基板の需要が減少しましたが、当連結会計年度の薬品需要は横ばいで推移しました。

台湾 サーバー、高機能電子デバイス向け半導体パッケージ基板の需要が堅調に推移し、下期において、在庫調整局面となりましたが、当連結会計年度の薬品需要は増加しました。

韓国 半導体市場の需要が鈍化し、半導体パッケージ基板メーカーにおいて在庫調整の動きが継続し、当連結会計年度の薬品需要は減少しました。

 

装飾分野

日本 半導体、部品不足が緩和されたことで自動車の生産台数は回復基調が見られ、当連結会計年度の薬品需要は増加しました。

中国 半導体不足、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、自動車の生産台数は減少しましたが、当連結会計年度の薬品需要は横ばいで推移しました。

 

(薬品事業)

前連結会計年度

(自  2021年4月1日

 至  2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年増減比

売上高

22,948百万円

24,528百万円

6.9%増

セグメント利益

10,007百万円

9,798百万円

2.1%減

 

 

(装置事業)

新型コロナウイルス感染症の影響による先送り案件の再開及び電子分野めっき装置の新規投資需要の増加により、売上高、受注高、受注残高ともに大幅に増加しました。

(装置事業)

前連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年増減比

売上高

1,306百万円

2,608百万円

99.6%増

セグメント利益

又はセグメント損失(△)

△88百万円

369百万円

- 

新規受注高

3,199百万円

4,440百万円

38.8%増

受注残高

2,076百万円

3,954百万円

90.5%増

 

 

(その他事業)

  その他事業におきましては、売上高は0百万円(前年同期比11.6%減)となり、セグメント損失は17百万円

(前年同期はセグメント損失17百万円)となりました。

 

 

生産、商品仕入、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

薬品事業

(千円)

19,963,535

84.5

装置事業

(千円)

2,613,430

197.9

報告セグメント計

(千円)

22,576,966

90.5

その他

(千円)

        合計

(千円)

22,576,966

90.5

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

② 商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

薬品事業

(千円)

1,400,528

130.6

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

3.装置事業においては、商品仕入は行っておりませんので、該当事項はありません。

 

③ 受注状況

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

装置事業

4,440,891

138.8

3,954,833

190.5

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

3.上記の金額は、機械装置の製作・据付に関する請負契約等の受注状況を記載しており、表面処理薬品及び商品に関する受注は、売上計上までの期間が短期間であるため、記載を省略しております。

 

④ 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

薬品事業

(千円)

24,528,901

106.9

装置事業

(千円)

2,608,482

199.6

報告セグメント計

(千円)

27,137,383

111.9

その他

(千円)

258

88.4

        合計

(千円)

27,137,641

111.9

 

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,008百万円(9.8%)増加し、44,901百万円となりました。流動資産は、主に現金及び預金の増加により4,139百万円(12.7%)増加し、36,646百万円となりました。固定資産は、土地の取得等により有形固定資産が増加したものの、投資有価証券の減少、繰延税金資産の減少により130百万円(1.6%)減少し、8,255百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ686百万円(8.9%)減少し、7,039百万円となりました。流動負債は、主に支払手形及び買掛金の減少、その他の減少により547百万円(8.2%)減少し、6,164百万円となりました。固定負債は、長期借入金の減少により138百万円(13.7%)減少し、875百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,695百万円(14.2%)増加し、37,861百万円となりました。これは主として為替換算調整勘定の増加、利益剰余金の増加によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、21,997百万円と前年同期と比べ5,152百万円(30.6%)の増加となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは税金等調整前当期純利益が前年同期と比べ304百万円(3.3%)増加し、売上債権及び契約資産が417百万円減少し、棚卸資産が1,047百万円減少したことにより収入が増加し、営業活動によるキャッシュ・フローは7,840百万円と、前年同期と比べ収入が2,749百万円(54.0%)の増加となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは主に有形固定資産の取得による支出の増加により、投資活動によるキャッシュ・フローは△324百万円と、前年同期と比べ収入が1,369百万円の減少となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払額が増加したものの、自己株式の取得による支出が減少したことにより、財務活動によるキャッシュ・フローは△2,857百万円と、前年同期と比べ支出が15百万円の減少となりました。

