(1)業績
当連結会計年度のわが国経済は、政府や日本銀行の各種政策推進の効果によって、企業収益の改善や、個人消費の持ち直しがみられるなど、緩やかな回復基調にあるとは言われるものの、その実感は乏しく、中国・産油国・新興国をはじめとした海外景気の下振れや、年初来の急速な円高・株安など、景気を下押しするリスクもあり、先行き不透明な状況が続きました。
国内エネルギー業界においては、原油価格下落の影響を受け、国内の石油製品販売価格は低下しましたが、暖冬の影響や、定着した節約志向の影響は大きく、家庭向け需要は減少しました。
このような環境の中、当社は、中期経営計画「第三の創業2016」の2年目となる当連結会計年度において、平成27年4月1日にエネルギーの卸・小売部門を地域毎に統合する組織再編を行うとともに、10月1日には純粋持株会社体制への移行を実施しました。これらの事業体制の変更によって、グループ経営と個別事業の執行を分離し、各事業会社への権限委譲による意思決定の迅速化を進めた結果、収益構造の改革が大幅に進みました。
その結果、当連結会計年度の業績については、売上高は石油製品価格の低下等により2,091億円(前年同期比25.7%減)となりましたが、営業利益は35億円(前年同期比105.7%増)、経常利益は42億円(前年同期比62.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は22億円(前年同期比55.9%増)となりました。なお、LPガスボンベの軒下在庫数量に係る見積り算定方法の変更により、売上原価が7.7億円減少しました。また、純粋持株会社体制移行に伴う一時的費用4億円、確定給付年金制度を確定拠出年金制度に移行した際の一時的費用2.4億円等を特別損失として計上しています。
セグメント別の事業の経過及び成果は以下のとおりです。
当連結会計年度より、当社グループは各事業における権限の委譲及び責任体制の明確化と、より一層の経営判断の迅速化を図り、機動的かつ柔軟な経営を可能にする持株会社体制への移行を進め、平成27年10月1日に持株会社体制へ移行しました。これに伴い、報告セグメントを従来の「エネルギー卸売及び周辺事業」、「エネルギー小売及び周辺事業」、「グローバル事業」及び「ソリューション事業」の4区分から、「エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)」、「エネルギーソリューション事業(BtoB事業)」及び「非エネルギー及び海外事業」の3区分に変更しています。
①エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)
卸・小売一体となった販売店支援強化策の実施、新店の開設や店舗の再編、同業他社との物流提携による効率化を推進した結果、営業利益が改善しました。さらに、一般家庭向け電力販売の専門部門を設置し、電力自由化を契機にした事業拡大を促進しました。
以上の結果、当連結会計年度におけるエネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の売上高は702億円(前年同期比39.8%減)、営業利益は33億円(前年同期比11.0%増)となりました。
②エネルギーソリューション事業(BtoB事業)
シナネン株式会社は、石油事業で、関連する経営資源を集約し、全国の販売体制再構築と施設運用の効率化を図りました。法人向け電力販売事業では、官公庁や学校施設への電力供給を引き続き推進し、新たに長野県や群馬県などの公共施設へ電力供給を開始しました。また、日本ソーラー電力株式会社のM&Aにより比較的小規模な428箇所の太陽光発電所を取得するなど、新たな再生可能エネルギーの電源開発にも注力しました。省エネソリューション事業では、太陽光発電所の分譲販売が前年同期に引き続き売上・利益に大きく貢献しました。さらに、大阪狭山市の「グリーン水素シティ事業推進研究会」への参画など、クリーンエネルギー分野での新たな取り組みも開始しました。
以上の結果、当連結会計年度におけるエネルギーソリューション事業(BtoB事業)の売上高は1,322億円(前年同期比16.3%減)、デリバティブ取引による利益3.5億円が営業外収益に計上されたため、営業利益は6千万円(前年同期は営業損失6億円)となりました。
③非エネルギー及び海外事業
自転車事業のシナネンサイクル株式会社は、当連結会計年度に小売チェーン「ダイシャリン」の新店舗3店(神奈川県横浜市に2店、東京都豊島区に1店)を開設し、関東圏での販売網強化に注力しました。
リサイクル事業の品川開発株式会社は、東京都江東区において新たに総合産業廃棄物処理施設を稼動させ、従来の木質系廃棄物から取扱品目を大幅に増加させることにより、廃棄物処理ネットワークの構築を進めました。
抗菌事業の株式会社シナネンゼオミックは、海外展開強化のために人員体制を強化し、取引拡大と国際的規制・認可への対応に注力しました。
システム事業の株式会社ミノスは、従来のLPガス販売管理システムに加えて、電力自由化に対応する顧客管理システム(電力CIS)を開発し、ITや通信業界等の新電力事業者と新たな取引を開始しました。
