第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における我が国の経済は、米国・中国を中心に輸出が緩やかに回復しており、個人消費も堅調な雇用・所得情勢を受けて持ち直しております。世界経済においても米国新政権による政策動向の不透明感はあるものの、底堅く推移しました。
 このような環境下、売上高は前期比3.5%減の29,605百万円となりました。また、営業利益は前期比12.3%増の2,437百万円となりました。経常利益は前期比2.4%増の3,017百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年に日本シー・ビー・ケミカル株式会社の子会社化による負ののれん発生益541百万円を計上した影響で、前期比14.8%減の1,697百万円となりました。

 

  セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

  ① 日本

拡販に努めた結果数量ベースでは前期を上回りましたが、価格改定の影響によりセグメント売上高は前期比4.5%減の15,993百万円に留まりました。セグメント利益(営業利益)は原価低減等に努めた結果、前期比25.3%増の754百万円となりました。

 

  ② 南北アメリカ

北米地区の好調な自動車生産に牽引され現地通貨ベースでは前年実績を上回っているものの、為替の影響によりセグメント売上高は前期比1.3%減の5,273百万円となりました。セグメント利益は原材料価格の下落及びメキシコ子会社の黒字化により前期比52.4%増の476百万円となりました。

 

  ③ 中国

鉄鋼関連の減少を自動車関連の売上が補う形で現地通貨ベースでは前年を上回りましたが、為替の影響によりセグメント売上高は前期比8.8%減の4,273百万円となりました。セグメント利益も売上高と同様為替の影響により、前期比7.2%減の701百万円となりました。

 

  ④ 東南アジア/インド

各国での既存顧客のシェアアップによりセグメント売上高は前期比4.1%増の4,065百万円となりました。セグメント利益は、マレーシア及びインドネシアの子会社で大きく利益を伸ばしたもののインド子会社の赤字影響により前期比1.2%減の498百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における、現金及び現金同等物の残高は、8,034百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,253百万円増加しました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動により2,800百万円の収入超過となりました。これは、法人税等の支払額710百万円、持分法による投資利益495百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益2,895百万円、減価償却費755百万円、厚生年金基金解散損失引当金の増減額294百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動により46百万円の支出超過となりました。これは、有形固定資産の売却による収入334百万円、投資有価証券の売却による収入179百万円、定期預金の払戻による収入155百万円がありましたが、有形固定資産の取得による支出508百万円、定期預金の預入による支出109百万円、投資有価証券の取得による支出105百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動により1,496百万円の支出超過となりました。これは、配当金の支払額550百万円、自己株式の取得による支出375百万円、非支配株主への配当金の支払額260百万円、長期借入金の返済による支出229百万円によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

日本

15,432

96.7

南北アメリカ

5,154

94.0

中国

4,792

90.7

東南アジア/インド

4,101

106.4

29,481

96.4

 

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。

2 金額は販売価格によります。

3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当グループの生産は全量見込生産を行っております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

日本

15,993

95.5

南北アメリカ

5,273

98.7

中国

4,273

91.2

東南アジア/インド

4,065

104.1

合計

29,605

96.5

 

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社は創業以来70有余年、「共々の道」という理念を掲げ、事業に取り組んでおります。これは、企業は社会と共に、お客様と共に、さらには社員と共に歩んでこそ株主に繋がる皆様のためになり、企業価値向上に繋がるという考えであります。

 この不易の理念を踏まえ、当社は次の三つの経営理念を定めております。

① お客様に最良の商品とサービスを提供する。

② 事業の発展を通じ、企業価値の永続的な向上を図る。

③ 社員が思う存分にその能力を発揮できる活力ある職場を作る。

 

 (2) 経営戦略等

① 事業環境と当社グループの対応

当社の主要顧客が属する自動車産業の国内市場は、高齢化及び若年層の自動車離れや生産拠点の海外移転も進み、頭打ちの状態が続いております。一方、海外市場は拡大基調にあり、当社グループは、平成26年度より取り組んできました第17次中期経営計画の初年度に、インド及びメキシコで工場を立ち上げ、また2年目の平成27年度に日本シー・ビー・ケミカル社を当社グループに加えるなど事業の強化・拡大を図ってきました。
 平成29年4月からの第18次中期経営計画では、持続的成長を実現するため、市場が拡大する地域へ積極的な経営資源の投入を継続し、グローバルでの販売力・技術力強化及び戦略的投資により当社グループの総合力強化を図ってまいります。

 

