第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループでは、経営理念を「わたしたちは、豊かなくらしのにないてとして、常に正道に立ち、お客様起点で社業を運営します。」と掲げ、エネルギーを中心とした生活者周辺サービスの充実をはかっております。

 常に生活者目線で新しいサービスを拡充していくのはもちろんのこと、自然エネルギーの活用や省エネ住宅機器の設置推進等により、引き続き地球環境保全へ貢献してまいります。

 また、特にエネルギー製品では「安全・安心」を最優先して提供できるよう保安への取り組みを継続的に強化し、事業活動ではコンプライアンスに重点を置き、企業の社会的責任を果たしてまいります。

 

(2)経営戦略等

 経営理念に掲げる“豊かなくらしのにないて”となるべく、コア事業であるエネルギー周辺事業の競争力を維持しながら、主として以下の事項に注力してまいります。

①自社電源を保有する優位性を最大限活用するため、電気の販売ならびに電力の供給等をはじめとする電力ビジネスの収益力拡大を目指すとともに、家庭用燃料電池や蓄電機器の普及に注力します。

②生活周辺サービスに強みを持つ当社グループとして、既存事業においても次世代事業においても販売活動の基はお客様であり、お客様を増加させることが当社グループの経営基盤です。今後も当社グループのファンが1人でも多くなるよう、お客様数拡大を図ります。

③バーガーレストランチェーン「カールスジュニア」の積極的な店舗展開とショップ&レストラン事業やグローサリーショップ事業およびボランタリー・チェーン事業の展開を中心に「フーズ事業」へのさらなる拡充を図っております。また、株式会社スイートスタイルは、各店舗にて職人が仕込みから焼成までを行うスクラッチベーカリーの「麻布十番モンタボー」やこだわりの珈琲と独創的な空間(離れ)を提供する「元町珈琲」を展開しており、引き続き積極的な店舗展開をして参ります。今後もお客様に満足していただける商品提供とともに、より一層の品質管理とホスピタリティを強化してまいります。

 

(3)経営環境

 当社グループを取り巻く経営環境においては、電力・ガスの自由化以降、エネルギー事業の枠を超えた総合エネルギー産業化を図りつつ、脱炭素化、分散化、デジタル化という流れの中で、異業種からの活発な新規参入やお客様のニーズの多様化、選択志向に合わせた料金メニュー・サービスの提供等を通じて消費者の利便性が向上するなど、活発な競争が進展しております。一方で、中長期的には、人口減少、過疎化といった構造的要因による国内需要の伸び悩みにより、電力・ガス市場を取り巻く経営環境は厳しさも見込まれております。

 また、新型コロナウイルスの対応の影響については、リビング&ウェルネス事業及びフーズ事業において、ある一定の影響はあるものの、グループ全体としては限定的で、大きな影響は受けないものと見込んでおります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社グループは、持株会社である株式会社ミツウロコグループホールディングスの傘下に、エネルギー及び生活周辺サービスを中心とした「株式会社ミツウロコヴェッセル」、エネルギー関連商品の物流事業の最適化と統合的な管理を行う「株式会社ロジトライホールディングス」、風力発電所やバイオマス発電所の運営と小売電気事業として電気を販売する「ミツウロコグリーンエネルギー株式会社」及び「株式会社ミツウロコヴェッセル」、フーズ事業の経営の統合的な管理を目的とした「株式会社ミツウロコヴォイジャーズ」、バーガーレストランチェーンの運営を行う「カールスジュニアジャパン株式会社」、リビング&ウェルネスをテーマとした施設経営と不動産賃貸及び海外事業を営む「株式会社ミツウロコ」、リース事業会社「株式会社ミツウロコリース」の7事業会社の他、グループ内における共通機能会社「株式会社ミツウロコクリエイティブソリューションズ」及び「株式会社三鱗」、海外子会社の「TRIFORCE INVESTMENTS PTE.LTD.」を含めた合計10社を配置した企業グループとした経営体制を敷いております。

 

