文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「エネルギーと住まいと暮らしのサービスで、地域すべてのお客様の快適生活に貢献する」ことを経営理念として、環境に優しいエネルギーを安全に、かつ安定的にお届けするとともに、お客様の快適な住まいと暮らしを実現することを目指します。同時にコンプライアンスの重視、地球環境への配慮などをグループ全体に浸透させながら、株主、取引先、地域社会、従業員等の利益を十分に考慮した経営に取り組んでまいります。
(2)経営環境
当社グループのコア事業である石油・ガス事業を取り巻く環境は、国内人口の減少、省エネ機器の普及、節約志向の高まり等により引き続き厳しい状況が続いております。さらに電力・都市ガス小売の全面自由化により、市場構造が大きく変化し、競争が激化しています。
(3)対処すべき課題
〔コーポレートガバナンスの強化〕
当社連結子会社において、不適切な会計処理が行われていたことが判明いたしました。これを受け設置した特別調査委員会による最終の調査報告書の提言を踏まえ、再発防止策を策定し、内部統制上の改善に取り組み、コーポレートガバナンスの強化及びコンプライアンスの徹底を行ってまいります。
〔事業改革〕
当社は、経営環境変化とお客様のニーズの変化に対応するため、エネルギー供給を目的とする会社から、地球環境に優しいエネルギー供給を手段とし、お客様の快適な住まいと暮らしを実現する「総合エネルギーサービス企業グループへの進化」を目指した中期経営計画「第一次中期経営計画」を2017年4月より実施してまいりました。
今後の重点課題としては、石油・ガス事業の更なる効率化を進め、また非石油・ガス事業への積極的な経営資源投資により、次世代のコアとなり得る事業を開拓し、連結の利益構成比を変革していくことだと考えています。
そのため、石油・ガス事業では競争力を維持するため、M&Aによる顧客基盤の拡大や他社提携を含めた物流合理化施策などのコスト効率化を推進します。また、建物維持管理事業、シェアサイクル事業の事業拡大に向けた投資を行うほか、新規事業開発に向けた取り組みを進めています。さらに、国内に限らず、国外での事業活動本格化に向け、アジアでのエネルギーソリューション事業、再生可能エネルギー事業、欧米・アジアでの抗菌事業、ブラジルでのバイオマス事業を早期に拡大し「グローバル総合エネルギーサービス企業グループ」への足掛かりとすることを目指します。
〔働き方改革〕
当社グループでは人材が重要な財産であると考え、「働き方改革」を推進しています。長時間労働の是正については、グループ各社で取り組みが実施されています。さらに抜本的な業務の改善・改革を推し進め、労働の効率性を高め、生産性を向上させることが競争優位性を築くものと考えています。加えて、次世代人材の育成を目的に、将来の成長戦略を担える人材を輩出できるよう、複数の「選抜型経営人材育成計画」を立ち上げました。
当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況並びに株価等(以下「業績等」という。)、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。
なお、記載中、将来に関する事項は当連結会計年度末(2019年3月31日)において判断したものであります。
また、当社は、これらのリスク発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
(1)エネルギー業界をとりまく環境の変化
当連結会計年度の国内エネルギー業界においては、原油価格、プロパンCPともに10月まで上昇傾向で推移しましたが、11月以降下落に転じ、年度末にかけて若干持ち直しました。一方で、国内人口の減少、省エネ機器の普及、節約志向の高まり等に加え、当期は平年を上回る気温が続いたことから、家庭・業務用プロパンガスの需要は減少しています。
石油・ガス業界をとりまく環境は、供給側であるOPECの産油量動向や中東情勢、需要側では大消費国である米国、中国、インドなどの経済状況等が原油価格に大きな変動をもたらします。また、国内では環境意識の高まりや低炭素社会に向けた官民をあげての取り組みにより、エネルギーの節約志向は今後一層強まるものと考えられます。これら原油価格の変動や国内市況並びにエネルギー環境の変化等が当社グループの業績等に重要な影響を与える可能性があります。
(2)気温の変動によるリスク
当社グループの主力となる事業はエネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)(以下「エネルギー事業」という。)であり、全セグメントの売上高のうち9割以上を占めています。このエネルギー事業については、基本的には気温の変動によるリスクを有しており、なかでも石油部門の主力商品である民生用灯油については、冬が最需要期であり、夏の使用量と比較して著しい格差があります。このため、暖冬により冬場の灯油の消費量が減少した場合、販売計画に狂いが生じ、また価格にも影響を及ぼすなど、気温の変動が当社グループの販売実績及び業績等に重要な影響を与える可能性があります。
