文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「エネルギーと住まいと暮らしのサービスで、地域すべてのお客様の快適生活に貢献する」ことを経営理念として、環境に優しいエネルギーを安全に、かつ安定的にお届けするとともに、お客様の快適な住まいと暮らしを実現することを目指します。同時にコンプライアンスの重視、地球環境への配慮等をグループ全体に浸透させながら、株主、取引先、地域社会、従業員等の利益を十分に考慮した経営に取り組んでまいります。
(2)経営環境
当社グループのコア事業である石油・ガス事業を取り巻く環境は、国内人口の減少、省エネ機器の普及、ライフスタイルの変化等により引き続き厳しい状況が続いております。
(3)対処すべき課題
〔事業改革〕
第二次中期経営計画(2020年度~2022年度)においては、「Challenging New Worlds with Big Sky-thinking~大胆な発想で新しい世界への挑戦~」をスローガンにして、既成概念にはとらわれずに、既存事業においては事業の選択と集中及び遊休資産の活用による資本効率の改善を一段と推進するとともに、新規事業の開発・推進に力を入れていき、さらなる成長を期してまいります。
具体的には、石油・ガス事業では積極的なM&A等による顧客基盤の拡大を進めるとともに利益率を高めるために物流等の効率化を進めてまいります。また、非石油・ガス事業においては、「ミライフでんき」の拡販に努め、リフォーム需要の取り組みも行ってまいります。
建物維持管理事業では、事業領域とエリアの拡大を目指してM&Aを行うほか、事業部門内におけるシステムの統一や管理機能の見直しを進めてまいります。
新規事業に関しては、シェアサイクル事業、新型マイクロ風車関連事業においては事業拡大のための投資を継続し、新規事業開発についても積極的に取り組みます。
また、「グローバル総合エネルギーサービス企業グループ」を目指して、アジアのエネルギーソリューション事業、再生可能エネルギー事業、欧米・アジアでの抗菌事業を早期に拡大するなど、国外での事業活動を本格化させます。
〔コーポレートガバナンスの強化〕
2019年3月期の決算に係る社内調査の過程で、当社連結子会社において、不適切な会計処理が行われていたことが判明しました。当社では特別調査委員会による調査を行い、同委員会の最終報告書に提言された再発防止策の具体化を進め、不断に改善策を実施しております。当該子会社においては、関係者に対して厳正な社内処分を行うとともに、基幹システムを導入することにより各業務プロセスをシステム化し、社内管理部門によるモニタリングが可能となりました。
今後は、リスクベースの内部監査の推進及び主要グループ企業すべてに常勤監査役を配置し、業務執行全般のモニタリング機能を強化します。
〔企業風土改革〕
当社グループでは人材が重要な財産であると考え、労務環境の改善やITを活用した業務の改善を実施し、「働き方改革」を推進してまいりました。また、大胆な人材登用と適材適所を重視した人材配置を可能とするため、年功序列を廃し、役割を重視した人事制度の改定を行いました。それらをさらに発展させる取り組みとして「企業風土改革」を進めてまいります。企業風土改革では、自由闊達な組織風土を形成し、アントレプレナーシップ(起業家精神)を持った社員を育成してまいります。
〔新型コロナウイルス対応〕
当社グループの主力事業はライフラインであるエネルギー供給事業であり、事業継続にあたってはマスク着用、手洗い、消毒、検温、時差出勤等の感染予防措置を徹底して、お客様の生活を支えています。
なお、本社部門については、新型コロナウイルスの感染拡大に対応して、テレワークを進め、パソコン等を利用した社内外のコミュニケーションを実施しています。
当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況並びに株価等(以下「業績等」という。)、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。
なお、記載中、将来に関する事項は当連結会計年度末(2020年3月31日)において判断したものであります。
また、当社は、これらのリスク発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
A.当社グループの主力事業であるエネルギー事業に特有のリスク
(1)エネルギー業界をとりまく環境の変化
当連結会計年度の国内エネルギー業界においては、原油価格、プロパンCPともにOPECプラスの減産協議決裂と新型コロナウイルス感染症の影響により3月に急落しました。国内需要においては、少子高齢化の進展、省エネ機器の普及、ライフスタイルの変化等に加え、冬場に平均気温が平年を上回る日が続いたことから、個々の家庭・業務用プロパンガスの販売量は減少しています。
石油・ガス業界をとりまく環境は、供給側であるOPECの産油量動向や中東情勢、需要側では大消費国である米国、中国、インド等の経済状況等が原油価格に大きな変動をもたらします。また、国内では環境意識の高まりや低炭素社会に向けた官民をあげての取り組みにより、エネルギーの節約志向は今後一層強まるものと考えられます。これら原油価格の変動や国内市況並びにエネルギー環境の変化等が当社グループの業績等に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループでは、原油価格等の変動や消費者の節約志向等には直接対応できないため、エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)では、住設機器の販売や住宅向けリフォーム等の住まいと暮らしの事業の拡大等、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)では、太陽光発電設備のメンテナンス事業や国内外の再生可能エネルギー事業の拡大等の非石油・ガス事業への展開のほか、シェアサイクル事業等の非エネルギー事業への積極投資により業界環境変化のリスク低減に取り組んでいます。
(2)気温の変動によるリスク
当社グループの主力となる事業はエネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)であり、全セグメントの売上高のうち9割以上を占めています。このエネルギー事業については、基本的には気温の変動によるリスクを有しており、なかでも石油部門の主力商品である民生用灯油については、冬が最需要期であり、夏の使用量と比較して著しい格差があります。このため、暖冬により冬場の灯油の消費量が減少した場合、販売計画に狂いが生じ、また価格にも影響を及ぼすなど、気温の変動が当社グループの販売実績及び業績等に重要な影響を与える可能性があります。