以上の結果、当連結会計年度における非エネルギー及び海外事業の売上高は65億円(前年同期比1.9%減)、営業利益は純粋持株会社体制化に伴う経費の増加により1億円(前年同期比39.4%減)となりました。
その他の事業では、土地・不動産活用の一環として、埼玉県川口市に賃貸マンションを建設しました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としています。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、200億円(前年同期比8.7%減)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は、33億円(前期は37億円の収入)となりました。この主な要因は、売上債権の減少と仕入債務の減少によるものです。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は、40億円(前期は20億円の支出)となりました。この主な要因は、固定資産の取得と新規連結子会社取得による支出によるものです。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は、9.9億円(前期は5千万円の支出)となりました。この主な要因は、配当金の支払いと長期借入金の返済による支出が、長期借入れによる収入を上回ったことによるものです。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業) |
70,202 |
△39.8 |
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エネルギーソリューション事業(BtoB事業) |
132,277 |
△16.3 |
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非エネルギー及び海外事業 |
6,558 |
△1.9 |
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調整額 |
74 |
△20.2 |
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合計 |
209,112 |
△25.7 |
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(注)上記金額には、消費税等が含まれていません。
当社グループのコア事業であるエネルギーの卸・小売事業を取り巻く環境は、2つの大きな変革を迎えています。1つは、平成28年以降に予定されている電力・ガス小売の全面自由化といった「エネルギー物流の変革」、もう1つは、国際的な温室効果ガス削減の枠組み「パリ協定」に象徴される「エネルギー消費の変革」です。
こうした大きな変革に対応して、グループビジョンを実現するため、当社グループは組織体制の見直しを行い、平成26年度よりスタートした中期経営計画「第三の創業2016」に基づき、以下の諸施策に取り組んでまいります。
(1)エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)
エネルギーと住まいと暮らしのサービスを提供するミライフ各社を中心に、これまでのガス・石油販売に一般家庭向け電力販売を加え、顧客基盤の拡大を図ります。また、快適な省エネや家計費削減のための提案などによって住まいと暮らしのサービスを拡充し、総合エネルギーサービス事業での地域ナンバーワンを目指してまいります。
また、コスト競争力を強化するため、同業他社との提携を含めた物流の効率化及びITシステム活用による間接業務の合理化等を引き続き進めてまいります。
(2)エネルギーソリューション事業(BtoB事業)
シナネン株式会社は、従来からの石油事業の販売機能の強化と効率化を引き続き推進してまいります。また、新たに海外部を設置し、海外事業の開発に着手します。さらに将来の中核事業への成長を目指し、電力販売事業では電源開発と販路拡大、省エネソリューション事業ではエネルギートータルコストの低減提案による設備工事の受注に注力してまいります。
(3)非エネルギー及び海外事業
抗菌事業の株式会社シナネンゼオミックにおいては、海外企業との技術提携、共同開発を進め、新たな成長市場への営業を強化するとともに、機能材料及び応用商品の開発による事業拡大に取り組んでまいります。
リサイクル事業の品川開発株式会社においては、新たに稼動した総合産業廃棄物施設を基に廃棄物処理の全国ネットワークを拡大するとともに、木質系産業廃棄物処理のさらなる拠点開発を進め、産廃とバイオマス燃料の事業拡大を図ってまいります。
自転車事業のシナネンサイクル株式会社においては、小売チェーン「ダイシャリン」の新規出店を加速し、関東地域でのさらなる販売網強化を図ります。また、卸売事業と連携したブランド車等の差別化商品の開発と商品構成の見直しによって既存店売上の拡大を推進してまいります。
