当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
(当社グループを取り巻く環境)
当中間連結会計期間における我が国経済につきましては、社会経済活動の正常化や雇用・所得環境の改善を背景に、堅調な公共投資と企業業績の改善により、景気は緩やかな回復が見られました。一方、ロシア・ウクライナ情勢や中東地域をめぐる地政学リスクの高まりによるエネルギー価格の高止まりや円安による物価上昇は継続しており、個人の消費マインドは引き続き低迷したままで、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
エネルギー業界におきましては、COP28(国連気候変動枠組条約締約国会議)において、GHG排出量を2030年までに43%、2035年までに60%を削減する必要性が改めて認識され、世界全体の進捗を5年毎に評価するグローバル・ストックテイクが実施されました。
これにより、今後、地球温暖化対策への取り組みが一層加速され、再生可能エネルギーの推進や環境負荷低減に資する省エネルギー商品の供給等の重要性が増すことが予想されます。
(事業の経緯と成果)
このような環境に対応するため、当期を初年度とする新たな中期経営計画(以下「本中計」という)を策定いたしました(2024年5月15日公表)。
本中計は、環境対応エネルギーのコアビジネス化の「加速」、積極的な投資によるリサイクル事業の「拡大」、着実な事業戦略の推進により「成長軌道」にのせ、最終年度(2026年度)において、経常利益14.5億円、ROE8.0%以上を目指すものであります。
当中間連結会計期間につきましては、環境対応エネルギーのコアビジネス化として、バイオディーゼル燃料(以下「BDF」という)事業の拡大を図ってまいりました。
将来的には、水素や合成燃料等の環境対応エネルギーが期待されておりますが、軽油の代替燃料であるBDFは、現時点においてそのような次世代エネルギーより調達コストが低く、既存設備での運用が可能であり、産業競争力を損なうことなくCO₂排出量を低減できる現実的なエネルギーであります。
特にトラックを利用する物流部門や建設機械を使用する建設現場においては、燃料である軽油をBDFに変更することにより、CO₂排出量を低減できるため、今後、益々需要が増加することが予想されます。これに対応するため、これまでの関西の製造設備について大幅な能力増強をすすめるとともに、新たに北海道、東北、関東で供給を開始しました。
一方、リサイクル事業につきましては、従来型のリサイクルという領域にとどまらず、資源として再利用する循環型社会の進展において、重要な役割を担う事業として注目されております。特に環境開発工業の取り扱う、 CO₂排出量を実質ゼロカウントとみなすことが可能な「再生重油」は、資源の効率利用と環境負荷低減を両立するエネルギーであります。当社グループは、再生重油の品質向上や効率的な生産方法の研究を継続するとともに、リサイクル品目の拡大に努めてまいります。
この結果、当中間連結会計期間の業績につきましては、売上高は、石油事業において販売数量の増加等から、前年同期比26億円(10.2%)増加の288億円となりました。損益面では、石油事業において、市況の低迷により、想定していたマージンを確保できなかったこともあり、売上総利益は、前年同期比83百万円(3.6%)減少の2,264百万円となりました。営業利益は、BDF事業拡大に係る経費が増加したため、前年同期比282百万円(54.4%)減少の236百万円となり、経常利益は、前年同期比277百万円(52.4%)減少の251百万円となりました。また、親会社株主に帰属する中間純利益は、老朽化したレンタル資産等の売却により固定資産売却益96百万円を計上したものの、前年同期比186百万円(49.9%)減少の187百万円となりました。
なお、当中間連結会計期間における営業利益の実績と計画(2024年5月15日公表)の対比につきましては、石油事業が計画を下回ったものの、リサイクル事業、環境関連事業、ホームエネルギー事業及びレンタル事業の各事業におきましては、計画を上回り、連結においても計画を上回る進捗であります。
セグメント別の業績の概要は、次のとおりであります。
「石油事業」
石油業界におきましては、ロシア・ウクライナ情勢や中東地域をめぐる地政学リスクが継続しており、ドバイ原油価格は、期初90ドル/バーレル台から当中間連結会計期間末には70ドル台に下落し、為替は、期初150円/ドル台から7月の日銀の政策金利引き上げ後には140円/ドル台と円高に推移いたしました。
また、国内の石油製品需要は、ジェット燃料を除きすべての油種で前年を下回り、特に灯油とアスファルトは前年を大きく下回りました。
