第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「エネルギーと住まいと暮らしのサービスで、地域すべてのお客様の快適生活に貢献する」ことを経営理念として、環境に優しいエネルギーを安全に、かつ安定的にお届けするとともに、お客様の快適な住まいと暮らしを実現することを目指します。同時にコンプライアンスの重視、地球環境への配慮などをグループ全体に浸透させながら、株主、取引先、地域社会、従業員等の利益を十分に考慮した経営に取り組んでまいります。

 

(2)経営環境

 当社グループのコア事業である石油・ガス事業を取り巻く環境は、国内の人口減少や燃焼機器の省エネ性能向上により徐々に厳しさを増してきました。さらに電力・都市ガスの小売自由化により、市場は劇的に変化していくことが予想されます。また、世界的な温室効果ガス削減の枠組み「パリ協定」の採択に象徴されるように、環境に優しいエネルギーのニーズが高まりをみせています。

 

(3)対処すべき課題

 当社は、こうした環境変化とお客様のニーズの変化に対応するため、エネルギー供給を目的とする会社から、地球環境に優しいエネルギー供給を手段とし、お客様の快適な住まいと暮らしを実現する「総合エネルギーサービス企業グループ」への進化を目指した新たな中期経営計画「第一次中期経営計画」を平成29年4月より実施してまいりました。

 今後の重点課題としては、石油・ガス事業のさらなる効率化を進め、また非石油・ガス事業への積極的な経営資源投資により連結の利益構成比を変革していくことだと考えています。

 そのため、石油・ガス事業ではM&Aによる顧客基盤の拡大や他社提携を含めた物流合理化施策を推進します。また、建物維持管理事業、シェアサイクル事業の規模拡大に向けた積極的な投資を行います。さらに、国外での事業活動本格化に向け、タイでのエネルギーソリューション事業、欧米・アジアでの抗菌事業、ブラジルでのバイオマス事業を早期に拡大し「グローバル総合エネルギーサービス企業グループ」への足掛かりとすることを目指します。

 

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況並びに株価等(以下「業績等」という。)、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。

 なお、記載中、将来に関する事項は当連結会計年度末(平成30年3月31日)において判断したものであります。

 また、当社は、これらのリスク発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

(1)エネルギー業界をとりまく環境の変化

 当連結会計年度のエネルギー業界においては、原油価格、プロパンCPともに緩やかな上昇傾向で推移しました。家庭・業務用プロパンガスの需要は前期と比較して需要期の平均気温が低く推移したことにより増加したものの、長期的には節約志向等の影響により需要は減少していく見込みです。

 石油・ガス業界をとりまく環境は、供給側であるOPECの産油量動向や中東情勢、需要側では大消費国である米国、中国、インドなどの経済状況等が原油価格に大きな変動をもたらします。また、国内では環境意識の高まりや低炭素社会に向けた官民をあげての取り組みにより、エネルギーの節約志向は今後一層強まるものと考えられます。これら原油価格の変動や国内市況並びにエネルギー環境の変化等が当社グループの業績等に重要な影響を与える可能性があります。

(2)気温の変動によるリスク

 当社グループの主力となる事業はエネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)エネルギーソリューション事業(BtoB事業)(以下「エネルギー事業」という。)であり、全セグメントの売上高のうち9割以上を占めています。このエネルギー事業については、基本的には気温の変動によるリスクを有しており、なかでも石油部門の主力商品である民生用灯油については、冬が最需要期であり、夏の使用量と比較して著しい格差があります。このため、暖冬により冬場の灯油の消費量が減少した場合、販売計画に狂いが生じ、また価格にも影響を及ぼすなど、気温の変動が当社グループの販売実績及び業績等に重要な影響を与える可能性があります。

(3)エネルギー業界における競争の激化

 当社グループの属するエネルギー業界においては、規制緩和、環境問題、少子高齢化等の要因により、電力、石油、都市ガス、LPガス等の垣根を越えたエネルギー間競争が激化しています。「オール電化」「太陽光発電」「エネファーム」などのエコロジーと関連する商品群の開発・販売推進により、今後もこの傾向が続くものと予想されます。

