第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度のわが国経済は、政府や日本銀行の各種政策推進の効果により、景気及び企業収益は緩やかな回復基調で推移しました。また、雇用・所得環境の改善により個人消費は持ち直しの動きがみられました。一方で海外情勢への不安から為替の大幅な変動や株安など、景気を下押しするリスクもあり、先行きは不透明な状況が続きました。

国内エネルギー業界においては、原油価格の下落は前年度に底を打ち、緩やかな上昇傾向で推移しました。家庭向け需要は、11月の急激な冷え込みなどにより一時的に高まりをみせましたが、定着した節約志向の影響は大きく年間では減少しました。4月より電力小売完全自由化が実施され、3月末までのスイッチング申し込み件数は全国で約342万件、全体の5.4%となっています。

このような環境の中、当社は、中期経営計画「第三の創業2016」の最終年度となる当連結会計年度において、株主総会での承認を経て監査等委員会設置会社へと移行し、平成27年4月より進めてきたグループ運営体制の改革が完了しました。これにより体制変更の目的である「事業会社の自立と成長」と「コア事業の強化」をさらに推進し、各事業会社の成長領域への経営資源の配分を進めました。

その結果、当連結会計年度の業績については、石油製品の販売数量が前年実績を上回ったことから、売上高は2,182億円(前年同期比4.4%増)となりました。また、太陽光発電所の分譲販売が好調に推移したものの、新規廃棄物処理施設並びにLPガス及び電力販売管理システムの開発にかかる投資が先行するなど経費が増加したことから、営業利益は29億円(前年同期比16.3%減)、経常利益は34億円(前年同期比19.9%減)となりました。しかしながら、当社及びグループ企業において複数の土地の売却や収用により特別利益6.1億円を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は25億円(前年同期比16.4%増)となりました。

なお、前年同期実績には、LPガスボンベの軒下在庫数量に係る見積り算定方法の変更の影響額7.7億円が含まれています。その結果、前連結会計年度の営業利益、経常利益は増加しましたが、当連結会計年度の実績に影響はありません。

セグメント別の事業の経過及び成果は以下のとおりです。

①エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)

前連結会計年度に引き続き小売顧客の拡大に取り組んだ結果、小売顧客軒数は純増しました。また、店舗の統廃合により卸・小売事業の連携とそれに伴うコスト低減が進みました。さらに、顧客に選ばれる総合エネルギーサービス企業として家庭向け電力販売事業を推進しました。

以上の結果、当連結会計年度におけるエネルギー卸・小売周辺事業の売上高は691億円(前年同期比1.5%減)、営業利益は15億円(前年同期比53.8%減)となりました。

なお、本セグメントの前年同期実績には、上記LPガスボンベの軒下在庫数量に係る見積り算定方法の変更の影響額が含まれています。

②エネルギーソリューション事業(BtoB事業)

石油事業では、市況の変化に対応した販売施策の実施により販売数量を拡大しました。法人向け電力販売事業では、官公庁や学校施設への電力供給を引き続き推進し、熊本県の公共施設へ新たに電力供給を開始しました。省エネソリューション事業では、太陽光発電所の分譲販売に加えて、工場排水のコスト低減やESCO方式によるソリューション提案の取り組みを強化しました。

以上の結果、当連結会計年度におけるエネルギーソリューション事業の売上高は1,419億円(前年同期比7.2%増)、営業利益は2.2億円(前年同期比230.8%増)となりました。

③非エネルギー及び海外事業

自転車事業のシナネンサイクル株式会社は、卸営業体制の強化や、東京、神奈川で小売チェーン「ダイシャリン」の新店舗開設により販売台数を伸ばしました。

環境・リサイクル事業の品川開発株式会社は、東京都江東区の総合産業廃棄物処理施設稼動により、従来の木質系廃棄物から取扱品目が大幅に増加しました。また、木質系産業廃棄物処理量を拡大させました。

抗菌事業の株式会社シナネンゼオミックは、新たに開発した消臭・吸着剤ダッシュライトシリーズの量産化技術を確立し、戦略商品として塗料や樹脂成型分野など幅広い分野で用途開発を進めました。