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)では、冬場の気温に需要が左右される石油・ガスだけでなく、夏場に需要が増加する電力販売の拡大を進めること等により気温の変動によるリスク低減に取り組んでいます。
(3)エネルギー業界における競争の激化
当社グループの属するエネルギー業界においては、規制緩和、環境問題、少子高齢化等の要因により、電力、石油、都市ガス、LPガス等の垣根を越えたエネルギー間競争が激化しています。「オール電化」「太陽光発電」「エネファーム」等のエコロジーと関連する商品群の開発・販売推進により、今後もこの傾向が続くものと予想されます。
また、LPガス業界においては、LPガス消費者の獲得やそれに伴うLPガス価格の引き下げ等、同業者間の競争が激しくなっています。石油業界においても、ガソリンスタンド間の厳しい生き残り競争や民生用灯油の巡回販売、ホームセンター他の販売チャネル間の争い等、同業者間の激しい競争が続いています。
こうしたエネルギー間競争及び同業者間競争の激化は、当社グループの業績等に重要な影響を与える可能性があります。
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)では、LPガス事業の営業権の買収や同業者のM&Aで事業基盤の維持拡大に努めています。また、石油・ガス・電気のエネルギーを取り扱い、セット販売等でお客様に継続してお取引いただけること等により競争激化に対するリスク低減に取り組んでいます。
(4)石油・LPガス設備の保安等と環境汚染に関するリスク
当社グループは、保安は全てに優先すると考え、石油及びLPガス販売に係る設備等について、関係諸法規及び内部規定に基づき定期的に厳格な保安監査を実施しています。また、石油設備については石油漏出による環境汚染事故を防止するため損害保険ジャパン株式会社と共同でリスクファイナンスを含む総合リスクマネジメントを実施しています。しかしながら、これらの対策が石油及びLPガスの漏洩等の事故及びそれによる損失の可能性を無にするものではありません。
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)では、法定点検のほか、戸建て住宅向けに「ひまわり点検」として年1回のガス・灯油関連設備の点検を実施しています。また、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)では、石油漏出を早期発見するため、日々漏洩点検を実施すること等により設備の保安等と環境汚染に関するリスク低減に取り組んでいます。
B.グループ事業全般におけるリスク
(1)取引先の信用リスク
当社グループの販売形態には、卸売販売及び小売販売があります。主に卸売販売については掛売りをしており、2020年3月末現在の「受取手形及び売掛金」の残高は239億円であります。
これらの売上債権については、回収サイトの短縮化や、取引先の資金状況を勘案し一部現金による前受制により回収の早期化を図っています。また、コンピュータシステムによる与信等債権管理の徹底を行っています。さらに、当社グループは貸倒損失発生時に備え十分な引当金を計上していますが、予測不能な事態が生じた場合には、売上債権の回収に支障を来し、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、信用調査会社のデータベースに基づき、毎年、与信枠を設定することで与信管理を徹底し、与信枠を増枠する場合は、個別に決裁すること等により取引先の信用リスク低減に取り組んでいます。
(2)外国為替変動リスク
当社グループは、主に、国内において円建による取引を行っていますが、当社の石油製品の輸出入及びシナネンサイクル株式会社の自転車の輸入、株式会社シナネンゼオミックの抗菌剤の輸出については一部外貨建で取引を行っています。このため、当社グループの業績が外国為替の変動に影響を受けることがあります。当社は、為替変動リスクを軽減するためヘッジ取引を行っていますが、必ずしもこれを完全に回避できるものではありません。
また、主力商品である石油類及びLPガスについては主に国内元売会社から仕入れていますが、原油やLPガスの輸入価格が、為替の変動により間接的に当社グループの仕入価格に影響を及ぼすというリスクを有しています。
外国為替取引においては、為替予約や想定為替レートを設定し、ヘッジ取引により外国為替変動によるリスク低減に取り組んでいます。
(3)固定資産の評価に関するリスク
当社グループは、主にエネルギー事業に係る資産として、石油類卸売設備、LPガス充填設備及びガソリンスタンド設備並びにこれらの設備を使用するための土地を保有しており、有形固定資産の2020年3月末現在の帳簿残高は302億円となっています。当社グループはこれまで非効率資産の売却を進め、財務体質の強化に努めています。
設備投資につきましては、回収可能性を十分に検討したうえで実行し、定期的に回収可能額の評価を行いますが、その結果、新たに減損損失が発生するリスクを有しています。
当社グループでは、第二次中期経営計画において、資本効率の改善を定性目標として掲げています。事業の効率化を進め、利益率を向上させること、低稼働資産を有効活用し、収益をあげること等により固定資産の評価に関するリスク低減に取り組んでいます。
(4)投資等に係る潜在的リスク
当社グループは経営基盤の強化を図るため、子会社または関連会社の設立、外部との資本提携等を行っていく可能性があります。投資等にあたっては投資リスク等を勘案したうえで決定し、その後定期的に投資価値のチェックにより回収可能性の判断を行っています。その際、必要があれば回収不能額を見積り、引当金等を計上する方針でありますが、投資先の経営成績及び財政状態が予想以上に悪化した場合には、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。