 また、LPガス業界においては、LPガス消費者の獲得やそれに伴うLPガス価格の引き下げ等、同業者間の競争が激しくなっています。石油業界においても、ガソリンスタンド間の厳しい生き残り競争や民生用灯油の巡回販売、ホームセンター他の販売チャネル間の争い等、同業者間の激しい競争が続いています。

 こうしたエネルギー間競争及び同業者間競争の激化は、当社グループの業績等に重要な影響を与える可能性があります。

(4)取引先の信用リスク

 当社グループの販売形態には、卸売販売及び小売販売があります。主に卸売販売については掛売りをしており、平成30年3月末現在の「受取手形及び売掛金」の残高は252億円であります。

 これらの売上債権については、回収サイトの短縮化や、取引先の資金状況を勘案し一部現金による前受制により回収の早期化を図っています。また、コンピュータシステムによる与信等債権管理の徹底を行っています。さらに、当社グループは貸倒損失発生時に備え十分な引当金を計上していますが、予測不能な事態が生じた場合には、売上債権の回収に支障を来し、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

(5)外国為替変動リスク

 当社グループは、主に、国内において円建による取引を行っていますが、当社の石油製品の輸出入及び自転車の輸入、株式会社シナネンゼオミックの抗菌剤の輸出については一部外貨建で取引を行っています。このため、当社グループの業績が外国為替の変動に影響を受けることがあります。当社は、為替変動リスクを軽減するためヘッジ取引を行っていますが、必ずしもこれを完全に回避できるものではありません。

 また、主力商品である石油類及びLPガスについては主に国内元売会社から仕入れていますが、原油やLPガスの輸入価格が、為替の変動により間接的に当社グループの仕入価格に影響を及ぼすというリスクを有しています。

(6)固定資産の評価に関するリスク

 当社グループは、主にエネルギー事業に係る資産として、石油類卸売設備、LPガス充填設備及びガソリンスタンド設備並びにこれらの設備を使用するための土地を保有しており、有形固定資産の平成30年3月末現在の帳簿残高は301億円となっています。当社グループはこれまで非効率資産の売却を進め、財務体質の強化に努めています。

 設備投資につきましては、回収可能性を十分に検討したうえで実行し、定期的に回収可能額の評価を行いますが、その結果、新たに減損損失が発生するリスクを有しています。

(7)投資等に係る潜在的リスク

 当社グループは経営基盤の強化を図るため、子会社または関連会社の設立、外部との資本提携等を行っていく可能性があります。投資等にあたっては投資リスク等を勘案したうえで決定し、その後定期的に投資価値のチェックにより回収可能性の判断を行っています。その際、必要があれば回収不能額を見積もり、引当金等を計上する方針でありますが、投資先の経営成績及び財政状態が予想以上に悪化した場合には、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。

 また、当社は、取引の関係や提携の強化・円滑化を図る政策的な理由等から長期間保有している株式があります。これらの株式の一部については、減損処理を行っていますが、その後の投資先の経営成績及び財政状態並びに株価の推移等から投資価値は十分にあると認識しています。しかしながら、日本経済の動向及び海外情勢等に予測し難い事態が生じた場合には、株価下落により評価損が発生し、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

(8)新規事業に参入するリスク

 当社グループは、前連結会計年度に引き続き官公庁や学校施設への電力供給を推進しています。

 省エネソリューション事業では、太陽光発電所の分譲販売に加えて、工場排水のコスト低減やESCO方式によるソリューション提案の取り組みを強化しました。

 環境・リサイクル事業の品川開発株式会社は、東京都江東区の総合産業廃棄物処理施設稼動に伴い、従来の木質系廃棄物から取扱品目を大幅に増加させました。

 システム事業の株式会社ミノスは、電力自由化に対応する顧客管理システム(電力CIS)をリリースし、取引先とその顧客軒数を順調に増やしています。

 このように当社グループは、新規収益源の発掘・育成を積極的に推進していきますが、事業環境の変化によっては、新規事業が期待通りの成長を遂げられず、予想通りの収益を計上できない可能性があります。また、将来においてこれらの新規事業の業績が当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