システム事業の株式会社ミノスにおいては、LPガス販売管理システムの性能と品質の向上を図り、顧客層を拡大するとともに、電力CISによる新たな取引も増大させます。そして、まずはLPガス業界のシステムシェアナンバーワンを目指します。
ブラジル事業においては、カッピン炭製造工場の試験稼動が順調に進んでいることから、商品の流通ルートの確立を図り、マーケットへの参入を果たします。
その他の事業では、土地・不動産活用の一環として、埼玉県川口市に災害対策を講じた老人ホームを建設します。
また、コーポレートガバナンス上の課題として、当社は平成28年6月24日開催の定時株主総会において、監査等設置会社への移行を内容とする定款変更が決議し、承認されたため、その目的である「監査・監督機能の強化」と「意思決定の迅速化」を実現してまいります。
さらに、共通の課題として、安全管理、コンプライアンスの重視、地球環境への配慮等企業の社会的責任に対する考えをグループ全体に浸透させてまいります。
当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況並びに株価等(以下「業績等」という。)、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。
なお、記載中、将来に関する事項は当連結会計年度末(平成28年3月31日)において判断したものであります。
また、当社は、これらのリスク発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
(1)エネルギー業界をとりまく環境の変化
当連結会計年度のエネルギー業界においては、原油価格下落の影響を受け、国内の石油製品販売価格は低下しましたが、暖冬の影響や、定着した節約志向の影響は大きく、家庭向け需要は減少しました。
石油・ガス業界をとりまく環境は、供給側であるOPECの産油量動向や中東情勢、需要側では大消費国である米国、中国、インドなどの経済状況等が原油価格に大きな変動をもたらします。また、国内では環境意識の高まりや低炭素社会に向けた官民をあげての取り組みにより、エネルギーの節約志向は今後一層強まるものと考えられます。これら原油価格の変動や国内市況並びにエネルギー環境の変化等が当社グループの業績等に重要な影響を与える可能性があります。
(2)気温の変動によるリスク
当社グループの主力となる事業はエネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)(以下「エネルギー事業」という。)であり、売上高の全セグメントのうち9割以上を占めています。このエネルギー事業については、基本的には気温の変動によるリスクを有しており、なかでも石油部門の主力商品である民生用灯油については、冬が最需要期であり、夏の使用量と比較して著しい格差があります。このため、暖冬により冬場の灯油の消費量が減少した場合、販売計画に狂いが生じ、また価格にも影響を及ぼすなど、気温の変動が当社グループの販売実績及び業績等に重要な影響を与える可能性があります。
(3)エネルギー業界における競争の激化
当社グループの属するエネルギー業界においては、規制緩和、環境問題、少子高齢化等の要因により、電力、石油、都市ガス、LPガス等の垣根を越えたエネルギー間競争が激化しています。「オール電化」「太陽光発電」「エネファーム」などのエコロジーと関連する商品群の開発・販売推進により、今後もこの傾向が続くものと予想されます。
また、LPガス業界においては、LPガス消費者の獲得やそれに伴うLPガス価格の引き下げ等、同業者間の競争が激しくなっています。石油業界においても、ガソリンスタンド間の厳しい生き残り競争や民生用灯油の巡回販売、ホームセンター他の販売チャネル間の争い等、同業者間の激しい競争が続いています。
こうしたエネルギー間競争及び同業者間競争の激化は、当社グループの業績等に重要な影響を与える可能性があります。
(4)取引先の信用リスク
当社グループの販売形態には、卸売販売及び小売販売があります。主に卸売販売については掛売りをしており、平成28年3月末現在の「受取手形及び売掛金」の残高は193億円であります。
これらの売上債権については、回収サイトの短縮化や、取引先の資金状況を勘案し一部現金による前受制により回収の早期化を図っています。また、コンピュータシステムによる与信等債権管理の徹底を行っています。さらに、当社グループは貸倒損失発生時に備え十分な引当金を計上していますが、予測不能な事態が生じた場合には、売上債権の回収に支障を来し、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(5)外国為替変動リスク
当社グループは、主に、国内において円建による取引を行っていますが、当社の石油製品の輸出入及び自転車の輸入、株式会社シナネンゼオミックの抗菌剤の輸出については一部外貨建で取引を行っています。このため、当社グループの業績が外国為替の変動に影響を受けることがあります。当社は、為替変動リスクを軽減するためヘッジ取引を行っていますが、必ずしもこれを完全に回避できるものではありません。