(3)エネルギー業界における競争の激化
当社グループの属するエネルギー業界においては、規制緩和、環境問題、少子高齢化等の要因により、電力、石油、都市ガス、LPガス等の垣根を越えたエネルギー間競争が激化しています。「オール電化」「太陽光発電」「エネファーム」などのエコロジーと関連する商品群の開発・販売推進により、今後もこの傾向が続くものと予想されます。
また、LPガス業界においては、LPガス消費者の獲得やそれに伴うLPガス価格の引き下げ等、同業者間の競争が激しくなっています。石油業界においても、ガソリンスタンド間の厳しい生き残り競争や民生用灯油の巡回販売、ホームセンター他の販売チャネル間の争い等、同業者間の激しい競争が続いています。
こうしたエネルギー間競争及び同業者間競争の激化は、当社グループの業績等に重要な影響を与える可能性があります。
(4)取引先の信用リスク
当社グループの販売形態には、卸売販売及び小売販売があります。主に卸売販売については掛売りをしており、2019年3月末現在の「受取手形及び売掛金」の残高は251億円であります。
これらの売上債権については、回収サイトの短縮化や、取引先の資金状況を勘案し一部現金による前受制により回収の早期化を図っています。また、コンピュータシステムによる与信等債権管理の徹底を行っています。さらに、当社グループは貸倒損失発生時に備え十分な引当金を計上していますが、予測不能な事態が生じた場合には、売上債権の回収に支障を来し、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(5)外国為替変動リスク
当社グループは、主に、国内において円建による取引を行っていますが、当社の石油製品の輸出入及び自転車の輸入、株式会社シナネンゼオミックの抗菌剤の輸出については一部外貨建で取引を行っています。このため、当社グループの業績が外国為替の変動に影響を受けることがあります。当社は、為替変動リスクを軽減するためヘッジ取引を行っていますが、必ずしもこれを完全に回避できるものではありません。
また、主力商品である石油類及びLPガスについては主に国内元売会社から仕入れていますが、原油やLPガスの輸入価格が、為替の変動により間接的に当社グループの仕入価格に影響を及ぼすというリスクを有しています。
(6)固定資産の評価に関するリスク
当社グループは、主にエネルギー事業に係る資産として、石油類卸売設備、LPガス充填設備及びガソリンスタンド設備並びにこれらの設備を使用するための土地を保有しており、有形固定資産の2019年3月末現在の帳簿残高は286億円となっています。当社グループはこれまで非効率資産の売却を進め、財務体質の強化に努めています。
設備投資につきましては、回収可能性を十分に検討したうえで実行し、定期的に回収可能額の評価を行いますが、その結果、新たに減損損失が発生するリスクを有しています。
(7)投資等に係る潜在的リスク
当社グループは経営基盤の強化を図るため、子会社または関連会社の設立、外部との資本提携等を行っていく可能性があります。投資等にあたっては投資リスク等を勘案したうえで決定し、その後定期的に投資価値のチェックにより回収可能性の判断を行っています。その際、必要があれば回収不能額を見積もり、引当金等を計上する方針でありますが、投資先の経営成績及び財政状態が予想以上に悪化した場合には、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。
また、当社は、取引の関係や提携の強化・円滑化を図る政策的な理由等から長期間保有している株式があります。これらの株式の一部については、減損処理を行っていますが、その後の投資先の経営成績及び財政状態並びに株価の推移等から投資価値は十分にあると認識しています。しかしながら、日本経済の動向及び海外情勢等に予測し難い事態が生じた場合には、株価下落により評価損が発生し、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(8)新規事業に参入するリスク
『エネルギーソリューション事業(BtoB事業)』においては、海外への事業展開を進め、アジアでのエネルギーソリューション事業、再生可能エネルギー事業をスタートさせました。
『非エネルギー及び海外事業』においては、自社で運営するシェアサイクルブランド「ダイチャリ」の展開を進めました。関東エリアを中心に大手コンビニエンスストア等で開設を進めています。
また、新たに埼玉県白岡市において木質系産業廃棄物リサイクル工場(白岡RC)の操業を開始しています。
このように当社グループは、新規収益源の発掘・育成を積極的に推進していきますが、事業環境の変化によっては、新規事業が期待通りの成長を遂げられず、予想通りの収益を計上できない可能性があります。また、将来においてこれらの新規事業の業績が当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(9)海外進出に潜在するリスク
当社グループでは、『エネルギーソリューション事業(BtoB事業)』において、海外への事業展開を進め、アジアでのエネルギーソリューション事業、再生可能エネルギー事業をスタートさせました。