また、当社は、取引の関係や提携の強化・円滑化を図る政策的な理由等から長期間保有している株式があります。これらの株式の一部については、減損処理を行っていますが、その後の投資先の経営成績及び財政状態並びに株価の推移等から投資価値は十分にあると認識しています。しかしながら、日本経済の動向及び海外情勢等に予測し難い事態が生じた場合には、株価下落により評価損が発生し、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、株式や持分の取得にあたっては、事前に投資の適正性を評価する「事前審査委員会」と代表取締役社長の意思決定に関する諮問機関としての「経営会議」を設置しています。それらの機関での検討内容を参考にして、最終的な意思決定をすることにより投資等に係るリスク低減を進めています。また、投資後についても、一定期間モニタリングを継続し、事前に定めた撤退審議基準に抵触した場合は、その改善を指示し、あるいは撤退・売却を指示すること等によりリスク低減を進めています。
(5)新規事業に参入するリスク
『エネルギーソリューション事業(BtoB事業)』においては、新たな事業展開としてアジアでの再生可能エネルギー事業、国内外でのエネルギーソリューション事業を推進し、韓国にて90MW相当の大型陸上風力発電事業に参画を決定しました。また、新規事業としてSinagy Revo株式会社を設立し、新型マイクロ風車関連事業を早期に立ち上げ、事業拡大を目指しています。
『非エネルギー及び海外事業』においては、シェアサイクル事業のシナネンモビリティPLUS株式会社は、首都圏を中心に大手コンビニエンスストアのほか、地方自治体、ドラッグストアや不動産会社とも連携し、ステーションの開設を進め、3月末現在で約1,200カ所のステーションに、6,000台を超える自転車を設置しました。また浜松町の旧本社ビルの一部を改装し、シェアオフィスとして活用し、新規事業開発のシーズ発掘を目指しています。
このように当社グループは、新規収益源の発掘・育成を積極的に推進していきますが、事業環境の変化によっては、新規事業が期待通りの成長を遂げられず、予想通りの収益を計上できない可能性があります。また、将来においてこれらの新規事業の業績が当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、投資等に係る潜在的リスクと同様に「事前審査委員会」「経営会議」のプロセスを経ること、新規事業のフィジビリティスタディ(実行可能性評価)を事前に実施すること等により新規事業の参入リスク低減に取り組んでいます。また、投資後についても、投資等に係る潜在的リスクと同様のモニタリングを実施することによりリスク低減に取り組んでいます。
(6)海外進出に潜在するリスク
当社グループでは、『エネルギーソリューション事業(BtoB事業)』において、新たな事業展開として韓国にて90MW相当の大型陸上風力発電事業に参画を決定しました。
また、株式会社シナネンゼオミックの製造する抗菌剤「ゼオミック」について、EPA(米国環境保護庁)及びFDA(米国食品医薬品局)等の認可を取得し、米国をはじめ欧州、中国、韓国及び東南アジア等に販売活動を進めています。
以上のように当社グループは海外事業への進出も行っていますが、法律または関税等の貿易取引制度の改正、政治的・経済的変動、テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等のリスクが内在しています。
当社グループでは、海外進出において、政治動向、経済動向、法制度、(優遇)税制等を事前に調査・評価することにより海外進出に関するリスク低減に取り組んでいます。
(7)製品の品質及び安全に関するリスク
当社グループは、抗菌事業、環境・リサイクル事業、自転車等の輸入販売事業その他の事業において製造、販売をしています。製品の生産開始以来、品質管理には十分留意しており、製造物責任法(PL法)の施行後は、生産物責任賠償保険に加入し事故発生による費用負担の低減を図っています。また、消費生活用製品安全法に基づき、製品の安全な使用方法に関する周知徹底を図るとともに事故発生時の対応強化に努めています。
しかしながら、今後大規模な製品回収や製造物責任が問われる不測の製品事故等が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
抗菌事業の株式会社シナネンゼオミックでは2002年4月にISO9001の認証を取得した上で、社内の品質監査体制を強化しています。また、各事業会社において、品質管理を担当する部署を設置すること等により製品の品質及び安全に関するリスク低減に取り組んでいます。
(8)個人情報の取扱いについて
当社グループは、エネルギー事業に係るLPガス及び都市ガスの消費者データ、また、ガソリンスタンド利用者のカード決済用データに関する個人情報等を保有しています。このような個人情報等を保護するために、リスク・コンプライアンス委員会を設置するとともに、従業員等に向けた個人情報保護に関する教育プログラムの実施、生体認証システム及び暗号化等の情報セキュリティシステムの導入、各種規程の制定等を行っています。
しかしながら、何らかの原因により個人情報が外部に漏洩した場合には、当社グループに対する信用が失われ、その結果、売上高の減少等により当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、個人情報保護方針、個人情報保護規程を制定し、個人情報の取扱いに関するリスク低減に取り組んでいます。また、システム事業の株式会社ミノスはプライバシーマーク認定事業所であるほか、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格である「ISO/IEC2700:2013・JISQ2701:2014」を取得し、リスク低減に取り組んでいます。
(9)自然災害等に関するリスク
当社グループは、石油卸売設備、LPガス充填設備及びガソリンスタンド設備等のエネルギー事業の設備、抗菌事業の製造設備、自転車事業の倉庫や店舗(在庫を含む)、シェアサイクル事業の自転車やステーション設備等の資産を所有しています。これらの設備が大規模な台風、地震、津波、洪水等の自然災害等により被災した場合、正常な事業活動ができなくなり、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、充填施設等、事業継続のため中核施設には非常用電源を設置し、自然災害等の被災に備えています。また、建物は免震、耐震、制震構造とすることにより自然災害に関するリスク低減に取り組んでいます。
C.新型コロナウイルス感染症に関するリスク
当社グループにおいて、新型コロナウイルス感染症による当連結会計年度における影響は、ほとんど見られませんでしたが、感染拡大が長期化あるいは第二波、第三波となった場合、外出自粛によるガソリン需要の低迷、住設機器の販売減少、家庭向けのリフォーム需要の減少等によって当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