(9)海外進出に潜在するリスク

 当社グループでは、株式会社シナネンゼオミックの製造する抗菌剤「ゼオミック」について、EPA(米国環境保護庁)及びFDA(米国食品医薬品局)等の認可を取得し、米国をはじめ欧州、中国、韓国及び東南アジア等に販売活動を進めています。新たなバイオサイド規制や厳格化している化学物質管理規制等への対処を進めていますが、予期しない法律または規制の改正によっては、当社グループの販売実績及び業績等に影響を与える可能性があります。

 以上のように当社グループは海外事業への進出も行っていますが、法律または関税等の貿易取引制度の改正、政治的・経済的変動、テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等のリスクが内在しています。

(10)石油・LPガス設備の保安等と環境汚染に関するリスク

 当社グループは、保安は全てに優先すると考え、石油及びLPガス販売に係る設備等について、関係諸法規及び内部規定に基づき定期的に厳格な保安監査を実施しています。また、石油設備については石油漏出による環境汚染事故を防止するため損害保険ジャパン日本興亜株式会社と共同でリスクファイナンスを含む総合リスクマネジメントを実施しています。しかしながら、これらの対策が石油及びLPガスの漏洩等の事故及びそれによる損失の可能性を無にするものではありません。

(11)製品の品質及び安全に関するリスク

 当社グループは、抗菌事業、環境・リサイクル事業、自転車等の輸入販売事業その他の事業において製造、販売をしています。製品の生産開始以来、品質管理には十分留意しており、製造物責任法(PL法)の施行後は、生産物責任賠償保険に加入し事故発生による費用負担の低減を図っています。また、消費生活用製品安全法に基づき、製品の安全な使用方法に関する周知徹底を図るとともに事故発生時の対応強化に努めています。

 しかしながら、今後大規模な製品回収や製造物責任が問われる不測の製品事故等が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

(12)個人情報の取扱いについて

 当社グループは、エネルギー事業に係るLPガス及び都市ガスの消費者データ、また、ガソリンスタンド利用者のカード決済用データに関する個人情報等を保有しています。このような個人情報等を保護するために、リスク・コンプライアンス委員会を設置するとともに、従業員等に向けた個人情報保護に関する教育プログラムの実施、生体認証システム及び暗号化等の情報セキュリティシステムの導入、各種規程の制定等を行っています。

 しかしながら、何らかの原因により個人情報が外部に漏洩した場合には、当社グループに対する信用が失われ、その結果、売上高の減少等により当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

(13)自然災害等に関するリスク

 当社グループは、石油卸売設備、LPガス充填設備及びガソリンスタンド設備等の資産を所有しています。これらの設備が大規模な台風、地震、津波、洪水等の自然災害等により被災した場合、正常な事業活動ができなくなり、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

 また、新型インフルエンザ等の大流行により当社グループが人的被害を受けた場合においても、正常な事業活動ができなくなり、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善により個人消費は持ち直しがみられ、景気及び企業収益は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら先行きについては、海外情勢の不安や金融資本市場の変動等、景気を下押しするリスクもあり、不透明な状況が続きました。

国内エネルギー業界においては、原油価格、プロパンCPともに緩やかな上昇傾向で推移しました。家庭・業務用プロパンガスの需要は前期と比較して需要期の平均気温が低く推移したことにより増加したものの、長期的には節約志向等の影響により需要は減少していく見込みです。

このような環境の中、当社は「第一次中期経営計画~総合エネルギーサービス企業グループへの進化~」の1年目となる当連結会計年度において、非石油・ガス事業の拡大による収益構造の改革や、成長事業への積極投資による資本効率の高い事業ポートフォリオへの変革に取り組みました。