また、株式会社シナネンゼオミックの製造する抗菌剤「ゼオミック」について、EPA(米国環境保護庁)及びFDA(米国食品医薬品局)等の認可を取得し、米国をはじめ欧州、中国、韓国及び東南アジア等に販売活動を進めています。
以上のように当社グループは海外事業への進出も行っていますが、法律または関税等の貿易取引制度の改正、政治的・経済的変動、テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等のリスクが内在しています。
(10)石油・LPガス設備の保安等と環境汚染に関するリスク
当社グループは、保安は全てに優先すると考え、石油及びLPガス販売に係る設備等について、関係諸法規及び内部規定に基づき定期的に厳格な保安監査を実施しています。また、石油設備については石油漏出による環境汚染事故を防止するため損害保険ジャパン日本興亜株式会社と共同でリスクファイナンスを含む総合リスクマネジメントを実施しています。しかしながら、これらの対策が石油及びLPガスの漏洩等の事故及びそれによる損失の可能性を無にするものではありません。
(11)製品の品質及び安全に関するリスク
当社グループは、抗菌事業、環境・リサイクル事業、自転車等の輸入販売事業その他の事業において製造、販売をしています。製品の生産開始以来、品質管理には十分留意しており、製造物責任法(PL法)の施行後は、生産物責任賠償保険に加入し事故発生による費用負担の低減を図っています。また、消費生活用製品安全法に基づき、製品の安全な使用方法に関する周知徹底を図るとともに事故発生時の対応強化に努めています。
しかしながら、今後大規模な製品回収や製造物責任が問われる不測の製品事故等が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(12)個人情報の取扱いについて
当社グループは、エネルギー事業に係るLPガス及び都市ガスの消費者データ、また、ガソリンスタンド利用者のカード決済用データに関する個人情報等を保有しています。このような個人情報等を保護するために、リスク・コンプライアンス委員会を設置するとともに、従業員等に向けた個人情報保護に関する教育プログラムの実施、生体認証システム及び暗号化等の情報セキュリティシステムの導入、各種規程の制定等を行っています。
しかしながら、何らかの原因により個人情報が外部に漏洩した場合には、当社グループに対する信用が失われ、その結果、売上高の減少等により当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(13)自然災害等に関するリスク
当社グループは、石油卸売設備、LPガス充填設備及びガソリンスタンド設備等の資産を所有しています。これらの設備が大規模な台風、地震、津波、洪水等の自然災害等により被災した場合、正常な事業活動ができなくなり、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
また、新型インフルエンザ等の大流行により当社グループが人的被害を受けた場合においても、正常な事業活動ができなくなり、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、緩やかな回復を続けています。企業部門では前連結会計年度と比較してほぼ横ばいながら高い水準を維持し、個人消費も雇用・所得環境の改善により持ち直しています。しかしながら、昨年夏に相次いだ自然災害で景況感が一時的に押し下げられたほか、米中通商問題や、株式市場の変動、世界経済の減速感等、先行きは依然として不透明な状況が続いています。
国内エネルギー業界においては、原油価格、プロパンCPともに10月まで上昇傾向で推移しましたが、11月以降下落に転じ、年度末にかけて若干持ち直しました。一方で、国内人口の減少、省エネ機器の普及、節約志向の高まり等に加え、当連結会計年度は平年を上回る気温が続いたことから、家庭・業務用プロパンガスの需要は減少しています。
このような環境の中、当社は「第一次中期経営計画~総合エネルギーサービス企業グループへの進化~」の2年目となる当連結会計年度において、グループ収益構造改革を目指し、積極投資による非石油・ガス事業の拡大に取り組みました。
一方、当社の連結子会社であるミライフ西日本株式会社のソリューション事業部門において、不適切な会計処理が行われていたこと(以下「本件」といいます)が判明しました。そのため特別調査委員会を設置し、同委員会による中間調査報告書を踏まえ決算への影響額を評価しました。実態のない取引による売上高と売上原価の差額として算出された利益の影響による65百万円及び、当社にて改めて評価した本件に係る棚卸資産の評価損・減耗損、未収入金等に対する貸倒引当金等の計上による6億71百万円のほか、本件以外の取引先の債権に対する貸倒引当金の計上等による2億円の合計9億37百万円の影響がありました。
その結果、当連結会計年度の業績については、売上高2,445億67百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益16億70百万円(前年同期比50.1%減)、経常利益21億58百万円(前年同期比45.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億88百万円(前年同期比44.6%減)となりました。