また、主力商品である石油類及びLPガスについては主に国内元売会社から仕入れていますが、原油やLPガスの輸入価格が、為替の変動により間接的に当社グループの仕入価格に影響を及ぼすというリスクを有しています。
(6)固定資産の評価に関するリスク
当社グループは、主にエネルギー事業に係る資産として、石油類卸売設備、LPガス充填設備及びガソリンスタンド設備並びにこれらの設備を使用するための土地を保有しており、有形固定資産の平成28年3月末現在の帳簿残高は294億円となっています。当社グループはこれまで非効率資産の売却を進め、財務体質の強化に努めています。
設備投資につきましては、回収可能性を十分に検討したうえで実行し、定期的に回収可能額の評価を行いますが、その結果、新たに減損損失が発生するリスクを有しています。
(7)投資等に係る潜在的リスク
当社グループは経営基盤の強化を図るため、子会社または関連会社の設立、外部との資本提携等を行っていく可能性があります。投資等にあたっては投資リスク等を勘案したうえで決定し、その後定期的に投資価値のチェックにより回収可能性の判断を行っています。その際、必要があれば回収不能額を見積もり、引当金等を計上する方針でありますが、投資先の経営成績及び財政状態が予想以上に悪化した場合には、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。
また、当社は、取引の関係や提携の強化・円滑化を図る政策的な理由等から長期間保有している株式があります。これらの株式については、過去に減損処理を行っており、その後の投資先の経営成績及び財政状態並びに株価の推移等から投資価値は十分にあると認識しています。しかしながら、日本経済の動向及び海外情勢等に予測し難い事態が生じた場合には、株価下落により評価損が発生し、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(8)新規事業に参入するリスク
当社グループは、前連結会計年度に引き続き電力販売事業おいて、官公庁や学校施設への電力供給を推進し、新たに長野県や群馬県などの公共施設へ電力供給を開始しました。また、当連結会計年度においても新たに太陽光発電所を取得するなど、再生可能エネルギーの電源開発にも注力しました。
このように当社グループは、新規収益源の発掘・育成を積極的に推進していきますが、新規事業が期待通りの成長を遂げ、予想通りの収益を計上する保証はありません。将来においてこれらの新規事業の業績が当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(9)海外進出に潜在するリスク
当社グループでは、株式会社シナネンゼオミックが抗菌剤「ゼオミック」について、EPA(米国環境保護庁)及びFDA(米国食品医薬品局)から認可を取得し、現在、米国をはじめ東南アジア等海外に販売活動を進めています。販売にあたっては、主に国外の販売代理会社を通じて行うことになりますが、当該会社が影響を受ける海外情勢及び当該会社との関係により、当社グループの販売実績及び業績等に影響を与える可能性があります。
(10)石油・LPガス設備の保安等と環境汚染に関するリスク
当社グループは、保安は全てに優先すると考え、石油及びLPガス販売に係る設備等について、関係諸法規及び内部規定に基づき定期的に厳格な保安監査を実施しています。また、石油設備については石油漏出による環境汚染事故を防止するため株式会社損害保険ジャパンと共同でリスクファイナンスを含む総合リスクマネジメントを実施しています。しかしながら、これらの対策が石油及びLPガスの漏洩等の事故及びそれによる損失の可能性を無にするものではありません。
(11)製品の品質及び安全に関するリスク
当社グループは、煉炭、豆炭をはじめとする固形燃料、豆炭こたつ等の生活関連部門、抗菌・環境部門、自転車等の輸入等その他の部門において製造、販売をしています。製品の生産開始以来、品質管理には十分留意しており、製造物責任法(PL法)の施行後は、生産物責任賠償保険に加入し事故発生による費用負担の低減を図っています。また、消費生活用製品安全法に基づき、製品の安全な使用方法に関する周知徹底を図るとともに事故発生時の対応強化に努めています。
しかしながら、今後大規模な製品回収や製造物責任が問われる不測の製品事故等が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(12)個人情報の取扱いについて
当社グループは、エネルギー事業に係るLPガス及び都市ガスの消費者データ、また、ガソリンスタンド利用者のカード決済用データに関する個人情報等を保有しています。このような個人情報等を保護するために、リスク・コンプライアンス委員会を設置するとともに、従業員等に向けた個人情報保護に関する教育プログラムの実施、生体認証システム及び暗号化等の情報セキュリティシステムの導入、各種規程の制定等を行っています。