システム事業の株式会社ミノスは、電力自由化に対応する顧客管理システム(電力CIS)をリリースし、取引先とその顧客軒数を順調に増やしました。

以上の結果、当連結会計年度における非エネルギー及び海外事業の売上高は70億円(前年同期比7.6%増)、新規廃棄物処理施設並びにLPガス及び電力販売管理システムの開発にかかる投資が先行するなど経費が増加したことにより営業損失は1.7億円(前年同期は営業利益1億円)となりました。

 

また、純粋持株会社体制への移行に伴い、当社はグループ企業から経営管理・支援、商標権使用許諾による収入を得ており、これらは各セグメントではなく『調整額』(73、74ページ参照)に含まれています。この収入は純粋持株会社体制となって初めて通期のものとなっています。

以上の結果、売上高は1.6億円、営業利益は13億円となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、183億円(前年同期比8.6%減)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

①営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は、24億円(前期は33億円の収入)となりました。この主な要因は、売上債権の増加と仕入債務の増加によるものです。

②投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は、62億円(前期は40億円の支出)となりました。この主な要因は、固定資産の取得と新規連結子会社取得による支出によるものです。

③財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度において、財務活動の結果得られた資金は、21億円(前期は9.9億の支出)となりました。この主な要因は、短期借入金の増加額と長期借入れによる収入が、配当金の支払いと長期借入金の返済による支出を上回ったことによるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)

69,115

△1.5

エネルギーソリューション事業(BtoB事業)

141,908

7.3

非エネルギー及び海外事業

7,054

7.6

調整額

164

121.2

合計

218,242

4.4

 (注)上記金額には、消費税等が含まれていません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「エネルギーと住まいと暮らしのサービスで、地域すべてのお客様の快適生活に貢献する」ことを経営理念として、環境に優しいエネルギーを安全に、かつ安定的にお届けするとともに、お客様の快適な住まいと暮らしを実現することを目指します。同時にコンプライアンスの重視、地球環境への配慮などをグループ全体に浸透させながら、株主、取引先、地域社会、従業員等の利益を十分に考慮した経営に取り組んでまいります。

(2)目標とする経営指標

 事業経営の利益規模拡大及び株主資本の効率的な運用による投資効率の高い経営を目指すため、目標とする経営指標として連結営業利益とROE(自己資本当期純利益率)を採用し、平成32年3月期時点では連結営業利益48億円、ROE6.0%の達成を目標にしています。

(3)経営環境及び会社の対処すべき課題

 当社グループのコア事業である石油・ガス事業を取り巻く環境は、国内の人口減少や燃焼機器の省エネ性能向上により徐々に厳しさを増してきました。さらに電力・都市ガスの小売自由化により、市場は劇的に変化していくことが予想されます。また、世界的な温室効果ガス削減の枠組み「パリ協定」の採択に象徴されるように、環境に優しいエネルギーのニーズが高まりをみせています。

 当社は、こうした環境変化とお客様のニーズの変化に対応するため、エネルギー供給を目的とする会社から、地球環境に優しいエネルギー供給を手段とし、お客様の快適な住まいと暮らしを実現する「総合エネルギーサービス企業グループへの進化」を目指した新たな中期経営計画「第一次中期経営計画」を平成29年4月より実施していきます。

 

中期経営計画の概要

「第一次中期経営計画~総合エネルギーサービス企業グループへの進化~」

 