セグメント別の事業の経過及び成果は以下のとおりです。
『エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)』においては、石油・ガス事業では引き続きM&Aを中心とした事業基盤拡大に取り組みました。関東エリアでは物流効率化のための合弁会社がスタートしたことに加え、リフォーム需要に対応したリフォーム専業のパイロットショップをオープンしました。また、西日本エリアでは、石油・ガス事業の基盤拡大のため、三河品川燃料株式会社の完全子会社化を進め、2019年4月1日に完了しました。非石油・ガス事業においては、法人・業務用の省エネブランドを立ち上げました。しかしながら、上記の不適切な会計処理の影響がありました。
以上の結果、当連結会計年度におけるエネルギー卸・小売周辺事業の売上高は776億79百万円(前年同期比5.6%減)、営業利益は3億8百万円(前年同期比84.1%減)となりました。
『エネルギーソリューション事業(BtoB事業)』においては、石油事業では、季節要因もあって数量が減少する中、市況の変化に対応した仕入・販売施策により収益を確保しました。また、電力事業では、電源調達体制の見直し、猛暑による電力需要の好調等により収益が順調に推移しました。PV(太陽光発電)関連事業では、FIT法の改正により分譲販売が減少するなか、自家使用PV販売に注力するとともに、メンテナンス事業の拡大に努めました。防水パン事業では新商材の好調な販売に支えられ収益を拡大しました。加えて、海外への事業展開を進め、アジアでのエネルギーソリューション事業、再生可能エネルギー事業をスタートさせました。
以上の結果、当連結会計年度におけるエネルギーソリューション事業の売上高は1,526億62百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益は3億13百万円(前年同期比78.3%増)となりました。
『非エネルギー及び海外事業』においては、自転車事業のシナネンサイクル株式会社は、自社で運営するシェアサイクルブランド「ダイチャリ」の展開を進めました。関東エリアを中心に大手コンビニエンスストア等で開設を進め、3月末時点で約800カ所のステーションに自転車約2,000台を設置しました。なお、当シェアサイクル事業は、2019年4月1日に当社100%子会社であるシナネンモビリティPLUS株式会社に会社分割し、新たなスタートを切っています。
環境・リサイクル事業の品川開発株式会社は、千葉市の木質系産業廃棄物リサイクル工場(千葉RC)に加え、新たに埼玉県白岡市において木質系産業廃棄物リサイクル工場(白岡RC)の操業を開始(2018年10月)する一方、東京都江東区にある混合廃棄物中間処理施設(新木場RC)の売却や保険事業の売却(2019年4月1日実施)を行うなど、今後、成長が期待される環境に優しいバイオマス燃料事業の拡大に向け、「選択と集中」を進めました。そのため2019年4月1日、品川開発株式会社からシナネンエコワーク株式会社に商号変更を行っています。
抗菌事業の株式会社シナネンゼオミックは、水処理分野向け新製品の投入、繊維分野での大型案件の継続受注など抗菌事業の拡大を進めました。また、海外各国の諸規制に対応し、欧州、インド、ASEAN諸国への進出基盤の構築を進めました。
システム事業の株式会社ミノスは、主力のLPガス販売管理システムで、サービス提供件数を期初の約1.2倍に、電力自由化に対応する顧客管理システム(電力CIS)を期初の約2倍にまで拡大しました。
建物維持管理事業のタカラビルメン株式会社は、前期に引き続き病院、斎場の運営支援業務が堅調に推移しました。また、集合住宅向け設備工事・リフォーム工事等のサービスを強化しました。
ブラジルのバイオマス事業では、多年草CAPIMを活用した民生用炭を商品化し、現地最大手のスーパーマーケットでの販売を12月に開始し、取扱店舗を着実に増やしています。
以上の結果、当連結会計年度における非エネルギー及び海外事業の売上高は140億32百万円(前年同期比6.0%増)、新規事業の投資を先行させたため1億84百万円の営業損失(前期は営業利益1億49百万円)となりました。
なお、上記の不適切な会計処理については、特別調査委員会による最終の「調査報告書」を踏まえ、当社グループにおける具体的な再発防止策を策定し、コーポレートガバナンスの強化及びコンプライアンスの徹底を行ってまいります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、87億68百万円(前連結会計年度末比21.4%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は、52億14百万円(前年同期は54億33百万円の収入)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益32億6百万円、減価償却費30億円19百万円、たな卸資産の減少22億2百万円及び法人税等の支払額17億43百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は、13億2百万円(前年同期は12億82百万円の支出)となりました。