しかしながら、何らかの原因により個人情報が外部に漏洩した場合には、当社グループに対する信用が失われ、その結果、売上高の減少等により当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(13)自然災害等に関するリスク
当社グループは、石油卸売設備、LPガス充填設備及びガソリンスタンド設備等の資産を所有しています。これらの設備が大規模な台風、地震、津波、洪水等の自然災害等により被災した場合、正常な事業活動ができなくなり、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
また、新型インフルエンザ等の大流行により当社グループが人的被害を受けた場合においても、正常な事業活動ができなくなり、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当連結会計年度において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。
当社グループの当連結会計年度における研究開発費は9千万円であり、主として非エネルギー及び海外事業において研究・開発を行っています。
連結子会社である株式会社シナネンゼオミックは、抗菌・殺菌技術と吸着・消臭技術の研究を行っています。
抗菌・殺菌技術は、従来のプラスチックや塗料などへの抗菌添加剤だけでなく、水相や気相中の微生物抑制技術に拡張し、紫外線による殺菌、二酸化塩素による殺菌、プラズマ電解による殺菌水の応用などの開発を進めています。また、同社抗菌剤の抗ウィルス性能の研究は、社内でウィルス試験ができる設備を導入し、本格化しています。
消臭技術については、従来の消臭剤に加えて、平成27年度新たに加齢臭に対する消臭剤を開発し、その実用化に向けて繊維製品への加工技術開発を促進しています。
吸着技術については、工業的に使用できる新たな吸着剤の開発を目指し、全く新しい多孔質材料を基礎研究から開始していましたが、より精密な細孔制御を研究する段階へと高度化しています。また、平成27年度新たにホルムアルデヒド吸着剤を開発し、その用途開発に取り組んでいます。さらに、従来の金属置換ゼオライト材料に関しては、放射性ヨウ素の吸着や工業的に問題となっている特殊ガスの吸着などの応用研究を進めています。
研究の取組み方としては、独自の開発だけでなく、産学共同研究や海外企業との研究活動も積極的に取り組んでいます。そのひとつに、全く新しい分野ですが、希土類を用いない銀ゼオライト系の蛍光剤に関して、複数企業との共同研究にも参画しています。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としています。
(1)当連結会計年度の財政状態の分析
①流動資産
当連結会計年度における流動資産の残高は、500億円となり、前連結会計年度と比較して42億円減少いたしました。減少の主な要因は、商品価格の下落に伴い売上債権が減少したことによるものです。
②固定資産
当連結会計年度における固定資産の残高は、428億円となり、前連結会計年度と比較して78億円増加いたしました。増加の主な要因は、設備投資による建設仮勘定等の増加、新規連結子会社の増加により機械装置及び運搬具、リース資産及びのれんが増加したことによるものです。
③流動負債
当連結会計年度における流動負債の残高は、313億円となり、前連結会計年度と比較して18億円減少いたしました。減少の主な要因は、商品価格の下落に伴い仕入債務が減少したことによるものです。
④固定負債
当連結会計年度における固定負債の残高は、134億円となり、前連結会計年度と比較して44億円増加いたしました。増加の主な要因は、長期借入金及びリース債務等が増加したことによるものです。
⑤純資産の部
当連結会計年度における純資産の残高は、481億円となり、前連結会計年度と比較して10億円増加いたしました。増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加によるものです。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
①売上高
当連結会計年度における売上高は、前年同期比25.7%減の2,091億円となりました。売上高の主な内訳をセグメント別でみると、下記のとおりであります。
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)及びエネルギーソリューション事業(BtoB事業)におきましては、石油製品価格の低下等により、702億円(前年同期比39.8%減)、1,322億円(前年同期比16.3%減)となりました。
非エネルギー及び海外事業におきましては、65億円(前年同期比1.9%減)となりました。