その結果、当連結会計年度の業績については、売上高2,443億円(前年同期比12.0%増)、営業利益は33億円(前年同期比14.1%増)、経常利益は39億円(前年同期比15.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は28億円(前年同期比10.9%増)となりました。

セグメントごとの経営成績等は次のとおりです。

『エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)』においては、石油・ガス事業では前期に引き続きM&Aを中心としたガス卸・小売の事業基盤拡大に取り組みました。また、卸・小売の連携を進めるとともに店舗の統廃合や物流の合理化によるコスト低減を進めました。住まいと暮らしの事業では、家庭向け電力販売の契約軒数を順調に拡大したほか、13.4MWの太陽光発電設備の設置工事等を進めました。

以上の結果、当連結会計年度におけるエネルギー卸・小売周辺事業の売上高は834億円(前年同期比20.8%増)、営業利益は20億円(前年同期比30.8%増)となりました。

『エネルギーソリューション事業(BtoB事業)』においては、石油事業では、市況の変化に対応した仕入・販売施策を実施しました。太陽光メンテナンス事業では、改正FIT法に対応した新たなメンテナンスプランで顧客の拡大に取り組みました。一方で高圧電力販売事業では、競争激化により収益が減少しました。また、日本で培ったエネルギーソリューション事業の海外展開に向け、タイに現地法人を設立しました。

以上の結果、当連結会計年度におけるエネルギーソリューション事業の売上高は1,486億円(前年同期比4.8%増)、営業利益は1.7億円(前年同期比22.0%減)となりました。

『非エネルギー及び海外事業』においては、自転車事業のシナネンサイクル株式会社は、日本の新しい交通インフラを構築するためにシェアサイクル事業を開始しました。自社で運営するシェアサイクルブランド「ダイチャリ」では、関東エリアを中心に大手コンビニエンスストア等で開設を進め、3月末時点で205カ所に自転車544台を設置しました。今後は関西・九州エリアなどにも事業を展開していく計画です。また、他のシェアサイクル運営事業者の開拓、自転車の供給、メンテナンス体制の構築を進めました。

環境・リサイクル事業の品川開発株式会社は、東京都江東区の総合産業廃棄物処理施設稼動に伴い、新規取引の拡大を推進しました。

抗菌事業の株式会社シナネンゼオミックは、水処理分野向け新製品の投入、繊維分野での大型新規案件の獲得など抗菌事業の拡大を進めました。また、抗菌剤専業から消臭・吸着剤ダッシュライトなど機能性材料の開発へと事業領域を拡大するとともに、海外各国の諸規制に対応し、欧州、インド、ASEAN諸国への進出基盤の構築を推進しました。

システム事業の株式会社ミノスは、電力自由化に対応する顧客管理システム(電力CIS)、LPガス販売管理システム等の拡販を進めました。電力CISの管理顧客件数は前年同期比で291%、LPガス販売管理システム等の管理顧客件数は前年同期比で122%に拡大しました。

建物維持管理事業のタカラビルメン株式会社は、今期より新たに取引を開始した病院、斎場の運営支援業務が収益に貢献しました。また、関東全域への事業展開に向けた営業体制の強化を図りました。

ブラジルのバイオマス事業では、多年草CAPIMを活用した民生用炭を商品化し、現地小売店と販売交渉を進めました。

以上の結果、当連結会計年度における非エネルギー及び海外事業の売上高は120億円(前年同期比70.5%増)、営業利益は7千万円(前年同期は営業損失1.7億円)となりました。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、72億円(前連結会計年度末比60.6%減)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は、54億円(前年同期は24億円の収入)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益、減価償却費の計上、たな卸資産の減少及び前受金の減少によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は、12億円(前年同期は62億円の支出)となりました。この主な要因は、固定資産の取得と新規連結子会社取得による支出が、投資有価証券売却による収入を上回ったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は、152億円(前年同期は21億円の収入)となりました。この主な要因は、自己株式の取得と配当金の支払い、短期借入金及び長期借入金の返済によるものです。