 当社グループの中心事業であるエネルギー事業、中でも高い収益力を維持するLPガスは災害時に強い分散型エネルギーとして注目されておりますが、その市場傾向は成熟期にあり、人口減少が見込まれるこれからの時代にあって飛躍的に市場規模が拡大することは見込めず、灯油やガソリン等の石油製品は需要が減少傾向にあります。こうした状況下で競争力を維持し、安定した収益を確保するため、徹底した合理化による事業コストの削減はもとより、次世代の中核となり得る事業の市場開拓と収益力拡大による成長戦略が重要となります。

 持株会社制による経営体制により、既存事業・次世代事業の区別なく、それぞれの事業会社に権限と責任を委譲し、迅速な経営判断で環境の変化に対応していくのはもちろん、持株会社は各会社の監督機能としてグループ全体の成長を一義に、人・物・金の重点投資先を戦略的に判断してまいります。

 さらに、常に企業の社会的責任の観点に立ち、高い倫理性に基づいた誠実な経営活動・事業活動に努めるとともに、地球環境課題へ対応すべく再生可能エネルギーの創造、CO2排出量の削減などの取組みを展開し、“豊かなくらしのにないて”として社会の持続的な発展に貢献してまいります。

 株主の皆様におかれましては、当社グループの経営活動にご理解をいただき、引き続き一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの株価、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資判断上重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループはこれらリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努めてまいります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)需要動向について

 当社グループの主力商品である石油製品及びLPガスは、一般的に気温が低いと需要が伸びることから、天候により売上高が変動し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)商品の調達について

 当社グループの主力商品である石油製品、LPガス及び電力は、原油価格及びLPガスのCP等の変動や、為替レートの動向、天候不順等による電力需給の逼迫を通じた卸電力市場価格の動向により売上原価が変動し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクを軽減する目的で、必要に応じて先物取引等によるヘッジ取引を行っておりますが、完全にリスクが回避できるわけではありません。

 

(3)営業戦略について

 当社グループは、家庭用エネルギーである石油製品、LPガス及びその周辺機器を販売することを事業の中心に据えておりますが、同業者間の顧客獲得競争に加え、都市ガスや電力等の競合エネルギーとの競争も激しく、顧客獲得競争の激化による顧客の減少並びに販売価格の低下は、当社グループの収益面に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)災害等について

 当社グループの各事業所には、石油製品及びLPガスの貯蔵設備があります。法令上の定期検査、自主保安体制による設備点検、定期的な改修等を行っておりますが、大規模な地震やその他災害等により漏洩事故等を引き起す可能性があります。

 

(5)投資等について

 当社グループは、経営基盤の強化をはかるため、子会社または関連会社の設立、外部との資本提携等を行っていきます。投資等については、投資リスク等を十分勘案したうえで決定し、投資価値の回収可能性を定期的にチェックしておりますが、予測し難い事態が生じ投資先の財政状態及び経営成績が悪化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、その他有価証券として所有している時価のある株式については、時価が30%以上下落した場合等に減損処理を行っておりますが、日本経済の動向及び海外情勢等により予測し難い事態が生じ、大幅な株価下落になり減損損失が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)固定資産について

 当社グループは、事業用固定資産を数多く所有しておりますが、いずれも事業遂行には必要不可欠なものであり、過去及び現在においても十分なキャッシュ・フローを生成していると認識しております。投資価値の回収可能性を定期的にチェックしておりますが、今後の地価の動向や当社グループの収益状況の変化によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)法的規制について

 当社グループは、ガス関係では高圧ガス保安法、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律をはじめとする諸規則、石油関係では消防法等数々の法律・規則により規制されております。将来において、現在予見しえない法的規制等が設けられる可能性がありますので、多額の設備投資が必要になる可能性があります。

 

(8)新型コロナウイルスの感染拡大について

 当社グループでは、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、在宅勤務を原則として、やむを得ず出社する場合は、2班体制の交代出勤(時差出勤)を実施しております。リビング&ウェルネス事業のハマボール及びスパ イアスにおいては、2021年1月29日にお客様エリアに除菌・抗菌・抗ウイルスガラスコーティングを施工する等(SIAA認定)、十分な感染予防対策をとりながら営業しております。また、フーズ事業においても、飛沫防止用レジカーテン・アクリル板設置、アルコール消毒液の設置、ソーシャルディスタンス実施等の対応策を実施しております。

