文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関係会社)が判断したものであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「四半期(当期)純利益」を「親会社株主に帰属する四半期(当期)純利益」としております。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間における海外経済は、中国株式市場での株価急落をきっかけにした金融市場の混乱及びテロ多発等の影響もあり、緩やかな拡大基調は維持しつつも景気は減速傾向にあります。日本経済についても海外経済同様に回復基調は維持していますが、成長の伸びに力強さが見られない状況が続いております。
このような状況下、主要顧客である日系自動車メーカー及び部品メーカーでのシェア拡大ならびに当期より子会社化した日本シー・ビー・ケミカル株式会社の寄与により、売上高は前年同期比6.4%増の23,200百万円となりました。また、営業利益は前年同期比44.6%増の1,715百万円となりました。経常利益は前年同期比24.3%増の2,444百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は、第1四半期に計上された日本シー・ビー・ケミカル株式会社の子会社化による負ののれん発生益541百万円もあり前年同期比38.2%増の2,024百万円となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
①日本
日本シー・ビー・ケミカル株式会社の寄与によりセグメント売上高は前年同期比2.3%増の12,724百万円となりました。セグメント利益(営業利益)は原油価格低下の影響と原価低減に努めたことにより、前年同期比2.9%増の507百万円となりました。
②南北アメリカ
北米地区(アメリカ・メキシコ)の売上高は、好調を維持している米国の自動車業界に牽引され前年同期を上回りました。一方、ブラジルでは景気低迷の影響を受け前年同期を下回りました。その結果、セグメント売上高は前年同期比12.7%増の4,022百万円となりました。
利益については、ブラジルで減益、そしてメキシコでは工場立上がりに伴う費用負担の増加により赤字が続いておりますが、アメリカでは増収及び原油安の影響で増益となりました。その結果、セグメント利益は前年同期比58.0%増の257百万円となりました。
③中国
景気減速の影響により現地通貨ベースでの売上高は前年同期を下回りましたが、為替の影響によりセグメント売上高は前年同期比6.8%増の3,502百万円となりました。セグメント利益は原油安の影響で原材料価格が下落したことにより前年同期比22.5%増の537百万円となりました。
④東南アジア/インド
東南アジア各国とも景気が減速し厳しい状況が続いているものの、タイ及びインドネシアにおいて既存顧客におけるシェア拡大により増収となりました。またインドでも、販売が好調な日系自動車メーカー及び既存顧客におけるシェア拡大により増収となりました。マレーシアでは、出荷が大幅に減少した太陽電池用切断油剤の影響を補えず減収となりました。その結果、セグメント売上高は前年同期比17.6%増の2,950百万円となりました。
利益については、マレーシアで売上高と同様の要因により減益となりましたが、タイ及びインドネシアでは増収効果により増益となりました。またインドについては工場稼動開始の一昨年4月以降行ってきた現地生産への切り替え作業がほぼ完了したことにより利益率が改善され赤字幅が大きく縮小しました。その結果、セグメント利益は前年同期比296.0%増の402百万円となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、39,732百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,226百万円増加しました。主な要因として、「長期預金」が186百万円減少し、一方、「有形固定資産」が865百万円、「受取手形及び売掛金」が324百万円、「現金及び預金」が226百万円増加したことが挙げられます。
負債は、10,783百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,292百万円増加しました。主な要因として、「賞与引当金」が162百万円減少し、一方、「長期借入金」が703百万円、流動負債の「その他」が433百万円、固定負債の「繰延税金負債」が239百万円、「退職給付に係る負債」が196百万円増加したことが挙げられます。
純資産は、28,949百万円となり、前連結会計年度末に比べ66百万円減少しました。主な要因として、「利益剰余金」が1,498百万円、「非支配株主持分」が159百万円増加したこと、「その他有価証券評価差額金」が105百万円減少したこと、ならびに、「為替換算調整勘定」が1,693百万円変動したことが挙げられます。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」といいます。)を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
①基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針として、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社グループの企業価値・株主共同の利益を継続的かつ安定的に確保し、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えています。
しかしながら、株式の大規模買付行為の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益を毀損するもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、株主や対象会社が株式の大規模買付行為の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が大規模買付提案に係る条件よりも有利な条件をもたらすために大規模買付提案者との協議・交渉を行うことを必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資さないものも少なくありません。
当社は、自動車業界とその関連業界及びビルメンテナンス業界に対して高品質の製品と技術サービスを提供することで、ユーザー各社から高い信頼を得ている専業メーカーです。特に主力となる金属加工油剤関連事業においては、主要ユーザーである自動車業界の海外進出にもグループ各社を通じて対応する等国内外において展開を拡大しつつあります。これらを踏まえ、当社は、当社の企業価値の源泉が、長年にわたって独自に蓄積してきたノウハウ及び株主の皆様、従業員、取引先、顧客、地域社会、その他の当社の利害関係者との良好な関係性にあると考えております。したがって、大規模買付行為を行う者が、このような当社の企業価値の源泉を十分に理解した上で、これらを中期的に確保し、向上させるのでなければ、当社グループの企業価値・株主共同の利益が毀損されることになりかねません。