②売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度において、売上高は上記のとおりとなりましたが、売上総利益は、LPガスボンベの軒下在庫数量に係る見積り算定方法の変更により、売上原価が7.7億円減少したため前年同期比3.8%増の292億円となり、販売費及び一般管理費は、業務の効率化による経費削減を進めた結果、前年同期比2.7%減の257億円、営業利益は前年同期比105.7%増の35億円となりました。
営業利益の主な内訳をセグメント別でみると、下記のとおりであります。
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)におきましては、LPガスボンベの軒下在庫数量に係る見積り算定方法の変更、卸・小売一体となった販売店支援強化策の実施、新店の開設や店舗の再編及び同業他社との物流提携による効率化を推進した結果、前年同期比11.0%増の33億円となりました。
エネルギーソリューション事業(BtoB事業)におきましては、石油事業で、関連する経営資源を集約し、全国の販売体制再構築と施設運用の効率化を図りました。法人向け電力販売事業では、官公庁や学校施設への電力供給を引き続き推進し、新たに長野県や群馬県などの公共施設へ電力供給を開始しました。また、省エネソリューション事業では、太陽光発電所の分譲販売が前年同期に引き続き大きく貢献ししたため、営業利益6千万円(前年同期は営業損失6億円)となりました。
非エネルギー及び海外事業におきましては、自転車事業のシナネンサイクル株式会社は、当連結会計年度に小売チェーン「ダイシャリン」の新店舗3店(神奈川県横浜市に2店、東京都豊島区に1店)を開設し、関東圏での販売網強化に注力しました。
リサイクル事業の品川開発株式会社は、東京都江東区において新たに総合産業廃棄物処理施設を稼動させ、従来の木質系廃棄物から取扱品目を大幅に増加させることにより、廃棄物処理ネットワークの構築を進めました。
抗菌事業の株式会社シナネンゼオミックは、海外展開強化のために人員体制を強化し、取引拡大と国際的規制・認可への対応に注力しました。
システム事業の株式会社ミノスは、従来のLPガス販売管理システムに加えて、電力自由化に対応する顧客管理システム(電力CIS)を開発し、ITや通信業界等の新電力事業者と新たな取引を開始しました。
以上の結果、営業利益は純粋持株会社体制化に伴う経費の増加により1億円(前年同期比39.4%減)となりました。
③営業外損益、経常利益
当連結会計年度における営業外収益は、デリバティブ利益は増加しましたが、受取利息、為替差益等の減少により、前年同期比3.2%減の11億円となりました。また、当連結会計年度における営業外費用は、為替差損及び持分法による投資損失等が増加したことにより、前年同期比42.0%増の3.9億円となりました。
以上の結果、経常利益は前年同期比62.6%増の42億円となりました。
④特別損益、税金等調整前当期純利益
当連結会計年度における特別利益は、収用補償金等の発生により3.4億円となりました。
当連結会計年度における特別損失は純粋持株会社体制移行に伴う一時的費用及び確定給付年金制度を確定拠出年金制度に移行した際の一時的費用の増加により12億円となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は前年同期比42.3%増の33億円となりました。
(3)当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、200億円(前年同期比8.7%減)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は、33億円(前年同期は37億円の収入)となりました。この主な要因は、売上債権の減少と仕入債務の減少によるものです。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は、40億円(前年同期は20億円の支出)となりました。この主な要因は、固定資産の取得と新規連結子会社取得による支出によるものです。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は、9.9億円(前年同期は5千万円の支出)となりました。この主な要因は、配当金の支払いと長期借入金の返済による支出が、長期借入れによる収入を上回ったことよるものです。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。
|
|
平成25年3月期 |
平成26年3月期 |
平成27年3月期 |
平成28年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
53.0 |
47.8 |
52.7 |
51.8 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
28.7 |
26.4 |
32.7 |
30.4 |
|
キャッシュ・フロー |
2.5 |
2.2 |
2.8 |
4.5 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
75.7 |
79.9 |
72.6 |
50.8 |