この主な要因は、固定資産の取得による支出28億81百万円、新規連結子会社取得による支出3億76百万円、固定資産売却による収入25億33百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は、22億56百万円(前年同期は152億27百万円の支出)となりました。この主な要因は、短期借入金の減少額6億72百万円、長期借入金の返済による支出7億46百万円及び配当金の支払額8億14百万円等によるものです。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。
|
|
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
51.8 |
48.3 |
50.3 |
51.6 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
30.4 |
26.1 |
30.3 |
25.1 |
|
キャッシュ・フロー |
4.5 |
7.3 |
2.0 |
1.8 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
50.8 |
16.7 |
43.5 |
44.6 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
a.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
b.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式を除く)により算出しています。
c.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用
し、利払いは同計算書の利息の支払額を使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されて
いる借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーの合計額を対象としています。
③生産、受注及び販売の実績
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比増減率(%) |
|
|
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業) |
77,679 |
△5.6 |
|
|
エネルギーソリューション事業(BtoB事業) |
152,662 |
2.7 |
|
|
非エネルギー及び海外事業 |
14,032 |
6.0 |
|
|
調整額 |
193 |
3.0 |
|
|
合計 |
244,567 |
0.1 |
|
(注)上記金額には、消費税等が含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①概観
当社の経営者は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの動向を検討するうえで、第一次中期経営計画において、営業利益とROE(自己資本利益率)を重要な指標として位置付けています。
営業利益はグループ企業がそれぞれの事業から直接得られる収益であることから、重要な経営指標であると考えています。第一次中期経営計画の最終年度(2020年3月期)における営業利益の目標値は48億円としていました。そして第一次中期経営計画で掲げる「グループ収益構造改革」を進める中、海外のエネルギーソリューション事業、再生可能エネルギー事業、シェアサイクル事業及びブラジルの民生用CAPIM炭事業に対する先行投資を行ってまいりました。しかし、当該投資にかかるコストの増加及び収益への貢献にまだ時間がかかること、並びに積極的なM&Aによるエネルギー卸・小売周辺事業の拡大(株式取得や営業権の買収)、非エネルギー及び海外事業の新規事業開発(建物維持管理事業)などののれん償却もあり、目標値を26億円に変更しています。
次に、ROEを重要な経営指標としている理由は次のとおりです。当社は、2014年8月に経済産業省より公表されたいわゆる「伊藤レポート」に基づき、資本効率を意識した企業価値経営への転換を図り、長期的な株主価値の向上に結び付いていくべきであると考えています。第一次中期経営計画の最終年度(2020年3月期)におけるROEの目標数値は6.0%としていましたが、営業利益が上記の理由から目標とした48億円を下回ることが主因となって、目標値を4.6%としています。
重要な経営指標の推移は下記のとおりです。
|
|
2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
|
営業利益(億円) |
35 |
29 |
33 |
16 |
|
ROE(%) |
4.7 |
5.2 |
5.9 |
3.4 |
|
売上高当期純利益率(%) |