当社は、このような当社グループの企業価値及び株主共同の利益を毀損する大規模買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大規模買付行為に対しては必要かつ相当な対抗手段を講じることにより、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保する必要があると考えています。
②基本方針の実現に資する特別な取り組み
上記①の方針を実現するために、以下のような活動に取り組んでおります。
(イ) 機関投資家・アナリスト向けに、決算説明会を年2回(本決算、第2四半期決算終了後)行っております。
(ロ) 個人投資家向けに、ネットIRにより、ホームページ上で、社長が決算の概要説明を行っております。
(ハ) 株主総会後に、株主懇談会を開き、役員全員が株主と懇談し、情報交換の場としております。
当社の主要顧客である自動車業界では、メーカー各社が生産の拠点を海外に移し、国内市場は縮小傾向にあります。一方、中国、新興国の成長市場ならびに北米市場の回復により、その生産台数は世界的にみれば増加傾向になると予測されます。当社の主力事業であります金属加工油剤の売上高は、自動車産業への依存度が大きく、今後、市場が拡大する地域には積極的に経営資源を投入し業績の拡大に繋げてまいります。また、円安により原料価格が高騰する中、継続的に利益、利益率を改善できる戦略、体制を整え競争力を強化してまいります。
このような認識のもと、平成26年4月からの第17次中期計画において、以下の基本戦略をもって国内だけでなく、全世界を舞台にグローバルな視点を持った事業を展開しております。
(イ) インド、メキシコに新たな生産拠点を稼動させ、東南アジア/インド、南北アメリカ、中国の3セグメントでの事業拡大を加速させる。
また、同時に各セグメントでの研究開発体制を強化し、タイでアセアンテクニカルセンターを稼動させ、アメリカには研究設備を増設し、メキシコまでの技術対応、現地ニーズにあった製品開発、新製品投入を積極的に実施する。平成28年度の海外売上高比率50%を目指す。
(ロ) 営業、技術一体の組織とし、顧客対応と製品開発のスピードアップで顧客満足度を向上させる。また、代理店網の再整備を行い販売強化に繋げる。
(ハ) ユシログローバルネットワークを活かし、原材料情報を的確に把握し最適サプライヤーの選択と各種製品群の最適生産拠点からの供給により国内外の利益改善を実施する。
(ニ) 土木、インフラ分野に適用できるケミカル品の育成、実績化を検討するとともに、技術導入、事業提携、M&Aを活用し新規事業分野への参入を目指す。
③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上のための取り組みとして、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうような買収等を未然に防止するため、平成19年6月26日開催の株主総会において株主の皆様の承認により導入し、さらに平成27年6月24日開催の株主総会において株主の皆様の承認を得て、「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます。)を更新しております。本プランの詳細については、当社ホームページ(http://www.yushiro.co.jp/ir/pdf/baisyu_bouei_150514.pdf)にて、平成27年5月14日に発表いたしました資料を公開しておりますので、ご参照下さい。
④上記取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
上記(3)②の取り組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるものであることから、基本方針に沿うものであると考えております。また、かかる取り組みは、当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
また、上記(3)③の取り組みについて、本プランは、基本方針に照らして当社株式等に対する大規模買付等がなされた際に、当該大規模買付等に応じるべきか否かを判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入しております。また、本プランは、当社の定時株主総会にて株主の皆様のご賛同を得たうえで継続しており、その後の本プランの変更・廃止についても株主の皆様の意思が十分反映される仕組みとなっております。さらに、当社は、大規模買付等への対抗措置の発動等に際して、取締役会の恣意的判断を排除し、取締役会の判断及び対応の客観性及び合理性を確保することを目的として企業価値諮問委員会を設置し、当社取締役会は、対抗措置の発動又は不発動の決議等に際して、企業価値諮問委員会の勧告を最大限尊重することとし、企業価値諮問委員会が対抗措置の発動を勧告するに際して当該発動に関して事前に株主意思の確認を得るべき旨の留保を付した場合、当社取締役会は、実務上開催が著しく困難な場合を除き、実務上可能な限り最短の時間で株主総会を招集し、対抗措置の発動に関する議案を付議することとなっております。
以上から、本プランは当社の株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,187百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社の経営成績は主要顧客である自動車関連業界における生産量の動向や原油価格及び外国為替相場の変動に重要な影響を受ける傾向にあります。国内自動車生産による需要増加は生産年齢人口の減少傾向も相俟って多くを望めない環境にあります。また、昨今の原油相場や外国為替レートの急激な変動により原材料価格動向も極めて不透明な情勢に陥っております。
このような状況下、当社は今後需要増加が見込める地域及びコア事業の周辺分野開拓に経営資源を投入し経営基盤を強化してまいります。
当期では将来の大きな発展が見込まれるインドと日系自動車関連業界の進出が著しいメキシコでの現地生産を本格化し収益の拡大に努めるとともに、グローバルベースでの地域別拡販手法を確立し、日系顧客だけでなく現地企業への販売促進に努めてまいります。また、M&Aにより取得した子会社の経営資源を有効活用しコア事業である金属加工油剤の周辺分野を拡充し、総合力を高めてグローバル展開を加速いたします。
このような方策により今日まで培ってきたブランド力・海外展開力を活かし長期的な利益創出を目指してまいります。