 

資金の流動性については、運転資金としては将来予測可能な資金需要に対して十分な流動性資産を確保しております。

これらの資金基盤を背景に、当社グループは、収益性・事業効率の向上に向けて、研究開発体制の強化や、中国・米国・インドといった海外市場への戦略的投資機会を追求することで、薬品事業の競争力強化、海外市場でのさらなる成長、次世代技術開発と新製品の早期市場投入や新市場・新分野への挑戦を図ってまいります。

株主への利益還元策につきましては、持続的な成長を達成するため手元流動性の確保を重視し、安定した財務基盤を維持しつつ、安定増配基調継続を目指してまいります。

「事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの事業等は様々なリスクを伴っています。事業展開にあたっては、自己資金の充当が望ましいと考えておりますが、将来、それを上回る資金需要が発生した場合にも必要資金を円滑かつ低利で調達できるよう財務基盤の健全性は常に維持していくよう努めてまいります。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 

(1)事業用借地権設定契約

 

契約会社名

相手先

契約年月日

契約の内容

契約期間

賃料(年額)

株式会社JCU

川崎市

2006年2月8日

当社総合研究所の借地権の設定

20年間
自 2006年3月1日
至 2026年2月28日

18,338千円

 

 

(2)業務・資本提携契約

 

契約会社名

相手先

契約年月日

契約の内容

株式の取得価額

株式会社JCU

JESAGI HANKOOK CO., LTD.
(韓国)

2006年9月1日

相手方株式の取得及びプリント基板洗浄装置の販売権取得

100,000千円

 

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、事業セグメントの垣根を乗り越えて、「表面処理技術から未来を創造する」を企業理念に、研究開発活動を推進しております。新製品及び新技術の開発はもちろんのこと、従来技術の改良開発等も随時行うことで、顧客満足度の向上を図っております。自動車・建材・水栓金具からエレクトロニクス・デバイス・半導体に至る幅広い業界の最先端技術に対応すべく、顧客との共同研究も視野に進めております。

当連結会計年度における研究開発費は、1,061百万円であり、全額を薬品事業に配分しております。

 

(1) 薬品事業

薬品事業における研究開発活動は、「環境、コスト、健康を意識した製品開発」、「競合他社を凌駕する製品開発」を基本戦略としております。

装飾・機能分野では、6価クロム等の環境規制化学物質を使用しない薬品の早期市場投入を目指すための研究開発に取り組んでおります。また、自動車部品の色味や質感等のデザイン多様化に対して、意匠めっきのバリエーションを展開するための研究開発を行っております。

電子分野では、スマートフォン、PC、タブレット、ウェアラブル機器、サーバーなどの用途を中心とした、高密度プリント基板及び半導体パッケージ基板向けの薬品プロセスである「ビアフィリング硫酸銅めっき」、「微細配線形成用の各種エッチング液」など、主力製品のさらなる強化に取り組んでおります。また、今後も需要の拡大が期待されるIoT化による様々な電子機器の高機能化に対して、これまで培ったノウハウを応用する薬品プロセスの研究開発を行っております。

今後に向けては、自動車の軽量化、Beyond 5G・6Gに向けてますます加速する電子部品の高集積、高周波対応、環境負荷の低減を意識した新たなめっきプロセスへの展開が可能と考えております。

表面処理技術の総合メーカーとして顧客の多様な要求に応えるべく、たゆまぬ研究開発を続けてまいります。

 

(2) 装置事業

装置事業における研究開発は、高品質で高機能な自動車部品用めっき装置や、プリント基板向けめっき装置等、顧客の多様な要求に応えるべく、努力を続けております。中でも、当社の設立以来の考え方である「装置と薬品の一体販売」に基づき、薬品の研究開発に装置部門が参画することで、薬品性能を最大限に引き出す装置の開発、販売を推進しております。薬品だけでは達成できない技術的課題を装置機構の側面から検証し、最高のパフォーマンスを提供する差別化された装置の市場投入を目指します。

めっき装置の他、薬品事業との親和性が高い、プラズマ技術を用いたプリント基板のエッチング及び洗浄装置など、高密度化製造技術に対応した研究開発を行っております。