1.1 |
1.2 |
1.2 |
0.6 |
|
総資産回転率(回) |
2.3 |
2.2 |
2.5 |
2.7 |
|
財務レバレッジ(倍) |
1.9 |
2.0 |
2.0 |
2.0 |
第一次中期経営計画の概要
「第一次中期経営計画~総合エネルギーサービス企業グループへの進化~」
1.中期経営計画で目指す中期ビジョン
石油・ガス事業を中心とした「エネルギー商社」から、住まいと暮らしのサービズ事業分野を拡充した「総合エネルギーサービス企業グループへの進化」。
2.グループ全体戦略
6つの成長戦略により、総合エネルギーサービス企業グループへの進化を図ります。
①経営方針の変革
厳しい経営環境において生き残っていくためには、これまでの「単年度予算達成文化」をグループ視点・中長期視点を踏まえた「中期経営計画達成文化」へと変革していきます。
②グループ収益構造改革
2017年3月期のグループ営業利益構成比は、石油・ガス事業とその他の事業でみると8:2となっています。石油・ガス事業の収益を維持しつつ、その他の事業を大きく成長させ、2020年3月期時点では6:4へと収益構造を変革します。
③低コスト体質な企業グループへの変革
各事業会社が行う合理化施策に加え、グループのスケールメリットを発揮できる経費削減策を実施します。
④グループ経営機能・基盤強化
財務・経理、人事、IT、広報などの経営機能と、意思決定や業績管理の仕組みなどの経営基盤を強化していきます。
⑤資本効率の高い事業ポートフォリオへの変革
各事業の投資に対するリターンを正確に評価し、資本効率の高い事業ポートフォリオへと変革します。
⑥次世代経営人材の育成
中長期的な視野でグループの発展を牽引する次世代の経営人材育成プログラムを開始します。
3.2020年3月期の業績目標
連結営業利益 48億円 ⇒ 26億円に変更
ROE 6.0% ⇒ 4.6%に変更
②経営者による財政状態の分析
流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は453億円となり、前連結会計年度末と比較して6億59百万円減少いたしました。
減少した主な要因は、現金及び預金が15億25百万円増加したものの、ミライフ西日本株式会社での不適切な会計処理等の影響により商品及び製品が12億71百万円減少したこと、及び仕掛品が完成され販売されたこと等により、仕掛品が9億7百万円減少したことによるものです。
固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は458億12百万円となり、前連結会計年度末と比較して14億16百万円減少いたしました。
減少した主な要因は、ミライフ株式会社の所有する千葉県市川市の土地、及び品川開発株式会社の所有する東京都江東区の土地を売却したこと等により、有形固定資産が15億6百万円減少したこと等によるものです。
流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は332億28百万円となり、前連結会計年度末と比較して18億69百万円減少いたしました。
減少した主な要因は、有利子負債の計画的返済により、借入金等が9億2百万円減少、賞与引当金が5億74百万円減少したこと等によるものです。
固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は104億95百万円となり、前連結会計年度末と比較して7億31百万円減少いたしました。
減少した主な要因は、有利子負債の計画的返済により、長期借入金が4億15百万円減少したこと等によるものです。
純資産
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が15億88百万円増加したこと及び配当金の支払による減少等により、当連結会計年度末における純資産の残高は473億88百万円となり前連結会計年度末と比較して5億24百万円増加しました。
以上により、自己資本比率は前連結会計年度末と比較して1.3ポイント上昇し、51.6%となりました
③経営者による経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高2,445億67百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益16億70百万円(前年同期比50.1%減)、経常利益21億58百万円(前年同期比45.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益15億88百万円(前年同期比44.6%減)となりました。
売上高
当連結会計年度及び前連結会計年度におけるセグメント別の売上高及び増減は以下のとおりです。
(単位:百万円)
|
|
前期 |
当期 |
増減 |
|
エネルギー卸・小売周辺事業 |
82,255 |
77,679 |
△4,575 |
|
エネルギーソリューション事業 |
148,687 |
152,662 |
3,974 |
|
非エネルギー及び海外事業 |
13,240 |
14,032 |
792 |
|
その他・調整額 |
187 |