 「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境」にも記載のとおり、当社グループに対する影響としては、リビング&ウェルネス事業及びフーズ事業においてある一定の影響はあるものの、グループ全体としては限定的と見込んでおりますが、今後の感染拡大の状況やそれに伴う景気動向等によっては、当社グループの財政状態及び経営成績にも影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国の経済情勢は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、経済活動の停滞や個人消費の低迷等の厳しい状況で推移しました。足下では、欧米諸国でのワクチン普及による経済再開の動きや正常化への期待、各国の積極的な財政・金融政策などから、緩やかな回復の兆しがあるものの、感染再拡大が続いており、国内では3回目となる緊急事態宣言が発出される等、先行きについては依然として不透明な状況が続いております。

 当社グループを取り巻く経営環境においては、電力・ガス自由化以降、脱炭素化、分散化、デジタル化という流れの中で、電力・ガス・熱供給分野の一体的な改革が進み、エネルギー市場の垣根を越えた総合エネルギー市場が創出され、AI・IoT等の革新的な技術の導入や事業者間の活発な競争、異なるサービスの融合などのイノベーションの創発を通じ、エネルギー選択の自由度拡大や料金の最大限の抑制等、消費者の利便性の向上が進展しております。

 一方で、世界規模でのCO2削減取組強化・脱炭素化の要請や2050年のカーボンニュートラル実現に向けた宣言、

自然災害の頻発化・激甚化に伴うエネルギー安定供給のためのインフラ強靭化の要請の高まりに加え、国際的な需給構造の変化、少子高齢化や人口減少による需要変化、そして新型コロナウイルス感染症に伴う生活様式の変化等、エネルギー事業を取り巻く構造的環境は大きくかつ急激に変化しており、国内外の多様な環境変化に即応した対応が求められ、環境適合、安定供給、経済効率の観点から更なる高度化を進めることが必要と考えられております。

 このような状況下、当社は堅実な事業基盤のもと、地域に根差したグループの総合力を活かし、地域の安定供給を担う主体として、有事にも対応可能な供給インフラの維持と整備を図るとともに、異なる商品・サービスのセット販売や子ども見守りサービスなど、お客様のニーズの多様化、選択志向に合わせた様々な取り組みを行っております。また、環境意識の高まりとともにCO2削減を重視されるお客様に向けた、CO2排出量だけでなく再生可能エネルギー由来にこだわった環境低負荷な電力プランの提供やLPWA通信による遠隔自動検針で取得した指針情報を活用し、最適な配送計画を立案する配送業務効率化ソリューションの提供など、再生可能エネルギーの普及や燃料消費量の抑制、CO2の削減によるサステナブルな社会の実現に向けてミツウロコグループ全体でESGへの取り組みを推進しております。

 当社はこれからも、平時有事を問わず、あらゆる状況変化の中でも持続可能なエネルギーサプライチェーンの構築と地域に密着した安全で安心なサービスの拡充に努め、お客様に新たな価値を提供してまいります。

 新型コロナウイルス環境下において、当社は、本社を基点に全国各地域において、お客様、お取引先、従業員とその家族の安全・健康を第一に、全従業員が感染予防と感染拡大の防止を共通認識とし、お客様に対するサービスの継続や保安の確保、地域のエネルギーライフラインの維持に最大限に努めております。

 グループ全体の業務効率化としては、グループのシェアードセンターであるミツウロコ事務センターにおいて、予てよりDX(デジタルトランスフォーメーション)の概念の下、積極的にRPA(Robotic Process Automation)やAI-OCRを活用し、業務のデジタル化をベースに間接業務コストの削減に取り組んでおります。特にエネルギー事業の受発注業務では、受託を開始した2014年以降、業務プロセス短縮や帳票のデジタル化、フォーム統合等を行いながら、RPAによる業務自動化を継続的に推進しており、昨年度までに入力業務の82.4%が自動化され、一人あたりが処理した業務データの数は2.7倍となり、単位コストを60%超削減することができました。