当社グループの主力事業はライフラインであるエネルギー供給事業であるため、事業継続にあたり、マスク着用、手洗い、消毒、検温、時差出勤等の感染予防措置を徹底すること等によりリスク低減に取り組んでいます。また、本社部門(管理、営業等)については、新型コロナウイルスの感染拡大に対応して、テレワークを進め、パソコン等を利用した社内外のコミュニケーションを実施しています。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、企業業績が、半ばまでは高い水準を維持したものの、後半は消費増税前のかけ込み需要の反動減や大型台風、新型コロナウイルスの影響もあり下振れしました。家計面では、消費増税に加え、同ウイルスの影響により消費が落ち込みました。先行きについては、国内外における感染者数の拡大により、政府から緊急事態宣言が発出され、多数の企業が事業運営を縮小または休止せざるを得ず、外出自粛等により家計の消費活動が落ち込むなど、社会全体の経済活動が停滞する状況が継続しています。
国内エネルギー業界においては、原油価格、プロパンCPともにOPECプラスの減産協議決裂と同ウイルスの影響により3月に急落しました。国内需要においては、少子高齢化の進展、省エネ機器の普及、ライフスタイルの変化等に加え、冬場に平均気温が平年を上回る日が続いたことから、個々の家庭・業務用プロパンガスの販売量は減少しています。
このような環境の中、当社は「第一次中期経営計画~総合エネルギーサービス企業グループへの進化~」の最終年度となる当連結会計年度において、石油・ガス事業の収益基盤強化のため、営業権買収等のM&Aを積極的に推進するとともに、グループ収益構造改革を目指した非石油・ガス事業の拡大のための積極投資に取り組みました。
また、当連結会計年度は、事業の選択と集中を進め、シナネンエコワーク株式会社の保険事業売却、ミライフ西日本株式会社が保有する京都市の不動産売却のほか、当社の政策保有株式の売却等により、30億55百万円の特別利益を計上いたしました。
その結果、当連結会計年度の業績については、売上高2,370億36百万円(前年同期比3.1%減)、営業利益24億54百万円(前年同期比38.5%増)、経常利益22億3百万円(前年同期比2.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益29億89百万円(前年同期比88.2%増)となりました。
セグメント別の事業の経過及び成果は以下のとおりです。
『エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)』においては、石油・ガス事業では、少子高齢化の進展により全体の需要が減少傾向の中、引き続き営業権買収等のМ&Aを中心とする収益基盤の強化と拡大に取り組みました。また、「ミライフでんき」の拡販を北海道、東北、関東エリアで進めたほか、新たに2020年4月から関西、北陸、中部エリアでも販売をスタートします。さらに、関東エリアではリフォーム需要を取り込むため、2店目となる水回りリフォーム専門店をオープンし、住まいと暮らしの事業拡大にも努めました。
以上の結果、当連結会計年度におけるエネルギー卸・小売周辺事業の売上高は722億71百万円(前年同期比7.0%減)、営業利益は7億66百万円(前年同期比148.6%増)となりました。
『エネルギーソリューション事業(BtoB事業)』においては、石油事業では全体の需要は減少している中、市況の変化に対応した仕入・販売施策を実施するとともに、物流機能を強化した結果、前年を上回る販売数量と利益を確保しました。また、船舶用燃料の販売も好調に推移し利益に大きく貢献しました。電力事業では、電源構成の最適化に取り組んだことで前連結会計年度を上回る利益を達成しました。また、新たな事業展開としてアジアでの再生可能エネルギー事業、国内外でのエネルギーソリューション事業を推進し、韓国にて90MW相当の大型陸上風力発電事業に参画を決定しました。さらに、新型マイクロ風車関連事業を開始し、その展開を図るため、2020年2月にSinagy Revo株式会社を設立しました。同社の新型マイクロ風車は、静音性と微風でも高効率な発電ができることを特徴にしており、国内外で新型マイクロ風車を利用した新たな市場を創出していきます。
以上の結果、当連結会計年度におけるエネルギーソリューション事業の売上高は1,491億41百万円(前年同期比2.3%減)、営業利益は8億19百万円(前年同期比98.0%増)となりました。
『非エネルギー及び海外事業』においては、自転車事業のシナネンサイクル株式会社は、自社小売店舗「ダイシャリン」において、店舗のスクラップ&ビルドを進め、ショッピングモールや大手スーパー店内に出店しましたが、市場縮小の影響を埋めることができませんでした。卸売では、販売店向けには新しいプライベートブランド車が好調だったものの、小売業や外食業向けの宅配用の需要が低調でした。
シェアサイクル事業のシナネンモビリティPLUS株式会社は、首都圏を中心に大手コンビニエンスストアのほか、地方自治体、ドラッグストアや不動産会社とも連携し、ステーションの開設を進め、3月末現在で約1,200カ所のステーションに、6,000台を超える自転車を設置しました。これは、シェアサイクル事業者としては日本有数の規模になります。
環境・リサイクル事業のシナネンエコワーク株式会社は、大型台風により発生した廃木材や倒木の処理等、被災地の要請に協力したほか、積極的に新規の廃木材排出顧客開拓を行いましたが、複数燃料供給先のバイオマス発電プラントの故障による稼働停止の影響を受けました。
抗菌事業の株式会社シナネンゼオミックは、繊維向けの抗菌剤が北米市場を中心に順調であったほか、衛生材料向けや飲料水向けの抗菌剤、消臭剤も好調を維持しました。また、新型コロナウイルスの影響が拡大する中、2月以降アメリカ向けを中心に、マスク、手術衣等向けの抗菌剤の受注が大きく伸び始めています。そのため、人員体制の見直しと設備増強による増産体制の構築を進めております。システム事業の株式会社ミノスは、主力のLPガス販売管理システムは顧客数を増やしましたが、処理改善のためのシステム開発費用がかさみました。電力自由化に対応する顧客管理システム(電力CIS)が引き続き好調を維持し、取扱件数は年度当初の約2倍にまで拡大しました。
建物維持管理事業のタカラビルメン株式会社は、病院、斎場の運営支援業務が引き続き堅調に推移しましたが、スポット工事が想定を下回りました。一方、集合住宅向け設備工事・リフォーム工事等が収益化しました。