このような厳しい環境に対応するため、当社グループは、販売数量を大胆に増加させる方針を打ち出し、前年比110%超の販売数量を達成し、前年に発生した在庫の評価による利益を除いたマージンは前年より改善いたしましたが、計画したマージンレベルの確保には至りませんでした。
この結果、当中間連結会計期間の業績につきましては、売上高は、前年同期比27億円(12.0%)増加の256億円となりました。営業利益は、BDF事業拡大に係る経費が増加したため、前年同期比126百万円減少して178百万円の損失となりました。
なお、石油事業は、冬季に需要が増加する灯油・A重油の販売が中心であるため業績に季節的変動があり、売上高・利益ともに上半期が少なく、下半期が多くなる傾向にあります。
第3四半期につきましては、引き続き販売数量の拡大に努めるとともに、石油事業の周辺製品やサービス等のラインナップを拡充し、付加価値を訴求する提案型営業を推進し、利益の最大化に努めてまいります。
「リサイクル事業」
北海道全域を営業基盤とするリサイクル事業におきましては、北海道経済が次世代半導体の製造拠点建設や札幌圏の再開発等、民間設備投資や公共工事に下支えされたことにより、底堅く推移いたしました。また、原油価格の高止まりや世界的なカーボンニュートラルへの動きが加速する中、資源のリサイクルに対する社会の要請は一段と高まっており、産業廃棄物業界は静脈産業として、循環型社会の進展に貢献すべき役割の重要性が増しております。
このような環境の下で、CO₂排出量をゼロカウントとみなすことが可能な「再生重油」については、お客様や社会のニーズに応え、原料となる廃油回収の拡大に努めてまいりました。
当社グループは、廃油・廃プラスチック・OA機器等の産業廃棄物収集運搬・中間処理を経て、各産業に再生資源を提供するだけでなく、廃棄物を資源として活用するサーキュラーエコノミーの進展に向け、全道における同業者や当社グループ各社と連携を深めることで、より多くのお客様や地域社会のニーズに貢献する事業活動を推進してまいりました。
この結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高は、前年に環境リサイクル事業における大口受注があったこと等から、前年同期比129百万円(15.2%)減少の723百万円となりました。のれん並びに無形固定資産の償却額36百万円等を差し引いた営業利益は、前年同期比52百万円(26.9%)減少の141百万円となりましたが、計画を上回り順調に推移しております。
第3四半期につきましては、引き続きお客様に選ばれるリサイクラーとして、リサイクル率の向上や取扱い品目の拡大、新たな処理技術の開発に努めてまいります。
「環境関連事業」
当社グループが取り組んでいる環境関連事業のうち、グリーン商品であるアドブルー(※)の販売につきましては、アドブルーを使用するSCR搭載商用車が増加する機会を捉え、ホームセンター等の小売向けの販売を拡大いたしました。
一方、メガソーラー発電事業につきましては、修繕による稼働停止期間があり売電量は前年を下回りました。
この結果、当中間連結会計期間の業績につきましては、売上高は、前年同期比28百万円(5.0%)減少の531百万円となりました。また、営業利益は、組織再編による管理コスト負担の増加もあり、前年同期比51百万円(38.4%)減少の82百万円となりました。
第3四半期のアドブルー販売につきましては、仕入先との良好な関係を維持・強化することで、安定供給体制を確立し、引き続きカーショップやホームセンター等一般顧客向けの販売拡大に努めてまいります。
※アドブルー(AdBlue):ディーゼル車の排ガス中の窒素酸化物(NOx)を無害化する「SCRシステム」に使われる高品位尿素水。
「ホームエネルギー事業」
北海道道央地域に営業基盤を有するホームエネルギー事業(LPG・灯油など家庭用燃料小売事業)におきましては、節約志向の継続に加え、平均気温が観測史上2番目に高い記録となり、一世帯当たりの家庭用燃料油の消費量が減少いたしました。
また、LPGがお客様から信頼されるエネルギーとなることを目的として、本年4月2日に「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」(以下「液石法」という)が改正されました。
このような経営環境の下、お客様並びに取引先に対して、改正された液石法について十分に理解・認識を得て取引いただけるよう、より一層の信頼関係の構築とコンプライアンスの徹底に努めてまいりました。また、省エネや快適な暮らしの提案、各種点検活動による安全の確保、灯油配送体制を含むアフターサービスの充実を図ってまいりました。
この結果、当中間連結会計期間の業績につきましては、売上高は、販売価格の上昇、新規顧客の増加により、前年同期比26百万円(3.7%)増加の739百万円となりました。