 

なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。

 

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

平成30年3月期

自己資本比率(%)

52.7

51.8

48.3

50.0

時価ベースの自己資本比率(%)

32.7

30.4

26.1

30.2

キャッシュ・フロー
対有利子負債比率(年)

2.8

4.5

7.3

2.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

72.6

50.8

16.7

43.5

 自己資本比率:自己資本/総資産

 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

 a.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。

 b.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式を除く)により算出しています。

 c.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用

  し、利払いは同計算書の利息の支払額を使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されて

 いる借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーの合計額を対象としています。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)

83,465

20.8

エネルギーソリューション事業(BtoB事業)

148,687

4.8

非エネルギー及び海外事業

12,029

70.5

調整額

187

14.2

合計

244,370

12.0

 (注)上記金額には、消費税等が含まれていません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①概観

当社の経営者は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの動向を検討するうえで、第一次中期経営計画において、営業利益とROE(自己資本利益率)を重要な経営指標として位置付けています。

営業利益を重要な経営指標としている理由は次のとおりです。当社は、平成27年10月より持株会社体制に移行しました。それにより当社グループは、エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)、非エネルギー及び海外事業の三つの事業セグメントからなるグループ企業群に分類される体制となっています。企業経営にとって経常利益も重要な経営指標のひとつではありますが、グループ企業の資金調達に関しては当社が統括していることもあり、グループ企業がそれぞれの事業から直接得られる収益として営業利益をより重要な指標であると考えています。なお、第一次中期経営計画の最終年度(平成32年3月期)における営業利益の目標値は48億円としています。

次に、ROEを重要な経営指標としている理由は次のとおりです。当社は、平成26年8月に経済産業省より公表されたいわゆる「伊藤レポート」に基づき、資本効率を意識した企業価値経営への転換を図り、長期的な株主価値の向上に結び付けていくべきであると考えています。また、営業利益を重要な経営指標としていることを補完する意味で、資本効率に基づく指標としても重要な経営指標と考えます。当期のROEは5.9%となりましたが、伊藤忠エネクス株式会社(以下「伊藤忠エネクス」といいます。)との株式の相互保有の解消により、伊藤忠エネクスが保有する当社株式を自己株式として買い受けたことと、特別利益として投資有価証券売却益が計上されたことが主たる要因です。なお、第一次中期経営計画の最終年度(平成32年3月期)におけるROEの目標値は6.0%としています。

また、重要な経営指標の推移は下記のとおりです。

 

 

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

平成30年3月期

営業利益(億円)

17

35

29

33

ROE(%)

3.1

4.7

5.2

5.9

売上高当期純利益率(%)

0.5

1.1

1.2

1.2

総資産回転率(回)

3.0

2.3

2.2

2.5

財務レバレッジ(倍)

2.0

1.9

2.0

2.0

 

 

第一次中期経営計画の概要

「第一次中期経営計画~総合エネルギーサービス企業グループへの進化~」

 

1.中期経営計画で目指す中期ビジョン

石油・ガス事業を中心とした「エネルギー商社」から、住まいと暮らしのサービス事業分野を拡充した「総合エネルギーサービス企業グループへの進化」。

 

2.グループ全体戦略

6つの成長戦略により、総合エネルギーサービス企業グループへの進化を図ります。

①経営方針の変革

厳しい経営環境において生き残っていくために、これまでの「単年度予算達成文化」をグループ視点・中長期的視点を踏まえた「中期経営計画達成文化」へと変革していきます。

②グループ収益構造改革

平成29年3月期のグループ営業利益構成比は、石油・ガス事業とその他の事業でみると8:2となっています。

石油・ガス事業の収益を維持しつつ、その他の事業を大きく成長させ、平成32年3月期時点では6:4へと収益構造を改革します。

③低コスト体質な企業グループへの変革

各事業会社が行う合理化施策に加え、グループのスケールメリットを発揮できる経費削減策を実施します。

④グループ経営機能・基盤強化

財務・経理、人事、IT、広報などの経営機能と、意思決定や業績管理の仕組みなどの経営基盤を強化していきます。

 