ブラジルのバイオマス事業では、多年草CAPIMを活用した民生用炭は、2018年12月の販売開始以降、現地最大手のスーパーマーケットでの取扱い店舗を徐々に増やしていますが、当初の計画から遅延しています。
以上の結果、当連結会計年度における非エネルギー及び海外事業の売上高は154億15百万円(前年同期比9.9%増)、新規事業の投資を先行させたため50百万円の営業損失(前期は営業損失1億84百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、73億85百万円(前連結会計年度末比15.8%減)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は、5億69百万円(前年同期は52億14百万円の収入)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益が49億87百万円、減価償却費が29億32百万円、投資有価証券売却益が17億24百万円、たな卸資産の増加が17億92百万円、及び仕入債務の減少が34億62百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果使用した資金は、10億94百万円(前年同期は13億2百万円の支出)となりました。この主な要因は、固定資産の取得による支出28億50百万円、新規連結子会社取得による支出11億30百万円、投資有価証券の売却による収入24億20百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は、7億78百万円(前年同期は22億56百万円の支出)となりました。この主な要因は、短期借入金の増加額7億40百万円、長期借入金の返済による支出6億59百万円及び、配当金の支払額8億13百万円等によるものです。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。
|
|
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
48.3 |
50.3 |
51.6 |
53.1 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
26.1 |
30.3 |
25.1 |
31.4 |
|
キャッシュ・フロー |
7.3 |
2.0 |
1.8 |
18.2 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
16.7 |
43.5 |
44.6 |
5.1 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
a.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
b.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式を除く)により算出しています。
c.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用
し、利払いは同計算書の利息の支払額を使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されて
いる借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーの合計額を対象としています。
③生産、受注及び販売の実績
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比増減率(%) |
|
|
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業) |
72,271 |
△7.0 |
|
|
エネルギーソリューション事業(BtoB事業) |
149,141 |
△2.3 |
|
|
非エネルギー及び海外事業 |
15,415 |
9.9 |
|
|
調整額 |
208 |
8.1 |
|
|
合計 |
237,036 |
△3.1 |
|
(注)上記金額には、消費税等が含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①概観
当社の経営者は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの動向を検討するうえで、ROE(自己資本利益率)を重要な指標として第二次中期経営計画においても達成すべき定量目標と位置付けています。
ROEを重要な経営指標としている理由は次のとおりです。当社は、2014年8月に経済産業省より公表されたいわゆる「伊藤レポート」に基づき、資本効率を意識した企業価値経営への転換を図り、長期的な株主価値の向上に結び付いていくべきであると考えています。第一次中期経営計画の最終年度(2020年3月期)におけるROEの目標数値は6.0%としていました。投資有価証券売却益や事業譲渡益等の特別利益があり、ROEが6.0%を超えることとなりました。
第二次中期経営計画では、エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)におけるM&Aや営業権買収を引き続き実施し、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)では、海外の再生可能エネルギー事業への投資や新型マイクロ風車関連事業等への投資が継続します。また、非エネルギー及び海外事業では、シェアサイクル事業への投資が継続し、環境・リサイクル事業、抗菌事業、システム事業でも事業基盤強化や新規事業開発のための投資が見込まれます。建物維持管理事業では、関東エリアで強固な事業基盤を構築するためのM&Aや設備関連事業の拡大を図ってまいります。
このような戦略的投資が実施されている中、第二次中期経営計画では、ROE6.0%以上を定量目標とし、持続的にROE6.0%以上を生み出せる事業構造の確立を目指します。
重要な経営指標の推移は下記のとおりです。
|
|
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
|
営業利益(億円) |
29 |
33 |
17 |
24 |
|
ROE(%) |
5.2 |
5.9 |
3.4 |
6.3 |
|
売上高当期純利益率(%) |
1.2 |
1.2 |
0.6 |
1.3 |
|
総資産回転率(回) |
2.2 |
2.5 |
2.7 |
2.6 |
|
財務レバレッジ(倍) |
2.0 |
2.0 |
2.0 |
1.9 |
②経営者による財政状態の分析