193 |
5 |
|
連結合計 |
244,370 |
244,567 |
197 |
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の売上高が減少した要因は、前期と比較して冬場の平均気温が高かったため、ガス、石油類(主に灯油)の販売数量が前期を下回ったことによります。
国内エネルギー業界は、人口減少や省エネ機器の普及など、今後とも外部環境は厳しい状況が続きますが、引き続きM&Aや営業権買収により、ガス・石油類の卸・小売の事業基盤の拡大に取り組んでまいります。
エネルギーソリューション事業(BtoB事業)の売上高が増加した要因は、原油価格の上昇によります。
非エネルギー及び海外事業の売上高が増加した要因は、自転車事業のシナネンサイクル株式会社及びシステム事業の株式会社ミノスの増収によります。
その他・調整額は、当社の不動産賃貸収入です。
売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、301億71百万円となり、前連結会計年度から14億26百万円減少しました。その主な要因は、販売数量が減少したことなどによります。
販売費及び一般管理
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、285億円で、前連結会計年度の282億49百万円から2億51百万円増加しています。増加した主な要因は、不適切な会計処理による貸倒引当金の繰入が増加した一方、ソフトウェアの減価償却費の減少などによります。
営業利益
当連結会計年度及び前連結会計年度におけるセグメント別の営業利益及び増減は以下のとおりです。
(単位:百万円)
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前期 |
当期 |
増減 |
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エネルギー卸・小売周辺事業 |
1,941 |
308 |
△1,633 |
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エネルギーソリューション事業 |
175 |
313 |
137 |
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非エネルギー及び海外事業 |
149 |
△184 |
△333 |
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その他・調整額 |
1,082 |
1,233 |
151 |
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連結合計 |
3,348 |
1,670 |
△1,677 |
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の営業利益が減少した要因は、ミライフ西日本株式会社における不適切な会計処理のほか、ガス・石油類の販売数量の減少などによります。
エネルギーソリューション事業(BtoB事業)の営業利益が増加した要因は、電力事業において電源調達体制を見直したことなどによります。
非エネルギー及び海外事業の営業利益が減少した要因は、自転車事業のシナネンサイクル株式会社のシェアサイクル事業に対する先行投資の影響、環境・リサイクル事業の品川開発株式会社の新木場RCの不振(2019年1月に売却)や白岡RCの稼働(2018年10月)による先行的なコスト増加などの影響によります。
営業外収益及び営業外費用
当連結会計年度の営業外収益は、8億15百万円で、前連結会計年度の10億17百万円から、2億1百万円減少しました。鹿島でのバイオマス発電の権利譲渡益がなくなったものの、保険返戻金が増加したことなどによります。
また、当連結会計年度の営業外費用は、3億27百万円で、前連結会計年度の4億17百万円から、90百万円減少しました。デリバティブ損失が減少し、為替差損がなくなったものの、訴訟和解金等を支払ったことなどによります。
経常利益
当連結会計年度の経常利益は、上記営業利益、営業外収益及び営業外費用により21億58百万円となり、前連結会計年度の39億48百万円から17億89百万円減少しました。
特別利益及び特別損失
当連結会計年度の特別利益は、15億39百万円で、前連結会計年度の12億74百万円から、2億64百万円増加しました。投資有価証券売却益がなくなった一方、固定資産売却益や物品売却益が増加したことなどによります。
また、当連結会計年度の特別損失は、4億91百万円で、前連結会計年度の4億61百万円とほぼ同額となりました。
税金等調整前当期純利益
上記の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は32億6百万円で、前連結会計年度の47億62百万円から、15億56百万円減少しました。
法人税等