⑤資本効率の高い事業ポートフォリオへの変革

各事業の投資に対するリターンを正確に評価し、資本効率の高い事業ポートフォリオへと変革します。

⑥次世代経営人材の育成

中長期的な視野でグループの発展を牽引する次世代の経営人材育成プログラムを開始します。

 

3.平成32年3月期の業績目標

連結営業利益48億円

ROE 6.0%

 

②経営者による財政状態の分析

当社グループの当連結会計年度における総資産の額は、936億円となり、前連結会計年度と比較して、112億円減少いたしました。その主な要因は、自己株式の取得及び借入金の返済による現金及び預金が減少したことによるものです。

 流動資産

当連結会計年度末における流動資産の残高は466億円となり、前連結会計年度末と比較して117億円減少いたしました。減少した主な要因は、自己株式の取得及び借入金の返済による現金及び預金の減少が111億円、新規連結会社の増加、原油価格、プロパンCP上昇による商品及び製品が21億円増加、太陽光発電設備工事の完工による仕掛品の減少が22億円となったことにあります。

 固定資産

当連結会計年度末における固定資産の残高は469億円となり、前連結会計年度末と比較して5.1億円増加いたしました。増加した主な要因は、建物及び構築物、機械装置及び運搬具の減価償却が進み4.1億円減少したこと、品川開発株式会社の新しいリサイクルセンター建設等建設仮勘定が4.2億円増加、営業権買収により長期前払費用が3.2億円増加したこと、また積極的なM&Aによりのれんが2.2億円増加したことにあります。

 流動負債

当連結会計年度末における流動負債の残高は351億円となり、前連結会計年度末と比較して72億円減少いたしました。

減少した主な要因は、有利子負債の圧縮に積極的に取り組み、短期借入金が68億円減少、太陽光発電設備工事の完工により当該工事の前受金が28億円減少した、一方、原油価格、プロパンCP上昇による支払手形及び買掛金が4.0億円増加したことにあります。

 固定負債

当連結会計年度末における固定負債の残高は115億円となり、前連結会計年度末と比較して1.0億円減少いたしました。減少した主な要因は、有利子負債の圧縮を進め、長期借入金が4.4億円減少し、一方、繰延税金負債と相殺する繰延税金資産が減少したことにより繰延税金負債が3.9億円増加したことにあります。

 純資産

当連結会計年度末における純資産の残高は468億円となり、前連結会計年度末と比較して38億円減少いたしました。減少した主な要因は、自己株式を取得したことにあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

③経営者による経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高2,443億円(前年同期比12.0%増)、営業利益33億円(前年同期比14.1%増)、経常利益39億円(前年同期比15.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益28億円(前年同期比10.9%増)となりました。

 

 売上高

当連結会計年度及び前連結会計年度におけるセグメント別の売上高及び増減は以下のとおりです。

(単位:億円)

 

前期

当期

増減

エネルギー卸・小売周辺事業

691

834

143

エネルギーソリューション事業

1,419

1,486

67

非エネルギー及び海外事業

70

120

49

その他・調整額

1

1

0

連結合計

2,182

2,443

261

エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の売上高が増加した要因は、販売数量に大きな変化はなかった(ガスの数量は微増、石油類は微減)ものの、原油価格やプロパンCPの上昇を受けた販売単価アップによる価格効果によるところが大きくなっています。また、家庭向け電力販売の契約軒数が順調に拡大したほか、13.4MWの太陽光発電設備の設置工事等も寄与しました。

国内エネルギー業界は、人口減少やさらなる省エネ機器の普及など、外部環境は今後とも厳しい状況が続きますが、引き続きM&Aを中心にガス・石油類の卸・小売の事業基盤の拡大に取り組んでまいります。