流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は443億23百万円となり、前連結会計年度末と比較して9億76百万円減少いたしました。
減少した主な要因は、現金及び預金が13億2百万円、受取手形及び売掛金が11億81百万円、その他に含まれている未収入金が14億82百万円減少し、仕掛品が23億22百万円増加したことによるものです。
固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は462億87百万円となり、前連結会計年度末と比較して4億74百万円増加いたしました。
その主な要因は、有形固定資産が16億42百万円増加し、投資有価証券が14億58百万円減少したことによります。
流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は314億34百万円となり、前連結会計年度末と比較して17億93百万円減少いたしました。
減少した主な要因は、原油価格・プロパンCPが下落したことにより、支払手形及び買掛金が33億74百万円減少したこと等によるものです。
固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は103億54百万円となり、前連結会計年度末の104億95百万円と比較して大きな増減はありませんでした。
純資産
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が29億89百万円増加したこと及び配当金の支払による減少等により、488億21百万円となり前連結会計年度末と比較して14億33百万円増加しました。
以上により、自己資本比率は前期と比較して1.5ポイント上昇し、53.1%となりました。
③経営者による経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高2,370億36百万円(前年同期比3.1%減)、営業利益24億54百万円(前年同期比38.5%増)、経常利益22億3百万円(前年同期比2.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益29億89百万円(前年同期比88.2%増)となりました。
売上高
当連結会計年度及び前連結会計年度におけるセグメント別の売上高及びその増減は以下のとおりです。
(単位:百万円)
|
|
前期 |
当期 |
増減 |
|
エネルギー卸・小売周辺事業 |
77,679 |
72,271 |
△5,407 |
|
エネルギーソリューション事業 |
152,662 |
149,141 |
△3,521 |
|
非エネルギー及び海外事業 |
14,032 |
15,415 |
1,382 |
|
その他・調整額 |
193 |
208 |
15 |
|
連結合計 |
244,567 |
237,036 |
△7,531 |
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の売上高が減少した要因は、新たにグループ化した三河品川燃料株式会社の売上高が増加したが、平年よりも冬場の平均気温が高かったため、石油(主に灯油・ガス)の販売数量が前連結会計年度を下回ったことに加え、原油価格・プロパンCPが年度後半から大きく下落し、販売価格が低下したことによります。
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)においては、国内エネルギー業界は、人口減少や省エネ機器の普及等、今後とも外部環境は厳しい状況が続きますが、引き続きM&Aや営業権買収により、石油・ガスの卸・小売の事業基盤の拡大に取り組んでまいります。
エネルギーソリューション事業(BtoB事業)の売上高が減少した要因は、電力事業において、電力販売が好調で販売数量を伸ばしたが、石油事業が販売数量は前連結会計年度を上回ったものの、原油価格の下落により販売単価が低下したこと等によります。
エネルギーソリューション事業(BtoB事業)においては、国内エネルギー事業の環境が厳しくなる中、軽油や灯油等で川下分野を開拓していくこと、環境配慮型電力の拡販によりシェアアップを図るほか、アジアを中心とする風力発電事業等の再生可能エネルギー事業や新型マイクロ風車関連事業に代表される新規事業の開発に取り組んでまいります。
非エネルギー及び海外事業の売上高が増加した要因は、環境・リサイクル事業のシナネンエコワーク株式会社の白岡リサイクルセンター(2018年10月に操業開始)が通期で寄与したこと、シェアサイクル事業のシナネンモビリティPLUS株式会社がステーションと電動アシスト自転車の設置数を順調に伸ばしたこと、建物維持管理事業で集合住宅向けの事業が順調に伸びたこと等によります。
その他・調整額は、当社の不動産賃貸収入です。
売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、327億72百万円となり、前連結会計年度から25億円増加しました。その主な要因は、エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)ともに、前連結会計年度と比較して石油・ガスの差益単価が改善したこと等によります。
販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、303億18百万円で、前連結会計年度の285億円から18億17百万円増加しています。増加した主な要因は、新たにグループ化した三河品川燃料株式会社の販売費及び一般管理費が増加したこと、引き続きシェアサイクル事業への投資を実施していること、運送業界の人件費上昇等による運送費の増加、新規事業開発に係る支払手数料等の増加などによります。
営業利益
当連結会計年度及び前連結会計年度におけるセグメント別の営業利益及びその増減は以下のとおりです。
(単位:百万円)
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|
前期 |
当期 |
増減 |
|
エネルギー卸・小売周辺事業 |
308 |
766 |
458 |
|
エネルギーソリューション事業 |
414 |
819 |
405 |
|
非エネルギー及び海外事業 |
△184 |
△50 |
133 |
|
その他・調整額 |
1,233 |
918 |
△315 |
|
連結合計 |
1,771 |
2,454 |
682 |
エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の営業利益が増加した要因は、前連結会計年度の不適切な会計処理にかかる損失9億37百万円が消失した一方、冬場に平年より高い気温が続いたことにより石油・ガスの販売数量の減少、運送費や支払手数料等の物流費のコスト増等によります。
エネルギーソリューション事業(BtoB事業)の営業利益が増加した要因は、石油事業では船舶用燃料が好調であったこと、電力事業において安定した価格で電力を調達できたことや低CO2電力等環境対応の販売が好調だったこと等によります。
非エネルギー及び海外事業の営業利益が増加した要因は、シナネンモビリティPLUS株式会社のシェアサイクル事業への先行投資によるコスト増があった一方、環境・リサイクル事業のシナネンエコワーク株式会社の白岡リサイクルセンターが通期で寄与したこと、システム事業の株式会社ミノスの電力CISが引き続き好調を維持したこと、建物維持管理事業の集合住宅向けの事業が好調であったこと、空調工事事業のシナネンファシリティーズ株式会社の全館空調工事が好調であったこと等によります。
営業外収益及び営業外費用
当連結会計年度の営業外収益は、7億18百万円で、前連結会計年度の7億15百万円とほぼ同額となりました。
また、当連結会計年度の営業外費用は、9億68百万円で、前連結会計年度の3億27百万円から、6億40百万円増加しました。その主な要因は、前期末に判明したミライフ西日本株式会社での不適切な会計処理により発生した債権に対し、貸倒引当金を6億円積み増したことによる貸倒引当金繰入額の計上によります。
経常利益
当連結会計年度の経常利益は、上記営業利益、営業外収益及び営業外費用により22億3百万円となり、前連結会計年度の21億58百万円から44百万円増加しました。
特別利益及び特別損失
当連結会計年度の特別利益は、30億55百万円で、前連結会計年度の15億39百万円から、15億16百万円増加しました。資産効率化を目的とした投資有価証券売却益を17億29百万円、ミライフ西日本株式会社が保有する京都市の不動産売却益を3億78百万円、事業の選択と集中を進めシナネンエコワーク株式会社の保険事業を売却した事業譲渡益を4億50百万円、三河品川燃料株式会社の株式の段階取得に係る差益を4億77百万円計上したこと等によります。
また、当連結会計年度の特別損失は、2億71百万円で、前連結会計年度の4億91百万円から2億20百万円減少しました。減損損失が1億34百万円減少したこと、前連結会計年度は損害補償損失が88百万円計上されていたこと等によります。
税金等調整前当期純利益
上記の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は49億87百万円で、前連結会計年度の32億6百万円から、17億81百万円増加しました。
法人税等
当連結会計年度の法人税等は19億88百万円で、前連結会計年度の16億18百万円から、3億70百万円増加しました。税金等調整前当期純利益に対する負担率は、当連結会計年度が39.9%、前連結会計年度が50.5%と、10.6ポイント減少しました。その要因は、前連結会計年度では赤字幅を増やしたグループ企業があったことと、繰延税金資産が計上できない貸倒引当金が発生したこと等によります。
親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は29億89百万円で、前連結会計年度の15億88百万円から、14億1百万円増加しました。
④経営者によるキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末の87億68百万円に比べ、13億83百万円減少し、73億85百万円となりました。先行投資による仕掛品の増加や投資活動による支払いによります。
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度末において、営業活動で得られた資金5億69百万円で、前連結会計年度と比較して46億45百万円減少しました。
当連結会計年度で得られた資金5億69百万円の主な内容は、税金等調整前当期純利益で49億87百万円、減価償却費で29億32百万円、投資有価証券売却益で17億24百万円を計上し、たな卸資産の増加で17億92百万円、仕入債務の減少で34億62百万円資金が減少したこと等によります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度末において、投資活動の結果使用した資金は10億94百万円で、前連結会計年度と比較して2億8百万円減少しました。
当連結会計年度で使用した10億94百万円の主な内容は、固定資産の取得による支出が28億50百万円、子会社株式の取得による支出が11億30百万円あった一方、投資有価証券の売却による収入が24億20百万円あったこと等によります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度末において、財務活動の結果使用した資金は7億78百万円で、前連結会計年度と比較して14億77百万円減少しました。
当連結会計年度で使用した7億78百万円の主な内容は、配当金の支払が8億13百万円、長期借入金の返済が6億59百万円、短期借入金の増加額が7億40百万円あったこと等によります。
なお、キャッシュ・フロー指標の推移は下記のとおりです。
|
|
2017年3月期 |
2018年3月期 |
2019年3月期 |
2020年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
48.3 |
50.3 |
51.6 |
53.1 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
26.1 |
30.3 |
25.1 |
31.4 |
|
キャッシュ・フロー 対有利子負債比率(年) |
7.3 |
2.0 |
1.8 |
18.2 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
16.7 |
43.5 |
44.6 |
5.1 |
当連結会計年度末における連結ベースの資金は73億85百万円となりました。前連結会計年度から13億83百万円減少しておりますが、M&Aや営業権の買収、海外での再生可能エネルギー事業、新型マイクロ風車関連事業等の新規事業開発のための積極投資等、今後とも第二次中期経営計画に掲げる「資本効率の改善」や「持続的成長を実現する投資の実行」のために継続的な資金需要が見込まれています。