1.中期経営計画で目指す中期ビジョン

石油・ガス事業を中心としたエネルギー商社から、住まいと暮らしのサービス事業分野を拡充した「総合エネルギーサービス企業グループへの進化」。

2.グループ全体戦略

6つの成長戦略により、「総合エネルギーサービス企業グループへの進化」を図ります。

①経営方針の変革

厳しい経営環境において生き残っていくために、これまでの「単年度予算達成文化」をグループ視点・中長期的視点を踏まえた「中期経営計画達成文化」へと変革していきます。

②グループ収益構造改革

平成29年3月期のグループ営業利益構成比は、石油・ガス事業とその他の事業でみると8:2となっています。

石油・ガス事業の収益を維持しつつ、その他の事業を大きく成長させ、平成32年3月期時点では6:4へと収益構造を改革します。

③低コスト体質な企業グループへの変革

各事業会社が行う合理化施策に加え、グループのスケールメリットを発揮できる経費削減策を実施します。

④グループ経営機能・基盤強化

財務・経理、人事、IT、広報などの経営機能と、意思決定や業績管理の仕組みなどの経営基盤を強化していきます。

⑤資本効率の高い事業ポートフォリオへの変革

各事業の投資に対するリターンを正確に評価し、資本効率の高い事業ポートフォリオへと変革します。

⑥次世代経営人材の育成

中長期的な視野でグループの発展を牽引する次世代の経営人材育成プログラムを開始します。

3.平成32年3月期の業績目標

連結営業利益48億円

ROE 6.0%

 

 

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況並びに株価等(以下「業績等」という。)、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。

 なお、記載中、将来に関する事項は当連結会計年度末(平成29年3月31日)において判断したものであります。

 また、当社は、これらのリスク発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

(1)エネルギー業界をとりまく環境の変化

 当連結会計年度のエネルギー業界においては、原油価格の下落は前年度に底を打ち、緩やかな上昇傾向で推移しました。家庭向け需要は、11月の急激な冷え込みなどにより一時的に高まりをみせましたが、定着した節約志向の影響は大きく年間では減少しました。

 石油・ガス業界をとりまく環境は、供給側であるOPECの産油量動向や中東情勢、需要側では大消費国である米国、中国、インドなどの経済状況等が原油価格に大きな変動をもたらします。また、国内では環境意識の高まりや低炭素社会に向けた官民をあげての取り組みにより、エネルギーの節約志向は今後一層強まるものと考えられます。これら原油価格の変動や国内市況並びにエネルギー環境の変化等が当社グループの業績等に重要な影響を与える可能性があります。

(2)気温の変動によるリスク

 当社グループの主力となる事業はエネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)エネルギーソリューション事業(BtoB事業)(以下「エネルギー事業」という。)であり、全セグメントの売上高のうち9割以上を占めています。このエネルギー事業については、基本的には気温の変動によるリスクを有しており、なかでも石油部門の主力商品である民生用灯油については、冬が最需要期であり、夏の使用量と比較して著しい格差があります。このため、暖冬により冬場の灯油の消費量が減少した場合、販売計画に狂いが生じ、また価格にも影響を及ぼすなど、気温の変動が当社グループの販売実績及び業績等に重要な影響を与える可能性があります。

(3)エネルギー業界における競争の激化

 当社グループの属するエネルギー業界においては、規制緩和、環境問題、少子高齢化等の要因により、電力、石油、都市ガス、LPガス等の垣根を越えたエネルギー間競争が激化しています。「オール電化」「太陽光発電」「エネファーム」などのエコロジーと関連する商品群の開発・販売推進により、今後もこの傾向が続くものと予想されます。

 また、LPガス業界においては、LPガス消費者の獲得やそれに伴うLPガス価格の引き下げ等、同業者間の競争が激しくなっています。石油業界においても、ガソリンスタンド間の厳しい生き残り競争や民生用灯油の巡回販売、ホームセンター他の販売チャネル間の争い等、同業者間の激しい競争が続いています。

 こうしたエネルギー間競争及び同業者間競争の激化は、当社グループの業績等に重要な影響を与える可能性があります。

(4)取引先の信用リスク

 当社グループの販売形態には、卸売販売及び小売販売があります。主に卸売販売については掛売りをしており、平成29年3月末現在の「受取手形及び売掛金」の残高は256億円であります。

 これらの売上債権については、回収サイトの短縮化や、取引先の資金状況を勘案し一部現金による前受制により回収の早期化を図っています。また、コンピュータシステムによる与信等債権管理の徹底を行っています。さらに、当社グループは貸倒損失発生時に備え十分な引当金を計上していますが、予測不能な事態が生じた場合には、売上債権の回収に支障を来し、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

(5)外国為替変動リスク

 当社グループは、主に、国内において円建による取引を行っていますが、当社の石油製品の輸出入及び自転車の輸入、株式会社シナネンゼオミックの抗菌剤の輸出については一部外貨建で取引を行っています。このため、当社グループの業績が外国為替の変動に影響を受けることがあります。当社は、為替変動リスクを軽減するためヘッジ取引を行っていますが、必ずしもこれを完全に回避できるものではありません。