 RPA活用範囲を広げるため、現在は紙や画像の活字を読み取りデジタルデータに変換が可能なAI-OCRの積極活用

に注力しておりますが、受発注業務においては紙を一枚も排出することなく全ての業務を完結させていることか

ら、コロナ禍における当年度において、一般的に難しいと言われるシェアードセンターのリモートワーク移行についても比較的スムーズに実施することができました。ミツウロコ事務センターでは、今後も最先端技術を取り入れた業務効率化ツールの利用を進め、グループの生産性向上に貢献してまいります。

 更に、2017年5月に業界に先駆けて発表した、日本電気株式会社、京セラコミュニケーションシステム株式会社との協業によるAI・IoTを活用したLPガス業務効率化ソリューション「SmartOWL(スマートオウル)」への取り組みでは、遠隔でLPガスメーターの情報を取得・提供するサービスを2019年4月より全国のLPガス販売事業者に向け開始しておりますが、検針を担う人材が不足する中、低コストで自動的に検針データを取得できることから、様々なLPガス販売事業者の皆様に採用いただいております。また、株式会社ミツウロコクリエイティブソリューションズが特許を取得し、実証実験では配送回数を29.1%削減、配送業務時間は30.9%を削減した“日次指針情報を活用したLPガス配送計画システム”について、いよいよ2021年秋に商用を開始する予定です。LPWA等を利用して日次指針を取得している全ての事業者を対象に利用を促進し、LPガス事業者共通の課題解決に向け取り組みを開始いたします。

 当連結会計年度は、エネルギー事業における燃料価格の下落等により、売上高は前期比5.7%減少の2,264億62百万円となり、寒波に伴う電力需給の逼迫等を要因とした電力市場の価格高騰に伴う電力仕入調達価格高騰の影響等により、営業利益は前期比27.5%減少の52億32百万円、経常利益は前期比27.3%減少の60億3百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比5.0%減少の33億69百万円となりました。なお、新型コロナウイルス感染症に対する政府・自治体からの各種要請等により、フーズ事業の店舗やリビング&ウェルネス事業の施設において実施した臨時休業期間中に発生した固定費(人件費・減価償却費・賃借料等)を、新型コロナウイルス感染症による損失として特別損失に2億6百万円計上しております。

 

 各セグメントの状況は次のとおりです。

 

(エネルギー事業)

 LPガス事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響は継続しているものの、2021年1月の全国的な気温低下により、1~3月期の小売販売量は前期比100.8%に増加しました。業務用販売量は新型コロナウイルス第3波による緊急事態宣言発出の影響を受け、回復基調から一転して減少(1~3月期の前期比94.8%)となりました。新型コロナウイルス感染予防をより一層万全に行い、インフラ事業を絶えることなく継続してまいります。住設機器販売においても、2021年1月の厳寒の影響もあり、1~3月期の売上高は前期比111.1%と順調に推移いたしました。昨年12月から開催したオンライン展示会も一定の効果を発揮しております。

 その結果、売上高は前期比16.2%減少の1,107億36百万円となる一方で、燃料価格の下落による売上原価の減少や経費の削減により、営業利益は前期比16.6%増加の41億94百万円となりました。

 

(電力事業)

 小売電気事業におきましては、新型コロナウイルス感染症による電力需要へのマイナス影響等はありましたが、経済活動全体が停滞した影響下、コスト削減の希求から「ミツウロコでんき」を選んでいただけるお客様は増加し、電力の単位使用料は低減したものの電力契約数が増加した結果、売上高は前期比12.2%増加の993億80百万円となりました。一方で、2020年12月下旬から2021年1月下旬にかけて、寒波に伴う電力需給の逼迫等を要因とした電力市場の価格高騰に伴い、電力仕入調達価格が高騰した結果、営業利益は前期比58.0%減少の15億90百万円となりました。

 昨今の気候変動がもたらす影響が深刻さを増す中、CO2削減が大きな課題となっておりますが、太陽光や風力な

どの「自然由来の電気」を利用したいと考えるご家庭や個人事業者の方を対象とした、東京都、神奈川県、横浜

市、川崎市、相模原市の5都県市にお住いの需要家様に向けた「みんなでいっしょに自然の電気」キャンペーンにおける小売電気事業者の選定も受けました。また、2021年3月より、沖縄と一部離島を除く全国へ、電気自動車(以下、EV)を利用または購入されるお客様向けの料金プラン「EVグリーンプラン(再生可能エネルギー(以下、再エネ)由来100%)」の提供エリアを拡大しました。EVと再エネを組み合わせたメニューを通じて、モビリティ業界での再エネ普及にも貢献してまいります。