② 基本方針

(a)グローバルでの販売力強化
拡大する海外市場に対応するための人員強化や国内及び海外拠点での販売網を構築することで販売力強化につなげ、事業拡大を加速させます。

(b)コア事業での競争力強化
金属加工分野での技術提案力をより強化し、顧客満足度の向上及び付加価値向上を図り、利益ある事業拡大につなげます。また、戦略的投資により事業強化を行います。

(c)グループ間シナジーを最大限に発揮できる体制構築
当社グループが持つ情報を積極的に活用し、経営の効率化とスピードアップによりグループ間のシナジーがより発揮できる体制を構築します。

 

③ 基本戦略

(a)海外事業戦略
(イ)営業人員増強及び販売店・代理店網の整備による販売力強化
(ロ)国内を含む会社間での情報の積極的活用による業務の効率化
(ハ)アメリカ、中国、東南アジアを中心に販売拠点を拡充

(b)国内事業戦略
(イ)販売チャネルの強化
(ロ)素形材加工油剤分野の拡販
(ハ)コスト競争力強化を目的としたグローバル製造ラインの構築
(ニ)工具メーカー・機械メーカーとの連携及び大学と共同研究推進

(c)戦略的投資
(イ)日本及び北米を中心にアライアンス、M&Aによる事業強化・拡大の実施

(d)新規事業戦略
(イ)自己修復性ポリマーゲルの事業化
(ロ)セメント混和剤の育成

 

 

(3) 株式会社の支配に関する基本方針

① 会社の支配に関する基本方針

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針として、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社グループの企業価値・株主共同の利益を継続的かつ安定的に確保し、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
 当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えています。
 しかしながら、株式の大規模買付行為の中には、その目的等から見て企業価値・株主共同の利益を毀損するもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、株主や対象会社が株式の大規模買付行為の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が大規模買付提案に係る条件よりも有利な条件をもたらすために大規模買付提案者との協議・交渉を行うことを必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資さないものも少なくありません。
 当社は、自動車業界とその関連業界及びビルメンテナンス業界に対して高品質の製品と技術サービスを提供することで、ユーザー各社から高い信頼を得ている専業メーカーです。特に主力となる金属加工油剤関連事業においては、主要ユーザーである自動車業界の海外進出にもグループ各社を通じて対応する等国内外において展開を拡大しつつあります。これらを踏まえ、当社は、当社の企業価値の源泉が、長年にわたって独自に蓄積してきたノウハウ及び株主の皆様、従業員、取引先、顧客、地域社会、その他の当社の利害関係者との良好な関係性にあると考えております。したがって、大規模買付行為を行う者が、このような当社の企業価値の源泉を十分に理解した上で、これらを中期的に確保し、向上させるのでなければ、当社グループの企業価値・株主共同の利益が毀損されることになりかねません。
 当社は、このような当社グループの企業価値及び株主共同の利益を毀損する大規模買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大規模買付行為に対しては必要かつ相当な対抗手段を講じることにより、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保する必要があると考えています。

 

② 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み

当社は、平成27年6月24日開催の第82回定時株主総会において、従前の当社株式に係る買収行為への対処方針(買収防衛策)を修正したうえで継続することを株主の皆様にご承認いただきました。(以下、修正後の当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)を「本プラン」といいます。)
 本プランは、大規模買付者に対して事前に大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報及び考慮・交渉のための期間の確保を求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断されること、当社取締役会が企業価値諮問委員会の勧告を尊重しつつ、当該大規模買付行為に対する賛否の意見または代替案を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、株主の皆様のために大規模買付者との交渉を行うこと等を可能とし、もって当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益の確保・向上を目的として導入されたものです。

なお、本プランの詳細につきましては、当社ホームページをご参照ください。
(http://www.yushiro.co.jp/app/news_view.php?id=kj)

 

③ 具体的取り組みに対する当社取締役の判断及びその理由

本プランは当社株式に対する買付等が行われた際に、当社の企業価値・株主共同の利益を確保するための枠組みであり、まさに上記当社の基本方針に沿うものです。特に本プランについては経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則の要件を充足していること、第82回定時株主総会において株主の皆様の承認を得ていること、一定の場合に株主意思確認総会において株主意思を確認することとしていること、及び取締役の任期は1年であり、また当社取締役会によりいつでも本プランを廃止できるとされていること等株主意思を重視するものであること、独立性の高い企業価値諮問委員会が設置され、本プランの発動に際しては必ず企業価値諮問委員会の判断を経ることが必要とされていること、企業価値諮問委員会は当社の費用で第三者専門家を利用し助言を受けることができるとされていること等により、その公正性・客観性が担保されており、企業価値・株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業成績、財務情報等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経済状況に係るリスク