 また、主力商品である石油類及びLPガスについては主に国内元売会社から仕入れていますが、原油やLPガスの輸入価格が、為替の変動により間接的に当社グループの仕入価格に影響を及ぼすというリスクを有しています。

(6)固定資産の評価に関するリスク

 当社グループは、主にエネルギー事業に係る資産として、石油類卸売設備、LPガス充填設備及びガソリンスタンド設備並びにこれらの設備を使用するための土地を保有しており、有形固定資産の平成29年3月末現在の帳簿残高は298億円となっています。当社グループはこれまで非効率資産の売却を進め、財務体質の強化に努めています。

 設備投資につきましては、回収可能性を十分に検討したうえで実行し、定期的に回収可能額の評価を行いますが、その結果、新たに減損損失が発生するリスクを有しています。

(7)投資等に係る潜在的リスク

 当社グループは経営基盤の強化を図るため、子会社または関連会社の設立、外部との資本提携等を行っていく可能性があります。投資等にあたっては投資リスク等を勘案したうえで決定し、その後定期的に投資価値のチェックにより回収可能性の判断を行っています。その際、必要があれば回収不能額を見積もり、引当金等を計上する方針でありますが、投資先の経営成績及び財政状態が予想以上に悪化した場合には、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。

 また、当社は、取引の関係や提携の強化・円滑化を図る政策的な理由等から長期間保有している株式があります。これらの株式の一部については、減損処理を行っていますが、その後の投資先の経営成績及び財政状態並びに株価の推移等から投資価値は十分にあると認識しています。しかしながら、日本経済の動向及び海外情勢等に予測し難い事態が生じた場合には、株価下落により評価損が発生し、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

(8)新規事業に参入するリスク

 当社グループは、前連結会計年度に引き続き官公庁や学校施設への電力供給を推進し、熊本県の公共施設へ新たに電力供給を開始しました。

 省エネソリューション事業では、太陽光発電所の分譲販売に加えて、工場排水のコスト低減やESCO方式によるソリューション提案の取り組みを強化しました。

 環境・リサイクル事業の品川開発株式会社は、東京都江東区の総合産業廃棄物処理施設稼動により、従来の木質系廃棄物から取扱品目を大幅に増加させました。

 システム事業の株式会社ミノスは、電力自由化に対応する顧客管理システム(電力CIS)をリリースし、取引先とその顧客軒数を順調に増やしています。

 また、平成29年3月には建物維持管理事業のタカラビルメン株式会社の全株式を取得し、茨城県、千葉県、東京都、埼玉県を中心に、店舗、商業施設、医療機関、アパート・マンション等の建物維持管理事業を展開していくこととなりました。

 このように当社グループは、新規収益源の発掘・育成を積極的に推進していきますが、事業環境の変化によっては、新規事業が期待通りの成長を遂げられず、予想通りの収益を計上できない可能性があります。また、将来においてこれらの新規事業の業績が当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

(9)海外進出に潜在するリスク

 当社グループでは、株式会社シナネンゼオミックの製造する抗菌剤「ゼオミック」について、EPA(米国環境保護庁)及びFDA(米国食品医薬品局)等の認可を取得し、米国をはじめ欧州、中国、韓国及び東南アジア等に販売活動を進めています。新たなバイオサイド規制や厳格化している化学物質管理規制等への対処を進めていますが、予期しない法律または規制の改正によっては、当社グループの販売実績及び業績等に影響を与える可能性があります。

 以上のように当社グループは海外事業への進出も行っていますが、法律または関税等の貿易取引制度の改正、政治的・経済的変動、テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等のリスクが内在しています。

(10)石油・LPガス設備の保安等と環境汚染に関するリスク

 当社グループは、保安は全てに優先すると考え、石油及びLPガス販売に係る設備等について、関係諸法規及び内部規定に基づき定期的に厳格な保安監査を実施しています。また、石油設備については石油漏出による環境汚染事故を防止するため損害保険ジャパン日本興亜株式会社と共同でリスクファイナンスを含む総合リスクマネジメントを実施しています。しかしながら、これらの対策が石油及びLPガスの漏洩等の事故及びそれによる損失の可能性を無にするものではありません。