エネルギーソリューション事業(BtoB事業)の売上高が増加した要因は、ガソリンや重油といった石油製品の販売数量が落ち込んだものの、プロパンガスの販売数量が好調だったこと、エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)と同様に原料価格の上昇に伴う販売単価アップの影響が寄与しました。

非エネルギー及び海外事業の売上高が増加した要因は、抗菌事業の株式会社シナネンゼオミックの海外売上増、環境・リサイクル事業の品川開発株式会社の新木場リサイクルセンターの稼働、平成29年3月に建物維持管理事業のタカラビルメン株式会社をグループ化したことなどによります。

 売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は、315億円となり、前連結会計年度から17億円(5.7%増)増加しました。石油元売りの統合の影響もあり、灯油、ガソリンの差益率の改善が大きく影響しています。

 販売費及び一般管理

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は282億円で、前連結会計年度の269億円と比べて、13億円増加しています。増加した主な要因は、新規連結会社の増加により人件費が6.9億円の増加、のれんの償却費が2.2億円増加したものであります。一方、運送費は1.9億円減少しています。

 営業利益

当連結会計年度及び前連結会計年度におけるセグメント別の営業利益及び増減は以下のとおりです。

(単位:億円)

 

前期

当期

増減

エネルギー卸・小売周辺事業

15

20

4

エネルギーソリューション事業

2

1

△0

非エネルギー及び海外事業

△1

0

2

その他・調整額

13

10

△2

連結合計

29

33

4

エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の営業利益が増加した要因は、店舗の統廃合や物流の合理化によるコスト低減を進めたほか、13.4MWの太陽光発電設備の設置工事の利益や在庫評価の影響などによります。

エネルギーソリューション事業(BtoB事業)の営業利益が減少した要因は、高圧電力の競争激化のほか、一部の太陽光発電プロジェクトが次年度以降ずれ込んだ影響も受けました。

非エネルギー及び海外事業の営業利益が増加した要因は、抗菌事業の株式会社シナネンゼオミックが海外向けで好調なこと、システム事業の株式会社ミノスが黒字化したこと、建物維持管理事業がタカラビルメン株式会社を筆頭に増益となったことなどによります。

その他・調整額は、持株会社体制への移行に伴い、当社はグループ企業から経営管理・支援、商標権使用許諾による収入を得ており、これらは各セグメントではなく「調整額」に含まれています。

 営業外収益及び営業外費用

当連結会計年度の営業外収益は10億円で、前連結会計年度とほぼ同額となりました。その内訳は、受取配当金1.7億円、権利譲渡益1.3億円、その他受取利息等となっています。

また、当連結会計年度の営業外費用は4.1億円で、前連結会計年度の5.8億円と比べて、1.6億円減少しました。その要因は、前連結会計年度には控除対象外源泉税が1.8億円計上されていたことによります。

 経常利益

当連結会計年度の経常利益は、上記営業利益、営業外損益の影響により39億円となり、前連結会計年度の34億円から5.2億円増加しました。

 特別利益及び特別損失

当連結会計年度の特別利益は12億円で、前連結会計年度の9.3億円と比べて、3.3億円増加しました。その内訳は、投資有価証券の売却益12億円で、そのほとんどを伊藤忠エネクス株式の売却益が占めます。

当連結会計年度の特別損失は4.6億円で、前連結会計年度の5.4億円と比べて、8千万円減少しています。その内訳は、固定資産除却損が1.6億円減少したほか、損害補償損失が9千万円計上されたことなどであります。

 税金等調整前当期純利益

上記の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は47億円で、前連結会計年度の38億円と比べて、9.4億円増加しました。

 法人税等

当連結会計年度の法人税等は18億円で、前連結会計年度の12億円と比べて、6.6億円増加しています。税金等調整前当期純利益に対する負担率は、当連結会計年度が39.8%、前連結会計年度が32.2%で、7.6ポイント増加しました。その要因は、新規連結会社の増加によるのれん償却額の増加であります。

 親会社株主に帰属する当期純利益

以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は28億円となり、前連結会計年度の25億円と比べ、2.8億円の増加となりました。