 当社グループの重要な顧客である自動車関連業界の需要は、国または地域の経済状況の影響を受けます。従って、日本、北米、南米、アジアを含む主要市場における景気後退や需要減少は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 関係会社に係るリスク

 海外関係会社におきましては、対象国それぞれに政治・経済・法律等のカントリーリスクの発生や予期せぬ訴訟が発生することが懸念されますが、このことにより当社グループの経営成績が悪影響を受ける可能性があります。

 

(3) 新規分野のリスク

 独自性のある製品を開発し競合他社との差別化を図ることで、注力するアルミ離型剤、塑性加工油剤、洗浄剤の各分野における新製品群が将来の成長性、収益性の向上に寄与するものと考えております。しかしながら市場から支持される新製品や新技術を正確に予測出来るとは限らず、また事業再編により市場を喪失することも考えられます。このような場合には、今後の成長と収益に陰りが生じ、投下資金の負担が業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 原料確保と購入に伴うリスク

 当社製品の製造に必要な購入原料の大半は、石油化学品と天然油脂化学品であります。石油化学品の原料である原油の価格は大きく変動する可能性があります。また、天然油脂化学品の原料である動植物油脂の大半は輸入に依存しており、世界相場の変動により、製品原価に影響を及ぼす可能性があります。
 また、中国等新興国の需要増加による化学品の世界的な供給不安の影響、また設備の老朽化による化学工場の事故、操業停止が頻発していることが、原料供給を不安定にする可能性があります。

 

(5) 災害、事故等に関するリスク

 大規模な自然災害や重大な事故により当社グループの生産設備が被害を受けた場合には事業活動が制約を受け、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 環境規制に関するリスク

 当社グループは環境関連法規の遵守に努めておりますが、水質汚濁防止法や廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正等により当社グループの事業活動に制約を受け、業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 資産価格の下落に関するリスク

 当社グループが保有している資産について時価下落・収益性の低下等に伴い資産価値が下落した場合は、当社グループの業績と財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 為替変動に関するリスク

  当社グループには海外に所在する関係会社が含まれております。よって為替レートの変動が当社グループの業績等に影響を及ぼすことがあります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】 

平成28年度は、中期3ヵ年計画の最終年度であります。中期計画の重要テーマのひとつである「新分野への挑戦」のために取り組んできました大学や公的機関との共同研究が、成果を挙げつつあります。そのひとつが、新規事業開拓プロジェクトチームが研究している“自己修復性ポリマーゲル「ウィザードゲル」”です。この自己修復性ポリマーゲルは、大阪大学で開発されたもので、従来の自己修復性材料では成し得なかった「切断傷」を完全修復する特徴を有しています。このゲルを実用化するため、同大学と共同で研究を行っています。特にユシロが得意とする個々の顧客の要望に合致した仕様に変更する「カスタマーインティマシー戦略」に基づき、多様なニーズに対応するための研究開発を行っています。現在、この自己修復性の特徴に興味を持っていただいた多数の企業とさまざまな用途での利用について検討を開始しています。近い将来「ウィザードゲル」の特徴を生かした画期的な各種商品が、市場に展開されることを期待して日々研究活動を行っています。
 当連結会計年度において、国内で研究開発に携わるスタッフは87名であり、当社従業員の29%に当たります。アメリカ、メキシコ、ブラジル、中国、タイ等の海外グループ各社との連携を密にするため、上記国内スタッフ以外に研究開発部門から10名を出向者として各社へ派遣しております。現在保有する特許は、国内56件、海外22件になります。当期の特許登録数は、国内3件を数え、知的財産権の確保及び活用に注力いたしました。当連結会計年度における研究開発費(海外を含む)の総額は、1,580百万円であります。

(1) 日本

海外に展開する主要顧客のグローバル戦略対応として、顧客の国内本社の動向を捉え、新製品開発に顧客ニーズを反映させることを意識した基礎研究および製品開発を行っています。例えば、金属加工用油剤の主力製品である水溶性切削油剤は、自動車産業分野を主眼に置いたグローバル展開を指向した高性能環境対応型油剤の開発を主体に進めております。また、平成27年に子会社化した日本シー・ビー・ケミカル株式会社との協業として、同社の得意分野である金属部品の表面処理薬剤や洗浄剤などの分野で、お互いの「強み」を生かした製品開発を実施しています。塑性加工及び鋳造分野では、伸線加工や鍛造用油剤、ダイカスト用離型剤等の高性能化品を開発し、市場展開しています。ビルメンテナンス関連製品も、他社製品との差別化を意識した製品開発を行っています。当連結会計年度における研究開発費の金額は、1,064百万円であります。