(11)製品の品質及び安全に関するリスク

 当社グループは、抗菌事業、環境・リサイクル事業、自転車等の輸入販売事業その他の事業において製造、販売をしています。製品の生産開始以来、品質管理には十分留意しており、製造物責任法(PL法)の施行後は、生産物責任賠償保険に加入し事故発生による費用負担の低減を図っています。また、消費生活用製品安全法に基づき、製品の安全な使用方法に関する周知徹底を図るとともに事故発生時の対応強化に努めています。

 しかしながら、今後大規模な製品回収や製造物責任が問われる不測の製品事故等が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

(12)個人情報の取扱いについて

 当社グループは、エネルギー事業に係るLPガス及び都市ガスの消費者データ、また、ガソリンスタンド利用者のカード決済用データに関する個人情報等を保有しています。このような個人情報等を保護するために、リスク・コンプライアンス委員会を設置するとともに、従業員等に向けた個人情報保護に関する教育プログラムの実施、生体認証システム及び暗号化等の情報セキュリティシステムの導入、各種規程の制定等を行っています。

 しかしながら、何らかの原因により個人情報が外部に漏洩した場合には、当社グループに対する信用が失われ、その結果、売上高の減少等により当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

(13)自然災害等に関するリスク

 当社グループは、石油卸売設備、LPガス充填設備及びガソリンスタンド設備等の資産を所有しています。これらの設備が大規模な台風、地震、津波、洪水等の自然災害等により被災した場合、正常な事業活動ができなくなり、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

 また、新型インフルエンザ等の大流行により当社グループが人的被害を受けた場合においても、正常な事業活動ができなくなり、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループの当連結会計年度における研究開発費は1億円であり、主として非エネルギー及び海外事業において研究・開発を行っています。

 連結子会社である株式会社シナネンゼオミックは、抗菌・殺菌技術と消臭・吸着技術の研究を行っています。

 抗菌・殺菌技術は、従来のプラスチックや塗料などへの抗菌添加剤だけでなく、水中や空気中の微生物抑制技術に拡張しています。

 また、ゼオミックを用いた抗ウィルス製品開発のため、研究設備と体制を整備し、自社による評価試験を開始しています。

 さらに、UV-LEDを利用した殺菌技術は、流水系と滞留水系のモジュール開発を進めており、平成28年度から新たに電解水による殺菌技術などの応用開発も始めています。

 消臭技術については、消臭剤のラインナップを7品番に拡充し、繊維製品の消臭加工だけでなく、樹脂臭や塗料臭を抑制する添加剤として応用の範囲が広がっています。

 また、吸着技術については、工業的に使用できる新たな吸着剤の開発を目指し、全く新しい多孔質材料を研究開発中で、商品開発を進めています。

 さらに、平成28年度は、従来には無かった大粒子ゼオライトの合成研究を進め、工業的に量産できる目処が立ち、重金属の吸着剤として、水処理用途に採用が期待できます。

 なお、これらの研究の取組み方は、独自の開発だけでなく、国内の産学共同や海外企業との研究活動も積極的に進めています。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)当連結会計年度の財政状態の分析

①流動資産

当連結会計年度における流動資産の残高は、584億円となり、前連結会計年度と比較して83億円増加いたしました。増加の主な要因は、原油価格の上昇等による商品価格の上昇に伴い売上債権が増加したこと及び棚卸資産のうち工事に係る仕掛品が増加したことによるものです。

②固定資産

当連結会計年度における固定資産の残高は、464億円となり前連結会計年度と比較して35億円増加いたしました。増加の主な要因は、新規連結子会社の増加によるのれんの増加、投資有価証券の購入及び保有する投資有価証券の時価上昇によるものです。

③流動負債

当連結会計年度における流動負債の残高は、424億円となり、前連結会計年度と比較して110億円増加いたしました。増加の主な要因は、商品価格の上昇に伴い仕入債務が増加したこと及び短期借入金の増加によるものです。