 この低成長下においては、他業界から電力市場に参入する企業とのアライアンスを強化することに加え、Web環境から需要を訴求するネット販売を活用するなど、多様なニーズに応え、電力販売量の拡大を図ってまいります。

 

(フーズ事業)

 飲料事業の株式会社ミツウロコビバレッジは、引き続き新型コロナウイルス感染症対策や変異ウイルスの流行の兆しの影響を受けながらも、外部協力工場への製造委託を含め販売数量は堅調に推移しております。2020年11月に、岐阜養老工場においても山中湖工場・鳴沢工場に引き続き、日本発・国際レベルの食品安全管理規格であるJFS-B規格適合証明を取得しました。また環境問題への配慮から、2021年3月に岐阜養老工場へ新規設備を導入

し、それにより2021年4月からラベルレスの商品を発売いたします。ラベルレスは550mlペットボトルの一部商品

を対象とし、ペットボトル本体へのラベル貼りつけを省くことで、ゴミの分別時にラベルをはがす手間を無くすとともに、環境負荷の低減にも貢献してまいります。今後も厳格な品質基準に基づいた製造と、環境により配慮した製品を製造することで、「安全」「安心」な商品の供給を行ってまいります。

 全国に店舗を展開しているベーカリーの「麻布十番モンタボー」は、食パンブランド「いちふく」の水へのこだわりが好評を得ており、順次店舗内に専門ブースを設ける等、ブランドの定着化を図っております。更に東京農業大学農学部やミツカングループの株式会社ZENB JAPANとのコラボレーションとして、食品ロスによる環境問題に配慮した新たなコンセプトの全粒粉サンドイッチを開発する等、長年の技術の蓄積を生かしながらも、既存の製品概念に囚われない、新たな商品の開発を進めております。

 ハンバーガーチェーンのカールスジュニアジャパン株式会社は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響により既存店舗の来店客数が停滞している中、テイクアウト・デリバリーに注力する等の積極策が功を奏しております。更に、2021年3月に導入したフードトラックで、4月以降万全な新型コロナウイルス感染症対策を講じながら大型公園施設に出店し、今後イベント会場への出店も企画する等、動く広告塔として知名度アップを図っております。

 株式会社ミツウロコプロビジョンズは、コンビニエンスストア事業の商物流の変更により、店舗商品の拡充、物流の効率化を図っております。今後も新たな出来立てメニューを加えお客様に楽しんでいただける店舗展開を行ってまいります。

 フーズ事業全体の業績といたしましては、飲料水事業が販路拡大により好調に推移しておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞により、売上高は前期比14.8%減少の113億51百万円、営業損失は95百万円(前期は85百万円の営業利益)となりました。

 

(リビング&ウェルネス事業)

 ウェルネス事業のスパ イアス・ハマボールの来館者数においては、2021年1月の緊急事態宣言発出の影響を受

け減少傾向にありましたが、3月は都内・神奈川県内の新型コロナウイルス感染者の減少に比例するように順調に回復しております。また、1月には同感染症対策の一つとして、スパ イアス・ハマボール全館に除菌・抗菌・抗ウイルスガラスコーティング(Dr.ハドラス SIAA認証)を施工しました。更に、スパ イアスでは温泉IoT(施設混雑可視化サービス)を活用し、お客様が混雑・過密を避けて施設をご利用いただけるような工夫をしております。ハマボールにおいてはこのような安全に関する取り組みが評価され、ハマボール会員限定(約530名)で見ると、コロナ禍においても1月~3月の前期比97.3%の来場数を維持しております。引き続きお客様に「安心感」という新たな価値を提供するとともに、時代のニーズを反映した新たな施策を実施し、施設価値の向上と集客に努めてまいります。

 不動産事業では、賃貸方式の変更並びにPMBMフィーのコスト削減等により賃貸収入増と賃貸費用の削減を行い、収益力の向上を実現しております。また、ポートフォリオに基づき、築古となった物件の売却活動を行い、更なる収益力の向上を目指してまいります。