 

(2) 南北アメリカ、中国、東南アジア/インド

海外におけるカスタマーインティマシー戦略では、アジアにおけるアセアンテクニカルセンターを始めとして、海外各子会社の研究開発部門が、顧客ニーズを的確に把握した製品開発を迅速に行うことを目指して研究活動に取り組んでおります。日本からも積極的支援を行うことで、現地生産拠点のニーズを的確に把握した戦略製品群を新たに構築し、ユーザー展開を積極的に進めていくことを目指してまいります。当連結会計年度における研究開発費の金額は、516百万円であります。         

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
 当社グループは、特に以下の重要な会計方針において行われる当社の判断と見積りは、連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

① 売上の認識

当社グループの売上高は、通常、発注書に基づき顧客において製品が着荷された時点、またはサービスが提供された時点に計上しております。 

 

② 貸倒引当金

当社グループは債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収不能額を計上しております。ただし、顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

 

③ 有形・無形固定資産の減損

固定資産の減損会計は資産のグルーピング・割引前キャッシュ・フローの総額・回収可能価額を当該企業に固有の事情を反映した合理的で説明可能な仮定及び予測に基づいて算出しております。将来の地価下落・資産の劣化等により現在の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

④ 投資の減損

当社グループは、投資有価証券及び出資金等について、時価の下落率が50%以上の場合は、すべての株式を減損処理の対象とし、下落率が30%以上50%未満の場合は、個別に回復可能性を検証したうえで回復可能性があるものを除く株式について減損処理の対象としております。しかし、将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失が発生した場合、評価損の計上が必要となる場合があります。 

 

⑤ 退職給付費用

従業員退職給付費用及び債務は、割引率や長期期待運用収益率等の前提条件に基づき算出されております。日本の国債利回り等の変動により割引率は変更される可能性があり、年金資産の運用結果が前提条件と異なる場合等には、退職給付費用及び退職給付に係る負債に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 偶発事象

係争事件等の偶発事象による負担額は、その発生の可能性が高く、金額を合理的に見積もることが可能となった段階で引当金計上を行います。このため係争事件の進展次第で将来において損失計上が必要となる可能性があります。

 

 

(2) 財政状態に関する分析

① 資産、負債及び純資産の状況

(a) 資産
 流動資産は、前期末に比べ8.1%増加し、17,913百万円となりました。主な要因として、有価証券が340百万円減少し、一方、現金及び預金が1,568百万円、受取手形及び売掛金が219百万円増加したことが挙げられます。
 固定資産は、前期末に比べ0.2%増加し、22,646百万円となりました。主な要因として、建物及び構築物が290百万円、無形固定資産が143百万円、機械装置及び運搬具が138百万円減少し、一方、投資有価証券が695百万円増加したことが挙げられます。
 この結果、総資産は、前期末に比べて3.6%増加し、40,560百万円となりました。

 

(b) 負債
 流動負債は、前期末に比べ1.8%増加し、7,843百万円となりました。主な要因として、支払手形及び買掛金が67百万円減少し、一方、その他の流動負債が209百万円、未払法人税等が132百万円増加したことが挙げられます。
 固定負債は、前期末に比べ16.1%増加し、3,397百万円となりました。主な要因として、長期借入金が127百万円減少し、一方、繰延税金負債が255百万円、厚生年金基金解散損失引当金が294百万円増加したことが挙げられます。この結果、負債合計は、前期末に比べて5.7%増加し、11,241百万円となりました。

 

(c) 純資産
 純資産合計は前期末に比べ2.7%増加し、29,318百万円となりました。主な要因として、為替換算調整勘定が643百万円変動、自己株式の取得により375百万円減少し、一方、利益剰余金が970百万円、その他有価証券評価差額金が742百万円増加したことが挙げられます。

 

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度における経営成績の概況につきましては、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (1) 業績」をご参照ください。なお、連結損益計算書の主要項目ごとの前連結会計年度との主な増減は、次のとおりであります。

① 売上高

 当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して1,074百万円減少し、29,605百万円(前期比3.5%減)となりました。 

 

② 営業利益

 当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度と比較して267百万円増加し、2,437百万円(前期比12.3%増)となりました。 

 

③ 経常利益

 当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度と比較して69百万円増加し、3,017百万円(前期比2.4%増)となりました。 

 

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して295百万円減少し、1,697百万円(前期比14.8%減)となりました。 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度に係るキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。