それらを実行するための資金調達にあたりましては、韓国の大型陸上風力発電事業ではプロジェクトファイナンスによる資金調達を進めるほか、社債の発行、新たな借入金、自己株式の活用等状況に応じて多様な資金調達ができるよう体制を整えています。
⑤重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っていますが、それらは連結財務諸表に影響を及ぼします。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
なお新型コロナウイルス感染症による当連結会計年度における影響は、ほとんど見られませんでした。
会計上の見積りを行うに際し、同感染症が今後の見通しに与える影響について検討した結果、当社グループの主力事業である、エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)においては、生活に必要なエネルギーの供給事業のため、消費量が大きく変動することが少なく、影響は限定的であり、見積りに重要な影響を与える変動は見込まれていません。
繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。
固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収の可能性を勘案し回収不能見込額を計上しています。
取引先の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
⑥第二次中期経営計画(2020年度~2022年度)の概要
計画スローガン
Challenging New Worlds with Big Sky-thinking ~大胆な発想で新しい世界への挑戦~
計画方針
持続的な成長を続ける組織となるための事業構造改革
定性目標
1)資本効率の改善
既存事業の利益率の向上策に加え、低効率資産の活用・売却のほか、事業の選択と集中を強力に推進します。
2)持続的な成長を実現する投資
①投資の優先順位付けの明確化
・既存事業の収益基盤強化のための投資(M&A)のほか、建物維持管理事業の拡大、再生可能エネルギー
事業への投資、新規事業開発を積極的に推進します。
②基幹システムの整備:DXによる基幹システムの高度化
・競争力の維持・強化を図るため、デジタルトランスフォーメーション(DX)※を推進し、環境変化に対応
した基幹システムの高度化を目指します。
3)社員の考え方・慣習・行動様式の変革
働き方改革をさらに推し進め、人材登用や適材適所の人材配置に加え、自由闊達な社内風土を醸成し、アント
レプレナーシップ(起業家精神)を持った社員を育成します。
2022年度(2023年3月期)数値目標
「ROE6.0%以上」を定量目標とし、持続的に「ROE6.0%以上」を生み出す事業構造の確立
注)この定量目標は、第三次中期経営計画(2023年度から2025年度まで)における、更なるROEの向上に向け
たマイルストーン(中間達成目標)としての位置づけです。
※デジタルトランスフォーメーションとは、当社グループでは、「抜本的に業務を見直し、高度なデジタル化を
行うことで効率化を実現し、生産性を高めること」と定義しています。
セグメント戦略
セグメントごとの主な戦略は次の通りです。
【BtoC事業】
1)石油・ガス事業の事業基盤維持拡大のため、営業権買収等のM&Aによるシェア拡大
2)物流アライアンスの推進、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を活用した業務効率化
3)ガスと電気のセット販売の推進や取次店方式等を活用した電力販売の強化
4)水回りリフォームやアフターFIT(Feed-in Tariff:固定価格買取制度)商品の拡充等で、住まいと暮ら
し事業の販売推進
【BtoB事業】
1)石油事業では、軽油販売や灯油宅配等の川下事業強化による利益率向上
2)電力事業では、取次店開拓や法人向け低CO2等の新メニュー拡充による販売拡大
3)PV関連メンテナンス事業では、製販一体化による新商材、新販路の開発
4)国内外での新型マイクロ風車関連事業(製造販売)の開発
5)アジアを中心とした風力発電事業等の再生可能エネルギー事業の開発
【非エネルギー及び海外事業】
1)自転車事業:プライベートブランドの拡販、小売店ダイシャリンの収益構造改革
2)シェアサイクル事業:ターゲットを絞った既存エリアでの深耕とデータを活用した運営の効率化
3)環境・リサイクル事業:リサイクル事業の収益安定・効率化及び新たなバイオマス燃料事業の開発
4)抗菌事業:抗菌・消臭の総合ソリューション事業への変革及び鉛吸着剤等の新規事業開発
5)システム事業:主要機能強化による顧客件数の伸長とIoTを活用した新規事業開発
6)建物維持管理事業:関東全域への事業エリア拡大及び設備工事・保守事業への展開
株主還元・配当方針
連結配当性向30%以上を目安に安定的な配当を実施してまいります。
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2016年度 |
2017年度 |
2018年度 |
2019年度 |
|
1株あたり配当金 |
100.0円 |
75.0円 |
75.0円 |
75.0円 |
|
1株あたり当期純利益 |
200.26円 |
231.13円 |
146.00円 |
274.84円 |
|
連結配当性向 |
49.9% |
32.4% |
51.4% |
27.3% |
注:2016年度は創業90周年記念配当25.0円を含んでおります。
当連結会計年度において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。
当社グループの当連結会計年度における研究開発費は
連結子会社である株式会社シナネンゼオミックは、抗菌・殺菌、消臭及び吸着の各技術に関する研究開発を行っています。
抗菌技術に関しては、プラスチックや塗料等の汎用製品向けに、従来の抗菌剤ゼオミックの課題であった変色問題を大幅に改善した、新規低変色性ゼオミックの製品化を進めております。また、未来技術として数年前から取り組んでいる、水中の微生物抑制を目的としたUⅤ-LED殺菌モジュールの用途開発については、2020年度中の実用化を目指し開発を進めております。
一方、吸着技術については、一昨年に製品化した鉛吸着剤の大量生産技術について研究を進めるとともに、様々な顧客ニーズに応えるべく、ヒ素・フッ素等他の有害物質をターゲットにした新たな吸着除去剤の研究も、昨年度より開始しております。
独自開発に拘ることなく、国内外の企業や大学との共同研究活動を積極的に行い、研究開発スピードの向上に努めております。