④固定負債

当連結会計年度における固定負債の残高は、117億円となり、前連結会計年度と比較して17億円減少いたしました。減少の主な要因は、当社及び一部の連結子会社が確定給付年金制度から確定拠出年金制度に移行したことに伴い、退職給付に係る負債が減少したことによるものです。

⑤純資産の部

当連結会計年度における純資産の残高は、506億円となり、前連結会計年度と比較して25億円増加いたしました。増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加によるものです

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

①売上高

当連結会計年度における売上高は、前年同期比4.4%増の2,182億円となりました。売上高の主な内訳をセグメント別でみると、下記のとおりであります。

エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)及びエネルギーソリューション事業(BtoB事業)におきましては、691億円(前年同期比1.5%減)、1,419億円(前年同期比7.2%増)となりました。

非エネルギー及び海外事業におきましては、70億円(前年同期比7.6%増)となりました。

②売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益

当連結会計年度において、売上総利益は、6億円増加したため前年同期比2.3%増の298億円となりました。なお、前連結会計年度の実績には、LPガスボンベの軒下在庫数量に係る見積り算定方法の変更の影響額7.7億円の増加が含まれています。

販売費及び一般管理費は、システム投資等先行投資の経費が増加したことから、前年同期比4.8%増の269億円、営業利益は前年同期比16.3%減の29億円となりました。

営業利益の主な内訳をセグメント別でみると、下記のとおりであります。

エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)におきましては、前年同期比53.8%減の15億円となりました。

なお、前連結会計年度では、LPガスボンベの軒下在庫数量に係る見積り算定方法の変更により、売上原価が7.7億円減少しており、同額が前連結会計年度の売上総利益で増加しています。

エネルギーソリューション事業(BtoB事業)におきましては、営業利益は2.2億円(前年同期比230.8%増)となりました。

非エネルギー及び海外事業におきましては、当連結会計年度における非エネルギー及び海外事業の新規廃棄物処理施設並びにLPガス及び電力販売管理システムの開発にかかる投資が先行するなど経費が増加したことにより営業損失は1.7億円(前年同期は営業利益1億円)となりました。

また、純粋持株会社体制への移行に伴い、当社はグループ企業から経営管理・支援、商標権使用許諾による収入を得ており、これらは各セグメントではなく『調整額』(73、74ページ参照)に含まれています。この収入は純粋持株会社体制となって初めて通期のものとなっています。

③営業外損益、経常利益

当連結会計年度における営業外収益は、受取利息及び受取配当金は増加しましたが、デリバティブ利益の減少により、前年同期比7.9%減の10億円となりました。また、当連結会計年度における営業外費用は、受取配当金に係る控除対象外源泉税が発生したことにより、前年同期比47.6%増の5.8億円となりました。

以上の結果、経常利益は前年同期比19.9%減の34億円となりました。

④特別損益、税金等調整前当期純利益

当連結会計年度における特別利益は、固定資産売却益、収用補償金等の発生により9.3億円となりました。

当連結会計年度における特別損失は固定資産除却損、減損損失等の発生により5.4億円となりました。

以上の結果、税金等調整前当期純利益は前年同期比12.5%増の38億円となりました。

(3)当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、183億円(前年同期8.6%減)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです

①営業活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は、24億円(前期は33億円の収入)となりました。この主な要因は、売上債権の増加と仕入債務の増加によるものです。

②投資活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は、62億円(前期は40億円の支出)となりました。この主な要因は、固定資産の取得と新規連結子会社取得による支出によるものです。

③財務活動によるキャッシュ・フロー

当連結会計年度において、財務活動の結果得られた資金は、21億円(前期は9.9億の支出)となりました。この主な要因は、短期借入金の増加額と長期借入れによる収入が、配当金の支払いと長期借入金の返済による支出を上回ったことによるものです。

 

なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。

 

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

自己資本比率(%)

47.8

52.7

51.8

48.3

時価ベースの自己資本比率(%)

26.4

32.7

30.4

26.1

キャッシュ・フロー
対有利子負債比率(年)

2.2

2.8

4.5

7.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

79.9

72.6

50.8

16.7