 ハマボールイアスビルの来館者数は、2021年1月の緊急事態宣言の発出の影響を受け、生活関連施設、スポーツ施設など一部店舗を除き、減少傾向にありましたが、3月の同宣言の解除を受け、来館者数は順調に回復しております。今後もお客様が快適に安心してビルをご利用いただけるよう、ビルの魅力づくりに留意したビルマネジメントを行うとともにリニューアル工事を適宜実施する等、ビル機能の維持向上に努めてまいります。

 その結果、リビング&ウェルネス事業全体として、売上高は前期比22.9%減少の21億95百万円、営業利益は前期比38.1%減少の4億15百万円となりました。

 

(その他事業)

 情報システム開発・販売事業においては、エネルギー自由化時代の中で、信頼性の更なる向上や顧客密着度の高さ等を意識したLPガス販売管理システムである「COSMOSシリーズ」の拡販を行っております。また、昨年度の石炭の前倒し販売による減少等により売上高は前期比13.5%減少の27億98百万円となり、リース事業における貸倒引当金繰入の増加等により営業損失は14百万円(前期は26百万円の営業損失)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は、53億40百万円(前期比46.5%減少)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益52億91百万円、減価償却費28億21百万円、法人税等の支払額33億20百万円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、35億23百万円(前期は111億22百万円の支出)となりました。主な要因は、投資有価証券の取得による支出12億24百万円、有形固定資産の取得による支出14億33百万円、無形固定資産の取得による支出5億80百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、48億58百万円(前期は44億35百万円の支出)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出26億40百万円、配当金の支払額14億27百万円等によるものです。

 

以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前期比30億29百万円減少し、252億97百万円となりました。

③生産、受注及び販売の実績

(イ)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

 電力事業

2,244

96.0

 フーズ事業

3,738

133.4

 その他事業

153

91.7

 合   計

6,137

115.6

(注)1.電力事業については風力発電会社等の電力生産実績、フーズ事業については㈱ミツウロコビバレッジの飲料水生産実績等、その他事業については㈱ミツウロコヴェッセルの煉炭生産実績であり、それぞれ実際生産金額によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(ロ)商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

 エネルギー事業

89,441

66.7

 電力事業

93,244

114.4

 フーズ事業

3,444

92.8

 その他事業

807

85.6

 合   計

186,937

84.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(ハ)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

 エネルギー事業

110,736

83.8

 電力事業

99,380

112.2

 フーズ事業

11,351

85.2

 リビング&ウェルネス事業

2,195

77.1

 その他事業

2,798

86.5

 合   計

226,462

94.3

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(イ)財政状態

(ⅰ)流動資産

 当連結会計年度における流動資産の残高は、前連結会計年度末比11億92百万円減少の558億37百万円となりました。主な要因としては、投資有価証券の取得に伴う現金及び預金の減少等によるものです。

(ⅱ)固定資産

 当連結会計年度における固定資産の残高は、前連結会計年度末比208億20百万円増加の893億52百万円となりました。主な要因としては、株価上昇による投資有価証券の増加及びSIAMGAS AND PETROCHEMICALS PUBLIC CONPANY LIMITEDに対する出資等による投資有価証券の取得等によるものです。

(ⅲ)負債の部

 当連結会計年度における負債の残高は、前連結会計年度末比46億49百万円増加の519億0百万円となりました。主な要因としては、その他有価証券評価差額金の増加による繰延税金負債の増加等によるものです。

(ⅳ)純資産の部

 当連結会計年度における純資産の残高は、前連結会計年度末比149億72百万円増加の932億89百万円となりました。主な要因としては、株価上昇によるその他有価証券評価差額金の増加等によるものです。

 

(ロ)経営成績

 エネルギー事業において、コロナ禍における業務用販売量の減少や燃料価格の下落等により、売上高は前期比5.7%減少の2,264億62百万円となりました。さらに電力事業において、電力市場の価格高騰に伴う電力仕入調達価格が高騰した事を主因として、営業利益は前期比27.5%減少の52億32百万円、経常利益は前期比27.3%減少の60億3百万円となりました。一方で、前連結会計年度に計上したのれんの減損損失の影響が剥落し、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比5.0%減少の33億69百万円となりました。