営業利益は、人件費や保安・安全関係経費の増加により、前年同期比40百万円減少して若干の損失となったものの、消耗品等の投資経費の繰り延べにより計画を上回り順調に推移しております。
第3四半期につきましては、仕入価格の上昇や一世帯当たりの家庭用燃料油の消費量の減少等の厳しい環境に対応するため、一層のコスト削減に努めてまいります。また、「安全・安心・安定」の供給体制の維持・強化を図るとともに、きめ細かな提案活動を展開することで、収益の拡大を図ってまいります。
「レンタル事業」
北海道道央地域に営業基盤を有する建設機材レンタル事業におきましては、事業と関係性の深い公共工事の発注金額が、北海道全体では前年同期比9.4%増、営業基盤のある石狩地区では前年同期比7.5%増となり、北海道新幹線延伸工事等を中心に増加いたしました。
このような環境の下で、当社グループは、引き続き顧客のニーズに応える丁寧な営業活動を展開し、新規顧客の獲得並びに既存顧客の深耕に注力してまいりました。また、様々な業種の顧客の利便性向上に資するべく、保有機材のラインナップの拡充や7か所の営業拠点を活用した貸出・返却体制の整備に努めてまいりました。
この結果、当中間連結会計期間の業績につきましては、売上高は、前年同期比57百万円(5.3%)増加の1,150百万円となりました。一方、営業利益は、減価償却費の増加等により過去最高益を出した前年から11百万円(5.8%)減少して191百万円となりましたが、計画を上回り順調に推移しております。
第3四半期につきましては、年末に工期を迎える公共工事が集中し、需要のピークとなることから、引き続き新規顧客の獲得活動による需要の取り込みに努めるとともに、冬季の除雪需要への対応に取り組んでまいります。
(2)財政状態の分析
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,367百万円減少の17,753百万円となりました。
この主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産の減少1,360百万円や無形固定資産の減少56百万円などの減少要因の合計額が、有形固定資産の増加197百万円などの増加要因の合計額を上回ったことによるものであります。
また、負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,146百万円減少の8,470百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金の減少1,716百万円や未払法人税等の減少35百万円などの減少要因の合計額が長期借入金の増加1,000百万円などの増加要因の合計額を上回ったことによるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ221百万円減少の9,283百万円となりました。この主な要因は、親会社株主に帰属する中間純利益187百万円による増加と、配当金の支払427百万円による減少などであります。
なお、資産及び負債の減少は、主に季節的変動によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動で使用した資金が、営業活動及び財務活動により増加した資金を上回り、当中間連結会計期間末の資金残高は、前連結会計年度末に比べ98百万円減少して3,335百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は33百万円(前年同期は88百万円の増加)となりました。これは売上債権の減少額1,360百万円などの資金増加要因と減価償却費482百万円などの非資金項目の合計額が、仕入債務の減少額1,703百万円などの資金減少要因の合計額を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は703百万円(前年同期は290百万円の使用)となりました。これは有形固定資産の取得による支出757百万円や無形固定資産の取得による支出49百万円などの資金減少要因の合計額が、有形固定資産の売却による収入96百万円などの資金増加要因の合計額を上回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は571百万円(前年同期は277百万円の使用)となりました。これは資金増加要因である長期借入による収入1,000百万円が、配当金の支払額427百万円など資金減少要因の合計額を上回ったことによるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。