④経営者によるキャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末の183億円に比べ、110億円減少し、72億円となりました。その主な要因は、短期借入金の返済と自己株式の取得によります。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動により得られた資金は54億円で、前連結会計年度と比較しますと29億円の増加となりました。

当連結会計年度で得られた資金54億円の主な内容は、法人税等調整前当期純利益が47億円、減価償却費が28億円、たな卸資産の減少が13億円でありました。一方、前受金の減少が31億円ありました。

 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は12億円で、前連結会計年度と比較しますと49億円の支出減少となりました

当連結会計年度で使用した12億円の主な内容は、固定資産の取得による支出が17億円、新規の子会社株式及び出資金の取得による支出が13億円でありました。一方、投資有価証券の売却による収入が17億円ありました。

 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は152億円で、前連結会計年度が21億円の収入であったことから、173億円の支出増加となりました。

当連結会計年度で使用した152億円の主な内容は、短期借入金の返済による支出が68億円、長期借入金の返済による支出が17億円、自己株式の取得による支出が54億円、配当金の支払額が13億円でありました。

なお、キャッシュ・フロー指標の推移は下記のとおりです。

 

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

平成30年3月期

自己資本比率(%)

52.7

51.8

48.3

50.0

時価ベースの自己資本比率(%)

32.7

30.4

26.1

30.2

キャッシュ・フロー

対有利子負債比率(年)

2.8

4.5

7.3

2.0

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

72.6

50.8

16.7

43.5

当連結会計年度末における連結ベースの資金は72億円となりました。前連結会計年度末から110億円減少したものですが、それにより直ちに資金不足に陥るものではありません。しかしながら、第一次中期経営計画に掲げているグループ収益構造の改革や事業ポートフォリオへの変革に向けた積極投資やM&Aで今後とも継続した資金需要が見込まれています。

それらの資金調達にあたりましては、社債の発行、新たな借入金、自己株式の活用など状況に応じて多様な資金調達ができる体制を整えています。

 

 

 

4【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループの当連結会計年度における研究開発費は1億円であり、主として非エネルギー及び海外事業において研究・開発を行っています。

 連結子会社である株式会社シナネンゼオミックは、抗菌・殺菌技術と消臭・吸着技術の研究を行っています。

 抗菌・殺菌技術は、基幹商品であるゼオミックを用いた従来のプラスチックや塗料などの汎用製品の抗菌加工だけでなく、ゼオミックの高度な安全性の下、医療製品にも応用され始め、用途の拡大を目指し継続的に開発を進めています。

 抗菌・殺菌技術については、水中の微生物抑制にもゼオミックは応用されており、水タンクを有する家電製品や、大型加湿空調の微生物対策として実用化され、農業や漁業分野についても具体的なフィールド試験を実施しています。

 さらに、新たな殺菌手法も導入して、具体的な水中殺菌技術の用途開発に向けて、UV-LEDを搭載した殺菌モジュールや、電解水技術を利用した殺菌モジュールを開発中で各々平成31年度の実用化を目指しています。

 また、ゼオミックを用いた抗ウィルス製品開発のため、自社によるウィルス評価試験の設備と体制を準備しています。

 消臭技術については、消臭剤ダッシュライトのラインナップを7品番に拡充し、繊維製品の消臭加工だけでなく、樹脂臭や塗料臭を抑制する添加剤として応用範囲を広げています。

 一方、吸着技術については、従来には無かった大粒子ゼオライトの合成研究を進め、工業的に量産できる目処が立ち、重金属の吸着剤として実用化されつつあります。また、コンクリート補修剤に使用できる新たな吸着剤の工業化にも着手し、平成29年度から、自前のゼオライト技術を自動車触媒の製造技術に応用すべく、学会等の研究活動にも参画を始めました。

 なお、これらの研究の取組み方は、独自の開発だけでなく、国内の産学共同や海外企業との研究活動も積極的に進めています。