当連結会計年度の法人税等は16億18百万円で、前連結会計年度の18億93百万円から、2億75百万円減少しました。税金等調整前当期純利益に対する負担率は、当連結会計年度が50.5%、前連結会計年度が39.8%と、10.7ポイント増加しました。その要因は、赤字幅を増やしたグループ企業があったことと、繰延税金資産が計上できない貸倒引当金が発生したことなどによります。
親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は15億88百万円で、前連結会計年度の28億67百万円から、12億79万円減少しました。
④経営者によるキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末の72億17百万円に比べ、15億50百万円増加し、87億68百万円となりました。営業活動で得られた資金が、投資活動や財務活動で支払った資金を上回ったことによります。
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度末において、営業活動で得られた資金は52億14百万円で、前連結会計年度と比較して2億19百万円減少しました。
当連結会計年度で得られた資金52億14百万円の主な内容は、法人税等調整前当期純利益で32億6百万円、減価償却費で30億19百万円、たな卸資産の減少で22億2百万円資金が増加しました。一方、その他の引当金の減少で6億25百万円、長期前払費用の増加で4億93百万円資金が減少しました。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度末において、投資活動の結果使用した資金は13億2百万円で、前連結会計年度と比較して19百万円増加しました。
当連結会計年度で使用した13億2百万円の主な内容は、固定資産の取得による支出が28億81百万円、投資有価証券の取得による支出が4億16百万円あった一方、固定資産の売却による収入が25億33百万円ありました。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度末において、財務活動の結果使用した資金は22億56百万円で、前連結会計年度と比較して129億71百万円減少しました。その差額の要因は、前連結会計年度は、短期借入金の返済を進めたことと自己株式の取得による支出があったことによります。
当連結会計年度で使用した22億56百万円の主な内容は、配当金の支払が8億14百万円、長期借入金の返済が7億46百万円、短期借入金の返済が6億72百万円ありました。
なお、キャッシュ・フロー指標の推移は下記のとおりです。
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2016年3月期 |
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
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自己資本比率(%) |
51.8 |
48.3 |
50.3 |
51.6 |
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時価ベースの自己資本比率(%) |
30.4 |
26.1 |
30.3 |
25.1 |
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キャッシュ・フロー 対有利子負債比率(年) |
4.5 |
7.3 |
2.0 |
1.8 |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
50.8 |
16.7 |
43.5 |
44.6 |
当連結会計年度末における連結ベースの資金は87億68百万円となりました。前連結会計年度から15億50百万円増加しておりますが、M&Aや営業権の買収、新規事業開発のための積極投資など、今後とも第一次中期経営計画に掲げる「グループ収益構造改革」や「資本効率の高い事業ポートフォリオへの変革」のために継続的な資金需要が見込まれています。
それらを実行するための資金調達にあたりましては、社債の発行、新たな借入金、自己株式の活用など状況に応じて多様な資金調達ができるよう体制を整えています。
当連結会計年度において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。
当社グループの当連結会計年度における研究開発費は
連結子会社である株式会社シナネンゼオミックは、抗菌・殺菌、消臭及び吸着の各技術に関する研究を行っています。
抗菌・殺菌技術は、抗菌剤ゼオミックを用いた従来のプラスチックや塗料などの汎用製品の抗菌加工だけでなく、水中の微生物抑制を目的とした抗菌材料の応用開発及び新たな殺菌手法としてUV-LEDを搭載した殺菌モジュールの実用化に向けて研究を進めています。
消臭技術は、消臭剤ダッシュライトについて繊維製品の消臭加工だけでなく、樹脂臭や塗料臭を抑制する添加剤として適用範囲の拡大に向けて研究を進めています。
吸着技術は、基幹技術であるゼオライト合成技術を応用し、既に実用化している飲料水等における有害金属吸着剤として、大粒子ゼオライトの安定的な大量生産技術について研究を進めています。