 なお、各セグメントの状況は以下のとおりです。

(ⅰ)売上高の状況

 エネルギー事業セグメントにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、LPガス事業、石油事業の産業用、業務用の販売量が減少し、前連結会計年度に比べて16.2%減少の1,107億36百万円となりました。

 電力事業セグメントにつきましては、「ミツウロコでんき」の電力契約数が増加した結果、前連結会計年度に比べて12.2%増加の993億80百万円となりました。

 フーズ事業セグメントにつきましては、飲料水事業が好調に推移する一方、新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛や、経済活動の停滞により、前連結会計年度に比べて14.8%減少の113億51百万円となりました。

 リビング&ウェルネス事業セグメントにつきましては、スパイアス・ハマボールにおいて新型コロナウイルス感染拡大防止を目的とした営業自粛を行ったため、前連結会計年度に比べて22.9%減少の21億95百万円となりました。

 その他事業セグメントにつきましては、石炭の販売時期による販売量減少等により前連結会計年度に比べて13.5%減少の27億98百万円となりました。

 以上の結果、連結損益計算書の売上高は、前連結会計年度と比べて136億65百万円減少の2,264億62百万円となりました。

 

(ⅱ)営業利益の状況

 エネルギー事業セグメントにつきましては、期初の燃料価格の下落による売上原価の減少や経費の削減により、前連結会計年度と比べて16.6%増加の41億94百万円となりました。

 電力事業セグメントにつきましては、2020年12月下旬から2021年1月下旬にかけて、寒波に伴う電力需給の逼迫等を要因とした電力市場価格高騰の影響により、電力仕入調達価格が高騰し、前連結会計年度と比べて58.0%減少の15億90百万円となりました。

 フーズ事業セグメントにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の停滞により、95百万円の営業損失(前連結会計年度は85百万円の営業利益)となりました。

 リビング&ウェルネス事業セグメントにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止のための営業自粛の影響により、前連結会計年度と比べて38.1%減少の4億15百万円となりました。

 その他事業セグメントにつきましては、リース事業において前連結会計年度から引き続き新型コロナウイルス感染症の影響により貸倒引当金繰入額が増加している事等により、14百万円の営業損失(前連結会計年度は26百万円の営業損失)となりました。

 以上の結果、連結損益計算書の営業利益は、前連結会計年度と比べて19億82百万円減少の52億32百万円となりました。

(ⅲ)経常利益の状況

 営業利益が前連結会計年度と比べて19億82百万円減少したことに加え、デリバティブ損失4億83百万円の発生等により、経常利益は前連結会計年度に比べて22億58百万円減少の60億3百万円となりました。

(ⅳ)親会社株主に帰属する当期純利益の状況

 当連結会計年度においては、経常利益が前連結会計年度と比べて22億58百万円減少し、フーズ事業の店舗やリビング&ウェルネス事業の施設の臨時休業期間中に発生した固定費(人件費・減価償却費・賃借料等)を、新型コロナウイルス感染症による損失として特別損失に2億6百万円計上しました。一方で、前連結会計年度において新型コロナウイルス感染症の影響等から株式会社スイートスタイルにかかるのれん等の減損損失15億27百万円を計上したこと、法人税、住民税及び事業税が前連結会計年度と比べて6億60百万円減少したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて1億76百万円減少の33億69百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持することを基本方針としております。

 事業活動にかかる運転資金につきましては、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、それに加えて金融機関からの短期借入により流動性を保持しています。また、当社と連結子会社間では、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により資金融通を行うことで資金効率を高めております。

 一方、設備資金等の長期資金につきましては、投資計画に基づき、市場金利動向や既存借入金の償還時期等を総合的に勘案し、金融機関からの長期借入により流動性を維持しております。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境」にも記載のとおり、グループ全体としては限定的で、資金繰りについても大きな影響は受けないものと見込んでおります。従いまして、投資については引き続き積極的に行っていくとともに、株主還元の観点からも、40%の配当性向を目処として、安定した配当政策を今後も実施していく方針です。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (会計上の見積り」に記載しております。

 なお、この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日現在において過去の実績等を勘案し合理的に判断して見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。